JPH05296779A - 車載用表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】車両側を改造せずに車両に簡単かつ低コストで
取り付け、車両運転上の安全性を高める。 【構成】車両の走行に必要な情報と車両の走行に直接必
要のない映像情報とを同一画面に切替自在に表示する表
示装置本体１２と、この表示装置本体１２を車両に片持
梁状に支持固定するアーム１３と、このアーム１３の外
周に外嵌されて、このアーム１３を挿通せしめる開口端
１４ａに、このアーム１３の振動の振幅を規制する上部
間隙ｎを形成するケース１４と、アーム１３の外周周り
に下部間隙ｍを置いてケース１４内にそれぞれ配設され
る複数の圧電素子１６ａ〜１６ｄと、これら圧電素子１
６ａ〜１６ｄからの電気信号を受けてアーム１３の振動
を検出すると共に、この検出値から車両の走行を検出し
たときに、車両走行に必要のない映像情報を表示装置本
体１２で表示するのを強制的に禁止する制御装置１８と
を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動車等車両の走行に必
要な各種交通情報やナビゲーション情報と、走行には直
接必要のないテレビやビデオ等の映像情報とを同一画面
に切替自在に表示する車載用表示装置に係り、特に、車
両の走行中には、その走行に不必要なテレビ等の映像表
示を強制的に禁止するようにした車載用表示装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、自動車の走行中に必要な情報とし
ては、車速、燃料の量、エンジンの温度、バッテリの充
電状態等の基本的な車両情報があるが、最近の車両にお
いては、さらに独立した表示装置に交通情報や自車位置
（自己車両の現在位置）等のカーナビゲーション情報を
映像で表示するアドオン型の車載機器を搭載するケース
が、その簡便性により、増えつつある。

【０００３】しかし、その反面、付加機能として走行中
には必要のないテレビやデビオ等の映像情報を提供する
機能を有する複合型のカーナビゲーション機器において
は、車両の走行中に、表示装置に表示されている映像に
運転手の視線が奪われて、車両運転の安全性が害される
可能性がある。

【０００４】そこで、走行中の安全確保のためにも、走
行中には自動的に車両の走行状態を検出し、テレビやビ
デオ等車両の走行には直接必要のない映像の表示を禁止
する必要がでてくる。

【０００５】そこで、例えば図４に示すように、パーキ
ングブレーキレバー１のブレーキ操作に連動するスイッ
チ２から出力されるパーキング信号を制御装置３により
電気的に検出することにより、車両の走行を検出し、そ
の走行中には表示装置本体のテレビ切替ボタンにてテレ
ビを選択した場合でも、そのテレビ映像信号を強制的に
遮断する構成が考えられる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような方
法では、パーンキングブレーキレバー１に連動したスイ
ッチ２に接続されたパーキング表示点灯用の信号線４の
途中に、パーキング信号検出用の信号線５を介して制御
装置３を結線しているので、この結線を、パーキングブ
レーキレバー１の基端部を被覆するコンソールボックス
６を外した状態で行なう必要があり、車両の大掛りな改
造作業が必要となる。

【０００７】また、車両によってはパーキングブレーキ
の方式も手動式や足踏み式と形態が区々であり、前記結
線作業の煩雑化に拍車を掛ける要因をなしている。

【０００８】さらに、車両の走行状態を検出しようとし
た場合でも、車両装置から何らかの情報を得ることを前
提にすることが多く、車両の改造作業の安全性のみなら
ず、改造による車両装置への安全面での何らかの悪影響
も懸念される。

【０００９】そこで本発明はこのような事情を考慮して
なされたもので、その目的は車両の改造を伴わずに簡単
かつ低コストに車両に搭載することができ、車両運転の
安全性を向上させることができる車載用表示装置を提供
することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、車両が走行し
ているか否かを検出する検出手段を車載用表示装置自体
に設けると共に、車両の走行時にはその走行に必要でな
いテレビ映像の表示を禁止するようにしたものであり、
次のように構成される。

【００１１】本願の請求項１に記載の発明（以下、第１
の発明という）は、車両の走行に必要な情報と車両の走
行に直接必要のない映像情報とを同一画面に切替自在に
表示する表示装置本体と、この表示装置本体を車両に支
持固定させる支持部の振動を検出して前記車両の走行を
検出する車両走行検出部と、この車両走行検出部により
車両の走行を検出したときに、前記車両走行に必要のな
い映像情報を前記表示装置本体で表示するのを強制的に
禁止する制御装置とを有することを特徴とする。

【００１２】また、本願の請求項２に記載の発明（以
下、第２の発明という）は、車両走行検出部は、表示装
置本体を車両に片持梁状に支持固定するアームと、この
アームの外周に外嵌されて、このアームを挿通せしめる
開口端に、このアームの振動の振幅を規制する間隙を形
成するケースと、前記アームの外周周りに間隙を置いて
前記ケース内にそれぞれ配設される複数の圧電素子と、
これら圧電素子からの電気信号を受けて前記アームの振
動を検出する検出部とを有することを特徴とする。

【００１３】

【作用】

〈第１の発明〉自動車等の車両が走行すると、車体が加
速し振動するので、この車体上で表示装置本体を支持す
る支持部が振動する。この振動は車両走行検出部により
検出され、車両の走行が検出される。この車両走行検出
部により車両が走行状態にあることを検出したときに
は、車両の走行に直接必要のないテレビやビデオ等の映
像を表示装置本体に表示するのを制御装置により強制的
に禁止させる。

【００１４】したがって、車両の走行中には、その走行
に必要のないテレビ等の映像表示が強制的に禁止される
ので、車両走行中に運転手等の視線が表示装置本体の映
像表示に奪われて、運転上の安全性が害されるのを防止
することができる。

【００１５】但し、車両の走行中であっても、車両の走
行に必要な各種交通情報やカーナビゲーション情報を表
示装置本体で表示しているときには、これら情報の表示
は禁止されないので、車両の走行を円滑かつ効率的に誘
導案内させることができる。

【００１６】さらに、本発明は車両の走行状態を検出す
る手段を車載用表示装置自体に設け、車両の情報系等に
結線する必要がないので、車両の改造を伴う煩雑な結線
作業を省略することができる。このために、このコスト
低減と誤結線に伴う車両自体の安全性の低下を確実に防
止することができる。

【００１７】〈第２の発明〉自動車等の車両が走行する
と、車体が加速し振動するので、この車体に片持梁状に
支持されたアームが振動し、その振動方向にある圧電素
子を押圧する。

【００１８】このために、この圧電素子からパルス状の
電気信号が制御装置に与えられ、ここで車両が走行状態
にあるか否かが検出され、車両が走行状態にあることを
検出されたときには、車両の走行に直接必要のないテレ
ビやビデオ等の映像が表示装置本体に表示されるのを制
御装置により強制的に禁止される。

【００１９】したがって、車両の走行中には、その走行
に必要のないテレビ等の映像表示が強制的に禁止される
ので、車両走行中に運転手等の視線が表示装置本体の映
像表示に奪われて、運転上の安全性が害されるのを防止
することができる。

【００２０】但し、車両の走行中であっても、車両の走
行に必要な各種交通情報やカーナビゲーション情報を表
示装置本体で表示しているときには、これら情報の表示
は禁止されないので、車両の走行を円滑かつ効率的に誘
導案内させることができる。

【００２１】さらに、本発明は車両の走行状態を検出す
る手段を車載用表示装置自体に設け、車両の情報系等に
結線する必要がないので、車両の改造を伴う煩雑な結線
作業を省略することができる。このために、このコスト
低減と誤結線に伴う車両自体の安全性の低下を確実に防
止することができる。

【００２２】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００２３】図２は本発明の一実施例の斜視図であり、
図において、車載用表示装置１１は車両の走行に必要な
各種交通情報や車両の走行等を案内する各種カーナビゲ
ーション情報と、車両の走行には直接関係のないテレビ
やビデオ等の映像情報等を、テレビ切替ボタン１２ａの
押込み操作により切替自在に表示する表示装置本体１２
の底面を、弾性を有する例えば円柱状のアーム１３によ
り支持し、このアーム１３の先端部を例えば直角に折曲
して図示しない車両の例えば運転席の斜め前方に固定
し、表示装置本体１２をアーム１３により片持梁状に支
持させている。

【００２４】アーム１３はその他端部外周にて角筒状の
ケース１４を外嵌して固定しており、図１に示すよう
に、アーム１３の外周面にはケース１４内にて所要長の
スリーブ１３ａを密に外嵌して固定している。

【００２５】ケース１４はその４つの内面に、スリーブ
１３ａの外周面周りにおいて、その径方向に所要の間隙
をおいてスプリング１５をそれぞれ突設すると共に、こ
れらスプリング１５の各突出先端外面に４つの圧電素子
１６ａ〜１６ｄをそれぞれ固着し、これら圧電素子１６
ａ〜１６ｄの各突出先端面と、スリーブ１３ａの外周面
との間には例えば下部間隙ｍをそれぞれ設定している。

【００２６】また、ケース１４はその上端中央部にアー
ム１３を挿通せしめる挿通孔１４ａを開口しているが、
この挿通孔１４ａはその内周面とアーム１３の外周面と
の間に、振動規制用の上部間隙ｎを設定している。

【００２７】この振動規制用の上部間隙ｎは片持アーム
１３の振動を許容すると共に、その振動幅を規制して過
度の振動を防止するものであり、上部間隙ｎ＞下部間隙
ｍに設定されている。

【００２８】そして、各圧電素子１６ａ〜１６ｄは各信
号線１７を介して制御装置１８に電気的に接続され、全
ての信号線１７は１本のケーブル１９に束状に結束され
ている。これら圧電素子１６ａ〜１６ｄ、アーム１３お
よびケース１４により、車両の走行を検出する車両走行
検出部を構成している。

【００２９】制御装置１８は図３に示すように、各圧電
素子１６ａ〜１６ｄからの電気信号を増幅する増幅回路
１８ａと、判別回路１８ｂおよびスイッチ切替回路１８
ｃとを有する。

【００３０】判別回路１８ｂは増幅回路１８ａで増幅さ
れたパルス状の電気信号が所定時間内に入力されたパル
ス数と振幅量とを、予め実験等で得た車両実装値のデー
タより成る基準値とそれぞれ比較し、車両が走行してい
るか否かを判別し、車両が走行状態にあることを判別し
たときにテレビ等の表示禁止信号を出力するものであ
る。

【００３１】また、スイッチ切替回路１８ｃは判別回路
１８ｂからテレビ等表示禁止信号を受けたときには、た
とえテレビ切替ボタン１２ａの押込み動作によって、車
両走行中にテレビやビデオ等車両の走行に直接関係のな
い映像情報を選択している場合には、その表示を禁止
し、車両走行中にはテレビやビデオ映像等の車両走行に
直接必要としない映像を表示装置本体１２で表示するの
を禁止するようになっている。但し、表示装置本体１２
が車両走行に必要な各種情報やカーナビゲーション情報
を車両走行中に表示しているときは、その表示は禁止し
ない。

【００３２】次に本実施例の作用を説明する。

【００３３】自動車等の車両が走行すると、その車体に
加速や振動が発生する。このために、片持梁状のアーム
１３は下部間隙ｍ内で振動し、その過度の振動は上部間
隙ｎにより規制されるので、その振動方向にある圧電素
子、例えば１５ａがアーム１３のスリーブ１３ａの外周
面により押圧されて、アーム１３の振動数に応じてパル
ス状の電気信号が出力される。

【００３４】この電気信号は制御装置１８の増幅回路１
８ａに与えられ、ここで増幅されて判別回路１８ｂに与
えられる。

【００３５】判別回路１８ｂは一定時間内に入力された
電気信号のパルス数をカウントすると共に、その振幅を
検出し、これらパルス数と振幅とを各基準値と比較し、
車両が走行しているか否かを判別し、走行中であると判
別したときはテレビ等表示禁止信号をスイッチ切替回路
１８ｃに与えて、このとき、表示装置本体１２が車両走
行に直接必要のないテレビやラジオ等の映像を選択中で
表示中であるときはその映像を表示画面に表示するのを
強制的に禁止する。

【００３６】したがって、車両走行中に運転手の視線が
表示装置本体１２に奪われて運転の安全性が害されるの
を防止することができる。

【００３７】但し、車両走行中であっても、車両走行に
必要な各種交通情報やカーナビゲーション情報を選択中
で、これを表示装置本体１２で表示中のときは、その表
示は禁止されずにそのまま継続される。その結果、これ
らカーナビゲーション情報を利用して車両を円滑かつ効
率的に走行させることができる。

【００３８】したがって本実施例によれば、車両の走行
中には、その走行に直接必要のないテレビやビテオ等の
映像が表示装置本体中に表示されないので、車両走行中
に運転手の視線がこれらテレビやビデオ等の映像に奪わ
れ、運転安全性が害されるのを防止することができる。
つまり、運転上の安全性を高めることができる。

【００３９】しかし、車両走行中であっても、その走行
に必要なカーナビゲーション情報等の表示は禁止されな
いので、これらカーナビゲーション情報を利用して車両
を円滑かつ効率的に走行させることができる。

【００４０】また、車載用表示装置１自体に車両走行検
出手段を設け、車両側の情報系等と結線する必要がない
ので、車両の改造を伴う煩雑な結線作業を省略すること
ができ、車載用表示装置１を車両に簡単かつ低コストに
取り付けることができる。

【００４１】

【発明の効果】以上説明したように本願第１、第２の発
明は、車両の走行中には、その走行に直接必要のないテ
レビやビデオ等の映像を禁止するので、走行中に運転手
の視線がこれら映像に奪われて運転安全性が害されるの
を防止して、運転安全性を高めることができる。

【００４２】また、車両の走行検出手段を車載用表示装
置自体に設け、車両の情報系等に結線する必要がないの
で、その結線のために車両を改造する必要がなく、車両
に簡単かつ低コストで取り付けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る車載用表示装置の一実施例の要部
縦断面図。

【図２】図１で示す実施例の一部切欠斜視図。

【図３】図１、図２で示す実施例の電気系統のブロック
図。

【図４】従来考えられる車載用表示装置の一部の斜視
図。

【符号の説明】

１１ 車載用表示装置 １２ 表示装置本体 １２ａ テレビ切替ボタン １３ アーム １４ ケース １６ａ〜１６ｄ 圧電素子 １８ 制御装置 １８ｂ 判別回路 １８ｃ スイッチ切替回路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０９Ｇ 5/00 Ａ 8121−5Ｇ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両の走行に必要な情報と車両の走行に
   直接必要のない映像情報とを同一画面に切替自在に表示
   する表示装置本体と、この表示装置本体を車両に支持固
   定させる支持部の振動を検出して前記車両の走行を検出
   する車両走行検出部と、この車両走行検出部により車両
   の走行を検出したときに、前記車両走行に必要のない映
   像情報を前記表示装置本体で表示するのを強制的に禁止
   する制御装置とを有することを特徴とする車載用表示装
   置。
2. 【請求項２】 車両走行検出部は、表示装置本体を車両
   に片持梁状に支持固定するアームと、このアームの外周
   に外嵌されて、このアームを挿通せしめる開口端に、こ
   のアームの振動の振幅を規制する間隙を形成するケース
   と、前記アームの外周周りに間隙を置いて前記ケース内
   にそれぞれ配設される複数の圧電素子と、これら圧電素
   子からの電気信号を受けて前記アームの振動を検出する
   検出部とを有することを特徴とする請求項１記載の車載
   用表示装置。