JPH05289381A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH05289381A
JPH05289381A JP8566992A JP8566992A JPH05289381A JP H05289381 A JPH05289381 A JP H05289381A JP 8566992 A JP8566992 A JP 8566992A JP 8566992 A JP8566992 A JP 8566992A JP H05289381 A JPH05289381 A JP H05289381A
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JP
Japan
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fullerenes
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photoconductor
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JP8566992A
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English (en)
Inventor
Reigen Kan
礼元 韓
Yoshitomo Yonehara
祥友 米原
Shiyoushin Boku
鐘震 朴
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Kawamura Institute of Chemical Research
Original Assignee
Kawamura Institute of Chemical Research
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 導電性基板1上に、カーボンクラスターC6
0とC70の混合フラーレンを含有する電荷発生層3
と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層4とを形成して
電子写真感光体を構成する。 【効果】 400nmから500nmの波長範囲の光に
高感度を有し、安定性および耐久性のよい電子写真感光
体が得られる。これを短波長化高解像度レーザープリン
ター、特に、第2次高調波を用いたレーザープリンター
用感光体として好適に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感光体に係わり、特にレ
ーザープリンター感光体および電子写真感光体として好
適に用いられる感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体(以下、感光体と略記す
る)用の感光材料としては、従来より、主にセレン、酸
化亜鉛、酸化チタン、硫化カドミウムなどの無機系光導
電体が主に用いられていた(R.M.Schaffert,著、Electr
ophotograghy, Focal Press, London(1956))。しか
し、これらの無機系光導電体を用いた感光体は、製造す
る条件が難しい、製造コストが高い、熱や機械的な衝撃
に弱い、また人体への毒性があるなどの欠点があった。
また、アモルファスシリコン感光体も次世代の感光体と
して注目され、精力的に研究が進められているが、製膜
コストが高い、大面積の製膜が困難であるなどの理由で
一般に使用されるまでには至っていない。これらに対し
て有機系光導電性物質は、無機系光導電性物質に比べて
一般的に毒性が無く製膜性やコストなどの点で有利であ
るため、無機系光導電体にとって代わりレーザープリン
ターや複写機の感光体にかなり用いられている(村山徹
朗、染料と薬品、第36巻、P156(1989))。
【0003】図1および図2は感光体の構造の例を示し
たものである。図中符号1は導電性基板、2、3は電荷
発生層、4は電荷輸送層をそれぞれ示す。図1に示した
構造の感光体は、導電性基板1上に、電荷発生物質を含
有する電荷発生層2が設けられ、この電荷発生層2が電
荷輸送の機能を兼ね備えた単層型の感光体である。また
図2(a)および(b)に示した構造の感光体は、導電
性基板1の上に、電荷発生層3と、電荷輸送層4とがそ
れぞれ設けられた機能分離型の感光体である。この機能
分離型の感光体において、図2(a)のように導電性基
板1上に電荷発生層3を設け、さらにその上に電荷輸送
層4を設けても、あるいは図2(b)のように導電性基
板1上に電荷輸送層4を設け、さらにその上に電荷発生
層3を設けてもよい。
【0004】そして単層型の感光体は、製造工程は簡単
であるが、電荷輸送物質を含有する電荷発生層2が電荷
の発生とその輸送の両機能を兼ねているため、光によっ
て生成したキャリアーを捕獲するトラップ濃度が高くな
りやすく、そのために光減衰曲線がS字型を呈する場合
が多く、高感度化が困難な場合が多い。一方機能分離型
の感光体は、電荷の発生と輸送の各々の機能を独立した
層に行わせるため、感光体の設計上、選択の幅が広く、
感度、繰り返し特性などの点で有利であり、現在用いら
れている感光体の主流を占めている。
【0005】一般的に、複写機やレーザープリンターな
どの感光体には有機系光導電体が広く使用されており、
光源としては白色光、LED(発光ダイオード)及び半
導体レーザーなどが用いられている。このため感光体は
用いられる光源に対応する波長範囲に感度をもたなくて
はならない。従って、複写機に用いられる感光体は可視
領域に、また半導体レーザーを用いるレーザープリンタ
ーに用いられる感光体は近赤外領域(780nm〜83
0nm)に感度を有することが要求される。
【0006】このような要求に対応するために、様々な
有機系電荷発生物質が開発された。例えば、フタロシア
ニン系色素、シアニン系色素、多環キノン系色素、イン
ジゴ系色素、チオインジゴ系色素、スチリル系色素、ア
ゾ系色素、ビスアゾ系色素、ピリリウム系色素、オキサ
ジン系色素、トリアリールメタン系色素、キナクリドン
系色素、ペリレン系色素、スクアリウム系色素、ビスベ
ンズイミダゾール系色素、アズレン系色素などがあげら
れる。中でも、フタロシアニン系色素、ビスアゾ系色素
あるいはアズレニウム系色素が主として実用に提供され
ており、樹脂分散膜または蒸着膜の形態で電荷発生層と
して使用されている(特開昭56ー239248号公報、特開昭61
-239248号公報、特開昭62-67094号公報)。
【0007】ところが最近では、半導体レーザーの短波
長化に伴い市場もレーザープリンターの高解像度化を要
求しはじめ、670nm発振の半導体レーザーを用いた
プリンターの開発が進められている。また、より短波長
で発振する半導体レーザーの開発(日経エレクトロニク
ス、P167、1990年7月23日号)、さらには、非線形光学
材料を用いた半導体レーザーの短波長化(SHGレーザ
ー:400nm〜500nm)も精力的に進められてい
る(日経ニューマテリアルズ、P60、1990年8月20日
号)。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の有機系電荷発生物質の多くは500nm〜800nm
の波長範囲に高感度を示すが、400nm〜500nm
の光源に対しては感度が低いため、レーザーの短波長
化、特に非線形光学材料を用いたSHGレーザーを光源
として用いた新規・高解像度レーザープリンターの電荷
発生物質としては使用し難いものであった。本発明は前
記事情に鑑みてなされたもので、光源の短波長化に対応
しうる新規な感光体の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の感光体は、導電
性基板上に、フラーレン類を含有する電荷発生層を有す
ることを前記課題の解決手段とした。
【0010】すなわち本発明は、フラーレン類を電荷発
生物質として用いることによって、SHGレーザーなど
の波長400nm〜500nmの光源に対応できるよう
にした感光体を提供するものである。
【0011】以下、本発明の感光体の第1の例として図
2(a)に示した構造を有する機能分離型の感光体を挙
げて、本発明を詳しく説明する。この例の感光体は、導
電性基板1上に電荷発生層3が設けられ、その上に電荷
輸送層4が設けられた構造を有するもので、電荷発生層
3にはフラーレン類が含有されている。本発明におい
て、電荷発生層3はフラーレン類の1種あるいは数種を
含有してなるものである。ここで用いられるフラーレン
類とは、sp2炭素よりなる球状あるいはラグビーボー
ル状のカーボンクラスタの総称であり、一般にC60、
C70、C76、C78、C84等が知られている。こ
れらのカーボンクラスタは、例えば炭素をアーク放電あ
るいは抵抗加熱して気化させ、ヘリウム等の不活性ガス
で急冷して生成したすすの中などに含有され(例えば、
Kraetschmerら、Nature、347号、354頁(1990)等)、C6
0が最も多く含有されている。そしてこのすすから、例
えばヘキサン、ベンゼン、トルエン、メシチレン、二硫
化炭素等の溶媒を用いて抽出することによって上記カー
ボンクラスタの混合物が得られる。さらにこの混合物を
精製し、各々単離するには、通常有機化合物の精製に用
いられるクロマトグラフィーの手法(例えば、Kraetsch
merら、Nature、347号、354頁(1990)等)が用いられる。
本発明においては、合成、単離が容易なC60またはC
70、あるいはこれらを含有するすすから抽出工程、不
溶性不純物除去工程を経て得られる混合フラーレンが好
ましく用いられる。
【0012】導電性基板1としては、例えば暗中では電
荷を保持し、明中では光発生キャリアーを速やかに逃が
し、残留電荷を残さない機能を有するもので、種々の金
属あるいは導電性金属酸化物そのもの、あるいは絶縁性
フィルム上にこれら金属あるいは導電性金属酸化物をラ
ミネートしたもの等を用いることができる。用いられる
導電性材料としては、例えばAl、Cu、Pd、Ni、
Cr、Zn、ステンレス等の導電性の金属およびそれら
の合金、導電性酸化スズ(NESAガラス、NESAフ
ィルム)、導電性酸化インジウム(ITOガラス、IT
Oフィルム)、グラファイト、炭素、あるいは導電性ポ
リマー、例えばポリアセチレン、ポリピロール、ポリチ
オフェン等が例示される。さらにこれら導電性材料をガ
ラス、セラミックス等の無機系絶縁物質あるいはポリエ
ステル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ナイロ
ン樹脂、紙などの有機系絶縁性物質の表面に、真空蒸
着、スパッタリング、吹き付け塗装、化学反応などの方
法によって被覆して導電処理を行ったものも用いること
ができる。あるいは、電解重合、電解メッキ等の手法に
より形成した導電性膜を使用することもできる。
【0013】電荷輸送層4は電荷輸送物質の1種あるい
は数種を含有してなるものである。この電荷輸送物質と
しては各種の正孔輸送物質あるいは電子輸送物質を使用
することができ、種々の化合物が知られている(電子写
真学会、”Japan Hardcorpy ’91”
論文集)。例を示すならば、正孔輸送物質として、カル
バゾールのような複素環式化合物を含有する誘導体ある
いは重合体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘
導体、イミダゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、ポリア
リールアルカン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、ヒ
ドラゾン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、トリアリ
ールアミン誘導体、スチルベン誘導体、チオフェン誘導
体などが挙げられる。また、電子輸送物質として、例え
ばトリニトロフルオレノン、テトラニトロフルオレノ
ン、ニトロベンゾチオフェノン、ジニトロアントラキノ
ン、ジニトロアクリジン、アルキル置換ジフェノキノン
などが挙げられる。尚、ここに例示の化合物系に限定さ
れるものではない。
【0014】本発明におけるフラーレン類を含有する電
荷発生層3の形成方法について説明する。導電性基板1
上にフラーレン類を含有する電荷発生層3を形成する方
法としては、各種の方法を用いることができ、例えば真
空蒸着法、キャスト法および樹脂分散法等によって製膜
することができる。フラーレン類を含有する真空蒸着膜
は、例えば一般的な真空蒸着の手法に従い(薄膜ハンド
ブック、日本学術振興会薄膜第131委員会編、オーム
社(1984) 等)、5×10ー5 torr以下の真空
下で、金属性ボートあるいはアルミナ性ボートなどを用
いてフラーレン類を加熱し、その上部あるいは下部に導
電性基板1を置くことによって製膜できる。また、基板
1が円筒状ドラムの場合は、真空槽内でドラムを回転さ
せながら蒸着する、あるいは基板1がシート状の場合
は、真空槽内でシートを巻き取りながら蒸着すること
で、均質な蒸着膜(電荷発生層3)を得ることができ
る。この際必要に応じて、基板を加熱あるいは冷却して
も良い。そして基板を冷却した場合には、蒸着により形
成される電荷発生層3はアモルファス状態となり、ま
た、室温あるいはそれ以上に加熱した場合は結晶状態と
して得られる。このようにして得られるフラーレン類を
含有する真空蒸着膜は空気中で安定で、かつ非常に硬く
強固である。例えば、従来のフタロシアニンをはじめと
する電荷発生物質の蒸着膜はこすれば剥がれ、セロテー
プ等により簡単に剥離できるように機械的強度に劣るの
に対し、フラーレン類の蒸着膜はこすってもなかなか剥
がれず、セロテープでは剥離できない強固な膜であり、
機械的強度に優れている。
【0015】キャスト法は、例えばフラーレン類がベン
ゼン、トルエン、メシチレン等芳香族炭化水素、二硫化
炭素、n−ヘキサン等に溶解する性質を利用するもの
で、簡便に薄膜を形成しうる手法である。すなわち上記
溶媒等にフラーレン類を溶解させ、導電性基板1を溶液
の中に浸漬した後引き上げる、あるいは導電性基板1を
回転させながら上記溶解液を滴下し適当な回転数で回転
させて薄膜化する、あるいは導電性基板1上に滴下した
溶液をバーコーターまたはドクターブレード等を用いて
薄膜化するなどの手段で薄膜化し、次いで自然乾燥、あ
るいは熱または真空乾燥などの手段で乾燥することによ
って、フラーレン類を含有するキャスト膜(電荷発生層
3)を形成することができる。
【0016】樹脂分散法は、例えば樹脂の溶液中にフラ
ーレン類を添加し、溶解あるいは分散させた後、上記キ
ャスト法と同様の手段で導電性基板1上に薄膜化し、乾
燥させて製膜する方法である。樹脂中への分散方法とし
ては、ペイントシェーカー、スペックスミキサーミル、
サンドミル、ボールミル、アトライター、ニーダー等の
通常顔料分散に用いられる手法を用いることができる。
ここで用いることができる樹脂としては、特に制限はな
いが、例を挙げると、各種アルキッド樹脂、アクリル樹
脂、飽和あるいは不飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルカルバゾー
ル、スチレン等のビニル系樹脂、フッ化ポリビニリデ
ン、フッ化ポリビニル等のフッ素化樹脂、スチレンーマ
レイン酸等の共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合
体、酢酸ビニルーアクリルースチレン共重合体、シリコ
ンワニス等の樹脂が挙げられ、これらの樹脂は単一で、
あるいは混合して用いられる。
【0017】このようにして導電性基板1上に形成され
る電荷発生層3には、フラーレン類の他に前述の種々の
有機系電荷発生物質を適宜添加して用いることもでき
る。また、電荷発生層3が樹脂分散膜の場合、フラーレ
ン類と樹脂との重量比は特に制限はないが、これらの比
率は50:1〜1:100の範囲が好適に用いられる。
このフラーレン類の含量が少ないと感度が悪くなる。ま
た、この時の膜厚についても特に制限はないが、特に、
0.05〜10μmの範囲が好適である。また、電荷発
生層3が蒸着膜あるいはキャスト膜である場合、膜厚
は、同様に0.05〜10μmの範囲が好適に用いられ
る。
【0018】さらに電荷発生層3上に、電荷輸送物質を
含有する電化輸送層4を設けることによって、図2
(a)に示されるような機能分離型の感光体を得ること
ができる。この電荷輸送層4は、上記の蒸着法、キャス
ト法または樹脂分散法において、フラーレン類に代えて
電荷輸送物質を用いることによって、同様に製膜するこ
とができる。また電荷輸送層4として樹脂分散膜を用い
る場合、電荷輸送物質の割合は特に制限はないが、電荷
輸送物質と樹脂の重量比は10:1〜1:100の範囲
が好ましい。さらに電荷輸送層4の膜厚は、ここに電位
を保持させるので、膜厚が比較的厚い方が好ましく用い
られ、例えば、1〜100μmの範囲が好適に用いられ
る。
【0019】また本発明の感光体の第2の例として、導
電性基板1上に、上記と同様の手法にて電荷輸送層4を
形成し、その上にフラーレン類を含有する電荷発生層3
を形成することにより、図2(b)に示されるような構
造の感光体が得られる。さらには、導電性基板1、電荷
発生層3および電荷輸送層4の各層間に、有機あるいは
無機化合物からなる絶縁性の薄膜を形成してもよい。ま
た、強度保持のために、感光体全体を樹脂被膜で覆うこ
ともできる。
【0020】また本発明の感光体の第3の例として、図
1に示されるような単層型の感光体を形成することもで
きる。この例の感光体は、上記と同様の手法にて導電性
基板1上にフラーレン類を含有する電荷発生層2を形成
することで得られる。この場合フラーレン類は電荷輸送
の機能を兼ねる。また、この際に電荷輸送物質および/
またはフラーレン類以外の電荷発生物質を添加してもよ
い。このような、電荷輸送物質を含有する電荷発生層2
を形成する方法としては、特に樹脂分散法が好適に用い
られ、上述の樹脂にフラーレン類、更には必要により電
荷輸送物質および/またはフラーレン類以外の電荷発生
物質を添加して製膜を行うことによって、単層型の感光
体を得ることができる。この場合、フラーレン類と樹脂
との重量比は特に制限はないが、フラーレン類の含量が
少ないと感度が悪くなり、含量が多すぎると、コロナ帯
電時の帯電量が減少する。従って、フラーレンと樹脂の
比率は50:1〜1:10の範囲が好適に用いられる。
また電荷発生層2の膜厚は薄いとコロナ帯電時の帯電量
が小さくなり、厚いと感度が低下するため、1〜50μ
mの範囲が好ましく、特に5〜30μmの範囲が好適で
ある。さらには、導電性基板1と電荷発生層2の間に有
機あるいは無機化合物からなる絶縁性の薄膜を構成して
もよい。また、強度保持のために、上記感光体全体を樹
脂被膜で覆うこともできる。
【0021】このように、本発明の感光体はフラーレン
類を電荷発生物質として用いることにより、SHGレー
ザーなどの波長400nm〜500nmの光源に対応す
る高感度感光体を提供することができる。以下、本発明
を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下
の実施例に限定されるものではない。尚、実施例中の%
は重量%を示す。
【0022】
【実施例】
(実施例1)塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重
合樹脂(積水化学製、エスレックスM)の10% 1,
4−ジオキサン溶液 5.0gに、C60を80%含有
するC60/C70混合フラーレン 1.0g、2−ブ
タノン 31g及びガラスビーズ10gを加え、ペイン
トシェーカーで2時間分散し、電荷発生層用塗布液とし
た。この塗布液をアルミニウムマイラーフィルム上にバ
ーコーターで塗布し、加熱乾燥して約1μmのフラーレ
ン膜からなる電荷発生層を形成した。続いて、ポリカー
ボネート(エンジニアリングプラスティック社製、レク
サン114-111)10g、ビス(4−ジエチルアミノ−2
−メチルフェニル)フェニルメタン 9gを1,4−ジ
オキサン 90gに溶解させた電荷輸送層用塗布液を用
いて、上記電荷発生層の上にバーコータで塗布し、加熱
乾燥して膜厚が約20μmの電荷輸送層を形成して図2
(a)の構造を有する機能分離型の感光体を得た。
【0023】このようにして作製した感光体を川口電機
製EPA−8100を用いて評価した。すなわち、スタ
ティック方式で−7kvのコロナ帯電を行い、暗所で5
秒間保持した後、波長450nmの単色光を用いて、照
射強度10μW/cm2で5秒間露光し、表面電位の時
間変化を測定した。この時、初期暗中電位V0は−514
V、半減露光量E1/2は5.0μJ/cm2であり、電子
写真感光体あるいはレーザープリンター感光体として実
用的な値を示した。また、400〜600nmの波長に
対する感度(1/E1/2)を示す分光感度曲線を図3に
示した。図3より400〜500nmに実用感度を有す
ることが認められた。
【0024】(比較例1)実施例1においてC60/C
70混合フラーレンの代わりにx−H2Pc(X型無金
属フタロシアニン)を用いる以外は同様にして感光体を
作製し、評価を行った。この時、初期暗中電位V0は−5
40V、半減露光量E1/2は7.3μJ/cm2であり、
波長450nm照射光においては半減露光量E1/2が大
きくフラーレンを用いた感光体に比して劣った感度であ
った。
【0025】(実施例2)アルミニウムマイラーフィル
ム上に、10ー6torrの真空下においてアルミナるつ
ぼからC60を300nmの厚さに蒸着して電荷発生層
を形成した。この蒸着電荷発生層上に下記構造式(I)
で表される電荷輸送剤 9g、ポリカーボネート(エン
ジニアリングプラスティック社製、レクサンZ)10g
を1,4−ジオキサン 90gに溶解させた電荷輸送層
用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、加熱乾燥して
膜厚が約20μmの電荷輸送層を形成し、図2(a)の
構造を有する機能分離型の感光体を得た。
【0026】
【化1】
【0027】実施例1と同様にして450nmの単色光
照射下の感光体性能を測定したところ、初期電位V0
−461V、半減露光量E1/2は3.6μJ/cm2であ
り、波長450nm照射光において実用感度が得られ
た。
【0028】(実施例3)まずアルミニウムマイラーフ
ィルム上に電荷輸送層を上記実施例2と同様にして約2
0μmの厚さに形成した。次いで、5%C60〜トルエ
ン溶液をキャストし80℃で真空乾燥することで約20
0nmの膜厚のC60層を形成して、図2(b)の構造
を有する感光体を作製した。コロナ帯電を+8kVとす
る以外は実施例1と同様にして感光体性能を評価した。
初期電位V0は582V、半減露光量E1/2は4.2μJ
/cm2であり、実用感度が得られた。
【0029】(実施例4)バイロン200(東洋紡製、
飽和ポリエステル) 3.4g をエピクロロヒドリン
19.3gに溶解させた液に、C60/70 0.6g
およびガラスビース 10gを加え、ペイントシェーカ
ーで2時間分散し、電荷輸送物質を含有する電荷発生層
用の塗布液とした。この塗布液をアルミニウムマイラー
フィルム上にバーコーターで塗布し、加熱乾燥して図1
の構造を有する単層型の感光体を作製した(厚さ約10
μm)。実施例3と同様に測定を行ったところ、初期電
位V0は496V、半減露光量E1/2は6.5μJ/
cmであり、450nmの単色光下に於いて実用感度
が得られた。また、光照射とともに、表面電位は速やか
に減少し、いわゆるS字型光減衰曲線は示さず、良好な
機能を呈した。
【0030】(比較例2)実施例4において、C60/
70の代わりにx−H2Pcを用いる以外は実施例4と
同様にして単層型の感光体を作製し、評価を行った。初
期電位V0は475V、半減露光量E1/2は8.5μJ/
cm2であり、実施例4に比して劣った感度であった。
また、光減衰曲線はS字型を呈し、インダクション効果
が見られ、好ましいものではなかった。
【0031】(実施例5)実施例1において、ビス(4
−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタ
ンのかわりに下記化学式(II)で表される電荷輸送剤を
用いる以外は同様にして感光体を作製し、感光体性能を
測定した。
【0032】
【化2】
【0033】450nm単色光に於ける特性値は、初期
電位V0 −380V、半減露光量E1/2 4.3μJ/
cm2であり、実用感度が得られた。
【0034】(実施例6)実施例1において、ビス(4
−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタ
ンの代わりに下記化学式(III)で表される電荷輸送剤
を用いる以外は同様にして感光体を作製し、感光体性能
を測定した。
【0035】
【化3】
【0036】450nm単色光に於ける特性値は、初期
電位V0 −480V、半減露光量E1/2 3.8μJ/
cm2であり、実用感度が得られた。
【0037】(実施例7)実施例1において、帯電、感
光を1000回繰り返した。この時、再現性のよい感度
が得られ、耐久性の高い感光体であることが認められ
た。
【0038】
【発明の効果】本発明の感光体は、導電性基板上にフラ
ーレン類を含有する電荷発生層を有するものである。従
って、特に400nmから500nmの波長範囲の光に
対して高感度を有し、安定性および耐久性に富む感光体
を得ることができるとともに、これを高解像度短波長化
レーザープリンター用感光体、特に、第2次高調波を用
いたレーザーに好適に用いることができる。フラーレン
類は合成が容易でかつ溶媒に溶解するため、精製が容易
で高純度品を容易に得ることができ、再現性のよい特性
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電子写真感光体の構造の例を示すもので、単
層型の感光体を示した断面図である。
【図2】 電子写真感光体の構造の例を示すもので、
(a)および(b)は機能分離型の感光体を示した断面
図である。
【図3】 分光感度曲線を示したグラフである。
【符号の説明】
1 導電性基板 2 電荷発生層 3 電荷発生層 4 電荷輸送層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基板上に、フラーレン類を含有す
    る電荷発生層を有することを特徴とする電子写真感光
    体。
  2. 【請求項2】 上記フラーレン類が、カーボンクラスタ
    であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光
    体。
  3. 【請求項3】 上記フラーレン類が、カーボンクラスタ
    C60および/またはカーボンクラスタC70であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 上記電荷発生層が、真空蒸着法、キャス
    ト法または樹脂分散法により製膜されたものであること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子
    写真感光体。
  5. 【請求項5】 上記電荷発生層が、電荷輸送物質を含有
    することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記
    載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 上記電荷発生層とは別に電荷輸送層を有
    することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記
    載の電子写真感光体。
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