JPH05316959A - 飲食品の香味改善方法 - Google Patents

飲食品の香味改善方法

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JPH05316959A
JPH05316959A JP4150116A JP15011692A JPH05316959A JP H05316959 A JPH05316959 A JP H05316959A JP 4150116 A JP4150116 A JP 4150116A JP 15011692 A JP15011692 A JP 15011692A JP H05316959 A JPH05316959 A JP H05316959A
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Japan
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compound
taste
flavor
foods
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JP4150116A
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English (en)
Inventor
Tatsu Yamanaka
達 山中
Katsumi Tsunoda
勝美 角田
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Takasago International Corp
Original Assignee
Takasago International Corp
Takasago Perfumery Industry Co
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Publication date
Application filed by Takasago International Corp, Takasago Perfumery Industry Co filed Critical Takasago International Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記の一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は水素原子,メチル基またはヒドロキシメ
チル基であり、R2 は水素原子,メチル基またはヒドロ
キシメチル基であり、ただし両者が共にヒドロキシメチ
ル基である場合を除く。)で表されるα−ヒドロキシケ
トン誘導体の単量体,2量体および多量体の中から選ば
れた少なくとも1種の化合物を飲料または食品に対して
50〜10000ng/gの割合で添加することを特徴
とする飲食品の香味改善方法。 【効果】 本発明によれば、特定のα−ヒドロキシケト
ン誘導体の単量体,2量体又は多量体の1種または2種
以上の混合物を各種飲料や食品に添加することにより、
その酸味,塩味を改質し、コク味を付与し、かつ香気の
立ちを良くしてこれらの飲食品の香味を改善することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、飲食品の香味改善方法
に関し、詳しくは飲料水,飲料などの有する本来の香味
を損なわずにコク味を付与したり、食品の酸味,塩味等
を改質し、さらには香気の立ちを良くする方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】飲料水,飲料および食品が、美味しく、
かつ簡便で安全に提供されることが求められているが、
それらの本来の香味が加工処理または調理によって劣化
することが多い。そのため、本来の香味に戻すための呈
味の改質法が従来より提示されている。
【0003】汎用性があるコク味物質の製法としては、
例えば根菜類を原料とし、その抽出液から香気成分など
を除去し、濃縮もしくは乾燥させて、コク味付与物質を
含む混合物として得る方法(特開昭53−86068号
公報)、糖蜜を単独またはチーズホエーを加えたものを
電気透析によって、電解性成分を濃縮もしくは乾燥して
コク味付与物質を含む混合物を得る方法(特開昭61−
216657号公報)等がある。しかし、これらの方法
で得られるコク味を発現する物質は同定されておらず、
混合物であり、コク味を発現する単一物質に関するもの
の報告は見あたらない。
【0004】本発明で用いる化合物は、精蜜に含有され
る(Adv.in Carbohydr.Chem. & Biochem.,vol.46,p.273
-326(1988)) 。そのため、前記特開昭61−21665
7号公報に記載の混合物において、該化合物が1成分と
して含まれるとしても、その含量は制約され、力価は低
く、異味,異臭を除去するために面倒な精製処理を必要
する上に収量が低い。特に、該化合物以外の多種成分を
含むために、飲料水,飲料および果汁など異味,異臭の
付随が許されない分野には使用し難い。
【0005】また、該化合物が食品およびフレーバーの
製法に使用された事例として、次のものが挙げられる。
木材,セルロースまたは砂糖の熱分解液から単離された
ヒドロキシアセトアルデヒドの単独の水溶液が、各種の
肉類,ソセ−ジ類,ポテト,パン製品などの食品に用い
られることが、国際公開91/14379号で開示され
ている。しかし、ヒドロキシアセトアルデヒドは食品表
面に主として添加され、食品表面のアミノ酸類とのメイ
ラード反応などの熱反応によって食品の外表面に、好ま
しい褐色の焼き色を付けること、および畜肉類や魚肉類
の加熱や経時によって発生する、不快なアンモニアおよ
びアミンなどと反応させて食品香気の劣化を防止するた
めに用いられている。即ち、ヒドロキシアセトアルデヒ
ドの呈味効果に着目したもではなく、蛋白質,アミノ
酸,アンモニア,アミンなどとの反応性に富む性質を利
用している。
【0006】また、特開昭61−88855号公報に記
載の方法は、全卵ないし卵材料を酵素処理し、該化合物
のジヒドロキシアセトンおよび/またはピルブアルデヒ
ドを加え、加熱処理する焼卵様フレーバーの製法である
が、該化合物と卵成分との熱反応によって、焼卵様香気
成分を生成させることが目的であり、一部の該化合物が
残存するとしても、強い特異な香気のために適用範囲は
限定される。このように、上記国際公開91/1437
9号および特開昭61−88855号公報における該化
合物の使用目的は、該化合物による香味効果を期待した
ものではない。
【0007】即ち、最も重要なことは、該化合物が飲料
水,飲料または水分を含む食品に対して、コク味を付与
する機能、酸味を梅干し様の鋭い酸味に変化させる機
能、塩味をまろやかな甘味のある塩味にする機能および
香気の立ちが良くなる機能を有することが全く知られて
いなかったことである。
【0008】一方、該化合物は、単糖類および多糖類の
熱分解生成物(Adv.in Carbohydr.Chem. & Biochem.,vo
l.46,p.273-326(1988)および同誌,vol25,p.345(1970))
および微生物の代謝生成物(Adv.in Carbohydr.Chem. &
Biochem.,vol.39,p.327(1988)および図解糖質化学便
覧,p.399(1971),共立出版)として生成するため、自然
のままの食品、適切に調理された食品、飲料および各種
の天然素材から採取したフレーバーには、その組成成分
として検出されることが多い。地下水にも該化合物は、
腐植土成分の溶出によって、自然のままに含有されてい
る。(Water Res.,Vol.21,1195,(1987))。
【0009】しかしながら、該化合物は、熱分解や空気
酸化を受け易く、水に極めて溶解し易い、化学的に不安
定な物質であり、しかも分析が困難で、イオン交換樹脂
にも吸着し易い。さらに、該化合物には、単一物が2量
体以上の多量体として存在するものが含まれ、水溶液中
の存在形態も複雑である。例えばヒドロキシアセトアル
デヒドは2量体として安定に存在するが、水溶液中にお
いて、2種類の2量体(26%)、1量体のヒドロキシ
アセトアルデヒド(4%)および水和gem-diol体(70
%)の4種類の状態の化合物が平衡して溶解しており、
それらの水酸基は、水分子との間で速やかなプロトン交
換を起すことが示されている(J.Chem.Soc.(B).p.1352
(1981))。
【0010】該化合物が溶液中の、かかる存在状態であ
る場合において、呈味と香気に対する特異な機能を発現
することは未知であった。このため、地下水や果汁など
の天然素材から得られる食品に含まれる該化合物は、飲
料水の浄化処理、各種の果汁や食用原料の抽出と濃縮、
飲料や食品の加熱殺菌など、加工処理や調理工程が多く
なる程、減少または消失し、それらの香味の劣化が避け
られないのが現状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】該化合物は、熱や空気
に対して不安定で、単一物および溶液中の存在形態が複
雑であるために、地下水,果汁,天然素材から得られる
フレーバーや調味液および食品中に、単糖類や多糖類の
分解物として含有されていると考えられるにもかかわら
ず、加熱調理,加熱殺菌,イオン交換樹脂による処理,
溶媒抽出,膜濃縮や蒸留濃縮および洗浄などの加工処理
が多くなる程、減少,消失する結果、コク味をもつ美味
しさが不足することが避けられない。これを解決するた
めの香味改質物質は、異味・異臭の発生によって本来の
香味を損なうことなく、コク味を付与・増強し、香気の
立ちを向上させ、かつ人の健康を害さない、無臭の単一
な物質あることが望まれる。
【0012】しかし、公知の汎用性のコク味物質は、単
一な物質ではなく、他の物質との混合物として与えら
れ、呈味効果を発現する物質は確認されていない。その
上、力価は、原料や製法によって制約され、また多成分
であるために、異味、異臭を伴い易く、嗜好性の高い飲
料水や飲料などに使用し難い。さらに、該化合物を成分
として含むフレーバーは、力価が制約され、強い香気を
もち、汎用の呈味改良剤として、使用法が制約される。
【0013】本発明者らは、コーヒー生豆,荒茶および
カカオとシェルの混合物から、不活性ガスと過熱水蒸気
の混合ガスの気流中で間接加熱により生成する香味水溶
液成分の製法(特開昭61−70944号公報、特開昭
61−119140号公報、特公昭61−108351
号公報)におけるコク味を発現する物質について鋭意検
索した結果、該化合物が、コク味を付与する機能、酸味
および/または塩味を変化させる機能および香気の立ち
を良くする機能を有することを見出し、本発明を完成し
たのである。
【0014】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は下記の一
般式(1)
【化2】 (式中、R1 は水素原子, メチル基またはヒドロキシメ
チル基であり、R2 は水素原子, メチル基またはヒドロ
キシメチル基であり、ただし両者が共にヒドロキシメチ
ル基である場合を除く。)で表されるα−ヒドロキシケ
トン誘導体の単量体,2量体および多量体の中から選ば
れた少なくとも1種の化合物を飲料または食品に対して
50〜10000ng/gの割合で添加することを特徴
とする飲食品の香味改善方法を提供するものである。
【0015】上記一般式で表される化合物は、単糖類お
よび多糖類の熱分解生成物および微生物の代謝生成物と
して生成する安全な物質であり、糖分解物の単離精製ま
たは合成によって、単一物質として容易に入手すること
ができる。しかも、該化合物は、単独または該化合物を
組み合わせた添加濃度において、無臭であり、添加量を
自由に調節することができる。したがって、酸味をもつ
食品、塩味をもつ食品、飲料水および酒類などの、あら
ゆる食品に該化合物を補填することによって、本来の香
味を損なうことなく、コク味を付与・増強し、美味しい
香味への改善を可能にする。
【0016】該化合物の具体例としては、ヒドロキシア
セトアルデヒド、グリセルアルデヒド、アセトイン、ア
セトール、2−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、3,
4−ジヒドロキシ−2−ブタノン、1, 3−ジヒドロキ
シアセトン等を挙げることができる。
【0017】一方、該化合物は、地下水,果汁,天然素
材等から得られるフレーバーや調味液および食品中に、
単糖類や多糖類の分解生成物として含有されていると考
えられるにもかかわらず、上述したように、不安定で、
複雑な形態をとるために、加熱調理、加熱殺菌、イオン
交換樹脂による脱塩処理、溶媒抽出、膜濃縮や蒸留濃縮
および洗浄などの加工処理が多くなる程、本発明で特定
している添加量の下限50ng/g以下に減少し、コク
味をもつ美味しさが不足することが避けられない。該化
合物は、飲料水,飲料,水を含む食用製品の全てに対し
て、本来の香味を賦活させる香味改質物質として使用で
きる。該化合物は、糖の分解生成物や微生物による糖の
代謝生成物から単離または合成によって、単一な純品又
は安定な2量体として購入乃至入手することができ、日
常的に人が摂取する安全な物質である。
【0018】該化合物は、特に水に溶解し易く、またエ
タノールなどの水溶性溶媒に溶解するが、エーテルなど
の有機溶媒に溶け難い。さらに、該化合物は酸化され易
く、熱や光によって分解または重合し易い。しかも、該
化合物の中には、上に例示したヒドロキシアセトアルデ
ヒドのように、2量体などの多量体で存在するものが含
まれる。また、カルボニル基と水酸基が隣接した構造を
もつ該化合物は、溶液中では、ヒドロキシアセトアルデ
ヒドと同様に、分子内および分子間の水素結合の形成、
カルボニル基がエノル型の水酸基や水和gem-diolを形成
したポリヒドロキシ化合物の形成あるいは、2量体など
の多量体を形成し、いくつかの異なる構造をもつ分子と
して溶解しているものと考えられる。
【0019】このように、該化合物は化合物の種類によ
って、多量体の存在、光学活性体の有無および溶液中で
存在形態がそれぞれ異なるが、コク味を付与、増強する
機能、酸味および/または塩味を変化させる機能および
香気の立ちを良くする機能とそれらの能力に差異はな
い。しかし、添加する品目および該化合物の種類によっ
て、添加効果が微妙な差異を生じるので、該化合物の中
から単独または2種以上の組合せを適宜選択することが
好ましい。
【0020】該化合物の添加量は、食される状態におけ
る量に対して、1グラム重量当り50〜10, 000n
gの範囲が適当とされ、この添加量は該化合物が1量体
乃至多量体であるかに関係なく、重量を基準として適用
される。個々の品目によって、最適な添加量の範囲が異
なる。そのため、添加量の異なる試作品について試飲、
試食による比較評価を行い、品目ごとに適切な添加量を
決める必要がある。最適な添加量の上限を越えて添加量
を増加すると、品目がもつ特徴的な味が次第に薄れて淡
泊になる。一方、最適な添加量の下限未満に添加量を減
少すると、最適な添加領域で示したコク味と厚みが減少
する。香気の立ちは、最適添加量の範囲で添加量が減少
する程良くなる。
【0021】該化合物は、熱や空気に対して不安定であ
るため、加工処理の最終工程で添加し、該化合物の添加
後に、大気開放下での加熱処理を避けることが好まし
い。添加後の加熱殺菌,加熱調理などの処理がある場
合、その分解量を考慮して、添加量を決定する。また、
添加対象の形態および組成や酸性度などの性状による該
化合物の分解が、化合物の種類によって異なる場合があ
るので、微妙な香味の差異のみでなく、該化合物の中で
分解が少ない化合物を選択することも大切である。
【0022】該化合物は、単独または2種以上を適当に
組み合わせて、水またはエタノールなどの食品に使用が
認められている水溶性溶媒に溶解させた溶液で用いる
が、該化合物を希釈せず、そのまま添加し、均一になる
ように溶解または混和することもできる。また、水また
はエタノールなどを溶媒とするフレーバーまたは調味液
などの調合成分として添加し使用することもできる。
【0023】該化合物が、水溶液,フレーバーおよび調
味液の成分として調製される濃度は、希釈率と該化合物
の分解量を考慮して決められるが、希釈率1/1000
において、0.1重量%濃度が目安となる。該化合物は、
0.1重量%濃度以下の水溶液においては殆ど無臭であ
る。水道水や飲料にコク味を付与する場合のように、特
に無臭であることが必要である場合は、グリセルアルデ
ヒドやヒドロキシアセトアルデヒドなどが好ましい。し
かし、該化合物はどれも単品または混合物として、添加
効果を発揮するために必要な範囲50〜10, 000n
g/gにおいて、香気を官能的に検知出来ないので、該
化合物の中から自由に選択して、あらゆる食品の香味を
賦活するために使用することができる。
【0024】微量の該化合物が、かかる香味の変化を引
き起こす生理学的な詳細は定かではない。しかし、食品
中の食塩などの金属イオンや酸のプロトンは、水分子に
配位した状態を通して、酸味や塩味として感知されるも
のと考えられる。一方、ポリヒドロキシ化合物である単
糖類は、水溶液中で糖の水酸基のプロトンが金属イオン
で置換されて塩を形成したり、糖分子の隣接した2〜3
個の水酸基が、1〜3価の金属イオンと錯体を形成する
こと(Adv. in Carbohydr.Chem.& Biochem.,vol.47,p.1
-43(1989)) が知られている。また、グリセリンおよび
グリコールについて、それぞれ蒸留水,0.5重量%食塩
水および0.05重量%クエン酸水に1000ng/gを
添加したとき、塩味の変化はやや類似しているが、水お
よび酸味は変化しないことを試飲評価で確認した。
【0025】したがって、該化合物の中で最も単純なヒ
ドロキシアセトアルデヒドから推察されるように、該化
合物が溶解した状態における水酸基および/またはカル
ボニル基の水和gem-diolが、食品中の金属イオンや酸の
プロトンと速やかなプロトン交換反応を起こしている状
態および錯体を形成した状態を通して、酸味および/ま
たは塩味が感知されると推測される。かかるプロトンお
よび金属イオンの存在状態が、酢酸,クエン酸など酸味
を梅干し様の、こく味のある鋭い酸味に変化させ、食塩
の塩味をコク味がある、まろやかな塩味に変化させ、そ
の相乗作用によって、コク味の付与・増強を起すと考え
られる。
【0026】該化合物が、香気の立ちを良くする機能に
ついても不詳であるが、溶解状態の該化合物の水酸基お
よびgem-diolが、水分の水素結合に影響を与え、香気成
分と水分子との相互作用が弱められ、香気成分の揮発性
が増すと推測される。該化合物は、濃縮抽出液を還元し
て使用する飲料や食品、ソ−ス類および果汁,コーヒ
ー,紅茶,麦茶,ウーロン茶,ココアなど各種飲料、各
種のレトルト食品、惣菜類の加熱調理食品、ケーキ類、
焼き菓子類、冷菓類などに添加使用できる。また、日本
酒,ビール,ウイスキーなどの酒類、ミネラルウオータ
ー等の飲料水やドレッシング,酢類,醤油などの調味料
など、水を含む食用製品の全てに対して添加使用するこ
ができる。
【0027】
【実施例】以下に実施例により、本発明の態様を詳しく
説明するが、本発明はこれにより制限されるものではな
い。 実施例1 イオン交換水で、食塩0.5重量%水とクエン酸0.05重
量%水を調製し、それぞれにヒドロキシアセトアルデヒ
ド(HA),アセトイン(AT),グリセルアルデヒド
とアセトイン(GA+AT)の等量混合物,グリセリン
およびグリコールを1000ng/g濃度でそれぞれ添
加したものについて、添加しないものを対照として、呈
味の比較評価を良く訓練されたパネラー10人で行なっ
た。塩味ついては、まろやか塩味がある方、酸味につい
ては、鋭い酸味がある方を選択させた結果を第1表に示
した。
【0028】
【表1】 第 1 表 食塩の塩味 クエン酸の酸味 添加品 無添加品 添加品 無添加品 HA 8 2 9 1 AT 7 3 8 2 GA+AT 8 2 9 1 グリセリン 8 2 4 6 グリコール 6 4 5 5
【0029】第1表の結果は、本発明の化合物が塩味を
まろやな塩味に変化させる機能およびクエン酸の酸味を
鋭い酸味に変化させる機能を共通してもっていることを
示している。グリセリンとグリコールは塩味では呈味効
果が認められると判断されたが、酸味では有意差が認め
られなかった。
【0030】実施例2 ヒドロキシアセトアルデヒド(HA),グリセルアルデ
ヒド(GA),グリセルアルデヒドとヒドロキシアセト
アルデヒド(GA+HA)の等量混合物を蒸留水に10
00ng/g濃度で、それぞれ添加したものについて、
添加しない蒸留水を対照として、呈味の比較評価をコク
味ある方、温か味がある方の2つについて、パネラー1
0人に選択させた結果を第2表に示した。
【0031】
【表2】 第 2 表 コク味 温か味 添加品 無添加品 添加品 無添加品 HA 8 2 9 1 GA 7 3 8 2 GA+HA 8 2 9 1 グリセリン 6 4 6 4 グリコール 5 5 6 4
【0032】第2表は、本発明の化合物は蒸留水にコク
味と温か味を与える機能を共通してもつことを示してい
る。また、グリセリンとグリコールは水に対する呈味効
果に有意差がなかった。
【0033】実施例3 ヒドロキシアセトアルデヒド0.1gを蒸留水100gに
溶解したものを、市販缶入り紅茶缶飲料に対して、1/
50(20, 000ng/gに相当)、1/100、1
/500、1/1,000、1/2000、1/400
0、1/5000(200ng/gに相当)を添加した
ものを、未添加のものを対照として、良く訓練されたパ
ネラー5人で評価した。
【0034】その結果、5人の評価は、1/50〜1/
100の範囲では、甘味が強く、渋みが抑えられ、紅茶
らしい特徴が少なくなるが、コク味があること、1/5
00〜1/2000の範囲では、適度に渋みが抑えら
れ、コク味があり美味しいことおよび1/4000〜1
/5000の範囲では、渋味は無添加の場合と殆ど変わ
らないが、弱いコク味があることにおいて評価が一致し
た。この結果から、紅茶飲料では、1/500〜1/2
000(2000〜500ng/gに相当)の添加量の
場合が香味が最良であると判断された。
【0035】実施例4 ヒドロキアセトアルデヒド0.1gを蒸留水100gに溶
解したものを、市販缶入りミルクコーヒーに対して、1
/50(20, 000ng/gに相当)、1/100、
1/500、1/1000、1/2000、1/400
0、1/5000、1/6000、1/8000(12
5ng/gに相当)を添加したものと、未添加のものを
対照として、良く訓練されたパネラー5人で評価した。
【0036】その結果、5人の評価は、1/50〜1/
1000の範囲では、コーヒーらしさが薄れ、添加量が
増す共に、水っぽく、淡白になること、1/2000〜
1/4000の範囲では、コーヒー感とミルク感が強
く、コク味があり、美味しいことおよび1/5000〜
1/8000の範囲では、コーヒー感とミルク感がやや
弱く、コク味が弱いことにおいて評価が一致した。この
結果から、市販缶入りミルクコーヒーでは、1/200
0〜1/4000(500〜250ng/gに相当)の
添加量の場合が香味が最良であると判断された。
【0037】実施例5 市販缶入り地下水にヒドロキシアセトアルデヒド(H
A)を、市販日本酒にアセトイン(AT)を、市販ビー
ルにアセトイン(AT)を、市販レトルトカレーにアセ
トール(ATR)を、市販粉末スープに1,3−ジヒド
ロキシアセトン(DHA)を、それぞれ濃度1000n
g/gの割合で添加し、添加しないものを対照として、
10人のパネラーに好ましい方および香気の立ちのよい
方を選択させた結果を第3表に示す。
【0038】
【表3】 第 3 表 市販の食品 添加物質 好ましい方 香気の立ちの良い方 添加品 未添加品 添加品 未添加品 缶入り地下水 HA 7 3 − − 日本酒 AT 8 2 10 0 ビール AT 7 3 8 2 レトルトカレー ATR 7 3 10 0 粉末スープ DHA 8 2 10 0
【0039】第3表の結果は、飲料水,各種の飲料およ
び食品に対して本発明の化合物が香味改質化合物として
有効あることを示している。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、特定のα−ヒドロキシ
ケトン誘導体の単量体,2量体又は多量体の1種または
2種以上の混合物を各種飲料や食品に添加することによ
り、そのコク味,酸味,塩味を付与し、かつ香気の立ち
を良くしてこれらの飲食品の香味を改善することができ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、特定のα−ヒドロキシ
ケトン誘導体の単量体,2量体又は多量体の1種または
2種以上の混合物を各種飲料や食品に添加することによ
り、その酸味,塩味を改質し、コク味を付与し、かつ香
気の立ちを良くしてこれらの飲食品の香味を改善するこ
とができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は水素原子, メチル基またはヒドロキシメ
    チル基であり、R2 は水素原子, メチル基またはヒドロ
    キシメチル基であり、ただし両者が共にヒドロキシメチ
    ル基である場合を除く。)で表されるα−ヒドロキシケ
    トン誘導体の単量体,2量体および多量体の中から選ば
    れた少なくとも1種の化合物を飲料または食品に対して
    50〜10000ng/gの割合で添加することを特徴
    とする飲食品の香味改善方法。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表される化合物がヒドロ
    キシアセトアルデヒド、グリセルアルデヒド、アセトイ
    ン、アセトール、2−ヒドロキシプロピオンアルデヒ
    ド、3,4−ジヒドロキシ−2−ブタノンおよび1,3
    −ジヒドロキシアセトンの中から選択されるものである
    請求項1記載の方法。
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