JPH0640830B2 - 高純度マルト−スの製造方法 - Google Patents

高純度マルト−スの製造方法

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JPH0640830B2
JPH0640830B2 JP22479984A JP22479984A JPH0640830B2 JP H0640830 B2 JPH0640830 B2 JP H0640830B2 JP 22479984 A JP22479984 A JP 22479984A JP 22479984 A JP22479984 A JP 22479984A JP H0640830 B2 JPH0640830 B2 JP H0640830B2
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yeast
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征吉 杉本
輝夫 中久喜
信之 中村
実 岡田
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Japan Maize Products Co Ltd
Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
Kojin Co Ltd
Kohjin Co
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Japan Maize Products Co Ltd
Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
Kojin Co Ltd
Kohjin Co
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高純度マルトースの製造方法に関し、更に詳
細には、マルトースを主成分とし、グルコースを副成分
として含有するでん粉糖液からグルコースを選択的に除
去してマルトースの純度を向上させる方法に関する。
〔従来の技術〕
マルトースは、さっぱりしたまろやかな独特の甘味を有
するため広く食品用甘味料として使用されており、また
生理的にはインシュリンの助けなしに体内に消化吸収さ
れることから、糖尿病患者等に対するカロリー補給用輸
液として使用されている。マルトースはまた、砂糖と同
程度の甘味を有するにもかかわらず、消化吸収されにく
いことから低カロリーダイエット食品の甘味料として使
用されているマルチトールの原料としても有用である。
従来マルトースは、とうもろこし、馬鈴薯、甘薯、小
麦、タピオカなどのでん粉に、β−アミラーゼあるいは
β−アミラーゼとα−1,6−グルコシダーゼを作用さ
せることにより得られている。このようにして得られる
でん粉糖液は、固形分に対して一般に50〜90重量%
のマルトースを含んでおり、このマルトース液をそのま
ま使用するばあいもある。しかしこのマルトース液には
固形分に対して一般に1〜10重量%程度のグルコース
が含まれている。このようにグルコースを含有するマル
トース液をそのまま食品材料、たとえば製あん材料など
として使用すると、加熱時、還元力の高いグルコースが
アミノ酸や蛋白質と反応して着色生成物を生じ、その製
品の商品価値を著しく損うことになる。したがって、グ
ルコースを実質的に含まないマルトース含有糖液が強く
望まれている。
一方、上記マルトース液にはグルコースのほかにマルト
トリオースやデキストリンなども含まれている。
このような不純物を含むマルトース液を精製して高純度
マルトースを製造する方法としては、前記のとおりでん
粉にβ−アミラーゼまたはβ−アミラーゼとα−1,6
−グルコシダーゼを作用させてマルトースを主成分とす
るでん粉糖化液を調製した後、これを逆浸透膜、限外濾
過膜等の膜で分画してマルトース純度を高める方法、活
性炭にマルトトリオース以上のデキストリン区画を吸着
させてマルトース純度を高める方法、あるいはアルカリ
金属型またはアルカリ土類金属型強酸性イオン交換樹脂
を充填したカラムでマルトースと他の糖類とを分画して
マルトース純度を高める方法などが知られている。
しかしながらこれらの方法は製造設備が高価であること
および処理液濃度が稀薄となるため濃縮に要するコスト
が大きい等の問題点があり、簡便性、効率性、経済性の
点で優れた方法とはいえない。
〔発明が解決しようとする課題〕
したがって本発明の目的は、簡便で効率のよい高純度マ
ルトースの製造方法、特にでん粉糖液中のグルコースを
選択的に除去してマルトースの純度を高くする方法を提
供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、グルコースを資化するが、マルトースを
実質的に資化しない酵母の固定化菌体をでん粉糖液に作
用させることにより上記目的が達成されることを見出
し、本発明を完成するに至った。
本発明は、マルトースを主成分とし、グルコースを副成
分として含有するでん粉糖液を、キャンディダ属に属
し、グルコースを資化し、マルトースを資化しない酵母
の固定化菌体で処理することを特徴とする、実質的にグ
ルコースを含まない高純度マルトースの製造方法であ
る。
本発明に使用されるでん粉糖液は、マルトースを主成分
とするものであって、好ましくない影響を与えうる濃度
のグルコース、一般には固形分に対して約1重量%以上
のマルトースを含むものである。このようなでん粉糖液
としては、たとえば、でん粉にα−アミラーゼを作用さ
せて得られるでん粉液化液に、β−アミラーゼおよびプ
ルラナーゼ、イソアミラーゼなどのα−1,6−グルコ
シダーゼを作用させて得られる、固形分に対してたとえ
ば70重量%以上のマルトースを含むでん粉糖液、ある
いは、一般に固形分に対して70重量%以上のマルトー
スを含む市販のマルトース含有糖液などが挙げられる。
更に、上記のマルトース含有糖液を逆浸透膜、限外濾過
膜、活性炭カラム、又はアルカリ金属型またはアルカリ
土類金属型強酸性カチオン交換樹脂を充填したカラムで
処理してマルトース含有量を高めた糖液であってもよ
い。
本発明で使用される酵母は、グルコースを資化し、マル
トースを資化しない酵母であり、キャンディダ(Candid
a)属から選ぶことができる。
同じ属の中でもマルトース資化能のあるものは、本発明
に利用できない。選択は、例えばロダー(Lodder)編
“ザ・イースト”(The Yeast)1970年などの酵母
の性質を記載した文献から候補の属種を選び、そこに属
する公知の菌株又は、それに属すると同定した菌株を選
び、常法により、マルトースおよびグルコース資化能の
有無を試験の上、確認して使用する。なお属種が不明確
な酵母であっても、試験によってグルコース資化能があ
り、マルトース資化能がないと確認されたものは使用す
ることができる。
酵母処理を行うにあたっては酵母菌体をアルギン酸塩、
アクリルアミドゲル、ポリビニルアルコールゲル、光架
橋性樹脂、カラギーナン、キトサン、ゼラチン、寒天等
の包括剤を用いて固定化した酵母菌体を用いる。更に酵
母の固定化菌体をグルタルアルデヒド等の架橋剤で処理
して使用することもできる。酵母処理はタンクを用いる
バッチ方式又はカラムを用いる連続方式によって行うこ
とが出来るが、特に酵母の固定化菌体を充填したカラム
によって連続的に行うことが効率的であり好ましい。
酵母菌体の固定化はたとえば次のようにして行うことが
できる。すなわち、包括剤としてアルギン酸ソーダを用
いる場合について述べると、先づ酵母を2〜3%のアル
ギン酸ソーダ溶液に添加し、充分に混合した後、撹拌し
ながら1〜3%の塩化カルシウム溶液中に滴下させるこ
とにより、約2〜3mmの球状の固定化酵母を得ることが
出来る。
このようにして得られる酵母の固定化菌体を用いてバッ
チ法で高純度マルトースを製造するには濃度たとえば、
10〜40%のでん粉糖液に、この糖液の固形分に対し
1〜30%の酵母の固定化菌体を加え、通常の酵母の生
育可能温度である20〜50℃、好ましくは25〜35
℃で、pH3〜8、好ましくは4〜7において、5〜50
時間撹拌し、常法により精製濃縮を行えばよい。また、
連続法で行う場合には酵母の固定化菌体をカラムに充填
し、温度20〜50℃、好ましくは25〜35℃で、pH
3〜8、好ましくは、4〜7の原料糖液を濃度、たとえ
ば10〜40%にてカラム上部又は下部より通液する。
通液の速度は被処理糖液のグルコース濃度及び酵母の固
定化菌体 の活性によって異るがSV(空間速度)として0.1〜
3.0程度が好ましい。カラムより出てくる糖液を常法
により精製、濃縮を行えば高純度マルトースが得られ
る。
本発明方法にしたがって酵母処理したでん粉糖液は一般
にマルトトリオース及び/又はデキストリンを含むが、
そのままで、マルトースを含まないマルトースシロップ
として食品等に応用できる。更に高純度のマルトースを
作る場合は、結晶化するか、イオン交換樹脂等により、
マルトトリオースやデキストリンなどの不純物を分離除
去すればよい。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例をもって、具体的に説明する。
「%」は他に明記しない限り「重量%」である。
実施例1 グルコース4.9%、マルトース86.4%、マルトト
リオース及びそれ以上の重合度のオリゴ糖8.7%の組
成を有する濃度20%の糖液1,000mlをpH5.5に
調整した。
一方キャンディダ・シュードトロピカリス(a)の酵母菌
体500gを2.5%のアルギン酸ソーダ溶液500ml
に添加してよく混合した後、撹拌しながら2%濃度の塩
化カルシウム溶液に滴下して約2〜3mmの球状の固定化
菌体を得た。このようにして得られた固定化菌体を直径
3cm、長さ60cm、内容量400mlのジャケット付ガラ
ス製カラムに充填し温度を35℃に保ちながら、上記の
糖液をSV0.5の流速で20時間通液した。得られた
糖液のマルトース含有量は固形分に対して92.2%で
あった。グルコースは検出されなかった。
実施例2 実施例1で使用したグルコース含有量4.9%の糖液を
固形分40%濃度に調整し、Na型の強酸性カチオン
交換樹脂(三菱化成工業社の商品名ダイヤイオンSK−
1B)を充填したカラムを用い、温度70℃、SV0.
5で常法により分画を行い、マルトトリオース以上のオ
リゴ糖区分を除去し、マルトースとグルコースから成る
区分を分取した。この糖液の組成は、グルコース5.7
%、マルトース93.7%、マルトトリオース0.6%
であった。上記より得た糖液を実施例1で使用した酵母
の固定化菌体を充填したカラムに同じ条件で通液した。
これにより得られた糖液の組成は、グルコース0%、マ
ルトース99.0%、マルトトリオース1.0%であっ
た。
〔発明の効果〕
本発明によれば、でん粉糖液からグルコースを効率よく
除去することができ、簡単、容易にかつ経済的に高純度
マルトースを製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 信之 東京都国立市中1−4―23 (72)発明者 岡田 実 東京都品川区南品川5−6―2 (56)参考文献 特開 昭59−162897(JP,A) 特公 昭55−42840(JP,B1) 特公 昭56−28154(JP,B1) LODDER「THE YEASTS」 (1952)516頁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マルトースを主成分とし、グルコースを副
    成分として含有するでん粉糖液を、キャンディダ属に属
    し、グルコースを資化し、マルトースを資化しない酵母
    の固定化菌体で処理することを特徴とする、実質的にグ
    ルコースを含まない高純度マルトースの製造方法。
JP22479984A 1984-10-25 1984-10-25 高純度マルト−スの製造方法 Expired - Lifetime JPH0640830B2 (ja)

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JP2002209597A (ja) * 2001-01-15 2002-07-30 Unitika Ltd L−アラビノースの精製方法
JP4859477B2 (ja) * 2006-02-17 2012-01-25 オリエンタル酵母工業株式会社 酵母を利用した精糖方法

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LODDER「THEYEASTS」(1952)516頁

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