JPH05288379A - クリーン装置付き台車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 台車本体を、内部を収納室４としたボックス
体５により形成し、ボックス体５の一側面を開閉扉12に
より形成し、収納室４の中間部に設けた被搬送物13の支
持部14を中にして上方に、クリーンエア15を下吹きする
クリーンエア供給装置16を設け、下方にエア排出部22を
設けたクリーン装置付き台車。 【効果】 支持部を介して収納室に被搬送物を格納して
運搬などを行っているとき、クリーンエア供給装置から
のクリーンエアを収納室内の全域に亘って垂直層流とし
て下吹きでき、被搬送物に対して上方から衝突させて全
体を清浄化できる。最も塵埃が付着し易い上面を、被搬
送物の形状や支持姿勢などに関係なく、かつ傾斜の有無
に関係なく、特に充分に清浄化できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、たとえば液晶カセット
など塵埃を嫌う物品を収納してなる容器を搬送するのに
利用されるクリーン装置付き台車に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の台車として、クリーンエ
ア供給装置を搭載した手押し形式が提供されている。す
なわち図５に示すように、下部に複数の車輪30を有する
台車本体をボックス体31により形成しており、そして内
部を仕切り体32により上下に分割している。この仕切り
体32に対して、上部でかつ前部は支持部33を有する収納
室34に形成され、そして後部にはフィルター35が配設し
てある。また仕切り体32に対して、下部でかつ前部は排
気室36に形成され、そして後部にはファン37が配設して
ある。さらに収納室34に対向してボックス体31の前面は
開閉扉38に形成され、また仕切り体32の前部は多孔部32
ａに形成されている。

【０００３】この従来形式によると、支持部33上に被搬
送物39を載置し開閉扉38を閉動することで被搬送物39を
格納しかつ保管し得、そして格納した状態でボックス体
31を手押しすることで被搬送物39の運搬を行える。この
ような格納や運搬を行っているとき、ファン37により取
り入れた外部エアがフィルター35を通ってクリーンエア
40となり、このクリーンエア40は被搬送物39に対して後
部から前方へと水平状に供給され、そして開閉扉38に衝
突して下方へと向きを変えて多孔部32ａから排気室36へ
入ったのち、前方に向けて排気される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来構成によ
ると、水平層流として流れるクリーンエア40は、被搬送
物39の上面39ａに沿って流れることから、最も塵埃が付
着し易い上面39ａを充分に清浄化できず、特に上面39ａ
が、後部ほど上位の傾斜面であったときには充分な清浄
化を行えない。また水平層流として流れるクリーンエア
40は、実際には開閉扉38の手前で下方へと向きを変える
ことから、上面39ａの前部へは流れないことになって充
分に清浄化できない。

【０００５】本発明の目的とするところは、被搬送物の
形状や支持姿勢などに関係なく、最も塵埃が付着し易い
上面を特に充分に清浄化し得るクリーン装置付き台車を
提供する点にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明のクリーン装置付き台車は、下部に複数の車輪を有
する台車本体を、内部を収納室としたボックス体により
形成し、このボックス体の少なくとも一側面を開閉扉に
より形成し、前記収納室の中間部に被搬送物の支持部を
設け、この支持部を中にして上方に、クリーンエアを下
吹きするクリーンエア供給装置を設け、下方にエア排出
部を設けている。

【０００７】

【作用】かかる本発明の構成によると、開閉扉を開動す
ることで、支持部に対して被搬送物の積み卸しを行え
る。そして支持部に被搬送物を載置したのち、開閉扉を
閉動することで、収納室に被搬送物を格納し得、この状
態で、ボックス体を移動することで被搬送物の運搬を行
え、また停止させストレージすることで格納状態での保
管を行える。

【０００８】このような格納や運搬などを行っていると
き、クリーンエア供給装置が運転され、クリーンエアが
収納室内の全域に亘って垂直層流として下吹きされる。
その際にクリーンエアは、被搬送物の上面に対して上方
から衝突することから、この上面が傾斜していても充分
に清浄化し得る。このように収納室を下向きに流れたク
リーンエアは、エア排気部を通って排気される。

【０００９】

【実施例】以下に本発明の第一の実施例を図１、図２に
基づいて説明する。台車本体は、箱状の枠体１と、この
枠体１の四側面を閉塞するように取り付けた複数の側板
２、ならびに底板３などにより、内部を収納室４とした
ボックス体５に形成してあり、その際に側板２は帯電防
止アクリル板から構成される。このボックス体５の下部
には複数の車輪６が設けられ、少なくとも一つの車輪６
にはブレーキ装置７が設けられている。そして前記枠体
１の前後面にはそれぞれ把手８が設けられている。

【００１０】前記ボックス体５の内部である収納室４
は、中間に位置した仕切り体９により上下に分割してさ
れ、この仕切り体９に対して上部を清浄室10に、また下
部を排気室11に形成している。そしてボックス体５の前
記清浄室10に対向する一側面は開閉扉12により形成さ
れ、ここで開閉扉12はたとえば観音開きの形式からな
る。前記仕切り体９は、たとえば多孔によって上下方向
での通気性を持たせている。そして仕切り体９上に被搬
送物13の支持部14を設け、ここで被搬送物13はたとえば
多数の液晶カセットを収納自在な容器からなり、また支
持部14は、開閉扉12側が下位となるように被搬送物13を
傾斜して支持すべく構成してある。

【００１１】前記ボックス体５の上には、クリーンエア
15を下吹きするクリーンエア供給装置16が設けられ、こ
のクリーンエア供給装置16は、開放状の下面が前記清浄
室10に対向する箱状の本体17と、この本体17の下部に配
設したフィルター18と、前記本体17の天板に貫通して設
けた複数のファン19とにより構成される。

【００１２】前記排気室11内で前後方向の一方にはバッ
テリ20が、また他方には充電器21が設けられる。そして
底板３の、バッテリ20と充電器21との間における部分は
排気フィルター（エア排気部の一例）22により形成し
て、排気室11内から床に向けて排気し得るように構成し
てある。23は巻き取り式の電源コード、24は操作パネル
を示す。

【００１３】この第一の実施例によると、開閉扉10を開
動することで、作業者の手作業で支持部14上に被搬送物
13を載置し得る。このように被搬送物13を載置したの
ち、開閉扉10を閉動することで、清浄室10内に被搬送物
13を所定の角度で傾斜させて格納し得る。そして、把手
８を介してボックス体５を手押しすることで被搬送物13
の運搬を行え、また停止させストレージすることで格納
状態での保管を行える。

【００１４】このような格納や運搬などを行っていると
き、前述したように被搬送物13は所定の角度で傾斜して
いることから、被搬送物13の中に多数収納されている液
晶カセットなどは運搬時（走行時）の振動などで動か
ず、互いに衝突（接触）などしない。

【００１５】前述したように格納や運搬などを行ってい
るとき、バッテリ20からの電源によりクリーンエア供給
装置16が運転されている。すなわちファン19の作動によ
り本体17内に取り入れられた外部エアは、フィルター18
を通ってクリーンエア15となり、このクリーンエア15は
清浄室10に下吹きされる。このように清浄室10内の全域
に亘って垂直層流として流れるクリーンエア15は、被搬
送物13の上面13ａに対して上方から衝突することから、
この上面13ａが傾斜していても充分に清浄化し得る。

【００１６】この清浄室10を下向きに流れたクリーンエ
ア15は、多孔の仕切り体９を通過して排気室11に下向き
に流れ込み、そして排気フィルター22を通って床に向け
て排気される。このようにクリーンエア15を床に向けて
排気することで、作業者の下半身に排気エアが直接に吹
き付けられる不快感がなくなり、また汚れたエアが他の
装置や物品に直接に吹き付けられることもない。

【００１７】なお被搬送物13の取り出しは、開閉扉12を
開動して行うのであるが、その際にクリーンエア15の一
部は、図１の仮想線で示すように、開放された側面を通
って外部へと流れ出る。

【００１８】上記実施例では手押し式の台車を示した
が、これは駆動走行式の台車であってもよい。また開閉
扉12を駆動式で開閉してもよい。さらに支持部14は、被
搬送物13を所定の角度で傾斜させて支持しているが、被
搬送物13の内容によっては水平状で支持してもよい。

【００１９】次に本発明の第二の実施例を図３に基づい
て説明する。この第二の実施例では、仕切り体９側で支
持案内されるスライドテーブル26を設け、このスライド
テーブル26上に支持部14を設けている。前記スライドテ
ーブル26は、押し込み時に被搬送物13とともに清浄室10
内に完全に納まり、また引き出し時には長さ方向のほぼ
半分がボックス体５の外に突出して、作業者の手力によ
る支持部14に対する被搬送物13の積み卸しを容易に行え
るように構成している。なおスライドテーブル26の押し
込みや引き出しは、被搬送物13に手力を付与することで
行え、また空のときにはスライドテーブル26に直接に手
力を付与する。

【００２０】図４は本発明の第三の実施例を示し、この
第三の実施例では、仕切り体９に代えて多数のフリーロ
ーラ28を配設している。そして排気室11内に配設した昇
降動装置29や手動レバー（図示せず。）などにより、支
持部14をフリーローラ28間で昇降自在に構成している。
したがって支持部14を下降させておくことで、被搬送物
13の押し込みや引き出しは、フリーローラ28の転動を利
用して軽く容易に行え、そして水平状で押し込んだ被搬
送物13は、支持部14の上昇により持ち上げて、傾斜姿勢
で動くことなく格納し得る。

【００２１】

【発明の効果】上記構成の本発明によると、支持部を介
して収納室に被搬送物を格納して運搬などを行っている
とき、クリーンエア供給装置からのクリーンエアを収納
室内の全域に亘って垂直層流として下吹きでき、このク
リーンエアを、被搬送物に対して上方から衝突させて全
体を清浄化できる。その際に、最も塵埃が付着し易い上
面を、被搬送物の形状や支持姿勢などに関係なく、かつ
傾斜の有無に関係なく、特に充分に清浄化できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一の実施例を示し、クリーン装置付
き台車の一部切り欠き正面図である。

【図２】同クリーン装置付き台車の側面図である。

【図３】本発明の第二の実施例を示し、クリーン装置付
き台車の一部切り欠き正面図である。

【図４】本発明の第三の実施例を示し、クリーン装置付
き台車の一部切り欠き正面図である。

【図５】従来例を示し、クリーン装置付き台車の概略縦
断側面図である。

【符号の説明】

１ 枠体 ２ 側板 ３ 底板 ４ 収納室 ５ ボックス体 ６ 車輪 ８ 把手 10 清浄室 11 排気室 12 開閉扉 13 被搬送物 13ａ 上面 14 支持部 15 クリーンエア 16 クリーンエア供給装置 18 フィルター 19 ファン 22 排気フィルター（エア排出部） 28 フリーローラ 29 昇降動装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下部に複数の車輪を有する台車本体を、
   内部を収納室としたボックス体により形成し、このボッ
   クス体の少なくとも一側面を開閉扉により形成し、前記
   収納室の中間部に被搬送物の支持部を設け、この支持部
   を中にして上方に、クリーンエアを下吹きするクリーン
   エア供給装置を設け、下方にエア排出部を設けたことを
   特徴とするクリーン装置付き台車。