JPH05301857A - Ws63967物質、その製法及び用途 - Google Patents

Ws63967物質、その製法及び用途

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JPH05301857A
JPH05301857A JP4351562A JP35156292A JPH05301857A JP H05301857 A JPH05301857 A JP H05301857A JP 4351562 A JP4351562 A JP 4351562A JP 35156292 A JP35156292 A JP 35156292A JP H05301857 A JPH05301857 A JP H05301857A
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JP
Japan
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methyl
compound
streptomyces
reaction
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JP4351562A
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English (en)
Inventor
Tairyo Mori
泰 亮 森
Yoshio Tanaka
中 美 穂 田
Shigehiro Takase
瀬 茂 弘 高
Masami Ezaki
崎 正 美 江
Sumio Kiyoto
遠 純 夫 清
Masakuni Okuhara
原 正 国 奥
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Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記化1に示される化学構造式を有するWS
63967物質。 【化1】 (但し、式中、Rは、n−ペンチル、3−メチル−n−
ペンチル、n−ヘキシル、5−メチル−n−ヘキシル、
n−ヘプチル、又は、5−メチル−n−ヘプチルを表わ
す。) 【効果】 すぐれたサイクリックGMPホスホジエステ
ラーゼ阻害作用を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、WS63967物質、
その製法及び用途に関するものである。WS63967
物質は、ストレプトマイセス属菌の培養物から分離採取
された従来未知の新規物質であって、すぐれたサイクリ
ックGMPホスホジエステラーゼ阻害作用を示し、ヒト
や動物用の降圧利尿剤、気管支拡張剤等該酵素に起因す
る各種疾患の予防、治療剤として有効である。
【0002】
【従来の技術】循環器疾患には重篤なものが多く存在
し、その治療法の確立が強く求められている。そして近
年、サイクリックGMPホスホジエステラーゼが高血
圧、アンギナ、うっ血性心不全等に関与していることが
明らかとなり、該酵素を阻害すればこれらの疾患の予
防、治療に大いに寄与するものと期待されている。
【0003】一方、本発明に係る物質は、各種の微生物
の発酵生産物を研究している過程でストレプトマイセス
属菌の培養物中に発見されたものであって、従来未知の
新規物質であり、もちろん、本物質が該酵素を阻害する
作用を有していることも当然に未知である。
【0004】
【発明が解決すべき課題】本発明は、循環器疾病の重篤
性に鑑み、そしてまたその有効な予防治療剤の開発が強
く業界において要望されている点に鑑み、すぐれた予防
治療剤を新規に創製する目的でなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するためになされたものである。
【0006】そこで本発明者らは、安全性の面から天然
物に着目し、微生物の発酵生産物に注目するに至り、各
種微生物を検索した結果、香川県で採取された土壌から
新たに分離した放線菌No.63967株が培養液中に
目的物質を蓄積することを発見した。そして更にこの物
質についてその理化学的性質を詳細に研究したところ、
従来未知の新規物質であることを確認し、この物質を新
たにWS63967物質と命名し、そして更に研究の結
果、その工業的製法を確立し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】本発明に係るWS63967物質は、後記
する理化学的性質ならびにその他の研究から、その化学
構造式は、下記化2に示されるとおりのものであること
が判明した。
【0008】
【化2】
【0009】(但し、式中、Rは、n−ペンチル、3−
メチル−n−ペンチル、n−ヘキシル、5−メチル−n
−ヘキシル、n−ヘプチル、又は、5−メチル−n−ヘ
プチルを表わし、そして、本明細書においては、Rがn
−ペンチル基である化合物をWS63967A物質と命
名し、以下、上記したRが意味するところにしたがっ
て、順次WS63967B、WS63967C、WS6
3967D、WS63967E及びWS63967F物
質と命名した。)
【0010】本発明に係るWS63967物質は、例え
ば本発明者らが香川県琴平山で採取した土壌サンプルか
ら新たに分離した放線菌No.63967株によって生
産される。
【0011】以下に本菌株の分類学上の特徴について記
述するが、そのために用いた方法及び培養は、シャーリ
ング及びゴットリーブ(参考文献(1))、ワックスマ
ン(参考文献(2))によった。
【0012】〔(1)形態的特徴〕形態的特徴の観察
は、光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡を用いて行い、無
機塩−澱粉寒天及びグルコース−アスパラギン寒天培地
上で30℃、14日間培養したものについて行った。基
生菌糸はよく生育し、断裂することなく不規則に分枝し
た。本菌株は、気菌糸を形成し、そして気菌糸は、直鎖
状、屈曲した、又はゆるいらせん状をした胞子鎖を有し
た。胞子鎖は、1本の鎖当り20個以上の胞子を有し
た。胞子は円筒形で(0.5〜0.7×0.5〜0.9
μm)、その表面はとげ状を呈した。菌核顆粒、胞子の
う、及び運動胞子の存在は観察されなかった。
【0013】〔(2)培養性状〕各種培地上で30℃、
14日間培養した後の培養性状を下記の表1、表2、表
3に示した。なお、色調の記載は、メチューン・ハンド
ブック・オブ・カラー(参考文献(3))によった。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】試験に供した各種培地での生育は、そのほ
とんどが、中程度〜良好であった。気菌糸塊は、成熟す
ると、無機塩−スターチ寒天培地では灰色味オレンジ色
を呈し、グルコース−アスパラギン寒天培地では茶色味
灰色を呈した。裏面の生育色調は、無機塩−スターチ寒
天培地では灰色味オレンジ色であり、グルコース−アス
パラギン寒天培地では灰色味茶色であった。トリプトン
−酵母エキスブロス、ペプトン−酵母エキス−鉄寒天、
チロシン寒天の各培地では、メラノイド色素を生産し
た。その他の可溶性色素は生産されなかった。
【0018】〔(3)生理的特徴〕本菌の生理的特徴
を、下記の表4に示した。なお、表中の生育温度範囲
は、酵母エキス−麦芽エキス寒天上で測定した。
【0019】
【表4】
【0020】〔(4)細胞化学〕細胞の調製及びジアミ
ノピメリン酸のアイソマーの検出は、ベッカーら(参考
文献(4))の方法によって行った。その結果、No.
63967株の全細胞の加水分解物には、LL−ジアミ
ノピメリン酸が検出された。
【0021】〔(5)同定〕上記した形態観察及び細胞
化学の結果は、No.63967株がストレプトマイセ
ス(Streptomyces)に属することを示して
おり(参考文献(5)、(6))、本菌株の分類学的特
性は、ストレプトマイセス グリセオクロモゲネス(S
treptomyces griseochromog
enes)の分類学的特性とほとんど同じであった(参
考文献(7))。そこで、No.63967株をストレ
プトマイセス グリセオクロモゲネスと同定し、ストレ
プトマイセス グリセオクロモゲネス No.6396
7(Streptomycesgriseochrom
ogenes No.63967)と命名した。
【0022】このようにして新規に分離したストレプト
マイセス グリセオクロモゲネスNo.63967の凍
結乾燥サンプルは、通産省工業技術院微生物工業技術研
究所(郵便番号305 茨城県つくば市東1−1−3)
に寄託されている(受託番号FERM BP−365
9、寄託日:1991年11月21日)。
【0023】なお、上記した各参考文献を下記の表5に
示す。
【0024】
【表5】
【0025】WS63967物質の生産は、単に説明を
目的として挙げただけの本明細書記載の特定の微生物の
使用に限定されるものではないことを理解すべきであ
る。この発明は、記載の微生物からX線照射、紫外線照
射、N−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジ
ン、2−アミノプリン等の変異処理により取得できる人
工変異株並びに自然変異株を含めてWS63967物質
を生産しうる全ての変異株をも包含するものである。
【0026】〔WS63967物質の生産〕本発明に係
るWS63967物質は、ストレプトマイセス属に属す
るWS63967物質生産菌を資化しうる炭素及び窒素
源を含む栄養培地中に接種し、好気条件下で培養するこ
とにより(例えば、振とう培養、通気攪拌培養等)、生
産せしめることができる。
【0027】炭素源としては、グルコース、シュークロ
ース、澱粉、フラクトース、グリセリンその他の炭水化
物を使用するのが好ましい。
【0028】窒素源としては、イーストエキストラク
ト、ペプトン、グルテンミール、綿実粉、大豆粉、コー
ンスティープリカー、乾燥酵母、小麦胚芽等を使用する
のが好ましいが、アンモニウム塩(例えば、硝酸アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等)、
尿素、アミノ酸等の無機及び有機の窒素化合物も有利に
使用することができる。
【0029】これらの炭素源及び窒素源は、併用するの
が有利であるが、純粋なものを必らずしも使用する必要
はない。不純なものには、生長因子や微量要素が含まれ
ている場合などもあり、有利な場合があるからである。
【0030】必要ある場合には、例えば次のような無機
塩類を培地に添加してもよい:炭酸ナトリウム、炭酸カ
ルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カ
リウム、マグネシウム塩、銅塩、亜鉛塩、コバルト塩
等。
【0031】特に、培地が強く発泡するのであれば、必
要あるときに、液体パラフィン、動物油、植物油、鉱物
油、シリコン等を添加してもよい。
【0032】培養は通気攪拌条件で行うのが好ましく、
例えばプロペラやその他機械による攪拌、ファーメンタ
ーの回転または振とうによる攪拌等既知の方法が適宜使
用される。
【0033】発酵は、通常の場合10〜40℃、好まし
くは20〜30℃で行う。培養時間は、培養条件や培養
量によっても異なるが通常は約50〜150時間であ
る。
【0034】発酵終了後、培養ブロスから目的とするW
S63967物質を回収する。それには、生物学的活性
物質の回収、精製に用いられる常法が適宜使用され、例
えば、適宜な溶媒又はいくつかの溶媒を組み合わせて溶
媒抽出する方法、あるいは、クロマトグラフィー、ある
いは適当な溶媒からの再結晶といった方法が、単独であ
るいは組み合わせて使用できる。
【0035】このようにして得られたWS63967物
質の理化学的性質を以下に示す:
【0036】〔(1)WS63967A〕WS6396
7A物質の理化学的性質は、下記の表6、表7に示すと
おりである。
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
【0039】〔(2)WS63967B〕WS6396
7B物質の理化学的性質は、下記の表8、表9に示すと
おりである。
【0040】
【表8】
【0041】
【表9】
【0042】〔(3)WS63967C〕WS6396
7C物質の理化学的性質は、下記の表10、表11に示
すとおりである。
【0043】
【表10】
【0044】
【表11】
【0045】〔(4)WS63967D〕WS6396
7D物質の理化学的性質は、下記の表12、表13に示
すとおりである。
【0046】
【表12】
【0047】
【表13】
【0048】〔(5)WS63967E〕WS6396
7E物質の理化学的性質は、下記の表14、表15に示
すとおりである。
【0049】
【表14】
【0050】
【表15】
【0051】〔(6)WS63967F〕WS6396
7F物質の理化学的性質は、下記の表16、表17、表
18に示すとおりである。
【0052】
【表16】
【0053】
【表17】
【0054】
【表18】
【0055】以上のような理化学的性質ならびにその他
の研究からWS63967物質の化学構造式は、下記化
3に示されるとおりのものであることが判明した。
【0056】
【化3】
【0057】(但し、式中、Rは、n−ペンチル、3−
メチル−n−ペンチル−、n−ヘキシル、5−メチル−
n−ヘキシル、n−ヘプチル、又は、5−メチル−n−
ヘプチルを表わす。)
【0058】〔WS63967物質の生物学的性質〕W
S63967物質の生物学的活性の例示として、いくつ
かの生物学的データについて以下に述べる。
【0059】(1)ホスホジエステラーゼの調製
【0060】(i)ヒト結晶ホスホジエステラーゼフラ
クション 正常な献血者からのヒト血液をクエン酸塩に懸濁し(ク
エン酸三ナトリウム、最終濃度12.9mM)、これを
ポリカーボネート製チューブ内で、70×gで4℃、1
5分間遠心分離して、高血小板血しょう(platel
et−richplasma、 PRP)を得た。以後
の工程は、すべて4℃で行った。次いでPRPは、25
00×gで10分間遠心分離して、血小板を沈降せしめ
た。その結果得られた血小板ペレットは、Dunceホ
モゲナイザーを用い、5mlのバッファー(2mM M
gCl2、0.2mM CaCl2、80mM Tris
−HCl、pH7.5)を使用して2回洗浄し、そし
て、2500×gで10分間、再遠沈した。最終ペレッ
トは、100mlのバッファー(2mM MgCl 2
0.2mM CaCl2、80mM Tris−HC
l、pH7.5)にpolytron(Brinkma
nn PT−20、加減抵抗器を10.0にセットし、
これを10秒間作動せしめる、この処理を3回行った)
を加えた液を用いて、ホモゲナイズした。そして得られ
た均質物は、15,000×gで4℃、40分間、遠心
分離した。その結果形成された上清フラクション(ヒト
血小板ホスホジエステラーゼフラクション)は、上記バ
ッファーを用いて10倍に希釈し、使用するまで−20
℃で保管した。
【0061】(ii)ウサギ血小板ホスホジエステラーゼ
フラクション 体重2.5〜3.5kgの雌の日本白ウサギから採取し
た血液を用い、ヒト血小板ホスホジエステラーゼフラク
ションの場合と同様にして、ウサギ血小板ホスホジエス
テラーゼフラクション(SPF)を得た。
【0062】(iii)ラット血小板ホスホジエステラーゼ
フラクション ヒト血小板ホスホジエステラーゼフラクションの場合と
同様に処理して、ラットの血液からラット血小板ホスホ
ジエステラーゼフラクションを得た。
【0063】(2)分析手法 ホスホジエステラーゼ活性の測定は、トンプソンらの方
法(Thompson, W.J. etal.: A
dvances in Cyclic Nucleti
de Research 10:69−92, 197
9)を少し改変して行った。測定は、基質濃度0.5m
M、30℃、10分間、そして基質を15〜20%加水
分解する程度に希釈した酵素を用いて行った。酵素イン
キューベーション混合物は、0.5ml容積中、50m
M Tris−HCl(pH8.0)、30mM Mg
Cl2、0.5mM ジチオスレイトール、0.1mg
/ml 子牛血清アルブミン(BSA)、0.5mM
サイクリック3′,5′−(3H)GMP(2.5×1
5cpm)及び適度に希釈した酵素を含有した。酵素
阻害アッセイにおいて、試験に供する化合物はジメチル
スルホキサイドに溶解し、ジメチルスルホキサイドはそ
の最終濃度が常に1%となるようにアッセイ系に添加し
た。0.5mM基質の加水分解を50%阻害する化合物
の濃度(IC50)を、濃度パーセント曲線から測定し
た。
【0064】(3)結果 得られた結果を下記の表19に示すが、これらの結果か
ら、WS63967物質はサイクリックGMPホスホジ
エステラーゼ阻害活性を有することが明らかとなった。
このことから、WS63967物質は利尿性降血剤ある
いは気管支拡張剤として、高血圧、アンギナ、うっ血性
心不全、さらに、ぜん息、気管支炎などの慢性閉塞性肺
疾患などのヒトまたは動物の疾病の予防治療に用いるこ
とができる。
【0065】
【表19】
【0066】本発明に係る薬剤組成物は、WS6396
7物質及び/又はその塩を有効成分としてこれに常用さ
れる無機又は有機の担体を加えて、固体、半固体又は液
体の形で、経口投与剤のほか、外用剤等の非経口投与剤
に製剤化する。有効成分は、例えば常用される非毒性
の、薬剤上許容できる担体を用いて、錠剤、ペレット
剤、カプセル剤、坐剤、溶液剤、乳濁剤、懸濁剤、その
他使用に適した剤型に製剤化することができる。
【0067】本組成物をヒトに対して適用するには、静
脈、筋肉、又は経口投与するのが好ましい。WS639
67物質の薬学的に有効な投与量は、患者の年令および
個人個人の症状等によって異なるが、通常、静脈投与の
場合はヒト1人当り1日にWS63967物質を0.0
1〜10mg/kg投与し、筋肉投与の場合はヒト1人
当り1日にWS63967物質を0.1〜10mg/k
g投与し、経口投与の場合はヒト1人当り1日にWS6
3967物質を0.5〜50mg/kg投与する。
【0068】以下、本発明を実施例により更に詳しく説
明するが、実施例は単に本発明を説明するためのもので
あって、本発明はこれのみに限定されるものではない。
【0069】
【実施例1】
【0070】〔(1)発酵〕可溶性澱粉1%、シューク
ロース1%、グルコース1%、ファーマメディア(Ph
armamedia、綿実粉:TRADERS PRO
TEIN社 商標名)1%、ペプトン0.5%、大豆粉
0.5%及びCaCO3 0.2%から成り、CaCO3
添加前にpHを6.5に調節してなる滅菌した種培地を
500ml容エルレンマイヤーフラスコ25本にそれぞ
れ160mlずつ分注し、この各々の培地に、ストレプ
トマイセス グリセオクロモゲネス(Streptom
yces griseochromogenes)N
o.63967(FERM BP−3659)の成熟し
た斜面培養物を1白金耳ずつ接種した。これらのフラス
コをロータリーシェーカーを用いて(220rpm、
5.1cmストローク)30℃で3日間振とうした。
【0071】このようにして得た種培養物を、160l
の生産培地を収容した200l容ジャーファーメンター
に全量接種した。生産培地は、シュークロース2%、グ
ルコース2%、チキン骨肉ミール1%、肉ミール1%、
小麦胚芽1%、乾燥酵母0.5%、CaCO3 0.2
%、アデカノール(Adekanol)LG−109
(消泡剤、商品名:旭電化(社))0.07%、及び、
シリコン(Silicone)KM−70(消泡剤、商
品名:信越化学(社))0.05%を含有するものであ
った。これを、30℃で4日間培養した。攪拌は200
rpm、通気量は160l/minで行った。培養は2
回行った。
【0072】〔(2)分離及び精製〕上記によって得た
培養ブロス(300l)を、濾過助剤としてケイソウ土
(昭和化学(社):Radiolite No.60
0)(5kg)を用いて濾過した。菌糸ケーキをアセト
ン150lで処理し、60分間攪拌した後、16時間放
置した。
【0073】得られた菌糸抽出液(130l)を水39
0lで希釈し、この溶液をダイヤイオン(Diaio
n)HP−20(三菱化成(社))カラム(15l)に
吸着せしめた。水45l及び30%メタノール水で洗浄
した後、活性フラクションをメタノール60lで溶出し
た。得られた溶出液を減圧下で6lになるまで濃縮し
た。この濃縮溶液を脱イオン水9lで希釈し、pH7.
0に調整した。この希釈液をエチルアセテート15lで
抽出した。得られた抽出液を真空濃縮して、抽出液2l
を得た。
【0074】この抽出液(2l)を、0.8lのセルロ
ースカラム(Whatman、繊維状セルロースパウダ
ーCF11)に吸着せしめた。そして得られたセルロー
スパウダーを、シリカゲルカラム(Silica Ge
l 60、70〜230メッシュ、1.8l)に付し
た。カラムをヘキサン3.0lで洗浄した後、ヘキサン
−エチルアセテート混液(1:3)9l及びヘキサン−
エチルアセテート混液(1:1)9lで展開した。
【0075】溶出してきた液を合し、減圧下で濃縮乾固
した。残渣をメタノール(20ml)に溶解し、シリカ
ゲルカラム(Silica Gel 60、70〜23
0メッシュ、300ml)に付した。カラムを、クロロ
ホルム900ml及びクロロホルム−アセトン混液(1
00:1)900mlで展開した。
【0076】活性溶出フラクションを、減圧下で濃縮乾
固した。残渣(1393mg)をメタノール(20m
l)に溶解して、HP−20SS(三菱化成(社))カ
ラム(140ml)に付した。60%メタノール水15
0ml、70%メタノール水300ml、及び80%メ
タノール水900mlで洗浄した後、85%メタノール
水1350ml、90%メタノール水450ml、及び
メタノール750mlを用いて活性化合物を溶出した。
活性フラクションを合し、減圧下で濃縮した。残渣(7
46mg)をクロロホルム−メタノール混液(3:1)
(8ml)に溶解し、セファデックスLH−20(ファ
ルマシア LKB バイオテクノロジー)(200m
l)カラムに付した。クロロホルム−メタノール混液
(3:1)を用いて目的物質を溶出した。活性フラクシ
ョンを合し、真空濃縮して粗製粉末(423mg)を得
た。
【0077】この粉末をジメチルスルホキサイド10m
lに溶解し、得られた溶液を分取HPLCカラム(YM
C pack ODS−AM 120−S50,20
i.d.×500mm,流速:15ml/min)に付
した。このカラムを75%メタノール水で予備平衡化し
た後、80%メタノール水を用いて活性化合物を溶出し
た。WS63967A、WS63967B、WS639
67C、WS63967D、WS63967E、及びW
S63967Fの活性フラクションを回収した。各活性
フラクションをそれぞれ減圧濃縮して、粗製結晶を得
た。各活性フラクションを、クロロホルム−メタノール
混液(3:1)に溶解し、そしてクロロホルム−メタノ
ール混液から再結晶して、WS63967A、WS63
967B、WS63967C、WS63967D、WS
63967E、及びWS63967Fをそれぞれ黒色結
晶として得た。全ブロス3001からの精製されたWS
63967A、WS63967B、WS63967C、
WS63967D、WS63967E及びWS6396
7Fの収率は、それぞれ、1.0mg、3.0mg、
1.2mg、6.6mg、5.6mg、及び6.0mg
であった。
【0078】
【発明の効果】本発明は、WS63967物質を提供す
るものであるが、この物質は従来未知の新規薬理活性物
質であって、すぐれたサイクリックGMPホスホジエス
テラーゼ阻害作用を有し、該酵素に起因する循環器系そ
の他の疾患の予防、治療薬として、非常に有用である。
【0079】また、本発明に係る有効成分の構造も明ら
かにされたので、微生物による工業的製造のほかに有機
合成による製造も可能となり、その結果各種の誘導体の
製造も可能となるので、新規化合物の製造及び新規用途
の開発もおおいに期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 1/20 C12R 1:645) (C12P 17/10 C12R 1:465) (72)発明者 清 遠 純 夫 茨城県つくば市並木3−17−1 ロイヤル コ−ポ405 (72)発明者 奥 原 正 国 茨城県つくば市梅園 2−14−10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1に示される化学構造式を有する
    WS63967物質。 【化1】 (但し、式中、Rは、n−ペンチル、3−メチル−n−
    ペンチル、n−ヘキシル、5−メチル−n−ヘキシル、
    n−ヘプチル、又は、5−メチル−n−ヘプチルを表わ
    す。)
  2. 【請求項2】 ストレプトマイセス(Streptom
    yces)属に属するWS63967物質生産菌を培養
    してWS63967物質を生成せしめ、これを採取する
    ことを特徴とするWS63967物質の製造方法。
  3. 【請求項3】 WS63967物質生産菌がストレプト
    マイセス グリセオクロモゲネス(Streptomy
    ces griseochromogenes)である
    ことを特徴とする請求項2に記載のWS63967物質
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 WS63967物質を有効成分とするヒ
    ト及び/又は動物用のサイクリックGMPホスホジエス
    テラーゼ阻害剤。
  5. 【請求項5】 ストレプトマイセス グリセオクロモゲ
    ネス(Streptomyces griseochr
    omogenes)No.63967(FERM BP
    −3659)の生物学的に純粋な培養物。
JP4351562A 1991-12-10 1992-12-09 Ws63967物質、その製法及び用途 Pending JPH05301857A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996032379A1 (en) * 1995-04-10 1996-10-17 Fujisawa Pharmaceutical Co., Ltd. INDOLE DERIVATIVES AS cGMP-PDE INHIBITORS

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WO1996032379A1 (en) * 1995-04-10 1996-10-17 Fujisawa Pharmaceutical Co., Ltd. INDOLE DERIVATIVES AS cGMP-PDE INHIBITORS

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