JPH05276969A - 高純度マルトオリゴ糖の製法 - Google Patents
高純度マルトオリゴ糖の製法Info
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- JPH05276969A JPH05276969A JP11211392A JP11211392A JPH05276969A JP H05276969 A JPH05276969 A JP H05276969A JP 11211392 A JP11211392 A JP 11211392A JP 11211392 A JP11211392 A JP 11211392A JP H05276969 A JPH05276969 A JP H05276969A
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- JP
- Japan
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- maltooligosaccharide
- enzyme
- glucose
- producing
- purity
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明の目的は、マルトオリゴ糖を、マルト
オリゴ糖生成酵素を利用して製造するにあたって、その
生成純度を高くすることを目的とする。 【構成】 本発明は、マルトオリゴ糖製造時に、当該マ
ルトオリゴ糖以外に副生するマルトオリゴ糖をグルコー
スに分解する酵素を共存させるところに特徴がある。
オリゴ糖生成酵素を利用して製造するにあたって、その
生成純度を高くすることを目的とする。 【構成】 本発明は、マルトオリゴ糖製造時に、当該マ
ルトオリゴ糖以外に副生するマルトオリゴ糖をグルコー
スに分解する酵素を共存させるところに特徴がある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マルトオリゴ糖を製造
する過程において、目的とするマルトオリゴ糖の生成純
度を高めるための技術に関する。
する過程において、目的とするマルトオリゴ糖の生成純
度を高めるための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】マルトトリオース、マルトテトラオー
ス、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルト
ヘプタオース等のマルトオリゴ糖はこれまで、グルコー
ス、マルトース等と同様に甘味料等の原料として食品工
業の分野で利用に供されていたが、食品文化の向上に従
って、これらのものが高純度で提供されることが重要な
意味を持つようになってきた。
ス、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルト
ヘプタオース等のマルトオリゴ糖はこれまで、グルコー
ス、マルトース等と同様に甘味料等の原料として食品工
業の分野で利用に供されていたが、食品文化の向上に従
って、これらのものが高純度で提供されることが重要な
意味を持つようになってきた。
【0003】大学研究所等の各研究施設では、各種のマ
ルトオリゴ糖及びそれらの糖アルコール等が、酵素実験
など各種の生化学実験などに試薬として用いられてい
る。マルトトリオース以上の鎖長を有するマルトオリゴ
糖は、結晶化しないという性質のために、高純度品の製
造が困難であり、これらの試薬は非常に高価である。更
に、このものを医薬品の分野、特に高エネルギー源とし
ての有用性に着目して、静脈注射用の輸液の基本成分と
して活用する技術が開発されようとしているが、輸液と
してマルトオリゴ糖を利用するためには、医薬品として
の利用形態を考えて、このものが高い純度で生成される
ことが不可欠であった。一般にマルトオリゴ糖は、澱粉
を液化又は糖化した後、これを基質としてこれにマルト
オリゴ糖生成酵素を作用させて製造されている。
ルトオリゴ糖及びそれらの糖アルコール等が、酵素実験
など各種の生化学実験などに試薬として用いられてい
る。マルトトリオース以上の鎖長を有するマルトオリゴ
糖は、結晶化しないという性質のために、高純度品の製
造が困難であり、これらの試薬は非常に高価である。更
に、このものを医薬品の分野、特に高エネルギー源とし
ての有用性に着目して、静脈注射用の輸液の基本成分と
して活用する技術が開発されようとしているが、輸液と
してマルトオリゴ糖を利用するためには、医薬品として
の利用形態を考えて、このものが高い純度で生成される
ことが不可欠であった。一般にマルトオリゴ糖は、澱粉
を液化又は糖化した後、これを基質としてこれにマルト
オリゴ糖生成酵素を作用させて製造されている。
【0004】マルトオリゴ糖精製を目的としてマルトオ
リゴ糖の混液からグルコース及びマルトースを除去する
するのに、グルコースオキシダーゼ又はヘキソースオキ
シダーゼを用いる方法が公知である(特開昭63−2997
号)。この方法では、単にグルコースオキシダーゼを用
いると、グルコースに対する特異性が高いため、グルコ
ースの除去は可能であったが、その他の目的とする糖以
外の不純糖の除去はできなかった。例えば、澱粉などに
マルトテトラオース生成酵素を作用させると、反応液中
には、主成分としてマルトテトラオース、不純糖として
マルトトリオース、マルトース及びグルコースが混在す
ることとなるが、これにグルコースオキシダーゼを反応
させてからイオン交換樹脂などで処理することにより、
グルコースは除去できるがマルトトリオース及びマルト
ースは除去できなくなり、99〜100%の純度に近いマルト
オリゴ糖は製造することができない。
リゴ糖の混液からグルコース及びマルトースを除去する
するのに、グルコースオキシダーゼ又はヘキソースオキ
シダーゼを用いる方法が公知である(特開昭63−2997
号)。この方法では、単にグルコースオキシダーゼを用
いると、グルコースに対する特異性が高いため、グルコ
ースの除去は可能であったが、その他の目的とする糖以
外の不純糖の除去はできなかった。例えば、澱粉などに
マルトテトラオース生成酵素を作用させると、反応液中
には、主成分としてマルトテトラオース、不純糖として
マルトトリオース、マルトース及びグルコースが混在す
ることとなるが、これにグルコースオキシダーゼを反応
させてからイオン交換樹脂などで処理することにより、
グルコースは除去できるがマルトトリオース及びマルト
ースは除去できなくなり、99〜100%の純度に近いマルト
オリゴ糖は製造することができない。
【0005】また、ヘキソースオキシダーゼを用いた場
合には、既に特開平4−7190号等に記載されているよう
に、ヘキソースオキシダーゼの基質特異性が少ないた
め、実質的に目的とするマルトオリゴ糖を酸化し、不純
糖を酸化することは困難であった。
合には、既に特開平4−7190号等に記載されているよう
に、ヘキソースオキシダーゼの基質特異性が少ないた
め、実質的に目的とするマルトオリゴ糖を酸化し、不純
糖を酸化することは困難であった。
【0006】以上の状況を踏まえ、これまで、マルトオ
リゴ糖生成酵素を使用するマルトオリゴ糖の製造過程に
おいて高純度のものを取得する方法を確立するため本発
明者らは鋭意研究を続け、多くの成果を上げつつあった
(特願平2−31922号、特願平2−185919
号、特願平3−35546号、特願平3−53908
号、特願平4−32569号、平成4年2月21日提出
特許願(S−489N−MIA))。
リゴ糖生成酵素を使用するマルトオリゴ糖の製造過程に
おいて高純度のものを取得する方法を確立するため本発
明者らは鋭意研究を続け、多くの成果を上げつつあった
(特願平2−31922号、特願平2−185919
号、特願平3−35546号、特願平3−53908
号、特願平4−32569号、平成4年2月21日提出
特許願(S−489N−MIA))。
【0007】これらの方法において、最終的に反応混合
物中に生成した目的とする特定の鎖長のマルトオリゴ糖
を取得するときには、反応により副生する目的とする特
定の鎖長のマルトオリゴ糖以外のマルトオリゴ糖を除去
するために、この反応混合物をゲルクロマトグラフィー
に掛ける等の手段を講ずる以外に方法がなかった。しか
しながら、これらの精製法は高価でありかつ大量の処理
には不適当であることから工業的規模での操作には不都
合があった。
物中に生成した目的とする特定の鎖長のマルトオリゴ糖
を取得するときには、反応により副生する目的とする特
定の鎖長のマルトオリゴ糖以外のマルトオリゴ糖を除去
するために、この反応混合物をゲルクロマトグラフィー
に掛ける等の手段を講ずる以外に方法がなかった。しか
しながら、これらの精製法は高価でありかつ大量の処理
には不適当であることから工業的規模での操作には不都
合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、マル
トオリゴ糖の製造工程において、目的とする特定の鎖長
のマルトオリゴ糖が生成した後に、同時に副生する目的
とする当該マルトオリゴ糖以外のマルトオリゴ糖を容易
に除去することにより、工業的規模での高純度マルトオ
リゴ糖の製造を可能とすることにあった。
トオリゴ糖の製造工程において、目的とする特定の鎖長
のマルトオリゴ糖が生成した後に、同時に副生する目的
とする当該マルトオリゴ糖以外のマルトオリゴ糖を容易
に除去することにより、工業的規模での高純度マルトオ
リゴ糖の製造を可能とすることにあった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、反応混合
物中の酵素の共存というまことに単純な手法により上記
課題が見事に解決することを見出し、本発明を完成し
た。本発明の要旨は、マルトオリゴ糖製造時又はその後
に、反応混合物中に、当該マルトオリゴ糖以外に副生す
るマルトオリゴ糖をグルコースに分解する酵素をも存在
させるところにある。
物中の酵素の共存というまことに単純な手法により上記
課題が見事に解決することを見出し、本発明を完成し
た。本発明の要旨は、マルトオリゴ糖製造時又はその後
に、反応混合物中に、当該マルトオリゴ糖以外に副生す
るマルトオリゴ糖をグルコースに分解する酵素をも存在
させるところにある。
【0010】本発明において、当該マルトオリゴ糖以外
に副生するマルトオリゴ糖をグルコースに分解する酵素
としては、例えば、グルコシダーゼ等を挙げることがで
きる。このものの典型的な例としては、α−D−グルコ
シド グルコハイドロラーゼ(EC 3. 2. 1. 20)を挙げ
ることができる。このものは分子量約52,000で既
に公知の物質である。このもののマルトオリゴ糖をグル
コース(以下「G1」ともいう)に加水分解する能力
(加水分解速度)は、p−ニトロフェニル−α−グルコ
シド(PNPG)に対して100とすると、マルトース(以
下「G2」ともいう)に対して7.8、マルトトリオー
ス(以下「G3」ともいう)に対して4.6であるが、
マルトオリゴ糖のうちグルコースが4個以上結合したも
のに対しては、約1/100の能力しか有していない。
例えば、マルトテトラオース(以下「G4」ともいう)
に対して0.088、マルトペンタオース(以下「G
5」ともいう)に対して0.0050、マルトヘキサオ
ース(以下「G6」ともいう)に対して0.0015で
ある。このものが、G3及びG2をG1に分解する能力
と、G4、G5、G6をG1に分解する能力との間には
隔絶した差異があることが明白である。本発明は、この
ような酵素が有する特有の性質を利用するものである。
に副生するマルトオリゴ糖をグルコースに分解する酵素
としては、例えば、グルコシダーゼ等を挙げることがで
きる。このものの典型的な例としては、α−D−グルコ
シド グルコハイドロラーゼ(EC 3. 2. 1. 20)を挙げ
ることができる。このものは分子量約52,000で既
に公知の物質である。このもののマルトオリゴ糖をグル
コース(以下「G1」ともいう)に加水分解する能力
(加水分解速度)は、p−ニトロフェニル−α−グルコ
シド(PNPG)に対して100とすると、マルトース(以
下「G2」ともいう)に対して7.8、マルトトリオー
ス(以下「G3」ともいう)に対して4.6であるが、
マルトオリゴ糖のうちグルコースが4個以上結合したも
のに対しては、約1/100の能力しか有していない。
例えば、マルトテトラオース(以下「G4」ともいう)
に対して0.088、マルトペンタオース(以下「G
5」ともいう)に対して0.0050、マルトヘキサオ
ース(以下「G6」ともいう)に対して0.0015で
ある。このものが、G3及びG2をG1に分解する能力
と、G4、G5、G6をG1に分解する能力との間には
隔絶した差異があることが明白である。本発明は、この
ような酵素が有する特有の性質を利用するものである。
【0011】従って、本発明に適用する酵素は、特定の
鎖長以上の鎖長を有するマルトオリゴ糖を全く分解しな
い酵素を意味するものではなく、実質的な意味において
特定鎖長以上のマルトオリゴ糖を分解しない酵素を意味
する。例えば、マルトオリゴ糖のうちG4を高純度で取
得する目的で本発明を適用しようとするときには、上記
のα−D−グルコシド グルコハイドロラーゼ(EC 3.
2. 1. 20)を、反応混合物に、反応時又は反応終了後に
共存させることができる。このような場合に共存させる
量は、製造する方法、量によって適宜増減することがで
きる。
鎖長以上の鎖長を有するマルトオリゴ糖を全く分解しな
い酵素を意味するものではなく、実質的な意味において
特定鎖長以上のマルトオリゴ糖を分解しない酵素を意味
する。例えば、マルトオリゴ糖のうちG4を高純度で取
得する目的で本発明を適用しようとするときには、上記
のα−D−グルコシド グルコハイドロラーゼ(EC 3.
2. 1. 20)を、反応混合物に、反応時又は反応終了後に
共存させることができる。このような場合に共存させる
量は、製造する方法、量によって適宜増減することがで
きる。
【0012】本発明の方法を適用するにあたって共存す
るα−D−グルコシド グルコハイドロラーゼ(EC 3.
2. 1. 20)は、G4製造を目的とする反応混合物中に存
在するG2及びG3を、効率よくG1に加水分解する。
しかしながら、G4はほとんど加水分解しない。このこ
とにより、反応混合物中には、糖として、副生マルトオ
リゴ糖の集計としてのG1と、目的とするG4のみが存
在することとなる。本発明においてはその後、分子量及
び鎖長の相違を利用して逆浸透膜によってG4とG1と
を分離することができる。
るα−D−グルコシド グルコハイドロラーゼ(EC 3.
2. 1. 20)は、G4製造を目的とする反応混合物中に存
在するG2及びG3を、効率よくG1に加水分解する。
しかしながら、G4はほとんど加水分解しない。このこ
とにより、反応混合物中には、糖として、副生マルトオ
リゴ糖の集計としてのG1と、目的とするG4のみが存
在することとなる。本発明においてはその後、分子量及
び鎖長の相違を利用して逆浸透膜によってG4とG1と
を分離することができる。
【0013】一般に、逆浸透膜は、澱粉に酵素反応をさ
せた反応液を濃縮する目的で用いることができ、濃縮と
いう必須の工程において、同時に目的とするマルトオリ
ゴ糖と不純糖(グルコースにしてから)が分離されるこ
とになるので、高収率で高純度のマルトオリゴ糖を製造
することができる。本発明においては更に、G1を更に
分離しやすくする目的で、グルコースを極性官能基を有
する糖に変化させる酵素を添加することができる。この
ようにすれば、例えば、その後反応混合物を電気透析器
での処理等の単純な作業により、容易にG1を分離する
ことができる。このことにより、目的とするG4を容易
に取得することができる。
せた反応液を濃縮する目的で用いることができ、濃縮と
いう必須の工程において、同時に目的とするマルトオリ
ゴ糖と不純糖(グルコースにしてから)が分離されるこ
とになるので、高収率で高純度のマルトオリゴ糖を製造
することができる。本発明においては更に、G1を更に
分離しやすくする目的で、グルコースを極性官能基を有
する糖に変化させる酵素を添加することができる。この
ようにすれば、例えば、その後反応混合物を電気透析器
での処理等の単純な作業により、容易にG1を分離する
ことができる。このことにより、目的とするG4を容易
に取得することができる。
【0014】このようなグルコースを更に極性官能基を
有する糖に変化させる酵素としては、例えば、グルコー
スオキシダーゼ等を挙げることができる。電気透析器に
よる分離方法は、中性糖と酸性糖の分離に非常に有効で
あり、電気透析器が海水の淡水化等に既に実用化されて
いることからも明白なように、低コストでの大量製造を
することができる。
有する糖に変化させる酵素としては、例えば、グルコー
スオキシダーゼ等を挙げることができる。電気透析器に
よる分離方法は、中性糖と酸性糖の分離に非常に有効で
あり、電気透析器が海水の淡水化等に既に実用化されて
いることからも明白なように、低コストでの大量製造を
することができる。
【0015】本発明が、本発明に係るα−D−グルコシ
ド グルコハイドロラーゼ(EC 3.2. 1. 20)のみに限
定される理由はない。マルトオリゴ糖をグルコースに分
解する酵素のうち、結合するグルコースの数がある特定
数になったときに急激にその分解能力(加水分解速度)
を変化させる性質を有するものは他にも存在し、このよ
うな性質を有する酵素は、本発明の方法に効率よく適用
することができる。本発明は、その性質上、基質にマル
トオリゴ糖生成酵素を作用させて特定のマルトオリゴ糖
を製造するマルトオリゴ糖の製造過程であれば、あらゆ
る製造過程において適用することができるものである。
ド グルコハイドロラーゼ(EC 3.2. 1. 20)のみに限
定される理由はない。マルトオリゴ糖をグルコースに分
解する酵素のうち、結合するグルコースの数がある特定
数になったときに急激にその分解能力(加水分解速度)
を変化させる性質を有するものは他にも存在し、このよ
うな性質を有する酵素は、本発明の方法に効率よく適用
することができる。本発明は、その性質上、基質にマル
トオリゴ糖生成酵素を作用させて特定のマルトオリゴ糖
を製造するマルトオリゴ糖の製造過程であれば、あらゆ
る製造過程において適用することができるものである。
【0016】
【発明の効果】本発明方法を適用することにより、工業
的規模で高純度のマルトオリゴ糖を製造することが可能
となった。これにより、例えば、ゲルクロマトグラフィ
ー等の高価な方法をとる必要がなく、目的物を精製する
ことが可能となったので、工業的規模で目的物を製造す
ることができるようになった。
的規模で高純度のマルトオリゴ糖を製造することが可能
となった。これにより、例えば、ゲルクロマトグラフィ
ー等の高価な方法をとる必要がなく、目的物を精製する
ことが可能となったので、工業的規模で目的物を製造す
ることができるようになった。
【0017】
【実施例】以下に本発明に係る参考例及び実施例を掲げ
て本発明を更に詳しく説明する。 実施例1 江連らの方法(Agric. Biol. Chem., 49 (7), 2159-216
5 (1985))に従って調製したオリゴグルコシルモラノリ
ン 50gを25mMトリス−塩酸緩衝液(pH 8.0、0.5mM CaC
l2含有)258ml に溶解し、これにロビーおよびアッカー
マンらの方法(Arch. Biochem. Biophys., 145, 105 (1
971))に従って調製したシュードモナス・スタチェリ I
FO-3773 (Pseudomonas stutzeri IFO-3773 )由来のマ
ルトテトラオース生成アミラーゼ(2.42ユニット/ml)
25mlを加え、30℃で46時間反応させた後濾過した。濾液
を強酸性イオン交換樹脂(ダウエックス 50W×2(H
+ ))1.5Lを通過させ、非吸着画分を得た。これを旭
化成(株)マイクロアシライザーG3で脱塩した後、凍結
乾燥して11.6g の白色粉末を得た。この粉末は、高速液
体クロマトグラフィーで分析した結果、マルトテトラオ
ース(98.42%)、マルトトリオース(0.66% )、マルト
ース(0.92%)であった。この白色粉末1gを40mMリン酸緩
衝液(pH 7.0) 50ml に溶解し、4mg のα−グルコシダ
ーゼ(サッカロミセス・セレビシエ−由来、125 ユニッ
ト/mg、東洋紡社製)を加え、30℃で反応させた。結果
を表1(表中の数値は、HPLCの面積%である)に示し
た。
て本発明を更に詳しく説明する。 実施例1 江連らの方法(Agric. Biol. Chem., 49 (7), 2159-216
5 (1985))に従って調製したオリゴグルコシルモラノリ
ン 50gを25mMトリス−塩酸緩衝液(pH 8.0、0.5mM CaC
l2含有)258ml に溶解し、これにロビーおよびアッカー
マンらの方法(Arch. Biochem. Biophys., 145, 105 (1
971))に従って調製したシュードモナス・スタチェリ I
FO-3773 (Pseudomonas stutzeri IFO-3773 )由来のマ
ルトテトラオース生成アミラーゼ(2.42ユニット/ml)
25mlを加え、30℃で46時間反応させた後濾過した。濾液
を強酸性イオン交換樹脂(ダウエックス 50W×2(H
+ ))1.5Lを通過させ、非吸着画分を得た。これを旭
化成(株)マイクロアシライザーG3で脱塩した後、凍結
乾燥して11.6g の白色粉末を得た。この粉末は、高速液
体クロマトグラフィーで分析した結果、マルトテトラオ
ース(98.42%)、マルトトリオース(0.66% )、マルト
ース(0.92%)であった。この白色粉末1gを40mMリン酸緩
衝液(pH 7.0) 50ml に溶解し、4mg のα−グルコシダ
ーゼ(サッカロミセス・セレビシエ−由来、125 ユニッ
ト/mg、東洋紡社製)を加え、30℃で反応させた。結果
を表1(表中の数値は、HPLCの面積%である)に示し
た。
【0018】表1から明らかなように、60分の反応で、
不純物として混在していたマルトトリオース、マルトー
スは、消失しグルコースに変換された。この反応液を、
1N塩酸でpH 5.1に調整した後、25mgのグルコースオキシ
ダーゼ(アスペルギルス・ニガ−由来、25ユニット/m
g、シグマ社製)を加えて、振盪しながら、30℃で16時
間反応させた後、電気透析器(マイクロアシライザーG
1、旭化成(株))にかけ、ほぼ100%のマルトテトラオ
ースを得た。
不純物として混在していたマルトトリオース、マルトー
スは、消失しグルコースに変換された。この反応液を、
1N塩酸でpH 5.1に調整した後、25mgのグルコースオキシ
ダーゼ(アスペルギルス・ニガ−由来、25ユニット/m
g、シグマ社製)を加えて、振盪しながら、30℃で16時
間反応させた後、電気透析器(マイクロアシライザーG
1、旭化成(株))にかけ、ほぼ100%のマルトテトラオ
ースを得た。
【表1】
【0019】実施例2 マルトテトラオース(94.0% )、マルトトリオース(3.
9%)、マルトース(2.1%)より成る試料(1.74g )を0.
05M リン酸緩衝液(pH 7.0)の100ml に溶解させた。こ
れに、10mgのα−グルコシダーゼ(サッカロミセス・セ
レビシエ−由来、125 ユニット/mg、東洋紡社製)を0.
01 Mリン酸緩衝液(pH 7.0)25mlに溶解した酵素液を加
え、30℃で3時間反応させた。沸騰水中で100 ℃5分間
加熱した。生じた熱変性蛋白質を濾過除去し、濾液 140
mlを得た。濾液をHPLCで分析した結果、濾液の組成は、
マルトテトラオース(88.7% )、グルコース(11.3% )
であり、不純物として混在していたマルトトリオース、
マルトースは消失しグルコースに変換された。
9%)、マルトース(2.1%)より成る試料(1.74g )を0.
05M リン酸緩衝液(pH 7.0)の100ml に溶解させた。こ
れに、10mgのα−グルコシダーゼ(サッカロミセス・セ
レビシエ−由来、125 ユニット/mg、東洋紡社製)を0.
01 Mリン酸緩衝液(pH 7.0)25mlに溶解した酵素液を加
え、30℃で3時間反応させた。沸騰水中で100 ℃5分間
加熱した。生じた熱変性蛋白質を濾過除去し、濾液 140
mlを得た。濾液をHPLCで分析した結果、濾液の組成は、
マルトテトラオース(88.7% )、グルコース(11.3% )
であり、不純物として混在していたマルトトリオース、
マルトースは消失しグルコースに変換された。
【0020】濾液 139mlを、RO/UF循環型平膜試験機
(ダイセル化学工業社製P-28型)の逆浸透膜装置を用い
て処理した。平膜は、日東電工社製RO膜NTR-7450を使用
し、圧力20kg/cm2 、循環流速1.2ml /min で行った。
まず、透過液 115mlを採り、内液を25mlに濃縮し、次い
で蒸留水25mlを加えて内液を希釈し、更に透過液を25ml
採り、濃縮を行い、再び蒸留水25mlを加えて内液を希釈
した。このような操作を計8回繰り返し行った。内液お
よび装置内を水洗した洗浄液を併せて、回収液を計 107
ml得た。このものの組成は、マルトテトラオース(99.4
% )、グルコース(0.6%)であり、非常に高純度のマル
トテトラオースが得られた。なお、マルトテトラオース
の回収率は、41.8% (0.68g )であった。
(ダイセル化学工業社製P-28型)の逆浸透膜装置を用い
て処理した。平膜は、日東電工社製RO膜NTR-7450を使用
し、圧力20kg/cm2 、循環流速1.2ml /min で行った。
まず、透過液 115mlを採り、内液を25mlに濃縮し、次い
で蒸留水25mlを加えて内液を希釈し、更に透過液を25ml
採り、濃縮を行い、再び蒸留水25mlを加えて内液を希釈
した。このような操作を計8回繰り返し行った。内液お
よび装置内を水洗した洗浄液を併せて、回収液を計 107
ml得た。このものの組成は、マルトテトラオース(99.4
% )、グルコース(0.6%)であり、非常に高純度のマル
トテトラオースが得られた。なお、マルトテトラオース
の回収率は、41.8% (0.68g )であった。
Claims (5)
- 【請求項1】 基質にマルトオリゴ糖生成酵素を作用さ
せて特定の鎖長のマルトオリゴ糖を製造する過程におい
て、当該マルトオリゴ糖以外に副生するマルトオリゴ糖
をグルコースに分解する酵素を使用することを特徴とす
る高純度マルトオリゴ糖の製造方法。 - 【請求項2】 当該マルトオリゴ糖以外に副生するマル
トオリゴ糖をグルコースに分解する酵素とともに、グル
コースを更に極性官能基を有する糖に変化させる酵素を
も使用することを特徴とする請求項1記載の高純度マル
トオリゴ糖の製造方法。 - 【請求項3】 当該マルトオリゴ糖以外に副生するマル
トオリゴ糖をグルコースに分解する酵素が、グルコシダ
ーゼである請求項1記載の高純度マルトオリゴ糖の製造
方法。 - 【請求項4】 基質にマルトオリゴ糖生成酵素を作用さ
せて特定の鎖長のマルトオリゴ糖を製造する過程におい
て、当該マルトオリゴ糖以外に副生するマルトオリゴ糖
をグルコースに分解する酵素を使用した後、逆浸透膜を
用いることを特徴とする高純度マルトオリゴ糖の製造方
法。 - 【請求項5】 基質にマルトオリゴ糖生成酵素を作用さ
せて特定の鎖長のマルトオリゴ糖を製造する過程におい
て、当該マルトオリゴ糖以外に副生するマルトオリゴ糖
をグルコースに分解する酵素とともに、グルコースを更
に極性官能基を有する糖に変化させる酵素をも使用した
後、電気透析器を用いることを特徴とする高純度マルト
オリゴ糖の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11211392A JPH05276969A (ja) | 1992-04-03 | 1992-04-03 | 高純度マルトオリゴ糖の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11211392A JPH05276969A (ja) | 1992-04-03 | 1992-04-03 | 高純度マルトオリゴ糖の製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05276969A true JPH05276969A (ja) | 1993-10-26 |
Family
ID=14578493
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11211392A Pending JPH05276969A (ja) | 1992-04-03 | 1992-04-03 | 高純度マルトオリゴ糖の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05276969A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2845905A1 (en) * | 2013-09-10 | 2015-03-11 | Jennewein Biotechnologie GmbH | Production of oligosaccharides |
US12123040B2 (en) | 2013-09-10 | 2024-10-22 | Chr. Hansen HMO GmbH | Production of oligosaccharides |
-
1992
- 1992-04-03 JP JP11211392A patent/JPH05276969A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2845905A1 (en) * | 2013-09-10 | 2015-03-11 | Jennewein Biotechnologie GmbH | Production of oligosaccharides |
WO2015036138A1 (en) * | 2013-09-10 | 2015-03-19 | Jennewein Biotechnologie Gmbh | Production of oligosaccharides |
JP2016530888A (ja) * | 2013-09-10 | 2016-10-06 | イェンネヴァイン ビオテヒノロギー ゲーエムベーハー | オリゴ糖類の製造 |
JP2019213553A (ja) * | 2013-09-10 | 2019-12-19 | イェンネワイン バイオテクノロジー ゲーエムベーハーJennewein Biotechnologie GmbH | オリゴ糖類の製造 |
JP2019213552A (ja) * | 2013-09-10 | 2019-12-19 | イェンネワイン バイオテクノロジー ゲーエムベーハーJennewein Biotechnologie GmbH | オリゴ糖類の製造 |
CN110628842A (zh) * | 2013-09-10 | 2019-12-31 | 詹尼温生物技术有限责任公司 | 寡糖的生产 |
CN110643658A (zh) * | 2013-09-10 | 2020-01-03 | 詹尼温生物技术有限责任公司 | 寡糖的生产 |
US11427845B2 (en) | 2013-09-10 | 2022-08-30 | Chr. Hansen HMO GmbH | Production of oligosaccharides |
US11981947B2 (en) | 2013-09-10 | 2024-05-14 | Chr. Hansen HMO GmbH | Production of oligosaccharides |
US12123040B2 (en) | 2013-09-10 | 2024-10-22 | Chr. Hansen HMO GmbH | Production of oligosaccharides |
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