JPH05311844A - タイル仕上げ方法及びそれに使用する複合材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】タイル仕上げが容易であり、且つ使用感の良い
タイル仕上げ方法及びそれに使用する複合材の提供。 【構成】本発明のタイル仕上げ方法は、基材表面に予め
複数のタイルを貼り付けた複合材（パネル）１を、下地
構造体２に固定して下地構造体の表面をタイル面に仕上
げるタイル仕上げ方法であって、上記基材３に貼り付け
るべき少なくとも一枚のタイル４が取り外し用タイル５
であり、その他のタイル４は、上記基材３に一体に固定
されており、上記取り外し用タイル５が貼り付けられ
る、基材の露出部分３ａにおいて、上記基材３をスクリ
ュウボルト８又は釘にて、上記下地構造体２に直接又は
間接に固定した後、該露出部分３ａに上記取り外し用タ
イル５を貼り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、住宅等の建物内部又は
外部壁において、その表面をタイル面に仕上げるための
タイル仕上げ方法及びそれに使用する複合材に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、住宅等の建物内部又は外部壁に
おいて、タイル仕上げをする場合がある。かかるタイル
仕上げ方法としては、従来タイル職人（左官職人）がタ
イルを一枚一枚貼り付けるいわゆる湿式仕上げの方法が
用いられている。しかし、近年のタイル職人の不足、施
工の合理化により、近年、予め複数枚のタイルを貼り付
けた複合材（パネル）を下地構造体に固定する、いわゆ
る乾式方法が用いられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような乾式方法に
よるタイル仕上げ方法にあっては、例えば特公昭５４ー
２３７２８号公報又は特開昭５６ー１５３５１３号公報
に開示されているように、複合材とは別体の支柱、基礎
材、補強用支柱等により複合材の枠を支持する構成であ
り、タイル仕上げのための構成が複雑になるとともに該
支柱の端面等が露出する場合が多く、仕上がりが湿式仕
上げ方法程きれいにできないという問題点がある。更
に、パネルの周囲のみを支柱、基礎材等にて指示してい
るために、パネルの中央程を押したり、寄り掛かったり
して押圧力を作用すると凹みを生じ、使用感の悪いもの
であった。

【０００４】従って、本発明の目的は、タイル仕上げが
容易であり、且つ使用感の良いタイル仕上げ方法及びそ
れに使用する複合材を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、基材表面に予
め複数のタイルを貼り付けた複合材を、下地構造体に固
定して該下地構造体の表面をタイル面に仕上げるタイル
仕上げ方法であって、上記基材に貼り付けるべき少なく
とも一枚のタイルが取り外し用タイルであり、その他の
タイルは、上記基材に一体に固定されており、上記取り
外し用タイルが貼り付けられる、基材の露出部分におい
て、上記基材を、スクリューボルト又は釘にて、上記下
地構造体に直接又は間接に固定した後、該露出部分に上
記取り外し用タイルを貼り付けることを特徴とするタイ
ル仕上げ方法を提供することにより、上記目的を達成し
たものである。

【０００６】

【作用】本発明のタイル仕上げ方法は、複合材から取り
外し用タイルを除き、基材表面の一部を露出させ、該部
分において、基材を下地構造体に直接スクリューボルト
等により固定し、又は他の複合材の基材にスクリューボ
ルト等により固定し、次に、該露出部分に取り外し用タ
イルを貼り付けることによりスクリューボルト等の頭を
隠す。従って、従来の湿式のタイル仕上げと同様に高精
度でかつ外観をきれいに仕上げることができながら、し
かも容易に施工することができる。更に、複合材はその
基材をスクリューボルト等により下地構造体に密着固定
するものであるから、該複合材の略中央部等を押したり
寄り掛かったりしても凹むことがないという使用感に優
れている。

【０００７】

【実施例】以下に、図１〜図４を参照して本発明を更に
詳細に説明する。図１は本発明の実施例に使用する複合
材の斜視図、図２は図１に示す複合材を柱に使用した施
工状態を示す断面図、図３は図１に示す複合材を出窓に
使用した施工状態を示す断面図、図４は本発明の他の実
施例に使用する複合材の斜視図である。

【０００８】本発明のタイル仕上げ方法は、基材表面に
予め複数のタイルを貼り付けた複合材（パネル）１を、
下地構造体２に固定して下地構造体の表面をタイル面に
仕上げるタイル仕上げ方法であって、上記基材３に貼り
付けるべき少なくとも一枚のタイル４が取り外し用タイ
ル５であり、その他のタイル４は、上記基材３に一体に
固定されており、上記取り外し用タイル５が貼り付けら
れる、基材の露出部分３ａにおいて、上記基材３をスク
リュウボルト８又は釘にて、上記下地構造体２に直接又
は間接に固定した後、該露出部分３ａに上記取り外し用
タイル５を貼り付ける。

【０００９】先ず、本発明に用いられる複合材１につい
て説明する。複合材１は、図１に示すように、その横断
面が略Ｌ字型形状に形成されており、柱や、出窓、コー
ナにおける角部を有する部分のタイル仕上げ用に用いら
れるものである。

【００１０】この複合材１は、基材３の表面に複数のタ
イル４が貼り付けられており、上記基材３に貼り付ける
べきタイルの少なくとも一枚が取り外し用タイル５とし
て取り外し可能に別体に設けられている。取り外し用タ
イル５は、本実施例では、基材３に予め取り付けてられ
ており、施工時にこれを取り外すようになっている。そ
して、この取り外し用タイル５は、図１に示すように、
施工時に取り外し、基材の露出部分３ａを露出する。

【００１１】基材３は、縦１５mm、横１５mmのＨ型断面
の棒状アルミ材の骨組６、６と該骨組に支持される下地
材３ｂから構成されている。この下地材３ｂとしては、
タイル４を貼り付けるものであれば、特に限定されてな
いが、ケイ酸カルシウム板、石面板等が好ましい。下地
材３ｂの厚みは好ましくは、５〜７mm、本実施例では、
厚さ５mmのケイ酸カルシウム板を用いている。基材３の
面積は、ここに貼り付けるタイルの大きさと枚数によ
り、決定されるが、４枚、６枚、８枚等の複数のタイル
が貼付される。本実施例では、Ｌ字の１面に６枚、Ｌ字
全体として１２枚のタイルを貼付するようになってい
る。基材３の寸法は、好ましくは縦６００〜１２００m
m、横１００〜３００mm、厚み２０〜２２mm、本実施例
では縦６００mm、横２００mm、厚み、２０mmであった。

【００１２】タイル４及び取り外す用タイル５は、共に
通常のタイルが用いられ、その寸法については特に限定
されてないが、好ましくは、縦１００〜２００mm、横１
００〜２００mm、厚み５〜１２mmである。

【００１３】次に、上述した複合材１を用いた本発明の
実施例によるタイル仕上げ方法について説明するが、本
実施例では、ユニット浴室の柱の周面をタイル仕上げす
る場合を例に用いて説明する。図１に示すＬ字型の複合
材１の取り外し用タイル５を取り外して、柱状の下地構
造体２の隣接する２面に、該Ｌ字型を付ける。即ち、柱
状の下地構造体２は４面を有するから、Ｌ字型の複合材
１を２個組み合わせて、これらのＬ字型の複合材１にて
柱状の下地構造体２を包むように囲む。

【００１４】次に、図２に示すように、取り外し用タイ
ル５を外してある基材の露出部分３ａにおいて、他方の
複合材の骨組６、６に対してスクリューボルト８を締
め、一組の複合材１を骨組６、６を互いに締めつけ固定
することによって、下地構造体２を包囲して固定する。
このように、基材をスクリューボルト８により固定する
ことにより、複合材１を下地構造体２に密着させて確実
に固定することができる。従って、複合材１の中央部が
押されても、複合材１が凹むようなことがなく、下地構
造体２により確実に支持される。

【００１５】続いて、基材３を固定した後、残しておい
た取り外し用タイル５を基材の露出部分３ａに接着剤を
付けて嵌め込み、接着する。これにより、露出部分３ａ
にあるスクリューボルト８の頭が隠される。その後、タ
イル５の目地をシリコン系シーリング材を用いてシール
する。上述したように、本実施例によれば、２枚の複合
材をスクリューボルト８により柱状の下地構造体２に固
定するものであるから、未熟練者でも容易にタイル仕上
げすることができる。尚、柱長が長い場合には、柱状構
造体２の上下において、上述したと同様な施工により、
タイル仕上げとすることができる。

【００１６】次に、図３及び図４を参照して本発明の他
の実施例について説明するが、これらの図３及び図４に
おいて上述した実施例と同一の部分には同一の符号を附
してその部分の詳細な説明を省略する。図３は、上述し
た実施例にかかるＬ字型の複合材を用いて、浴室の出窓
に用いた状態を示すものであるが、Ｌ字型の複合材１
は、柱状四面に限らず、Ｌ字を形成するコーナ部分にお
いても同様に用いることができる。そして、取り外し用
タイル５に対応する基材３の露出部分３ａにおいて、下
地構造体２に直接スクリューボルト８を締めつけ固定す
ることによって、未熟練者でも容易にタイル仕上げをす
ることができる。

【００１７】図４は、複合材１を平坦な板状とした他の
実施例を示したものであるが、このような平坦な板状の
ものでも上述した実施例と同様に、基材３の露出部分３
ａにおいて、スクリューボルト８を下地構造体２に直接
締めつけ固定することにより、簡単にタイル仕上げをす
ることができる。尚、平坦な板状の複合材の場合には、
コーナー等に限らず、平坦面状部分であればいずれの場
所でもタイル仕上げとすることができ、更に用途を広げ
ることができる。

【００１８】本発明は上述した実施例に限定されず、本
発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例
えば、取り外し用タイル５が取り付けられる露出部分３
ａの中央部を点検用穴等として、該部分の周囲部分のみ
においてスクリューボルトにて下地構造体に固定するよ
うにし、取り外し用タイルは、目地をシールしないで取
り外し可能な状態としておくものであってもよい。ま
た、上記複合材は、取り外し用タイル５が、施工前にす
でに基材３から外した状態で用いられるものであっても
よい。

【００１９】

【発明の効果】本発明のタイル仕上げ方法及びそれに使
用する複合材によれば、タイル仕上げが容易であり、且
つ使用感の良いタイル仕上げをすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に使用する複合材の斜視図であ
る。

【図２】図１に示す複合材を柱に使用した施工状態を示
す断面図である。

【図３】図１に示す複合材を出窓に使用した施工状態を
示す断面図である。

【図４】本発明の他の実施例に使用する複合材の斜視図
である。

【符号の説明】 １ 複合材（パネル） ２ 下地構造体 ３ 基材 ４ タイル ５ 取り外し用タイル ８ スクリューボルト

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基材表面に予め複数のタイルを貼り付け
   た複合材を、下地構造体に固定して該下地構造体の表面
   をタイル面に仕上げるタイル仕上げ方法であって、 上記基材に貼り付けるべき少なくとも一枚のタイルが取
   り外し用タイルであり、その他のタイルは、上記基材に
   一体に固定されており、 上記取り外し用タイルが貼り付けられる、基材の露出部
   分において、上記基材を、スクリューボルト又は釘に
   て、上記下地構造体に直接又は間接に固定した後、該露
   出部分に上記取り外し用タイルを貼り付けることを特徴
   とするタイル仕上げ方法。
2. 【請求項２】 上記請求項１に記載のタイル仕上げ方法
   に使用する複合材であって、該複合材はその横断面がＬ
   字型形状とされており、該Ｌ字の２面にタイルが貼り付
   けられているとともに、上記基材に貼り付けるべき少な
   くとも一枚のタイルが取り外し用タイルであって、その
   他のタイルは、上記基材に一体に固定されていることを
   特徴とするタイル仕上げ方法に使用する複合材。