JP3174812B2 - 静菌及び抗菌剤 - Google Patents
静菌及び抗菌剤Info
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- JP3174812B2 JP3174812B2 JP20427297A JP20427297A JP3174812B2 JP 3174812 B2 JP3174812 B2 JP 3174812B2 JP 20427297 A JP20427297 A JP 20427297A JP 20427297 A JP20427297 A JP 20427297A JP 3174812 B2 JP3174812 B2 JP 3174812B2
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- Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
- Grain Derivatives (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、パパイア種子抽出
物を有効成分とする静菌及び抗菌剤に関する。また、本
発明は、この静菌及び抗菌剤を添加した飲食品に関す
る。
物を有効成分とする静菌及び抗菌剤に関する。また、本
発明は、この静菌及び抗菌剤を添加した飲食品に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】従来、食品を長期間保存するために、加
熱、水分活性低下、発酵、抗菌剤添加等の処理が行われ
てきた。特に、抗菌剤を食品に添加することは、微生物
汚染を抑制するための有力な方法の一つである。近年、
化学合成品の抗菌剤ばかりではなく、天然物由来の抗菌
剤も開発されている。そして、例えば、各種有機酸、ア
ミノ酸、リゾチーム等の酵素類、リン酸塩、ビタミン
類、香辛料、キトサン、カラシ抽出物、ワサビ抽出物、
グレープフルーツ種子抽出物、アルコール製剤等の天然
物由来の抗菌剤が、保存料や日持ち向上剤とも呼ばれ、
幅広く飲食品に使用されている。しかし、これらの天然
物由来の抗菌剤は、種々の微生物に対して万能という訳
ではなく、抗菌活性が弱かったり、熱安定性が低かった
りという問題があり、また、高価であるという問題もあ
る。さらに、これらの天然物由来の抗菌剤を添加した飲
食品の味に影響を与えることもあった。
熱、水分活性低下、発酵、抗菌剤添加等の処理が行われ
てきた。特に、抗菌剤を食品に添加することは、微生物
汚染を抑制するための有力な方法の一つである。近年、
化学合成品の抗菌剤ばかりではなく、天然物由来の抗菌
剤も開発されている。そして、例えば、各種有機酸、ア
ミノ酸、リゾチーム等の酵素類、リン酸塩、ビタミン
類、香辛料、キトサン、カラシ抽出物、ワサビ抽出物、
グレープフルーツ種子抽出物、アルコール製剤等の天然
物由来の抗菌剤が、保存料や日持ち向上剤とも呼ばれ、
幅広く飲食品に使用されている。しかし、これらの天然
物由来の抗菌剤は、種々の微生物に対して万能という訳
ではなく、抗菌活性が弱かったり、熱安定性が低かった
りという問題があり、また、高価であるという問題もあ
る。さらに、これらの天然物由来の抗菌剤を添加した飲
食品の味に影響を与えることもあった。
【０００３】一方、パパイアは、ツバキ花類スミレ目パ
パイア科に属する植物で、主に熱帯地方に広く自生し、
栽培されている。そして、このパパイアの果実は食用に
供されている。なお、日本において食されているパパイ
アは、ハワイ産ソロ種が殆どであることが知られてい
る。また、パパイアの可食部100g当たりには、ビタミン
C 65mg、ビタミンA 47IU、エネルギー49kcalが含まれて
おり、栄養学的にも優れた食品である。さらに、パパイ
アには、パパインというタンパク質分解酵素が含まれて
おり、肉を柔らかくする作用や消化を助ける作用があ
る。
パイア科に属する植物で、主に熱帯地方に広く自生し、
栽培されている。そして、このパパイアの果実は食用に
供されている。なお、日本において食されているパパイ
アは、ハワイ産ソロ種が殆どであることが知られてい
る。また、パパイアの可食部100g当たりには、ビタミン
C 65mg、ビタミンA 47IU、エネルギー49kcalが含まれて
おり、栄養学的にも優れた食品である。さらに、パパイ
アには、パパインというタンパク質分解酵素が含まれて
おり、肉を柔らかくする作用や消化を助ける作用があ
る。
【０００４】
【発明が解決しようとしている課題】本発明者らは、静
菌及び抗菌効果を有する新たな天然物由来の物質を求め
て鋭意研究を進めたところ、パパイア種子抽出物に顕著
な静菌及び抗菌効果があることを見出した。そして、こ
の静菌及び抗菌効果を有するパパイア種子抽出物を飲食
品の静菌及び抗菌剤として使用することが可能であるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。したがって、
本発明は、パパイア種子抽出物を有効成分とする静菌及
び抗菌剤を提供することを課題とする。また、本発明
は、このパパイア種子抽出物を有効成分とする静菌及び
抗菌剤を添加した飲食品を提供することを課題とする。
菌及び抗菌効果を有する新たな天然物由来の物質を求め
て鋭意研究を進めたところ、パパイア種子抽出物に顕著
な静菌及び抗菌効果があることを見出した。そして、こ
の静菌及び抗菌効果を有するパパイア種子抽出物を飲食
品の静菌及び抗菌剤として使用することが可能であるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。したがって、
本発明は、パパイア種子抽出物を有効成分とする静菌及
び抗菌剤を提供することを課題とする。また、本発明
は、このパパイア種子抽出物を有効成分とする静菌及び
抗菌剤を添加した飲食品を提供することを課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明では、静菌及び抗
菌剤の有効成分として、パパイア種子抽出物を使用す
る。このパパイア種子抽出物は、以下のようにして調製
することができる。すなわち、パパイア種子を十分洗浄
して果肉部を除去した後、粉砕機等で粉砕して粉砕物を
得る。そして、この粉砕物をそのままパパイア種子抽出
物として使用すれば良い。また、この粉砕物に水やエタ
ノール等の有機溶媒を加えて一晩程度抽出操作を行って
得られる抽出液をパパイア種子抽出物として使用しても
良いし、この抽出液から水や有機溶媒を除去して得られ
る濃縮液や乾燥して得られる粉末をパパイア種子抽出物
として使用しても良い。なお、このパパイア種子抽出物
を静菌及び抗菌剤として使用する場合は、液状もしくは
固形状で使用すればよい。
菌剤の有効成分として、パパイア種子抽出物を使用す
る。このパパイア種子抽出物は、以下のようにして調製
することができる。すなわち、パパイア種子を十分洗浄
して果肉部を除去した後、粉砕機等で粉砕して粉砕物を
得る。そして、この粉砕物をそのままパパイア種子抽出
物として使用すれば良い。また、この粉砕物に水やエタ
ノール等の有機溶媒を加えて一晩程度抽出操作を行って
得られる抽出液をパパイア種子抽出物として使用しても
良いし、この抽出液から水や有機溶媒を除去して得られ
る濃縮液や乾燥して得られる粉末をパパイア種子抽出物
として使用しても良い。なお、このパパイア種子抽出物
を静菌及び抗菌剤として使用する場合は、液状もしくは
固形状で使用すればよい。
【０００６】なお、天然物由来の抗菌剤として、グレー
プフルーツ種子抽出物が知られており、抗菌スペクトル
が広く、また、抗菌活性も比較的強いという性質を有し
ているので、各方面で盛んに利用されるようになってき
ている。そこで、このグレープフルーツ種子抽出物に対
する本発明のパパイア種子抽出物の有用性を検討する。
まず、それぞれの果実一個から得られる種子量は、パパ
イア種子の方が10倍以上多いという利点を有しており、
また、パパイア種子は、果実の中心部に局在しているの
で果肉からの分離が容易であり、作業性に優れていると
いう利点も有している。
プフルーツ種子抽出物が知られており、抗菌スペクトル
が広く、また、抗菌活性も比較的強いという性質を有し
ているので、各方面で盛んに利用されるようになってき
ている。そこで、このグレープフルーツ種子抽出物に対
する本発明のパパイア種子抽出物の有用性を検討する。
まず、それぞれの果実一個から得られる種子量は、パパ
イア種子の方が10倍以上多いという利点を有しており、
また、パパイア種子は、果実の中心部に局在しているの
で果肉からの分離が容易であり、作業性に優れていると
いう利点も有している。
【０００７】
【発明の実施形態】本発明の静菌及び抗菌剤は、パパイ
ア種子抽出物を有効成分とする。なお、このパパイア種
子抽出物を単独で使用して静菌及び抗菌剤としても良い
し、また、このパパイア種子抽出物に加え、有機酸、酸
化防止剤、pH調整剤及び乳化剤等を混合して静菌及び抗
菌剤として使用しても良い。
ア種子抽出物を有効成分とする。なお、このパパイア種
子抽出物を単独で使用して静菌及び抗菌剤としても良い
し、また、このパパイア種子抽出物に加え、有機酸、酸
化防止剤、pH調整剤及び乳化剤等を混合して静菌及び抗
菌剤として使用しても良い。
【０００８】そして、本発明のパパイア種子抽出物を有
効成分とする静菌及び抗菌剤は、例えば、Salmonella属
菌に対し静菌及び抗菌効果を示すので、Salmonella属菌
による汚染が心配されるプリン、卵豆腐、ムース類、茶
碗蒸し等の卵製品に使用したり、その他の飲食品全般に
添加して使用することができる。また、本発明のパパイ
ア種子抽出物を有効成分とする静菌及び抗菌剤は、パパ
イア風味を有するジュース、ゼリー、ヨーグルト等のデ
ザート類にも使用することができる。なお、本発明のパ
パイア種子抽出物を有効成分とする静菌及び抗菌剤につ
いては、好ましくは、10〜50,000ppm となるように飲食
品に添加して使用すれば良い。
効成分とする静菌及び抗菌剤は、例えば、Salmonella属
菌に対し静菌及び抗菌効果を示すので、Salmonella属菌
による汚染が心配されるプリン、卵豆腐、ムース類、茶
碗蒸し等の卵製品に使用したり、その他の飲食品全般に
添加して使用することができる。また、本発明のパパイ
ア種子抽出物を有効成分とする静菌及び抗菌剤は、パパ
イア風味を有するジュース、ゼリー、ヨーグルト等のデ
ザート類にも使用することができる。なお、本発明のパ
パイア種子抽出物を有効成分とする静菌及び抗菌剤につ
いては、好ましくは、10〜50,000ppm となるように飲食
品に添加して使用すれば良い。
【０００９】次に、実施例及び試験例を示し、本発明を
さらに詳しく説明する。
さらに詳しく説明する。
【実施例１】ハワイ産のパパイアより取り出した種子82
5gをホモジナイザーで粉砕した後、エタノール 3 lを添
加し、冷暗所で一晩抽出処理を行った。そして、このエ
タノール抽出物について、濾紙（No.2、アドバンテッ
ク）で濾過して不溶物を除去した後、ロータリーエバポ
レーターで減圧濃縮及び乾固して、パパイア種子抽出物
13.7gを得た。
5gをホモジナイザーで粉砕した後、エタノール 3 lを添
加し、冷暗所で一晩抽出処理を行った。そして、このエ
タノール抽出物について、濾紙（No.2、アドバンテッ
ク）で濾過して不溶物を除去した後、ロータリーエバポ
レーターで減圧濃縮及び乾固して、パパイア種子抽出物
13.7gを得た。
【００１０】
【試験例１】実施例１で得られたパパイア種子抽出物の
各細菌に対する静菌及び抗菌効果を調べた。すなわち、
普通ブイヨン培地（栄研化学製）に滅菌した白金耳で各
細菌の約１×108cfu/ml 懸濁液を１白金耳接種した後、
蒸留水で希釈したパパイア種子抽出物溶液を1/20量加
え、小型振とう培養装置（ADVANTEC社製）を使用して至
適温度で培養し、経時的な濁度の変化を測定した。その
結果を図１に示す。
各細菌に対する静菌及び抗菌効果を調べた。すなわち、
普通ブイヨン培地（栄研化学製）に滅菌した白金耳で各
細菌の約１×108cfu/ml 懸濁液を１白金耳接種した後、
蒸留水で希釈したパパイア種子抽出物溶液を1/20量加
え、小型振とう培養装置（ADVANTEC社製）を使用して至
適温度で培養し、経時的な濁度の変化を測定した。その
結果を図１に示す。
【００１１】これによると、パパイア種子抽出物は、Es
cherichia coli、Pseudomonas aerginosa 、Bacillus c
ereus の各細菌に対し、静菌及び抗菌効果を示すことが
判った。
cherichia coli、Pseudomonas aerginosa 、Bacillus c
ereus の各細菌に対し、静菌及び抗菌効果を示すことが
判った。
【００１２】
【試験例２】実施例１で得られたパパイア種子抽出物の
Salmonella typhimurium ATCC13311株に対する静菌及び
抗菌効果について、その濃度変化による影響を調べた。
すなわち、普通ブイヨン培地（栄研化学製）に滅菌した
白金耳でSalmonella typhimurium ATCC13311株の約１×
108cfu/ml 懸濁液を１白金耳接種した後、蒸留水で希釈
したパパイア種子抽出物溶液を1/20量加え、小型振とう
培養装置（ADVANTEC社製）を使用して至適温度で培養
し、経時的な濁度の変化を測定した。その結果を図２に
示す。
Salmonella typhimurium ATCC13311株に対する静菌及び
抗菌効果について、その濃度変化による影響を調べた。
すなわち、普通ブイヨン培地（栄研化学製）に滅菌した
白金耳でSalmonella typhimurium ATCC13311株の約１×
108cfu/ml 懸濁液を１白金耳接種した後、蒸留水で希釈
したパパイア種子抽出物溶液を1/20量加え、小型振とう
培養装置（ADVANTEC社製）を使用して至適温度で培養
し、経時的な濁度の変化を測定した。その結果を図２に
示す。
【００１３】これによると、パパイア種子抽出物は、 1
/4希釈までの濃度であればSalmonella typhimurium ATC
C13311株に対し、静菌及び抗菌効果を示すことが判っ
た。
/4希釈までの濃度であればSalmonella typhimurium ATC
C13311株に対し、静菌及び抗菌効果を示すことが判っ
た。
【００１４】
【試験例３】実施例１で得られたパパイア種子抽出物の
静菌及び抗菌効果については、パパイア果実中に大量に
含まれているタンパク質分解酵素のパパインである可能
性が考えられるので、天野法により、パパイア種子抽出
物のプロテアーゼ活性を測定した。すなわち、HAMMARST
EN Casein (MERCK社製) 1.5gに0.1N水酸化ナトリウム溶
液25mlを加えて90〜95℃で10分間加温し溶解した。そし
て、冷却後、0.1Nリン酸溶液で pH7.0に調整し、 さらに
0.1Mリン酸塩緩衝液(pH7.0) 20ml及び水を加えて 100ml
とし、ミルクカゼイン溶液を調製した。次に、このミル
クカゼイン溶液１mlを試験管に分注し、37±0.5 ℃の恒
温水槽中に５分間放置した後、パパイア種子抽出物溶液
を１ml加えてよく振とう混合し、37±0.5 ℃の恒温水槽
中で60分間反応させた。反応終了後、0.4Mトリクロロ酢
酸２mlを加えてよく振とう混合し、37±0.5 ℃の恒温水
槽中に25分間放置した後、濾紙で濾過した。この濾液１
mlを分取し、0.4M炭酸ナトリウム溶液５ml及び５倍希釈
したフォリン試薬１mlを加えてよく振とう混合し、37±
0.5 ℃の恒温水槽中で20分間反応させた。反応終了後、
水を対照とし、波長 660nmにおける吸光度Ａt を測定し
た。また、ブランク試験として、ミルクカゼイン溶液１
mlに0.4Mトリクロロ酢酸４mlを加えてよく振とう混合し
た後、パパイア種子抽出物溶液１mlを加えたものについ
ても、同様にして波長 660nmにおける吸光度Ａ0 を測定
した。さらに、対照として、天野製薬製のパパインにつ
いても0.1mg/mlとなるように溶解し、同様にしてプロテ
アーゼ活性の測定を行った。
静菌及び抗菌効果については、パパイア果実中に大量に
含まれているタンパク質分解酵素のパパインである可能
性が考えられるので、天野法により、パパイア種子抽出
物のプロテアーゼ活性を測定した。すなわち、HAMMARST
EN Casein (MERCK社製) 1.5gに0.1N水酸化ナトリウム溶
液25mlを加えて90〜95℃で10分間加温し溶解した。そし
て、冷却後、0.1Nリン酸溶液で pH7.0に調整し、 さらに
0.1Mリン酸塩緩衝液(pH7.0) 20ml及び水を加えて 100ml
とし、ミルクカゼイン溶液を調製した。次に、このミル
クカゼイン溶液１mlを試験管に分注し、37±0.5 ℃の恒
温水槽中に５分間放置した後、パパイア種子抽出物溶液
を１ml加えてよく振とう混合し、37±0.5 ℃の恒温水槽
中で60分間反応させた。反応終了後、0.4Mトリクロロ酢
酸２mlを加えてよく振とう混合し、37±0.5 ℃の恒温水
槽中に25分間放置した後、濾紙で濾過した。この濾液１
mlを分取し、0.4M炭酸ナトリウム溶液５ml及び５倍希釈
したフォリン試薬１mlを加えてよく振とう混合し、37±
0.5 ℃の恒温水槽中で20分間反応させた。反応終了後、
水を対照とし、波長 660nmにおける吸光度Ａt を測定し
た。また、ブランク試験として、ミルクカゼイン溶液１
mlに0.4Mトリクロロ酢酸４mlを加えてよく振とう混合し
た後、パパイア種子抽出物溶液１mlを加えたものについ
ても、同様にして波長 660nmにおける吸光度Ａ0 を測定
した。さらに、対照として、天野製薬製のパパインにつ
いても0.1mg/mlとなるように溶解し、同様にしてプロテ
アーゼ活性の測定を行った。
【００１５】この結果、パパイア種子抽出物について
は、吸光度Ａt −Ａ0 ＝０であり、プロテアーゼ活性を
示さないことが判った。また、同様にして測定したパパ
インについては、吸光度Ａt −Ａ0 ＝ 0.620であり、プ
ロテアーゼ活性を示すことが判った。したがって、パパ
イア種子抽出物の静菌及び抗菌効果は、タンパク質分解
酵素のパパインによるものではないことが明らかとなっ
た。
は、吸光度Ａt −Ａ0 ＝０であり、プロテアーゼ活性を
示さないことが判った。また、同様にして測定したパパ
インについては、吸光度Ａt −Ａ0 ＝ 0.620であり、プ
ロテアーゼ活性を示すことが判った。したがって、パパ
イア種子抽出物の静菌及び抗菌効果は、タンパク質分解
酵素のパパインによるものではないことが明らかとなっ
た。
【００１６】
【実施例２】冷凍液卵（キユーピー製）30％、砂糖12
％、牛乳58％及び実施例１で得られたパパイア種子抽出
物からなる静菌及び抗菌剤を 0.5％又は２％の配合組成
で原料を混合した後、オーブンレンジにより 150℃で20
分間、次いで 130℃で20分間焼成し、焼きプリンを製造
した。
％、牛乳58％及び実施例１で得られたパパイア種子抽出
物からなる静菌及び抗菌剤を 0.5％又は２％の配合組成
で原料を混合した後、オーブンレンジにより 150℃で20
分間、次いで 130℃で20分間焼成し、焼きプリンを製造
した。
【００１７】そして、この焼きプリンを15℃で保存し、
経時的に一般細菌数を測定した。一方、対照として、パ
パイア種子抽出物からなる静菌及び抗菌剤無添加の焼き
プリンも製造し、同様にして一般細菌数を測定した。そ
の結果を表１に示す。
経時的に一般細菌数を測定した。一方、対照として、パ
パイア種子抽出物からなる静菌及び抗菌剤無添加の焼き
プリンも製造し、同様にして一般細菌数を測定した。そ
の結果を表１に示す。
【００１８】
【表１】 ──────────────────────────────────── 保存日数 無添加 0.5％添加 2.0％添加 ──────────────────────────────────── 1 <10 cfu/g <10 cfu/g <10 cfu/g 2 1.1×105 cfu/g 2.2×103 cfu/g 1.5×103 cfu/g 3 2.4×106 cfu/g 1.2×104 cfu/g 1.2×104 cfu/g ────────────────────────────────────
【００１９】このように、パパイア種子抽出物を静菌及
び抗菌剤として焼きプリンに添加することにより、焼き
プリン中の一般細菌の増殖を抑制できることが判る。
び抗菌剤として焼きプリンに添加することにより、焼き
プリン中の一般細菌の増殖を抑制できることが判る。
【００２０】
【実施例３】冷凍液卵（キユーピー製）27％、砂糖11
％、牛乳55％、水 5.6％、ゼラチン 1.4％及び実施例１
で得られたパパイア種子抽出物からなる静菌及び抗菌剤
を 0.5％又は２％の配合組成で原料を混合した後、４℃
に冷却してプリンを製造した。なお、ゼラチンについて
は、水で膨潤させた後、約50℃に加温した牛乳に溶解し
て使用した。
％、牛乳55％、水 5.6％、ゼラチン 1.4％及び実施例１
で得られたパパイア種子抽出物からなる静菌及び抗菌剤
を 0.5％又は２％の配合組成で原料を混合した後、４℃
に冷却してプリンを製造した。なお、ゼラチンについて
は、水で膨潤させた後、約50℃に加温した牛乳に溶解し
て使用した。
【００２１】そして、このプリンを15℃で保存し、経時
的に腐敗の程度を観察すると共に一般細菌数を測定し
た。一方、対照として、パパイア種子抽出物からなる静
菌及び抗菌剤無添加のプリンも製造し、同様にして腐敗
の程度を観察すると共に一般細菌数を測定した。その結
果を表２ (腐敗の程度) 及び表３ (一般細菌数) に示
す。
的に腐敗の程度を観察すると共に一般細菌数を測定し
た。一方、対照として、パパイア種子抽出物からなる静
菌及び抗菌剤無添加のプリンも製造し、同様にして腐敗
の程度を観察すると共に一般細菌数を測定した。その結
果を表２ (腐敗の程度) 及び表３ (一般細菌数) に示
す。
【００２２】
【表２】 ──────────────────────────────────── 保存日数 無添加 0.5％添加 2.0％添加 ──────────────────────────────────── 0 正常 正常 正常 1 僅かな腐敗臭 僅かな腐敗臭 正常 2 腐敗臭 僅かな腐敗臭 正常 3 腐敗臭 腐敗臭 僅かな腐敗臭 ────────────────────────────────────
【００２３】
【表３】 ──────────────────────────────────── 保存日数 無添加 0.5％添加 2.0％添加 ──────────────────────────────────── 1 8.8×103 cfu/g 3.5×102 cfu/g 4.0×10 cfu/g 2 4.5×105 cfu/g 1.2×103 cfu/g 3.0×102 cfu/g 3 2.4×106 cfu/g 1.2×104 cfu/g 1.2×103 cfu/g ────────────────────────────────────
【００２４】このように、パパイア種子抽出物を静菌及
び抗菌剤としてプリンに添加することにより、プリンの
日持ちを飛躍的に向上させることができると共に、プリ
ン中の一般細菌の増殖を抑制できることが判る。
び抗菌剤としてプリンに添加することにより、プリンの
日持ちを飛躍的に向上させることができると共に、プリ
ン中の一般細菌の増殖を抑制できることが判る。
【００２５】
【発明の効果】本発明の静菌及び抗菌剤は、食品として
供されるパパイア由来の抽出物を有効成分とするもので
あり、また、細菌に対して広く静菌及び抗菌効果を示す
ものであるので、保存性を向上させる目的で飲食品に添
加する静菌及び抗菌剤として適している。
供されるパパイア由来の抽出物を有効成分とするもので
あり、また、細菌に対して広く静菌及び抗菌効果を示す
ものであるので、保存性を向上させる目的で飲食品に添
加する静菌及び抗菌剤として適している。
【図１】試験例１におけるパパイア種子抽出物の各細菌
に対する静菌及び抗菌効果を示す。
に対する静菌及び抗菌効果を示す。
【図２】試験例２におけるパパイア種子抽出物のSalmon
ella属菌に対する静菌及び抗菌効果を示す。
ella属菌に対する静菌及び抗菌効果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A01N 65/00 A23L 1/187 A23L 3/3472
Claims (2)
- 【請求項１】 パパイア種子抽出物を有効成分とする静
菌及び抗菌剤。 - 【請求項２】 請求項１に記載の静菌及び抗菌剤を添加
した飲食品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20427297A JP3174812B2 (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 静菌及び抗菌剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20427297A JP3174812B2 (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 静菌及び抗菌剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1143412A JPH1143412A (ja) | 1999-02-16 |
| JP3174812B2 true JP3174812B2 (ja) | 2001-06-11 |
Family
ID=16487737
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20427297A Expired - Fee Related JP3174812B2 (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 静菌及び抗菌剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3174812B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101823418B1 (ko) * | 2016-10-11 | 2018-01-30 | (주)위키옵틱스 | 레이저 광섬유 조명 시스템 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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-
1997
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