JP2001207107A - 金属被覆用水性樹脂組成物および金属表面処理方法と表面処理鋼板 - Google Patents

金属被覆用水性樹脂組成物および金属表面処理方法と表面処理鋼板

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JP2001207107A
JP2001207107A JP2000020030A JP2000020030A JP2001207107A JP 2001207107 A JP2001207107 A JP 2001207107A JP 2000020030 A JP2000020030 A JP 2000020030A JP 2000020030 A JP2000020030 A JP 2000020030A JP 2001207107 A JP2001207107 A JP 2001207107A
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mass
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Koichi Saito
宏一 斉藤
Shigeyuki Meguro
重行 目黒
Masanobu Koda
正信 幸田
Isao Nagano
勲 永野
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Nippon Paint Co Ltd
Yodogawa Steel Works Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Yodogawa Steel Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属、特にアルミニウムー亜鉛合金メッキ鋼
板に好適であり、成型加工性と耐食性、耐候性および貯
蔵安定性に優れた金属被覆用水性樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】 α、β−エチレン性不飽和モノマーを乳
化重合して得られる樹脂エマルジョンと6価クロム化合
物とを含む水性樹脂において、(1−a)CH=CR
またはCHCRCOORで表される環状炭
化水素記含有不飽和モノマー、(1−b)水酸基含有不
飽和モノマー、(1−c)その他のα、β−エチレン性
不飽和モノマーからなり、上記モノマー中混合物中の
(1−a)モノマーの含有率が10〜40質量%であ
り、モノマー混合物の水酸基価を(1−a)モノマーの
含有百分率で割った値が0.5〜2の範囲であることを
特徴とする金属被覆用水性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属表面などへの
塗装により成型加工性に優れ、かつ、耐黒変性、耐食
性、耐候性にも優れた皮膜を形成できる被覆用水性樹脂
組成物および金属表面処理方法と表面処理鋼板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム−亜鉛合金メッキ鋼板は一
般に4〜75質量%のアルミニウム、ケイ素、マグネシ
ウム等の微量元素、および実質的に亜鉛からなる合金を
メッキした鋼板である。このアルミニウム−亜鉛合金メ
ッキ鋼板は、従来の亜鉛溶融メッキ鋼板に比べ耐食性に
おいて優れている。このため屋根材や壁材等の建材、自
動車、家電製品、産業機器等用に急速に普及しつつあ
る。実際には、アルミニウム−亜鉛合金メッキ鋼板に塗
膜を形成したものが用いられるが、この塗膜は耐黒変
性、耐食性、耐候性に優れたものが望ましく、この目的
で種々の組成物が提案されている。
【0003】例えば、特開平4−272903号公報に
は、反応性乳化剤とβ−ケトエステル含有モノマーを必
須成分として得られる酸価0〜15の水性樹脂分散体が
開示されている。しかしながら、この水性樹脂分散体は
耐アルカリ性に優れてはいるが、耐候性は十分ではな
い。また、特公平6−59717号公報には反応性乳化
剤を使用して重合された酸価0〜9のアクリルエマルジ
ョン樹脂を用いたPH6〜8の金属被覆用処理液が開示
されているが、このもので耐候性を考慮した配合にする
と処理剤の安定性が不足する欠点を有している。さらに
特開平11−1638号公報には、反応性乳化剤を使用
して重合されたOH価20〜100の水分散性樹脂を用
いて表面張力を25dyn/cm以下にした塗料組成物
が開示されている。しかしながらこの塗料組成物はワッ
クスフリーであり十分な成型加工性が得られない欠点を
有している。
【0004】このように、アルミニウム−亜鉛合金メッ
キ鋼板に対し、優れた成型加工作業性と皮膜の耐候性、
耐食性を満足させる塗料組成物はこれまでなかった。す
なわち、成型加工作業性を確保するにはワックスを添加
したり金属面との密着性を高めたり、皮膜の帯電性を抑
えたりする必要がある。一方、耐候性や耐食性を向上さ
せるためには、樹脂の耐加水分解性や耐候性を高め、分
子量を高く設計することが必要になる。ところが成型加
工性に有効な手段は、耐候性や耐薬品性を低下させたり
処理剤の貯蔵安定性を損なったりすることが多く、逆に
耐候性、耐食性に効果のあるものは作業性を損なう傾向
があった。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、金
属、特にアルミニウム−亜鉛合金メッキ鋼板に好適であ
り、優れた成型加工性と、耐食性、耐候性を付与するこ
とができるとともに貯蔵安定性にも優れた金属被覆用水
性樹脂組成物と、それを用いたアルミニウム−亜鉛合金
メッキ鋼板及びその表面処理方法を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の金属被覆用水性
樹脂組成物は、α,β−エチレン性不飽和モノマーを乳
化重合して得られる樹脂エマルジョンと6価クロム化合
物とを含む水性樹脂組成物において、上記乳化重合に用
いられるモノマー混合物が、(1−a)CH=CR
またはCH=CRCOORで表される環状炭
化水素基含有不飽和モノマー(ここで、Rは水素原子
またはメチル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基を有
していてもよいフェニル基、Rは炭素数1〜4のアル
キル基および/または炭素数1〜4のアルキレン基を有
していてもよいシクロヘキシル基である)、(1−b)
水酸基含有不飽和モノマー、および(1−c)その他の
α,β−エチレン性不飽和モノマーからなり、上記モノ
マー混合物中の(1−a)環状炭化水素基含有不飽和モ
ノマーの含有率が10〜40質量%であり、モノマー混
合物の水酸基価を(1−a)環状炭化水素基含有不飽和
モノマーの含有百分率で割った値が0.5〜2の範囲で
あることを特徴とするものである。
【0007】ここで先の6価クロム化合物を樹脂固形分
100質量部に対して0.1〜2質量部含んでいてもよ
く、さらに、ワックスを樹脂固形分100質量部に対し
1〜5質量部含んでいてもよい。また、本発明の表面処
理方法は、先の金属被覆用水性樹脂組成物をアルミニウ
ム−亜鉛合金メッキ鋼板に塗布することを特徴とする。
更に、本発明の溶融アルミニウムー亜鉛合金メッキ鋼板
は、先の金属被覆用水性樹脂組成物を乾燥膜厚0.1〜
20μmを塗布形成したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の金属被覆用水性樹脂組成
物は、α,β−エチレン性不飽和モノマーを乳化重合し
て得られる樹脂エマルジョンと6価クロム化合物とを含
んでいる。この乳化重合に用いられるモノマー混合物
は、(1−a)CH=CRまたはCH=CR
COORで表される環状炭化水素基含有不飽和モノ
マー(ここで、Rは水素原子またはメチル基、R
炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよいフェニル
基、Rは炭素数1〜4のアルキル基および/または炭
素数1〜4のアルキレン基を有していてもよいシクロヘ
キシル基である)、(1−b)水酸基含有不飽和モノマ
ー、および(1−c)その他のα,β−エチレン性不飽
和モノマーからなるものである。
【0009】本発明で使用できる(1−a)環状炭化水
素基含有不飽和モノマーの具体例としては、スチレン、
α−メチルスチレン、(オルト、メタ、パラ)−メチル
スチレン、t−ブチルスチレンなどの芳香族系のもの;
シクロへキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ
〔5.2.1.02,6〕ダカニカル(メタ)アクリレ
ート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートなどの
脂肪族系のものが挙げられる。これらモノマーは単独で
使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0010】上記モノマー混合物中の上記(1−a)環
状炭化水素基含有不飽和モノマーの含有率は、10〜4
0質量%である。10質量%を下まわると耐食性、耐候
性向上効果が不足し、一方40質量%を越えると密着性
が低下し好ましくない。
【0011】本発明で使用できる(1−b)水酸基含有
不飽和モノマーの具体的なものとして、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、ヒドキシプロピル(メ
タ)アクリレート、4−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート等が挙げられる。これらモノマーは単独で使
用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0012】上記モノマー混合物中の(1−b)水酸基
含有不飽和モノマーの含有量は、モノマー混合物の有す
る水酸基価を先の(1−a)環状炭化水素基含有不飽和
モノマーの含有百分率で割った値が0.5〜2の範囲に
なるように設定される。0.5を下回ると帯電性が高く
なりすぎ好ましくない。一方2を越えると耐食性、耐水
性等が低下する。
【0013】一方本発明において、使用できるその他の
(1−c)α,β−エチレン性不飽和モノマーの具体例
としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アク
リル酸2−エチルへキシル等のアクリル酸アルキルエス
テルおよびメタクリル酸アルキルエステル類;アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン
酸、フマル酸等のカルボキシル基含有モノマー;エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタン
ジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジメタクリレ
ート、グリセリンアクリレートメタクリレート、アリル
メタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、ジビニルベンゼンなどの不飽和基を複数個有する
モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の
シアノ基含有モノマー、ビニルトリメトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γメタ
クリロキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシ
シリル基含有モノマー等が使用できる。これらは単独で
使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0014】本発明では、上記(1−a)〜(1−c)
からなるモノマー混合物を用いて、一般的な乳化重合
法、例えば、乳化剤の共存化に、0.1〜2質量%の重
合開始剤を用いて、40〜90℃の条件の下で1〜8時
間反応させることにより樹脂エマルジョンを得ることが
できる。
【0015】上記エマルジョン樹脂の合成に使用する乳
化剤は、アニオン性、ノニオン性のものが使用でき、こ
れらはそれぞれ非反応型、および反応性のものがある。
アニオン性乳化剤の非反応型としては、例えば、アルキ
ル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジ
フェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩など;反応性
型としては、アクアロンHS−10(第一工業製薬社
製)、ラテムルS−180A(花王社製)、アデカリア
ソープSE−10N(旭電化工業社製)、エレミールJ
S−2(三洋化成工業社製)、アントックスMS−60
(日本乳化剤社製)などが挙げられる。ノニオン乳化剤
の非反応型としては、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレン多環フェニルエーテル等;反応性型として
は、アクアロンRN−50(第一工業製薬社製)、アデ
カリアルソープNE−20(旭電化工業社製)等が挙げ
られる。
【0016】上記重合開始剤としては、例えば、過硫酸
塩、過酸化物、アゾ化合物が挙げられる。好ましくは、
過硫酸塩を使用する。なお、亜硫酸塩などの還元剤を併
用してレドックス系として低温で反応させることもでき
る。
【0017】本発明の金属被覆用水性樹脂組成物は、先
の樹脂エマルジョン以外に6価クロム化合物を含んでい
る。この6価クロム化合物としては特に限定されない
が、不揮発性アルカリ成分を含まない無水クロム酸また
は皮膜形成時に揮散しやすいアンモニウム塩が好適であ
る。
【0018】上記6価クロム化合物は、上記金属被覆用
水性樹脂組成物中に樹脂固形分100質量部に対して
0.1〜2質量部で含まれることが好ましい。配合量が
0.1質量部未満であると耐食性が不足し、2質量部を
越えると金属被覆用水性組成物の安定性が低下し好まし
くない。
【0019】本発明の金属被覆用水性樹脂組成物には、
上記の成分以外に、成型加工作業性を向上させるため、
ワックス成分を含んでいてもよい。このワックス成分と
しては、一般的なワックス全てを使用できる。例えば、
結晶ポリエチレンワックス、結晶ポリプロピレンワック
ス、パラフィン、マイクロワックス等が挙げられる。そ
の含有量は、本発明の金属被覆用樹脂組成物の樹脂固形
分100質量部に対し1〜5質量部が好ましい。含有量
が1質量部未満であると、成型加工作業性の向上効果が
認められず、一方5質量部を越えると耐水性が低下す
る。
【0020】本発明の金属被覆用水性樹脂組成物には、
さらにその他の成分として、増粘剤や樹脂の造膜性を向
上させ、より均一で平滑な塗膜を形成するために、親水
性の有機溶剤等を用いてもよい。この溶剤としては塗料
に用いられる一般的なものであればよく、アルコール
系、ケトン系、エステル系、エーテル系のものを挙げる
ことができる。
【0021】本発明の金属被覆用水性樹脂組成物はPH
7.5〜9に調整することにより、分散安定性を向上さ
せることができる。本発明のアルミニウム−亜鉛合金メ
ッキ鋼板の表面処理方法は、上記金属被覆用水性樹脂組
成物をこのメッキ板の表面に塗布し、乾燥させるもので
ある。上記金属被覆水性樹脂組成物を被塗物に塗布する
方法には特に限定はなく、例えばロールコーター、浸漬
塗布、スプレー塗布、はけ塗り、静電塗布など、通常の
エマルジョン塗料と同様の塗布手段および方法で塗布す
ることができる。また、乾燥方法も特に限定はなく、塗
布後に熱風で加熱し乾燥させる方法や、あらかじめ上記
被塗物を加熱し、その後上記本発明の金属被覆用水性樹
脂組成物を熱時塗布し、余熱を利用して乾燥させる方法
であってもよい。
【0022】上記加熱条件は、上記いずれの方法であっ
ても、50〜280℃で1秒〜5分間が採用される。上
記加熱温度が50℃未満であると水分の蒸発が遅く十分
な成膜性が得られないので、防錆力が低下する。一方2
80℃を越えると水性樹脂の熱分解等が生ずる恐れがあ
るので上記範囲であることが好ましい。さらに好ましく
は、被塗物到達温度として60〜150℃である。
【0023】本発明のアルミニウム−亜鉛合金メッキ鋼
板及びその表面処理方法において、先の金属被覆用水性
樹脂組成物の塗布膜厚は、乾燥膜厚が0.1μm以上に
することが好ましい。0.1μm未満であると、防錆力
が不足する。一方乾燥膜厚が厚すぎると、塗装下地処理
としては不経済であり、塗装にも不都合があるのでより
好ましくは0.1〜20μmである。さらに好ましくは
0.5〜10μmである。
【0024】
【実施例】以下に、本発明の具体的にかつ詳細に説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。なお、部は全て質量部を表す。実施例1 撹拌機、温度調節器、滴下漏斗、窒素導入管および冷却
器を備えたフラスコにレベノールWZ(アニオン乳化
剤、花王社製)0.38部と脱イオン水30部を仕込み
80℃に昇温した。一方、シクロヘキシルメタクリレー
ト(CHMA)30部、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート(HEA)10.4部、メチルメタクリレート(M
MA)30.6部、2−エチルヘキシルアクリレート
(EHA)27.5部、エチレングリコールジメタクリ
レート(EGDM)0.5部およびアクリル酸(AA)
1部からなるモノマー混合物をレベノールWZ3.46
部と脱イオン水60部からなる乳化剤水溶液中で乳化す
ることにより得られたプレエマルジョンを滴下漏斗に仕
込んだ。さらに過硫酸アンモニウムの1%水溶液30部
をもう一方の滴下漏斗に仕込んだ。上記プレエマルジョ
ンの5%をフラスコ内に導入し、さらに上記過硫酸アン
モニウム水溶液の25%を加えることにより乳化重合を
開始させた。その後、残りのプレエマルジョン溶液と上
記過硫酸アンモニウム水溶液を2時間にわたって均一に
滴下し、そのまま2時間エージングを行った。その後、
この反応生成物を冷却してからアンモニア水で中和し、
樹脂固形分43%のエマルジョン樹脂を得た。
【0025】上記エマルジョン樹脂93質量部にエフト
ップEF122B(フッ素系界面活性剤、三菱マテリア
ル社製)0.02部、SNデフォーマー777(消泡
剤、サンノプコ社製)0.16部、HYTEC E−1
000(結晶ポリエチレンワックスエマルジョン、固形
分35%、東邦化学工業社製)3部を添加したものに、
さらに5%クロム酸アンモニウム水溶液7.58部、脱
イオン水3.6部およびブチルジグリコール/ブチルセ
ロソルブの8/2(質量比)の混合溶剤7.8部を加え
て金属被覆用水性樹脂組成物を調整した
【0026】脱脂、洗浄した板厚0.5mmの市販の溶
融55重量%アルミニウム−亜鉛合金メッキ鋼板の表面
に先に得られた金属被覆用水性樹脂組成物をバーコータ
ーにより乾燥付着量が2.5g/mになるように塗布
し、電気熱風乾燥炉を用いて260℃で8秒間乾燥させ
た。なおこのときの被塗物到達温度は、80℃であっ
た。これを冷却したものを試験板とし、この試験板の耐
食性、耐候性、帯電性、堅牢度、塗料密着性および金属
被覆用水性樹脂組成物の貯蔵安定性を下記の評価方法に
従って評価し、その結果を表1に記載した。
【0027】実施例2、比較例1〜5 エマルジョン樹脂の合成に用いる乳化剤、モノマーの種
類と濃度、金属被覆用水性樹脂組成物のPHをそれぞれ
表1に記載したように変更した以外は、実施例1と同様
にして、金属被覆用水性樹脂組成物を調整した。これら
の金属被覆用水性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様
にして試験板の作成および評価を行った。得られた結果
を表1に記載した。
【0028】
【表1】
【0029】評価方法 (貯蔵安定性) 上記金属被覆用水性樹脂組成物を室温
で20日間放置した後の状態を下記の基準で目視評価し
た。 : 変化なし △ : 増粘 × : ゲル化 (耐食性) 試験板をJIS Z 2371に基づき塩
水噴霧試験にかけ、120時間後の端面からの最大連続
錆幅を測定し、下記の基準で評価した。 : 1mm未満 △ : 1mm以上〜2mm未満 × : 2mm以上
【0030】(耐候性) 試験板をデューサイクル試験
器にかけ、200時間後の光沢保持率を測定し、下記の
基準で評価した。 : 光沢保持率60%以上 △ : 〃 60%未満〜30%以上 × : 〃 30%未満 (帯電性) 試験板をスタティックオネストメーターで
放電印荷電圧を10kVかけ、初期帯電圧を測定し、下
記の基準で評価した。 : 15mV未満 △ : 15mV以上〜25mV未満 × : 25mV以上
【0031】(堅牢度) 塗布面を上に向け試験板を置
き、上側にエリクセン5mm押し出ししたべつの試験板
を乗せ、加重1kgをかけながら6往復させた。摩擦部
周辺の剥離皮膜量を下記の基準で目視評価した。 : ほとんど剥離がない。 △ : 少し剥離あり。 × : 剥離が多い。 (塗膜密着性) 試験板にメラミンアルキド樹脂塗料
(オルガセレクト200、日本ペイント社製)をバーコ
ーターにより乾燥膜厚が30μmとなるように塗装し、
110℃で20分間熱風乾燥炉を用いて焼き付けて塗装
板を作成した。これに1mm間隔の碁盤目をカッターナ
イフを用いて100個作り、粘着テープを貼り付けて剥
離した。残存した碁盤目の数を測定し、下記の基準で評
価した。 : 残存数100個。 △ : 〃 99〜51個。 × : 〃 50個以下。 表1に示すように、本発明の金属被覆用水性樹脂組成物
は貯蔵安定に優れており、かつ優れた耐食性、耐候性等
の塗膜性能を示した。
【0032】
【発明の効果】本発明の金属被覆用水性樹脂組成物は、
金属、特にアルミニウム−亜鉛合金メッキ鋼板の金属表
面処理に好適であり、優れた耐食性、耐候性、堅牢度、
帯電性、密着性、成型加工作業性と、かつ優れた貯蔵安
定性を付与することができた。これは、樹脂エマルジョ
ン中の環状炭化水素不飽和モノマー、水酸基含有不飽和
モノマーの量比を調整したためであり、これにより優れ
た耐食性、耐候性と成型加工作業性とを両立できた。特
に水酸基含有不飽和モノマーを共重合して得られた樹脂
を使用することにより、皮膜の静電帯電性が緩和され、
加工時に削れた皮膜片が被覆面に付着したままとなって
連続作業を妨げる様なことをなくすことができた。本発
明の金属表面処理方法で得られたアルミニウム−亜鉛合
金メッキ鋼板は優れた加工作業性と耐食性、耐候性を有
しているため、各種建材、家電製品、コンピューター関
連機器、自動車等の工業用品に広く用いることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 133/00 C09D 133/00 C23C 22/28 C23C 22/28 (72)発明者 目黒 重行 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 (72)発明者 幸田 正信 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 (72)発明者 永野 勲 大阪市中央区南本町4丁目1番1号 株式 会社淀川製鋼所内 Fターム(参考) 4D075 CA32 CA33 DB01 DB05 DB07 EA06 EB01 4J038 BA212 CC021 CC071 CC081 CG141 CH071 CH121 GA03 HA236 HA246 MA08 MA10 PC02 4K026 AA02 AA07 AA09 AA13 AA22 BA06 BB04 BB06 BB08 BB09 BB10 CA14 CA20 CA37 CA39 DA02 DA15 DA16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α,β−エチレン性不飽和モノマーを乳
    化重合して得られる樹脂エマルジョンと6価クロム化合
    物とを含む水性樹脂組成物において、前記乳化重合に用
    いられるモノマー混合物が、(1−a)CH=CR
    またはCH=CRCOORで表される環状炭
    化水素基含有不飽和モノマー(ここで、Rは水素原子
    またはメチル基、Rは炭素数1〜4のアルキル基を有
    していてもよいフェニル基、Rは炭素数1〜4のアル
    キル基および/または炭素数1〜4のアルキレン基を有
    していてもよいシクロヘキシル基である。)、(1−
    b)水酸基含有不飽和モノマー、および(1−c)その
    他のα,β−エチレン性不飽和モノマーからなり、前記
    モノマー混合物中の(1−a)環状炭化水素基含有不飽
    和モノマーの含有率が10〜40質量%であり、モノマ
    ー混合物の水酸基価を(1−a)環状炭化水素基含有不
    飽和モノマーの含有百分率で割った値が0.5〜2の範
    囲であることを特徴とする金属被覆用水性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記6価クロム化合物を樹脂固形分10
    0質量部に対して0.1〜2質量部含むことを特徴とす
    る請求項1に記載の金属被覆用水性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 さらにワックスを樹脂固形分100質量
    部に対して1〜5質量部含むことを特徴とする請求項1
    または2に記載の金属被覆用水性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の金
    属被覆用水性樹脂組成物を塗布することを特徴とするア
    ルミニウム−亜鉛合金メッキ鋼板の表面処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の金
    属被覆用水性樹脂組成物を塗布して、乾燥膜厚0.1〜
    20μmを形成したことを特徴とする溶融アルミニウム
    ー亜鉛合金メッキ鋼板。
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