JP4675928B2 - 風味改善剤、または風味改善剤を添加することにより風味が改善された飲食物及びその製造方法 - Google Patents

風味改善剤、または風味改善剤を添加することにより風味が改善された飲食物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、タンパク質及び糖質原料を発酵させて得られる有機酸発酵液を濃縮して得られる風味改善剤と風味改善剤を含有させることによって、従来は発酵や長期熟成を経ることによって得られていた芳醇感、馥郁とした香りや華やかな芳香に代表される香気とそれに伴う熟成感などの風味が付与、または改善された飲食物、及びその製造方法に関するものである。
古来、人類にとって「食」は生きるための「栄養の摂取」という意味合いだけでなく、美味しいものを食べることで心を満たすという、精神的な意味合いを持ってきた。また、現代においては、健康に気を遣う人が増えたことにより、安全で健康に良いとされる食品が望まれている。そのような事情により、安全でより風味の良い飲食物が求められるのは必然であり、飲食物の風味や香りを改善する方法が開発されてきた。
従来、呈味や香気等の風味を改善する目的でアミノ酸や核酸系の調味料、畜肉エキス、野菜エキス、魚介類エキスなどの天然エキス、乳酸及び有機酸発酵風味液を利用することが広く行われている。また、各種の香りを有する香料の製造方法が多数提案されている。具体的には、以下のような例が挙げられる。
(1)乳脂肪、糖、アミノ酸及び水を含有する組成物を熟成することを特徴とする香味改善剤の製造方法(特許文献1)。
(2)畜肉エキスまたは魚介類エキスから得られる不溶性成分を用いたコク味調味料素材の製造方法(特許文献2)。
(3)乳清を乳酸菌及び酵母により発酵させて得られた清澄乳酸菌・酵母発酵乳清液を有効成分として含有することを特徴とする調味料風味改良剤の製造方法(特許文献3)。
(4)4−メルカプト−4−メチル−2−ペンタノンからなる茶飲料用添加剤の製造方法(特許文献4)。
また、ウイスキーやブランデー等は、香気等の風味に加えて、熟成感のあるものが好まれている。ところが、十分な熟成感のあるウイスキーやブランデー等を製造するには、長い時間とコストがかかるため、短い熟成期間で高い熟成感を与える熟成技術が多数提案されている。具体的には、以下のような例が挙げられる。
(5)流体中の分子クラスターの制御装置並びに方法(特許文献5)。
(6)珊瑚化石を接触させることで、短時間でバニリン含量を増強する酒類の製造方法(特許文献6)。
(7)超音波処理を施す蒸留酒の製造方法(特許文献7)。
(8)飲食物にセラミックスを浸漬(特許文献8)。
特開2003−153665号公報 特許第3493854号公報 特開平7−75520号公報 特許第3026437号公報 特開平9−187772号公報 特開2001−245650号公報 特開平8−214864号公報 特開2002−112759号公報 財団法人日本醸造協会,「醸造物の成分」,p198
しかしながら、上記(1)〜(4)の製造方法によって製造された香気等の風味の改善剤は、いずれも嗜好性や経済性の面において満足のいくものではなかった。
また、上記(5)〜(8)の熟成期間の短縮技術は、大規模な設備を要し、多大な費用がかかるという問題があった。
そこで、本発明は、前記従来技術の問題点を解消すべく、短期間に経済的かつ人体に安全な方法で、従来は発酵や長期熟成を経ることによってしか得られた芳醇感、馥郁とした香りや華やかな芳香に代表される香気とそれに伴う熟成感などの風味を付与、または改善できる風味改善剤、及び香気、熟成感などの風味が改善された飲食物及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、タンパク質及び糖質原料を発酵させて得られる有機酸発酵液、または糖質原料をアルコール発酵し、次いで有機酸発酵させて得た有機酸発酵液、または前記酢酸発酵工程でアミノ酸含有組成物及び糖質原料を添加させて得た有機酸発酵液から選択される有機酸発酵液を濃縮することにより風味改善剤を得た。さらに、得られた風味改善剤を飲食物に含有させることにより、(1)飲食物の香気、熟成感などの風味が改善されること、(2)熟成を要する飲食物であっても、香気、熟成感などの風味の付与によって、熟成期間を短縮することができることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、タンパク質及び糖質原料を発酵させて得た有機酸発酵液、または糖質原料をアルコール発酵し、次いで有機酸発酵させて得た有機酸発酵液、または前記酢酸発酵工程でアミノ酸含有組成物及び糖質原料を添加させて得た有機酸発酵液から選択される有機酸発酵液を、その色調に変化が生じるまで濃縮することによって得られる酢酸換算酸度0.5〜20w/v%の風味改善剤を提供するものである。
また、前記風味改善剤は、タンパク質及び糖質原料を発酵させて得た有機酸発酵液、または糖質原料をアルコール発酵し、次いで有機酸発酵させて得た有機酸発酵液、もしくは有機酸発酵工程でアミノ酸含有組成物及び糖質原料を添加させて得た有機酸発酵液から選択される有機酸発酵液を、その色調に変化が生じるまで濃縮することによって得られる風味改善剤であって、任意量の濃縮前の有機酸発酵液及び前記量と同一量の濃縮後の有機酸発酵液について、それぞれOD420nmにおける吸光度が0.001〜0.500の範囲内となるように希釈液で適宜希釈したときに、希釈後の総液量を前記有機酸発酵液の任意量で除して得られる希釈倍率に対し、それぞれの吸光度の数値を乗じて得られた数値をそれぞれの有機酸発酵液の色強度としたときに、前記濃縮による有機酸発酵液の色調変化分が(濃縮後液の色強度)/(濃縮前液の色強度)=1.1及至50となるように有機酸発酵液を濃縮して得てもよい。ここで、前記有機酸発酵液は食酢類であることを特徴としてもよい。
本発明は、前記の風味改善剤を、ウイスキー、ブランデー、ビール、発泡酒及びビール風味飲料のうちいずれか1つに対して0.05〜12重量%添加したコク及び芳醇さを向上させることを特徴とするアルコール飲料を提供するものである。また、前記の風味改善剤を、発酵乳、チーズ及びヨーグルトのうちいずれか1つに対して0.05〜12重量%添加することにより、まろやかさ及び風味を向上させることを特徴とする乳性飲食物を提供するものである。さらに、前記風味改善剤を、みりん又はみりん風調味料のいずれか1つに対して0.05〜12重量%添加することにより、コク、まろやかさ及び醸造感を向上させることを特徴とする調味料を提供するものである。本発明の風味改善剤を、上記の飲食物に添加することにより、それぞれの飲食物が持つ風味等に応じて、それを増強させることが特徴である。
また、本発明は、ウイスキー又はブランデーの製造方法であって前記の風味改善剤を0.05〜12重量%含有させることにより、熟成期間を短縮したことを特徴とする製造方法を提供するものである。本発明の風味改善剤を、ウイスキー、ブランデー、ビール、発泡酒及びビール風味飲料に対して添加することにより、コク及び芳醇さを向上させることができるので、熟成期間が短いものであっても、コク及び芳醇さ、熟成感を向上させることができる。
本発明の風味改善剤を含有させることにより飲食物の風味が改善される理由は、以下のとおりであると考えられる。一般的に、味を感じる味覚受容体は味細胞からなる味蕾に存在していることが知られている。舌の先にある味蕾は、主に甘味や塩味を感じ、舌の奥にある味蕾は、主に旨味を感じている。舌だけでなく、軟口蓋や喉の奥でも味を感じており、本発明品はこれら複数の部位で味を感じさせることにより、味に空間的な広がりを持たせている。また、本発明の風味改善剤を含有させた飲食物は、後からじっくりと広がる後味が強くなり、味の余韻が残るものとなる。これらの空間的広がりと時間差効果により、味に「厚み」と「深み」が付与されるものと考えられる。
一般に、コクは旨味における重要な要素の一つだと考えられており、一つの物質に由来する味覚ではなく、複数の味覚が複雑に絡み合ったものをコクとして感じている。また、味は味覚、嗅覚、食感など、複数の要因により成り立っている。本発明では、有機酸発酵液を濃縮させることで、含有されるアミノ酸や有機酸の割合を増やし、飲食物にそれらの成分を含有させることにより、複数の味覚や嗅覚を刺激し、飲食物の味に広がりを持たせることに成功した。
以上説明したように、本発明によれば、濃縮有機酸発酵液の持つ発酵風味や熟成感が飲食物に付与されるだけではなく、飲食物の呈味に「厚み」、「深み」が付与され、コクが強くなり、風味が改善される。さらに、熟成を要する飲食物に対しても熟成感が付与されるため、短い熟成期間で風味豊かな飲食物を製造することができる。
以下に、本発明の実施の形態を具体的に説明する。本発明における有機酸発酵液は、酢酸発酵、乳酸発酵、グルコン酸発酵などにより得られたものであり、食酢などをも含む。食酢の原料としては米類、麦類、トウモロコシ、アワ、ヒエ、アマランサス、豆類、芋類などの穀物やリンゴ、ブドウ、プルーン、柿、パイナップルなどの果実や果汁が挙げられる。
本発明において濃縮とは、濃縮前と比べ濃縮後の体積が小さくなるプロセスを示す。濃縮方法としては、減圧濃縮、凍結濃縮、膜濃縮など、従来公知の方法が適宜利用できる。減圧濃縮とは、アスピレーターまたは真空ポンプで減圧することにより、溶媒の沸点を下げ、効率良く濃縮する方法であり、凍結濃縮とは、液体材料を凍らせると、水分子だけが氷となることを利用して、溶媒である水を氷として分離し、濃縮する方法である。また膜濃縮とは、膜を介した圧力差や温度差を推進力として溶媒のみを膜透過させ、溶質濃度を高める方法である。濃縮時間については、長期間をかけて濃縮することもできるが、例えば30分から5時間といった短時間の濃縮でも、本発明の効果を奏することができるので、本発明品の製造方法は、工業的な生産にも適している。ここで言う酢酸発酵物の濃縮は、その濃縮効率から、色調の変化を指標とした数値は50が上限であり、それ以上の数値を示す濃縮は酢酸発酵物の示す物性的に難しいと考えられる。
濃縮する目安と測定方法について、以下に説明する。濃縮前後の有機酸発酵液を一定量取り出し、それぞれOD420nmにおける吸光度が0.001〜0.500の範囲内となるように希釈する。必要とした希釈液量を、最初に取り出した有機酸発酵液の液量で除することにより算出した希釈倍率に、それぞれ対応する吸光度の数値を乗じて得られた数値を色強度とした時、(濃縮後液の色強度)/(濃縮前液の色強度)=1.1〜50の範囲内から選択される色調を有するよう濃縮するのが望ましい。ここで言うOD420nmの吸光度は、一般的に用いられている分光光度計「株式会社日立製作所製U−1000型分光光度計」を用いて室温にて測定した。希釈液としては水が一般的に用いられる。
ここで言う総酸度(酢酸換算)とは有機酸発酵液を一定容量計り取り、0.1N苛性ソーダにてpH8.3を終点として滴定したときに、滴定値(ml)×0.6×0.1N苛性ソーダのファクター/試料量(ml)にて算出するw/v%にて表す。
上記した有機酸発酵液の色調の変化はアミノカルボニル(メイラード)反応などの反応の程度によって変化するものである。通常、食品において糖と窒素成分であるアミノ酸の存在下で起こるアミノカルボニル反応は、食品の色を褐色に変化させ、また風味を劣化させる現象として忌み嫌われてきた。そのため、食品の製造工程においては、アミノカルボニル反応が生じない方法が模索されてきた。しかしながら、本発明者は、あえてアミノカルボニル反応に注目し、糖とアミノ酸の反応物の存在が食品の風味改善効果をもたらすことを見出した。
本発明の風味改善剤は液体であるが、これをさらに濃縮、噴霧乾燥、凍結乾燥、造粒、溶解、混合するなどして、液体、ペースト、粉末、顆粒、固体などの形状に仕上げて利用してもよい。また、いかなる呈味素材と混合することも可能である。
飲食物に濃縮有機酸発酵液を含有させる方法としては、飲食物に直接添加、原材料に添加、加工時に添加、貯蔵容器にしみ込ませる等、飲食物が製品として完成するまでの任意の工程で添加又は含有させればよく、例えば、混和、溶解、浸漬、散布、注入等いかなる方法で含有させてもよい。
本発明で得られる飲食物は、官能評価試験によれば、コク・熟成感、香りなどの風味が改善されるため、呈味に「厚み」と「深み」が付与される。また、時間経過とともにぼけてしまう酸味の「厚み」、「伸び」を保持すると同時に、甘味の「しつこさ」を軽減することが可能となり、味にふくらみが出る。また、味に大きな影響を与える香気がアップし、大幅な風味改善効果が得られる。さらに、本発明の持つ発酵風味が付与され、熟成感が増すため、熟成を要する飲食物においては、短期間の熟成で風味が良好で濃厚感のあるものになる。
一般的に、食酢等の有機酸発酵物は酸味を付与し、コクを軽くさせる効果があることが知られており、食酢等の有機酸発酵物の尖った味により、コクの重さが軽減される。ところが、食酢等の有機酸発酵物を濃縮させた濃縮有機酸発酵物を含有させると、逆にコクを増し、酸味がまろやかになり、他の成分の風味や旨味を強く感じさせることを本発明者は見出した。
本発明は汎用性が高く、本発明の風味改善剤を添加することによって、各種の飲食品や調味料など幅広い飲食物の香気、熟成感等の風味を改善することができる。例えば、だし、つゆ、たれ、スープ、合わせ酢、みりん風調味料、ドレッシング、マヨネーズ、ジャム等の複合調味料、味噌、醤油、みりん、ソース、酢等の基礎調味料等が挙げられる。また、バター、練乳、ホイップクリーム、チーズ、ヨーグルト等の乳加工品類や果汁、茶、発酵乳、ビール、清酒、ワイン、スピリッツ、リキュール、焼酎、ウイスキー、ブランデー等の飲料や酒類、コーヒー、ココア、スープ等の粉末状インスタント飲料、カップ麺類等のインスタント食品類、ケーキやアイスクリーム等の菓子、デザート類にも利用できる。また、野菜、魚介類、肉類及び乳製品を使用した料理にも利用できる。
また、本発明の風味改善剤を含有させることによって飲食物に熟成感を付与することができるので、熟成を要する飲食物の熟成期間が短縮される。この目的において、各種の熟成を要する飲食品や他の調味料に幅広く適用することができる。例えば、味噌、醤油、みりん、ソース、酢等の基礎調味料、だし、つゆ、たれ、スープ、合わせ酢、みりん風調味料、ドレッシング、マヨネーズ等、熟成を要する原材料を含む複合調味料が挙げられる。また、チーズ、ヨーグルト、乳酸菌飲料等の乳製品類、ビール、清酒、ワイン、スピリッツ、リキュール、焼酎、ウイスキー、ブランデー等の酒類にも適用することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
(本発明の風味改善剤の製造方法)
本発明の風味改善剤を以下のように製造した。まず、玄米に液化酵素を作用させ、60〜70℃で3時間液化を行った。次いで糖化酵素を添加し、50〜60℃にて16時間糖化を行った。得られた糖化液に酵母を加え25〜30℃でアルコール発酵を行い、アルコール濃度約15%、糖濃度1%の玄米アルコールを得た。得られた玄米アルコールに酢酸菌を接種し25〜30℃で酢酸発酵を行った。得られた酢酸発酵液をろ過した後、熟成タンクにおいて25〜30℃で熟成を行った。熟成終了後、濃縮、ろ過、殺菌を行い、窒素濃度0.8%、塩分濃度0.05%、糖濃度15%及び酸度2〜9w/v%(酢酸換算)の本発明の風味改善剤を得た。
実施例1に記載の方法を用いて、原料や濃縮程度を変えて以下表1に示すAからEの5種類の本発明の風味改善剤を得た。
Figure 0004675928
本発明の風味改善剤酸度については上限値、下限値とも表1のAからEの範囲外になるように製造することは製法上困難であった。
(ウイスキーへの利用)

本発明によれば、香気、熟成感等の風味が改善されたウイスキー、ブランデー等が得られる。ウイスキーの熟成過程では、(1)不快な香味の低減、(2)液中の成分の酸化や成分同士の反応による香味物質の生成、(3)樽材からの物質の溶出とそれらの変化による着色及び香味物質の生成、(4)これら物質間の反応による新しい香味物質の生成、(5)アルコール分子、水分子それぞれと相互の分子会合による味のまろやかさの改善など、様々な変化が起こる。この工程中に樽中の液のもつ荒い香味が消え、ウイスキー特有の香りが生じ、味は丸くなる。
実施例1で調製した本発明の風味改善剤を添加することによって得られた香気、熟成感等の風味が改善されたウイスキーと、従来品のウイスキーとを以下のように比較した。100gの市販ウイスキー10年熟成を対照区1とし、100gの市販ウイスキー18年熟成を対照区2とした。また、100gの市販ウイスキー10年熟成に実施例1で調製した本発明の風味改善剤を0.12g添加したものを添加区とした。これらウイスキーの熟成感・香り・風味の3点について、味覚正常者である味覚パネラー13名に評価させる評点法による官能評価試験を行った。試験方法としては、各評価項目につき−4から+4まで9段階のレベルを設定し、対照区1の評価を−2、対照区2の評価を+2とする基準を設定し、この基準に基づいて添加区の評価を−4から+4のいずれかで回答させる方法をとった。この官能評価試験の結果を表2に示す。
Figure 0004675928
表2に示すように、ウイスキーのコク・熟成感、香り、風味の全ての評価基準において添加区は対照区1よりも評価が高く、また、全ての評価基準において添加区は対照区2に準ずる質であるという結果が得られた。このことから、実施例1で調製した本発明の風味改善剤を添加したウイスキーは、芳醇な香りやコク・熟成感が付与されて風味が良くなったと共に、短い熟成期間でも風味豊かなウイスキーを得ることができる。
尚、本発明の風味改善剤をウイスキーに添加する方法としては、本実施例のように既成のウイスキーに直接添加するほか、本発明の風味改善剤をウイスキー貯蔵樽に染み込ませる方法もある。あるいは、麦汁の発酵に始まるウイスキー製造工程の任意の段階で本発明の風味改善剤を添加してもよい。早い段階で本発明の風味改善剤を添加した場合には、ウイスキーの発酵、熟成の過程でコク・熟成感、香り等の風味が増強されるものと考えられる。
下記表3のように調製した対照区、添加区をHLC−DISK(孔径0.2μm、関東科学株式会社製)でろ過後、高速液体クロマトグラフィー(D−7000形、株式会社日立製作所製)を用いて有機酸分析を行った。
Figure 0004675928
その分析結果を図1に示す。図中、縦軸は検出信号強度、横軸は保持時間[分]を表す。また、添加区を実線で、対照区を破線で示している。図1より、保持時間0分から保持時間90分までの各ピークにおいて、添加区では、対照区には現れないピークが現れたり、ピークのリテンションタイムが変化したり、対照区に対する各ピークの高さ比が複雑に変化したりしている。
有機酸は単体ではそれぞれに特有な風味を有するが、アミノ酸や糖などの成分と複雑に混ざり合うことで濃厚感が増すと考えられている。一般的に、酢酸はウイスキーのpHに影響し、熟成感に寄与している。また、炭素数3〜5の脂肪酸は甘さを伴った「ボリューム感」のある香りを形成している。高級脂肪酸や芳香族有機酸は「口当たり」に寄与していることが知られている。以上のように、有機酸のウイスキーの風味に与える影響は大きい。
本実施例3、4では、ウイスキーに本発明の風味改善剤を添加することにより、有機酸単体による風味のみならず、有機酸とアミノ酸や糖などの成分との複雑に混ざり合いによって、図1に示すような有機組成が複雑に変化し、ウイスキーにコク、芳醇感、馥郁とした香りや華やかな芳香に代表される香気とそれに伴う熟成感などが付与されたものと考えられる。
(ビール・発泡酒への利用)
本発明を添加した風味が改善された発泡酒と、従来品の発泡酒及びビールとを以下のように比較した。100gの市販発泡酒を対照区1とし、100gの市販ビールを対照区2とする。また、100gの市販発泡酒に実施例1で調製した本発明の風味改善剤を0.03g添加したものを添加区とした。これら発泡酒及びビールのコク・熟成感、香り、ビールの風味の3点について、味覚正常者である味覚パネラー15名に評価させる評点法による官能評価試験を行った。試験方法としては、各評価項目につき−4から+4まで9段階のレベルを設定し、対照区1の評価を−2、対照区2の評価を+2とする基準を設定し、この基準に基づいて添加区の評価を−4から+4のいずれかで回答させる方法をとった。この官能評価試験の結果を表4に示す。
Figure 0004675928
表4に示すように、発泡酒及びビールのコク・熟成感、香り、ビールの風味の全ての評価基準において、添加区は対照区1よりも評価が高く、また、全ての評価基準において添加区は対照区2に準ずる質であるという結果が得られた。このことから、発泡酒に本発明の風味改善剤を添加することにより、コク・熟成感、芳醇な香りが付与され、ビールの風味が向上することが分かった。一般的に、発泡酒の多くは麦の使用量がビールの1/2以下であり、ビールに比べてコク・熟成感が少なく、香味・風味がビールに劣るものとなっている。しかしながら、本発明の風味改善剤の添加により、発泡酒のこのような欠点を補い、香り、コク等の風味をビールに近づけることができた。
市販の発泡酒に(濃縮後液の色強度)/(濃縮前液の色強度)=1.1乃至50に示す範囲の本発明の風味改善剤を0.05重量%添加して、その官能を評価した。官能は味覚正常者であるパネラー8名で行い、また評価は8名の平均値で評価した。試験方法としては各評価項目につき4段階のレベルを設定し、本発明の風味改善剤無添加の発泡酒についての評価を下限(−)とし、本発明の風味改善剤無添加のビールについての評価を上限(+++)とした。この基準に基づいて添加区の評価を4段階評価のいずれかで回答させる方法で行った。この官能評価試験の結果を表5に示す。
Figure 0004675928
(発泡酒への本発明の風味改善剤の添加効果)
表5に示すように発泡酒において本発明の風味改善剤はそれの示すところの定義((濃縮後液の色強度)/(濃縮前液の色強度)=1.1乃至50)において全てにおいて効果が見られた。また、その範囲は1.1〜50において効果的であり、より好ましくは10〜50において効果的であることが確認できた。
市販の発泡酒に(濃縮後液の色強度)/(濃縮前液の色強度)=10である本発明の風味改善剤を0.05〜9重量%の範囲で添加して、その官能を評価した。官能は味覚正常者であるパネラー8名で行い、また評価は8名の平均値で評価した。試験方法としては各評価項目につき4段階のレベルを設定し、本発明の風味改善剤を添加した発泡酒についての評価を下限(−)とし、本発明の風味改善剤を添加したビールについての評価を上限(+++)とした。この基準に基づいて添加区の評価を4段階評価のいずれかで回答させる方法で行った。この官能評価試験の結果を表7に示す。
なお4段評価については以下のとおりである。
−:発泡酒と同等である。+:ややビールに近付く。++:ビールに近付く。+++:ビールと同等である。
Figure 0004675928
(発泡酒への本発明の風味改善剤の添加効果)
以上のように発泡酒において本発明の風味改善剤は添加量0.05〜9重量%の範囲において、効果が見られた。また、より好ましくは1.35〜4.5重量%において効果的であることが確認できた。
また、本発明の風味改善剤をビールに添加した場合、より一層コク・熟成感、香り等の風味の増強されたプレミアムビール(エビスビール(サッポロビール株式会社)などに代表される芳醇感、華やかな芳香がありコクや深み等の風味が豊かなビール)に近いビールを提供することができる。
下記表7のように調製した対照区1、対照区2、添加区をHLC−DISK(孔径0.2μm、関東科学株式会社製)でろ過後、高速液体クロマトグラフィー(D−7000形、株式会社日立製作所製)を用いて有機酸分析を行った。
Figure 0004675928
その分析結果を図2、図3に示す。これらの図2及び図3において、縦軸は検出信号強度、横軸は保持時間[分]を表す。図2は、添加区と対照区1の分析結果を重ねて示すグラフである。添加区を実線で、対照区1を破線で示している。図3は、添加区、対照区1、対照区2の分析結果を重ねて示すグラフである。添加区を実線で、対照区1を破線で、対照区2を一点鎖線で示している。
図2では、保持時間0分から保持時間90分までの各ピークにおいて、添加区では、対照区1には現れないピークが現れたり、ピークのリテンションタイムが変化したり、対照区に対する各ピークの高さ比が複雑に変化したりしている。
また、図3では、特に添加区のいくつかのピークが、対照区1より対照区2に近づく傾向が見られる。
有機酸は単体ではそれぞれに特有な風味を有するが、アミノ酸や糖などの成分と複雑に混ざり合うことで濃厚感を増すと考えられている。一般的に、酢酸はビールのpHに影響し、熟成感に寄与している。また、炭素数3〜5の脂肪酸は甘さを伴った「ボリューム感」のある香りを形成している。高級脂肪酸や芳香族有機酸は「口当たり」に寄与していることが知られている。以上のように、有機酸が発泡酒・ビールの風味に与える影響は大きい。
本実施例5〜8では、発泡酒に実施例1で調製した本発明の風味改善剤を添加することにより、有機酸単体による呈味のみならず、有機酸とアミノ酸や糖などの成分との複雑に混ざり合いによってコクや芳醇感、馥郁とした香りや華やかな芳香に代表される香気とそれに伴う熟成感などが増し、図2、図3に示すような有機組成の複雑な変化によって発泡酒にビールらしさが付与され、ビールに近い風味を与える一要因となっていると考えられる。
市販ビールを対照区とし、実施例1で調製した本発明の風味改善剤を2.0%添加した同市販ビールを添加区として、それぞれのアミノ酸含量を比較した。対照区のアミノ酸含量については非特許文献1に記載の値を用いた。添加区のアミノ酸含量については、財団法人食品分析開発センターSUNATECにおいて、実施例1で調製した本発明の風味改善剤の上記添加分のアミノ酸含量をアミノ酸自動分析法により測定し、その測定値を上記対照区のアミノ酸含量の値に加算したものを用いた。対照区及び添加区のアミノ酸含量の比較結果を図4に示す。
図4に示すように、添加区は、各種アミノ酸の含量が対照区よりも増加している。アミノ酸も有機酸と同様、単体ではそれぞれに特有な風味を有するが、有機酸や糖などの成分と複雑に混ざり合うことでコク・濃厚感を呈するものと考えられており、本発明の風味改善剤の添加による各種アミノ酸の含量増加及び組成の複雑な変化が、ビールが有するコクや芳醇感、馥郁とした香りや華やかな芳香に代表される香気とそれに伴う熟成感などが増し、プレミアムビール(エビスビール(サッポロビール株式会社)などに代表される芳醇感、華やかな芳香がありコクや深み等の風味が豊かなビール)に近い風味を与える一要因となっていると考えられる。
(ヨーグルトへの利用)
市販低脂肪ヨーグルト(乳脂肪分1.0%)100gを対照区1とし、市販ヨーグルト(乳脂肪分3.0%)100gを対照区2とする。また、同市販低脂肪ヨーグルト100gに実施例1で調製した本発明の風味改善剤0.5gを添加したものを添加区とする。これらヨーグルトのコク・熟成感、乳脂肪感・なめらかさ、ヨーグルトの風味の3点について、味覚正常者である味覚パネラー13名に評価させる評点法による官能評価試験を行った。試験方法としては、各評価項目につき−4から+4まで9段階のレベルを設定し、対照区1の評価を−2、対照区2の評価を+2とする基準を設定し、この基準に基づいて添加区の評価を−4から+4のいずれかで回答させる方法をとった。この官能評価試験の結果を表8に示す。
Figure 0004675928
表8に示すように、ヨーグルトのコク・熟成感、乳脂肪感・なめらかさ、ヨーグルトの風味の全ての評価基準において、添加区は対照区1よりも評価が高く、また、全ての評価基準において添加区は対照区2に準ずる質であるという結果が得られた。このことから、低脂肪ヨーグルトに本発明の風味改善剤を添加することにより、コク・熟成感、乳脂肪感・なめらかさが付与され、ヨーグルトの風味が向上することが分かった。一般的に、低脂肪ヨーグルトは、通常のヨーグルトに比べ乳脂肪分が低く、コク・熟成感やなめらかさの面で通常のヨーグルトに劣るものとなっている。しかしながら、本発明の風味改善剤の添加により、低脂肪ヨーグルトのこのような欠点を補い、コク・熟成感やなめらかさ等で構成されるヨーグルト風味を通常のヨーグルトに近づけることができた。
市販の低脂肪ヨーグルト(乳脂肪分1%)100gに対し、(濃縮後液の色強度)/(濃縮前液の色強度)=1.1乃至50に示す範囲の本発明の風味改善剤を0.45重量%で添加して、その官能を評価した。官能は味覚正常者であるパネラー8名で行い、また評価は8名の平均値で評価した。試験方法としては各評価項目につき4段階のレベルを設定し、本発明の風味改善剤無添加の低脂肪ヨーグルトについての評価を下限(−)とし、本発明の風味改善剤無添加のヨーグルト(乳脂肪分3%)についての評価を上限(+++)とした。この基準に基づいて添加区の評価を4段階評価のいずれかで回答させる方法で行った。この官能評価試験の結果を表9に示す。
Figure 0004675928
(ヨーグルトへの本発明の風味改善剤の添加効果)
表9に示すように低脂肪ヨーグルトにおいて本発明の風味改善剤はそれの示すところの定義((濃縮後液の色強度)/(濃縮前液の色強度)=1.1乃至50)において全てにおいて効果が見られた。また、その範囲は1.1〜50において効果的であり、より好ましくは2〜50において効果的であることが確認できた。
市販のヨーグルトに(濃縮後液の色強度)/(濃縮前液の色強度)=10である本発明の風味改善剤を0.05〜2.25重量%の範囲で添加して、その官能を評価した。官能は味覚正常者であるパネラー8名で行い、また評価は8名の平均値で評価した。試験方法としては各評価項目につき4段階のレベルを設定し、本発明の風味改善剤のヨーグルトについての評価を下限(−)とし、本発明の風味改善剤のヨーグルトについての評価を上限(+++)とした。この基準に基づいて添加区の評価を4段階評価のいずれかで回答させる方法で行った。この官能評価試験の結果を表10に示す。
なお4段評価については以下のとおりである。
−:低脂肪ヨーグルトと同等である。+:ややヨーグルトに近付く。++:ヨーグルトに近付く。+++:ヨーグルトと同等である。
Figure 0004675928
(低脂肪ヨーグルトへの本発明の風味改善剤の添加効果)
表10に示すように低脂肪ヨーグルトにおいて本発明の風味改善剤は添加量0.05〜2.25重量%の範囲において効果的であり、より好ましくは0.11〜2.25重量%の範囲において効果的であることが確認できた。
また、本発明の風味改善剤を低脂肪でないヨーグルトに添加した場合、より一層コク、乳脂肪感、熟成感などのヨーグルト風味の増強をすることができる。
下記表11のように調製した対照区、添加区をHLC−DISK(孔径0.2μm、関東科学株式会社製)でろ過後、高速液体クロマトグラフィー(D−7000形、株式会社日立製作所製)を用いて有機酸分析を行った。
Figure 0004675928
その分析結果を図5に示す。図中、縦軸は検出信号強度、横軸は保持時間[分]を表す。また、添加区を実線で、対照区を破線で示している。図5では、保持時間0分から保持時間90分までの各ピークにおいて、添加区では、対照区には現れないピークが現れたり、ピークのリテンションタイムが変化したり、対照区に対する各ピークの高さ比が複雑に変化したりしている。
有機酸は単体ではそれぞれに特有な呈味を有するが、アミノ酸や糖などの成分と複雑に混ざり合うことでコク・濃厚感を呈するものと考えられており、実施例1の本発明の風味改善剤の添加による各種アミノ酸の含量増加及び組成の複雑な変化が、ヨーグルトのコク・熟成感や乳脂肪感・なめらかさを付与し、ヨーグルト風味を向上させる一要因となっていると考えることができる。
(チーズへの利用)
下記表12のように調製して対照区1、対照区2、添加区のチーズケーキを作製した。これらのチーズケーキのコク・濃厚感、おいしさ・味わいについて、味覚正常者である味覚パネラー7名に評価させる評点法による官能評価試験を行った。試験方法としては、各評価項目につき−5から+5まで11段階のレベルを設定し、対照区1の評価を0、対照区2の評価を+5とする基準を設定し、この基準に基づいて添加区の評価を−5から+5のいずれかで回答させる方法をとった。この官能評価試験の結果を表13に示す。
Figure 0004675928
Figure 0004675928
ゴーダチーズはコクと濃厚さのあるチーズであり、これを材料に含むチーズケーキは、コク・濃厚感が増す。そこで、ゴーダチーズを材料に含まないチーズケーキと含むチーズケーキをそれぞれ対照区1及び2とし、ゴーダチーズを材料に含まないが実施例1で調製した本発明の風味改善剤を含んだチーズケーキを添加区とした。
表13に示すように、チーズケーキのコク・熟成感、おいしさ・味わいのいずれについても、添加区は対照区1よりも評価が高く、対照区2に準ずる質であるという結果が得られた。このことから、チーズ又はこれを材料とする飲食物に本発明の風味改善剤を添加することにより、コク、熟成感、おいしさ、味わいを向上させることができることが分かった。
Figure 0004675928
(濃縮後液の色強度)/(濃縮前液の色強度)=1.1乃至50に示す範囲の本発明の風味改善剤を表14の割合で調製したみりん風調味料を用意し、これを用いて官能を行った。官能は味覚正常者であるパネラー8名で行い、また評価は8名の平均値で評価した。試験方法としては試験方法としては各評価項目につき4段階のレベルを設定し、本発明の風味改善剤無添加の市販みりん風調味料についての評価を下限(−)とし、本発明の風味改善剤無添加のみりんについての評価を上限(+++)とした。この基準に基づいて添加区の評価を4段階評価のいずれかで回答させる方法で行った。この官能評価試験の結果を表15に示す。
Figure 0004675928
(みりん風調味料への本発明の風味改善剤の添加効果)
以上のようにみりん風調味料において本発明の風味改善剤はそれの示すところの定義((濃縮後液の色強度)/(濃縮前液の色強度)=1.1乃至50)において、その範囲1.1〜50において効果的であり、より好ましくは1.1〜20において効果的であることが確認できた。
市販のみりん風調味料に(濃縮後液の色強度)/(濃縮前液の色強度)=10である本発明の風味改善剤を0.11〜5重量%の範囲で添加して、その官能を評価した。官能は味覚正常者であるパネラー8名で行い、また評価は8名の平均値で評価した。試験方法としては各評価項目につき4段階のレベルを設定し、本発明の風味改善剤無添加の市販みりん風調味料についての評価を下限(−)とし、本発明の風味改善剤無添加市販みりんについての評価を上限(+++)とした。この基準に基づいて添加区の評価を4段階評価のいずれかで回答させる方法で行った。この官能評価試験の結果を表16に示す。
なお4段評価については以下のとおりである。
−:みりん風調味料と同等・または以下である。+:ややみりんに近付く。++:みりんに近付く。+++:みりんと同等である。
Figure 0004675928
(みりん風調味料への本発明の風味改善剤の添加効果)
表16に示すようにみりん風調味料においては添加量0.11〜5重量%の範囲において、効果が見られた。また、より好ましくは0.11〜2重量%において効果的であることが確認できた。
また、本発明の風味改善剤をみりんに添加した場合、より一層コク、熟成感などのみりん風味を増強し、みりん特有のまろやかさ及び醸造感を得ることができる。
(みりんを使った料理への利用)
下記表17のよう調理した対照区1、対照区2、添加区の3種類の料理を用意した。これらの料理のコク・熟成感、風味の良さ、まろやかさ・味のまとまりの3点について、味覚正常者である味覚パネラー11名に評価させる評点法による官能評価試験を行った。試験方法としては、各評価項目につき−4から+4まで9段階のレベルを設定し、対照区1の評価を−2、対照区2の評価を+2とする基準を設定し、この基準に基づいて添加区の評価を−4から+4のいずれかで回答させる方法をとった。この官能評価試験を表18に示す。
Figure 0004675928
Figure 0004675928
表18に示すように、添加区は、コク・熟成感、料理の風味、まろやかさ・味のまとまりの全てにおいて、対照区1よりも高い評価が得られた。また、添加区は、コク・熟成感、
料理の風味、まろやかさ・味のまとまりのいずれについても、対照区2に準ずる評価が得
られた。この結果より、本発明の風味改善剤を市販のみりん風調味料とともに料理に用いることにより、市販のみりんを使用した場合に準ずる程度に、コク・熟成感、料理の風味、まろやかさ・味のまとまりが向上することが分かった。
みりん風調味料は酒税のかからないみりん様発酵性調味液であり、みりんとの主な違い
はアルコール含量である。しかしながら、料理に使用したとき、みりん風調味料とみりんの官能的差異は大きく異なる。そこで、上記のように、みりん風調味料を用いた料理の調理過程において、本発明の風味改善剤を添加することにより、みりん特有のコク・熟成感や、まろやかさ、味のまとまりなどを補い、風味の良い料理とすることができる。また、本来時間をかけて調理することにより得られるコクや熟成感を容易に付与することができるので、調理時間を短縮することもできる。
また、本発明の風味改善剤をみりんに添加した場合、より一層コク・熟成感、料理の風味、まろやかさ・味のまとまり効果の向上が期待できる。
有機酸は単体ではそれぞれに特有な風味を有するが、有機酸とアミノ酸や糖などの成分との複雑に混ざり合いによって濃厚感、「ボリューム感」のある香り、「口当たり」が改善されると考えられる。本実施例1〜17では、ビール、発泡酒、ヨーグルト、チーズ、みりん、みりん風調味料などに本発明の風味改善剤を添加することにより、有機酸単体による風味のみならず、図1〜図5に示すような有機酸組成の複雑な変化によって、これらの飲食物にコク、芳醇感、馥郁とした香りや華やかな芳香に代表される香気とそれに伴う熟成感やなめらかさ等が付与されたものと考えられる。
以上説明したように、本発明の風味改善剤をウイスキー、ビール、発泡酒等の飲食物に添加した場合、芳醇な香りを付与し、熟成感を与えることができる。また、ウイスキーなどの長期間の熟成を要する飲食物に本発明の風味改善剤を添加することにより、短期間しか熟成していないものであっても、長期間熟成したのと同様なコク、熟成感、香りを持たせることができる。
また、本発明によれば、本発明の風味改善剤をヨーグルト、チーズ、みりん、みりん風調味料などの飲食物に添加することにより、コク・熟成感やなめらかさを与え、飲食物が有する風味を向上することができる。また、これらの飲食物を用いた料理に対しても、同様の効果を奏し、料理としての味のまとまりを与えることができる。
本発明の風味改善剤または本発明の風味改善剤を添加した飲食物及びその製造方法は、ウイスキー、ブランデー、ビール、発泡酒、ヨーグルト、チーズ、みりん、みりん風調味料等を含む飲食物の製造工程において容易に利用することができる。
本発明の実施例において本発明の風味改善剤を含む添加区と、含まない対照区とについて、高速液体クロマトグラフィーにより成分分析を行った結果を示すグラフである。 本発明の実施例において本発明の風味改善剤を含む添加区と、含まない対照区1とについて、高速液体クロマトグラフィーにより成分分析を行った結果を示すグラフである。 本発明の実施例において風味改善剤を含む添加区と、含まない対照区1,2とについて、高速液体クロマトグラフィーにより成分分析を行った結果を示すグラフである。 本発明の実施例において風味改善剤を含む添加区と、含まない対照区とについて、アミノ酸含量を比較した結果を示す図である。 本発明の実施例において本発明の風味改善剤を含む添加区と、含まない対照区とについて、高速液体クロマトグラフィーにより成分分析を行った結果を示すグラフである。

Claims (7)

  1. タンパク質及び糖質原料を有機酸発酵させて得た有機酸発酵液、または糖質原料をアルコール発酵し、次いで有機酸発酵させて得た有機酸発酵液、もしくは有機酸発酵工程でアミノ酸含有組成物及び糖質原料を添加させて得た有機酸発酵液から選択される有機酸発酵液を、その色調に変化が生じるまで濃縮することによって得られる、酢酸換算酸度0.5〜20w/v%の液状の風味改善剤であって、任意量の濃縮前の有機酸発酵液及び前記量と同一量の濃縮後の有機酸発酵液について、それぞれOD420nmにおける吸光度が0.001〜0.500の範囲内となるように希釈液で適宜希釈したときに、希釈後の総液量を前記有機酸発酵液の任意量で除して得られる希釈倍率に対し、それぞれの吸光度の数値を乗じて得られた数値をそれぞれの有機酸発酵液の色強度としたときに、前記濃縮による有機酸発酵液の色調変化分が(濃縮後液の色強度)/(濃縮前液の色強度)=10〜50となるように有機酸発酵液を濃縮して得られたものであることを特徴とする風味改善剤を添加することを特徴とするコク及び芳醇さを向上させた、ウイスキー、ブランデー、ビール、発泡酒又はビール風味飲料。
  2. タンパク質及び糖質原料を有機酸発酵させて得た有機酸発酵液、または糖質原料をアルコール発酵し、次いで有機酸発酵させて得た有機酸発酵液、もしくは有機酸発酵工程でアミノ酸含有組成物及び糖質原料を添加させて得た有機酸発酵液から選択される有機酸発酵液を、その色調に変化が生じるまで濃縮することによって得られる、酢酸換算酸度0.5〜20w/v%の液状の風味改善剤であって、任意量の濃縮前の有機酸発酵液及び前記量と同一量の濃縮後の有機酸発酵液について、それぞれOD420nmにおける吸光度が0.001〜0.500の範囲内となるように希釈液で適宜希釈したときに、希釈後の総液量を前記有機酸発酵液の任意量で除して得られる希釈倍率に対し、それぞれの吸光度の数値を乗じて得られた数値をそれぞれの有機酸発酵液の色強度としたときに、前記濃縮による有機酸発酵液の色調変化分が(濃縮後液の色強度)/(濃縮前液の色強度)=5〜50となるように有機酸発酵液を濃縮して得られた風味改善剤を添加することを特徴とする発酵乳、チーズ又はヨーグルト
  3. タンパク質及び糖質原料を有機酸発酵させて得た有機酸発酵液、または糖質原料をアルコール発酵し、次いで有機酸発酵させて得た有機酸発酵液、もしくは有機酸発酵工程でアミノ酸含有組成物及び糖質原料を添加させて得た有機酸発酵液から選択される有機酸発酵液を、その色調に変化が生じるまで濃縮することによって得られる、酢酸換算酸度0.5〜20w/v%の液状の風味改善剤であって、任意量の濃縮前の有機酸発酵液及び前記量と同一量の濃縮後の有機酸発酵液について、それぞれOD420nmにおける吸光度が0.001〜0.500の範囲内となるように希釈液で適宜希釈したときに、希釈後の総液量を前記有機酸発酵液の任意量で除して得られる希釈倍率に対し、それぞれの吸光度の数値を乗じて得られた数値をそれぞれの有機酸発酵液の色強度としたときに、前記濃縮による有機酸発酵液の色調変化分が(濃縮後液の色強度)/(濃縮前液の色強度)=5〜10となるように有機酸発酵液を濃縮して得られた風味改善剤を添加することを特徴とするみりん。
  4. ウイスキー又はブランデーの製造方法であって、
    タンパク質及び糖質原料を発酵させて得た有機酸発酵液、または糖質原料をアルコール発酵し、次いで有機酸発酵させて得た有機酸発酵液、もしくは有機酸発酵工程でアミノ酸含有組成物及び糖質原料を添加させて得た有機酸発酵液から選択される有機酸発酵液を、その色調に変化が生じるまで濃縮することによって得られる、酢酸換算酸度0.5〜20w/v%の液状の風味改善剤であって、任意量の濃縮前の有機酸発酵液及び前記量と同一量の濃縮後の有機酸発酵液について、それぞれOD420nmにおける吸光度が0.001〜0.500の範囲内となるように希釈液で適宜希釈したときに、希釈後の総液量を前記有機酸発酵液の任意量で除して得られる希釈倍率に対し、それぞれの吸光度の数値を乗じて得られた数値をそれぞれの有機酸発酵液の色強度としたときに、前記濃縮による有機酸発酵液の色調変化分が(濃縮後液の色強度)/(濃縮前液の色強度)=10〜50となるように有機酸発酵液を濃縮して得られたものであることを特徴とする風味改善剤を含有させることにより、熟成期間を短縮したことを特徴とする製造方法。
  5. ビール、発泡酒及びビール風味飲料のうちいずれか1つの製造方法であって、
    タンパク質及び糖質原料を発酵させて得た有機酸発酵液、または糖質原料をアルコール発酵し、次いで有機酸発酵させて得た有機酸発酵液、もしくは有機酸発酵工程でアミノ酸含有組成物及び糖質原料を添加させて得た有機酸発酵液から選択される有機酸発酵液を、その色調に変化が生じるまで濃縮することによって得られる、酢酸換算酸度0.5〜20w/v%の液状の風味改善剤であって、任意量の濃縮前の有機酸発酵液及び前記量と同一量の濃縮後の有機酸発酵液について、それぞれOD420nmにおける吸光度が0.001〜0.500の範囲内となるように希釈液で適宜希釈したときに、希釈後の総液量を前記有機酸発酵液の任意量で除して得られる希釈倍率に対し、それぞれの吸光度の数値を乗じて得られた数値をそれぞれの有機酸発酵液の色強度としたときに、前記濃縮による有機酸発酵液の色調変化分が(濃縮後液の色強度)/(濃縮前液の色強度)=10〜50となるように有機酸発酵液を濃縮して得られたものであることを特徴とする風味改善剤を添加することにより、コク及び芳醇さを向上させることを特徴とする製造方法。
  6. 発酵乳、チーズ及びヨーグルトのうちいずれか1つの製造方法であって、
    タンパク質及び糖質原料を発酵させて得た有機酸発酵液、または糖質原料をアルコール発酵し、次いで有機酸発酵させて得た有機酸発酵液、もしくは有機酸発酵工程でアミノ酸含有組成物及び糖質原料を添加させて得た有機酸発酵液から選択される有機酸発酵液を、その色調に変化が生じるまで濃縮することによって得られる、酢酸換算酸度0.5〜20w/v%の液状の風味改善剤であって、任意量の濃縮前の有機酸発酵液及び前記量と同一量の濃縮後の有機酸発酵液について、それぞれOD420nmにおける吸光度が0.001〜0.500の範囲内となるように希釈液で適宜希釈したときに、希釈後の総液量を前記有機酸発酵液の任意量で除して得られる希釈倍率に対し、それぞれの吸光度の数値を乗じて得られた数値をそれぞれの有機酸発酵液の色強度としたときに、前記濃縮による有機酸発酵液の色調変化分が(濃縮後液の色強度)/(濃縮前液の色強度)=5〜50となるように有機酸発酵液を濃縮して得られた風味改善剤を請求項2に記載の風味改善剤を添加することにより、まろやかさ及び風味を向上させることを特徴とする製造方法。
  7. みりんの製造方法であって、
    タンパク質及び糖質原料を発酵させて得た有機酸発酵液、または糖質原料をアルコール発酵し、次いで有機酸発酵させて得た有機酸発酵液、もしくは有機酸発酵工程でアミノ酸含有組成物及び糖質原料を添加させて得た有機酸発酵液から選択される有機酸発酵液を、その色調に変化が生じるまで濃縮することによって得られる、酢酸換算酸度0.5〜20w/v%の液状の風味改善剤であって、任意量の濃縮前の有機酸発酵液及び前記量と同一量の濃縮後の有機酸発酵液について、それぞれOD420nmにおける吸光度が0.001〜0.500の範囲内となるように希釈液で適宜希釈したときに、希釈後の総液量を前記有機酸発酵液の任意量で除して得られる希釈倍率に対し、それぞれの吸光度の数値を乗じて得られた数値をそれぞれの有機酸発酵液の色強度としたときに、前記濃縮による有機酸発酵液の色調変化分が(濃縮後液の色強度)/(濃縮前液の色強度)=5〜10となるように有機酸発酵液を濃縮して得られた風味改善剤を添加することにより、コク、まろやかさ及び醸造感を向上させることを特徴とする製造方法。
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