JPH0528299B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、外壁・石パネルの取付構造に関す
るものである。

従来の技術 いわゆる外壁カーテンウオールのうち、外壁面
を大理石や大型タイル等の外壁石パネルによつて
仕上げる方法が最近広く実施されている。

この種の外壁カーテンウオールの多くは、PC
板の表面に大理石や大型タイル等の外壁石パネル
を接着し、このPC板を建物の躯体にボルト止め
することにより構成されている。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、このような構成だと、PC板を
使用しているため建築物全体の重量が相当嵩み、
耐振的に不利になることが免れない。

また、PC板の表面に貼着される石パネルの種
類によつては、PC板と石パネルとの熱膨張率が
大きく異なることがあり、その結果、PC板およ
び石パネルが太陽熱を受けて熱膨張すると、パネ
ル全体に反りができることがある。また、これに
伴つて石パネルが割れたり、あるいは剥離するこ
とがあつた。

また、多くの場合、パネルとパネルとの間隔部
にはシール材を充填するが、シール材が不適当な
ものであつたり、施工が不充分だつたりするとシ
ール材によつて石パネルの表面が汚れる恐れもあ
つた。

この発明は、このような前記従来の問題点を解
消するために提案されたもので、壁体の軽量化に
よる建築物の耐振性の向上を図ることができると
ともにパネルの熱膨張によるパネルの反り、石パ
ネルの割れ、剥離を完全に防止することができる
外壁石パネルの取付構造を提供することを目的と
する。

問題点を解決するための手段 この発明は、外壁石パネルの取付構造に関する
もので、複数本の縦枠部材と横枠部材とから格子
状をした下地フレームを構成し、当該下地フレー
ムの室外側に薄鋼板を張り付け、前記縦枠部材お
よび横枠部材に取付孔を形成し、かつ外壁石パネ
ルの裏側に複数本のアンカーボルトを突設し、当
該アンカーボルトを前記取付孔に貫通させるとと
もにアンカーボルトの貫通部分に固定ナツトを螺
合して外壁石パネルを前記下地フレームに取付け
ることにより前記目的を達成するものである。

実施例 以下、この発明を図示する一実施例によつて説
明すると建築物の上下スラブ１，１間に軽量山形
鋼からなる複数本の縦枠部材２と横枠部材３とを
格子状に枠組みすることによつて下地フレーム４
が構成されている。縦枠部材２と横枠部材３とは
溶接によつて一体に連結されている。下地フレー
ム４は、少なくとも高さが建築物の階高に対応す
る大きさの略矩形状に構成されている。また、ユ
ニツト化されている。下地フレーム４の表面には
全体に渡つて防錆薄鉄板５が溶接することにより
張り付けられている。また、下地フレーム４の縦
枠部材２と横枠部材３には、双方の連結部とこの
連結部の中間部に位置してボルト孔６，６が形成
されている。ボルト孔６，６は、防錆薄鉄板５に
も形成され、双方のボルト孔６，６は連続し、完
全に一つになつている。

さらに、縦枠部材２および横枠部材３と防錆薄
鉄板５との間にはボルト孔６，６の周辺部に位置
して防水パツキン７が介在され、ボルト孔６，６
の周辺部より雨水が室内側に浸入しないようにし
てある。

このように構成された下地フレーム４は、フア
スナー（図省略）によつて上下スラブ１，１にボ
ルト止めされている。また、必要に応じて、複数
枚の下地フレーム４がスラブ１，１の横方向に連
設され、隣接する上下下地フレーム４，４間には
ゴム製ガスケツト等かパツキング材１６が介在さ
れている（第７図参照）。

そして、下地フレーム４の表面に複数枚の外壁
石パネル８が貼り付けられている。外壁石パネル
８は、高さが建築物の階高に対応する長さをした
矩形板状に形成されている。

また、外壁石パネル８の裏側には、複数本のア
ンカーボルト９，９が垂直に突設されている。当
該アンカーボルト９は、外壁石パネル８の裏側に
小穴１０を形成し、この小穴１０にアンカーボル
ト９の基端部を挿入し、その周辺部に樹脂モルタ
ル１１を充填することにより突設されている。

そして、このアンカーボルト９，９を下地フレ
ーム４のボルト孔６，６に貫通するとともにこの
アンカーボルト９，９の貫通部分の雄ねじ部に座
金１２を取付け、続いて固定ナツト１３，１３を
螺合することにより、外壁石パネル８は、下地フ
レーム４に取付けられている。

かかる場合、下地フレーム４の縦枠部材２およ
び横枠部材３と外壁石パネル８間にくさび１４，
１４が介在され、この部分に等圧空間１５が形成
されている。

等圧空間１５は、この部分の空気圧を外気圧と
同圧とすることにより雨水が室内側に浸入するの
を阻止する働きを有するものである。

なお、等圧空間１５は、この部分を外気が循環
して結露水の発生を防止する換気空間としての働
きも有する。

くさび１４は、複数枚重ねて介在され、等圧空
間１５の大きさを自由に変更できる。

また、くさび１４には、先端部より基端方向に
細長い、凹溝部１４ａが形成されている。そして
くさび１４は、凹溝部１４ａをアンカーボルト９
に嵌着することにより固定されている（第８図参
照）。

発明の効果 この発明は、以上の構成からなるので以下の効
果を有する。

石パネルは、PC板に張り付けてあるのでは
なく軽量形鋼より構成された下地フレームに張
り付けてあるので、壁体の軽量化、ひいては建
物全体の軽量化が図れ、耐振性の向上が図れ
る。

また、石パネルの熱膨張によるパネルの反り
石パネルの割れ、剥離を完全に防止することが
できる。

下地フレームの表面には、全体に亘つて防錆
薄鋼板が張り付けてあるので、石パネルと石パ
ネルとの突合せ部（目地部）にあえてシール材
を充てんしなくとも雨水の浸入を完全に防止で
きる。

また、当該シール材の省略により施工不良な
シール材による石パネル表面の汚れの発生も防
止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第８図は、この発明の一実施例を示す
もので、第１図は、外壁石パネルの取付状態を示
す正面図、第２図は第１図におけるＡ−Ａ線断面
図、第３図は、第２図におけるＢ部拡大図、第４
図は、下地フレームの正面図、第５図は第４図に
おけるＣ−Ｃ線断面図、第６図は下地フレームの
背面図、第７図は第２図におけるＤ部拡大断面
図、第８図はくさびの斜視図である。 １……スラブ、２……縦枠部材、３……横枠部
材、４……下地フレーム、５……防錆薄鋼板、６
……ボルト孔、７……防水パツキン、８……外壁
石パネル、９……アンカーボルト、１０……小
穴、１１……樹脂モルタル、１２……座金、１３
……固定ナツト、１４……くさび、１５……等圧
空間、１６……パツキング材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数本の縦枠部材と横枠部材とから格子状を
   した下地フレームを構成し、当該下地フレームの
   室外側に薄鋼板を張り付け、前記縦枠部材および
   横枠部材に取付孔を形成し、かつ外壁石パネルの
   裏側に複数本のアンカーボルトを突設し、当該ア
   ンカーボルトを前記取付孔に貫通させるとともに
   アンカーボルトの貫通部分に固定ナツトを螺合し
   て外壁石パネルを前記下地フレームに取付けてあ
   ることを特徴とする外壁石パネルの取付構造。