JPH05284952A - めんつゆに代表される食塩含有透明調味液の品質保持剤 - Google Patents

めんつゆに代表される食塩含有透明調味液の品質保持剤

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JPH05284952A
JPH05284952A JP41790690A JP41790690A JPH05284952A JP H05284952 A JPH05284952 A JP H05284952A JP 41790690 A JP41790690 A JP 41790690A JP 41790690 A JP41790690 A JP 41790690A JP H05284952 A JPH05284952 A JP H05284952A
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JP
Japan
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extract
seed extract
noodle soup
seeds
preservative
Prior art date
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JP41790690A
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English (en)
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Nobuyoshi Kurakata
信義 倉方
Futoshi Kato
太 加藤
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KYOKUTO CREATE KK
Original Assignee
KYOKUTO CREATE KK
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Abstract

(57)【要約】 低塩性で風味を良好に保持するために、細菌類に対して
は不安定になりがちな低濃縮タイプのつゆ類の細菌類に
対する安定性を高め、長期にわたる品質保持を可能とす
る。 【構成】 柑橘種子抽出物、グレープフルーツ種子抽
出物は特につゆ類における細菌類増殖抑制力が大である
が、単独添加ではつゆ類に混濁を生起するので実用に供
することは出来ない。しかしサイクロデキストリン類を
併用することにより混濁が消去されることに着目し、透
明性と細菌類増殖抑制効果が付与された風味良好な低濃
縮つゆ類の製造を可能とすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、めんつゆに代表される
食塩含有透明調味液の品質保持剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】家電の普及で家事労働が短縮され、料理
の面でも手早く作れるものが要求されるようになってき
た昭和30年代後半につゆ製品が誕生した。当初は3倍
以上の高濃縮ものが主流であったが、次第に2倍濃縮も
のが受け入れられるようになった。その後更に味のよい
つゆを求めて低濃縮化が進み、こゝ数年でストレートも
のが著しく伸びてきている。
【0003】高濃縮の場合は食塩含有量が高いので、製
品の細菌による品質劣化の問題は殆ど生起しなかった
が、低濃縮品となるにつれて保存性の問題が生起するよ
うになった。通常市販されているつゆ製品はpH4.6
〜5.4、 水分活性0.92〜0.97である。これ
らつゆ製品の変敗原因菌としてしばしば問題となってい
るBacillus coagulans、B.lic
heniformis、B.subtilisの発育は
pH、水分活性ならびに加熱温度の組み合わせに依存す
る。pHが高く、水分活性が高くなれば(食塩含有量が
低くなれば)、これら細菌の芽胞を殺滅するにはそれだ
け厳しい加熱処理を施さねばならない。しかし風味を良
好に保つには出来るだけ低い温度での処理が望ましい。
また、使用する側で製品を開栓(缶)した後の二次汚染
による品質劣化の問題も派生してくる。
【0004】この様に低塩性で良好な風味を保持するた
めには或る種の保存性向上剤を加えて出来るだけ低温で
処理することが考えられる。つゆ類は合成保存料の対象
食品に指定されていないので、合成保存料をつゆ類に使
用することは出来ない。そのため現状ではエタノールを
使用するのが一般的な手段として取られているが、特に
製品開栓後の二次汚染による品質劣化に対する抑制効果
は殆ど認められない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上の様に低濃縮つゆ
類の風味を良好に保つには、加熱処理温度をできるだけ
低くしなければならないが、そうすると一方では製品の
保存性、使用者側での開栓後の二次汚染に対する安定性
という問題がつきまとう。本発明はかゝる従来の問題を
解消しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】一般に、食品の保存性を
高めるために合成、天然の各種保存料、日持向上剤が多
数知られているが(新訂版 食品添加物表示の実務)、
めんつゆは合成保存料の対象食品には指定されていない
ので、いわゆる天然物由来の保存料、日持向上剤につい
て、つゆ類の二次汚染による品質劣化の抑制効果を種々
比較検討した結果、柑橘種子抽出物、グレープフルーツ
種子抽出物が少量の添加でその効果を発揮する事を見出
した。こゝで言う柑橘種子抽出物、グレープフルーツ種
子抽出物とは種子から水、エタノールまたは有機溶剤で
抽出して得られたもので、成分は脂肪酸、フラボノイド
等である(化学的合成品以外の食品添加物リスト 厚生
省生活衛生局食品化学課)。
【0007】しかし、柑橘種子抽出物、グレープフルー
ツ種子抽出物はつゆ類の様に食塩を含有する液体に添加
すると混濁し透明性を損なう特性を有する。つゆ類は透
明であることが必須条件であるから、たとえ二次汚染に
よる細菌増殖が抑制されても透明性に欠けていたのでは
商品価値はない。
【0008】この点を解消すべく種々検討をした結果サ
イクロデキストリン類(環状構造を有し、環の中央に各
種化合物捕捉して包接化合物を生成する特性を有するデ
キストリン:α−、β−、γ−デキストリン、分岐デキ
ストリンなど)を併用することにより透明性を保持する
ことができた。
【0008】ストレートタイプにしためんつゆ(食塩含
有量 2〜4%)の場合、二次汚染による品質劣化抑制
効果を発揮するに要する柑橘種子抽出物、グレープフル
ーツ種子抽出物の添加量は、めんつゆに対して0.00
5〜0.1%であった。この場合0.005%以下では
判然とした結果が得られず、0.10%の添加で、30
℃の保存条件で15〜20日間保持でき、実質的には十
分な添加量と思われる。
【0009】柑橘種子抽出物、グレープフルーツ種子抽
出物とめんつ中の食塩との反応に由来する混濁はサイク
ロデキストリン類を柑橘種子抽出物、グレープフルーツ
種子抽出物に対し、その半量から5倍量併用することに
より消去され、めんつゆの透明性が保持できた。
【0010】
【実施例】以下本発明を具体的な実施例につき説明す
る。
【0011】1)ストレートタイプのめんつゆの保存性
テスト 市販のストレートタイプのめんつゆ(食塩濃度2.0
%)にB.subtilisを初発菌が1×10個/
mlになる様に接種した。めんつゆに対し75%エタノ
ール2% グリシン0.05%、キトサン製剤0.5
%、柑橘種子抽出物0.02%、グレープフルーツ種子
抽出物0.02% をそれぞれ添加して30℃に保持し
経時的に細菌数を調べた結果を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】表1で明らかな様に柑橘種子抽出物、グレ
ープフルーツ種子抽出物のB.subtilusに対す
る増殖抑制効果は大であるが、添加直後から透明性が損
なわれていた。これは柑橘種子抽出物、グレープフルー
ツ種子抽出物とめんつゆ中に含まれる食塩との反応によ
り生ずる混濁に由来するものと考え、これを解消するた
めに食塩水を用いたモデルテストで種々の物質を併用し
それらの効果を比較検討した。
【0014】2)食塩と柑橘種子抽出物に由来する混濁
の消去試験 6%精製塩水溶液をブランク、それに柑橘種子抽出物を
0.02%添加した区を対照とし、こゝで生じた混濁を
消去するために75% エタノール、グリセリン、オリ
ゴ糖、βサイクロデキストリンを添加し、それぞれ分光
光度計で430nmでの透過率(T%)を測定し、混濁
の消去の度合いを比較した。得られた結果を表2に示
す。
【0015】
【表2】
【0016】表2で、食塩水に柑橘種子抽出物を添加す
ると混濁が生起し、それが分光光度計による透過率の低
下で明示されている。グリセリン、エタノール、オリゴ
糖、デキストリンなどを併用しても透過率は対照区とほ
とんど変わらず、混濁が消去しない事を示している。し
かしβサイクロデキストリン併用区は食塩水そのもので
あるブランク区と変わらない透過率となり、混濁が殆ど
完全に消去された事を示している。この場合サイクロデ
キストリンとしてはα、β、γ、分岐などのタイプを問
わず何れも有効であった。グレープフルーツ種子抽出物
を用いた場合にも同様の結果が得られた。
【0017】3)めんつゆに柑橘種子抽出物を添加する
ことにより生成する混濁の消去試験食 塩水よりも複雑な系となっているめんつゆに於ける柑橘
種子抽出物添加により生起する混濁のサイクロデキスト
リンによる消去を確認する試験を行なった。市販のスト
レートタイプのめんつゆに柑橘種子抽出物を0.1%添
加し、生起した混濁をβサイクロデキストリンを併用す
ることにより消去できるかを分光光度計を使用し660
nmで透過率を測定して確認試験をした。得られた結果
を表3に示した。
【0018】
【表3】
【0019】めんつゆに於ても柑橘種子抽出物の添加に
より混濁が生起して透過率が低減するが、βサイクロデ
キストリンを柑橘種子抽出物の半量から5倍量添加する
事により混濁が消去され、透過率がめんつゆそのものと
殆ど変わらなくなることが表3で明示されている。な
お、グレープフルーツ種子抽出物についても同様の結果
が得られた。
【0020】4)柑橘種子抽出物とサイクロデキストリ
ン類併用によるめんつゆの保存性向上テスト めんつゆ類に柑橘種子抽出物を添加すると保存性は向上
するが透明性が損なわれるという難点があり、それはサ
イクロデキストリン類を併用する事により解消される事
が確認できたので、それに伴う保存性向上の確認テスト
を行なった。市販のストレートタイプのめんつゆ(食塩
濃度 2.0%、pH5.0)をブランク区、それに柑
橘種子抽出物を0.02%添加した区を対照区とし、更
にそれに各種サイクロデキストリン類を併用した区を調
製し、それぞれ30℃に保持して、経時的に一般細菌と
透明性(透過率T%)を測定し、得られた結果を表4に
示した。
【0021】
【表4】
【0022】表4から明らかなように、めんつゆそのも
のであるブランク区は2日目で細菌の増殖が目立ち透明
性もそのために低下し始めた。柑橘種子抽出物を添加し
た対照区は細菌の増殖は抑制されているが混濁を生起
し、外観的には細菌の増殖による混濁との見分けができ
ない。それに対し柑橘種子抽出物にサイクロデキストリ
ン類を併用した区は透明性が保持され細菌の増殖抑制効
果も認められた。また、8日を経過したものでも風味の
点で良好であった。この場合もグレープフルーツ種子抽
出物についても同様の結果が得られた。
【0023】
【発明の効果】低塩性で良好な風味と透明性を満足させ
ようとすると細菌増殖に対する危惧を内在することにな
るめんつゆ類に、本発明による品質保持剤を使用する事
により細菌増殖の危惧が払拭され、しかも官能的に優れ
たつゆ類を製造することが可能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】柑橘種子抽出物、グレープフルーツ種子抽
    出物とサイクロデキストリン類を組み合わせることを特
    徴とするめんつゆに代表される食塩含有透明調味液の品
    質保持剤。
JP41790690A 1990-12-19 1990-12-19 めんつゆに代表される食塩含有透明調味液の品質保持剤 Pending JPH05284952A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP41790690A JPH05284952A (ja) 1990-12-19 1990-12-19 めんつゆに代表される食塩含有透明調味液の品質保持剤

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JP41790690A JPH05284952A (ja) 1990-12-19 1990-12-19 めんつゆに代表される食塩含有透明調味液の品質保持剤

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JPH05284952A true JPH05284952A (ja) 1993-11-02

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ID=18525912

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JP41790690A Pending JPH05284952A (ja) 1990-12-19 1990-12-19 めんつゆに代表される食塩含有透明調味液の品質保持剤

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1298260C (zh) * 2005-11-01 2007-02-07 中国农业大学 一种杀菌保鲜剂及其用途
JP2014212738A (ja) * 2013-04-26 2014-11-17 森川健康堂株式会社 トウガラシ水性抽出物およびグレープフルーツ種子抽出物を含有する組成物
JP2016182069A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 日清食品ホールディングス株式会社 フライ麺調理用のスープ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1298260C (zh) * 2005-11-01 2007-02-07 中国农业大学 一种杀菌保鲜剂及其用途
JP2014212738A (ja) * 2013-04-26 2014-11-17 森川健康堂株式会社 トウガラシ水性抽出物およびグレープフルーツ種子抽出物を含有する組成物
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