JP2882668B2 - 糖化合物の製造法 - Google Patents

糖化合物の製造法

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【発明の詳細な説明】 本発明はグルコースと糖アルコールとからそれらが結
合した糖化合物を容易に生成せしめるために、グルコア
ミラーゼを用いる酵素反応を利用することを特徴とする
糖化合物の製造法に関するものである。さらに詳しく
は、グルコースと、ソルビトール,マンニトール,エリ
スリトールなどの糖アルコールを共存させておき、これ
にグルコアミラーゼを作用させることで、酵素反応によ
りグルコースと糖アルコールとが結合した糖化合物を容
易に且つ効率良くまた選択的に生成せしめる方法に関す
るものである。
[産業上の利用分野] 本発明の方法に従った糖化合物の例としては、グルコ
ピラノシル−ソルビトールやグルコピラノシル−マンニ
トールが挙げられる。これらの糖化合物は虫歯予防効果
(低う蝕性)を有する上に、難消化性(低カロリー)で
ある点で特徴があり、甘味料として有用な化合物であ
る。
更にこれら特徴に加えて、吸湿性が低く、熱に強くま
た加熱温度について厳しく規制されることがないなど産
業利用上数々の有用な特性を有している。このため、乳
酸飲料や発酵食品をはじめ水分の多い食品に使用するこ
とにより、発酵を抑え、食品の日持ちを改善し、製品の
保存性向上が期待できる。
[従来の技術] 工業的には麦芽糖や水飴のような、いわゆる澱粉糖を
化学的に還元することによってグルコースと糖アルコー
ルとが結合した糖化合物が製造されている。例えば、α
−D−グルコピラノシル−1,6−ソルビトールは、イソ
マルトースやイソマルツロース(6−0−α−D−グル
コピラノシル−フラクトース)を出発原料として化学的
に還元することにより生成出来る。しかし、イソマルト
ース自体が極めて高価であるため工業原料としては必ず
しも適さなかったり、イソマルツロースからの還元生成
物がグルコピラノシル−ソルビトールとグルコピラノシ
ル−マンニトールとの混合物となってしまう(特公昭57
−9472,特公昭59−36694)ため、グルコピラノシル−ソ
ルビトールやグルコピラノシル−マンニトールを選択的
に効率よく製造するための手段としては必ずしも満足い
くものとは言い難い。
一方、本発明のような酵素反応によりグルコースと糖
アルコールとが結合した糖化合物を製造する方法にはα
−グルコシダーゼを用いるものがある。しかしながら、
グルコピラノシル−ソルビトールなどの二糖類アルコー
ルを製造するうえからは、α−グルコシダーゼは反応効
率の面ではすぐれているが現在のところ高価であり工業
的には必ずしも満足いく酵素であるとは言えない。その
ため、グルコピラノシル−ソルビトールなどの二糖類ア
ルコールを工業的に効率よく製造するためには、工業用
酵素などの大量にかつ容易にまた安価に入手しうる酵素
を利用したグルコピラノシル−ソルビトールなどの二糖
類アルコール製造法が望まれる。
本発明は工業的に安価で容易に入手しうるグルコアミ
ラーゼを利用することで、上記のような従来技術の持つ
欠点を克服し、グルコースと糖アルコールとからそれら
が結合した糖化合物を選択的にかつ容易にまた効率良く
製造する方法に関する。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、産業上の見地から安価な工業用酵素
などを利用することにより、グルコースと糖アルコール
とから、それらが結合した産業上有用な糖化合物を、酵
素の有する結合作用を利用することにより、容易に且つ
効率良く製造することにある。
つまり、本発明に従えばグルコースとソルビトールな
どを出発原料として、グルコアミラーゼによる酵素反応
を利用することにより、従来技術では得ることが難しい
ようなグルコースと糖アルコールとが結合した糖化合物
を選択的かつ容易に製造することが出来る。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、糖分解酵素であるグルコアミラーゼが
高濃度のグルコース溶液中では酵素の逆反応によりグル
コースどおしを縮合してオリゴ糖(マルトースやイソマ
ルトース)を生成することに着目し研究を重ねて結果、
グルコアミラーゼが比較的高濃度のグルコースとソルビ
トールとの溶液中で、極めて効率良く選択的にグルコピ
ラノシル−ソルビトールを生成することを見い出した。
またグルコアミラーゼを用いた同様の反応に於いて、
ソルビトールに代えてマンニトール,エリスリトールな
どの糖アルコールを用いたところ、これらとグルコース
とが結合した糖化合物を極めて効率良く選択的に生成出
来ることも見い出した。
本発明に於いては、使用するグルコース或はソルビト
ール等の糖アルコールは必ずしも高純度のものを要求す
るものではなく、例えばグルコースの場合、澱粉の糖化
過程で発生する例えば各種オリゴ糖のような不純物を含
んでいても構わない。
またソルビトール等の糖アルコールは、一般に砂糖,
ブドウ糖,水飴,キシロース等を還元することにより生
成されるが、本発明に従う通常の反応に於いては、必ず
しも純度の高いものを用いなくてもよい。
またグルコアミラーゼとしては、例えばアスペルギル
ス属、リゾプス属、サッカロマイセス属などの微生物が
産生しているものが知られている。しかしながら、本発
明記載の反応に用いる酵素の種類は、これらに限定する
ものではない。
本発明によるグルコースと糖アルコールとからなる糖
化合物の製造に於いては、先ずグルコースと糖アルコー
ルとを含有する比較的高濃度の反応溶液を準備する。こ
の反応溶液の濃度範囲としては重量パーセント濃度で5
〜100%、さらに望ましくは20〜100%である方が生成す
る糖化合物の量が増加する。また反応溶液の組成は、グ
ルコースに対する糖アルコールの重量比が100:1〜1:100
程度の範囲が、さらに好ましくは1:10〜10:1となる方が
生成する糖化合物の量が増加する。また反応溶液に投入
する酵素量は、その量が多いほど生成する糖化合物の量
が増加する。一般には0.1〜500mg/ml程度の範囲で用い
られる。
また一般に酵素反応に於いては、pHや温度等の反応条
件が重要となるが、本発明では、使用するグルコアミラ
ーゼが酵素活性を保っている範囲内でpHや温度を設定す
ればよく、例えば反応溶液のpHを2〜9、より好ましく
は3〜6の範囲に調整しておくことが望ましい。また温
度に関しては、酵素の安定性を損なわない範囲内で比較
的高温で反応させる方が良く、20〜70℃が望ましい。
次に、この反応溶液にグルコアミラーゼを作用させる
が、それには大別して以下の方法を挙げることが出来
る。一つは酵素或は酵素を有する微生物を直接に反応溶
液に投入するバッチ方式であり、その他としては酵素或
は酵素を有する微生物を固定化して用い、これに反応溶
液を作用させる方式である。
例えば本発明に従い、バッチ方式を採用してグルコー
スとソルビトールとからグルコピラノシル−ソルビトー
ルを生成させる場合、グルコースとソルビトールとから
成る反応溶液の重量パーセント濃度を10〜100%より好
ましくは40〜100%とする。また反応溶液の組成をグル
コースに対するソルビトールの重量比で1:4〜4:1に、よ
り好ましくは2:3〜3:2とする。反応溶液は例えば予めpH
を2〜9、より好ましくは3〜6に調整しておき、これ
に例えば市販酵素のグルコアミラーゼを直接加えること
によって生成反応を行わせる。この際、反応温度を予め
20〜70℃に、より好ましくは50〜65℃に設定しておく。
本発明に従う酵素反応に於いて、グルコピラノシル−
ソルビトールを始めとする糖化合物は、酵素活性が持続
する限り反応時間が長いほどその生成量が増加する。
本発明の方法に従って得られた糖化合物は、例えばメ
ンブレンフィルター等を用いて酵素を除去し、さらに例
えば活性炭或はイオン交換樹脂等を利用して、グルコー
スやソルビトール等の糖アルコールの原料と、グルコピ
ラノシル−ソルビトール等の糖化合物とを分離すること
により、容易に且つ効率良く回収できる。
[発明の実施例] 以下、実施例により本発明をさらに説明するが、これ
らのみに限定されるものではないことは自明である。
実施例1 グルコース30%,ソルビトール30%から成る反応、溶
液(pH5.0)を、予め50℃に設定しておいた恒温槽に入
れ、次いでこの反応溶液にグルコアミラーゼを蛋白濃度
が0.1〜500mg/mlとなるように加えて反応を開始させ
る。
一定時間毎にサンプリングすることで、生成したグル
コピラノシル−ソルビトールの量を測定したところ、蛋
白濃度が2.0mg/mlである場合は反応開始後24時間でその
生成量は重量パーセント濃度で1.5%、72時間で2.5%で
あった。また蛋白濃度が10.0mg/mlである場合は反応開
始後24時間で3.8%、48時間で4.9%であった。
この際、サンプリングした反応溶液は加熱処理によっ
て酵素反応を停止させた後、メンブレンフィルターを用
いて酵素を除去した。除蛋白した反応溶液をカルシウム
型のカチオン交換樹脂カラムを使った高速液体クロマト
グラフィーや薄層クロマトグラフィーを用い分析したと
ころ、標準物質と一致することを確認した。
以下の実施例についても同様にして生成物を分析し
た。
実施例2 反応溶液中のグルコース,ソルビトールに代えて、グ
ルコース30%,マンニトール20%となる以外は実施例1
と同じ条件で、生成するグルコピラノシル−マンニトー
ルの量を測定したところ、蛋白濃度が42mg/mlの場合
は、26時間で10%であった。
実施例3 反応溶液中のグルコース,ソルビトールに代えて、グ
ルコース30%、エリスリトール30%となる以外は実施例
1と同じ条件でグルコピラノシル−エリスリトールの生
成量を測定したところ、蛋白濃度が170mg/mlの場合、反
応開始後40時間で13.1%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀内 等希夫 東京都大田区多摩川2―24―25 昭和電 工株式会社生化学研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 19/44 CA(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グルコースと糖アルコールとをグルコアミ
    ラーゼの存在下で結合せしめることを特許とする糖化合
    物の製造方法。
  2. 【請求項2】前記糖アルコールがソルビトール、マンニ
    トール又はエリスリトールである、請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】前記糖化合物が二糖類アルコールである請
    求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記糖化合物がグルコピラノシル−ソルビ
    トール、グルコピラノシル−マンニトール又はグルコピ
    ラノシル−エリスリトールである、請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の方法。
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