JPH0529468Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ロールフイルム用プリンターに装着
使用可能となしたデイスクフイルム用ネガマスク
に関するものである。

（従来の技術） 周知の如く、これまでに開発せられたデイスク
フイルムを装着してプリントするプリンターは、
デイスクフイルムの多量の需要量にかなうよう
に、一台のプリンターに複数のデイスクフイルム
の支持体を設け、この支持体をプリント部に順次
に送出し、連続的にプリントができるように構成
されたものの如く、多量のデイスクフイルムを対
象とした構成のものである関係上、需要量がそれ
程でもない昨今、これを使用してプリントを行う
ことは、甚だ不経済であり、現状にかなつたもの
ということはできないというのが実状であつた。

（考案が解決しようとする課題） そこで、本実用新案登録出願人は、ロールフイ
ルム用プリンターに装着使用可能なデイスクフイ
ルム用ネガキヤリア等と称したデイスクフイルム
用ネガマスクを案出したが、部品数が多く、構造
も複雑で、大型となり易く、そのうえ、ある程度
の熟練度を要するという傾向もあつた。

本考案は、これに改良を加え、一方において
は、その形式をロールフイルム用ネガマスクに近
付け、他方においては部品数を少なくして、その
構造の簡易化とコンパクト化を図り、しかも熟練
度を要せず、使用容易なデイスクフイルム用ネガ
マスクを提供せんとするものである。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、本考案のデイス
クフイルム用ネガマスクは、露光用の画窓が形成
され、その近くの上面には規正用溝が凹設せら
れ、前記規正用溝の近くの上面には蝶番が取付け
られ、また上面にはデイスクフイルム取付軸が立
設せしめられ、さらに前記デイスクフイルム取付
軸に取付けられたデイスクフイルムの周縁部に等
間隔に形成されている凹部に係脱して、該デイス
クフイルムを一駒ずつ送る送り爪と戻り止めが装
備せしめられたネガマスク本体における前記蝶番
には、ネガ押え位置規正番を前記規正用溝に嵌合
する方向に付勢せしめて開閉自在に蝶着し、該ネ
ガ押え位置規正板には、先端部を前記デイスクフ
イルム取付軸の上方に臨ませることが可能で、そ
の下面には前記デイスクフイルム取付軸に取付け
られたデイスクフイルムのコア部分を押えるコア
部分押え部材を備え、また間前記画窓の上方に位
置せしめられる個所には、該画窓よりも大きい開
口部が形成され、その下面には前記画窓の上方に
位置せしめられる位置に前記画窓とほぼ同じ形状
の開口部が設けられたネガ押え板が、案内ピンと
付勢ばねとによつて、前記下面に接離可能かつ脱
落不能に装備せしめられたネガ押えホルダーを、
その基部で前記ネガ押え位置規正板に接離可能か
つ脱落不能に案内ピンと付勢ばねとによつて装着
せしめてなることを特徴とするものである。

（作用） ネガ押えホルダーの先端部を持ち上げると、該
ネガ押えホルダーはネガ押え板を伴つて開くの
で、デイスクフイルム取付軸に対するデイスクフ
イルムの取付け、取外しを容易に行うことができ
る。デイスクフイルム取付け後、前記ネガ押えホ
ルダーを閉じると、該ネガ押えホルダーの先端部
がデイスクフイルム取付軸の上方に臨むととも
に、ネガ押え位置規正板が前記ネガマスク本体の
上面に形成してある規正用溝内に嵌合することに
よつて、ネガマスク本体に対してネガ押えホルダ
ーの開閉操作を幾度繰り返しても位置ずれを生ぜ
ず、ネガ押え板の開口部とネガマスク本体の露光
用の画窓との位置が正確に一致する。次いで、露
光に先立つてネガ押えホルダーを図外の押え片等
によつて押圧すると、ネガ押え板がデイスクフイ
ルムに当接し、該ネガ押え板が付勢ばねに抗して
ネガ押えホルダーに近接するとともに該ネガ押え
ホルダーの先端部の下面に装着してあるコア部分
押え部材がデイスクフイルムのコア部分を押圧
し、デイスクフイルムはネガマスク本体に不動状
態に押圧保持され、露光後、押え片等による押圧
を解除すると、付勢ばねの付勢によつて押圧前の
状態に復帰し、次いで、デイスクフイルムは送り
爪と戻り止めによつて一駒送られる。以下前記の
操作を繰り返し行うのである。

（実施例） 以下、本考案の実施例を詳細に説明する。

本考案のデイスクフイルム用ネガマスクは第１
図の平面図に示すように、ネガマスク本体１０と
ネガ押えホルダー２０とネガ押え位置規正板３０
とネガ押え板４０とを主な構成部材として形成さ
れている。

前記ネガマスク本体１０は、該本体の平面図で
ある第２図と該本体の断面図である第３図および
要部の断面図である第５図にて示すように、該本
体１０を下面（光源側）から上面に貫通する露光
用の画窓１１と上面に突設したデイスクフイルム
取付軸１２とをまず備えており、その上面には、
デイスクフイルム取付軸１２を中心にしてデイス
クフイルム１００のボス部１０１とコア部分１０
２とを支持する中心凹部１３と環上凸条１４のほ
か、前記凸条１４の外側には、周縁凹部１５が形
成してある。そして、画窓１１の上面と環状凸状
１４の上面と周縁凹部１５の外側方の上面とは面
一になつている。

また、１６は規正用溝であつて、ネガマスク本
体１０の上面に画窓１１の近傍に凹設してあり、
１７，１８は規正用溝１６内においてネガマスク
本体１０を貫通して設けた大径孔である。

また、周縁凹部１５の周縁部に沿つては、後述
する送り爪５０と戻り止め６０を各別に案内する
弧状案内溝５１と６１がネガマスク本体１０を貫
通して形成してある。

さらに、デイスクフイルム取付軸１２に対する
デイスクフイルム１００の着脱を容易にするため
に、デイスクフイルム取付軸１２を挟んで画窓１
１の反対側においてネガマスク本体１０に切欠部
７０が形成してある。

さらに、またネガマスク本体１０の下面には送
り爪装着用凹部５２と戻り止め装着用凹部６２が
凹設してある。

前記ネガ押えホルダー２０は、例えば正方形で
あつて、その先端部は前記デイスクフイルム取付
軸１２の上方に臨むように形成してあり、この先
端部の下面には、デイスクフイルム１００のコア
部分１０２を押えるコア部分押え部材２２がねじ
２９にて装着されている一方、ネガ押えホルダー
２０の基部の下面には、それぞれ前記の大径孔１
７，１８内に延出するピン２３，２４が垂設して
ある。

前記ネガ押え位置規正板３０は、ネガマスク本
体１０の上面に形成した規正用溝１６に出入可能
に嵌合するように形成してあり、これには前記規
正用溝１６内においてネガマスク本体１０を貫通
して設けた大径孔１７，１８と同心になるよう
に、前記ネガ押えホルダー２０のピン２３，２４
を案内するピン案内孔３１，３２（ピン案内孔３
２は図示省略）が設けてある。

また、このネガ押え位置規正板３０は、第１図
と第５図に示すように、蝶番３３にてネガマスク
本体１０の上面に蝶着されており、蝶番３３の蝶
番軸に巻回した付勢ばね３４によつて、ネガ押え
位置規正板３０は規正用溝１６内に嵌合するよう
に付勢されている。

そして、前記ネガ押えホルダー２０のピン２
３，２４は、このネガ押え位置規正板３０のピン
案内孔３１，３２に係合し案内され、ネガマスク
本体１０の大径孔１７，１８内において、座金と
Ｅリングとによつて、ネガ押え位置規正板３０に
脱落不能に装着してあり、前記ピン２３，２４に
はネガ押え位置規正板３０とネガ押えホルダー２
０との間において付勢ばね２６，２７が巻回して
ある。このピン２３，２４と付勢ばね２６，２７
とによつて、ネガ押えホルダー２０はネガ押え位
置規正板３０に接離可能になつており、ネガ押え
ホルダー２０には、前記ネガマスク本体１０の画
窓１１の上方位置において、該画窓１１よりも大
きい開口部２８が形成してある。

前記ネガ押え板４０には、ピン４１，４２が立
ち上り状に突設してあり、該ピン４１，４２は前
記ネガ押えホルダー２０の開口部２８の近傍に穿
設したピン案内孔を経てネガ押えホルダー２０の
上面に突出させ、Ｅリング４３，４４によつて脱
落不能に装着し、ピン４１，４２にはネガ押えホ
ルダー２０とネガ押え板４０との間において付勢
ばね４５，４６が卷回してある。これらのピン４
１，４２と付勢ばね４５，４６とによつて、ネガ
押え板４０はネガ押えホルダー２０の下面に接離
可能に支持されており、このネガ押え板４０に
は、前記ネガマスク本体１０の画窓１１の上方位
置において、該画窓１１とほぼ同じ形状の開口部
４７が形成してある。

なお、前記ピン２３，２４は、図示のように、
ネガ押えホルダー２０の下面に垂設するのに代え
て、該ピン２３，２４は、ネガ押え位置規正板３
０に立ち上り状に立設し、その上端部をネガ押え
ホルダー２０の上面に突出させて脱落不能に装着
するように変更してもよい。

前記送り爪５０は、Ｌ字状に屈曲形成されてい
て、該爪５０の垂直部は、第１図と第２図に示す
ように、弧状案内溝５１からネガマスク本体１０
の上面に僅かに突出していて、デイスクフイルム
取付軸１２に取付けたデイスクフイルム１００の
周縁部に等間隔に形成した図外の凹部に係合する
ようになつている。この送り爪５０の水平部は、
第４図に示すように、操作板５３に付勢ばね５４
付き枢着ピン５５にて装着してある。

そして、上記操作板５３は、前記デイスクフイ
ルム取付軸１２がネガマスク本体１０の下面の送
り爪装着用凹部５２内に突出した端部に、または
他の取付軸に回動可能に取付てあり、この操作板
５３の先端部には、ネガマスク本体１０に穿設し
た弧状案内溝５７を経てネガマスク本体１０の上
面に突出するノブピン５６が突設してあり、該ノ
ブピン５６の上端部にノブ５８が取付けてある。
また、操作板５３の中程には、復帰用ばね５９が
装着してある。

前記戻り止め６０は、第２図に示すように、ネ
ガマスク本体１０に穿設した弧状案内溝６１から
ネガマスク本体１０の上面に僅かに出没可能に突
出していて、デイスクフイルム１００の周縁部に
等間隔に形成した凹部に係合するようになつてい
る。この戻り止め６０は、板ばねを屈曲形成した
ものであり、その基部は、第４図に示すように、
ネガマスク本体１０の下面の戻り止め装着用凹部
６２内に装着してある。

その他、デイスクフイルム用ネガマスクを図外
のホルダーに装着するために、ネガマスク本体１
０の両側縁部は、第３図に示すように肉厚に形成
してある。

なお、第１図と第２図に示した８０は、このデ
イスクフイルム用ネガマスクの種別発信回路付き
コネクターであつて、これをプリンターのホルダ
に装着すると、その種別を表示するようになつて
いる。

以上のように構成されたデイスクフイルム用ネ
ガマスクは、プリンターのホルダーに装着して使
用するものである。そして、蝶番３３の付勢ばね
３４の付勢に抗してネガ押えホルダー２０の先端
部を持ち上げると、第５図において鎖線にて示す
ように、該ネガ押えホルダー２０はピン２３，２
４とピン４１，４２を介してネガ押え位置規正板
３０とネガ押え板４０とを伴つて開く。そこで、
デイスクフイルム１００をデイスクフイルム取付
軸１２に取付けたのち、ネガ押えホルダー２０を
閉じると、ネガ押えホルダー２０の先端部はデイ
スクフイルム取付軸１２の上方に臨むとともに、
ネガ押え位置規正板３０が前記ネガマスク本体１
０の上面に形成した規正用溝１６に嵌合する。ネ
ガ押えホルダー２０のピン２３，２４がネガ押え
位置規正板３０のピン案内孔３１，３２に係合し
案内されていることによつて、ネガ押え板４０の
開口部４７がネガマスク本体１０の露光用の画窓
１１に正確に一致する。

次いで、ネガ押えホルダー２０を図外の押え片
等によつて押圧すると、ネガ押え板４０がデイス
クフイルム１００に当接し、該ネガ押え板４０が
付勢ばね４５，４６に抗してネガ押えホルダー２
０の下面に近接するとともに、該ネガ押えホルダ
ー２０の先端部の下面に装着してあるコア部分押
え部材２２がデイスクフイルム１００のコア部分
１０２を押圧し、デイスクフイルム１００はネガ
マスク本体１０に不動状態に押圧保持され、露光
後、押え片等による押圧を解除すると、付勢ばね
２６，２７，４５，４６の付勢によつて押圧前の
状態に復帰し、次いでノブ５８にて操作板５３を
１往復させると、デイスクフイルム１００は送り
爪５０と戻り止め６０とによつて一駒送られる。
以下、前記の操作を送り返し行うのである。

（考案の効果） 以上の記載から明らかなように、本考案によれ
ば、 ａ まず、その形式をロールフイルム用のネガマ
スクに近付け、従来よりのロールフイルム用の
プリンターに装着して使用することが可能とな
つた。

ｂ 次に、デイスクフイルムの取付けは、ネガマ
スク本体に対するネガ押えホルダーの開閉操作
というきわめて容易な操作のみによつて取付
け、使用することができるようになつた。

ｃ そして、ネガマスク本体に対してのネガ押え
ホルダーの開閉操作を幾度となく繰り返して
も、ネガ押えホルダーは、規正用溝とこれに嵌
合するネガ押え位置規正板とによつて、これを
閉じたときの位置が強制的に規正されているの
で、ネガマスク本体に対してのネガ押えホルダ
ーの位置ずれを生ずるようなことがなくなつ
た。

ｄ そのうえ、その形式をロールフイルム用のネ
ガマスクに近付けることによつて、この種従来
よりのデイスクフイルム用ネガマスクとか、あ
るいはデイスクフイルム用ネガキヤリアなどと
称せられているものに組込まれている歯車連動
機構等を不要なものとしたので、構造がきわめ
て簡単でコンパクトなものとなり、その取扱い
と使用もきわめて容易なものとなつた。

などという効果を奏するデイスクフイルム用ネ
ガマスクの提供が可能となつた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであつて、第
１図は平面図、第２図はネガマスク本体の平面
図、第３図は第２図の−線に沿う断面図、第
４図は下面図、第５図は第１図の−線に沿う
要部の拡大断面図である。 １０……ネガマスク本体、１１……画窓、１２
……デイスクフイルム取付軸、１６……規正用
溝、２０……ネガ押えホルダー、２１……案内
孔、２２……コア部分押え部材、２３，２４……
ピン、２６，２７……付勢ばね、２８……開口
部、３０……ネガ押え位置規正板、３３……蝶
番、４０……ネガ押え板、４１，４２……ピン、
４５，４６……付勢ばね、５０……送り爪、６０
……戻り止め。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 露光用の画窓が形成され、その近くの上面には
   規正用溝が凹設せられ、前記規正用溝の近くの上
   面には蝶番が取付けられ、また上面にはデイスク
   フイルム取付軸が立設せしめられ、さらに前記デ
   イスクフイルム取付軸に取付けられたデイスクフ
   イルムの周縁部に等間隔に形成されている凹部に
   係脱して、該デイスクフイルムを一駒ずつ送る送
   り爪と戻り止めが装備せしめられたネガマスク本
   体における前記蝶番には、ネガ押え位置規正板を
   前記規正用溝に嵌合する方向に付勢せしめて開閉
   自在に蝶着し、該ネガ押え位置規正板には、先端
   部を前記デイスクフイルム取付軸の上方に臨ませ
   ることが可能で、その下面には前記デイスクフイ
   ルム取付軸に取付けられたデイスクフイルムのコ
   ア部分を押えるコア部分押え部材を備え、また前
   記画窓の上方に位置せしめられる個所には、該画
   窓よりも大きい開口部が形成され、その下面には
   前記画窓の上方に位置せしめられる位置に前記画
   窓とほぼ同じ形状の開口部が設けられたネガ押え
   板が、案内ピンと付勢ばねとによつて、前記下面
   に接離可能かつ脱落不能に装備せしめられたネガ
   押えホルダーを、その基部で前記ネガ押え位置規
   正板に接離可能かつ脱落不能に案内ピンと付勢ば
   ねとによつて装着せしめてなることを特徴とする
   デイスクフイルム用ネガマスク。