JP3688446B2 - 新規テルペン系化合物0406tp−1 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規化合物0406TP−1、その製造法及び用途に関するものである。新規化合物0406TP−1は、微生物、特に放線菌の培養物から分離採取された従来未知の新規テルペン系化合物であって、すぐれた生理活性、特にすぐれた抗腫瘍作用及び免疫抑制作用を有するものである。
従って、本発明に係る新規テルペン系化合物は、抗腫瘍剤として癌の治療剤及び/又は予防薬として有効に利用することが出来る。また、本発明に係る新規テルペン系化合物は、免疫抑制剤、例えば臓器移植、皮膚移植における拒絶反応の抑制や自己免疫疾患の治療剤及び/又は予防薬として有効に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
抗腫瘍剤として数多くの新規化合物が発見され、また、新規化合物も合成され、その一部は実用化されている。
たしかに従来より知られている抗腫瘍剤にはすぐれたものが各種知られているが、効果はもとより、安全性、生産性の面からもう一段の改良が求められている。
また、近年、アレルギー性疾患、膠原病、自己免疫性疾患あるいは結合組織病と称される一群の病態に種々の免疫抑制剤が使用され、その効果に注目が集まっている。同様に肝臓、心臓、腎臓等の臓器移植の際の拒絶反応抑制にも適用され、年々その重要性を増している。
【0003】
この分野におけるある種の免疫細胞に特異性及び選択性の高い薬物として開発された物質として、シクロスポリンA(A.Rciegger et al., Agents and Actions, vol.6, pp.468-475(1976))が開発されており、シクロスポリンAは、ヘルパーT細胞のインターロイキン2(IL-2)産生を抑制するが、サプレッサーT細胞の IL-2 産生を抑制せず、その結果移植片の拒絶を阻止することが明らかにされ、現在、腎臓、骨髄移植等の臓器移植で著しい成果を上げ、臨床で使用されている。
しかし、この薬物は場合によって急性腎中毒、軽度の神経病変、歯肉肥厚等の副作用を生じせしめる等の問題が指摘されている。
【0004】
また、1984年に発見されたマクロライド抗生物質タクロリムス(tacrorims; FK506)(T.Kino et al., J.Antibiot., vol.40, pp.1249-1255(1987))は免疫抑制剤として好ましい結果が得られている。しかし、生産性が低いことやタクロリムス関連物質が微量に同時生産されることなどからタクロリムスの生産性の向上などで問題をかかえており、今後の発展の制約条件となる可能性が大きいこと、さらに、膵臓及び腎臓への障害があること、また、シクロスポリンAとの作用点が類似していることもあり、より安全性の高い、作用点の異なる新規物質の開発が強く望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような当業界における要望に応えるためになされたものであって、抗腫瘍剤及び免疫抑制剤の技術開発の流れに沿いスクリーニングを重ねた結果、今迄に知られていない新規な化合物に抗腫瘍活性があること及び免疫抑制活性を有することを見い出し、本発明を完成させた。本発明は、従来既知の物質より更にすぐれた抗腫瘍活性を有する新規な化合物及び免疫抑制活性を有する新規な化合物を提供する目的でなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、新規な抗腫瘍作用を有する物質及び新規な免疫抑制作用を有する物質を得ることを目的として、天然物、特に微生物の代謝産物について広く検索を行い、より有効な抗腫瘍作用及び免疫抑制作用を有する物質について検索を行った結果、Nocardia brasiliensis IFM0406株(FERM BP-5498)が培養液中に抗腫瘍作用と免疫抑制作用の両方の性質を有する物質を生成蓄積することを発見した。そして、更に本物質についてその物理化学的性質を詳細に調べ、化学構造を明らかにしたところ、従来知られていない新規物質であることが確認された。本物質は請求項1に記載した様に、一般式(1)で示されるテルペン系の新規な化合物であった。発明者らは本化合物を0406TP−1と命名した。
【0007】
すなわち本発明は、下記化2に示される一般式(1)を有する新規な化合物0406TP−1又は医薬的に許容し得る塩に関するものである。
【0008】
【化2】
【0009】
(但し式中、Acはアセチル基、Meはメチル基を表わす。)
【0010】
また、本発明は、新規テルペン系化合物0406TP−1又はその医薬的に許容される塩を有効成分とする新規な抗腫瘍剤及び免疫抑制剤にも関するものである。以下、本発明について詳述する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る化合物0406TP−1の物理化学的性質は、下記表1に示される。
【0012】
【表1】
【0013】
化合物の1H NMR及び13C NMRスペクトルの内、有意なシグナルは、それぞれ下記表2、表3に示される。
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】
本発明に係る化合物0406TP−1は、例えばNocardia brasiliensis IFM0406株(FERM BP-5498)によって生産される。
【0017】
Nocardia brasiliensis IFM0406株の菌学的性質は、形態学的にはオートミール寒天培地(ISP−3)で培養した時、形態学的にはアクチノミセーテス(Actinomycetes)の一種に見られる様な分岐した長い菌糸と気中菌糸体を有していた。また、培養時間を長くすることによって、桿菌様胞子が数個と気中菌糸および栄養菌糸の断列が観察された。栄養菌糸断列が観察されたことから形態学的にNocardia属に属するものと推定された。
各種培地でのNocardia brasiliensis IFM0406株の培養的性質を下記表4に示した。また、生理学的性質について表5に示した。
【0018】
【表4】
【0019】
【表5】
【0020】
本菌株を培地(2%グルコースを含むブレインハート・インフュージョン)中で、250rpmで30℃、72時間振とう培養し、培地中に生育した菌体を遠心分離(3000rpm×10分)で集め、蒸留水で2回洗浄した。更に菌体をエタノールで洗い、次いで真空乾燥し、乾燥菌体とした。この乾燥菌体の細胞壁のアミノ酸組成、糖組成、脂質組成をBergey's Manual of Determinative Bacteriology 9th ed., Williams, Baltimore, 1993に基づいて調べた。アミノ酸分析結果よりメソ-ジアミノピメリン酸、糖分析結果よりアラビノース、ガラクトースが検出された。また脂質分析の結果からミコール酸の存在が確認され、そのTypeはNocardia Typeであった。菌体脂質成分であるイソプレノイド・キノンは主たる成分としてMK−8(H4)cycleまた、微量成分としてMK−8(H4)、MK−8(H)、MK−9(H2)が確認された。また、表4に示したアデニン、カゼイン、ヒポキサンチン、チロシンの資化性、さらには糖から酸の産出パターン及び抗菌剤に対する感受性のパターン(Mikami & Yazawa, Susceptibility pattern of pathogenic Nocardia to some selected antimicrobial agents and their usefulness in the identification work in a clinical laboratory : Bull. JFCC「日本微生物株保存連盟会誌」5 : 89、1989)から、本菌株はNocardia brasiliensisと同定された。
【0021】
また表6に示したG+C含量及びDNA相同性の検討結果も、本菌がNocardia brasiliensisであることを支持するものであった。
【0022】
【表6】
【0023】
この様に本菌株は、Nocardia brasiliensisに分類されるが、化合物0406TP−1を生産することで極めて特徴的であった。Nocardia brasiliensis IFM0406は、工業技術院生命工学工業技術研究所に国際寄託した(FERM BP-5498)。
【0024】
本発明に係る化合物0406TP−1は、Nocardia brasiliensis IFM0406(FERM BP-5498)株によって生産されるほか、Nocardia属に属する他の菌株によっても生産されることが確認されており、化合物0406TP−1の生産はこれらの微生物からX線照射、γ線照射、ナイトロジェンマスタード、N−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジン、2−アミノプリン、エチルメタンスルホネート等を使用した変異処理により取得できる人工変異株ならびに自然変異株を含めて化合物0406TP−1を生産しうるすべての変異株の使用も広く包含するものである。
【0025】
本発明に係る一般式(1)で示される新規化合物0406TP−1は、化学合成法によって製造できるほか、上記のように微生物によっても製造することができる。
【0026】
後者の場合、本発明に係る一般式(1)で示される新規化合物0406TP−1はNocardia属に属する該化合物生産菌、例えばNocardia brasiliensis IFM0406が資化しうる炭素源及び窒素源を含む培地で培養して製造することが出来るが好気的深部培養条件(例えば振とう培養、通気攪拌培養等)で生産せしめることが好ましい。
【0027】
炭素源としては、グルコース、グリセロール、シュークロース、澱粉、デキストリンその他の炭水化物を使用することが好ましい。
窒素源としては、オートミール、イースト抽出物、牛肉抽出物、ツナ肉抽出物、ペプトン、グルテンミール、綿実粉、大豆ミール、コーンスティープリカー、乾燥イースト、小麦胚芽、落花生粉、チキン骨肉ミール等を使用するのが好ましいが、アンモニウム塩(例えば、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等)、尿素、アミノ酸等の無機及び有機の窒素化合物も有利に使用することが出来る。
【0028】
これらの炭素源及び窒素源は併用することが有利であるが、必ずしも純粋なものを使用する必要はない。純粋でないものには、生長因子や微量要素が含まれているため、これを使用することが望ましい為である。
必要ならば、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、マグネシウム塩、銅塩、コバルト塩等のような無機塩類を培地に添加することが出来る。
必要ならば、特に、培地が発泡するのであれば、流動パラフィン、動物油、植物油、鉱物油、シリコン等の消泡剤を加えることが出来る。
【0029】
目的物質を大量に工業生産するには、他の発酵生産物の場合と同様に、通気攪拌培養するのが好ましい。少量生産の場合は、フラスコを用いる振とう培養が好適である。
また、培養を大きなタンクで行う場合、化合物0406TP−1の生産工程において菌の生育遅延を防止するため、はじめに比較的少量の培地に生産菌を接種培養した後、次に培養物を大きな生産タンクに移してそこで生産培養するのが好ましい。
この場合、前培養に使用する培地及び生産培養に使用する培地の組成は、両者ともに同一であってもよいし必要があれば両者を変えてもよい。
【0030】
培養は通気攪拌条件で行うのが好ましく、例えばプロペラやその他機械による攪拌、ファーメンターの回転または振とう、ポンプ処理、空気の吹込み等既知の方法が適宜使用される。通気用の空気は滅菌しておくのが良い。
【0031】
培養温度は、化合物0406TP−1生産菌が本物質を生産する範囲で適宜変更しうるが、通常は10〜40℃、好ましくは25〜35℃で培養するのがよい。
培養時間は、培養条件や培養量によっても異なるが、通常は約1日〜1週間である。
【0032】
発酵終了後、培養物から目的とする化合物0406TP−1を回収する。すなわち、菌体は、直接水及び/又は有機溶媒による抽出、あるいは、これを機械的に又は超音波等既知の手段を用いて破壊した後、水及び/又は有機溶媒で抽出した後、常法に従って回収、精製する。培養液の場合は、直接、溶媒で抽出してもよいし、また、培養液の濾過又は遠心分離後、減圧濃縮、凍結乾燥、pH調節、アニオン又はカチオン交換樹脂、活性炭、粉末セルロース、シリカゲル、アルミナ、吸着性樹脂等の担体に接触させて化合物0406TP−1を吸着させた後、これを担体から溶出すればよい。
【0033】
回収、精製方法としては、抗生物質採取の際の常法が適宜利用され、例えば、水、有機溶媒これらの混合溶媒による溶媒抽出;クロマトグラフィー;単一溶媒又は混合溶媒からの再結晶等常法が適宜単独であるいは組合わせて使用できる。
【0034】
化合物0406TP−1の回収、精製は上記の様に既知の方法を適宜利用して行うが、例えば次の様にしてもよい。
先ず、培養物を遠心分離またはMF膜で処理することにより菌体を除いた後、疎水性の吸着樹脂に吸着させ、吸着画分をメタノールで溶出し、この溶出画分を減圧濃縮し、更にDEAEクロマトグラフィーに吸着させ、トリス−塩酸緩衝液で溶出すればよい。溶出液を減圧濃縮し、更に再クロマトすることにより更に精製度を向上させ、必要によって凍結乾燥すればよい。
【0035】
本発明化合物0406TP−1を医薬として投与する場合、本発明化合物をそのまま又は医薬的に許容される無毒性かつ不活性の担体中に、例えば、0.1%〜99.5%好ましくは0.5%〜90%含有する医薬組成物として投与される。
【0036】
担体としては、固形、半固形、又は液状の希釈剤、充填剤、及びその他の処方用の助剤一種以上が用いられる。医薬組成物は、投与単位形態で投与することが望ましい。本発明医薬組成物は、経口投与、組織内投与、局所投与(経皮投与等)、又は経直腸的に投与する事ができる。これらの投与方法に適した剤型で投与されるのはもちろんである。
【0037】
抗腫瘍剤または免疫抑制剤としての用量は、年齢、体重等の患者の状態、投与経路、病気の性質と程度等を考慮した上で調整することが望ましい。多量に投与するときは、一日数回に分割して投与することが望ましい。10〜2000mg/日程度の投与が一般的である。
【0038】
経口投与は固形又は液状の用量単位、例えば、末剤、散剤、錠剤、糖衣剤、カプセル剤、ドロップ剤、舌下錠その他の剤型によって行う事ができる。
【0039】
末剤は、活性物質を適当な細かさにする事により製造される。散剤は、活性物質を適当な細かさと成し、次いで同様に細かくした医薬用担体、例えば、澱粉、マンニトールの如き可食性炭水化物その他と混合することにより製造される。必要に応じ、風味剤、保存剤、分散剤、着色剤、香料その他のものを混じても良い。
【0040】
カプセル剤は、まず粉末状となった末剤や散剤あるいは顆粒化したものを、例えばゼラチンカプセルのようなカプセル外皮の中へ充填することにより製造される。滑沢剤や流動化剤、例えばコロイド状のシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、固形のポリエチレングリコールの如きものを粉末状態のものに混合し、然るのちに充填操作を行う事もできる。崩壊剤や可溶化剤、例えばカルボキシメチルセルロース、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムを添加すれば、カプセル剤が摂取された時の医薬品の有効性を改善する事ができる。また、本品の微粉末を植物油、ポリエチレングリコール、グリセリン、界面活性剤中に懸濁分散し、これをゼラチンシートで包んで軟カプセル剤とすることもできる。
【0041】
錠剤は、粉末混合物を作り、顆粒化若しくはスラグ化し、次いで崩壊剤又は滑沢剤を加えたのち打錠することにより製造される。
【0042】
粉末混合物は、適当に粉末化された物質を上述の希釈剤やベースと混合し、必要に応じ結合剤(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなど)、溶解遅延化剤(例えばパラフィンなど)、再吸収剤(例えば四級塩)及び/又は吸着剤(例えばベントナイト、カオリン、リン酸ジカルシウムなど)を併用してもよい。粉末混合物は、まずシロップ、でんぷん糊、アラビアゴム、セルロース溶液又は高分子物質溶液などの結合剤で湿らせ、次いで篩を強制通過させて顆粒とする事ができる。このように粉末を顆粒化するかわりに、まず打錠機にかけたのち、得られる不完全な形態のスラグを破砕して顆粒にすることも可能である。
【0043】
このようにして作られる顆粒は、滑沢剤としてステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、ミネラルオイルその他を添加することにより、互いに付着する事を防ぐ事ができる。このように滑沢化された混合物を、次いで打錠する。また薬物は、上述のように顆粒化やスラグ化の工程を経ることなく、流動性の不活性担体と結合したのちに直接打錠しても良い。シェラックの密閉被膜からなる透明又は半透明の保護被膜、糖や高分子材料の被覆、及びワックスよりなる磨上被覆の如きも用いうる。
【0044】
他の経口投与剤型、例えば溶液、シロップ、エリキシルなどもまたその一定量が含有するように用量単位形態にする事ができる。シロップは、化合物を適当な香味化水溶液に溶解して製造され、またエリキシルは、非毒性のアルコール性担体中に分散させることにより処方される。可溶化剤や乳化剤(例えばエトキシ化されたイソステアリルアルコール類、ポリオキシエチレンソルビトールエステル類、保存剤、風味賦与剤(例えばペパーミント油、サッカリン)その他もまた必要に応じ添加できる。
必要とあれば、経口投与のための用量単位処方はマイクロカプセル化してもよい。該処方は、また被覆をしたり、高分子・ワックス等中にうめ込んだりすることにより作用時間の延長や持続放出をもたらす事もできる。
【0045】
非経口的投与は、皮下・筋肉内又は静脈内注射用としたところの液状用量単位形態、例えば溶液や懸濁剤の形態を用いることによって行いうる。これらのものは、化合物の一定量を、注射の目的に適合する非毒性の液状担体、例えば、水性や油性の媒体に懸濁し又は溶解し、次いで該懸濁液又は溶液を滅菌することにより製造される。あるいは化合物の一定量をバイアルにとり、然るのち該バイアルとその内容物を滅菌し密閉しても良い。投与直前に溶解又は混合するために、粉末又は凍結乾燥した有効成分に添えて、予備的なバイアルや担体を準備しても良い。注射液を等張にするために非毒性の塩や塩溶液を添加しても良い。さらに安定剤、保存剤、乳化剤の如きものを併用する事もできる。
【0046】
直腸投与は、化合物を低融点の固体、例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級エステル類(例えばパルミチン酸ミリスチルエステル)及びそれらの混合物を混じた座剤を用いることによって行いうる。
【0047】
本発明の新規化合物0406TP−1の医薬品としての有効性は、各種の試験によって確認することが出来る。
抗腫瘍活性は、in vitroで培養腫瘍細胞株に対する細胞毒性を測定する方法や腫瘍細胞を移植したマウスを用い延命率を測定する方法で確認できる。
免疫抑制活性は、マウス同種リンパ球混合反応(MLR)における幼若化阻害活性を測定する方法やマウスを用いin vivoで同種細胞免疫による細胞障害性T細胞の誘導に対する抑制効果を測定することで確認できる。
また0406TP−1の安全性は、マウスを用いた急性毒性試験や反復投与毒性試験によって確認できる。
以下、本発明を実施例について更に詳しく説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
【0048】
【実施例1:発酵生産及び回収精製】
(1)発酵生産
Nocardia brasiliensis IFM0406株(FERM BP-5498)をグリセロール2%、ポリペプトン(日本製薬株式会社)1%、ツナ肉エキス0.5%、pH7.0からなる基本培地10mlを50ml三角フラスコに分注したものに接種し30℃、72時間振とう培養した。これを更に、同培地1.5Lを5Lの三角フラスコに分注した培地に1%v/vで前記種培養物を接種し、同様前培養を行った。この前培養液を同培地150Lを入れた200Lタンク培養槽に接種し、通気量1vvm、攪拌数200rpm 30℃、90時間培養した。
【0049】
(2)回収精製
得られた培養液150Lを濾布濾過することにより菌体を除き、更に0.45μmのポアサイズを有する限外濾過膜(ミリポア社製ペリコンカセットシステム)で濾過することにより除菌した。この濾液画分をダイアイオンHP20(三菱樹脂株式会社)カラム15×100cmに吸着させ、50%メタノール溶液で十分洗浄し、夾雑物を除き、100%メタノール20Lで溶出した。この溶出画分をエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥した。
【0050】
この凍結乾燥物の一部分、0.5gを50mlの20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)に溶解し、DEAEトヨパール650Mカラム(2.5×10cm)に吸着させ、500mlの同緩衝液で溶出を行った。溶出画分中の化合物0406TP−1の検出は、各画分のHPLC分析のパターンとマウス同種リンパ球混合反応(MLR)による免疫抑制活性とを対比したデータを基に行い、本化合物の溶出画分を採取した。または、同様に各画分についてのHPLC分析のパターンと培養腫瘍株P388及びそのアドリアマイシン耐性株(P388/ADR)に対する細胞毒性とを対比したデータを基にし、本化合物の溶出画分を採取した。
【0051】
活性画分100mlを集め、2N塩酸溶液でpH4.0に調整し、CMトヨパール650Mカラム(2.5×10cm)に吸着させ、20mM酢酸緩衝液(pH4.0)500mlで溶出した。化合物0406TP−1を含む画分100mlを集め、エバポレーターで2mlに濃縮後、Capcell pack C18 SG120(株式会社資生堂)3×25cmに吸着させた。0.15%TFA(トリフルオロ酢酸)を含むアセトニトリルを用い、18%〜50%アセトニトリルの濃度勾配溶出(30ml/min、60min)を行った。20mlを1画分とし、各画分をHPLCで分析し、化合物0406TP−1を含む画分100mlを集め、エバポレーターで濃縮乾燥後、減圧真空乾燥機で乾燥し、粉末3.6mgを得た。
【0052】
【実施例2:抗腫瘍活性】
(1)培養腫瘍細胞株に対する細胞毒性試験
培養腫瘍細胞P388及びP388/ADR株を、10%熱不活性化牛胎児血清(FCS)、20μM 2−メルカプトエタノールを含むRPMI1640培地に懸濁し、細胞浮遊液(5×104 cells/ml)を調製した。
【0053】
被検体は、メタノールに溶解後、RPMI1640培地を用いて希釈し、0.1mg/ml濃度から2倍希釈を順次繰り返し調製した。細胞浮遊液180μlと被検体液20μlを96穴マイクロプレートに分注し、5%炭酸ガス−95%空気の湿潤環境下、37℃で培養した。72時間後、臭化3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウム(MTT)を用いた色素定量法により細胞の生育を測定した。すなわち、2mg/ml MTT溶液を20μlずつ各ウェルに添加し、4時間、37℃で培養した。その後、20%ドデシル硫酸ナトリウムを含む50%ジメチルホルムアミド溶液50μlを加えて放置し、形成された紫色のホルマザン結晶を溶解させ、マイクロプレート吸光光度計(イムノリーダー)を用いて570nmにおける吸光度を測定し、生育の指標とした。結果は、下記数1で示される式より抑制率を算出し、被検体濃度と抑制率の関係から、生育を50%阻害する被検体濃度(IC50)で表示した。
【0054】
【数1】
【0055】
その結果は表7に示した。0406TP−1は培養腫瘍細胞に対して強い細胞毒性(抗癌活性)を有しており、また、抗癌剤耐性細胞(アドリアマイシン耐性細胞)にも強力な生育阻害活性を有しており、抗腫瘍剤として有効であることが確認された。
【0056】
【表7】
【0057】
(2)マウスを用いたin vivo抗腫瘍試験
0406TP−1の生体内での抗腫瘍活性を調べるため、P388及びP388/ADRを移植したマウスを用いて抗腫瘍試験を行った。
0406TP−1及び比較対照としてアドリアシン(一般名アドリアマイシン、協和発酵(株))各々を1mg/ml、0.5mg/ml、0.1mg/mlになるよう注射用蒸留水に溶解し、検液とした。CDF1マウス(オス、体重20g 10匹/1群)にP388又はP388/ADRを2×105個腹腔内接種し、翌日から1日1回、10日間連続で各濃度の検液を200μl腹腔内に注射することにより各物質を各々10、5、1mg/kg体重/day投与した。投与後のマウスの経時的生存数を計数し、平均生存日数及び延命率を算出した。また10日後の平均体重も測定し、表8の結果を得た。
【0058】
【表8】
【0059】
アドリアマイシンは、それ自体の毒性のため5mg/kg体重/day以上の投与での治療効果は認められなかった。P388移植系では、アドリアマイシン(1mg/kg体重/day)投与群と0406TP−1投与群ではほぼ同程度の治療効果(延命率の上昇)が認められた。一方、P388/ADR移植系では、移植腫瘍細胞がアドリアマイシン耐性のため、アドリアマイシンの治療効果は認められなかったのに対し、0406TP−1投与群では著しい治療効果が認められた。これらの効果から、0406TP−1は生体内において抗腫瘍効果を示すことが示唆された。
【0060】
【実施例3:免疫抑制活性】
(1)マウス同種リンパ球混合反応試験(MLR)
試料調製は、実施例1で製造した精製0406TP−1を1mg/ml濃度で滅菌蒸留水に溶かした後、RPMI1640培地で順次希釈した。
【0061】
検定のマウスリンパ球混合反応(MLR)は、Hatanaka らの方法(Hatanaka ら,J. Antibiotics, 41, 1592-1601(1988))に準じて行った。すなわち、反応細胞としてC57BL/6マウス(H−2b)の脾細胞を、刺激細胞としてBALB/Cマウス(H−2d)の脾臓細胞をマイトマイシンC処理したものを用い、混合培養することによって行った。
【0062】
反応細胞の調製は、以下の方法で行った。
5〜6週齢のC57BL/6マウスより脾臓を摘出し、10%熱処理不活性化牛胎児血清(FCS)を加えた氷冷RPMI1640培地20ml中でホモゲナイズ後、ガーゼ濾過することで単細胞浮遊液を得た。遠心により回収後、RPMI1640培地4mlに懸濁し、0.15M塩化アンモニウム、1mM炭酸水素ナトリウム及び0.1mMエチレンジアミン四酢酸四ナトリウムを含む溶液(pH7.2)6mlを添加して0℃で1分間インキュベートし、混在する赤血球細胞を除いた。これにRPMI1640培地を加え、遠心分離し、さらに3回同培地20mlで遠心洗浄後50μM 2−メルカプトエタノール、10%FCSを含むRPMI1640培地を用いて5.6×106/mlに調製し、反応細胞浮遊液とした。
【0063】
刺激細胞の調製は、5〜6週齢のBALB/Cマウスより脾臓を摘出し、同様の方法で調製した脾臓細胞浮遊液に25μg/mlのマイトマイシンCを添加し、37℃、30分間インキュベートした。これにRPMI1640培地20mlを加え、遠心分離し、さらに3回同培地(20ml)で遠心洗浄後、50μM 2−メルカプトエタノール、10%FCSを含むRPMI1640培地を用いて5.6×106個/mlに調製し、刺激細胞浮遊液とした。
【0064】
反応細胞液90μlと刺激細胞液90μl及び被検体液20μlを96穴マイクロプレートに加え、37℃、5%CO2−95%空気の湿潤条件下で96時間培養を行った。リンパ球の幼若化はトリチウム化チミジンの取り込みを測定することにより調べた。96時間培養後各ウエルに25μCi/mlのトリチウム化チミジンを含むRPMI1640培地を20μl添加し、0.5μCi/ウエルずつパルス標識した。更に4時間インキュベート後、マルチプル試料収集機を用い、グラスファイバー濾紙上に培養物を集めた。個々のウエルに対応する濾紙ディスクの放射活性を液体シンチレーション測定法により測定した(ベータカウンター)。重複して検定したウエル毎の1分間のカウント数(cpm)の平均を計算し、結果はトリチウム化チミジン取り込み(幼若化)の阻害の度合をIC50で表9に表示した。対照としてシクロスポリンAの結果を示した。
【0065】
【表9】
【0066】
(2)マウス細胞障害性T細胞誘導試験
生体内での免疫抑制活性の指標としてマウス同種細胞免疫による細胞障害性T細胞の誘導に対する0406TP−1及び比較対照として上市免疫抑制剤であるシクロスポリンAの抑制効果を調べた。試験は Fujita らの方法( Fujita ら, J. Antibiotics, 47, 208-215 (1994))に準じて行った。8週齢、メスのC57BL/6マウス(H−2b)をDBA/2(H−2d)由来の培養細胞P815液(5×107個/ml PBS液)を0.2mlマウス腹腔内に投与することで免疫し、免疫当日から0.1mg/mlの被検体を0.2〜0.3ml投与することで、1mg/kg体重/dayの用量で5日間腹腔内投与した。
【0067】
免疫9日後にマウスより脾臓を摘出し、10%FCSを加えたRPMI1640培地20ml中でホモゲナイズ後、ガーゼ濾過した。遠心により回収した後、RPMI1640培地4mlに懸濁し、0.15M塩化アンモニウム、1mM炭酸水素ナトリウム及び0.1mMエチレンジアミン四酢酸四ナトリウムを含む溶液(pH7.2)6mlを添加して0℃で1分間インキュベートし、混在する赤血球を除いた。これにRPMI1640培地20mlを加え、遠心分離し、さらに3回同培地20mlで遠心洗浄後、10%FCSを加えたRPMI1640培地中に懸濁し、単細胞浮遊液とした後、エフェクター細胞として用いた。標的細胞としてP815を0.1μCiのNa2 51CrO4を含むダルベッコ Minimum Essential Medium (D−MEM)中で37℃、3時間インキュベートすることにより、51Crを細胞内に取り込ませた後、D−MEM 20mlで3回遠心洗浄し、10%FCSを加えたRPMI1640培地中に懸濁し、2×105個/mlに調製した。細胞障害活性の測定はエフェクター細胞浮遊液100μlと標的細胞浮遊液100μlを96穴丸底マイクロプレートに加え、37℃にて4時間培養した後、遠心分離を行い、上清中に放出される51Cr量を測定し、下記数2で示される式より細胞障害活性を算出した。
【0068】
【数2】
【0069】
細胞障害性T細胞の活性はLytic unit(LU)にて表示した。LUは標的細胞2×104個を20%破壊するのに必要なエフェクター細胞数を1LUとし、脾臓あたりのLUで示した。
また同様に、マウスを免疫後、1mg/ml の被検体を0.2〜0.3ml投与することで10mg/kg体重/dayの用量になるよう5日間腹腔内投与し、細胞障害活性を測定した。これらの結果を表10に示した。
【0070】
【表10】
【0071】
0406TP−1は腹腔内への投与により同種細胞免疫マウスの脾細胞中の細胞障害性T細胞の誘導を抑制することが示された。このことは臓器移植等で生ずる拒絶反応を抑制(免疫抑制)しうることを示している。
【0072】
【実施例4:毒性試験】
(1)急性毒性試験
0406TP−1を10mg/mlになるよう5%グルコース水溶液に溶解し、検液とした。ICR系マウス(SPF、オス、体重20g)5頭に対して尾静脈より検液を200μl注射することにより0406TP−1を100mg/kg体重投与した。投与後1ヶ月間の経時的生存を観察したところ死亡例は認められなかった。よって0406TP−1の尾静脈単回投与によるLD50値を>100mg/kg体重と算出した。この結果から本物質の低毒性及び安全性が示唆された。
【0073】
(2)反復投与毒性試験
0406TP−1を1mg/ml、0.5mg/ml、0.1mg/mlになるよう注射用蒸留水に溶解し、検液とした。比較対照として、アドリアマイシンも同様に検液を調製した。CDF1マウス(オス、体重21〜22g 10匹/1群)に各検液を1日1回10日間連続で腹腔内に210〜220μl注射することにより各物質を10、5、1mg/kg体重/day投与した。投与後の経時的生存数と0日目、5日目、10日目の平均体重を測定し表11の結果を得た。
【0074】
【表11】
【0075】
上記の結果からも明らかなように、アドリアマイシン投与群は死亡例が見られ、体重増加も対照に比べ劣るのに対し、0406TP−1投与群は死亡例もなく、順調な体重増加を示した。本結果からも0406TP−1の低毒性及び安全性が示唆された。
【0076】
【実施例5:点滴剤の製造】
0406TP−1 60mgを5%ブドウ糖溶液60mlに溶解させ、この溶液を5%ブドウ糖溶液440mlに混合し点滴剤とした。
【0077】
【実施例6:錠剤の製造】
(1)0406TP−1 50g、(2)ラクトース90g、(3)コーンスターチ29g、(4)ステアリン酸マグネシウム1gを原料として用い、錠剤を製造した。
すなわち、(1)、(2)及び(3)(但し17g)を混合し、(3)(但し7g)から調製したペーストとともに顆粒化した。得られた顆粒に(3)(但し5g)と(4)を加えてよく混合し、この混合物を圧縮錠剤機により圧縮して、1錠あたり有効成分である0406TP−1を50mg含有する錠剤1000個を製造した。
【0078】
【発明の効果】
本発明は、化合物0406TP−1を提供するものである。本化合物は新規化合物であって、すぐれた生理活性を有し、抗腫瘍剤、免疫抑制剤等として各種の医薬品に利用することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規化合物0406TP−1、その製造法及び用途に関するものである。新規化合物0406TP−1は、微生物、特に放線菌の培養物から分離採取された従来未知の新規テルペン系化合物であって、すぐれた生理活性、特にすぐれた抗腫瘍作用及び免疫抑制作用を有するものである。
従って、本発明に係る新規テルペン系化合物は、抗腫瘍剤として癌の治療剤及び/又は予防薬として有効に利用することが出来る。また、本発明に係る新規テルペン系化合物は、免疫抑制剤、例えば臓器移植、皮膚移植における拒絶反応の抑制や自己免疫疾患の治療剤及び/又は予防薬として有効に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
抗腫瘍剤として数多くの新規化合物が発見され、また、新規化合物も合成され、その一部は実用化されている。
たしかに従来より知られている抗腫瘍剤にはすぐれたものが各種知られているが、効果はもとより、安全性、生産性の面からもう一段の改良が求められている。
また、近年、アレルギー性疾患、膠原病、自己免疫性疾患あるいは結合組織病と称される一群の病態に種々の免疫抑制剤が使用され、その効果に注目が集まっている。同様に肝臓、心臓、腎臓等の臓器移植の際の拒絶反応抑制にも適用され、年々その重要性を増している。
【0003】
この分野におけるある種の免疫細胞に特異性及び選択性の高い薬物として開発された物質として、シクロスポリンA(A.Rciegger et al., Agents and Actions, vol.6, pp.468-475(1976))が開発されており、シクロスポリンAは、ヘルパーT細胞のインターロイキン2(IL-2)産生を抑制するが、サプレッサーT細胞の IL-2 産生を抑制せず、その結果移植片の拒絶を阻止することが明らかにされ、現在、腎臓、骨髄移植等の臓器移植で著しい成果を上げ、臨床で使用されている。
しかし、この薬物は場合によって急性腎中毒、軽度の神経病変、歯肉肥厚等の副作用を生じせしめる等の問題が指摘されている。
【0004】
また、1984年に発見されたマクロライド抗生物質タクロリムス(tacrorims; FK506)(T.Kino et al., J.Antibiot., vol.40, pp.1249-1255(1987))は免疫抑制剤として好ましい結果が得られている。しかし、生産性が低いことやタクロリムス関連物質が微量に同時生産されることなどからタクロリムスの生産性の向上などで問題をかかえており、今後の発展の制約条件となる可能性が大きいこと、さらに、膵臓及び腎臓への障害があること、また、シクロスポリンAとの作用点が類似していることもあり、より安全性の高い、作用点の異なる新規物質の開発が強く望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような当業界における要望に応えるためになされたものであって、抗腫瘍剤及び免疫抑制剤の技術開発の流れに沿いスクリーニングを重ねた結果、今迄に知られていない新規な化合物に抗腫瘍活性があること及び免疫抑制活性を有することを見い出し、本発明を完成させた。本発明は、従来既知の物質より更にすぐれた抗腫瘍活性を有する新規な化合物及び免疫抑制活性を有する新規な化合物を提供する目的でなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、新規な抗腫瘍作用を有する物質及び新規な免疫抑制作用を有する物質を得ることを目的として、天然物、特に微生物の代謝産物について広く検索を行い、より有効な抗腫瘍作用及び免疫抑制作用を有する物質について検索を行った結果、Nocardia brasiliensis IFM0406株(FERM BP-5498)が培養液中に抗腫瘍作用と免疫抑制作用の両方の性質を有する物質を生成蓄積することを発見した。そして、更に本物質についてその物理化学的性質を詳細に調べ、化学構造を明らかにしたところ、従来知られていない新規物質であることが確認された。本物質は請求項1に記載した様に、一般式(1)で示されるテルペン系の新規な化合物であった。発明者らは本化合物を0406TP−1と命名した。
【0007】
すなわち本発明は、下記化2に示される一般式(1)を有する新規な化合物0406TP−1又は医薬的に許容し得る塩に関するものである。
【0008】
【化2】
【0009】
(但し式中、Acはアセチル基、Meはメチル基を表わす。)
【0010】
また、本発明は、新規テルペン系化合物0406TP−1又はその医薬的に許容される塩を有効成分とする新規な抗腫瘍剤及び免疫抑制剤にも関するものである。以下、本発明について詳述する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係る化合物0406TP−1の物理化学的性質は、下記表1に示される。
【0012】
【表1】
【0013】
化合物の1H NMR及び13C NMRスペクトルの内、有意なシグナルは、それぞれ下記表2、表3に示される。
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】
本発明に係る化合物0406TP−1は、例えばNocardia brasiliensis IFM0406株(FERM BP-5498)によって生産される。
【0017】
Nocardia brasiliensis IFM0406株の菌学的性質は、形態学的にはオートミール寒天培地(ISP−3)で培養した時、形態学的にはアクチノミセーテス(Actinomycetes)の一種に見られる様な分岐した長い菌糸と気中菌糸体を有していた。また、培養時間を長くすることによって、桿菌様胞子が数個と気中菌糸および栄養菌糸の断列が観察された。栄養菌糸断列が観察されたことから形態学的にNocardia属に属するものと推定された。
各種培地でのNocardia brasiliensis IFM0406株の培養的性質を下記表4に示した。また、生理学的性質について表5に示した。
【0018】
【表4】
【0019】
【表5】
【0020】
本菌株を培地(2%グルコースを含むブレインハート・インフュージョン)中で、250rpmで30℃、72時間振とう培養し、培地中に生育した菌体を遠心分離(3000rpm×10分)で集め、蒸留水で2回洗浄した。更に菌体をエタノールで洗い、次いで真空乾燥し、乾燥菌体とした。この乾燥菌体の細胞壁のアミノ酸組成、糖組成、脂質組成をBergey's Manual of Determinative Bacteriology 9th ed., Williams, Baltimore, 1993に基づいて調べた。アミノ酸分析結果よりメソ-ジアミノピメリン酸、糖分析結果よりアラビノース、ガラクトースが検出された。また脂質分析の結果からミコール酸の存在が確認され、そのTypeはNocardia Typeであった。菌体脂質成分であるイソプレノイド・キノンは主たる成分としてMK−8(H4)cycleまた、微量成分としてMK−8(H4)、MK−8(H)、MK−9(H2)が確認された。また、表4に示したアデニン、カゼイン、ヒポキサンチン、チロシンの資化性、さらには糖から酸の産出パターン及び抗菌剤に対する感受性のパターン(Mikami & Yazawa, Susceptibility pattern of pathogenic Nocardia to some selected antimicrobial agents and their usefulness in the identification work in a clinical laboratory : Bull. JFCC「日本微生物株保存連盟会誌」5 : 89、1989)から、本菌株はNocardia brasiliensisと同定された。
【0021】
また表6に示したG+C含量及びDNA相同性の検討結果も、本菌がNocardia brasiliensisであることを支持するものであった。
【0022】
【表6】
【0023】
この様に本菌株は、Nocardia brasiliensisに分類されるが、化合物0406TP−1を生産することで極めて特徴的であった。Nocardia brasiliensis IFM0406は、工業技術院生命工学工業技術研究所に国際寄託した(FERM BP-5498)。
【0024】
本発明に係る化合物0406TP−1は、Nocardia brasiliensis IFM0406(FERM BP-5498)株によって生産されるほか、Nocardia属に属する他の菌株によっても生産されることが確認されており、化合物0406TP−1の生産はこれらの微生物からX線照射、γ線照射、ナイトロジェンマスタード、N−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジン、2−アミノプリン、エチルメタンスルホネート等を使用した変異処理により取得できる人工変異株ならびに自然変異株を含めて化合物0406TP−1を生産しうるすべての変異株の使用も広く包含するものである。
【0025】
本発明に係る一般式(1)で示される新規化合物0406TP−1は、化学合成法によって製造できるほか、上記のように微生物によっても製造することができる。
【0026】
後者の場合、本発明に係る一般式(1)で示される新規化合物0406TP−1はNocardia属に属する該化合物生産菌、例えばNocardia brasiliensis IFM0406が資化しうる炭素源及び窒素源を含む培地で培養して製造することが出来るが好気的深部培養条件(例えば振とう培養、通気攪拌培養等)で生産せしめることが好ましい。
【0027】
炭素源としては、グルコース、グリセロール、シュークロース、澱粉、デキストリンその他の炭水化物を使用することが好ましい。
窒素源としては、オートミール、イースト抽出物、牛肉抽出物、ツナ肉抽出物、ペプトン、グルテンミール、綿実粉、大豆ミール、コーンスティープリカー、乾燥イースト、小麦胚芽、落花生粉、チキン骨肉ミール等を使用するのが好ましいが、アンモニウム塩(例えば、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等)、尿素、アミノ酸等の無機及び有機の窒素化合物も有利に使用することが出来る。
【0028】
これらの炭素源及び窒素源は併用することが有利であるが、必ずしも純粋なものを使用する必要はない。純粋でないものには、生長因子や微量要素が含まれているため、これを使用することが望ましい為である。
必要ならば、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、マグネシウム塩、銅塩、コバルト塩等のような無機塩類を培地に添加することが出来る。
必要ならば、特に、培地が発泡するのであれば、流動パラフィン、動物油、植物油、鉱物油、シリコン等の消泡剤を加えることが出来る。
【0029】
目的物質を大量に工業生産するには、他の発酵生産物の場合と同様に、通気攪拌培養するのが好ましい。少量生産の場合は、フラスコを用いる振とう培養が好適である。
また、培養を大きなタンクで行う場合、化合物0406TP−1の生産工程において菌の生育遅延を防止するため、はじめに比較的少量の培地に生産菌を接種培養した後、次に培養物を大きな生産タンクに移してそこで生産培養するのが好ましい。
この場合、前培養に使用する培地及び生産培養に使用する培地の組成は、両者ともに同一であってもよいし必要があれば両者を変えてもよい。
【0030】
培養は通気攪拌条件で行うのが好ましく、例えばプロペラやその他機械による攪拌、ファーメンターの回転または振とう、ポンプ処理、空気の吹込み等既知の方法が適宜使用される。通気用の空気は滅菌しておくのが良い。
【0031】
培養温度は、化合物0406TP−1生産菌が本物質を生産する範囲で適宜変更しうるが、通常は10〜40℃、好ましくは25〜35℃で培養するのがよい。
培養時間は、培養条件や培養量によっても異なるが、通常は約1日〜1週間である。
【0032】
発酵終了後、培養物から目的とする化合物0406TP−1を回収する。すなわち、菌体は、直接水及び/又は有機溶媒による抽出、あるいは、これを機械的に又は超音波等既知の手段を用いて破壊した後、水及び/又は有機溶媒で抽出した後、常法に従って回収、精製する。培養液の場合は、直接、溶媒で抽出してもよいし、また、培養液の濾過又は遠心分離後、減圧濃縮、凍結乾燥、pH調節、アニオン又はカチオン交換樹脂、活性炭、粉末セルロース、シリカゲル、アルミナ、吸着性樹脂等の担体に接触させて化合物0406TP−1を吸着させた後、これを担体から溶出すればよい。
【0033】
回収、精製方法としては、抗生物質採取の際の常法が適宜利用され、例えば、水、有機溶媒これらの混合溶媒による溶媒抽出;クロマトグラフィー;単一溶媒又は混合溶媒からの再結晶等常法が適宜単独であるいは組合わせて使用できる。
【0034】
化合物0406TP−1の回収、精製は上記の様に既知の方法を適宜利用して行うが、例えば次の様にしてもよい。
先ず、培養物を遠心分離またはMF膜で処理することにより菌体を除いた後、疎水性の吸着樹脂に吸着させ、吸着画分をメタノールで溶出し、この溶出画分を減圧濃縮し、更にDEAEクロマトグラフィーに吸着させ、トリス−塩酸緩衝液で溶出すればよい。溶出液を減圧濃縮し、更に再クロマトすることにより更に精製度を向上させ、必要によって凍結乾燥すればよい。
【0035】
本発明化合物0406TP−1を医薬として投与する場合、本発明化合物をそのまま又は医薬的に許容される無毒性かつ不活性の担体中に、例えば、0.1%〜99.5%好ましくは0.5%〜90%含有する医薬組成物として投与される。
【0036】
担体としては、固形、半固形、又は液状の希釈剤、充填剤、及びその他の処方用の助剤一種以上が用いられる。医薬組成物は、投与単位形態で投与することが望ましい。本発明医薬組成物は、経口投与、組織内投与、局所投与(経皮投与等)、又は経直腸的に投与する事ができる。これらの投与方法に適した剤型で投与されるのはもちろんである。
【0037】
抗腫瘍剤または免疫抑制剤としての用量は、年齢、体重等の患者の状態、投与経路、病気の性質と程度等を考慮した上で調整することが望ましい。多量に投与するときは、一日数回に分割して投与することが望ましい。10〜2000mg/日程度の投与が一般的である。
【0038】
経口投与は固形又は液状の用量単位、例えば、末剤、散剤、錠剤、糖衣剤、カプセル剤、ドロップ剤、舌下錠その他の剤型によって行う事ができる。
【0039】
末剤は、活性物質を適当な細かさにする事により製造される。散剤は、活性物質を適当な細かさと成し、次いで同様に細かくした医薬用担体、例えば、澱粉、マンニトールの如き可食性炭水化物その他と混合することにより製造される。必要に応じ、風味剤、保存剤、分散剤、着色剤、香料その他のものを混じても良い。
【0040】
カプセル剤は、まず粉末状となった末剤や散剤あるいは顆粒化したものを、例えばゼラチンカプセルのようなカプセル外皮の中へ充填することにより製造される。滑沢剤や流動化剤、例えばコロイド状のシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、固形のポリエチレングリコールの如きものを粉末状態のものに混合し、然るのちに充填操作を行う事もできる。崩壊剤や可溶化剤、例えばカルボキシメチルセルロース、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムを添加すれば、カプセル剤が摂取された時の医薬品の有効性を改善する事ができる。また、本品の微粉末を植物油、ポリエチレングリコール、グリセリン、界面活性剤中に懸濁分散し、これをゼラチンシートで包んで軟カプセル剤とすることもできる。
【0041】
錠剤は、粉末混合物を作り、顆粒化若しくはスラグ化し、次いで崩壊剤又は滑沢剤を加えたのち打錠することにより製造される。
【0042】
粉末混合物は、適当に粉末化された物質を上述の希釈剤やベースと混合し、必要に応じ結合剤(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなど)、溶解遅延化剤(例えばパラフィンなど)、再吸収剤(例えば四級塩)及び/又は吸着剤(例えばベントナイト、カオリン、リン酸ジカルシウムなど)を併用してもよい。粉末混合物は、まずシロップ、でんぷん糊、アラビアゴム、セルロース溶液又は高分子物質溶液などの結合剤で湿らせ、次いで篩を強制通過させて顆粒とする事ができる。このように粉末を顆粒化するかわりに、まず打錠機にかけたのち、得られる不完全な形態のスラグを破砕して顆粒にすることも可能である。
【0043】
このようにして作られる顆粒は、滑沢剤としてステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、ミネラルオイルその他を添加することにより、互いに付着する事を防ぐ事ができる。このように滑沢化された混合物を、次いで打錠する。また薬物は、上述のように顆粒化やスラグ化の工程を経ることなく、流動性の不活性担体と結合したのちに直接打錠しても良い。シェラックの密閉被膜からなる透明又は半透明の保護被膜、糖や高分子材料の被覆、及びワックスよりなる磨上被覆の如きも用いうる。
【0044】
他の経口投与剤型、例えば溶液、シロップ、エリキシルなどもまたその一定量が含有するように用量単位形態にする事ができる。シロップは、化合物を適当な香味化水溶液に溶解して製造され、またエリキシルは、非毒性のアルコール性担体中に分散させることにより処方される。可溶化剤や乳化剤(例えばエトキシ化されたイソステアリルアルコール類、ポリオキシエチレンソルビトールエステル類、保存剤、風味賦与剤(例えばペパーミント油、サッカリン)その他もまた必要に応じ添加できる。
必要とあれば、経口投与のための用量単位処方はマイクロカプセル化してもよい。該処方は、また被覆をしたり、高分子・ワックス等中にうめ込んだりすることにより作用時間の延長や持続放出をもたらす事もできる。
【0045】
非経口的投与は、皮下・筋肉内又は静脈内注射用としたところの液状用量単位形態、例えば溶液や懸濁剤の形態を用いることによって行いうる。これらのものは、化合物の一定量を、注射の目的に適合する非毒性の液状担体、例えば、水性や油性の媒体に懸濁し又は溶解し、次いで該懸濁液又は溶液を滅菌することにより製造される。あるいは化合物の一定量をバイアルにとり、然るのち該バイアルとその内容物を滅菌し密閉しても良い。投与直前に溶解又は混合するために、粉末又は凍結乾燥した有効成分に添えて、予備的なバイアルや担体を準備しても良い。注射液を等張にするために非毒性の塩や塩溶液を添加しても良い。さらに安定剤、保存剤、乳化剤の如きものを併用する事もできる。
【0046】
直腸投与は、化合物を低融点の固体、例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級エステル類(例えばパルミチン酸ミリスチルエステル)及びそれらの混合物を混じた座剤を用いることによって行いうる。
【0047】
本発明の新規化合物0406TP−1の医薬品としての有効性は、各種の試験によって確認することが出来る。
抗腫瘍活性は、in vitroで培養腫瘍細胞株に対する細胞毒性を測定する方法や腫瘍細胞を移植したマウスを用い延命率を測定する方法で確認できる。
免疫抑制活性は、マウス同種リンパ球混合反応(MLR)における幼若化阻害活性を測定する方法やマウスを用いin vivoで同種細胞免疫による細胞障害性T細胞の誘導に対する抑制効果を測定することで確認できる。
また0406TP−1の安全性は、マウスを用いた急性毒性試験や反復投与毒性試験によって確認できる。
以下、本発明を実施例について更に詳しく説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
【0048】
【実施例1:発酵生産及び回収精製】
(1)発酵生産
Nocardia brasiliensis IFM0406株(FERM BP-5498)をグリセロール2%、ポリペプトン(日本製薬株式会社)1%、ツナ肉エキス0.5%、pH7.0からなる基本培地10mlを50ml三角フラスコに分注したものに接種し30℃、72時間振とう培養した。これを更に、同培地1.5Lを5Lの三角フラスコに分注した培地に1%v/vで前記種培養物を接種し、同様前培養を行った。この前培養液を同培地150Lを入れた200Lタンク培養槽に接種し、通気量1vvm、攪拌数200rpm 30℃、90時間培養した。
【0049】
(2)回収精製
得られた培養液150Lを濾布濾過することにより菌体を除き、更に0.45μmのポアサイズを有する限外濾過膜(ミリポア社製ペリコンカセットシステム)で濾過することにより除菌した。この濾液画分をダイアイオンHP20(三菱樹脂株式会社)カラム15×100cmに吸着させ、50%メタノール溶液で十分洗浄し、夾雑物を除き、100%メタノール20Lで溶出した。この溶出画分をエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥した。
【0050】
この凍結乾燥物の一部分、0.5gを50mlの20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)に溶解し、DEAEトヨパール650Mカラム(2.5×10cm)に吸着させ、500mlの同緩衝液で溶出を行った。溶出画分中の化合物0406TP−1の検出は、各画分のHPLC分析のパターンとマウス同種リンパ球混合反応(MLR)による免疫抑制活性とを対比したデータを基に行い、本化合物の溶出画分を採取した。または、同様に各画分についてのHPLC分析のパターンと培養腫瘍株P388及びそのアドリアマイシン耐性株(P388/ADR)に対する細胞毒性とを対比したデータを基にし、本化合物の溶出画分を採取した。
【0051】
活性画分100mlを集め、2N塩酸溶液でpH4.0に調整し、CMトヨパール650Mカラム(2.5×10cm)に吸着させ、20mM酢酸緩衝液(pH4.0)500mlで溶出した。化合物0406TP−1を含む画分100mlを集め、エバポレーターで2mlに濃縮後、Capcell pack C18 SG120(株式会社資生堂)3×25cmに吸着させた。0.15%TFA(トリフルオロ酢酸)を含むアセトニトリルを用い、18%〜50%アセトニトリルの濃度勾配溶出(30ml/min、60min)を行った。20mlを1画分とし、各画分をHPLCで分析し、化合物0406TP−1を含む画分100mlを集め、エバポレーターで濃縮乾燥後、減圧真空乾燥機で乾燥し、粉末3.6mgを得た。
【0052】
【実施例2:抗腫瘍活性】
(1)培養腫瘍細胞株に対する細胞毒性試験
培養腫瘍細胞P388及びP388/ADR株を、10%熱不活性化牛胎児血清(FCS)、20μM 2−メルカプトエタノールを含むRPMI1640培地に懸濁し、細胞浮遊液(5×104 cells/ml)を調製した。
【0053】
被検体は、メタノールに溶解後、RPMI1640培地を用いて希釈し、0.1mg/ml濃度から2倍希釈を順次繰り返し調製した。細胞浮遊液180μlと被検体液20μlを96穴マイクロプレートに分注し、5%炭酸ガス−95%空気の湿潤環境下、37℃で培養した。72時間後、臭化3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウム(MTT)を用いた色素定量法により細胞の生育を測定した。すなわち、2mg/ml MTT溶液を20μlずつ各ウェルに添加し、4時間、37℃で培養した。その後、20%ドデシル硫酸ナトリウムを含む50%ジメチルホルムアミド溶液50μlを加えて放置し、形成された紫色のホルマザン結晶を溶解させ、マイクロプレート吸光光度計(イムノリーダー)を用いて570nmにおける吸光度を測定し、生育の指標とした。結果は、下記数1で示される式より抑制率を算出し、被検体濃度と抑制率の関係から、生育を50%阻害する被検体濃度(IC50)で表示した。
【0054】
【数1】
【0055】
その結果は表7に示した。0406TP−1は培養腫瘍細胞に対して強い細胞毒性(抗癌活性)を有しており、また、抗癌剤耐性細胞(アドリアマイシン耐性細胞)にも強力な生育阻害活性を有しており、抗腫瘍剤として有効であることが確認された。
【0056】
【表7】
【0057】
(2)マウスを用いたin vivo抗腫瘍試験
0406TP−1の生体内での抗腫瘍活性を調べるため、P388及びP388/ADRを移植したマウスを用いて抗腫瘍試験を行った。
0406TP−1及び比較対照としてアドリアシン(一般名アドリアマイシン、協和発酵(株))各々を1mg/ml、0.5mg/ml、0.1mg/mlになるよう注射用蒸留水に溶解し、検液とした。CDF1マウス(オス、体重20g 10匹/1群)にP388又はP388/ADRを2×105個腹腔内接種し、翌日から1日1回、10日間連続で各濃度の検液を200μl腹腔内に注射することにより各物質を各々10、5、1mg/kg体重/day投与した。投与後のマウスの経時的生存数を計数し、平均生存日数及び延命率を算出した。また10日後の平均体重も測定し、表8の結果を得た。
【0058】
【表8】
【0059】
アドリアマイシンは、それ自体の毒性のため5mg/kg体重/day以上の投与での治療効果は認められなかった。P388移植系では、アドリアマイシン(1mg/kg体重/day)投与群と0406TP−1投与群ではほぼ同程度の治療効果(延命率の上昇)が認められた。一方、P388/ADR移植系では、移植腫瘍細胞がアドリアマイシン耐性のため、アドリアマイシンの治療効果は認められなかったのに対し、0406TP−1投与群では著しい治療効果が認められた。これらの効果から、0406TP−1は生体内において抗腫瘍効果を示すことが示唆された。
【0060】
【実施例3:免疫抑制活性】
(1)マウス同種リンパ球混合反応試験(MLR)
試料調製は、実施例1で製造した精製0406TP−1を1mg/ml濃度で滅菌蒸留水に溶かした後、RPMI1640培地で順次希釈した。
【0061】
検定のマウスリンパ球混合反応(MLR)は、Hatanaka らの方法(Hatanaka ら,J. Antibiotics, 41, 1592-1601(1988))に準じて行った。すなわち、反応細胞としてC57BL/6マウス(H−2b)の脾細胞を、刺激細胞としてBALB/Cマウス(H−2d)の脾臓細胞をマイトマイシンC処理したものを用い、混合培養することによって行った。
【0062】
反応細胞の調製は、以下の方法で行った。
5〜6週齢のC57BL/6マウスより脾臓を摘出し、10%熱処理不活性化牛胎児血清(FCS)を加えた氷冷RPMI1640培地20ml中でホモゲナイズ後、ガーゼ濾過することで単細胞浮遊液を得た。遠心により回収後、RPMI1640培地4mlに懸濁し、0.15M塩化アンモニウム、1mM炭酸水素ナトリウム及び0.1mMエチレンジアミン四酢酸四ナトリウムを含む溶液(pH7.2)6mlを添加して0℃で1分間インキュベートし、混在する赤血球細胞を除いた。これにRPMI1640培地を加え、遠心分離し、さらに3回同培地20mlで遠心洗浄後50μM 2−メルカプトエタノール、10%FCSを含むRPMI1640培地を用いて5.6×106/mlに調製し、反応細胞浮遊液とした。
【0063】
刺激細胞の調製は、5〜6週齢のBALB/Cマウスより脾臓を摘出し、同様の方法で調製した脾臓細胞浮遊液に25μg/mlのマイトマイシンCを添加し、37℃、30分間インキュベートした。これにRPMI1640培地20mlを加え、遠心分離し、さらに3回同培地(20ml)で遠心洗浄後、50μM 2−メルカプトエタノール、10%FCSを含むRPMI1640培地を用いて5.6×106個/mlに調製し、刺激細胞浮遊液とした。
【0064】
反応細胞液90μlと刺激細胞液90μl及び被検体液20μlを96穴マイクロプレートに加え、37℃、5%CO2−95%空気の湿潤条件下で96時間培養を行った。リンパ球の幼若化はトリチウム化チミジンの取り込みを測定することにより調べた。96時間培養後各ウエルに25μCi/mlのトリチウム化チミジンを含むRPMI1640培地を20μl添加し、0.5μCi/ウエルずつパルス標識した。更に4時間インキュベート後、マルチプル試料収集機を用い、グラスファイバー濾紙上に培養物を集めた。個々のウエルに対応する濾紙ディスクの放射活性を液体シンチレーション測定法により測定した(ベータカウンター)。重複して検定したウエル毎の1分間のカウント数(cpm)の平均を計算し、結果はトリチウム化チミジン取り込み(幼若化)の阻害の度合をIC50で表9に表示した。対照としてシクロスポリンAの結果を示した。
【0065】
【表9】
【0066】
(2)マウス細胞障害性T細胞誘導試験
生体内での免疫抑制活性の指標としてマウス同種細胞免疫による細胞障害性T細胞の誘導に対する0406TP−1及び比較対照として上市免疫抑制剤であるシクロスポリンAの抑制効果を調べた。試験は Fujita らの方法( Fujita ら, J. Antibiotics, 47, 208-215 (1994))に準じて行った。8週齢、メスのC57BL/6マウス(H−2b)をDBA/2(H−2d)由来の培養細胞P815液(5×107個/ml PBS液)を0.2mlマウス腹腔内に投与することで免疫し、免疫当日から0.1mg/mlの被検体を0.2〜0.3ml投与することで、1mg/kg体重/dayの用量で5日間腹腔内投与した。
【0067】
免疫9日後にマウスより脾臓を摘出し、10%FCSを加えたRPMI1640培地20ml中でホモゲナイズ後、ガーゼ濾過した。遠心により回収した後、RPMI1640培地4mlに懸濁し、0.15M塩化アンモニウム、1mM炭酸水素ナトリウム及び0.1mMエチレンジアミン四酢酸四ナトリウムを含む溶液(pH7.2)6mlを添加して0℃で1分間インキュベートし、混在する赤血球を除いた。これにRPMI1640培地20mlを加え、遠心分離し、さらに3回同培地20mlで遠心洗浄後、10%FCSを加えたRPMI1640培地中に懸濁し、単細胞浮遊液とした後、エフェクター細胞として用いた。標的細胞としてP815を0.1μCiのNa2 51CrO4を含むダルベッコ Minimum Essential Medium (D−MEM)中で37℃、3時間インキュベートすることにより、51Crを細胞内に取り込ませた後、D−MEM 20mlで3回遠心洗浄し、10%FCSを加えたRPMI1640培地中に懸濁し、2×105個/mlに調製した。細胞障害活性の測定はエフェクター細胞浮遊液100μlと標的細胞浮遊液100μlを96穴丸底マイクロプレートに加え、37℃にて4時間培養した後、遠心分離を行い、上清中に放出される51Cr量を測定し、下記数2で示される式より細胞障害活性を算出した。
【0068】
【数2】
【0069】
細胞障害性T細胞の活性はLytic unit(LU)にて表示した。LUは標的細胞2×104個を20%破壊するのに必要なエフェクター細胞数を1LUとし、脾臓あたりのLUで示した。
また同様に、マウスを免疫後、1mg/ml の被検体を0.2〜0.3ml投与することで10mg/kg体重/dayの用量になるよう5日間腹腔内投与し、細胞障害活性を測定した。これらの結果を表10に示した。
【0070】
【表10】
【0071】
0406TP−1は腹腔内への投与により同種細胞免疫マウスの脾細胞中の細胞障害性T細胞の誘導を抑制することが示された。このことは臓器移植等で生ずる拒絶反応を抑制(免疫抑制)しうることを示している。
【0072】
【実施例4:毒性試験】
(1)急性毒性試験
0406TP−1を10mg/mlになるよう5%グルコース水溶液に溶解し、検液とした。ICR系マウス(SPF、オス、体重20g)5頭に対して尾静脈より検液を200μl注射することにより0406TP−1を100mg/kg体重投与した。投与後1ヶ月間の経時的生存を観察したところ死亡例は認められなかった。よって0406TP−1の尾静脈単回投与によるLD50値を>100mg/kg体重と算出した。この結果から本物質の低毒性及び安全性が示唆された。
【0073】
(2)反復投与毒性試験
0406TP−1を1mg/ml、0.5mg/ml、0.1mg/mlになるよう注射用蒸留水に溶解し、検液とした。比較対照として、アドリアマイシンも同様に検液を調製した。CDF1マウス(オス、体重21〜22g 10匹/1群)に各検液を1日1回10日間連続で腹腔内に210〜220μl注射することにより各物質を10、5、1mg/kg体重/day投与した。投与後の経時的生存数と0日目、5日目、10日目の平均体重を測定し表11の結果を得た。
【0074】
【表11】
【0075】
上記の結果からも明らかなように、アドリアマイシン投与群は死亡例が見られ、体重増加も対照に比べ劣るのに対し、0406TP−1投与群は死亡例もなく、順調な体重増加を示した。本結果からも0406TP−1の低毒性及び安全性が示唆された。
【0076】
【実施例5:点滴剤の製造】
0406TP−1 60mgを5%ブドウ糖溶液60mlに溶解させ、この溶液を5%ブドウ糖溶液440mlに混合し点滴剤とした。
【0077】
【実施例6:錠剤の製造】
(1)0406TP−1 50g、(2)ラクトース90g、(3)コーンスターチ29g、(4)ステアリン酸マグネシウム1gを原料として用い、錠剤を製造した。
すなわち、(1)、(2)及び(3)(但し17g)を混合し、(3)(但し7g)から調製したペーストとともに顆粒化した。得られた顆粒に(3)(但し5g)と(4)を加えてよく混合し、この混合物を圧縮錠剤機により圧縮して、1錠あたり有効成分である0406TP−1を50mg含有する錠剤1000個を製造した。
【0078】
【発明の効果】
本発明は、化合物0406TP−1を提供するものである。本化合物は新規化合物であって、すぐれた生理活性を有し、抗腫瘍剤、免疫抑制剤等として各種の医薬品に利用することができる。
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