JPH0531442B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は樹脂又は金属製のインサートに発泡
体を被覆した構成からなる発泡成形品の製造方法
に関する。

（従来の技術） 従来、技術又は金属製のインサートに発泡体を
被覆した構成からなる発泡成形品、例えば自動車
用インストメントパネル等の製造方法として、型
内にインサートを装置し、ポリウレタン等の液状
発泡原料を注入し、該原料の発泡によつて一体に
被覆する方法が多用されている。

ところが従来の製造方法によつては、液状原料
の発泡に際して、インサート周縁において裏面側
へ発泡樹脂が廻り込み所謂バリが生じるのを避け
られなかつた。又、インスタメントパネルのよう
にメーター、空気吹出口等の開口部を有するもの
は、予めこれらの開口部を設けたインサートが用
いられる為に、インサート周縁部のみならず、こ
れら開口部においても裏面側にバリを生じてい
た。

その為に、従来の製造方法にあつてはバリを除
去する為の後加工が不可欠であり、生産性向上を
図ることができなかつた。

（発明が解決しようとする問題点） この発明は前記問題点を解決する為になされた
もので、バリの発生が少なく、例えバリを生じて
もその剥離除去が容易となる、発泡成形品の製造
方法の提供を目的とする。

（問題点を解決するための手段） この発明は、インサートを型内に装着し、液状
発泡原料を注入した後、該原料を発泡させてイン
サートに発泡体を一体に被覆する発泡成形品の製
造において、予めインサートの一側に発泡体とは
非接着性のフイルム層を形成しておくことを特徴
とするものである。

（作用） この発明によれば液状発泡原料の発泡時にその
発泡樹脂がインサートのフイルム層側に廻り込ん
でバリを形成したとしても、フイルム層が発泡体
とは非接着性であることから、バリの剥離除去が
極めて容易となる。

又、そのフイルム層をインサートの外縁より張
り出すように形成すれば、インサート外縁におい
てその張り出し部が一種のパツキンとして作用
し、型のシール性が良好となる為に発泡樹脂の廻
り込みがなくなり、更にインサートに開口部を有
する場合にあつては、その開口部を閉鎖すによう
にしてフイルム層を形成すれば、開口部における
発泡樹脂の廻り込みもなくなる。

（実施例） 以下インストルメントパネルの製造を例にあげ
てこの発明を説明する。

まず第１図のようにインサート１０を支承型１
２に装着する。インサート１０は、コアとも称さ
れ、剛性を有するプラスチツク、あるいは金属等
からなり、所定位置にメーター用、換気用、コン
ソールボツクス用等の開口部１４を有する。

そして、支承型１２に装着されたインサート１
０の一側、裏面にフイルム層形成原料１６ａをス
プレー、あるいはハケ塗り等により塗布する。フ
イルム層は、後述する発泡体とは非接着性のも
の、例えばホツトメルト接着剤等として用いられ
る低分子量ポリオレフイン等からなり、開口部１
４を閉鎖するようにして、及びインサート外縁１
８にも張り出すようにして塗布形成される。

フイルム層の形成後、第２図のようにインサー
ト１０を発泡型の上型２０に、フイルム層１６を
型表面に対向させて装着する。そして、第３図の
ように発泡型の下型２２のキヤビテイに、液状発
泡原料２４ａ、例えばウレタンフオーム原料を注
入し発生させる。尚、下型２２のキヤビテイに
は、必要に応じて予め表皮材２６がセツトされ、
液状発泡原料の発泡時に発泡体との一体化がなさ
れる。

キヤビテイに注入された液状発泡原料は、発泡
によりその体積を増加させてキヤビテイ内を満た
し、更にその発泡圧によりインサート１０と発泡
型２０，２２との隙間から流出し、バリを形成し
ようとする。しかしながら、インサート１０の開
口部１４はフイルム層１６により閉鎖されている
為に、液状発泡原料はその開口部１４から流出す
ることができず、又、インサートの外縁において
は、フイルム層１６の張り出し部２８が上型２０
と下型２２とで挟まれる為に発泡型のシール性が
良好となり、極めて小量の流出が可能となるだけ
である。しかも、その小量の流出はフイルム層の
張り出し部２８と下型２２表面との間で生じるこ
とから、張り出し部２８の先端に到着するまでに
その原料が硬化して、インサート１０の裏面側へ
廻り込むまで至らないのである。又、たとえ裏面
側へ発泡樹脂が廻り込んでフイルム層上にバリ状
の発泡体を形成したとしても、フイルム層が発泡
樹脂とは非接着性のものからなる為に、そのバリ
の剥離除去は極めて容易である。

第４図は発泡終了後脱型により得られた発泡成
形品を示し、２４はウレタンフオーム等の発泡体
である。この発泡形成品は、Ａ、Ｂ、Ｃ部におけ
る裁断、打ち抜き等のトリミングにより最終製品
となる。第５図はこのようにして得られたインス
トメルトパネルの斜視図である。

（発明の効果） この発明は、前記の如く発泡体とは非接着性の
フイルワ層をインサートの一側に形成しておいて
発泡成形品を製造するものである。従つて液状発
泡原料の発泡時に、その発泡樹脂がインサートの
フイルム層側に廻り込んでバリを形成したとして
も、そのバリはフイルム層に接着しない為にバリ
の剥離除去が極めて容易となる。又、インサート
外縁より張り出すようにしてフイルム層を形成す
ることによつて、インサート外縁におけるバリの
発生を減少させることができると同時に発泡樹脂
の廻り込みも防ぐことができ、更にインサートの
開口部を閉鎖するようにしてフイルム層を形成す
ることにのよつて、開口部における発泡樹脂の廻
り込みも防止することができるので、開口部、外
縁等におけるトリミングが容易となる。

このようにこの発明によれば、バリの発生を押
えることができるとともに、もしバリを生じても
その剥離除去が容易となり、且つ最終製品とする
為のトリミングも容易となるので、作業が簡略と
なり、生産性の向上が実現できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明一実施例に関し、第１図はフイ
ルム層の形成時の断面図、第２図は発泡型への装
着時の断面図、第３図は液状原料の注入時の断面
図、第４図は脱型された発泡成形品を示す断面
図、第５図はインストメルトパネルの斜視図であ
る。 １０……インサート、１４……開口部、１６…
…フイルム層。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ インサートを型内に装着し、液状発泡原料を
   注入した後、該原料を発泡させてインサートに発
   泡体を一体に被覆する発泡成形品の製造におい
   て、予めインサートの一側に発泡体とは非接着性
   のフイルム層を形成しておくことを特徴とする発
   泡成形品の製造方法。 ２ インサートが開口部を有し、該開口部をフイ
   ルム層にて閉鎖する特許請求の範囲第１項記載の
   発泡成形品の製造方法。 ３ フイルム層をインサートの外縁より張り出す
   ように形成する特許請求の範囲第１項記載の発泡
   成形品の製造方法。