JPH06113875A - L−ガラクトースの製造方法 - Google Patents

L−ガラクトースの製造方法

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JPH06113875A
JPH06113875A JP31257992A JP31257992A JPH06113875A JP H06113875 A JPH06113875 A JP H06113875A JP 31257992 A JP31257992 A JP 31257992A JP 31257992 A JP31257992 A JP 31257992A JP H06113875 A JPH06113875 A JP H06113875A
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galactose
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Takeshi Ikumori
健 何森
Keiji Tsuzaki
桂二 津▲崎▼
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Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 L−ガラクトースの製造方法の確立を目的と
する。 【構成】 L−タガトースを含有する溶液にD−アラビ
ノース・イソメラーゼ(EC 5.3.1.3)を作用
させてL−ガラクトースを生成せしめ、これを採取する
ことを特徴とするL−ガラクトースの製造方法を構成と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、L−ガラクトースの製
造方法に関するものであり、さらに詳細には、L−タガ
トースを含有する溶液にD−アラビノース・イソメラー
ゼを作用させてL−ガラクトースを生成せしめ、これを
採取することを特徴とするL−ガラクトースの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の方法】L−ガラクトースは自然界には寒天や植
物ゴム中にわずかに含まれているにすぎない希少糖質で
ある。その製造方法としては、寒天や植物ゴム中の多糖
を加水分解し、酵母などにより分解できる糖質を除去
し、さらにL−ガラクトースを精製分離するといった非
常に煩雑な方法であった。従って多量のL−ガラクトー
スを得ることは非常に困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、生化学工業が急
速に発達し、糖質化学の分野においても、新たな糖質の
開発が望まれている。 L−ガラクトースは、その大量
製造方法が確立されておらず、入手は困難であり、未
だ、食品工業、医薬品工業、化学工業などの工業原料と
して使用されるに至っていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、L−ガラ
クトースを生化学的手段による大量、安価に製造するこ
とを目的に鋭意研究した。
【0005】その結果、L−タガトースにD−アラビノ
ース・イソメラーゼが作用し40%を超える高変換率で
L−ガラクトースを生成することを見いだした。このL
−ガラクトースを採取することによりL−ガラクトース
が容易に製造しうることを見いだし、本発明を完成し
た。原料のL−タガトースは、本発明者等が、先に、特
願平4−159972号明細書で記載したように、ガラ
クチトールから生物学的手段によって容易に得られる糖
質である。従って、本発明により、原料としてL−タガ
トースを用い、D−アラビノース・イソメラーゼによる
異性化反応によってL−ガラクトースを容易に製造する
ことができる。
【0006】本発明において、L−タガトースからL−
ガラクトースの生産に用いるD−アラビノース・イソメ
ラーゼ(EC 5.3.1.3)は、既によく知られて
おり、例えば、メソッズ・イン・エンザイモロジー(M
ethods in Enzymology) 第41
巻462乃至465頁(Academic Press
Inc、1975年)に記載されている酵素である。
しかし、本酵素がL−タガトースに作用し40%を超え
る高変換率でL−ガラクトースを生成することは、従来
知られておらず本発明をもって嚆矢とする。
【0007】D−アラビノース・イソメラーゼは、通
常、D−アラビノース・イソメラーゼ産生能を有する微
生物を培養して得ることができる。例えば、クレブジェ
ラ・ニューモニアエ(Klebsiella pneu
moniae)を栄養源、例えば、窒素源、無機塩およ
び炭素源としてD−アラビノースあるいはL−フコース
を含む培地、望ましくは、微酸性乃至微アルカリ性の液
体培地に植菌し、温度約20℃乃至35℃で、1乃至1
0日間好気的条件下で培養する。酵素を構成的に産生す
る変異株を用いることは、D−アラビノース、あるいは
L−フコースなどの高価な炭素源を必要としないので特
に有利である。通常、得られた培養菌体からD−アラビ
ノース・イソメラーゼを抽出し、そのまま、あるいは固
定化して反応に用いる。
【0008】このようにして得られるD−アラビノース
・イソメラーゼをL−タガトースを含む溶液、望ましく
は、濃度5w/v%以上、更に好ましくは、10w/v
%以上の高濃度溶液に作用させることによって、L−タ
ガトースがL−ガラクトースに容易に高変換率で変換
し、L−ガラクトースが固形物当り20%を超える高収
率で採取できる。また、本酵素を固定化して用いる場合
には、L−タガトースからL−ガラクトースへの変換
に、繰り返し利用でき、また連続反応に利用することも
有利に実施できる。
【0009】以上述べた方法により生成したL−タガト
ースとL−ガラクトースとを含有する水溶液は、必要に
より、例えば、活性炭吸着による脱色、H型、OH型イ
オン交換樹脂による脱塩などの方法で精製し、濃縮して
シラップ状のL−タガトースとL−ガラクトースとを含
む製品を採取する。更に、アルカリ金属型またはアルカ
リ土類金属型などの塩型強酸性イオン交換樹脂を用いる
カラムクロマトグラフィー、例えばダウケミカル社製造
の商品名ダウエックス50WX4、ダウエエックスWG
R、東京有機化学工業株式会社製造の商品アンバーライ
トET−1008、アンバーライトIRA47、三菱化
成工業株式会社製造の商品名ダイヤイオンSK106、
ダイヤイオンWA11などを用いるカラムクロマトグラ
フィーにかけ分画、精製し、L−ガラクトース高含有物
を採取し濃縮することにより、シラップ状の製品を、更
に晶出、分蜜して高純度の結晶L−ガラクトース製品も
容易に得ることができる。生産物であるL−ガラクトー
スを分離したL−タガトースは、再び原料としてL−ガ
ラクトースの製造に利用できる。このように本発明は、
従来入手が極めて困難であったL−ガラクトースを大
量、安価に供給することが容易となり、L−ガラクトー
スの工業的製造方法として好適である。従って、L−ガ
ラクトースは、食品工業、医薬品工業、化学工業などの
原料、中間体などとして有利に利用できる。
【0010】以下、本発明に用いるD−アラビノース・
イソメラーゼの調製例を参考例で、本発明のL−タガト
ースからのL−ガラクトースの製造例を実施例で述べ
る。
【0011】
【参考例】 D−アラビノース・イソメラーゼの調製 硫酸アンモニウム0.2w/x%、リン酸一カリウム
0.24w/v%、リン酸二カリウム0.56w/v
%、硫酸マグネシウム・7水塩0.01w/v%、酵母
エキス0.5w/v%、D−アラビノース2w/v%及
び脱イオン水からなる培養液20Lを30L容ジャーフ
ァーメンターにとり、120℃、20分間オートクレー
ブした後、冷却し、クレブジエラ ニューモニアIFO
13541の種培養液を1v/v%加えて、30℃で3
日間培養した。
【0012】培養後、遠心分離により集菌し、得られた
生菌体約200gを常法に従って破砕、抽出し、遠心分
離して上清を得、次いでポリエチレングリコール600
0を用いた分画沈殿法により精製し、透析して、粗酵素
液約50mlを得た。本酵素は、ml当り約200単位
のD−アラビノース・イソメラーゼ活性を有していた。
D−アラビノース・イソメラーゼ活性測定は次のように
行った。すなわち、反応液組成は、50mM グリシン
緩衝液(pH9.3)0.5ml、1mM 塩化マンガ
ン0.01ml、0.1M D−アラビノース0.05
mlおよび酵素液0.1mlに水を加えて計1.0ml
とした。反応は、35℃で10分間行い、生成物である
D−リブロースをシステイン・カルバゾール法で測定
し、1分間に1μmolのD−リブロースを生成する酵
素量を1単位とした。
【0013】
【実施例】10w/v%L−タガトース水溶液(pH
9.3)1Lに、参考例の方法で調製したD−アラビノ
ース・イソメラーゼをL−タガトース グラム当り約1
00単位の割合で加え、40℃で20時間反応した。
【0014】反応後、反応液を常法に従って、活性炭を
用いて脱色し、次いで、ダイヤイオンSK1B(H型、
三菱化成工業株式会社製造の商品名)およびダイヤイオ
ンWA30(OH型、三菱化成工業株式会社製造の商品
名)を用いて脱塩し、減圧濃縮してL−タガトースとL
−ガラクトースとを含む濃度約60%の透明なシラップ
を得た。ダウエックス50WX4(カルシウム型のカチ
オン交換樹脂、ダウケミカル社製造の商品名)を用いる
カラムクロマトグラフィーにより分離、精製し、得られ
るL−ガラクトース画分を濃縮し、晶出、分蜜して結晶
L−ガラクトースを採取した。結晶L−ガラクトースの
L−タガトースに対する収率は、固形物当たり約30%
であった。
【0015】このようにして得られた製品を同定するた
めに、実験により理化学的性質を調べ、その性質を文献
値と比較、または、Sigma社が市販している試薬D
−ガラクトースを標準物質としてその測定値と比較し
た。
【0016】 (1)高速液体クロマトグラフィーによる分析 本製品を高速液体クロマトグラフィー(日本分光工業社
製880−PU:カラム、日立製作所GL−C611;
溶離液、10−4M 水酸化ナトリウム、60℃;流
速、1ml/min;検出、島津製作所RID−6A)
で分析したところ、その溶出位置は、標準物質としての
試薬D−グルコース、D−マンノースなどのヘキソース
とは異なり、標準物質としての試薬D−ガラクトースと
同一の17.1分であった。
【0017】(2)比旋光度 本製品の測定値 標準の試薬D−ガラクトースの測定値 L−ガラクトースの文献値 文献:チャップマン・アンド・ホール(Chapman
andHall)社、「ディクショナリー・オブ・オ
ーガニック・コンパウンズ(Dictionary o
f organic compounds )」、第2
722頁(1982年)
【0018】(3)赤外線吸収スペクトル KBr錠剤法で測定した本製品の赤外線吸収スペクトル
を図1に示した。このスペクトルは、図2に示した標準
のD−ガラクトースの赤外線吸収スペクルとよく一致し
た。
【0019】以上の結果から明らかなように、本製品
が、高速液体クロマトグラフィー、赤外線吸収スペクト
ルについては、標準のD−ガラクトースの値とよく一致
し、比旋光度については、D−ガラクトースの値とほぼ
一致するものの+、−逆であり、L−ガラクトースの文
献値とよく一致したことから、本発明の方法で得られた
製品は、L−ガラクトースであると判断される。本製品
は、希少物質としての試薬用途のみならず、食品工業、
医薬品、化学工業などの原料、中間体などとしても有利
に利用できる。
【0020】
【発明の効果】本発明のD−アラビノース・イソメラー
ゼを用いるL−タガトースからのL−ガラクトースの製
造方法は、従来、希少糖類として入手の困難であったL
−ガラクトースの大量生産の道を拓くものである。従っ
て、本発明のL−ガラクトースの製造方法の確立は、製
糖産業のみならず、これに関連する食品、化粧品、医薬
品産業における工業的意義が極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法で得たL−ガラクトースの赤外線
吸収スペクトルを示す図である。
【図2】標準のD−ガラクトースの赤外線吸収スペクト
ルを示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 L−タガトースを含有する溶液にD−ア
    ラビノース・イソメラーゼを作用させてL−ガラクトー
    スを生成せしめ、これを採取することを特徴とするL−
    ガラクトースの製造方法。
  2. 【請求項2】 L−タガトースを含有する溶液が、濃度
    5w/v%以上の高濃度溶液を用いることを特徴とする
    請求項1記載のL−ガラクトースの製造方法。
  3. 【請求項3】 L−タガトースを含有する溶液にD−ア
    ラビノーヌ・イソメラーゼを作用させてL−ガラクトー
    スを生成せしめ、得られる溶液を塩型強酸性カチオン交
    換樹脂を用いるカラムクロマトグラフィーにかけ、L−
    ガラクトース高含有画分を採取することを特徴とするL
    −ガラクトースの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000068397A1 (en) * 1999-05-06 2000-11-16 Tongyang Confectionery Co. Biological tagatose production by recombinant escherichia coli
US6991923B2 (en) 2001-07-16 2006-01-31 Arla Foods Amba Process for manufacturing of tagatose
KR100697762B1 (ko) * 2001-07-16 2007-03-22 아를라 푸즈 에이엠비에이 타가토스의 제조 방법

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KR100697762B1 (ko) * 2001-07-16 2007-03-22 아를라 푸즈 에이엠비에이 타가토스의 제조 방법

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