JP2014196426A - 水系下塗塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】クロメート処理を採用しなくても亜鉛めっき鋼板等の基材に優れた防錆性及び付着性を付与できる水系下塗塗料組成物を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂分散液、アクリル樹脂乳濁液、及び防錆顔料を含有することを特徴とする水系下塗塗料組成物である。また、前記エポキシ樹脂分散液を構成するエポキシ樹脂(A)と前記アクリル樹脂乳濁液を構成するアクリル樹脂(B)の質量比(A:B)が10:90〜30:70であることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】エポキシ樹脂分散液、アクリル樹脂乳濁液、及び防錆顔料を含有することを特徴とする水系下塗塗料組成物である。また、前記エポキシ樹脂分散液を構成するエポキシ樹脂(A)と前記アクリル樹脂乳濁液を構成するアクリル樹脂(B)の質量比(A:B)が10:90〜30:70であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、水系下塗塗料組成物に関し、特には、付着性及び防錆性に優れる水系下塗塗料組成物に関するものである。
従来、亜鉛めっき鋼板や、亜鉛合金めっき鋼板、アルミニウム板などは、耐久性金属板として広く使用されている。これらの金属板は、屋根材や、雨戸、外装材、シャッター、サイディング材などの建築材料や、家電製品などの金属製品をはじめとする広い分野で使用されている。
中でも、鋼製ドアや家電製品等の塗装仕様としては、鋼板にリン酸亜鉛処理やクロメート処理などの化成処理を施した後、溶剤系の下塗塗料を塗装して、さらに上塗塗料を塗装するといった塗装がなされている場合がある。
これに対し、近年では、環境への対応から、クロメート処理を経ずに塗装を行う方法や、有機溶剤系塗料から水系塗料に転換する方法が考えられている。しかしながら、クロメート処理を採用しないことによって、塗装板の防錆性や塗膜の付着性が低下したり、水系塗料を乾燥させるには、有機溶剤系塗料の場合より長い時間を要したりといった課題が生じていた。
例えば、特開2007−126565号公報(特許文献1)には、ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂から選択される有機樹脂及びアミノ樹脂等から選択される硬化剤を含む塗料組成物に、縮合リン酸カルシウムを防錆顔料として用いて、耐食性及び加工性を改善できることが記載されている。クロメート処理に代えて特許文献1に記載の手法を採用することも可能であるが、塗装板の防錆性や塗膜の付着性に関しては依然として改良の余地があり、また、有機溶剤系塗料から水系塗料への転換に関しても改善が必要である。
このような状況下、本発明の目的は、従来技術の問題を解決し、クロメート処理を採用しなくても亜鉛めっき鋼板等の金属板に優れた防錆性及び付着性を付与できる水系下塗塗料組成物を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、エポキシ樹脂分散液及びアクリル樹脂乳濁液に防錆顔料を組み合わせてなる水系下塗塗料組成物を用いることによって、亜鉛めっき鋼板等の金属板に優れた防錆性及び付着性を付与できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の水系下塗塗料組成物は、エポキシ樹脂分散液、アクリル樹脂乳濁液、及び防錆顔料を含有することを特徴とする。
本発明の水系下塗塗料組成物の好適例においては、前記エポキシ樹脂分散液を構成するエポキシ樹脂(A)と前記アクリル樹脂乳濁液を構成するアクリル樹脂(B)の質量比(A:B)が10:90〜30:70である。
本発明の水系下塗塗料組成物の他の好適例において、前記エポキシ樹脂分散液を構成するエポキシ樹脂は、重量平均分子量が10,000〜100,000であり、平均粒子径が0.01〜10μmであり、また、前記エポキシ樹脂分散液は、不揮発分含有率が10〜60質量%である。
本発明の水系下塗塗料組成物の他の好適例においては、前記アクリル樹脂乳濁液を構成するアクリル樹脂が、アクリル系モノマーとスチレンとの共重合体である。
本発明によれば、クロメート処理を採用しなくても亜鉛めっき鋼板等の金属板に優れた防錆性及び付着性を付与できる水系下塗塗料組成物を提供することができる。
以下に、本発明の水系下塗塗料組成物を詳細に説明する。本発明の水系下塗塗料組成物は、エポキシ樹脂分散液、アクリル樹脂乳濁液、及び防錆顔料を含有することを特徴とする。なお、水系下塗塗料組成物とは、水を溶媒として用い、下塗りを目的とする塗料組成物を意味する。
本発明の水系下塗塗料組成物は、エポキシ樹脂分散液を含むことを要する。なお、エポキシ樹脂分散液は、エポキシ樹脂が水中に安定に分散している分散液を意味し、必要に応じて界面活性剤等の添加剤が含まれる。
本発明の水系下塗塗料組成物において、上記エポキシ樹脂分散液を構成するエポキシ樹脂は、特に限定されず、塗料業界において通常使用されているエポキシ樹脂を使用でき、具体例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂、及びこれらの変性エポキシ樹脂等が挙げられる。特に、分散液中での安定性、塗膜の耐水性、及び基材への付着性等の観点から、ウレタン変性エポキシ樹脂が好ましい。なお、これらエポキシ樹脂は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ウレタン変性エポキシ樹脂は、ウレタン結合(−NHCOO−)を有する化合物とエポキシ樹脂との反応により合成できる。例えば、エチレングリコール等のアルキレングリコールと、トリレンジイソシアネート等の多価イソシアネート化合物を反応させて、イソシアネート残基を末端に有するウレタン化合物を得、これに、ポリオキシプロピレンアミン等のポリオキシアルキレン基を有するアミンを反応させて、末端にポリオキシアルキレンアミノ基を有するウレタン化合物を得、これをエポキシ樹脂と反応させることにより、ウレタン変性エポキシ樹脂を合成できる。
本発明の水系下塗塗料組成物において、上記エポキシ樹脂分散液は、例えば、高速攪拌機等を使用することにより強制的なせん断力を加えながら、必要に応じて界面活性剤を用い、エポキシ樹脂を水中で乳化させることによって調製できるが、エポキシ樹脂がウレタン変性エポキシ樹脂である場合、上述の方法によって得られたウレタン変性エポキシ樹脂を、エチレングリコールモノブチルエーテルのようなエチレングリコールのモノアルキルエーテル等で希釈し、得られた有機相に対して水を徐々に加え、有機相中のウレタン変性エポキシ樹脂を水相に相転換させることによっても調製できる。
本発明の水系下塗塗料組成物において、上記エポキシ樹脂分散液を構成するエポキシ樹脂は、その重量平均分子量が10,000〜100,000であることが好ましい。上記エポキシ樹脂の重量平均分子量が上記特定した範囲内にあれば、基材への付着性を更に向上でき、更には耐水性等も改善することができる。上記エポキシ樹脂の重量平均分子量が10,000未満では、耐水性及び塗膜強度を十分に得られない場合があり、一方、100,000を超えると、(高粘度による)作業性が低下し、また、基材への付着性を十分に得られない場合がある。なお、本発明において、重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレンを標準物質として用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される値である。
本発明の水系下塗塗料組成物において、上記エポキシ樹脂分散液を構成するエポキシ樹脂は、その平均粒子径が0.01〜10μmであることが好ましい。上記エポキシ樹脂の平均粒子径が上記特定した範囲内にあれば、アクリル樹脂乳濁液との相溶性が良好なものとなる。なお、本発明において、エポキシ樹脂の平均粒子径は、動的光散乱法によって測定される体積平均粒子径D50の値である。
本発明の水系下塗塗料組成物において、上記エポキシ樹脂分散液は、その不揮発分含有率が10〜60質量%であることが好ましい。なお、本発明において、不揮発分含有率は、JIS K5601−1−2において定義される「加熱残分」であり、JIS K5601−1−2に準じて、105℃×60分の乾燥条件下で測定される。
本発明の水系下塗塗料組成物は、アクリル樹脂乳濁液を含むことを要する。なお、アクリル樹脂乳濁液は、アクリル樹脂が水中に安定して分散している乳濁液を意味し、必要に応じて界面活性剤等の添加剤が含まれる。
本発明の水系下塗塗料組成物において、上記アクリル樹脂乳濁液を構成するアクリル樹脂は、通常、アクリル酸、メタクリル酸及びそのエステルよりなる群から選択される1種又は複数種のアクリル系モノマーを重合させて得られる重合体であるが、該アクリル系モノマーと、該アクリル系モノマー以外のモノマーとを共重合させて得られる共重合体も含まれる。上記アクリル樹脂としては、特に限定されず、塗料業界において通常使用されているもの単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、アルキド樹脂やエポキシエステル樹脂等で変性したアクリル樹脂を用いてもよい。
上記アクリル系モノマーのうち、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、n−プロピルメタアクリレート、イソプロピルメタアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、イソブチルメタアクリレート、sec−ブチルメタアクリレート、t−ブチルメタアクリレート、ヘキシルメタアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、オクチルメタアクリレート、ノニルメタアクリレート、デシルメタアクリレート、ドデシルメタアクリレート、n−アミルメタアクリレート、イソアミルメタアクリレート、ラウリルメタアクリレート、ステアリルメタアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系単量体や、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートや、2(3)−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アミノエチル(メタ)アクリレートや、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等の官能基含有モノマー等が挙げられる。本願発明においては、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを好ましくは40モル%以上含むアクリル樹脂が好ましい。
上記アクリル系モノマー以外のモノマーとしては、例えば、フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、ビニルバーサチック酸等のカルボキシル基含有単量体;スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレン、ビニルトルエン等の芳香族系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル系モノマー;エチレン、プロピレン等のオレフィン系モノマー;酢酸ビニル、塩化ビニル等のビニル系モノマー;アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、マレイン酸アミド等のアミド系モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、β−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、β−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシブチルフェニルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、及びγ−(メタ)アクリロキシプロピルジエチルメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有単量体;ジアルキルフマレート、アリルアルコール、ビニルピリジン、ブタジエン等が挙げられる。
本発明の水系下塗塗料組成物において、上記アクリル樹脂乳濁液を構成するアクリル樹脂は、アクリル系モノマーとスチレンとの共重合体であることが好ましい。
本発明の水系下塗塗料組成物において、上記アクリル樹脂乳濁液は、例えば、高速攪拌機等を使用することにより強制的なせん断力を加えながら、必要に応じて界面活性剤を用いて、アクリル樹脂を水中で乳化させることによって調製できる。或いは、上記アクリル樹脂乳濁液を以下のように調製することもできる。有機溶剤媒体中にて重合してなるアクリル樹脂に対して、必要に応じて界面活性剤を加えて、水中への相転換を行うことによってアクリル樹脂乳濁液を調製でき、必要に応じて蒸留等によってアクリル樹脂乳濁液中に含まれる有機溶剤を除去してもよい。また、水を媒体とし、水中で重合を行うことによっても、アクリル樹脂乳濁液を調製できる。より好ましくは、乳化重合によって得られる均一構造を有するアクリル樹脂乳濁液、多段階の乳化重合法によって得られる異相構造を有するアクリル樹脂乳濁液等が挙げられ、これらの両方を一緒に用いてもよい。更に、異相構造を有するアクリル樹脂乳濁液は、異なるガラス転移温度の単量体を組み合わせること等により、成膜性に優れ且つ不粘着性等に優れた塗膜を得ることができる等、形成される塗膜特性の幅を広げることができる。
更に、得られる塗膜の機能を向上させるため、上記アクリル樹脂に架橋構造を導入することも可能である。一般的に架橋構造は、“粒子内部架橋構造”と“粒子間架橋構造”の2種に大別される。
この“粒子内架橋構造”や“粒子間架橋構造”をアクリル樹脂に導入することで、塗膜とした時の強靱性、耐ブロッキング性、不粘着性、耐溶剤性等の塗膜性能を大幅に向上させ得ることができる。
粒子内架橋及び粒子間架橋構造を得るためには、例えば、以下に示す方法を用いればよい。
粒子内架橋:分子中に重合性不飽和二重結合を2個以上有する単量体を用いる。
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等を使用する方法;乳化重合反応時の温度にて相互に反応する官能基を持つ単量体を用いる方法、例えば、カルボキシル基とグリシジル基や、水酸基とイソシアネート基等の官能基の組み合わせを持つ単量体を用いる方法;(メタ)アクリロキシプピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の加水分解縮合反応する加水分解性シリル基含有単量体を用いる方法等が挙げられる。
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等を使用する方法;乳化重合反応時の温度にて相互に反応する官能基を持つ単量体を用いる方法、例えば、カルボキシル基とグリシジル基や、水酸基とイソシアネート基等の官能基の組み合わせを持つ単量体を用いる方法;(メタ)アクリロキシプピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の加水分解縮合反応する加水分解性シリル基含有単量体を用いる方法等が挙げられる。
粒子間架橋:カルボニル基を有する単量体を共重合させ、その後、分子中に2個以上のヒドラジド基を有する化合物を混合する方法が最も代表的な方法として挙げられる。
カルボニル基含有単量体としては、例えば、アクロレイン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ホルミルスチロール、(メタ)アクリルオキシアルキルプロパナール、ジアセトン(メタ)アクリレート、アセトニル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート−アセチルアセテート、ブタンジオール−1,4−アクリレート−アセチルアクリレート、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン等が挙げられる。特に、アクロレイン、ジアセトンアクリルアミド及びビニルメチルケトンが好ましい。一方、上記カルボニル基の対となる、分子中に2個以上のヒドラジド基を有する化合物としては、例えば、カルボヒドラジドや、蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン2酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒドラジド、及びチオカルボジヒドラジド等が挙げられる。これらの中でも、エマルションへの分散性や耐水性のバランスからカルボヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド及びコハク酸ジヒドラジドが好ましい。
カルボニル基含有単量体としては、例えば、アクロレイン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ホルミルスチロール、(メタ)アクリルオキシアルキルプロパナール、ジアセトン(メタ)アクリレート、アセトニル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート−アセチルアセテート、ブタンジオール−1,4−アクリレート−アセチルアクリレート、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン等が挙げられる。特に、アクロレイン、ジアセトンアクリルアミド及びビニルメチルケトンが好ましい。一方、上記カルボニル基の対となる、分子中に2個以上のヒドラジド基を有する化合物としては、例えば、カルボヒドラジドや、蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン2酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、1,2,4−ベンゼントリヒドラジド、及びチオカルボジヒドラジド等が挙げられる。これらの中でも、エマルションへの分散性や耐水性のバランスからカルボヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド及びコハク酸ジヒドラジドが好ましい。
更に、該アクリル樹脂乳濁液が乳化重合で得られる場合には、一般的に乳化重合で使用される界面活性剤を乳化剤として使用することができる。例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪酸塩や、高級アルコール硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシノニルフェニルエーテルスルホン酸アンモニウム、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールエーテル硫酸塩、スルホン酸基又は硫酸エステル基と重合性の炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に有する、いわゆる反応性乳化剤等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテルや、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、又は前述の骨格と重合性の炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に有する反応性ノニオン性界面活性剤等のノニオン性界面活性剤;アルキルアミン塩や、第4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤等が挙げられる。
本発明の水系下塗塗料組成物において、上記アクリル樹脂乳濁液を構成するアクリル樹脂は、その重量平均分子量が20,000〜300,000であることが好ましく、50,000〜200,000であることが更に好ましい。
本発明の水系下塗塗料組成物において、上記アクリル樹脂乳濁液は、pHが7〜10であることが好ましい。例えばアンモニア等を用いてアクリル樹脂乳濁液のpHを上記特定した範囲内に調整することができる。アクリル樹脂乳濁液のpHが7未満では、貯蔵時の安定性、塗料の機械的安定性等の種々の安定性が低下する恐れがあり、一方、10を超えると、乾燥が遅くなる場合もある。
本発明の水系下塗塗料組成物において、上記アクリル樹脂乳濁液は、その不揮発分含有率が10〜60質量%であることが好ましい。
本発明の水系下塗塗料組成物において、エポキシ樹脂分散液を構成するエポキシ樹脂(A)とアクリル樹脂乳濁液を構成するアクリル樹脂(B)の質量比(A:B)は、10:90〜30:70であることが好ましく、15:85〜25:75が更に好ましい。エポキシ樹脂及びアクリル樹脂の合計に占めるエポキシ樹脂の割合が10質量%以上であると、付着性及び防錆性を更に向上でき、一方、エポキシ樹脂及びアクリル樹脂の合計に占めるエポキシ樹脂の割合が30質量%を超えると、塗膜の耐水性が低下する傾向にあり、更には塗料の貯蔵安定性も悪くなる傾向にあるので好ましくない。
本発明の水系下塗塗料組成物は、本発明の目的を達成する観点から、樹脂成分が上記エポキシ樹脂及びアクリル樹脂のみからなるのが好ましいが、エポキシ樹脂及びアクリル樹脂以外の樹脂を含んでもよい。この場合、樹脂成分は、エポキシ樹脂及びアクリル樹脂を合計で20質量%以上含むことが好ましい。
本発明の水系下塗塗料組成物は、防錆顔料を含むことを要する。ここで、防錆顔料は、防錆性に優れる顔料であり、具体例としては、リンモリブデン酸カルシウム、リン酸亜鉛;モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛カルシウム、モリブデン酸カルシウム等のモリブデン酸塩系防錆顔料、タングステン酸亜鉛、タングステン酸亜鉛カルシウム等のタングステン酸塩系防錆顔料;ホウ酸亜鉛、ホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、メタホウ酸カルシウム、メタホウ酸バリウム等のホウ酸塩系防錆顔料;クロロスズ酸、クロロ白金酸、アルミン酸、マンガン酸、亜鉛酸、ケイ酸等の鉄、亜鉛、スズ、バリウム塩等のその他酸塩系防錆顔料;雲母状酸化鉄、酸化鉄−酸化カルシウム複合体、磁性フエライト等の鉄酸化物防錆顔料等が挙げられる。なお、これら防錆顔料は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、塗料の貯蔵安定性の観点から、ホウ酸塩系防錆顔料が好ましい。
なお、塗料業界において通常使用される防錆顔料には、鉛を含有する防錆顔料もあり、該鉛系防錆顔料には、クロム酸鉛を含有するクロム系防錆顔料が知られている。但し、クロム系防錆顔料は、通常、有害物質である。従って、本発明に用いる防錆顔料は、クロム系防錆顔料以外の防錆顔料であることが適当である。
本発明の水系下塗塗料組成物において、防錆顔料の含有量は、本発明の目的を達成する観点から、樹脂成分100質量部に対して10〜50質量部であることが好ましい。
本発明の水系下塗塗料組成物は、防錆顔料以外の顔料、具体的には着色顔料及び体質顔料を含有してもよい。本発明の水系下塗塗料組成物が防錆顔料以外の顔料を含む場合、顔料の合計含有量(防錆顔料の含有量と該防錆顔料以外の顔料の含有量の合計)は、樹脂成分100質量部に対して150〜250質量部であることが好ましい。該顔料の合計含有量が150質量部未満では、耐水性及び乾燥性が低下する恐れがあり、一方、250質量部を超えると、防食性が低下する恐れがあり、孔食が発生する場合もある。
また、本発明の水系下塗塗料組成物には、水の他、例えば、分散剤、消泡剤、増粘剤、防腐剤、防カビ剤、成膜助剤等の各種添加剤を必要に応じて配合してもよい。
本発明の水系下塗塗料組成物は、上記エポキシ樹脂分散液、アクリル樹脂乳濁液及び防錆顔料と、必要に応じて適宜選択される各種添加剤とを混合することにより調製できる。
本発明の水系下塗塗料組成物の塗装方法は、例えば、該水系下塗塗料組成物を基材に塗布し、その後、乾燥等により塗膜を形成させる工程を含む。ここで、基材は、特に限定されるものではないが、該基材が亜鉛めっき鋼板やアルミニウム板等の金属板である場合、本願発明の効果が好適に発揮される。また、亜鉛めっき鋼板に限らず、亜鉛系合金化めっき鋼板、例えば、電気亜鉛−ニッケル(Zn−Ni)めっき鋼板、亜鉛−アルミ(Zn−Al)溶融めっき鋼板、亜鉛−鉄(Zn−Fe)溶融めっき鋼板等に適用した場合でも、本願発明の効果は同様に発揮される。
本発明の水系下塗塗料組成物を塗布する方法としては、特に制限されず、既知の塗装手段、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、刷毛塗り、浸漬法、カーテンフロー法等が利用できる。
本発明の水系下塗塗料組成物の塗装方法においては、基材に塗布された塗料組成物を乾燥させて、塗膜を形成させることができるが、例えば、ドライヤー、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉等を用いることができ、乾燥温度は、基材の到達温度が常温(20℃)から100℃までの範囲であることが好ましい。
本発明の水系下塗塗料組成物の塗装方法においては、上記水系下塗塗料組成物を乾燥した後に形成される塗膜の膜厚(乾燥膜厚)は、30〜40μm程度であることが好ましい。
本発明の水系下塗塗料組成物の塗装方法は、通常、該水系下塗塗料組成物から得られる塗膜上に、更に該水系下塗塗料組成物以外の塗料を塗装する工程を含む。本発明の水系下塗塗料組成物によって得られる塗膜は、基材との付着性に加えて、塗膜上に形成される塗膜との付着性にも優れる。ここで、水系下塗塗料組成物以外の塗料としては、特に制限されず、水系塗料であっても有機溶剤系塗料であってもよいが、例えば、フタル酸樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料、アルキドメラミン樹脂系塗料等が好適に挙げられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<エポキシ樹脂分散液の調製例>
滴下装置、攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えた4ツ口フラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828,三菱化学製,エポキシ当量188g/eq)213質量部及びエチレングリコール0.2質量部仕込み、撹拌及び窒素置換しながら液温を80℃まで加温した。その後、トリレンジイソシアネート(コロネートT−80,日本ポリウレタン工業製)2.3質量部を投入し2時間反応を行った。ここでは、エチレングリコールとトリレンジイソシアネートの反応によって、ウレタン化合物が合成されている。次いで、20℃以下まで冷却した後、ポリオキシプロピレンアミン(ジェファーミンM−1000,ハンツマン社製,活性水素当量505g/当量)96.1質量部を一括投入した。投入後、2時間かけて80℃まで徐々に加温し、更に3時間熟成させた。ここでは、上記ウレタン化合物とポリオキシプロピレンアミンの反応によって、末端にポリオキシアルキレンアミノ基を有するウレタン化合物が合成され、これとビスフェノールA型エポキシ樹脂の反応によって、ウレタン変性エポキシ樹脂が合成されている。次いで、エチレングリコールモノブチルエーテル150質量部とエタノールアミン37.3質量部を順次加え、室温まで冷却した。続いて、ノニオン性界面活性剤41.5質量部(ノイゲンEA−177D,第一工業製薬製,有効分75質量%)及びイオン交換水550質量部を事前混合して得た混合物を4時間かけて滴下し、水相への相転換によって、エポキシ樹脂分散液Aを得た。なお、エポキシ樹脂分散液Aは、不揮発分含有率が32質量%であり、不揮発分中には、界面活性剤が約9質量%含まれている。また、エポキシ樹脂分散液Aを構成するウレタン変性エポキシ樹脂は、重量平均分子量が30,000であり、動的光散乱法によって測定される体積平均粒子径D50が約200nmであった。
滴下装置、攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えた4ツ口フラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828,三菱化学製,エポキシ当量188g/eq)213質量部及びエチレングリコール0.2質量部仕込み、撹拌及び窒素置換しながら液温を80℃まで加温した。その後、トリレンジイソシアネート(コロネートT−80,日本ポリウレタン工業製)2.3質量部を投入し2時間反応を行った。ここでは、エチレングリコールとトリレンジイソシアネートの反応によって、ウレタン化合物が合成されている。次いで、20℃以下まで冷却した後、ポリオキシプロピレンアミン(ジェファーミンM−1000,ハンツマン社製,活性水素当量505g/当量)96.1質量部を一括投入した。投入後、2時間かけて80℃まで徐々に加温し、更に3時間熟成させた。ここでは、上記ウレタン化合物とポリオキシプロピレンアミンの反応によって、末端にポリオキシアルキレンアミノ基を有するウレタン化合物が合成され、これとビスフェノールA型エポキシ樹脂の反応によって、ウレタン変性エポキシ樹脂が合成されている。次いで、エチレングリコールモノブチルエーテル150質量部とエタノールアミン37.3質量部を順次加え、室温まで冷却した。続いて、ノニオン性界面活性剤41.5質量部(ノイゲンEA−177D,第一工業製薬製,有効分75質量%)及びイオン交換水550質量部を事前混合して得た混合物を4時間かけて滴下し、水相への相転換によって、エポキシ樹脂分散液Aを得た。なお、エポキシ樹脂分散液Aは、不揮発分含有率が32質量%であり、不揮発分中には、界面活性剤が約9質量%含まれている。また、エポキシ樹脂分散液Aを構成するウレタン変性エポキシ樹脂は、重量平均分子量が30,000であり、動的光散乱法によって測定される体積平均粒子径D50が約200nmであった。
<アクリル樹脂乳濁液の調製例>
滴下装置、攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えた4ツ口フラスコにイオン交換水49質量部仕込み、撹拌及び窒素置換しながら液温80℃まで加温した。その後、アニオン性界面活性剤(ニューコール271A,日本乳化剤製,有効分47%)1.6質量部を加え、過硫酸カリウム0.1質量部を投入した。続いて、スチレン23質量部、ブチルアクリレート25質量部、グリシジルメタクリレート0.2質量部及びメタクリル酸1.5質量部を別容器にて事前混合して得たモノマー混合物を4時間かけて滴下し、80℃で5時間熟成させた。これにより、アクリル樹脂が合成された。その後、室温まで冷却し、アンモニアを用いてpHを8.5に調整し、アクリル樹脂乳濁液Bを得た。なお、アクリル樹脂乳濁液Bは、不揮発分含有率が50質量%であり、不揮発分中には、界面活性剤が約1.5質量%含まれている。
滴下装置、攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えた4ツ口フラスコにイオン交換水49質量部仕込み、撹拌及び窒素置換しながら液温80℃まで加温した。その後、アニオン性界面活性剤(ニューコール271A,日本乳化剤製,有効分47%)1.6質量部を加え、過硫酸カリウム0.1質量部を投入した。続いて、スチレン23質量部、ブチルアクリレート25質量部、グリシジルメタクリレート0.2質量部及びメタクリル酸1.5質量部を別容器にて事前混合して得たモノマー混合物を4時間かけて滴下し、80℃で5時間熟成させた。これにより、アクリル樹脂が合成された。その後、室温まで冷却し、アンモニアを用いてpHを8.5に調整し、アクリル樹脂乳濁液Bを得た。なお、アクリル樹脂乳濁液Bは、不揮発分含有率が50質量%であり、不揮発分中には、界面活性剤が約1.5質量%含まれている。
<実施例1〜7及び比較例1〜2>
表1に示す配合処方に従い、水系下塗塗料A〜Hを調製した。次いで、表1に示す種類の基材上に、乾燥膜厚が30μmとなるようにエアレススプレーにて水系下塗塗料A〜Hを塗装し、23℃で30分予備乾燥し、80℃で30分強制乾燥し23℃で7日間乾燥させて、塗膜を形成させ、これを試験片とした。なお、塗膜の基材との付着性試験、塩水噴霧試験、耐衝撃性試験、耐水性試験及び冷熱サイクル試験を下記の方法で行った。結果を表1に示す。
表1に示す配合処方に従い、水系下塗塗料A〜Hを調製した。次いで、表1に示す種類の基材上に、乾燥膜厚が30μmとなるようにエアレススプレーにて水系下塗塗料A〜Hを塗装し、23℃で30分予備乾燥し、80℃で30分強制乾燥し23℃で7日間乾燥させて、塗膜を形成させ、これを試験片とした。なお、塗膜の基材との付着性試験、塩水噴霧試験、耐衝撃性試験、耐水性試験及び冷熱サイクル試験を下記の方法で行った。結果を表1に示す。
<付着性試験>
JIS K 5600に規定の付着性の試験方法に準拠し、カッターナイフを用いて試験片上に2mmの碁盤目を100個作製し、セロハンテープによる剥離試験を行い、以下の基準で目視判定した。
(判定基準)
○:碁盤目にはがれがなく、塗膜表面に異常がない。
△:塗膜上に残存する目の数が95個以上である。
×:塗膜上に残存する目の数が94個以下である。
JIS K 5600に規定の付着性の試験方法に準拠し、カッターナイフを用いて試験片上に2mmの碁盤目を100個作製し、セロハンテープによる剥離試験を行い、以下の基準で目視判定した。
(判定基準)
○:碁盤目にはがれがなく、塗膜表面に異常がない。
△:塗膜上に残存する目の数が95個以上である。
×:塗膜上に残存する目の数が94個以下である。
<塩水噴霧試験>
試験板において、切り込みが素地(基材)に到達するまで塗膜をカットし、その後、JIS K 5400に規定の「9.1 耐塩水噴霧性の試験方法」に準拠し、該試験片に対して240時間塩水噴霧を行い、以下の基準で塗膜外観を目視判定した。
(判定基準)
○:塗膜表面に異常がない。
△:カットした部分の周辺に、直径3mm以下のふくれが発生する。
×:カットした部分の周辺に、直径3mm以上のふくれが発生する。
試験板において、切り込みが素地(基材)に到達するまで塗膜をカットし、その後、JIS K 5400に規定の「9.1 耐塩水噴霧性の試験方法」に準拠し、該試験片に対して240時間塩水噴霧を行い、以下の基準で塗膜外観を目視判定した。
(判定基準)
○:塗膜表面に異常がない。
△:カットした部分の周辺に、直径3mm以下のふくれが発生する。
×:カットした部分の周辺に、直径3mm以上のふくれが発生する。
<耐衝撃性試験>
JIS K 5600−5−3に規定のデュポン式に準拠し、半径が1/2インチで質量が500gのおもりを特定の高さから試験片上に落とし、試験片の衝撃変形による塗膜の割れ・はがれが認められるおもりの落下高さを測定し、以下の評価基準で判定した。
(判定基準)
○:試験片の衝撃変形による塗膜の割れ・はがれが認められるおもりの落下高さが30cm以上である。
△:試験片の衝撃変形による塗膜の割れ・はがれが認められるおもりの落下高さが10cm以上30cm未満である。
×:試験片の衝撃変形による塗膜の割れ・はがれが認められるおもりの落下高さが10cm未満である。
JIS K 5600−5−3に規定のデュポン式に準拠し、半径が1/2インチで質量が500gのおもりを特定の高さから試験片上に落とし、試験片の衝撃変形による塗膜の割れ・はがれが認められるおもりの落下高さを測定し、以下の評価基準で判定した。
(判定基準)
○:試験片の衝撃変形による塗膜の割れ・はがれが認められるおもりの落下高さが30cm以上である。
△:試験片の衝撃変形による塗膜の割れ・はがれが認められるおもりの落下高さが10cm以上30cm未満である。
×:試験片の衝撃変形による塗膜の割れ・はがれが認められるおもりの落下高さが10cm未満である。
<耐水性試験>
JIS K 5600−6−1に準拠し、浸せき温度20℃及び浸せき時間240時間にて試験片の耐水性を試験し、下記の評価基準で判定した。
(判定基準)
○:変色、ツヤの低下がなく、塗膜表面に異常がない。
△:ツヤの低下があり、塗膜表面に小さなフクレが発生している。
×:塗膜表面全面にフクレが発生しているか又は剥離が発生している。
JIS K 5600−6−1に準拠し、浸せき温度20℃及び浸せき時間240時間にて試験片の耐水性を試験し、下記の評価基準で判定した。
(判定基準)
○:変色、ツヤの低下がなく、塗膜表面に異常がない。
△:ツヤの低下があり、塗膜表面に小さなフクレが発生している。
×:塗膜表面全面にフクレが発生しているか又は剥離が発生している。
<冷熱サイクル試験>
−20℃及び16時間の低温条件と80℃及び8時間の高温条件とからなる冷熱サイクルを20サイクル実施し、塗膜の状態を下記の基準で目視判定した。
(判定基準)
○:塗膜に異常が見られない。
△:塗膜にクラックが見られる
×:塗膜にワレ、ハガレが見られる
−20℃及び16時間の低温条件と80℃及び8時間の高温条件とからなる冷熱サイクルを20サイクル実施し、塗膜の状態を下記の基準で目視判定した。
(判定基準)
○:塗膜に異常が見られない。
△:塗膜にクラックが見られる
×:塗膜にワレ、ハガレが見られる
※1)1:溶融亜鉛めっき鋼板(商品名「ペンタイト鋼板」、日新製鋼社製)
2:アルミニウム板
※2)リンモリブデン酸カルシウム(商品名「エコニックホワイトC−50」、エヌ・アイ・シー社製)
※3)体質顔料:硫酸バリウム(商品名「沈降性硫酸バルウム#100」、堺化学工業社製),珪酸アルミ(商品名「スペシャル・カオリン」、竹原化学工業社製)
着色顔料:二酸化チタン(商品名「TITONS R−5N」、堺化学工業社製)
顔料の質量比:硫酸バリウム/珪酸アルミ/二酸化チタン=40/17/43
※4)テキサノール(商品名「テキサノール」、イーストマンケミカル社製)
2:アルミニウム板
※2)リンモリブデン酸カルシウム(商品名「エコニックホワイトC−50」、エヌ・アイ・シー社製)
※3)体質顔料:硫酸バリウム(商品名「沈降性硫酸バルウム#100」、堺化学工業社製),珪酸アルミ(商品名「スペシャル・カオリン」、竹原化学工業社製)
着色顔料:二酸化チタン(商品名「TITONS R−5N」、堺化学工業社製)
顔料の質量比:硫酸バリウム/珪酸アルミ/二酸化チタン=40/17/43
※4)テキサノール(商品名「テキサノール」、イーストマンケミカル社製)
<実施例8〜11>
次に、塗膜間での付着性を評価するため、実施例5の試験片の塗膜上に、乾燥膜厚が30μmとなるように表2に示す種類の上塗塗料を塗布し、表2に示す条件下で乾燥させて、塗膜を形成させ、これを試験片とした。なお、塗膜間での付着性を下記の方法で評価し、結果を表2に示す。
次に、塗膜間での付着性を評価するため、実施例5の試験片の塗膜上に、乾燥膜厚が30μmとなるように表2に示す種類の上塗塗料を塗布し、表2に示す条件下で乾燥させて、塗膜を形成させ、これを試験片とした。なお、塗膜間での付着性を下記の方法で評価し、結果を表2に示す。
<付着性試験>
JIS K 5600に規定の付着性の試験方法に準拠し、カッターナイフを用いて試験片上に2mmの碁盤目を100個作製し、セロハンテープによる剥離試験を行い、以下の基準で目視判定した。
(判定基準)
○:碁盤目にはがれがなく、塗膜表面に異常がない。
△:塗膜上に残存する目の数が95個以上である。
×:塗膜上に残存する目の数が94個以下である。
JIS K 5600に規定の付着性の試験方法に準拠し、カッターナイフを用いて試験片上に2mmの碁盤目を100個作製し、セロハンテープによる剥離試験を行い、以下の基準で目視判定した。
(判定基準)
○:碁盤目にはがれがなく、塗膜表面に異常がない。
△:塗膜上に残存する目の数が95個以上である。
×:塗膜上に残存する目の数が94個以下である。
※1)1:溶融亜鉛めっき鋼板(商品名「ペンタイト鋼板」、日新製鋼社製)
2:アルミニウム板
※5)a:フタル酸樹脂系塗料(商品名「ハイメルスーパー#100」、大日本塗料社製)
b:ウレタン樹脂系塗料(商品名「Vトップ」、大日本塗料社製)
c:水系ウレタン樹脂系塗料(商品名「DNTビューウレタン」、大日本塗料社製)
d:焼付形アルキドメラミン樹脂系塗料(商品名「デリコン#300」、大日本塗料社製)
2:アルミニウム板
※5)a:フタル酸樹脂系塗料(商品名「ハイメルスーパー#100」、大日本塗料社製)
b:ウレタン樹脂系塗料(商品名「Vトップ」、大日本塗料社製)
c:水系ウレタン樹脂系塗料(商品名「DNTビューウレタン」、大日本塗料社製)
d:焼付形アルキドメラミン樹脂系塗料(商品名「デリコン#300」、大日本塗料社製)
Claims (4)
- エポキシ樹脂分散液、アクリル樹脂乳濁液、及び防錆顔料を含有することを特徴とする水系下塗塗料組成物。
- 前記エポキシ樹脂分散液を構成するエポキシ樹脂(A)と前記アクリル樹脂乳濁液を構成するアクリル樹脂(B)の質量比(A:B)が10:90〜30:70であることを特徴とする請求項1に記載の水系下塗塗料組成物。
- 前記エポキシ樹脂分散液を構成するエポキシ樹脂は、重量平均分子量が10,000〜100,000であり、平均粒子径が0.01〜10μmであり、また、前記エポキシ樹脂分散液は、不揮発分含有率が10〜60質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水系下塗塗料組成物。
- 前記アクリル樹脂乳濁液を構成するアクリル樹脂が、アクリル系モノマーとスチレンとの共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水系下塗塗料組成物。
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2013
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