JPH111638A - 亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板用塗料組成物及び塗装鋼板 - Google Patents

亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板用塗料組成物及び塗装鋼板

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JPH111638A
JPH111638A JP16956497A JP16956497A JPH111638A JP H111638 A JPH111638 A JP H111638A JP 16956497 A JP16956497 A JP 16956497A JP 16956497 A JP16956497 A JP 16956497A JP H111638 A JPH111638 A JP H111638A
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zinc
aluminum alloy
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plated steel
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JP16956497A
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Yuji Okuzaki
裕二 奥崎
Hiroshi Hatsuya
博 初谷
Shizuo Takano
静雄 高野
Kenji Takagi
健司 高木
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TAIYO SEIKO KK
Nippon Paint Co Ltd
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TAIYO SEIKO KK
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた意匠性、耐候性、耐食性、耐黒変性、
密着性、リペイント性等を有するとともに、直接手で触
れても指紋が付着しないような性能を有する塗膜を亜鉛
−アルミニウム合金めっき鋼板上に形成し得る塗料組成
物を提供する。 【解決手段】 亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板用塗
料組成物は、(a) ヒドロキシル基含有アクリルモノマー
を含有するアクリルモノマー混合物とラジカル重合可能
なアニオン性及び/又はノニオン性の反応性乳化剤とを
重合してなり、20〜100 の水酸基価及び5万〜20万の数
平均分子量を有する水分散性樹脂と、(b)Cr/水酸基
価が1/46〜1/233 となる量の無水クロム酸、重クロム酸
アンモニウム及びクロム酸アンモニウムからなる群から
選ばれた少なくとも1種のクロム化合物と、(c) フッ素
系界面活性剤により表面張力を25dyne/cm 以下に調整し
た上記クロム化合物と反応しにくいアルコールからなる
親水性混合溶剤とを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛−アルミニウム合
金めっき鋼板に優れた耐食性、耐候性、耐黒変性、耐指
紋付着性等とともに良好な意匠性及び外観を有する塗膜
を形成し得る塗料組成物、及びかかる塗膜を形成した塗
装鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】亜鉛−
アルミニウム合金めっき鋼板は一般に4〜75重量%のア
ルミニウム、微量のSi、Mg等、及び残部実質的に亜鉛か
らなる合金をめっきした鋼板である。現在市販されてい
るものでは、4〜10重量%のアルミニウム、微量のMg等
及び残部亜鉛からなる亜鉛−アルミニウム合金をめっき
した低アルミニウムタイプのめっき鋼板と、例えば55重
量%のアルミニウム、43.4重量%の亜鉛及び1.6 重量%
のSiを含有する亜鉛−アルミニウム合金をめっきした高
アルミニウムタイプのめっき鋼板の2種類がある。溶融
亜鉛めっき鋼板と比較して、同じめっき層厚みの場合、
低アルミニウムタイプの亜鉛−アルミニウム合金めっき
鋼板の耐食性は1.5〜2倍であり、また高アルミニウム
タイプの亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板の耐食性は
3〜6倍である。しかも高アルミニウムタイプの亜鉛−
アルミニウム合金めっき鋼板の場合には耐熱性や熱反射
性にも優れている。このため亜鉛−アルミニウム合金め
っき鋼板は最近注目され、屋根材や内外の壁材等の建
材、ガードレール、防音壁、防雪柵、排水溝等の土木製
品、自動車、家電製品、産業機器等用に急速に普及しつ
つある。
【0003】亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板の表面
に、耐黒変性、耐候性、耐食性等に優れているとともに
外観及び意匠性にも優れた塗膜を形成するのが望まし
く、この目的で種々の塗料組成物が提案されている。
【0004】例えば特公平1-53353 号は、クロム酸及び
/又はクロム酸塩と水溶性樹脂及び/又はエマルジョン
樹脂とを含有する水溶液を亜鉛−アルミニウム合金めっ
き鋼板に直接塗布した後乾燥し、乾燥膜厚が0.5 〜5μ
mでクロム含有量が5〜50 mg/cm3 の塗膜を形成するこ
とを特徴とする亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板の後
処理方法を開示している。しかしながらこの方法により
得られた塗膜は亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板に対
する密着性が十分でないので、成形加工等により塗膜が
剥離したりクラックが発生したりする恐れがある。
【0005】特公平4-2672号は、酸価が10〜200 の水分
散性あるいは水溶性の樹脂に重量比(固形分基準)で1
/500 〜1/10の6価クロムを配合するとともにpHを
3〜10に調整した樹脂組成物を、0.3 〜5 g/m2 の乾燥
膜厚となるように亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板の
表面に塗布することを特徴とする亜鉛−アルミニウム合
金めっき鋼板の表面処理方法を開示している。しかしな
がらこの樹脂組成物も同様に亜鉛−アルミニウム合金め
っき鋼板に対して意匠性を付与できない。
【0006】特開平4-272903号は、(a) (イ) β−ケトエ
ステル基を有するα、β−エチレン性不飽和モノマー1
〜20重量部と、(ロ) 2個以上のラジカル重合性基を有す
る架橋性のα、β−エチレン性不飽和モノマー0.05〜5
重量部と、(ハ) 上記以外のα、β−エチレン性不飽和モ
ノマー残部とを含むモノマー混合物100 重量部に対し
て、(b) ラジカル重合可能な反応性乳化剤0.2 〜10重量
部を配合し、乳化重合することにより得られた、 0〜15
の酸価を有する水性樹脂分散体、及びこの水性樹脂分散
体に1/1000〜1/10の重量比でクロム(VI)イオンを配合
してなる亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板被覆用樹脂
組成物を開示している。しかしながら、この被覆用樹脂
組成物はクロムと樹脂の共存下で安定性は良いが、クロ
ムの溶出が多く、性能の経時変化があるという点で問題
がある。
【0007】特公平6-59717 号は、アクリルエマルジョ
ン樹脂100 重量部(固形分基準)に対して、0.1 〜2重
量部の6価クロムと、0.5 〜5重量部のワックス固形分
と、5〜50重量部の親水性溶剤とを配合し、pHを6〜
8に調整してなる被覆組成物を用いて塗膜を形成したこ
とを特徴とする被覆表面処理金属板を開示している。ア
クリルエマルジョン樹脂は、α、β−エチレン性不飽和
モノマーにラジカル重合可能なアニオン性及び/又はノ
ニオン性の反応性乳化剤を樹脂固形分当たり0.5 〜5重
量%配合し、乳化重合することにより得られ、0〜9の
酸価を有する。しかしながら、これには水酸基価が低く
てクロムとの結合が少ないので、初期段階からクロムの
溶出が起こり、性能の経時変化が著しいという問題点が
ある。
【0008】以上の通り、亜鉛−アルミニウム合金めっ
き鋼板の表面スパングルの状態を活かしつつ、優れた意
匠性、耐候性、耐食性、耐黒変性、密着性等を有する塗
膜を形成することは、従来の技術では困難であった。ま
たクロム化合物及びアクリルエマルジョン樹脂を含有す
る従来の塗料組成物は安定性が不十分であり、連続生産
には適していなかった。その上顔料をクロメート処理液
に入れるのが困難であるので、スパングルを殺さずに均
一に着色することができなかった。さらに直接手で触れ
たときに指紋が付着しないような性能を有する塗膜を得
ることはできなかった。
【0009】また塗装した亜鉛−アルミニウム合金めっ
き鋼板を長期間にわたって使用した後で、めっき表面が
見苦しくなると再塗装するが、その際塗料を弾いたり新
たな塗膜がフィルム状に剥離したりするものが多かっ
た。すなわち従来の亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板
用塗膜はリペイント性に劣っていた。
【0010】従って、本発明の目的は、優れた意匠性、
耐候性、耐食性、耐黒変性、密着性、リペイント性等を
有するとともに、直接手で触れても指紋が付着しないよ
うな性能を有する塗膜を亜鉛−アルミニウム合金めっき
鋼板上に形成し得る塗料組成物、及びかかる塗膜を有す
る塗装鋼板を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者等は、水酸基価を所定の範囲に設定
したアクリルエマルジョン樹脂を使用するとともに、
添加するクロム化合物中のクロムの量と水酸基価との比
率を所定の範囲内に限定し、かつ添加する有機溶剤の
表面張力を調整するためにフッ素系界面活性剤を予め混
入した溶剤を使用することにより、上記特性を示す塗膜
が得られることを発見し、本発明を完成した。
【0012】すなわち本発明の亜鉛−アルミニウム合金
めっき鋼板用塗料組成物は、(a) アクリルモノマー混合
物とラジカル重合可能なアニオン性及び/又はノニオン
性の反応性乳化剤の存在下でアクリルモノマー混合物を
重合してなり、20〜100 の水酸基価及び5万〜20万の数
平均分子量を有する水分散性樹脂と、(b) Cr/水酸基
価が1/46〜1/233 となる量の無水クロム酸、重クロム酸
アンモニウム及びクロム酸アンモニウムからなる群から
選ばれた少なくとも1種のクロム化合物と、(c) フッ素
系界面活性剤により表面張力を25dyne/cm 以下に調整し
た上記クロム化合物と反応しにくいアルコールからなる
親水性混合溶剤とを含有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明を以下詳細に説明する。 [1] 塗料組成物 [A] 水分散性樹脂 (1) 組成 水分散性樹脂はアクリルエマルジョン樹脂と呼ばれるも
ので、アクリルモノマー混合物とアニオン性及び/又は
ノニオン性の反応性乳化剤とのエマルジョン重合樹脂で
ある。
【0014】(A) アクリルモノマー混合物 アクリルモノマー混合物は以下のものを2種以上混合し
たもので、少なくとも1種のヒドロキシル基含有アクリ
ルモノマーを含有する。 (イ) (メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシブチル、エチレングリコールジアクリレート、エ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジ
メタクリレート、1,3-ブチレングリコールジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリ
メチロールプロパントリメタクリレート、1,4 - ブタン
ジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジア
クリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ペ
ンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリト
ールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラア
クリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、
ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラメタクリレート、グリセロールジメタ
クリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロー
ルアリロキシジメタクリレート、1,1,1-トリスヒドロキ
シメチルエタンジアクリレート、1,1,1-トリスヒドロキ
シメチルエタントリアクリレート、1,1,1-トリスヒドロ
キシメチルエタンジメタクリレート、1,1,1-トリスヒド
ロキシメチルエタントリメタクリレート、1,1,1-トリス
ヒドロキシメチルプロパンジアクリレート、1,1,1-トリ
スヒドロキシメチルプロパントリアクリレート、1,1,1-
トリスヒドロキシメチルプロパンジメタクリレート、1,
1,1-トリスヒドロキシメチルプロパントリメタクリレー
ト等のヒドロキシル基含有アクリルモノマー。 (ロ) (メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フ
マール酸、マレイン酸等のカルボキシル基含有エチレン
性モノマー。 (ハ) (メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル
酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)ア
クリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n-オク
チル、(メタ)アクリル酸n-ドデシル等の(メタ)アク
リル酸アルキルエステルモノマー。 (ニ) スチレン、α- メチルスチレン、o-メチルスチレ
ン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、tert- ブチ
ルスチレン等のスチレン系モノマー。
【0015】アクリルエマルジョン樹脂が20〜100 の水
酸基価を有するために、アクリルモノマー混合物は全体
を100 重量%として、(イ) のヒドロキシル基含有アクリ
ルモノマーを4〜45重量%含有するのが好ましい。その
他のモノマー成分については、(ロ) のカルボキシル基含
有エチレン性モノマーは0.1 〜3重量%とし、(ハ) の
(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーは30〜90
重量%とし、(ニ) のスチレン系モノマーは1〜40重量%
とするのが好ましい。
【0016】(B) アニオン性及び/又はノニオン性の反
応性乳化剤 アクリルモノマー混合物とラジカル重合可能な反応性乳
化剤はアニオン性反応性乳化剤、ノニオン性反応性乳化
剤又はノニオン−アニオン性反応性乳化剤であり、例え
ば(メタ)アクリル基、(メタ)アリル基、スチリル基
等のラジカル重合性基を有する。具体的には、下記のも
のを1種又は2種以上組合せて使用することができる。
【0017】(1) アニオン性反応性乳化剤 硫酸基、スルホン酸基、燐酸基、カルボキシル基等の酸
基を有し、代表的な例として下記のものがある。
【0018】(イ) 下記式(1) :
【化1】 により表されるスルホコハク酸エステル系反応性乳化剤
(ただしR1 は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル
基、アリール基又はアラルキル基であり、R2 は−CH
2 −又は−CH2 −CH(OH)−CH2 O−であり、
1 はアルカリ金属、アンモニア又は有機アンモニウム
である)。
【0019】(ロ) 下記式(2) :
【化2】 により表される燐酸ジエステル系反応性乳化剤(ただし
3 及びR6 は水素原子又はメチル基であり、R4 及び
5 は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基、アリ
ール基又はアラルキル基であり、M2 はアルカリ金属、
アンモニア又は有機アンモニウムである)。
【0020】(2) ノニオン性反応性乳化剤 (イ) 下記式(3) 〜(5) により表されるポリオキシエチレ
ンフェニルエーテル系反応性乳化剤。
【化3】 ただしR7 、R8 及びR10はそれぞれ炭素数6〜18のア
ルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基
であり、R9 はアリル基又はクロトニル基であり、k、
m及びnはそれぞれ1〜50の整数である。
【0021】(ロ) 下記式(6) :
【化4】 により表されるポリオキシプロピレンポリオキシエチレ
ンエーテルエステル系反応性乳化剤(ただしR12及びR
13はそれぞれ水素原子又はメチル基であり、pは10〜50
の整数であり、qは1〜50の整数であり、rは1〜50の
整数である)。
【0022】(3) ノニオン−アニオン性反応性乳化剤 下記式(7) 〜(9) により表されるポリオキシエチレンフ
ェニルエーテルサルフェート系反応性乳化剤。
【化5】 ただし、R14、R15、R17及びR19はそれぞれ炭素数6
〜18のアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラ
ルキル基であり、R16はアリル基又はクロトニル基であ
り、R18は水素原子又はメチル基であり、M3 、M4
びM5 はそれぞれアルカリ金属、アンモニア又は有機ア
ンモニウムであり、s、t、u及びvはそれぞれ1〜50
の整数である。
【0023】(C) 配合比 アクリルモノマー混合物100 重量部に対する反応性乳化
剤の配合量は0.2 〜10重量部とするのが好ましい。反応
性乳化剤の配合量が0.2 重量部未満であると重合時のエ
マルジョンの安定性が悪いために凝集が起こりやすい。
また10重量部を超えると耐アルカリ性の低い塗膜が得ら
れる。より好ましい反応性乳化剤の配合量はアクリルモ
ノマー混合物100 重量部に対して0.5 〜5重量部であ
る。
【0024】(2) 製造方法 アクリルモノマー混合物と反応性乳化剤と水からなるプ
レ乳化物に重合開始剤を添加し、40〜95℃で1〜12時間
反応させる。重合開始剤としては過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウム等の過硫酸塩、4,4'- アゾビスシアノ吉
草酸等のアゾ化合物が挙げられる。過硫酸塩とともに還
元剤として亜硫酸水素ナトリウム等を使用してレドック
ス系として反応させても良い。また重合開始剤の添加量
はアクリルモノマー混合物100 重量部に対して0.1 〜2
重量部程度である。
【0025】(3) 特性 (A) 水酸基価 水分散性樹脂は20〜100 の水酸基価を有する。水酸基価
(単位:mg/g)が20未満であると遊離クロムが溶解し、
塗膜の耐黒変性及び耐食性を低下させる。また水酸基価
が100 超であるとクロムと結合できない水酸基が塗膜に
残存し、塗膜を透過してきた水分等と結合し、耐黒変
性、耐食性及び耐薬品性が低くなる。好ましい水酸基価
は25〜60である。
【0026】水酸基価は無水酢酸−ピリジン法と呼ばれ
る方法により測定する。まず無水酢酸1容量%とピリジ
ン3容量%とからアセチル化剤を調製する。また逆流冷
却器を具備する300 mlの有栓マイヤーに、水酸基濃度が
10〜15mmolになるように秤量した試料を入れ、 次いでア
セチル化剤5ml を添加して、100 〜110 ℃の湯浴に60分
間漬ける。放冷後純水5mlを加えて良く振とうし、2分
後に冷水によりマイヤーを冷却する。ピリジン50mlで内
部を良く洗浄した後で、フェノールフタレイン指示薬で
N/2のKOHで滴定し、滴定量A(単位:ml)を求め
る。同じ条件で空試料も滴定し、滴定量B(単位:ml)
を求める。水酸基価は下記式: 水酸基価=[(B−A)×f×28]/試料重量g (ただしNは規定度であり、fはN/2のKOHの係数
である)から求める。
【0027】(B) 数平均分子量 水分散性樹脂はまた5万〜20万の数平均分子量を有す
る。数平均分子量が5万未満であると、得られる塗膜の
耐黒変性、耐食性及び耐薬品性は低い。また20万を超え
ると、樹脂粘度が高く塗料樹脂として使用できない。好
ましい数平均分子量は8〜12万である。
【0028】(4) 作用 アクリルエマルジョン樹脂は塗料のビヒクルになるもの
で、その水酸基がクロムと結合して強固な(錆の発生原
因となる水分の侵入を極力抑制した)塗膜を形成する。
クロム溶出速度を抑えて、塗膜の耐食性を持続させる作
用を有する。またアクリルエマルジョン樹脂の水酸基は
同時に亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板の表面への接
着強度の向上にも寄与する。さらにアクリルエマルジョ
ン樹脂は微粒子状であるので、乾燥した塗膜の表面には
微小な凹凸が多数あり、接触面積の低下により指紋の付
着を抑制する。
【0029】(5) 配合量 アクリルエマルジョン樹脂の配合量(固形分基準)は、
クロム化合物中のCrを100 重量部として、1500〜5000重
量部とするのが好ましい。アクリルエマルジョン樹脂が
1500重量部未満であるとクロムの割合が多くなり、塗料
の安定性及び耐食性が低下する。また5000重量部を超え
ると水酸基価が多すぎて、耐食性が低下する。より好ま
しい配合量は2500〜4500重量部である。
【0030】[B] クロム化合物 本発明に使用するクロム化合物は、無水クロム酸、重ク
ロム酸アンモニウム及びクロム酸アンモニウムからなる
群から選ばれた少なくとも1種の水溶性クロム化合物で
ある。クロム化合物は亜鉛−アルミニウム合金めっき層
を不働態化し、防食及び錆発生防止の作用を有する。ま
たクロム化合物はアクリルエマルジョン樹脂の造膜促進
作用を有し、また塗膜の耐久性を向上させる。
【0031】クロム化合物の配合量は、塗料固形分100
g中におけるクロム化合物の含有量(Cr換算値、単
位:g)と水分散性樹脂の水酸基価との比(Cr/水酸
基価)が1/46〜1/233 となるように設定する。ここでC
r換算値とは、クロム化合物中におけるクロムの含有量
に相当する。Cr/水酸基価が1/46超であると、アクリ
ルエマルジョン樹脂に対するCrの量が多すぎ、素地に
対する塗膜密着力が低下するのみならず、塗料の安定性
が悪化する。またCr/水酸基価が1/233 未満であると
Crの量が少なすぎるので、アクリルエマルジョン樹脂
の官能基が水分に結合し、塗膜の耐食性が低下する。そ
の結果錆止めや変色防止作用が低下する。好ましいCr
/水酸基価は1/58〜1/140 である。
【0032】[C] 親水性混合溶剤 親水性混合溶剤はフッ素系界面活性剤と上記クロム化合
物と反応しにくいアルコールとの混合物である。親水性
混合溶剤は亜鉛−アルミニウム合金めっき表面への塗料
組成物の塗布性、すなわち濡れ性を向上する作用を有す
る。
【0033】(1) フッ素系界面活性剤 フッ素系界面活性剤はフッ素化アルキル基を有し、市販
品としては三菱マテリアル(株)製の「エフトップ EF
-122B 」等がある。
【0034】(2) 有機溶剤 親水性混合溶剤が含有する有機溶剤は上記クロム化合物
と反応しにくいアルコールであり、特にエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール等のグリコール類(多価アル
コール類)が挙げられる。これらのアルコール類は30〜
50dyne/cm 程度の表面張力を有する。
【0035】(3) 配合量 アルコール/フッ素系界面活性剤の重量比は1/0.001
〜1/0.1 の範囲内であるのが好ましい。重量比が1/
0.001 超であると(フッ素系界面活性剤が少なすぎる
と)、親水性混合溶剤の表面張力が高すぎ、均一塗布性
が低下する。一方重量比が1/0.1 未満であると(フッ
素系界面活性剤が多すぎると)、塗装時に弾き等が生
じ、やはり均一塗布性が低下する。より好ましいアルコ
ール/フッ素系界面活性剤の重量比は1/0.002 〜1/
0.05である。
【0036】また親水性混合溶剤の添加量は、クロム化
合物中のCrを100 重量部として、500 〜5000重量部とす
るのが好ましい。親水性混合溶剤が500 重量部未満であ
ると素地との馴染み性が悪くなり、均一に塗装できな
い。また5000重量部を超えると規定の膜厚を維持できな
くなる。より好ましい添加量は500 〜3000重量部であ
る。
【0037】(4) 表面張力 親水性混合溶剤の表面張力は25dyne/cm 以下に調整す
る。表面張力が25dyne/cm を超えると塗装時の均一塗布
性が悪化し、錆の発生が起こりやすくなる。好ましい表
面張力は15〜25dyne/cm である。
【0038】[D] その他の成分 (1) 顔料 顔料としては、カーボンブラック、二酸化チタン、鉛
白、黒鉛、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化クロム、クロム酸
亜鉛、クロム酸ストロンチウム、クロム酸バリウム、黄
色ニッケルチタン、黄色クロムチタン、酸化鉄、黄色酸
化鉄、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、硫化カドミウム等の無
機着色顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニング
リーン、ウルトラマリンブルー、キナクリドン類、イン
ダンスロン、イソインドリノン、ペリレン、アンスラピ
リミジン、ベンズイミダゾロン、ジケトピロロピロール
等の有機着色顔料が挙げられる。
【0039】顔料は着色による外観の向上及び意匠性の
付与という作用を有する。従って、ビヒクル樹脂100 重
量部に対する顔料の配合量は、無機顔料の場合には1〜
10重量部とするのが好ましく、有機顔料の場合には0.1
〜1重量部とするのが好ましい。顔料が多すぎると亜鉛
−アルミニウム合金めっき鋼板の素地のスパングルや光
沢を活かせなくなり、また少なすぎると着色度が低す
ぎ、意匠性に乏しい。より好ましい配合量は、無機顔料
が2〜5重量部であり、有機顔料が0.3 〜0.6 重量部で
ある。
【0040】(2) アルコキシメチルメラミン樹脂 顔料をアルコキシメチルメラミン樹脂に分散させてから
ビヒクル樹脂に添加すると顔料の分散が均一になり、透
明性のあるクリヤー塗料が得られる。顔料分散用樹脂と
して使用するアルコキシメチルメラミン樹脂は、メトキ
シ基、エトキシ基、n-ブトキシ基、i-ブトキシ基等のア
ルコキシ基を有する。アルコキシメチルメラミン樹脂
は、通常メラミンにホルムアルデヒド、パラホルムアル
デヒド等のアルデヒドを付加反応又は付加縮合反応させ
て得たメチロールメラミン樹脂を、炭素数1〜4の1価
アルコールでエーテル化して得られる。本発明において
は、メチルエーテル基が好適である。アルキルエーテル
化率(トリアジン核1個当たりのアルキルエーテル基の
割合)は30〜80%が好ましい。
【0041】このようなアルコキシメチルメラミン樹脂
の具体例としては、メトキシ基を有するタイプ(メチル
エーテル型)として、サイメル325 、同327 、同 701、
同 703、同712 (いずれも三井サイテック(株)製)等
が挙げられる。またブトキシ基を有するタイプ(ブチル
エーテル型)としては、ユーバン20SE60、同20SE125、
同20SE128 (いずれも三井東圧化学(株)製)や、スー
パーベッカミンG821、同J820(いずれも大日本インキ化
学工業(株)製)や、マイコート506 、同508(いずれ
も三井サイテック(株)製)等が挙げられる。さらに、
混合エーテル型メラミンとしては、サイメル235 、同23
8 、同254 、同266 、同267 、同285 、同1141(いずれ
も三井サイテック(株)製)や、ニカラックMX-40 、同
MX-45 (いずれも三和ケミカル(株)製)等が挙げられ
る。
【0042】アルコキシメチルメラミン樹脂と顔料との
重量比は1/0.5 〜1/2が好ましい。アルコキシメチ
ルメラミン樹脂に対する顔料の重量比が0.5 未満である
と着色性が不十分であり、また2以上であると顔料の均
一分散性が低く、塗膜の硬化性も低いので耐黒変性、耐
食性及び耐候性が劣る。より好ましいアルコキシメチル
メラミン樹脂と顔料との重量比は1/0.7 〜1/1.3 で
ある。またアルコキシメチルメラミン樹脂と顔料とのブ
レンド(顔料ペースト)の添加量は、水分散性樹脂を10
0 重量部として、4〜45重量部(固形分基準)とするの
が好ましい。顔料ペーストが4重量部未満であると着色
効果が不十分であり、また45重量部を超えるとめっき表
面のスパングルが見えなくなる。より好ましい添加量は
7〜30重量部である。
【0043】[E] 塗料組成物の特性 このようにして得られた塗料組成物は20〜40%の不揮発
性分(NV)を有するのが好ましい。この範囲のNVに
より薄く均一な塗膜を形成することができる。また塗料
組成物の粘度は10〜30秒(フォードカップ#4、20℃)
程度とするのが好ましい。また増粘剤を添加する場合に
は、粘度を30〜60秒程度とする。
【0044】[2] 塗装鋼板 [A] 亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板 亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板としては、鋼板、ス
テンレススティール板等の鋼板に亜鉛−アルミニウム合
金をめっきしたものである。めっき用の亜鉛−アルミニ
ウム合金としては、高アルミニウムタイプでも低アルミ
ニウムタイプでも良い。高アルミニウムタイプとしては
例えば55重量%のアルミニウム、43.4重量%の亜鉛及び
1.6 重量%の珪素からなる合金が挙げられるが、これに
限定されるものではない。亜鉛−アルミニウム合金めっ
き鋼板は、塗装前に通常の脱脂処理及び洗浄等を行う。
【0045】[B] 塗装方法 (1) 塗装工程 亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板がコイル状に巻かれ
ている場合には、アンコイルした後で塗装する。まため
っきした冷延鋼板にめっき設備インラインで直接塗装し
た後で、コイル状に巻き取ることもある。塗料組成物の
塗装は、ロールコーター法、フローコーター法、ダイコ
ーター法、カーテンコーター法、浸漬法、スプレー法等
の通常のエマルジョン塗料の塗装方法により行うことが
できる。塗膜の乾燥膜厚は0.5 〜5 g/m2 程度であれば
良い。乾燥膜厚が0.5 g/m2 未満であると耐黒変性、耐
食性及び耐候性が不十分であり、また5 g/m2 を超える
と塗膜密着性、耐ロールフォーマー性等の加工性が低下
する。塗膜のより好ましい乾燥膜厚は1〜2.5 g/m2
ある。
【0046】(2) 焼付け工程 十分に乾燥した塗膜を60℃以上、好ましくは75℃以上の
温度で焼付ける。焼付け温度が60℃未満では塗膜が十分
に硬化せず、耐黒変性、耐食性及び耐候性が不十分であ
る。焼付け温度の上限は150 ℃程度とするのが好まし
い。焼付け後に亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板をリ
コイルする。
【0047】
【作用】本発明の塗料組成物において、アクリルエマル
ジョン樹脂は高い水酸基価及び大きな数平均分子量を有
するので、アクリルエマルジョン樹脂中の水酸基がクロ
ムと結合することにより強靭な塗膜が得られる。そのた
め塗膜は優れた耐候性、耐食性、耐薬品性及び耐黒変性
等を有する。またアクリルエマルジョン樹脂はクロムに
より酸化されないので、塗料組成物は良好な貯蔵安定性
を有する。さらに本発明の塗料組成物はアクリルエマル
ジョン樹脂を主体とするので、亜鉛−アルミニウム合金
めっき鋼板の素地との密着性が良好であり、また塗装後
の亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板を加工しても、塗
膜が剥離したりクラックが発生したりすることがない。
【0048】さらに本発明の塗料組成物はアクリルエマ
ルジョン樹脂を主体とするので、得られる塗膜表面には
微細な凹凸が多数存在する。このためめっき表面のスパ
ングルとの相乗効果により良好な意匠性を発揮する。
【0049】さらに溶剤としてフッ素系界面活性剤を含
有する有機溶剤を含有するので、均一な塗膜の形成が可
能である。これはフッ素系界面活性剤の存在により亜鉛
−アルミニウム合金めっき表面への乗り(塗布性及び濡
れ性)が改善されたためである。
【0050】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0051】製造例1 撹拌機、コンデンサー、窒素導入管、2つの滴下漏斗及
び温度計を具備した3リットルのフラスコに、ラジカル
重合型アニオン性反応性乳化剤(アクアロンHS-10 、第
一工業製薬(株)製)2g(全量の1/5)、ラジカル
重合型ノニオン性反応性乳化剤(アクアロンRN-50 、有
効成分65%、第一工業製薬(株)製)6.2 g(全量の1
/5)、及びイオン交換水300 gを仕込んだ。またイオ
ン交換水600 gにアクアロンHS-10 8g(全量の4/
5)及びアクアロンRN-50 24.8g(全量の4/5)を溶
解した乳化剤水溶液に、下記表1に示すモノマー混合物
を撹拌しながら添加して乳化させ、得られたプレ乳化物
を一方の滴下漏斗に仕込んだ。もう一方の滴下漏斗に
は、イオン交換水300 gに過硫酸アンモニウム3gを溶
解した開始剤水溶液を仕込んだ。
【0052】窒素雰囲気下でプレ乳化物の全量の1/10
をフラスコに投入し、80℃に加熱した後、開始剤水溶液
の全量の1/4を仕込んで反応を開始させた。開始剤添
加から10分経過した後で、残りのプレ乳化物と残りの開
始剤水溶液をそれぞれ120 分及び140 分かけて均一に滴
下した。その後120 分間80℃で撹拌し、反応を終了させ
た。冷却後アンモニア水で反応液を中和し、固形分45重
量%のアクリル樹脂エマルジョンを得た。
【0053】製造例2〜5、7〜10 アクリルモノマー混合物の配合比を表1に示す通りに変
更した以外製造例1と同じようにして、固形分45重量%
のアクリル樹脂エマルジョンを得た。
【0054】製造例6 反応性乳化剤としてニューコール560SF (非反応性アニ
オン性乳化剤、有効成分50%、日本乳化剤(株)製)と
ニューコール506 (非反応性ノニオン性乳化剤、日本乳
化剤(株)製)とを使用した以外製造例1と同じように
して、固形分45重量%のアクリル樹脂エマルジョンを得
た。
【0055】 表1 製造例No. 成分(単位:g) アクリルモノマー混合物 スチレン 300 300 300 300 300 メタクリル酸メチル 327 312 338 288 331 アクリル酸2-エチルヘキシル 255 255 283 140 255 アクリル酸(1) 10 10 10 10 10 アクリル酸4-ヒドロキシブチル(2) 103 103 64 257 103 エチレングリコールジメタクリ レート 5 20 5 5 1反応性乳化剤 アクアロンHS-10 (3) 10 10 10 10 10 アクアロンRN-50 (4) 31 31 31 31 31 ニューコール560SF (5) − − − − − ニューコール506 (6) − − − − −開始剤 過硫酸アンモニウム 3 3 3 3 3
【0056】 表1(つづき) 製造例No. 成分(単位:g) 10 アクリルモノマー混合物 スチレン 300 300 300 300 300 メタクリル酸メチル 327 331.7 310 327 327 アクリル酸2-エチルヘキシル 255 250.3 272 320 24 アクリル酸(1) 10 10 10 10 10 アクリル酸4-ヒドロキシブチル(2) 103 103 103 38 334 エチレングリコールジメタクリ レート 5 0.3 22 5 5反応性乳化剤 アクアロンHS-10 (3) − 10 10 10 10 アクアロンRN-50 (4) − 31 31 31 31 ニューコール560SF (5) 20 − − − − ニューコール506 (6) 20 − − − −開始剤 過硫酸アンモニウム 3 3 3 3 3 注:(1) 酸価=8.5 。 (2) 水酸基価=39。 (3) ラジカル重合型アニオン性反応性乳化剤(第一工業製薬(株)製)。 (4) ラジカル重合型ノニオン性反応性乳化剤(有効成分65%、第一工業製薬 (株)製)。 (5) 非反応性アニオン性乳化剤(有効成分50%、日本乳化剤(株)製)。 (6) 非反応性ノニオン性乳化剤(日本乳化剤(株)製)。
【0057】実施例1〜21、比較例1〜15 1.亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板 55重量%のアルミニウム、43.4重量%の亜鉛及び1.6 重
量%のSiからなる組成を有する亜鉛−アルミニウム合金
のめっき層を有する鋼板(200 mm×300 mm×0.6 mm)を
使用した。
【0058】2.塗料組成物 下記表2に示す塗料組成物中の成分は下記の通りであ
る。
【0059】(a) アクリルエマルジョン樹脂 製造例1〜4により得られたアクリルエマルジョン樹脂
を使用した。各アクリルエマルジョン樹脂の水酸基価及
び数平均分子量は表2に示す通りであった。
【0060】(b) クロム化合物 C1 :クロム酸アンモニウム。 C2 :無水クロム酸。 C3 :重クロム酸アンモニウム。 C4 :クロム酸カリウム。
【0061】(c) フッ素系界面活性剤 F:エフトップ EF-122B、三菱マテリアル(株)製。
【0062】(d) 有機溶剤 O1 :エチレングリコール(和光純薬工業(株)製)。 O2 :ジエチレングリコール(和光純薬工業(株)
製)。 O3 :トリエチレングリコール(和光純薬工業(株)
製)。 O4 :プロピレングリコール(和光純薬工業(株)
製)。
【0063】(e) 顔料 P1 :酸化鉄(赤色、弁柄CM-25P、日本弁柄工業(株)
製)。 P2 :カーボンブラック(黒色、MA、三菱化学(株)
製)。 P3 :フタロシアニンブルー(青色、シアニンブルー52
41、大日精化工業(株)製)。 P4 :Fastogen Super Red 7061BT (赤色、大日本イン
キ化学工業(株)製)。
【0064】(f) 顔料分散用樹脂 R1 :サイメル327 (メラミン樹脂、三井サイテック
(株)製)。 R2 :サイメル712 (メラミン樹脂、三井サイテック
(株)製)。 R3 :サイメル703 (メラミン樹脂、三井サイテック
(株)製)。 R4 :サイメル325 (メラミン樹脂、三井サイテック
(株)製)。 R5 :サイメル701 (メラミン樹脂、三井サイテック
(株)製)。 R6 :F8124 (水溶性ポリカーボネート樹脂、第一工業
薬品(株)製)。 R7 :EC-8000W(水溶性アクリル樹脂、サイデン化学
(株)製)。
【0065】上記亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板
に、表1に示す組成の塗料組成物(pH8)をロールコ
ーターにより表1に示す乾燥膜厚に塗装し、乾燥後塗装
鋼板を表1に示す温度に到達するまで焼き付け、試験片
とした。
【0066】 表2 実施例 項目 AcEm樹脂(1) 製造例No. 1 2 3 4 5 1 Mn (×104 (2) 10 20 10 10 5 10 水酸基価(3) 40 40 25 100 40 60 クロム化合物 C1 1 1 1 1 1 Cr/水酸基価 1/93 1/93 1/46 1/140 1/93 1/93 親水性混合溶剤 有機溶剤O O1 1 1 1 1 1 界面活性剤F(4) 1 1 1 1 1 1 O/F(5) 1/0.025 1/0.025 1/0.025 1/0.025 1/0.025 1/0.025 表面張力(dyne/cm) 20 20 20 20 20 20 配合比(6) 1/35/20 1/35/20 1/35/20 1/35/20 1/35/20 1/35/20 着色方法 顔料P P1 1 1 1 1 1 分散樹脂R R1 1 1 1 1 5 P/R(7) 1/1 1/1 1/1 1/1 1/1 1/1.3 焼き付け温度(℃)75 75 75 75 75 75 乾燥膜厚( g/m2 )1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5
【0067】 表2(続き) 実施例 項目 10 11 AcEm樹脂(1) 製造例No. 1 1 1 1 1 Mn(×104 (2) 10 10 10 10 10 水酸基価(3) 25 40 40 40 40 クロム化合物 C2 3 1 +C2 1 +C3 2 +C3 Cr/水酸基価 1/93 1/93 1/93 1/93 1/93 親水性混合溶剤 有機溶剤O O1 1 2 3 4 界面活性剤F(4) 1 1 1 1 2 O/F(5) 1/0.025 1/0.025 1/0.025 1/0.025 1/0.001 表面張力(dyne/cm )20 20 23 24 22 配合比(6) 1/15/5 1/50/50 1/35/20 1/35/20 1/35/20 着色方法 顔料P P2 2 2 2 3 分散樹脂R R1 1 1 1 1 P/R(7) 1/1 1/1 1/1 1/1 1/1 焼き付け温度(℃) 75 75 75 75 100 乾燥膜厚( g/m2 ) 1.5 1.5 1.5 1.5 0.5
【0068】 表2(続き) 実施例 項目 12 13 14 15 16 AcEm樹脂(1) 製造例No. 1 1 1 1 1 Mn(×104 (2) 10 10 10 10 10 水酸基価(3) 40 40 40 40 40 クロム化合物 C1 +C2 1 1 1 1 +C3 Cr/水酸基価 1/93 1/93 1/93 1/93 1/93 親水性混合溶剤 有機溶剤O O4 1 +O2 2 +O3 3 +O4 1 +O2 +O3 界面活性剤F(4) 3 1 1 1 1 O/F(5) 1/0.1 1/0.025 1/0.025 1/0.025 1/0.025 表面張力(dyne/cm )22 22 22 22 22 配合比(6) 1/35/20 1/35/20 1/35/20 1/35/20 1/35/20 着色方法 顔料P P4 1 1 1 1 分散樹脂R R1 2 3 4 5 P/R(7) 1/1 1/0.5 1/2 1/0.7 1/1.3 焼き付け温度(℃) 100 120 120 150 60 乾燥膜厚( g/m2 ) 1.5 2.5 1.5 2.5 1.5
【0069】 表2(続き) 実施例 項目 17 18 19 20 21 AcEm樹脂(1) 製造例No. 1 1 1 1 1 Mn(×104 (2) 10 10 10 10 10 水酸基価(3) 40 40 40 40 40 クロム化合物 C1 1 1 1 1 Cr/水酸基価 1/93 1/93 1/93 1/93 1/93 親水性混合溶剤 有機溶剤O O1 1 1 1 1 界面活性剤F(4) 1 1 1 1 1 O/F(5) 1/0.025 1/0.025 1/0.025 1/0.025 1/0.025 表面張力(dyne/cm )20 20 20 20 20 配合比(6) 1/35/20 1/35/20 1/35/20 1/35/20 1/35/20 着色方法 顔料P P1 1 1 1 1 分散樹脂R R7 − R6 4 5 P/R(7) 1/1 1/1 1/1 1/0.7 1/1.3 焼き付け温度(℃) 75 75 75 75 75 乾燥膜厚( g/m2 ) 1.5 1.5 1.5 1.0 1.5
【0070】 表2(続き) 比較例 項目 AcEm樹脂(1) 製造例No. 7 8 9 10 1 Mn(×104 (2) 4 22 10 10 10 水酸基価(3) 40 40 15 130 40 クロム化合物 C1 1 1 1 1 Cr/水酸基価 1/93 1/93 1/23 1/349 1/93 親水性混合溶剤 有機溶剤O O1 1 1 1 1 界面活性剤F(4) 1 1 1 1 1 O/F(5) 1/0.025 1/0.025 1/0.025 1/0.025 1/0.025 表面張力(dyne/cm )20 20 20 20 20 配合比(6) 1/35/20 1/35/20 1/35/20 1/35/20 1/10/20 着色方法 顔料P P1 1 1 1 1 分散樹脂R R1 1 1 1 1 P/R(7) 1/1 1/1 1/1 1/1 1/1 焼き付け温度(℃) 75 75 75 75 75 乾燥膜厚( g/m2 ) 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5
【0071】 表2(続き) 比較例 項目 10 AcEm樹脂(1) 製造例No. 1 1 1 1 1 Mn(×104 (2) 10 10 10 10 10 水酸基価(3) 40 40 40 40 40 クロム化合物 C1 1 1 1 1 Cr/水酸基価 1/93 1/93 1/93 1/93 1/93 親水性混合溶剤 有機溶剤O O1 1 1 3 3 界面活性剤F(4) 1 1 1 1 O/F(5) 1/0.025 1/0.0005 1/0.025 1/0.001 − 表面張力(dyne/cm )20 30 20 25 35 配合比(6) 1/70/20 1/35/2 1/35/60 1/35/20 1/35/20 着色方法 顔料P P1 1 1 1 1 分散樹脂R R1 1 1 1 1 P/R(7) 1/1 1/1 1/1 1/1 1/1 焼き付け温度(℃) 75 75 75 75 75 乾燥膜厚( g/m2 ) 1.5 1.5 1.5 0.5 0.5
【0072】 表2(続き) 比較例 項目 11 12 13 14 15 AcEm樹脂(1) 製造例No. 1 1 1 1 6 Mn(×104 (2) 10 10 10 10 10 水酸基価(3) 40 40 40 40 60 クロム化合物 C1 1 1 4 1 Cr/水酸基価 1/93 1/93 1/93 1/93 1/93 親水性混合溶剤 有機溶剤O O1 1 1 1 1 界面活性剤F(4) 1 1 1 1 1 O/F(5) 1/0.025 1/0.025 1/0.025 1/0.025 1/0.025 表面張力(dyne/cm )20 20 20 20 20 配合比(6) 1/35/20 1/35/20 1/35/20 1/35/20 1/35/20 着色方法 顔料P P1 1 1 1 1 分散樹脂R R5 1 1 1 1 P/R(7) 1/0.1 1/4 1/1 1/1 1/1 焼き付け温度(℃) 75 75 50 50 75 乾燥膜厚( g/m2 ) 1.5 1.5 0.4 0.4 1.5 注:(1) アクリルエマルジョン樹脂。 (2) 数平均分子量(×104 )。 (3) 水酸基価(単位:mg/g)。 (4) フッ素系界面活性剤。 (5) 親水性有機溶剤O/フッ素系界面活性剤Fの重量比。 (6) クロム化合物/AcEm樹脂/親水性有機溶剤の重量比。 (7) 顔料/分散樹脂の重量比。
【0073】3.評価 得られた各試験片について、意匠性・外観、耐黒変性・
耐食性、耐候性、耐指紋付着性、耐薬品性、塗膜密着
性、耐ロールフォーマー性及びリペイント性を下記の方
法及び基準により評価した。これらの結果を表3に示
す。
【0074】(1) 意匠性・外観 クリヤー塗料を塗装した亜鉛−アルミニウム合金めっき
鋼板の意匠性を肉眼で観察した。評価基準は下記の通り
である。 ◎:亜鉛−アルミニウム合金めっき表面の素地のスパン
グルが明確に確認でき、着色した塗膜が均一になってい
た。 ○:亜鉛−アルミニウム合金めっき表面の素地のスパン
グルが確認でき、着色した塗膜が均一になっていた。 △:亜鉛−アルミニウム合金めっき表面の素地のスパン
グルが確認でき、着色した塗膜がほぼ均一になってい
た。 ×:亜鉛−アルミニウム合金めっき表面の素地が見え
ず、くすんだ塗膜になっていた。
【0075】(2) 耐黒変性・耐食性 JIS K5400 9.1 に従ってソルトスプレーを500 時間した
後で、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板の表面に黒変
や錆(黒錆、白錆、赤錆等)、 特に黒錆や黒変が発生し
ていないかを肉眼で観察した。 ◎:変色及び錆の発生が全くなかった。 ○:試験面に変色及び錆の発生が認められたが、その面
積は試験面の10%未満であった。 ×:試験面の10%以上に変色及び錆の発生が認められ
た。
【0076】(3) 耐候性 JIS K5400 9.8.1 に従って500 時間のデューサイクルウ
ェザオメータ試験を行った後で、塗膜を肉眼により観察
するとともに光沢度を測定した。塗装直後の光沢度
(A)と500 時間のデューサイクルウェザオメーター試
験後の光沢度(B)の測定値から、光沢保持率=B/A
の式により光沢保持率を算出し、下記基準に従って耐候
性を評価した。 ◎:亜鉛−アルミニウム合金めっき表面の素地のスパン
グルが明確に確認でき、着色した塗膜が均一であった。
また光沢保持率は90%以上であった。 ○:亜鉛−アルミニウム合金めっき表面の素地のスパン
グルが明確に確認でき、着色した塗膜が均一であった。
また光沢保持率は90%未満であった。 ×:亜鉛−アルミニウム合金めっき表面の素地が見え
ず、くすんだ塗膜になった。
【0077】(4) 耐指紋付着性 亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板の表面に直接手を押
さえつけ、指紋を転写した。手を離した後表面に付着し
た指紋の度合いを肉眼で判定した。 ◎:指紋の付着が全く認められなかった。 ○:指紋の付着が極僅かであり、良く見ないと認識でき
なかった。 ×:明確に指紋の付着が認められた。
【0078】(5) 耐薬品性 JIS K5400 8.22に従って耐酸性としては5重量%濃度の
硫酸に各試験片を3時間浸漬し、試験片の塗膜表面の変
化肉眼で観察した。また耐アルカリ性としては5重量%
濃度のカセイソーダ水溶液に各試験片を3時間浸漬し、
試験片の塗膜表面の変化肉眼で観察した。それぞれの評
価基準は以上の通りである。 ◎:浸漬前と同じ塗膜状態であった。 ○:塗膜の光沢は若干低下し、黒変が認められた。 ×:塗膜に剥離が認められ、素地の露出及び錆の発生も
認められた。
【0079】(6) 塗膜密着性 各試験片の間に試験片と同じ厚さの物を2枚挟んだ状態
で各試験片を折り曲げ、折り曲げ部にセロハンテープを
貼着し剥離した後で、折り曲げ部における塗膜の剥離状
態を観察した。 ◎:全く剥離しなかった。 ○:剥離した塗膜は10%未満であった。 ×:剥離した塗膜は10%以上であった。
【0080】(7) 耐ロールフォーマー性 各試験片をロール成形機にかけ、加工部の塗膜剥離状態
を肉眼で判定した。 ◎:全く剥離しなかった。 ○:剥離した塗膜は極く僅かであった。 ×:塗膜に剥離が認められ、素地の露出箇所もあった。
【0081】(8) リペイント性 各試験片に上記(3) の耐候性試験を行った後で試験片表
面を水洗し、水分を除去した後でCRトタンぺイント
(日本ペイント(株)製、アルキッド樹脂タイプ)を30
μmの乾燥膜厚となるように塗装し、1日かけて常温乾
燥した。再塗装した各試験片に対して、JIS K5400 8.
3.1 によるデュポン式耐衝撃試験(錘500g、打ち型直
径0.5 インチ、錘の高さ50cm)、及びJIS K5400 8.5.
1 による碁盤目試験を行った。両試験結果を肉眼で観察
し、それぞれ以下の基準により評価した。 ◎:全く剥離しなかった。 ○:剥離した塗膜は10%未満であった。 ×:剥離した塗膜は10%以上であった。
【0082】 表3 実施例 評価項目 意匠性・外観 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐黒変性・耐食性 ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ 耐候性 ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ 耐指紋付着性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐薬品性 耐酸性 ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ 耐アルカリ性 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ 塗膜密着性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐ロールフォーマー性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ リペイント性 耐衝撃試験 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 碁盤目試験 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
【0083】 表3(続き) 実施例 項目 10 11 意匠性・外観 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐黒変性・耐食性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐候性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐指紋付着性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐薬品性 耐酸性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐アルカリ性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 塗膜密着性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐ロールフォーマー性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ リペイント性 耐衝撃試験 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 碁盤目試験 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
【0084】 表3(続き) 実施例 項目 12 13 14 15 16 意匠性・外観 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐黒変性・耐食性 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ 耐候性 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ 耐指紋付着性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐薬品性 耐酸性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐アルカリ性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 塗膜密着性 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ 耐ロールフォーマー性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ リペイント性 耐衝撃試験 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 碁盤目試験 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
【0085】 表3(続き) 実施例 項目 17 18 19 20 21 意匠性・外観 △ △ △ ◎ ◎ 耐黒変性・耐食性 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ 耐候性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐指紋付着性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐薬品性 耐酸性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐アルカリ性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 塗膜密着性 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ 耐ロールフォーマー性 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ リペイント性 耐衝撃試験 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 碁盤目試験 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
【0086】 表3(続き) 比較例 項目 意匠性・外観 ◎ × ◎ ◎ ◎ 耐黒変性・耐食性 × × × × × 耐候性 × × × × × 耐指紋付着性 ◎ ○ ◎ ◎ ◎ 耐薬品性 耐酸性 ○ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐アルカリ性 × ◎ ◎ ◎ ◎ 塗膜密着性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐ロールフォーマー性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ リペイント性 耐衝撃試験 ◎ × × × × 碁盤目試験 ◎ ○ ○ ○ ○
【0087】 表3(続き) 比較例 項目 10 意匠性・外観 ◎ × × × × 耐黒変性・耐食性 × × × × × 耐候性 × × × × × 耐指紋付着性 ◎ ○ ○ ○ × 耐薬品性 耐酸性 ◎ ○ ○ ○ × 耐アルカリ性 ◎ ○ ○ ○ × 塗膜密着性 ◎ ◎ ◎ ○ ○ 耐ロールフォーマー性 ◎ ◎ ◎ ○ ○ リペイント性 耐衝撃試験 × ○ ○ ○ ◎ 碁盤目試験 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
【0088】 表3(続き) 比較例 項目 11 12 13 14 15 意匠性・外観 × × × × ○ 耐黒変性・耐食性 ◎ ◎ × × × 耐候性 ◎ ◎ × × × 耐指紋付着性 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ 耐薬品性 耐酸性 ◎ ◎ ◎ ◎ × 耐アルカリ性 ◎ ◎ ◎ × × 塗膜密着性 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ 耐ロールフォーマー性 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ リペイント性 耐衝撃試験 ◎ ◎ ○ ○ × 碁盤目試験 ◎ ◎ ◎ ◎ ○
【0089】表3から明らかなように、実施例1〜21の
試験片は、塗膜外観の意匠性、耐黒変性、耐食性、耐候
性、耐薬品性、耐指紋付着性、塗膜密着性、耐ロールフ
ォーマー性及びリペイント性に優れている。一方比較例
1〜15の試験片はこれらの特性いずれかが劣っている。
【0090】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の塗料組成
物は、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板表面スパング
ルの状態を活かしつつ着色できるので、良好な外観及び
意匠性を有する塗装鋼板が得られる。また塗膜表面には
微細な凹凸があるので、直接手で触れても指紋が付着せ
ず、汚れにくいという利点もある。このような特徴を有
する本発明の塗装鋼板は、屋根、内装、外壁、仕切り、
ダクト等の建材、防音壁、防雪壁、ガードレール、トン
ネル用内壁、排水溝等の土木用品、日用品、家庭用品、
電気器具等の部品、電気製品のシャーシー、自動車部品
等に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 133/06 C09D 133/06 // C08F 2/24 C08F 2/24 A (72)発明者 高野 静雄 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社東京事業所内 (72)発明者 高木 健司 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社東京事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) アクリルモノマー混合物とラジカル
    重合可能なアニオン性及び/又はノニオン性の反応性乳
    化剤とを重合してなり、20〜100 の水酸基価及び5万〜
    20万の数平均分子量を有する水分散性樹脂と、(b) Cr
    /水酸基価が1/46〜1/233 となる量の無水クロム酸、重
    クロム酸アンモニウム及びクロム酸アンモニウムからな
    る群から選ばれた少なくとも1種のクロム化合物と、
    (c) フッ素系界面活性剤により表面張力を25dyne/cm 以
    下に調整した上記クロム化合物と反応しにくいアルコー
    ルからなる親水性混合溶剤とを含有することを特徴とす
    る亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板用塗料組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の亜鉛−アルミニウム合
    金めっき鋼板用塗料組成物において、さらにアルコキシ
    メチル基とイミノ基を有するアルコキシメチルメラミン
    樹脂により顔料が分散された顔料ペーストを含有するこ
    とを特徴とする亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板用塗
    料組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の亜鉛−アルミニ
    ウム合金めっき鋼板用塗料組成物において、前記アクリ
    ルモノマー混合物は(イ) 4〜45重量%のヒドロキシル基
    含有アクリルモノマー、(ロ) 0.1 〜3重量%のカルボキ
    シル基含有エチレン性モノマー、(ハ) 30〜90重量%の
    (メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー、及び
    (ニ) 1〜40重量%のスチレン系モノマーを含有すること
    を特徴とする亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板用塗料
    組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の亜鉛−
    アルミニウム合金めっき鋼板用塗料組成物において、前
    記アルコールはエチレングリコール、ジエチレングリコ
    ール、トリエチレングリコール及びプロピレングリコー
    ルからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを
    特徴とする亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板用塗料組
    成物。
  5. 【請求項5】 亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板の表
    面に請求項1〜4のいずれかに記載の塗料組成物により
    塗膜を形成したことを特徴とする塗装鋼板。
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