JP2000159765A - 新規抗細菌化合物 - Google Patents

新規抗細菌化合物

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JP2000159765A JP11266462A JP26646299A JP2000159765A JP 2000159765 A JP2000159765 A JP 2000159765A JP 11266462 A JP11266462 A JP 11266462A JP 26646299 A JP26646299 A JP 26646299A JP 2000159765 A JP2000159765 A JP 2000159765A
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俊一 宮越
Masaaki Kitsuka
正明 木塚
Yasumasa Ogawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微生物培養液から単離される優れた抗菌活性
を有する化合物、該化合物を生産する微生物、及び該微
生物を用いた該化合物の製造方法を提供する。 【解決手段】 式 【化1】 (式中、R1はメトキシ基、水酸基、アミノ基等を示
し、R2は水素原子またはメチル基を示す)等で表わさ
れる化合物又はその塩並びに該化合物を生産する微生
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた抗菌活性を
有する化合物、該化合物の製造法、該化合物を有効成分
として含有する医薬(特に抗菌剤)、又は該化合物を生
産する新規微生物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、結核を含む細菌感染症の予防およ
び治療には各種ベータラクタム抗生物質、マクロライ
ド、キノロン、アミノ配糖体、イソナイアジド、リファ
ンピシン、などが使われてきたが、最近これらの抗生物
質に耐性を示す感染菌が増加しており、従来のタイプと
は異なる抗生物質が渇望されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来の
薬剤とは交差耐性のない新規化合物を培養液中に見出
し、さらに、かかる新規化合物の製造法および該化合物
を生産する新規微生物およびその生産法を確立し、これ
ら化合物の薬理活性について永年に亘り鋭意研究を行っ
た結果、これらの化合物が優れた抗菌活性を有すること
を見出し、本発明を完成した。
【0004】本発明の化合物は、現在問題となりつつあ
る耐性菌を含む細菌感染症の予防および治療に供するこ
とが可能であり、又、該化合物はより優れた抗菌活性を
有する誘導体を合成する際の出発原料とすることも可能
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) 下記
式(I)
【0006】
【化7】 で示されるA−500359E化合物又はその塩、
(2) 下記式(II)
【0007】
【化8】 で示されるA−500359F化合物又はその塩、
(3) 下記式(III)
【0008】
【化9】 で示されるA−500359Fアミド化合物またはその
塩、(4) 下記式(IV)
【0009】
【化10】 で示されるA−500359H化合物またはその塩、
(5) 下記式(V)
【0010】
【化11】 で示されるA−500359J化合物またはその塩、
(6) 下記式(VI)
【0011】
【化12】 で示されるA−500359M−3化合物またはその
塩、(7) ストレプトマイセス(Streptomy
ces)属に属する(1)、(2)、(4)又は(5)
記載の化合物の生産菌を培養し、その培養物より該化合
物を採取することを特徴とする、該化合物の製造法、
(8) ストレプトマイセス(Streptomyce
s)属に属する(1)、(2)、(4)又は(5)記載
の化合物の生産菌がストレプトマイセス・グリセウス
(Streptomyces griseus)SAN
K60196(FERM BP−5420)である、
(7)に記載の製造法、(9) ストレプトマイセス
(Strptomyces)属に属し、(1)、
(2)、(4)又は(5)記載の化合物を生産すること
を特徴とする微生物、(10) ストレプトマイセス・
グリセウス(Streptomyces griseu
s)SANK60196(FERM BP−5420)
である、(9)に記載の微生物、(11) ストレプト
マイセス(Streptomyces)属に属する
(1)、(2)、(4)又は(5)記載の化合物の生産
菌を、S-(2-アミノエチル)−L−システイン又はその塩
及びL-アリルグリシンを培地添加剤として単独又は併用
して培養し、その培養物より(1)、(2)、(4)又
は(6)に記載の化合物を採取することを特徴とする、
該化合物の製造法、(12) (1)、(2)、
(3)、(4)、(5)又は(6)に記載の化合物もし
くはその薬理学的に許容される塩を含むことからなる医
薬、又は、(13) (1)、(2)、(3)、
(4)、(5)又は(6)に記載の化合物もしくはその
薬理学的に許容される塩を含むことからなる抗菌剤であ
る。
【0012】本発明の式(I)、(II)、(II
I)、(IV)、(V)及び(VI)で表わされる化合
物は、茨城県筑波山にて採取された土壌より分離した、
ストレプトマイセス属に属するストレプトマイセス・グ
リセウス(Streptomyces griseu
s)SANK60196株の培養液中に生産されるか、
又は培養過程における微生物変換若しくは単離精製過程
における化学変換によって生成する。
【0013】本発明の前記式(I)で示されるA−50
0359E化合物、前記式(II)で示されるA−50
0359F化合物、前記式(III)で示されるA−5
00359Fアミド化合物、前記式(IV)で示される
A−500359H化合物、前記式(V)で示されるA
−500359J化合物及び前記式(VI)で示される
A−500359M−3化合物は、それぞれいくつかの
不斉炭素原子を有する。それゆえ、種々の光学異性体が
存在する。本発明においては、これらのA−50035
9E化合物、A−500359F化合物、A−5003
59Fアミド化合物、A−500359H化合物、A−
500359J化合物及びA−500359M−3化合
物の各異性体がすべて単一の式で示されているが、本発
明は、ラセミ化合物を含むこれらの異性体及びこれらの
異性体の混合物をもすべて含むものである。立体特異的
合成法が使用される場合、または光学活性化合物が原料
化合物として使用される場合、個々のA−500359
E化合物、A−500359F化合物、A−50035
9Fアミド化合物、A−500359H化合物、A−5
00359J化合物及びA−500359M−3化合物
の各異性体は直接的に製造してもよいし、一方、異性体
の混合物が製造されれば、個々の異性体は常法により得
てもよい。
【0014】本発明の化合物A−500359F化合
物、A−500359H化合物、A−500359J化
合物及びA−500359M−3化合物は、当業者に周
知の方法を用いて塩にすることができる。本発明はその
ようなA−500359F化合物、A−500359H
化合物、A−500359J化合物及びA−50035
9M−3化合物の塩も包含する。A−500359F化
合物、A−500359H化合物、A−500359J
化合物及びA−500359M−3化合物の塩として
は、医学的に使用され、薬理学的に許容されるものであ
れば特に限定はない。なお、A−500359F化合
物、A−500359H化合物、A−500359J化
合物及びA−500359M−3化合物の塩が、医薬以
外の用途に用いられる場合、例えば中間体として用いら
れる場合にはなんら限定はない。そのような塩として
は、好適にはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、
のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム
塩、のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄
塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属
塩;アンモニウム塩のような無機塩、t−オクチルアミ
ン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミ
ン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレン
ジアミン塩、N−メチルグルカミン塩、グアニジン塩、
ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキ
シルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン
塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノール
アミン塩、N−ベンジル-フェネチルアミン塩、ピペラ
ジン塩、テトラメチルアンモニア塩、トリス(ヒドロキ
シメチル)アミノメタン塩のような有機アミン塩;及
び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン
塩、アスパラギン塩のようなアミノ酸塩を挙げることが
できる。より好適には、薬理学的に許容される塩として
好ましく使用されるもの、すなわち、ナトリウム塩、カ
リウム塩、アンモニウム塩等を挙げることができる。
【0015】また、本発明の化合物A−500359E
化合物、A−500359F化合物、A−500359
Fアミド化合物、A−500359H化合物、A−50
0359J化合物及びA−500359M−3化合物、
またはそれぞれの塩は、溶剤和物となることがある。例
えば、大気中に放置したり、または、再結晶をすること
により、水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物とな
る場合があるが、そのような溶剤和物も本発明に包含さ
れる。
【0016】さらに本発明は、生体内において代謝され
てA−500359E化合物、A−500359F化合
物、A−500359Fアミド化合物、A−50035
9H化合物、A−500359J化合物及びA−500
359M−3化合物に変換される化合物、いわゆるプロ
ドラッグもすべて含むものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の式(I)、(II)、
(IV)、(V)又は(VI)で表わされる化合物A−
500359E化合物、A−500359F化合物、A
−500359H化合物、A−500359J化合物及
びA−500359M−3化合物は、ストレプトマイセ
ス属に属する該化合物の生産菌を適当な培地で培養し、
該培養物から採取することによって得られる。好適なA
−500359E化合物、A−500359F化合物、
A−500359H化合物、A−500359J化合物
及びA−500359M−3化合物の生産菌であるスト
レプトマイセス・グリセウス(Streptomyce
s griseus)SANK60196株(以下、
「SANK60196株」と記す。)は、前述のよう
に、茨城県筑波山の土壌から常法に従って採集、分離さ
れたものである。
【0018】SANK60196株の菌学的性状は次の
通りである。
【0019】1)形態学的特徴 SANK60196株はインターナショナル・ストレプ
トマイセス・プロジェクト(Internationa
l Streptomyces Project:以
下、「ISP」と記す。)規定(Shirling,E.
B. and Gottlieb,D., Inter
national Journal ofSystem
atic Bacteriology, 16,313
−340、1996)の培地上で28℃、14日間の培
養により次のような形態学的特徴を示した。光学顕微鏡
による観察ではSANK60196の基生菌糸は良好に
伸長、分岐し黄味灰、黄味茶ないし薄オリーブ色を示す
がノカルディア(Nocardia)属菌株様の断裂や
ジグザグ伸長は観察されない。気菌糸は単純分岐する。
胞子連鎖の形態は直ないし曲状を示し、およそ10〜5
0個またはそれ以上の胞子の連鎖を形成する。走査型電
子顕微鏡による観察では胞子は楕円形で、その表面構造
は平滑状(Smooth)を示す。胞子の大きさは0.
6〜0.8×0.7〜1.2μmである。胞子は気菌糸
上にのみ形成される。また、胞子のう、気菌糸の車軸分
岐、気菌糸の断裂、菌核などの特殊器官は認められな
い。
【0020】2)各種培養基上での培養性質 SANK60196株の28℃、14日間培養後の寒天
培地上での培養性状は表1に示すとおりである。 [表1] ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 培地の種類;項目:性状 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― イーストエキス・麦芽エキス寒天(ISP 2); G:非常に良好、平坦、黄味茶(10YR 5/6) AM:豊富に形成、ビロード状、薄茶(2.5Y 8/2) R:黄味茶(10YR 5/8) SP:黄味茶(10YR 6/8) オートミール寒天(ISP 3); G:非常に良好、平坦、黄味茶(2.5Y 6/6) AM:豊富に形成、ビロード状、薄黄味橙(5Y 9/2) R:鈍黄(2.5Y 8/8) SP:産生せず 澱粉・無機塩寒天(ISP 4); G:良好、平坦、黄味茶(2.5Y 6/4) AM:豊富に形成、ビロード状、黄味灰(7.5Y 9/2) R:黄味茶(2.5Y 6/4) グリセリン・アスパラギン寒天(ISP 5); G:非常に良好、平坦、薄黄味茶(2.5Y 7/6) AM:豊富に形成、ビロード状、黄味灰(5Y 8/2) R:薄黄味茶(2.5Y 8/6) SP:産生せず ペプトン・イーストエキス・鉄寒天(ISP 6); G:非常に良好、平坦、薄オリーブ(5Y 8/3) AM:僅かに形成、ビロード状、黄味灰(5Y 9/1) R:薄黄(5Y 8/6) SP:産生せず チロシン寒天(ISP 7); G:良好、平坦、灰味黄茶(2.5Y 5/4) AM:豊富に形成、ビロード状、明るいオリーブ灰(7.5Y 8/2) R:黄味茶(10YR 5/4) SP:灰味黄茶(2.5Y 4/3) シュクロース・硝酸塩寒天; G:余り良くない、平坦、薄黄(5Y 8/6) AM:豊富に形成、ビロード状、明るいオリーブ灰 (7.5Y 8/2) R:鈍黄(5Y 8/8) SP:薄黄(5Y 9/6) グルコース・アスパラギン寒天; G:良好、平坦、薄黄(5Y 9/3) AM:余り良くない、ビロード状、黄味灰(5Y 9/1) R:黄味灰(7.5Y 9/3) SP:産生せず 栄養寒天(Difco社製); G:良好、平坦、薄黄味茶(2.5Y 8/3) AM:良好、ビロード状、黄味灰(5Y 9/1) R:黄味灰(5Y 9/4) SP:産生せず ポテトエキス・人参エキス寒天; G:余り良くない、平坦、黄味灰(7.5Y 9/2) AM:余り良くない、ビロード状、黄味灰(5Y 9/2) R:黄味灰(7.5Y 9/3) SP:黄味灰(7.5Y 9/3) 水寒天; G:良くない、平坦、黄味灰(5Y 9/1) AM:良くない、ビロード状、黄味灰(5ZY 9/1) R:黄味灰(7.5Y 9/4) SP:薄黄(5Y 9/6) ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 表1中、ISP番号の記されている培地の組成はそれぞれI
SPの規定の通りである。また項目Gは生育、AMは気菌
糸、Rは裏面、SPは可溶性色素をそれぞれ表す。色調
の記述は「色の標準(日本色彩研究所版)」によるもの
であり、カッコ内の色調の表示は、マンセル方式に準拠
したカラーナンバーである。水寒天培地中に産生される
薄黄色の可溶性色素は0.05規定(normalit
y:以下、「N」と記す。)塩酸により無色に変化し、
0.05N水酸化ナトリウムによりなんらの変化も示さ
なかった。
【0021】3)生理学的性質 28℃で培養後、2〜21日間に観察した本菌株の生理
学的性質は、表2に示した通りである。[表2] ―――――――――――――――――――――――――――― 澱粉の加水分解 陽 性 ゼラチンの液化 陽 性 硝酸塩の還元性 陽 性 ミルクの凝固 陰 性 ミルクのペプトン化 陽 性 メラニン様色素生産性 陽 性 基質分解性:カゼイン 陽 性 チロシン 陽 性 キサンチン 陰 性 生育温度範囲(培地1) 6〜35℃ 生育適正温度(培地1) 18〜30℃ 食塩存在下での生育(培地1) 10% ―――――――――――――――――――――――――――― 表2中、培地1はイーストエキス・麦芽エキス寒天(IS
P 2)を指す。また、プリドハム・ゴトリーブ寒天培地
(ISP 9)を使用して、28℃、14日間培養後に観察
したSANK60196株の炭素源の資化性は表3に示
した通りである。[表3] ―――――――――――――――――――――――――――― D−グルコース + L−アラビノース − D−キシロース + イノシトール − D−マンニトール + D−フルクトース + L−ラムノース − シュクロース − ラフィノース − 対照 − ―――――――――――――――――――――――――――― 表3中、「+」は資化する、「−」は資化しないことを
示す。
【0022】4)化学的分類学的性質 本菌株の細胞壁を長谷川らの方法(Hasegawa,
T., et al., The Journal o
f General and AppliedMicr
obiology 29,319−322、1983)
に従い検討した結果、LL−ジアミノピメリン酸が検出
された。また、本菌株の全細胞中の主要糖成分をエム・
ピー・レシェバリエの方法(Lechevalier,
M.P., Journal of Laborato
ry and Clinical Medicine
71,934−944,1968)に従い検討した結
果、特徴的な成分は検出されなかった。
【0023】以上の菌学的性質から、本菌株は放線菌の
中でもストレプトマイセス(Streptomyce
s)属に属することが明らかにされた。シャーリングと
ゴトリーブによるISP菌株記載(Shirling,
E.B. and Gottlieb,D., Int
ernational Journal of Sys
tematic Bacteriology 18,6
8−189 and 279−392,1968:1
9,391−512,1969:22,265−39
4,1972)、ワックスマン(Waksman,S.
A.)著「ジ・アクチノミセーテス(The Acty
nomycetes)第2巻、1961年」、ブキャナ
ンとギボンズ(Buchanan,R.E. and
Gibbons,N.E.)編「バージーズ・マニュア
ル・オブ・ディタミネイティブ・バクテリオロジー(B
ergy’s Manual of Determin
ativeBacteriology)第8版、197
4年」、ウィリアムズ等(Williams,S.
T., et al.)編「バージーズ・マニュアル・
オブ・システマティック・バクテリオロジー(Berg
y’s Manual ofSystematic B
acteriology)第4版、1989年」及びス
トレプトマイセス(Streptomyces)属放線
菌に関する最近の文献に記載されている菌種と比較した
ところ、ストレプトマイセス・グリセウス(Strep
tomyces griseus)に極めて近縁である
ことが判明した。しかしながら、ストレプトマイセス・
グリセウス(Streptomycesgriseu
s)とは、グリセリン・アスパラギン寒天において黄味
灰色の、ペプトン・イーストエキス・鉄寒天において薄
黄味茶色の可溶性色素を産生するが、ポテトエキス・人
参エキス寒天および水寒天においては可溶性色素を産生
しないこと、生育上限温度が40℃であること、および
食塩7%存在下で生育することにおいて差異が認められ
た。
【0024】このような菌学的特徴を有する本菌株は、
明らかにストレプトマイセス・グリセウス(Strep
tomyces griseus)とは異なる新菌株で
あると考えられるが、これらの差異のみをもって種を区
別することはできない。そこで、本発明者等は本菌株を
ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomy
ces griseus)SANK60196と同定し
た。該菌株は平成8年2月22日付で通商産業省工業技
術院生命工学工業技術研究所に国際寄託され、FERM
BP−5420が付された。
【0025】以上、SANK60196株について説明
したが、放線菌の諸性質は一定したものではなく、自然
に又は人工的に容易に変化することは周知の通りであ
る。本発明で使用しうる菌株は、そのようなすべての変
異株を包含する。すなわち、本発明は、ストレプトマイ
セス属に属し、A−500359E化合物、A−500
359F化合物、A−500359H化合物、A−50
0359J化合物又はA−500359M−3化合物を
生産する全ての菌株を包含するものである。
【0026】本発明のA−500359E化合物、A−
500359F化合物、A−500359H化合物、A
−500359J化合物又はA−500359M−3化
合物の生産菌を培養するに際し使用される培地としては
炭素源、窒素源、無機イオンおよび有機栄養源等より選
択されたものを適宜含有する培地であれば合成または天
然培地の何れでも使用可能である。
【0027】該栄養源としては、従来真菌類や放線菌類
の菌株の培養に利用されている公知の、微生物が資化で
きる炭素源、窒素源および無機塩が使用できる。
【0028】具体的には、炭素源としてはグルコース、
フルクトース、マルトース、シュクロース、マンニトー
ル、グリセロール、デキストリン、オート麦、ライ麦、
トウモロコシ澱粉、ジャガイモ、トウモロコシ粉、大豆
粉、綿実油、水飴、糖蜜、大豆油、クエン酸、酒石酸な
どを単一に、あるいは併用して使用できる。一般には、
培地量の 1〜10重量%で変量するが、この範囲に限定さ
れない。
【0029】また、窒素源としては、一般に蛋白質また
はその水解物を含有する物質を用いることができる。好
適な窒素源としては、例えば大豆粉、フスマ、落花生
粉、綿実粉、スキムミルク、カゼイン加水分解物、ファ
ーマミン(ShefieldChemical社製)、
魚粉、コーンスティープリカー、ペプトン、肉エキス、
生イースト、乾燥イースト、イーストエキス、マルトエ
キス、ジャガイモ、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム、硝酸ナトリウム等を使用し得る。該窒素源は、単一
または併用して培地量の0.2〜6重量%の範囲で用い
られることが好ましい。
【0030】さらに栄養無機塩としては、ナトリウム、
アンモニウム、カルシウム、フォスフェート、サルフェ
ート、クロライド、カーボネート等のイオンを得ること
のできる通常の塩類を使用し得る。また、カリウム、カ
ルシウム、コバルト、マンガン、鉄、マグネシウム等の
微量の金属も使用され得る。
【0031】特にA−500359E化合物、A−50
0359F化合物、A−500359H化合物及びA−
500359J化合物の生産にはコバルト、スキムミル
クおよびイーストエキスの添加が効果的である。
【0032】さらに、該生産菌を培養するに際し、抗生
物質生合成阻害剤を添加し、A−500359E化合
物、A−500359F化合物及びA−500359H
化合物を生産させることもできる。A−500359E
化合物、A−500359F化合物及びA−50035
9H化合物の生産は、例えば、アスパラギン酸キナーゼ
阻害剤であるS−(2−アミノエチル)−L−システイ
ンまたはその塩を培地添加剤として単独またはコバル
ト、スキムミルクおよびイーストエキスと併用して用い
ることにより達成される。該添加剤を、特にスキムミル
クと併用することにより、A−500359E化合物、
A−500359F化合物及びA−500359H化合
物の生産性が向上する。該添加剤は、終濃度として1〜
100mMの範囲で用いることができる。好ましくは終
濃度として10mMで良好なA−500359E化合
物、A−500359F化合物及びA−500359H
化合物の生産が可能である。
【0033】また、前記添加剤を種々のアミノ酸又はそ
の塩と併用することにより、A−500359F化合物
及びA−500359H化合物の有用関連化合物を生産
させることもできる。特にL−アリルグリシン又はその
塩を併用することにより、A−500359M−3化合
物(VI)が得られる。L−アリルグリシンは、終濃度
として1〜100mMの範囲で用いることができる。好
ましくは終濃度として10mMで良好なA−50035
9M−3物質の生産が可能である。
【0034】なお、液体培養に際しては、消泡剤として
シリコン油、植物油、界面活性剤等を使用することがで
きる。
【0035】SANK60196株を培養してA−50
0359E化合物、A−500359F化合物、A−5
00359H化合物及びA−500359J化合物を生
産するための培地のpHは、好適には5.0〜8.0で
ある。
【0036】SANK60196株の生育温度は12〜
36℃であるが、A−500359E化合物、A−50
0359F化合物、A−500359H化合物及びA−
500359J化合物を生産させるためには該菌株を1
8〜28℃で培養することが好ましく、より好適には、
19〜23℃で培養するのが好ましい。
【0037】A−500359E化合物、A−5003
59F化合物、A−500359H化合物、A−500
359J化合物及びA−500359M−3化合物は、
SANK60196株を好気的に培養することにより得
られるが、そのような培養法としては、通常用いられる
好気的培養法、例えば固体培養法、振とう培養法、通気
攪拌培養法等を用いることができる。
【0038】小規模の培養においては、19〜23℃で
数日間振とう培養を行うのが好適である。培養は、バッ
フル(水流調節壁)のついた、あるいは通常の三角フラ
スコ中で、1〜2段階の種の発育工程により開始する。
種発育段階の培地には、炭素源および窒素源を併用でき
る。種フラスコは定温インキュベーター中で19〜23
℃、5日間振とうするか、または充分に成長するまで振
とうする。成長した種は、第二の種培地、または、生産
培地に接種するのに用いる。中間の発育工程を用いる場
合には、本質的に同様の方法で成長させ、その一部を生
産培地に接種する。接種したフラスコを一定の温度で数
日間振とう培養し、培養終了後フラスコ内の培養物を遠
心分離またはろ過する。
【0039】大量培養の場合には、攪拌機、通気装置が
付いたジャーファーメンターあるいはタンクで培養する
のが好ましい。そのためにはまず栄養培地を121〜1
30℃まで加熱して滅菌し冷却しておき、ついで、該滅
菌済培地に前述したような方法によって予め成長させて
おいた種を接種する。その後の培養は19〜23℃で通
気攪拌して行う。この方法は、多量の化合物を得るのに
適している。
【0040】A−500359E化合物、A−5003
59F化合物及びA−500359H化合物の生産は、
該滅菌済培地に予めろ過滅菌しておいたアスパラギン酸
キナーゼ阻害剤であるS−(2−アミノエチル)−L−
システインまたはその塩の水溶液を培養開始時点あるい
は培養中に培地に添加することによっても達成される。
【0041】A−500359M−3化合物の生産は、
該滅菌培地に予めろ過滅菌しておいたS−(2−アミノ
エチル)−L−システイン又はその塩及びL−アリルグ
リシン又はその塩の水溶液を、培養開始時点あるいは培
養中に同時に又は別個に培地に添加することによって達
成される。
【0042】培養の経過に伴って生産されるA−500
359E化合物、A−500359F化合物、A−50
0359H化合物、A−500359J化合物及びA−
500359M−3化合物の量は、培養液の一部を採取
してHPLC分析を実施することにより測定することが
できる。A−500359E化合物、A−500359
F化合物、A−500359H化合物、A−50035
9J化合物及びA−500359M−3化合物の生産量
は、通常3〜15日で最高値に達する。
【0043】培養終了後、珪藻土をろ過操作助剤として
用いるろ過操作又は遠心分離によって、培養液中の菌体
成分を分別し、そのろ液または上清中に存在するA−5
00359E化合物、A−500359F化合物、A−
500359H化合物、A−500359J化合物及び
A−500359M−3化合物を、HPLC分析を指標
にして、それらの物理化学的特性を利用し精製する。珪
藻土としては、例えば、セライト545(Celite
Corporation社製)が好適に用いられる。
ろ液中に存在するA−500359E化合物、A−50
0359F化合物、A−500359H化合物、A−5
00359J化合物及びA−500359M−3化合物
の精製は、吸着剤として、例えば活性炭または吸着用樹
脂であるアンバーライトXAD−2、XAD−4(ロー
ム・アンド・ハース社製)等や、ダイヤイオンHP−1
0、HP−20、CHP−20P、HP−50、セパビ
ーズSP205、SP206、SP207(三菱化学社
製)等の単独使用、またはそれらの組み合わせにより達
成できる。A−500359E化合物、A−50035
9F化合物、A−500359H化合物、A−5003
59J化合物及びA−500359M−3化合物を含む
溶液を上記のごとき吸着剤の層を通過させて不純物を吸
着させて取り除くか、またはA−500359E化合
物、A−500359F化合物、A−500359H化
合物、A−500359J化合物及びA−500359
M−3化合物を吸着させた後、メタノール水、アセトン
水、n−ブタノール水、アンモニア水、アンモニアを含
有したメタノール水、アンモニアを含有したアセトン水
などを用いて溶出させる事により、A−500359E
化合物、A−500359F化合物、A−500359
H化合物、A−500359J化合物及びA−5003
59M−3化合物を分離することができる。なお、溶出
液として、アンモニアを含有する溶液を用いた場合に
は、カラムからの溶出時または濃縮の際にA−5003
59Fアミド化合物が生成する場合がある。
【0044】さらに、このようにして得られたA−50
0359E化合物、A−500359F化合物、A−5
00359Fアミド化合物、A−500359H化合
物、A−500359J化合物及びA−500359M
−3化合物は、更にシリカゲル、フロリジル、コスモシ
ル(ナカライテスク社製)、ダイヤイオンCHP−20
P、SP207(三菱化学社製)のような担体を用いた
吸着カラムクロマトグラフィー;セファデックスG−1
0(ファルマシア・バイオテク社製)、トヨパールHW
40F(東ソー社製)などを用いたゲルろ過クロマトグ
ラフィー;ダウエックス1、SBR−P(ダウケミカル
社製)、ダイヤイオンPA316(三菱化学社製)など
を用いた陰イオン交換クロマトグラフィー;および順
層、逆層カラムを用いたHPLC等により精製すること
が出来る。
【0045】以上の分離、精製の手段を単独または適宜
組み合わせ、場合によっては反復して用いることによ
り、本発明の化合物A−500359E化合物、A−5
00359F化合物、A−500359Fアミド化合
物、A−500359H化合物、A−500359J化
合物及びA−500359M−3化合物を分離精製する
ことができる。
【0046】A−500359F化合物は、A−500
359E化合物を加水分解しても得ることができる。た
とえば塩基性条件下、好ましくは塩基性水溶液におい
て、良好に加水分解される。
【0047】使用可能な塩基性化合物としては、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸水素ナトリウムのようなアルカリ金属水酸化物また
はその弱酸塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、酢酸マグネシウムのようなアルカリ土類金属水酸化
物またはその弱酸塩;アンモニアのような無機塩基性化
合物または塩基性を示すその塩;t−オクチルアミン、
ジベンジルアミン、モルホリン、グルコサミン、フェニ
ルグリシンアルキルエステル、エチレンジアミン、N−
メチルグルカミン、グアニジン、ジエチルアミン、トリ
エチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジ
ベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、プロカ
イン、ジエタノールアミン、N−ベンジル-フェネチル
アミン、ピペラジン、テトラメチルアンモニア、トリス
(ヒドロキシメチル)アミノメタンのような有機アミン
または塩基性を示すそれらの塩があげられる。また、そ
れらのアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、
アンモニアのような無機イオン、有機アミンイオンを含
有する塩基性緩衝液も使用可能である。これらの塩基性
化合物のうち、アルカリ金属水酸化物、特に水酸化ナト
リウムが好適である。特に水酸化ナトリウムを用いてA
−500359E化合物を加水分解する方法では、A−
500359F化合物を容易に得ることができる。
【0048】上記反応に用いられる塩基性化合物の濃度
は好ましくは0.001〜1N、より好ましくは0.3
〜0.1Nである。反応温度は、好ましくは−20〜4
0℃、より好ましくは0〜30℃である。反応時間は3
0秒〜15時間、より好ましくは30分〜2時間であ
る。
【0049】特に水酸化ナトリウムを用いた場合、その
濃度は好ましくは0.001〜1N、より好ましくは
0.01〜0.1Nである。反応温度は、好ましくは−
20〜40℃、より好ましくは0〜30℃である。反応
時間は、好ましくは30秒〜2時間、より好ましくは3
0分〜1時間である。
【0050】尚、塩基としてアンモニア水を使用する場
合、A−500359F化合物の他にA−500359
Fアミド化合物も生成するが、これらは前述の方法で分
離精製することができる。
【0051】A−500359Fアミド化合物はA−5
00359E化合物に溶媒中アンモニアを作用させるこ
とによって得ることができる。
【0052】使用される溶媒としては、水またはエタノ
ール、メタノールのようなアルコール類であり、好適に
は水またはメタノールである。
【0053】使用されるアンモニアは、ガスとして化合
物の溶液中に導入しても良いが、通常、水またはメタノ
ール、エタノールのようなアルコール類に溶かして使用
される。好適には水またはメタノール溶液が使用され
る。
【0054】アンモニア水を用いた場合、その濃度は好
ましくは0.1〜1N、より好ましくは0.3〜0.7
Nである。反応温度は、好ましくは−20〜40℃、よ
り好ましくは0〜30℃である。反応時間は、好ましく
は30分〜15時間、より好ましくは1〜4時間であ
る。
【0055】尚、アンモニア水を用いた場合、目的のA
−500359Fアミド化合物の他に、エステルが加水
分解されてA−500359F化合物が生成するが、こ
れらは前述の方法で分離精製することができる。
【0056】A−500359Fアミド化合物はA−5
00359F化合物に溶媒中でメチル化試薬を反応さ
せ、該化合物のメチルエステル体すなわちA−5003
59E化合物に変換したのち、前述のようにアンモニア
と反応させることによっても製造することができる。
【0057】メチル化試薬としては、例えばジアゾメタ
ン、ジメチル硫酸等を使用することができ、好適にはジ
アゾメタンである。A−500359F化合物をA−5
00359E化合物に変換するための反応溶液中のメチ
ル化試薬は、好ましくは1〜5当量、より好ましくは
1.5〜2当量である。
【0058】使用される溶媒としては、例えば水又はメ
タノール、エタノールのようなアルコール類を挙げるこ
とができ、好適には水又はメタノールである。
【0059】反応温度は、好ましくは−20〜40℃、
より好ましくは0〜30℃である。反応時間は、好まし
くは30分〜15時間、より好ましくは1〜2時間であ
る。
【0060】反応終了液からA−500359F化合
物、A−500359E化合物及びA−500359F
アミド化合物を単離する手段は、前述のA−50035
9E化合物、A−500359F化合物、A−5003
59Fアミド化合物、A−500359H化合物、A−
500359J化合物及びA−500359M−3化合
物の分離・精製手段の項に記載の方法により適宜選択で
きる。
【0061】以上、A−500359E化合物、A−5
00359F化合物、A−500359Fアミド化合
物、A−500359H化合物、A−500359J化
合物及びA−500359M−3化合物の製造法の代表
的な方法を説明したが、製造方法はこれらに限定され
ず、既に当業者に知られているこれら以外の製造方法を
用いることもできる。
【0062】以上のごとくして得られる本発明の化合物
A−500359E化合物、A−500359F化合
物、A−500359Fアミド化合物、A−50035
9H化合物、A−500359J化合物及びA−500
359M−3化合物は、文献未掲載の新規化合物である
が、その一般グラム陽性細菌およびグラム陰性細菌に対
する生育阻止活性は普通寒天培地(栄研化学社製)やハ
ートインフュージョンアガー培地(Difco社製)を
用いたディスクアッセイ法で測定される。さらに、グラ
ム陽性細菌放線菌目マイコバクテリア(Mycobac
teria)に対する生育阻害活性は上記培地にグリセ
リンを添加した培地で同様に測定される。
【0063】以上、化合物A−500359E化合物、
A−500359F化合物、A−500359Fアミド
化合物、A−500359H化合物、A−500359
J化合物及びA−500359M−3化合物の生物活性
の代表的な評価方法を説明したが、評価方法はこれらに
限定されず、既に当業者に知られているこれら以外の抗
菌活性の評価方法を用いることもできる。
【0064】本発明のA−500359E化合物、A−
500359F化合物、A−500359Fアミド化合
物、A−500359H化合物、A−500359J化
合物及びA−500359M−3化合物またはそれらの
薬理学的に許容される塩は、種々の形態で投与される。
その投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒
剤、散剤、シロップ剤等による経口投与、または注射剤
(静脈内、筋肉内、皮下)、点滴剤、坐剤等による非経
口投与を挙げることができる。これらの各種製剤は、常
法に従って主薬に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯
味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤等の医
薬の製剤技術分野において通常使用し得る既知の補助剤
を用いて製剤化することができる。
【0065】錠剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
乳糖、白糖、塩化ナトリウム、グルコース、尿素、澱
粉、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ
酸等の賦形剤;水、エタノール、プロパノール、単シロ
ップ、グルコース液、澱粉液、ゼラチン溶液、カルボキ
シメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リ
ン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤;乾燥
澱粉、アルギン酸ナトリウム、寒天末、ラミナラン末、
炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ステアリン酸モノグリセリド、澱粉、乳糖等の崩壊
剤;白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の
崩壊抑制剤;第4級アンモニウム塩類、ラウリル硫酸ナ
トリウム等の吸収促進剤;グリセリン、澱粉等の保湿
剤;澱粉、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状
ケイ酸等の吸着剤;精製タルク、ステアリン酸塩、硼酸
末、ポリエチレングリコール等の潤沢剤等が例示でき
る。さらに錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、
例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコ
ーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができ
る。
【0066】丸剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
グルコース、乳糖、カカオバター、澱粉、硬化植物油、
カオリン、タルク等の賦形剤;アラビアゴム末、トラガ
ント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤;ラミナラン
寒天等の崩壊剤等が例示できる。
【0067】坐剤の形態に成形するに際しては、担体と
してこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば
ポリエチレングリコール、カカオバター、高級アルコー
ル、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グ
リセリド等を挙げることができる。
【0068】注射剤として調製される場合には、液剤お
よび懸濁剤は殺菌され、かつ血液と等張であるのが好ま
しく、これら液剤、乳剤および懸濁剤の形態に成形する
に際しては、希釈剤としてこの分野で慣用されているも
のをすべて使用でき、例えば、水、エタノール、プロピ
レングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコー
ル、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を挙げること
ができる。なお、この場合、等張性の溶液を調製するの
に充分な量の食塩、グルコース、あるいはグリセリンを
医薬製剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解補助
剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。
【0069】さらに必要に応じて着色剤、保存剤、香
料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有せしめてもよ
い。
【0070】上記医薬製剤に含まれる有効成分化合物の
量は、特に限定されず広範囲に適宜選択されるが、通常
全組成物中170重量%、好ましくは1〜30重量%含
まれる量とするのが適当である。
【0071】上記医薬製剤の投与方法は特に限定は無
く、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾
患の程度等に応じて決定される。例えば錠剤、丸剤、液
剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤およびカプセル剤の場合には
経口投与される。また、注射剤の場合には単独であるい
はグルコース、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈
内投与され、さらに必要に応じて単独で筋肉内、皮内、
皮下もしくは腹腔内投与される。坐剤の場合には直腸投
与される。
【0072】その使用量は症状、年齢、体重、投与方法
および剤形等によって異なるが、通常は成人に対して1
日あたり、上限として2000mg(好ましくは100
mg)であり、下限として0.1mg(好ましくは1m
g、さらに好ましくは10mg)を症状に応じて1回ま
たは数回に分けて投与することができる。
【0073】本発明のA−500359E化合物及びA
−500359F化合物は、分子内に水酸基、カルバモ
イル残基、エステル基またはカルボキシル基を有するの
で、それらの官能基において、各種のエーテル、エステ
ル、チオエステル、アミド等の誘導体に変換することが
できる。これらのうちエステル基またはカルボキシル基
を各種のアミドに修飾した誘導体及び水酸基を各種のエ
ーテル若しくはエステルに修飾した誘導体が好適であ
る。
【0074】
【実施例】以下に実施例、試験例及び製剤例をあげて、
本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0075】実施例1. ストレプトマイセス・グリセ
ウス(Streptomycesgriseus)SA
NK60196(FERM BP−5420)株の培養
以下に記載する前培養培地500mlを入れた2Lの三
角フラスコ(種フラスコ)に、SANK60196株を
無菌的に4白金耳接種し、次いで該フラスコ4本分をロ
ータリー振とう機中で23℃、210回転/分(rev
olutions per minute:以下、「r
pm」と記す。)にて振とうして、3日間の前培養を行
った。
【0076】前培養培地:下記の成分を水道水1000
ml中に含む。
【0077】 マルトース 30g 肉エキス 5g ポリペプトン 5g 塩化ナトリウム 5g 炭酸カルシウム 3g 消泡剤CB442 50mg (日本油脂社製) ―――――――――――――――――――――――――――――――――― pHを7.4に調整した後121℃にて30分間滅菌した。
【0078】本培養は以下に記載するようにして行っ
た。すなわち、下記本培養培地15Lの入った30L容
ジャーファーメンター2基に、前培養液を3%(容量/
容量:以下、「v/v」と記す。)植菌した。23℃で
培養開始後6時間目にフィルター除菌したS−(2−ア
ミノエチル)−L−システイン塩酸塩を終濃度10mM
となるように添加した後、6日間通気攪拌培養を行っ
た。
【0079】本培養培地:下記の成分を水道水1000
ml中に含む。
【0080】 マルトース 30g イーストエキス 5g (Difco社製) 肉エキス 5g ポリペプトン 5g 塩化ナトリウム 5g 炭酸カルシウム 3g 消泡剤CB442 50mg (日本油脂社製) ―――――――――――――――――――――――――――――――――― pHを7.4に調整した後125℃にて30分間滅菌した。
【0081】実施例2. A−500359E化合物の
精製 実施例1にて得られた培養終了液(30L)を、セライ
ト545(Celite Corporation社
製)をろ過助剤としてろ過した。
【0082】以降の精製においては、活性画分を下記の
カラム及び分析条件のHPLCでモニターした。
【0083】カラム:Senshu Pak ODS−
H−2151 6φ×150mm(センシュー科学社製) 溶媒:4%アセトニトリルを含有する0.04%トリフ
ルオロ酢酸水 流速:1.0ml/分 検出:UV210nm 保持時間:21.2分 得られたろ液30Lを、ダイヤイオンHP−20(三菱
化学社製)を充填したカラム(6L)に供与した。その
後、カラムを12Lの純水で洗浄した後、素通り画分と
洗浄画分を合併した(以下、この合併した画分を「素通
り・洗浄画分」と記す。)。吸着物質は12Lの10%
アセトン水で溶出した。この溶出画分を濃縮、アセトン
を留去した後、凍結乾燥し、39gの粗粉末が得られ
た。
【0084】この粗粉末を200mlの純水に溶解し、
ダイヤイオンCHP−20P(三菱化学社製)を充填し
たカラム(2L)に供与した。その後、カラムを4Lの
純水および4Lの10%メタノール水で洗浄し、吸着物
質を4Lの15%メタノール水、4Lの20%メタノー
ル水で溶出した。15%メタノール水画分の2〜4L部
分および20%メタノール水画分を合併し濃縮、メタノ
ールを留去した後、凍結乾燥し、8.9gの粉末が得ら
れた。
【0085】この粉末を200mlの純水に溶解し、ト
ヨパールHW40F(東ソー社製)を充填したカラム
(1L)に供与し、カラムを純水で展開した。100m
l毎に溶出液を分画したところ、上記HPLCにて保持
時間21.2分の活性物質はフラクション5〜10に溶
出された。この画分を濃縮後、凍結乾燥し、2.7gの
粉末が得られた。
【0086】この粉末を200mlの水に溶解し4%ア
セトニトリルを含有する0.04%のトリフルオロ酢酸
水で平衡化したHPLCカラム(YMC−Pack O
DS−1050−20−SR:100φ×500mm:
ワイエムシィ社製)に供与し、カラムを4%アセトニト
リルを含有する0.04%のトリフルオロ酢酸水にて流
速208ml/分で展開した。溶出液を1L毎に分画し
たところ、活性物質はフラクション6および7に溶出さ
れた。
【0087】この画分を合併しエバポール(大川原製作
所社製)で200mlに濃縮した後、凍結乾燥すること
により、99mgの粉末が得られた。この粉末を5ml
の蒸留水に懸濁し、不溶物をろ別した。ろ液をロタリー
エバポレーターで2mlに濃縮し、凍結乾燥することに
より、87mgのA−500359E化合物が純品とし
て得られた。
【0088】A−500359E化合物は下記の物理化
学的性状を有する。 1)物質の性状:白色粉末状物質 2)溶解性:水に可溶、メタノールに難溶、ノルマルヘ
キサン、クロロホルムに不溶 3)分子式:C18H23N3O12 4)分子量:473(FAB マススペクトル法により測定) 5)高分解能FABマススペクトル法により測定した精密
質量、[M+H]+は、次に示す通りである: 実測値:474.1349 計算値:474.1359 6)紫外部吸収スペクトル:水中で測定した紫外部吸収
スペクトルは、次に示す極大吸収を示す: 251 nm (ε10,000) 7)旋光度:水中で測定した旋光度は、以下に示す値を
示す: [α]D 20:+115°(c 0.28) 8)赤外部吸収スペクトル:臭化カリウム(KBr)錠剤
法で測定した赤外部吸収スペクトルは、以下に示す極大
吸収を示す: 3410, 2955, 1683, 1464, 1441, 1396, 1309, 1267, 12
06, 1138, 1115, 1088, 1062, 1023 cm-1 9)1H-核磁気共鳴スペクトル:重ジメチルスルホキシ
ド中、内部基準にテトラメチルシランを用いて測定し
た、1H-核磁気共鳴スペクトルは、以下に示す通りであ
る: 3.24 (3H, s), 3.52 (1H, dd, J=4.5, 6.1Hz),
3.72 (3H, s), 3.98(1H, m), 4.10 (1H, m), 4.25 (1H,
m), 4.29 (1H, d, J=2.0Hz), 4.33 (1H, dd, J=2.0,
6.1Hz), 5.05 (1H, d, J=3.9 Hz), 5.16 (1H, d, J=6.
8Hz), 5.45 (1H, d, J=4.2Hz), 5.54 (1H, d, J=5.9H
z), 5.61 (1H, d, J=3.3Hz), 5.61 (1H,d, J=8.1Hz),
5.93 (1H, dd, J=1.3, 2.9 Hz), 7.56 (1H, br. s), 7.
69 (1H, br. s), 7.74 (1H, d, J=8.1 Hz) ppm. 10)13C-核磁気共鳴スペクトル:重ジメチルスルホキ
シド中、内部基準にテトラメチルシランを用いて測定し
た、13C-核磁気共鳴スペクトルは、以下に示す通りであ
る: 52.0 (q), 57.3 (q), 61.5 (d), 64.9 (d), 72.1
(d), 75.4 (d),78.2 (d), 81.3 (d), 89.0 (d), 99.2
(d), 101.2 (d), 114.2 (d), 139.2 (s),139.8 (d), 15
0.3 (s), 161.8 (s), 163.1 (s), 170.1 (s) ppm. 11)高速液体クロマトグラフィー(high per
formance liquid chromatog
raphy:以下、「HPLC」と記する。)分析: カラム: センシューパックODS-H-2151、6φ×150 mm
(センシュー科学社製) 溶媒:4%アセトニトリルを含有する0.04%トリフルオロ
酢酸水 流速:1.0 ml/分 検出:UV 210 nm 保持時間:21分。
【0089】実施例3. A−500359F化合物及
びA−500359H化合物の精製以降の精製において
は、活性画分を下記のカラム及び分析条件のHPLCで
モニターした。
【0090】 カラム:Senshu Pak ODS−H−2151 6φ×150mm(センシュー科学社製) 溶媒:0.04%トリフルオロ酢酸水 流速:1.5ml/分 検出:UV210nm 保持時間: 8分(A−500359H化合物) 18分(A−500359F化合物)。
【0091】実施例2で得られた素通り・洗浄画分42
LのpHを6Nの水酸化ナトリウムを用いて9に調整し
た後、ダイヤイオンPA316(Cl-)(三菱化学社
製)を充填したカラム(8.5L)に供与した。カラム
を27Lの純水で洗浄した後、吸着物を27Lの0.1
N塩酸で溶出した。
【0092】溶出液のpHを6Nの水酸化ナトリウムで
7に調整した後、この溶出液を活性炭カラム(2L)に
供与した。カラムを8Lの純水で洗浄した後、活性物質
を10%アセトンを含有する0.5Nアンモニア水8L
で溶出した。この溶出液を濃縮、凍結乾燥することによ
り、28gの粉末が得られた。
【0093】この粉末を400mlの蒸留水に溶解し、
pHを3.0に調節した後、純水で調製したダイヤイオ
ンCHP−20P(三菱化学社製)を充填したカラム
(2L)に供与した。通過液および水洗液を回収し、濃
縮、凍結乾燥することにより12gのアメ状物質が得ら
れた。
【0094】得られたアメ状物質を200mlの蒸留水
に溶解し、pHをトリフルオロ酢酸で3.3に調整した
後、0.04%のトリフルオロ酢酸水で平衡化したダイ
ヤイオンCHP−20P(三菱化学社製)を充填したカ
ラム(1L)に再度供与した。カラムを2Lの0.04
%のトリフルオロ酢酸水で展開し、0.8〜1.4Lの
間に溶出された画分(H画分)をプールした後、溶出液
を2Lの蒸留水に切り替え溶出した。蒸留水溶出画分2
L(F画分)を濃縮、凍結乾燥し、605mgの粉末が
得られた。
【0095】H画分600mlを蒸留水で1Lに希釈
し、pHをトリフルオロ酢酸で2.8に調整した後、
0.04%のトリフルオロ酢酸水で平衡化したダイヤイ
オンCHP−20P(三菱化学社製)を充填したカラム
(1L)に再度供与した。カラムを2.2Lの0.04
%のトリフルオロ酢酸水で溶出した。200ml毎に分
画したフラクション8〜11を濃縮、凍結乾燥し、23
3mgの粉末が得られた。
【0096】この粉末のうち100mgを5mlの水に
溶解し、各1mlを0.04%のトリフルオロ酢酸水で
平衡化したHPLCカラム(Senshu Pak O
DS−H−5251:20φ×250mm:センシュー
科学社製)に供与し、流速10ml/分で展開した。活
性画分の紫外部210nmの吸収を検出し、保持時間1
4分〜16分に溶出されるピークを5回分取した。得ら
れた画分をロータリーエバポレーターで濃縮後、凍結乾
燥し23mgのA−500359H化合物が純品として
得られた。
【0097】605mgのF画分凍結乾燥粉末を15m
lの水に溶解し、各1mlを0.04%のトリフルオロ
酢酸水で平衡化したHPLCカラム(Senshu P
akODS−H−5251:20φ×250mm:セン
シュー科学社製) に供与し、流速10ml/分で展開し
た。活性画分の紫外部210nmの吸収を検出し、保持
時間29分〜31分に溶出されるピークを15回分取し
た。得られた画分をロータリーエバポレーターで濃縮
後、凍結乾燥し、134mgのA−500359F化合
物が純品として得られた。
【0098】A−500359F化合物は、下記の物理
化学的性状を有する。 1)物質の性状:白色粉末状物質 2)溶解性:水に可溶、メタノールに難溶、ノルマルヘ
キサン、クロロホルムに不溶 3)分子式:C17H21N3O12 4)分子量:459(FAB マススペクトル法により測定) 5)高分解能FABマススペクトル法により測定した精密
質量、[M+H]+は、次に示す通りである: 実測値:460.1201 計算値:460.1203 6)紫外部吸収スペクトル:水中で測定した紫外部吸収
スペクトルは、次に示す極大吸収を示す: 262 nm (ε7,000) 7)旋光度:水中で測定した旋光度は、以下に示す値を
示す: [α]D 20:+111°(c 0.41) 8)赤外部吸収スペクトル:臭化カリウム(KBr)錠剤
法で測定した赤外部吸収スペクトルは、以下に示す極大
吸収を示す: 3391, 2941, 1684, 1466, 1400, 1333, 1269, 1205, 11
37, 1115, 1062, 1020cm-1 9)1H-核磁気共鳴スペクトル:重水中、水のシグナル
を4.75 ppmとして測定した、1H-核磁気共鳴スペクトル
は、以下に示す通りである: 3.37 (3H, s), 3.79 (1
H, dd, J=5.1, 6.4Hz), 4.17 (1H, ddd, J=1.6, 3.4,
4.6 Hz), 4.38 (1H,dd, J=3.5, 5.1 Hz), 4.48 (1H, d
d, J=2.4, 6.4 Hz), 4.49 (1H, ddd, J=0.6,2.7, 4.6 H
z), 4.69 (1H, d, J=2.4 Hz), 5.32 (1H, dd, J=0.6,
3.4 Hz), 5.77(1H, d, J=3.5 Hz), 5.90 (1H, d, J=8.1
Hz), 6.11 (1H, dd, J=1.6, 2.7 Hz), 7.75 (1H, d, J
=8.1 Hz) ppm. 10)13C-核磁気共鳴スペクトル:重水中、内部基準に
1, 4-ジオキサン (67.4ppm) を用いて測定した、13C-核
磁気共鳴スペクトルは、以下に示す通りである: 58.6
(q), 62.7 (d), 65.5 (d), 72.7 (d), 76.3 (d), 78.8
(d), 91.2 (d), 100.0 (d), 102.7 (d), 114.8 (d), 1
40.7 (s), 141.9 (d), 152.1 (s), 165.4 (s), 167.0
(s), 173.9 (s) ppm. 11)HPLC分析: カラム: センシューパックODS-H-2151、6φ×150 mm
(センシュー科学社製) 溶媒:0.04%トリフルオロ酢酸水 流速:1.5 ml/分 検出:UV 210 nm 保持時間18分。
【0099】A−500359H化合物は、下記の物理
化学的性状を有する。 1)物質の性状:白色粉末状物質 2)溶解性:水に可溶、メタノールに難溶、ノルマルヘ
キサン、クロロホルムに不溶 3)分子式:C16H19N3O12 4)分子量:445 5)高分解能FABマススペクトル法により測定した精密
質量、[M+H]+は、次に示す通りである: 実測値:446.1025 計算値:446.1047 6)紫外部吸収スペクトル:水中で測定した紫外部吸収
スペクトルは、次に示す極大吸収を示す: 262 nm (ε7,400) 7)旋光度:水中で測定した旋光度は、以下に示す値を
示す: [α]D 20:+115°(c 0.33) 8)赤外部吸収スペクトル:臭化カリウム (KBr)錠剤法
で測定した赤外部吸収スペクトルは、以下に示す極大吸
収を示す:3361, 2934, 1683, 1467, 1403, 1336, 127
0, 1206, 1114, 1090, 1058, 1021 cm-1 9)1H-核磁気共鳴スペクトル:重水中、水を4.75 ppm
として測定した1H-核磁気共鳴スペクトルは、以下に示
す通りである: 4.13 (br. t, J=5.4 Hz), 4.15-4.19
(2H), 4.43 (1H, dd, J=2.5, 5.8Hz), 4.48 (1H, dd, J
=2.9, 4.7 Hz), 4.72 (1H, d, J=2.5 Hz), 5.31 (1H,
d, J=4.0 Hz), 5.80 (1H, d, J=4.0 Hz), 5.89 (1H, d,
J=8.3 Hz), 6.12 (1H, dd, J=1.4, 2.9 Hz), 7.75 (1
H, d, J=8.3 Hz) ppm 10)13C-核磁気共鳴スペクトル:重水中、内部基準に
1, 4-ジオキサン (67.4ppm) を用いて測定した13C-核磁
気共鳴スペクトルは、以下に示す通りである:62.8
(d), 65.8 (d), 70.3 (d), 74.6 (d), 77.0 (d), 84.2
(d), 90.3 (d),100.3 (d), 102.9 (d), 113.9 (d), 14
1.2 (s), 141.9 (d), 152.2 (s), 165.9(s), 167.0
(s), 174.2 (s) ppm 11)HPLC分析: カラム: センシューパックODS-H-2151、6φ×150 mm
(センシュー科学社製) 溶媒:0.04%トリフルオロ酢酸水 流速:1.5 ml/分 検出:UV 210 nm 保持時間:8分。
【0100】実施例4. ストレプトマイセス・グリセ
ウス(Streptomycesgriseus)SA
NK60196(FERM BP−5420)株の培養
以下に記載する前培養培地500mlを入れた2Lの三
角フラスコに、SANK60196株を無菌的に4白金
耳接種し、次いで該フラスコ3本分をロータリー振とう
機中で23℃、210rpmにて振とうして、3日間の
第一前培養を行った。
【0101】前培養培地:下記の成分を水道水1000
ml中に含む。
【0102】 グルコース 20g 可溶性澱粉 10g 生イースト 9g 肉エキス 5g ポリペプトン 5g 塩化ナトリウム 5g 炭酸カルシウム 3g 消泡剤CB442 50mg (日本油脂社製) ――――――――――――――――――――――――――――――――――― pHを7.4に調整したのち121℃にて20分間滅菌した。
【0103】この第一前培養液を、同一の前培養培地3
0Lを入れた60Lのタンク1基に3%接種し、23℃
で1日通気攪拌培養を行った(第二前培養)。本培養は
以下に記載するようにして行った。すなわち、下記本培
養培地400Lの入った600L容タンク2基に、第二
前培養液を3%(v/v)接種した後、23℃で6日間
通気攪拌培養を行った。
【0104】前培養培地:下記の成分を水道水1000
ml中に含む。
【0105】 グルコース 20g 可溶性澱粉 10g 生イースト 9g 肉エキス 5g ポリペプトン 5g 塩化ナトリウム 5g 炭酸カルシウム 3g 消泡剤CB442 50mg (日本油脂社製) ―――――――――――――――――――――――――――――――――― pHを7.4に調整した後炭酸カルシウム3gを添加し、 125℃にて20分間滅菌した。
【0106】実施例5. A−500359E化合物の
精製 実施例4にて得られた培養終了液(810L)を、セラ
イト545(Celite Corporation社
製)をろ過助剤として、ろ過した。
【0107】以降の精製においては、活性画分を下記の
カラム及び分析条件のHPLCでモニターした。
【0108】カラム:YMC−Pack ODS−A
A−312 6φ×150mm(ワイエムシィ社製) 溶媒:4%アセトニトリルを含有する0.04%トリフ
ルオロ酢酸水 流速:1.0ml/分 検出:UV210nm 保持時間:19.8分。
【0109】得られたろ液800LをダイヤイオンHP
−20(三菱化学社製)を充填したカラム(160L)
に供与した。その後、カラムを640Lの純水で洗浄し
た後、素通り画分と洗浄画分を合併した(素通り・洗浄
画分)。吸着物質は348Lの10%アセトン水で溶出
した。
【0110】この溶出画分を10Lに濃縮した後、ダイ
ヤイオンCHP−20P(三菱化学社製)を充填したカ
ラム(45L)に供与した。その後、カラムを90Lの
純水、100Lの10%メタノール水および100Lの
15%メタノール水で洗浄し、吸着物質を100Lの2
0%メタノール水で溶出した。
【0111】20%メタノール水画分を5Lに濃縮した
後、濃縮液をトヨパールHW40F(東ソー社製)を充
填したカラム(22L)に供与した。カラムを純水で展
開し、5L毎に溶出液を分画したところ、上記HPLC
にて保持時間19.8分の活性物質はフラクション3〜
6に溶出された。この画分を5.8Lに濃縮後、凍結乾
燥し、55.8gの粉末が得られた。
【0112】この粉末を1.2Lの純水に溶解し、その
うち200mlを4%アセトニトリルを含有する0.0
4%のトリフルオロ酢酸水で平衡化したHPLCカラム
(YMC−Pack ODS−1050−20−SR:
100φ×500mm:ワイエムシィ社製)に供与し、
カラムを4%アセトニトリルを含有する0.04%のト
リフルオロ酢酸水にて流速200ml/分で展開した。
活性物質は105分から124分の間に溶出された。こ
の操作を6回くりかえし、得られた画分を合併しエバポ
ールで5Lに濃縮した後、凍結乾燥することにより、2
4.2gのA−500359E化合物が純品として得ら
れた。
【0113】実施例6.A−500359F化合物及び
A−500359H化合物の精製以降の精製において
は、活性画分を下記のカラム及び条件のHPLCでモニ
ターした。
【0114】 カラム:YMC−Pack ODS−A A−312 6φ×150mm(ワイエムシィ社製) 溶媒:0.04%トリフルオロ酢酸水 流速:1.5ml/分 検出:UV210nm 保持時間: 7.7分(A−500359H化合物) 16.6分(A−500359F化合物)。
【0115】実施例5で得られた素通り・洗浄画分13
70Lを、活性炭カラム(65L)に供与した。カラム
を260Lの純水で洗浄した後、活性物質を10%アセ
トンを含有する0.5Nアンモニア水270Lで溶出し
た。この溶出液を40Lに濃縮し、pHをトリフルオロ
酢酸で2.4に調節した後、0.04%のトリフルオロ
酢酸水で平衡化したダイヤイオンCHP−20P(三菱
化学社製)を充填したカラム(45L)に供与した。カ
ラムを0.04%のトリフルオロ酢酸水で展開し、0〜
47Lの間に溶出された画分(H画分)、47〜91L
の間に溶出された画分(F画分)が得られた。H画分は
1.5Lに濃縮し、F画分は濃縮の後、凍結乾燥し28
7gの粉末とした。
【0116】H画分の濃縮液を、純水で3.2Lに希釈
した。このうち160mlを0.04%のトリフルオロ
酢酸水で平衡化したHPLCカラム(YMC−Pack
ODS−1050−20−SR:100φ×500m
m:ワイエムシィ社製)に供与し、流速200ml/分
で展開した。活性画分の紫外部210nmの吸収を検出
し、保持時間67分〜72分に溶出されるピークを分取
した。この操作を20回繰り返し、得られた画分をエバ
ポール(大川原製作所社製)で濃縮後、凍結乾燥し、
5.9gのA−500359H化合物が純品として得ら
れた。
【0117】F画分の粉末のうち、277gを50Lの
純水に溶解し、pHをトリフルオロ酢酸で2.2に調整
した。この溶解液を0.04%のトリフルオロ酢酸水で
平衡化したダイヤイオンCHP−20P(三菱化学社
製)を充填したカラム(45L)に再度供与した。カラ
ムを97Lの0.04%のトリフルオロ酢酸水で洗浄し
た後、活性物質を120Lの純水で溶出した。この純水
溶出画分を濃縮、凍結乾燥し、75.6gのF画分凍結
乾燥粉末が得られた。
【0118】このF画分凍結乾燥粉末を4Lの水に溶解
し、このうち150mlを0.5%アセトニトリル−
0.04%トリフルオロ酢酸水混液で平衡化したHPL
Cカラム(YMC−Pack ODS−1050−20
−SR:100φ×500mm:ワイエムシィ社製)に
供与し、同一溶媒系を用いて流速200ml/分で展開
した。活性画分の紫外部210nmの吸収を検出し、保
持時間88分〜97分に溶出されるピークを分取した。
この操作を27回繰り返し、得られた画分を濃縮後、凍
結乾燥し、19.2gのA−500359F化合物が純
品として得られた。
【0119】実施例7.A−500359F化合物及び
A−50359Fアミド化合物の製造方法(A−500
359E化合物のアンモニア水による化学変換) 実施例2で得られたA−500359E化合物75mg
を2mlの0.5Nアンモニア水に溶解した。室温で2
時間放置した後、反応終了液を凍結乾燥し、78mgの
粉末が得られた。
【0120】この粉末を1mlの0.04%TFA水に
溶解し、各100μlを0.04%のトリフルオロ酢酸
水で平衡化したHPLCカラム(Capcellpak
UG 120Å:20φ×250mm:資生堂社製)
に供与し、0.04%のトリフルオロ酢酸水を用いて流
速10ml/分で展開した。活性画分の紫外部210n
mの吸収を検出し、保持時間21分〜22分に溶出され
るピークおよび保持時間31分〜33分に溶出されるピ
ークを10回に分けて分取した。
【0121】保持時間21分〜22分に溶出された画分
をロータリーエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥し、1
4mgのA−500359Fアミド化合物が純品として
得られた。
【0122】また、保持時間31分〜33分に溶出され
た画分をロータリーエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥
し、50mgのA−500359F化合物が純品として
得られた。
【0123】A−500359Fアミド化合物は、下記
の物理化学的性状を有する。 1)物質の性状:白色粉末状物質 2)溶解性:水に可溶、メタノールに難溶、ノルマルヘ
キサン、クロロホルムに不溶 3)分子式:C17H22N4O11 4)分子量:458(FAB マススペクトル法により測定) 5)高分解能FABマススペクトル法により測定した精密
質量、[M+H]+は、次に示す通りである: 実測値:459.1328 計算値:459.1364 6)紫外部吸収スペクトル:水中で測定した紫外部吸収
スペクトルは、次に示す極大吸収を示す: 258 nm (ε7,500) 7)旋光度:水中で測定した旋光度は、以下に示す値を
示す: [α]D 25:+119°(c 0.87) 8)赤外部吸収スペクトル:臭化カリウム(KBr)錠剤
法で測定した赤外部吸収スペクトルは、以下に示す極大
吸収を示す:3339, 2943, 1686, 1598, 1495, 1402, 13
37, 1272, 1205, 1136, 1115, 1060, 1019 cm-1 9)1H-核磁気共鳴スペクトル:重水中、水のシグナル
を4.75 ppmとして測定した、1H-核磁気共鳴スペクトル
は、以下に示す通りである: 3.30 (3H, s) 3.67(1H,
dd, J=5.0, 6.8 Hz), 4.17 (1H, ddd, J=1.8, 2.9, 4.4
Hz), 4.35 (1H,dd, J=3.2, 5.0 Hz), 4.43 (1H, dd, J
=2.3, 6.8 Hz), 4.45 (1H, dd, J=2.4, 4.4 Hz), 4.66
(1H, d, J=2.3 Hz), 5.35 (1H, d, J=2.9 Hz), 5.71 (1
H, d, J=3.2 Hz), 5.85 (1H, d, J=8.1 Hz), 5.97 (1H,
dd, J=1.8, 2.4 Hz), 7.71 (1H,d, J=8.1 Hz) ppm. 10)13C-核磁気共鳴スペクトル:重水中、内部基準に
1, 4-ジオキサン (67.4ppm) を用いて測定した、13C-核
磁気共鳴スペクトルは、以下に示す通りである: 58.6
(q), 62.7 (d), 65.3 (d), 72.6 (d), 75.7 (d), 78.7
(d), 82.3 (d), 91.3 (d), 99.8 (d), 102.7 (d), 11
0.8 (d), 141.9 (d), 142.3 (s), 152.1(s), 166.0
(s), 167.0 (s) ppm. 11)HPLC分析: カラム: センシューパックODS-H-2151、6φ×150 mm
(センシュー科学社製) 溶媒:0.04%トリフルオロ酢酸水 流速:1.5 ml/分 検出:UV 210 nm 保持時間:11分。
【0124】実施例8. A−500359F化合物の
製造方法(A−500359E化合物の水酸化ナトリウ
ムによる加水分解) 実施例2で得られたA−500359E化合物4.4m
gを0.5mlの蒸留水に溶解した。0.5mlの0.
02N水酸化ナトリウム水を滴下した後、1mlの0.
1N水酸化ナトリウム水を滴下し、室温にて50分間放
置した。反応液を1Nの塩酸で中和した後、2mlの活
性炭カラムに供与した。カラムを8mlの蒸留水で洗浄
した後、8mlの10%アセトンを含有する0.5Nア
ンモニア水で反応物質を溶出させた。
【0125】この溶出液を700μlに濃縮した後、2
30μlを0.04%のトリフルオロ酢酸水で平衡化し
たHPLCカラム(Senshu Pak ODS−H
−4251:10φ×250mm:センシュー科学社
製)に供与し、流速4ml/分で展開した。活性物質の
紫外部210nmの吸収を検出し、保持時間25分〜3
0分に溶出されるピークを分取した。この操作を3回繰
り返し、得られた画分をロータリーエバポレーターで濃
縮後、凍結乾燥し、2.6mgのA−500359F化
合物が純品として得られた。
【0126】実施例9. ストレプトマイセス・グリセ
ウス(Streptomycesgriseus)SA
NK60196(FERM BP−5420)株の培養
以下に記載する組成の培地100mlを入れた500m
lの三角フラスコ(種フラスコ)にSANK60196株
を無菌的に1白金耳接種し、次いで該フラスコをロータ
リー振とう機中で23℃、210rpmにて振とうし
て、3日間の前培養を行った。
【0127】前培養培地:下記の成分を水道水1000
ml中に含む。
【0128】 マルトース 30g 肉エキス 5g ポリペプトン 5g 塩化ナトリウム 5g 炭酸カルシウム 3g 消泡剤CB442 50mg ――――――――――――――――――――――――――――――――――― pHを7.4に調製した後121℃にて30分間滅菌した。 本培養は以下に記載するようにして行った。すなわち、
滅菌済みの下記の組成の培地100mlの入った500
ml容三角フラスコに前培養液を3%(V/V)植菌
し、次いで該フラスコ10本分をロータリー振とう機中
で23℃、210rpmにて振とうして、11日間培養
を行った。
【0129】本培養培地:下記の成分を水道水1000
ml中に含む。
【0130】 グルコース 50g 肉エキス 4g ポリペプトン 3g スキムミルク 10g コーンスチープリカー 10g 塩化ナトリウム 5g 消泡剤CB442 50mg ―――――――――――――――――――――――――――――――――― pHを7.4に調製した後125℃にて30分間滅菌した。
【0131】実施例10.A−500359J化合物の
精製 以降の精製においては、活性画分を下記のカラム及び条
件のHPLCでモニターした。
【0132】カラム:PegasilODS 6φ×150mm(センシュー科学(株)社製) 溶媒:0.04%トリフルオロ酢酸水 流速:1.0ml/分 検出:UV260nm 保持時間:5.57分。
【0133】実施例9で得られた培養液を、セライト5
45をろ過助剤として5%(W/V)添加した後、ろ過
した。得られたろ液(1L)を、ダイアイオンHP−2
0(200ml)カラムに供与し、その後カラムを蒸留
水(500ml)で洗浄した。通過画分及び水洗画分の合
併液1.5LのpHを6Nの水酸化ナトリウムを用いて
9に調製した後、ダウエックスSBR−P(OH-)カ
ラム(100ml)に供与した。カラムを蒸留水(30
0ml)で洗浄した後、吸着物を300mlの1N塩酸
水で溶出した。
【0134】溶出後のpHを6Nの水酸化ナトリウムで
7に調製した後、この溶出液を活性炭カラム(50m
l)に供与した。カラムを蒸留水(100ml)で洗浄
した後、活性物質を60%アセトン水(200ml)で
溶出した。この溶出液を濃縮、凍結乾燥することによ
り、558mgの粉末が得られた。
【0135】この粉末を5mlの蒸留水に溶解し、各5
00μlを0.05%のトリフルオロ酢酸水で平衡化し
たHPLCカラム(センシューパックPegasilO
DS:20φx250mm:センシュー科学(株)社製)に
供与し、流速10.0ml/分で展開した。活性画分の紫
外部260nmの吸収を検出し、保持時間11.1分に
溶出されるピークを10回分取した。得られた画分をロ
ータリーエバポレーターで濃縮後、凍結乾燥し16.2
mgのA−500359J物質が純品として得られた。
【0136】A−500359J化合物は、下記の物理
化学的性状を有する。 1)物質の性状:白色粉末状物質 2)溶解性:水に可溶、メタノールに難溶、ノルマルヘ
キサン、クロロホルムに不溶 3)分子式:C16H21N3O13 4)分子量:463(FABマススペクトル法により測定) 5)高分解能FABマススペクトル法により測定した精密
質量、[M-H]-は、次に示す通りである: 実測値:462.0996 計算値:462.1006 6)紫外吸収スペクトル:水中で測定した紫外吸収スペ
クトルは、次に示す極大吸収を示す: 194(ε8800)、262(ε10000)nm 7)旋光度:水中で測定した旋光度は、以下に示す値を
示す: [α]D 28:+83°(c 0.1、H2O) 8)赤外部吸収スペクトル:臭化カリウム (KBr)錠剤法
で測定した赤外部吸収スペクトルは、以下に示す極大吸
収を示す:3372, 2931, 1684, 1467, 1407, 1273, 120
4, 1107, 1058 cm-1 9)1H-核磁気共鳴スペクトル:重水中、内部基準に1,4
-ジオキサン(3.53ppm)を用いて測定した1H-核磁気共鳴
スペクトルは、以下に示す通りである: 3.75 (1H,
t, J=3.4 Hz), 3.83 (1H, ddd, J=1.4, 1.9, 3.4 Hz),
4.02 (1H, ddd, J=1.4, 1.7, 3.4Hz), 4.05 (1H, dd, J
=5.3, 5.6 Hz), 4.11 (1H, t, J=5.6 Hz),4.13 (1H, d
d, J=3.1, 5.6 Hz), 4.30 (1H, d, J=5.3 Hz), 4.33 (1
H, d, J=1.7Hz), 4.90 (1H, d, J=1.9 Hz), 5.50 (1H,
d, J=3.1 Hz), 5.7 (1H,d, J=8.2 Hz), 7.6 (1H, d, J=
8.2 Hz) ppm 10)13C-核磁気共鳴スペクトル:重水中、内部基準に
1, 4-ジオキサン (67.4ppm) を用いて測定した13C-核磁
気共鳴スペクトルは、以下に示す通りである:64.4
(d), 68.8 (d), 68.9 (d), 69.7 (d), 71.4 (d), 73.0
(d), 75.4 (d),82.8 (d), 90.7 (d), 99.2 (d), 101.7
(d), 141.6 (d), 151.0 (s), 165.9 (s), 171.9 (s), 1
72.6 (s) ppm 11)HPLC分析: カラム: センシューパックODS-H-2151、6φ×150 mm
(センシュー科学社製) 溶媒:0.05%トリフルオロ酢酸水 流速:1.0 ml/分 検出:UV 260 nm 保持時間:5.57分。
【0137】実施例11.ストレプトマイセス・グリセ
ウス(Streptomycesgriseus)SA
NK60196(FERM BP−5420)株の培養
以下に記載する組成の培地100mlを入れた500m
lの三角フラスコ(種フラスコ)にSANK60196株
を無金的に1白金耳接種し、次いで該フラスコ4本分を
ロータリー振とう機中で23℃、210rpmにて振と
うして、3日間の前培養を行った。
【0138】前培養培地:下記の成分を水道水1000
ml中に含む。
【0139】 マルトース 30g 肉エキス 5g ポリペプトン 5g 塩化ナトリウム 5g 炭酸カルシウム 3g 消泡剤CB442 50mg ――――――――――――――――――――――――――――――――――― pHを7.4に調製した後121℃にて30分間滅菌した。
【0140】本培養は以下に記載するようにして行っ
た。すなわち、滅菌済みの下記の組成の培地100ml
の入った500ml容三角フラスコに前培養液を3%
(V/V) 植菌し、次いで該フラスコ10本をロータ
リー振とう機中で23℃、210rpmにて振とうし培
養をした。培養開始後6時間目にフィルター除菌したS
-(2-アミノエチル)-L-システイン塩酸塩およびL-ア
リルグリシンを終濃度10mMとなるように添加した
後、引き続き7日間培養を行った。
【0141】本培養培地:下記の成分を水道水1000
ml中に含む。
【0142】 マルトース 30g イーストエキス 5g (Difco社製) 肉エキス 5g ポリペプトン 5g 塩化ナトリウム 5g 炭酸カルシウム 3g 消泡剤CB442 50mg ―――――――――――――――――――――――――――――――――― pHを7.4に調製した後125℃にて30分間滅菌した。
【0143】実施例12. A-500359M−3物
質の精製 実施例11にて得られた培養終了液(1L)を、3000
rpmで20分間遠心分離し、得られた上清より精製し
た。
【0144】以降の精製においては、活性画分を下記の
カラム及び条件のHPLCでモニターした。
【0145】カラム:PegasilODS 6φ×150mm(センシュー科学(株)社製) 溶媒:7.2%アセトニトリル-0.05%トリフルオ
ロ酢酸水 流速:1.0ml/分 検出:UV260nm 保持時間:10.1分。
【0146】上清(1L)のpHをトリフルオロ酢酸を用
いて3に調整後、0.05%トリフルオロ酢酸水で平衡
化したダイヤイオンHP−20カラム(200ml)に
供与した。その後、カラムを0.05%のトリフルオロ
酢酸水(500ml)で洗浄し、蒸留水(500ml)で
溶出した。得られた蒸留水溶出画分(500ml)を濃
縮、凍結乾燥し230mgの粗粉末が得られた。
【0147】この粗粉末を2mlの蒸留水に溶解し、そ
のうち500μlを7%アセトニトリルを含有する0.
05%のトリフルオロ酢酸水で平衡化したHPLCカラ
ム(PegasilODS:20φx250mm:センシ
ュー科学(株)社製)に供与した。
【0148】カラムを同一溶媒で流速10.0ml/分
で展開し、260nmの紫外部吸収でモニターしたとこ
ろ、活性物質は28.0分に溶出された。この操作を4
回繰り返し得られた溶出液を合併し濃縮した後凍結乾燥
することにより、11.1mgのA−500359M−
3物質が純品として得られた。
【0149】A−500359M−3化合物は、下記の
物理化学的性状を有する。 1)物質の性状:白色粉末状物質 2)溶解性:水、メタノールに可溶、ノルマルヘキサ
ン、クロロホルムに不溶 3)分子式:C22H28N4O13 4)分子量:556 (FABマススペクトルにより測定) 5)高分解能FABマススペクトル法により測定した精密
質量、[M+H]+は、次に示す通りである: 実測値:557.1754 計算値:557.1731 6)紫外部吸収スペクトル:水中で測定した紫外部吸収
スペクトルは、次に示す極大吸収を示す: 236 nm (ε10,000) 7)旋光度:水中で測定した旋光度は、以下に示す値を
示す: [α]D 26:+92°(c 0.1, H2O) 8)赤外部吸収スペクトル:臭化カリウム (KBr)錠剤法
で測定した赤外部吸収スペクトルは、以下に示す極大吸
収を示す:3407, 2938, 1684, 1524, 1465, 1399, 138
5, 1335, 1268, 1205, 1139, 1118,1095, 1063, 1021
cm-1 9)1H-核磁気共鳴スペクトル:重水中、内部基準に1,4
-ジオキサンを用いて測定した1H-核磁気共鳴スペクトル
は、以下に示す通りである: 2.44 (1H, ddd,J=4.3,
7.3, 13.3 Hz), 2.52 (1H, ddd, J=4.3, 7.5, 13.3 H
z), 3.27 (3H, s),3.66 (1H, t, J=5.5 Hz), 4.17 (1H,
ddd, J=1.1, 2.5, 3.1 Hz), 4.32 (1H, dd, J=3.7, 5.
5 Hz), 4.33 (1H, t, J=4.3 Hz), 4.45 (1H, m), 4.46
(1H, m), 4.73 (1H overlapped with HDO) , 5.07 (1H,
d, J=10.2 Hz) , 5.36 (1H, d, J=3.1 Hz) , 5.51 (1
H, d, J=17.1 Hz) , 5.58 (1H, d, J=8.1 Hz) , 5.73
(1H, m) , 5.74 (1H, d, J=3.7 Hz) , 5.95 (1H, dd, J
=1.1, 1.9 Hz) , 7.72 (1H, d,J=8.1 Hz) ppm 10)13C-核磁気共鳴スペクトル:重水中、内部基準に
1, 4-ジオキサン (67.4ppm) を用いて測定した13C-核磁
気共鳴スペクトルは、以下に示す通りである:37.1
(t), 55.4 (d), 58.6 (q), 62.6 (d), 65.3 (d), 72.6
(d), 75.7 (d),78.9 (d), 82.4(d), 90.6(d), 99.8(d),
102.6(d), 109.9(d), 119.0(t), 134.0(d), 1414.7
(d), 142.2 (s), 152.0 (s), 162.3 (s), 166.8 (s), 1
73.6 (s), 177.6 (s) ppm 11)HPLC分析: カラム: Pegasil ODS 6φ×150 mm(センシュー科学社製) 溶媒:7.2%アセトニトリル-0.05%トリフルオロ酢酸水 流速:1.0 ml/分 検出:UV 260 nm 保持時間:10.1分。
【0150】試験例1. 抗菌活性の測定 直径8mmのペーパーディスクを用い、ディスク1枚当
たり被検検体40μgを含むいわゆるディスクアッセイ
(東京大学農学部農芸化学教室編「実験農芸化学 第3
版、下巻」:朝倉書店、1978年)を行った。マイコ
バクテリウム・スメグマティス(Mycobacter
ium smegmatis)SANK75075に対
してA−500359E化合物は直径12mm、A−5
00359Fアミド化合物は直径12mm、A−500
359M−3化合物も直径12mmの阻止円を示した。
【0151】製剤例1.A−500359E化合物、A
−500359F化合物、A−500359Fアミド化
合物、A−500359H化合物、A−500359J
化合物又はA−500359M−3化合物100mg、
乳糖100mg、トウモロコシ澱粉148.8mg、ス
テアリン酸マグネシウム1.2mg(全量350mg)
の各粉末を混合し、60メッシュのふるいに通した後、
この粉末をゼラチンカプセルに入れ、カプセル剤とす
る。
【0152】
【発明の効果】本発明の化合物及びその薬学的に許容さ
れる塩は、マイコバクテリア(Mycobacteri
um)を含む各種細菌に対して優れた抗菌力を示すの
で、それらの細菌に起因する感染症の予防薬または治療
薬として有用である。また、本発明の化合物は、各種細
菌感染症の予防薬または治療薬を目指した、有機化学的
変換および微生物学的変換を用いた誘導体合成における
原料化合物としても有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C12N 1/20 C12R 1:465) (C12P 17/16 C12R 1:465) (72)発明者 高津 敏夫 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 宮越 俊一 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 木塚 正明 茨城県つくば市御幸が丘33 三共株式会社 内 (72)発明者 小川 恭正 福島県いわき市泉町下川字大剱389−4 三共株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I) 【化1】 で示されるA−500359E化合物又はその塩。
  2. 【請求項2】下記式(II) 【化2】 で示されるA−500359F化合物又はその塩。
  3. 【請求項3】下記式(III) 【化3】 で示されるA−500359Fアミド化合物又はその
    塩。
  4. 【請求項4】下記式(IV) 【化4】 で示されるA−500359H化合物又はその塩。
  5. 【請求項5】下記式(V) 【化5】 で示されるA−500359J化合物又はその塩。
  6. 【請求項6】下記式(VI) 【化6】 で示されるA−500359M−3化合物又はその塩。
  7. 【請求項7】ストレプトマイセス(Streptomy
    ces)属に属する請求項1、請求項2、請求項4又は
    請求項5記載の化合物の生産菌を培養し、その培養物よ
    り該化合物を採取することを特徴とする、該化合物の製
    造法。
  8. 【請求項8】ストレプトマイセス(Streptomy
    ces)属に属する請求項1、請求項2、請求項4又は
    請求項5記載の化合物の生産菌がストレプトマイセス・
    グリセウス(Streptomyces griseu
    s)SANK60196(FERM BP−5420)
    である、請求項7に記載の製造法。
  9. 【請求項9】ストレプトマイセス(Strptomyc
    es)属に属し、請求項1、請求項2、請求項4又は請
    求項5記載の化合物を生産することを特徴とする微生
    物。
  10. 【請求項10】ストレプトマイセス・グリセウス(St
    reptomyces griseus)SANK60
    196(FERM BP−5420)である、請求項9
    に記載の微生物。
  11. 【請求項11】請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4、請求項5又は請求項6記載の化合物、もしくはその
    薬理学的に許容される塩を含むことからなる医薬。
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