JPH05268974A - Ws6845物質、その製法及び用途 - Google Patents

Ws6845物質、その製法及び用途

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JPH05268974A
JPH05268974A JP3183914A JP18391491A JPH05268974A JP H05268974 A JPH05268974 A JP H05268974A JP 3183914 A JP3183914 A JP 3183914A JP 18391491 A JP18391491 A JP 18391491A JP H05268974 A JPH05268974 A JP H05268974A
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culture
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methanol
microbial cells
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JP3183914A
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Susumu Miyata
田 進 宮
Toshiaki Iwamoto
元 俊 朗 岩
Shigehiro Takase
瀬 茂 弘 高
Sumio Kiyoto
遠 純 夫 清
Masakuni Okuhara
原 正 国 奥
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Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 放線菌に属するストレプトミセス エスピー
No.6845株(Streptomyces s
p.No.6845)を培養して、融点が220℃より
も高い白色粉末物質、WS6845物質を製造する。 【効果】 この物質は、すぐれたエンドセリン拮抗作用
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、WS6845物質、そ
の製法及び用途に関するものである。WS6845物質
は、ストレプトミセス属菌の培養物から分離採取された
従来未知の新規物質であり、すぐれたエンドセリン拮抗
作用を示し、医薬、特にクモ膜下出血後の脳血管れん
縮、心筋梗塞、急性腎不全等虚血疾患の予防、治療剤と
して有用である。
【0002】
【従来の技術】エンドセリン(Endothelin)
については、柳沢らにより1988年にNature
〔Nature 332,441(1988)〕に発表
されて以来多数の報告があり、クモ膜下出血後の脳血管
れん縮、心筋梗塞、急性腎不全という3大虚血疾患の病
態における密接な関与が証明されている。
【0003】また最近になって、急性腎不全モデル、心
筋梗塞モデルにおいてエンドセリン抗血清が有効である
ことが示され、これらの病態におけるエンドセリンの関
与が実証された。
【0004】そこで、当業界においては、これら虚血疾
患の個々についてこれを完全に予防ないし治療するのに
有効な薬剤の開発が希求されており、またこれらの病因
のひとつであるエンドセリンについてこれを抑制し、も
って虚血疾患に対処することのできる薬剤についてもそ
の開発が強く希求されている。
【0005】
【発明が解決すべき課題】本発明はこのような技術の現
状に鑑みてなされたものであって、本発明は、すぐれた
エンドセリン拮抗作用を有する物質を開発することをそ
の目的とするものである。
【0006】また本発明の目的は、エンドセリン拮抗作
用を利用して、癌とならんで現代の成人病の重要な部分
を構成するクモ膜下出血後の脳血管れん縮、心筋梗塞及
び/又は急性腎不全に対して、これらを有効に予防及び
/又は治療できる新規薬剤を開発することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために既知の化学物質についてのスクリーニングを
行ったけれども目的達成には至らなかった。
【0008】そこで本発明者らは微生物の発酵生産物に
着目し、各種微生物を検索した結果、宮城県松島の土壌
から分離した微生物No.6845株が培養液中に目的
物質を蓄積することを発見した。そして更にこの物質に
ついてその理化学的性質を詳細に研究したところ、従来
未知の新規物質であることを確認し、この物質を新たに
WS6845物質と命名し、そして更に研究の結果、こ
の工業的製法を確立し、またエンドセリン拮抗作用も併
せて確認し、本発明を完成するに至った。
【0009】本発明に係るWS6845物質は、下記の
表2に示される理化学的性質を有している。
【0010】
【表2】
【0011】本発明に係るWS6845物質は、例えば
本発明者らが宮城県松島で採取した土壌サンプルから新
たに分離した微生物No.6845株によって生産され
る。
【0012】本菌株の形態、培養性状、生理的性質等菌
学的性質についての研究の内、培地、方法はシャーリン
グとゴットリーブ(下記の表3で示される各参考文献の
内の1)、ワックスマン(同じく参考文献2)に従っ
た。それぞれの培養は30℃で14日間行った後、観察
した。形態観察は、酵母エキス・麦芽エキス寒天、オー
トミール寒天、無機塩・でんぷん寒天で培養後、光学及
び走査型電子顕微鏡で観察した。炭素源の利用性はプリ
ドハム・ゴットリーブの培地(参考文献3)、生育温度
は酵母エキス・麦芽エキス寒天を用いた。色名は“メシ
ューエン・ハンドブック・オブ・カラー”(参考文献
4)から引用した。細胞壁中のアミノ酸はベッカー等
(参考文献5)、山口(参考文献6)の方法に従った。
以下に、本発明の菌学的性質を示す。
【0013】
【表3】
【0014】
【(1)形態的特徴】基生菌糸はよく発達し、不規則に
分枝するが断裂しない。基生菌糸から伸長した気菌糸は
単純分枝し、長い胞子鎖を形成する。気菌糸の形は波
状、ループ状又は不完全ならせん状でプリドハム等の分
類(参考文献7)のRAタイプに属する。1つの胞子連
鎖は20個以上の胞子からなる。胞子は、表面が平滑
で、0.5−0.7×0.7−0.9μmの大きさの卵
型であった。菌核、胞子のう、遊走子等は観察されなか
った。
【0015】
【(2)培養性状】結果を下記の表4、表5で示される
第1表に示す。気菌糸の色は白色から黄味白、茶味灰を
呈し、成熟すると湿潤化し黒色化することが多い。生育
裏面の色は、明るい黄から灰味黄を呈す。オートミール
寒天、無機塩・でんぷん寒天で明るい黄色の可溶性色素
がわずかに産生された。菌体内色素、可溶性色素はpH
感受性ではない。メラノイド色素生産はみられなかっ
た。
【0016】
【表4】
【0017】
【表5】
【0018】
【(3)細胞壁タイプ】全菌体分解物の分析の結果、L
L−ジアミノピメリン酸の存在が確認できた。従った本
菌株の細胞壁はI型と考えられる。
【0019】
【(4)生理的性質】本菌の生理的性質を、下記の表
6、表7で表わされる第2表、第3表に示した。
【0020】
【表6】
【0021】
【表7】
【0022】以上述べた特徴、特に形態観察及び化学分
析の結果から、本菌株はストレプトミセス(Strep
tomyces)属に属すると考えられた(参考文献
8、9)。よって本菌株をストレプトミセス・エスピー
・No.6845(Streptomyces sp.
No.6845)と命名した。このNo.6845株
は、通産省工業技術院微生物工業技術研究所に寄託され
ている(受託番号FERMP−12107、寄託日:1
991年 3月14日)。
【0023】本物質の生産は、単に説明を目的として挙
げただけの本明細書記載の特定の微生物の使用に限定さ
れるものではないことを理解すべきである。この発明
は、記載の微生物からX線照射、紫外線照射、N−メチ
ル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン、2−アミ
ノプリン等の変異処理により取得できる人工変異株並び
に自然変異株を含めて本物質を生産しうる全ての変異株
の使用をも包含するものである。
【0024】本発明に係る物質は、ストレプトミセス属
に属する該物質生産菌(例えばStreptomyce
s sp.No.6845)を資化しうる炭素及び窒素
源を含む栄養培地中に接種し、好気条件下で培養するこ
とにより(例えば、振とう培養、通気攪拌培養等)、生
産せしめることができる。
【0025】炭素源としては、グルコース、シュークロ
ース、澱粉、変性澱粉、フラクトース、グリセリンその
他の炭水化物を使用するのが好ましい。
【0026】窒素源としては、オートミール、酵母エキ
ス、ペプトン、グルテンミール、綿実粉、綿実油粕、大
豆粉、コーンスティープリカー、乾燥酵母、小麦胚芽、
落花生粉、チキン骨肉ミール等を使用するのが好ましい
が、アンモニウム塩(例えば、硝酸アンモニウム、硫酸
アンモニウム、リン酸アンモニウム等)尿素、アミノ酸
等の無機及び有機の窒素化合物も有利に使用することが
できる。
【0027】これらの炭素源及び窒素源は、併用するの
が有利であるが、純粋なものを必らずしも使用する必要
はない。不純なものには、生長因子や微量要素が含まれ
ている場合などもあり、有利な場合があるからである。
【0028】必要ある場合には、例えば次のような無機
塩類を培地に添加してもよい:炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、塩化ナト
リウム、塩化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリ
ウム、マグネシウム塩、銅塩、コバルト塩等。
【0029】特に、培地が強く発泡するのであれば、必
要あるときに、液体パラフィン、動物油、植物油、鉱物
油、シリコン等を添加してもよい。
【0030】目的物質を大量に工業生産するには、他の
発酵生産物の場合と同様に、通気攪拌培養するのが好ま
しい。少量生産の場合は、フラスコを用いる振とう培養
が好適である。
【0031】また、培養を大きなタンクで行う場合、本
物質の生産工程において菌の生育遅延を防止するため、
はじめに比較的少量の培地に生産菌を接種培養した後、
次に培養物を大きな生産タンクに移してそこで生産培養
するのが好ましい。この場合、前培養に使用する培地及
び生産培養に使用する培地の組成は、両者ともに同一で
あってもよいし必要あれば両者を変えてもよい。
【0032】培養は通気攪拌条件で行うのが好ましく、
例えばプロペラやその他機械による攪拌、ファーメンタ
ーの回転または振とう、ポンプ処理、空気の吹込み等既
知の方法が適宜使用される。通気用の空気は滅菌したも
のを用いる。
【0033】培養温度は、本物質生産菌が本物質を生産
する範囲内で適宜変更しうるが、通常は1〜40℃、好
ましくは10〜36℃で培養するのがよい。培養時間
は、培養条件や培養量によっても異なるが通常は約1日
〜1週間である。
【0034】発酵終了後、培養物から目的とする本物質
を回収する。すなわち、菌体は、直接水及び/又は有機
溶媒による抽出、あるいは、これを機械的に又は超音波
等既知の手段を用いて破壊した後、水及び/又は有機溶
媒で抽出した後、常法にしたがって回収、精製する。培
養液の場合は、直接、常法にしたがって回収、精製すれ
ばよい。
【0035】回収、精製方法としては、例えば、水、有
機溶媒、これらの混合溶媒による溶媒抽出:クロマトグ
ラフィー;単一溶媒又は混合溶媒からの再結晶等常法が
適宜単独であるいは組合わせて使用できる。
【0036】本物質の回収、精製は、上記のように既知
の方法を適宜利用して行うが、例えば次のようにしても
よい。先ず培養物をアセトン水で抽出し、中性吸着樹脂
〔例えばHP−20(三菱化成社製)〕に吸着させ、メ
タノールで溶出し、溶出液からメタノールを除去した後
加水する。水相にメタノールを加え、これを逆相クロマ
トグラフィー処理し、アセトニトリル溶出液を得る。そ
の内のメインフラクションについて、中性樹脂吸着処
理、メタノール溶出液の濃縮、乾固処理することによっ
て、目的物質粉末を得る。また他方サイドフラクション
についても、逆相クロマトグラフィー処理を行った後に
メインフラクションと同様の分離精製処理をくり返すこ
とによって、目的物質粉末を得ることができる。
【0037】本発明に係る薬剤組成物は、WS6845
物質及び/又はその塩を有効成分としてこれに常用され
る無機又は有機の担体を加えて、固体、半固体又は液体
の形で、経口投与剤のほか、外用剤等の非経口投与剤に
製剤化する。
【0038】経口投与のための製剤としては、錠剤、丸
剤、顆粒剤、軟・伸カプセル剤、散剤、細粒剤、粉剤、
乳濁剤、懸濁剤、シロップ剤、ペレット剤、エリキシル
等が挙げられる。非経口投与のための製剤としては、注
射剤、点滴剤、輸液、軟膏、ローション、トニック、ス
プレー、懸濁剤、油剤、乳剤、坐剤等が挙げられる。本
発明の有効成分を製剤化するには、常法にしたがえばよ
く、界面活性剤、賦形剤、着色料、着香料、保存料、安
定剤、緩衝剤、懸濁剤、等張剤その他常用される佐薬を
適宜使用する。
【0039】本発明に係る薬剤組成物の投与量は、その
種類、治療ないし予防対象疾病の種類、投与方法、患者
の年令、患者の症状、処理時間等によって相違するが、
静脈投与の場合は成人ひとり当り1日に有効成分(本物
質)を0.01〜1000mg/kg、好ましくは0.
1〜100mg/kg投与し、筋肉投与の場合は同じく
0.01〜1000mg/kg、好ましくは0.1〜1
00mg/kg投与し、経口投与の場合も同じく0.5
〜2000mg/kg、好ましくは1〜1000mg/
kgの範囲内で投与する。
【0040】以下、本発明を実施例について更に詳しく
説明する。
【0041】
【実施例1】
【0042】
【(1)No.6845株の培養】変性澱粉1%、シュ
ークロース1%、グルコース1%、綿実粉1%、ペプト
ン0.5%、脱脂大豆粉0.5%、CaCO3 0.1
%からなる培地を500ml容三角フラスコに160m
l分注し、121℃、30分間滅菌した。これにStr
eptomyces sp.No.6845(FERM
P−12107)のスラントを一白金耳接種し30
℃、72時間ロータリーシェーカー(毎分250回転)
で培養を行い種培養液とした。
【0043】別にシュークロース4%、チキンミートボ
ーンミール2%、ファーマメディア1%、グルテンミー
ル1%、乾燥酵母 1%からなる培地を、200 l容ジ
ャーファメンターに150 l注入し、消泡剤としてアデ
カノール LG−109(旭電化工業(株))0.05
%を添加し、121℃、30分間滅菌後上記の種培養液
を2%接種し、通気量20 l/分、内圧1kg/c
2、回転数250回転/分、30℃で108時間攪拌
培養を行った。
【0044】
【(2)WS6845物質の精製(1)】上記の培養方
法で得られた培養液150 lにラジオライト5kgを添
加後、濾過し菌体を得た。その菌体に70 lの水と10
0 lのアセトンを加え、攪拌しながら室温で一晩抽出
後、濾過し菌体抽出液180 lを得た。その抽出液を水
220 lで希釈し、計400 lを8 lのHP−20(三
菱化成)に付した。水32 l次いで40%メタノール水
32 lでカラムを洗浄した後、目的物質をメタノール5
0 lで溶出した。得られた溶出液のメタノールを減圧下
で蒸発させ、水を加え4 lとした。これを6NのHCl
でpHを5.0に調整した後、ヘキサン−酢酸エチル
1:3の混合溶媒6 lで洗浄した。その水層中に残る溶
媒を減圧下で除去した後、メタノール1 lを加え、20
%メタノール溶液とした。次にその溶液を、予め0.0
5%トリフルオロ酢酸(TFA)含有10%アセトニト
リル水で平衡化した逆層系担体、YMC−GEL OD
S−AM120−S50(株式会社山村化学研究所)1
lに付し、0.05%TFA含有20%アセトニトリル
水、0.05%TFA含有30%アセトニトリル水、
0.05%TFA含有33%アセトニトリル水、各々2
lずつでカラムを洗浄した後、0.05%TFA含有3
7%アセトニトリル水1.5 lでWS6845物質を溶
出した。その溶出活性画分を水で2倍に希釈した後、H
P−20 70mlのカラムに付し、水200ml、5
0%メタノール水200mlで洗浄した後、メタノール
400mlでWS6845物質を溶出した。溶出画分は
減圧下、濃縮乾固し、その残さに少量のメタノールを加
え、生ずる沈澱を濾取した。これを少量のメタノールで
洗浄後、乾燥させることによりWS6845物質の白色
粉末776mgを得た。また、上記のYMC−GEL
ODS−AM 120−S50の溶出サイドフラクショ
ンは同樹脂200mlで再度クロマトグラフィーを行っ
た。カラムは0.05%TFAを含むメタノール−水系
で、メタノールを漸増させることによりクロマトグラフ
ィーを行い、0.05%TFA含有60%メタノール5
00mlでWS6845物質を溶出した。その後、上記
と同様の方法でHP−20、メタノール沈澱を行いWS
6845物質の白色粉末266mgを得た。
【0045】
【(3)WS6845物質の精製(2)】前述第(1)
項と同様の培養方法によって得たブロス230 lから上
記と同じ方法で菌体を得、その菌体に水110 lとアセ
トン110 lを加え、室温で一晩抽出した。濾過後、そ
の濾液230 lに水を230 l加え希釈した後、HP−
20(三菱化成工業株式会社製)〔40 l〕のカラムに
付した。カラムを水20 l、50%メタノール40 lで
洗浄した後、メタノール50 lでWS6845物質を溶
出した。その溶出液をそのまま塩基性アルミナ(ICN
AluminaB,Akt.I)(ICN BIOM
EDICALS,Germany)〔2.3 l〕カラム
に付し、メタノール7 l、0.5%酢酸含有メタノール
7 lで洗浄した後、2%酢酸含有メタノール6 l、3%
酢酸メタノール7 l、5%酢酸メタノール6 lでWS6
845物質を溶出した。得られた活性画分を濃縮乾固
し、黄色油状物質を得た。これを少量のメタノールで溶
解しYMC−GEL ODS−AM 120−S50
(山村化学研究所製)〔1 l〕のカラムで計6回分取し
た。カラムは予め、0.2%TFA含有37.1%アセ
トニトリル水で平衡化しておき、チャージ後、同溶媒に
て展開した。活性は2 lから4 lめにかけて溶出され
た。溶出活性画分は等量の水で希釈し、HP−20〔2
30ml〕のカラムに付し、水1 l次いで50%メタノ
ール水500mlで洗浄後、メタノール800mlでW
S6845物質を溶出した。その溶出液を減圧下、濃縮
乾固し、その残さに少量のメタノールを加え生ずる沈澱
を濾取し、メタノールで洗浄後乾燥させWS6845物
質の白色粉末600mgを得た。
【0046】このようにして得られたWS6845物質
について、その理化学的性質を調査して、既述のデータ
を得た。なお、高速液体クロマトグラフィー(HPL
C)の条件は次のとおりであった。カラム:YMC P
acked column AM−303(S−5 1
20A ODS)(山村化学研究所製)、検出:UV
220nm、流速:1ml/分、展開溶媒:0.2%ト
リフルオロ酢酸(TFA)含有40%アセトニトリル
水、保持時間(RT):10.9分。
【0047】また、WS6845物質の理化学的性質の
内、アミノ酸分析については次の2つの方法によって分
析を行った。
【0048】(1)WS6845物質(1mg)を、6
N HCl(1ml)を用いて110℃、20時間加水
分解した。反応混合物を蒸発乾固し、得られた加水分解
物をアミノ酸自動分析機(Hitachi 835 A
utomatic Amino−Acid Analy
ser)で分析して、次の結果を得た:Asp、Th
r、Pro、Gly、Ala、Tyr、Phe、N
3、His。
【0049】(2)WS6845物質(1mg)を、4
Nメタンスルホン酸(販売元:Pierce Chem
ical Company,USA)を用いて115
℃、24時間加水分解した。反応混合物を水酸化ナトリ
ウム溶液で中和した後、上記と同様にしてアミノ酸自動
分析機で分析し、次の結果を得た:Asp、Thr、P
ro、Gly、Ala、Tyr、Phe、NH3、Hi
s、Trp。
【0050】
【実施例2】放射性リガンド結合アッセイ
【0051】
【(a)粗製受容体膜画分の調製】ペル・フリーズ・バ
イオロジカルズ(Pel−Freez Biologi
cals)(アメリカ)からブタ大動脈を購入し、用時
まで−80℃で保存した。
【0052】ブタ大動脈(50g)を解凍し、脂肪組織
を切り取って除き、ハサミで細かく刻み、100mlの
緩衝液(0.25Mシュクロース、10mMトリス・塩
酸、0.1mM EDTA、pH7.5)中でポリトロ
ン〔ブリンクマン(Brinkmann)PT−20、
最大速度3×10秒間〕を用いてホモジナイズした。ホ
モジネートを10,000gで20分間4℃で遠心分離
した。
【0053】細胞膜画分を含有する上澄みを100,0
00g、4℃で60分間遠心分離した。得られたペレッ
トを粗製膜画分と呼ぶ。ペレットを、結合アッセイ用緩
衝液(50mMトリス・塩酸、100mM NaCl、
5mM MgCl2、1.5μg/mlフェニルメチル
スルホニルフルオライド(PMSF)、120μg/m
lバシトラシン、12μg/mlロイペプチン、6μg
/mlキモスタチン、0.1%ウシ血清アルブミン(B
SA)、pH7.5)25ml中に再懸濁させた。この
大動脈膜画分を、使用時まで、−80℃で保存した。
【0054】〔(b)125I−エンドセリン結合アッセ
イ(1)〕125I−エンドセリン−1(125I−ET−
1)あるいは125I−エンドセリン−3(125I−ET−
3)〔アマーシャム ジャパン(Amersham J
apan)、比放射能2000Ci/mmol〕を結合
アッセイ用緩衝液中の大動脈膜試料50μlと共に、最
終体積250μl中室温(20〜22℃)で60分間イ
ンキュベートした。
【0055】インキュベーションののち、セルハーベス
ター〔ブランデル(Brandel)M−245〕を用
い、ガラス繊維GF/Cフィルター(使用前3時間0.
1%ポリエチレンイミンで前処理)でインキュベーショ
ン混合物を濾過した。つぎに、フィルターを0℃で、計
3mlの洗浄用緩衝液(50mMトリス・塩酸、pH
7.5)で10回洗った。フィルターをガンマーカウン
ター〔バッカードオートガンマ5650型(Packa
rd Auto Gamma Model 565
0)〕中で計測した。
【0056】
【(c)125I−エンドセリン結合アッセイ(2)】上
記(b)におけるブタ大動脈のかわりに、ブタの腎臓、
肺臓、脳の組織を用いて、細胞膜画分について、上記
(b)と同様の操作を行ってエンドセリン結合試験を行
った。
【0057】上記(b)及び(c)の結果を下記の表8
で表わされる第4表に示すが、第4表の阻害値(I
50)から明らかなように、WS6845物質は、ブタ
大動脈試料への結合に関して、125I−エンドセリンと
競合し、ブタの腎臓、肺臓、脳の細胞膜画分のレセプタ
ーに対する125I−エセドセリンの結合を阻害した。
【0058】
【表8】
【0059】
【(d)本物質の急性毒性】生後5週令のICR系雌マ
ウス5匹に、WS6845物質を100mg/kgの投
与量で毎日1回、3日間連続腹腔内投与したが死亡例は
認められず、体重増加も無投与マウス群と全く同じであ
り、WS6845物質の安全性の高さが確認された。
【0060】
【実施例3:注射剤の製造】 (1)実施例1(3)で製造したWS6845物質 5g (2)食塩 9g (3)炭酸水素ナトリウム 1g
【0061】(1)〜(3)の全成分を蒸留水1000
mlに溶解した後、アンプルに1mlずつ分注して、注
射剤1000本を製造した。
【0062】
【発明の効果】本発明はWS6845物質を提供するも
のであるが、この物質は従来未知の新規薬理活性物質で
あって、すぐれたエンドセリン拮抗作用を示し、医薬、
例えば、クモ膜下出血後の脳血管れん縮、心筋梗塞、急
性腎不全等の予防及び/又は治療剤として、虚血疾患の
予防及び/又は治療に有用である。
【0063】また、本発明によって、微生物を利用する
上記物質の工業的製法も確立された。
【図面の簡単な説明】
【図1】WS6845物質の1H核磁気共鳴スペクトル
を示す図面である。
【表4】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清 遠 純 夫 茨城県つくば市並木 3−17−1 ロイヤ ルコ−ポ 405 (72)発明者 奥 原 正 国 茨城県つくば市梅園 2−14−10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記表1に示される物性を有することを
    特徴とするWS6845物質。 【表1】
  2. 【請求項2】 ストレプトミセス(Streptomy
    ces)属に属するWS6845物質生産菌を培養して
    WS6845物質を生成せしめ、これを採取することを
    特徴とするWS6845物質の製造方法。
  3. 【請求項3】 WS6845物質を有効成分とするエン
    ドセリン拮抗剤及び/又は抗虚血性疾患予防治療剤。
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