JP3989803B2 - 食品腐敗菌の増殖抑制方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、飲食料品、加工食品、食用魚肉などの保存料や抗菌剤として、安息香酸、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、サリチル酸などの合成化合物が一般に使用されてきた。しかしながら、これらは、抗菌効果には優れているものの、衛生上の安全性が懸念されるため、その使用量、使用範囲などが厳しく制限されている。また、これらは、極めて微量であっても毒性を有すため、人体に悪影響を及ぼさないとはいえ、体内に摂取するのは好ましいとはいえない。
【0003】
そこで、近年、より安全性の高い天然由来の保存料や抗菌剤が注目されている(例えば、特許文献1から12参照)。例えば、リゾチームは、主に卵白から抽出精製され、細菌の細胞壁溶解酵素として知られており、安全性が高いことから、惣菜類、米飯、麺類、生洋菓子、水産練製品等の保存剤や日持向上剤などに用いられている。
しかし、リゾチームは通常のグラム陽性菌に対しては有効であるものの、乳酸菌に対してはその作用が十分でないことがある。例えば、食品の腐敗を防止するために添加したリゾチームが、該食品に混入した乳酸菌の育成を促進してしまう、いわゆる菌交代現象を生ずるおそれがある。リゾチームは、天然由来の酵素で安全性が高いという利点を有するものの、食品中に混入した微生物、特にグラム陽性菌である乳酸菌に対する増殖抑制能が十分でないという問題がある。
【0004】
一方、グレープフルーツやオレンジなどの柑橘類から抽出される柑橘類抽出物は、安全でしかも抗菌性を有する食品添加物及び広範囲な用途に使用可能な抗菌剤として知られている。前記柑橘類抽出物としては、柑橘類の種子、果実、果皮などからの抽出物が知られている。これらは、安全でしかも広範囲な用途に使用することができるという利点があるものの、食品中に混入した微生物、特にグラム陽性菌である乳酸菌に対し、安定した増殖抑制能が発揮できないという問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−16563号公報
【特許文献2】
特開平9−48969号公報
【特許文献3】
国際公開第00/11956号パンフレット
【特許文献4】
特開昭50−157520号公報
【特許文献5】
特公平5−78301号公報
【特許文献6】
特開平2−276545号公報
【特許文献7】
特開平3−90008号公報
【特許文献8】
特公平6−42822号公報
【特許文献9】
特開平5−56773号公報
【特許文献10】
特開平6−113801号公報
【特許文献11】
特開平7−25764号公報
【特許文献12】
特開平11−304312号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、ロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、以下の知見を得た。即ち、安全性に優れた天然由来のリゾチームとグレープフルーツ、みかん等の柑橘類抽出物とを併用することにより、更には所定量どうしを併用することにより、微生物の増殖抑制の相乗的効果が得られるという知見である。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> リゾチームと柑橘類抽出物とを併用することを特徴とする、ロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法である。
<2> ロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌がロイコノストック クレモリス(Leuconostoc cremoris)であり、食品全量に対する、リゾチームの使用量が0.08〜0.12質量%であり、柑橘類抽出物の使用量が0.008〜0.012質量%である前記<1>に記載のロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法である。
<3> ロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌がロイコノストック デキストラニカム(Leuconostoc dextranicum)であり、食品全量に対する、リゾチームの使用量が0.02〜0.06質量%で、柑橘類抽出物の使用量が0.0003〜0.0007質量%である前記<1>に記載のロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法である。
<4> ロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌がロイコノストック メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)であり、食品全量に対する、リゾチームの使用量が0.02〜0.12質量%で、柑橘類抽出物の使用量が0.0003〜0.0007質量%である前記<1>に記載のロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法である。
<5> ラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌がラクトバチルス カゼイ(Lactobacillus casei)であり、食品全量に対する、リゾチームの使用量が0.02〜0.06質量%で、柑橘類抽出物の使用量が0.003〜0.012質量%である前記<1>に記載のロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法である。
<6> ラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌がラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)であり、食品全量に対する、リゾチームの使用量が0.02〜0.06質量%で、柑橘類抽出物の使用量が0.003〜0.007%質量である前記<1>に記載のロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法である。
<7> ラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌がラクトバチルス ゼアエ(Lactobacillus zeae)であり、リゾチームの使用量が0.02〜0.10質量%で、柑橘類抽出物の使用量が0.0003〜0.0012質量%である前記<1>に記載のロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法である。
<8> 柑橘類抽出物がグレープフルーツ抽出物である前記<1>から<7>いずれかに記載のロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法である。
<9> 柑橘類抽出物がみかん抽出物である前記<1>から<7>のいずれかに記載の ロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法である。
<10> 柑橘類抽出物が、柑橘類の果皮、果肉及び種子の少なくともいずれかから抽出された前記<1>から<9>のいずれかに記載のロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
(ロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法)
本発明のロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法は、リゾチームと、柑橘類抽出物とを併用し、目的に応じ更にその他の成分を使用する。
本発明によると、微生物の増殖を抑制することができ、食品の日持ちを、即ち該食品を安全に食することができる期間を、約1〜2日間程度延長可能な効果を有する。
【0009】
−リゾチーム−
前記リゾチームとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、合成したものであってもよいし、天然物から分離精製したものであってもよいが、食品衛生の観点からは後者の方が好ましく、これらの中でも、卵白リゾチームが好ましい。
【0010】
前記リゾチームの前記食品用日持向上剤における含有量としては、前記食品の種類、増殖抑制対象の微生物種などに応じて適宜選択することができるが、前記食品に対する添加量で、該食品全量に対し、例えば、前記微生物が乳酸菌である場合には、0.02〜0.12質量%程度である。
【0011】
なお、前記乳酸菌がLeuconostoc属乳酸菌の場合には、0.02〜0.12質量%が好ましく、該Leuconostoc属乳酸菌がLeuconostoc cremorisの場合には0.08〜0.12質量%が好ましく、該Leuconostoc属乳酸菌がLeuconostoc dextranicumの場合には0.02〜0.06質量%が好ましく、該Leuconostoc属乳酸菌がLeuconostoc mesenteroidesの場合には0.02〜0.12質量%が好ましい。
【0012】
また、前記乳酸菌がLactobacillus属乳酸菌の場合には、0.02〜0.10質量%が好ましく、該Lactobacillus属乳酸菌がLactobacillus caseiの場合には0.02〜0.06質量%が好ましく、該Lactobacillus属乳酸菌がLactobacillusplantarumの場合には0.02〜0.06質量%が好ましく、該La ctobacillus属乳酸菌がLactobacillus zeaeの場合には0.02〜0.10質量%が好ましい。
【0013】
−柑橘類抽出物−
前記柑橘類抽出物としては、特に制限はなく、公知の柑橘類抽出物の中から適宜選択することができ、例えば、みかん、甘夏、ハッサク、イヨカン、ブンタン、ライム、オレンジ、グレープフルーツ、レモン、ダイダイ、ネーブル、キンカン、ユズ、カラタチ、スダチ、カボス、ポンカンなどの抽出物が挙げられる。この中でも、グレープフルーツ抽出物、みかん抽出物が特に好ましい。
また、前記柑橘類抽出物としては、前記柑橘物の果皮、果実及び種子の少なくともいずれかの抽出物でもよいが、これらの中でも種子抽出物であるのが特に好ましい。
【0014】
前記柑橘類抽出物の前記食品用日持向上剤における含有量としては、前記食品の種類、増殖抑制対象の微生物種などに応じて適宜選択することができるが、前記食品に対する添加量で、該食品全量に対し、例えば、前記微生物が乳酸菌である場合には、0.0005〜0.01質量%程度である。
【0015】
なお、前記乳酸菌がLeuconostoc属乳酸菌の場合には、0.0003〜0.012質量%が好ましく、該Leuconostoc属乳酸菌がLeuconostoc cremorisの場合には0.008〜0.012質量%が好ましく、該Leuconostoc属乳酸菌がLeuconostoc dextranicumの場合には0.08〜0.12質量%が好ましく、該Leuconostoc属乳酸菌がLeuconostoc mesenteroidesの場合には0.0003〜0.0007質量%が好ましい。
【0016】
また、前記乳酸菌がLactobacillus属乳酸菌である場合には、0.0003〜0.012質量%が好ましく、該Lactobacillus属乳酸菌がLactobacillus caseiの場合には0.003〜0.012質量%が好ましく、該Lactobacillus属乳酸菌がLactobacillus plantarumの場合には0.003〜0.007%質量が好ましく、該Lactobacillus属乳酸菌がLactobacillus zeaeの場合には0.0003〜0.0012質量%が好ましい。
【0017】
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0018】
本発明は、各種食品に適用することができるが、該食品としては、例えば、食肉惣菜、中華惣菜、煮物、菓子、弁当、水産食品、発酵食品、飲料などが好適に挙げられる。
前記食肉惣菜としては、例えば、ハンバーグ、ミートボール、唐揚げ、メンチカツ、ナゲット、ソーセージなどが挙げられ、
前記中華惣菜としては、例えば、シュウマイ、餃子、春巻きなどが挙げられる。
前記煮物としては、例えば、牛丼の具、親子丼の具、肉じゃがなどが挙げられる。
前記菓子としては、例えば、カスタードクリーム、プリン、ゼリー、ババロアなどが挙げられる。
前記弁当としては、例えば、コンビニエンスストア等で販売される各種弁当などが挙げられる。
前記水産食品としては、例えば、かまぼこ、はんぺん、ちくわ、さつま揚げなどが挙げられる。
前記発酵食品としては、例えば、チーズなどが挙げられる。
前記飲料としては、例えば、清酒、ジュース、清涼飲料、ドリンク剤などが挙げられる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0020】
−食品用日持向上剤の調製−
前記リゾチームとして、卵白リゾチーム(エーザイ株式会社製)を用い、前記柑橘類抽出物として、グレープフルーツ種子抽出物(第一化成株式会社製)又はみかん種子抽出物(Medherb,Co.製)を用いて、これらを後述する実施例において示す所定量配合して実施例の食品用日持向上剤を調製した。
一方、ε-ポリリジン(チッソ株式会社製)を単独で、又は前記リゾチームと併用して、後述する比較例において示す所定量配合して比較例の食品用日持向上剤を調製した。
【0021】
−培地と培養−
培地としては、GYP培地を用いた。液体培養では、試験管に前記GYP培地10.0mlを分注し、121℃、15分滅菌して用いた。
培養は、18時間前培養した菌液を培地量の1%になるように接種し、30℃で静置培養した。
菌の生育は、MiniPhoto(Taitec)を用いて経時的に吸光度(660nm)を測定することにより調べた。
【0022】
−試験方法−
前記培地にLeuconstoc属乳酸菌として;(A)Leuconostoc mesenteroides subsp. cremoris IAM1087,(B)Leuconostoc mesenteroides subsp. dextranicum IAM1122,(C)Leuconstoc mesenteroides subsp. mesenteroideIFO3426をそれぞれ接種して培養し、また、Lactobacillus属乳酸菌として;(D)Lactobacillus casei IAM1045,(E)Lactobachillus plantarum IAM1041,(F)Lactobachillus zeae IAM12473をそれぞれ接種して培養した。
これらの各培養液に対し、実施例1〜10の食品用日持向上剤及び比較例の食品用日持向上剤を添加して、その後の前記(A)〜(F)の各乳酸菌(以下、(A)〜(F)菌と略称する)の生育率を以下のようにして評価した。
【0023】
−評価方法−
前記液体培養においては、前記食品用日持向上剤を添加しない時の生育量に対する、前記食品用日持向上剤を添加した時の生育量の割合を生育率(%)として、以下のように前記食品用日持向上剤の効果を評価した。
【0024】
【数1】
【0025】
算出した前記生育率について、以下の3段階に該当するものは、食品用日持向上剤として望ましい性能を有するものとして評価した。
増殖完全阻止能があるもの・・・・・生育率が3日間(72時間)0%の時
増殖阻止能があるもの・・・・・・・生育率が3日間(72時間)10%未満増殖抑制能があるもの・・・1〜2日目において生育率が10%以上であっても3日目に生育率が10%未満
【0026】
また、各食品用日持向上剤の添加濃度毎に、生育率に基づいて生育の程度を生育度として以下の6段階に分けて評価した。
生育率90%以上である場合・・・・・・×
生育率60%以上90%未満の場合・・・▼
生育率40%以上60%未満の場合・・・▲
生育率10%以上40%未満の場合・・・△
生育率0%超10%未満の場合・・・・・○
生育率0%・・・・・・・・・・・・・・◎
【0027】
(実施例1及び比較例1)
―(A)菌に対する増殖阻止乃至抑制効果―
実施例1として、リゾチーム0.1質量%及びグレープフルーツ種子抽出物0.01質量%を配合した食品用日持向上剤を調製した。
また、比較例1として、リゾチーム0.1質量%、グレープフルーツ種子抽出物0.01質量%、ポリリジン0.1質量%をそれぞれ単独で用いた食品用日持向上剤、及び、リゾチーム0.1質量%とポリリジン0.1質量%とを併用した食品用日持向上剤を調製した。
これらの食品用日持向上剤を用い、上述したようにして(A)菌(Leuconostoc mesenteroides subsp. cremoris
IAM1087)の生育率を試験し、その結果を表1に示した。
【0028】
【表1】
表1中、「LZ」は、リゾチームを表し、「GF」は、グレープフルーツ種子抽出物を表し、「PL」は、ポリリジンを表す。
【0029】
(実施例2及び比較例2)
―(B)菌に対する増殖阻止乃至抑制効果―
実施例2として、リゾチーム0.04質量%及びみかん種子抽出物0.0005%を配合した食品用日持向上剤を調製した。
また、比較例2として、リゾチーム0.04質量%、みかん種子抽出物0.0005質量%、ポリリジン0.05質量%をそれぞれ単独で用いた食品用日持向上剤、及び、リゾチーム0.04質量%とポリリジン0.05質量%とを併用した食品用日持向上剤を調製した。
これらの食品用日持向上剤を用い、上述したようにして(B)菌(Leuconostoc mesenteroides subsp. dextranicum IAM1122)の生育率を試験し、その結果を表2に示した。
【0030】
【表2】
表2中、「LZ」は、リゾチームを表し、「CTR」は、みかん種子抽出物を表し、「PL」は、ポリリジンを表す。
【0031】
(実施例3〜4及び比較例3)
―(C)菌に対する増殖阻止乃至抑制効果―
実施例3として、リゾチーム0.04質量%及びグレープフルーツ種子抽出物0.005質量%を配合した食品用日持向上剤を調製した。また、実施例4として、リゾチーム0.1質量%及びグレープフルーツ種子抽出物0.005質量%を配合した食品用日持向上剤を調製した。
また、比較例3として、リゾチーム0.04質量%、リゾチーム0.1質量%、グレープフルーツ種子抽出物0.005質量%、ポリリジン0.001質量%をそれぞれ単独で用いた食品用日持向上剤、及び、リゾチーム0.1質量%とポリリジン0.001質量%とを併用した食品用日持向上剤を調製した。
これらの食品用日持向上剤を用い、上述したようにして(C)菌(Leuconstoc mesenteroides subsp. mesenteroide IFO3426)の生育率を試験し、その結果を表3に示した。
【0032】
【表3】
表3中、「LZ(1)」は、リゾチーム(0.04質量%)を表し、「LZ(2)」は、リゾチーム(0.1質量%)を表し、「GF」は、グレープフルーツ種子抽出物を表し、「PL」は、ポリリジンを表す。
【0033】
(実施例5〜6及び比較例4)
―(D)菌に対する増殖阻止乃至抑制効果―
実施例5として、リゾチーム0.04質量%及びグレープフルーツ種子抽出物0.005質量%を配合した食品用日持向上剤を調製した。また、実施例6として、リゾチーム0.04質量%及びグレープフルーツ種子抽出物0.01質量%を配合した食品用日持向上剤を調製した。
また、比較例4として、リゾチーム0.04質量%、グレープフルーツ種子抽出物0.005質量%、グレープフルーツ種子抽出物0.01質量%、ポリリジン0.01質量%をそれぞれ単独で用いた食品用日持向上剤、及び、リゾチーム0.04質量%とポリリジン0.01質量%とを併用した食品用日持向上剤を調製した。
これらの食品用日持向上剤を用い、上述したようにして(D)菌(Lactobacillus casei IAM1045)の生育率を試験し、その結果を表4に示した。
【0034】
【表4】
表4中、「LZ」は、リゾチームを表し、「GF(1)」は、グレープフルーツ種子抽出物(0.005質量%)を表し、「GF(2)」は、グレープフルーツ種子抽出物(0.01質量%)を表し、「PL」は、ポリリジンを表す。
【0035】
(実施例7及び比較例5)
―(E)菌に対する増殖阻止乃至抑制効果―
実施例7として、リゾチーム0.04質量%及びグレープフルーツ種子抽出物0.005質量%を配合した食品用日持向上剤を調製した。
また、比較例5として、リゾチーム0.04質量%、グレープフルーツ種子抽出物0.005質量%、ポリリジン0.005質量%をそれぞれ単独で用いた食品用日持向上剤、及び、リゾチーム0.04質量%とポリリジン0.005質量%とを併用した食品用日持向上剤を調製した。
これらの食品用日持向上剤を用い、上述したようにして(E)菌(Lactobachillus plantarum IAM1041)の生育率を試験し、その結果を表5に示した。
【0036】
【表5】
表5中、「LZ」は、リゾチームを表し、「GF」は、グレープフルーツ種子抽出物を表し、「PL」は、ポリリジンを表す。
【0037】
(実施例8〜10及び比較例6)
―(F)菌に対する増殖阻止乃至抑制効果―
実施例8として、リゾチーム0.04質量%及びグレープフルーツ種子抽出物0.001質量%を配合した食品用日持向上剤を調製した。実施例9として、リゾチーム0.08質量%及びグレープフルーツ種子抽出物0.0005質量%を配合した食品用日持向上剤を調製した。実施例10として、リゾチーム0.08質量%及びグレープフルーツ種子抽出物0.001質量%を配合した食品用日持向上剤を調製した。
また、比較例6として、リゾチーム0.04質量%、リゾチーム0.08質量%、グレープフルーツ種子抽出物0.0005質量%、グレープフルーツ種子抽出物0.001質量%、ポリリジン0.005質量%をそれぞれ単独で用いた食品用日持向上剤、及び、リゾチーム0.04質量%とポリリジン0.005質量%とを併用した食品用日持向上剤を調製した。
これらの食品用日持向上剤を用い、上述したようにして(F)菌(Lactobachillus zeae IAM12473)の生育率を試験し、その結果を表6に示した。
【0038】
【表6】
表6中、「LZ(1)」は、リゾチーム(0.04質量%)を表し、「LZ(2)」は、リゾチーム(0.08質量%)を表し、「GF(1)」は、グレープフルーツ種子抽出物(0.0005質量%)を表し、「GF(2)」は、グレープフルーツ種子抽出物(0.001質量%)を表し、「PL」は、ポリリジンを表す。
【0039】
以上の実施例1〜10より、本発明は、Leuconostoc属乳酸菌及びLactobacillus属乳酸菌に対する増殖阻止乃至抑制効果に優れていることが判った。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、食品に要求される程度の日持ちを向上可能であり、乳酸菌等の腐敗菌に対し特に有効である。
Claims (9)
- リゾチームと柑橘類種子抽出物とを併用することを特徴とする、ロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法。
- ロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌がロイコノストック クレモリス(Leuconostoc cremoris)であり、食品全量に対する、リゾチームの使用量が0.08〜0.12質量%であり、柑橘類種子抽出物の使用量が0.008〜0.012質量%である請求項1に記載のロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法。
- ロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌がロイコノストック デキストラニカム(Leuconostoc dextranicum)であり、食品全量に対する、リゾチームの使用量が0.02〜0.06質量%で、柑橘類種子抽出物の使用量が0.0003〜0.0007質量%である請求項1に記載のロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法。
- ロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌がロイコノストック メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)であり、食品全量に対する、リゾチームの使用量が0.02〜0.12質量%で、柑橘類種子抽出物の使用量が0.0003〜0.0007質量%である請求項1に記載のロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法。
- ラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌がラクトバチルス カゼイ(Lactobacillus casei)であり、食品全量に対する、リゾチームの使用量が0.02〜0.06質量%で、柑橘類種子抽出物の使用量が0.003〜0.012質量%である請求項1に記載のロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法。
- ラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌がラクトバチルス プランタラム(Lactobacillus plantarum)であり、食品全量に対する、リゾチームの使用量が0.02〜0.06質量%で、柑橘類種子抽出物の使用量が0.003〜0.007%質量である請求項1に記載のロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法。
- ラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌がラクトバチルス ゼアエ(Lactobacillus zeae)であり、リゾチームの使用量が0.02〜0.10質量%で、柑橘類種子抽出物の使用量が0.0003〜0.0012質量%である請求項1に記載のロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法。
- 柑橘類種子抽出物がグレープフルーツ種子抽出物である請求項1から7いずれかに記載のロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法。
- 柑橘類種子抽出物がみかん種子抽出物である請求項1から7のいずれかに記載のロイコノストック(Leuconostoc)属乳酸菌又はラクトバチルス(Lactobacillus)属乳酸菌の増殖抑制方法。
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JP2002272074A JP3989803B2 (ja) | 2002-09-18 | 2002-09-18 | 食品腐敗菌の増殖抑制方法 |
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