JPH05269069A - ウエットワイパ− - Google Patents

ウエットワイパ−

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JPH05269069A
JPH05269069A JP4100376A JP10037692A JPH05269069A JP H05269069 A JPH05269069 A JP H05269069A JP 4100376 A JP4100376 A JP 4100376A JP 10037692 A JP10037692 A JP 10037692A JP H05269069 A JPH05269069 A JP H05269069A
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fiber
group
general formula
acid
structural unit
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Kazuhiko Tanaka
和彦 田中
Tsutomu Miura
勤 三浦
Masao Kawamoto
正夫 河本
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐久性のある高い吸水性および保水性を有する
共重合ポリエステルからなる繊維を主体構成繊維とし、
優れた吸水性、湿潤性を有したウエットワイパ−を提供
する。 【構成】特定の側鎖型ポリオキシアルキレン基含有化合
物、特定の主鎖型ポリオキシアルキレン基含有化合物お
よびスルホン酸金属塩基を有する化合物がそれぞれ所定
量共重合されたポリエステルからなる繊維を用いてなる
ウエットワイパ−。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は身体またはプラスチック
製品、光学機器、塗装物等の払拭・清掃に有用な、不快
臭、変色のないウエットワイパ−に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ウエットワイパ−として吸液性、
吸湿性または保液性等の点から再生セルロ−ス繊維を主
体とした繊維の不織布が使用されている。再生セルロ−
ス繊維で作製された不織布またはその不織布をバインダ
−樹脂で固定したもの、再生セルロ−ス繊維と熱バイン
ダ−繊維とを混繊して作製された不織布を熱処理して固
定したものなどに含水アルコ−ル、殺菌性薬剤、香料等
の薬液を含有させてウエットティッシュとすることが、
特開昭63−500991号公報、特開昭63−275
311号公報、実開昭62−182691号公報、実開
昭62−182692号公報等に提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のウエットワイパ
−用不織布に使用されている再生セルロ−ス繊維は、原
料となるパルプの製造、再生セルロ−ス繊維の製造等に
おいて硫黄化合物やその他分解性物質、揮発性物質が残
留している。これらの物質を含有したままウエットワイ
パ−を作製した場合、これらの物質が、不織布に含有さ
せるべき含水アルコ−ル等の湿潤剤、殺菌性薬剤、香料
等と作用して分解したり、繊維から離脱して遊離化して
不快臭を発生させることがある。この不快臭を防止した
りまたは打ち消すことは、少々の処理工程の付加程度で
は困難である。その対策として、香料の選択と添加量を
増すことによって不快臭を抑制しているのが実情であ
る。本発明の目的は、再生セルロ−ス繊維で作製された
ウエットワイパ−と同等の吸液性、保液性を有し、不快
臭のないウエットワイパ−を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐久性に
優れた吸水性ポリエステル繊維からなるウエットワイパ
−を提供すべく鋭意検討した結果、該当繊維を構成する
分子内に組み込まれた親水化剤の疎水性基と親水性基の
バランスが高重合ポリエステルの表面濡れ性、繊維化し
た際、特にウエットワイパ−のような集合体の形態での
表面濡れ性および吸水性を左右する重要な要素であるこ
とを見出だし、本発明に到達した。すなわち、本発明
は、主として、ジカルボン酸単位、ジオ−ル単位、一般
式(I)
【0005】
【化3】
【0006】[式中、xおよびyはそれぞれ0または1
を表し、Zは式 −O−(R↓2−O)↓n↓1−R↓1 (式中、R↓1は炭素数1〜18の炭化水素基を表し、
R↓2はアルキレン基を表し、n1は平均重合度を表す
10〜100の数である)で示される1価の基を表す]
【0007】で示される構造単位、一般式(II)
【0008】−O−(R↓3−O)↓n↓2−
【0009】(式中、R↓3はアルキレン基を表し、n
2は平均重合度を表す10〜100の数である)
【0010】で示される構造単位、および一般式(II
I)
【0011】
【化4】
【0012】(式中、Arは3価の芳香族基を表し、M
は金属原子を表す)
【0013】で示される構造単位からなり、一般式
(I)および一般式(II)で示される構造単位の含有
率がそれぞれ1〜49重量%であり、一般式(I)およ
び一般式(II)で示される構造単位の含有率の合計が
2〜50重量%であり、一般式(III)で示される構
造単位の含有率が、該共重合ポリエステルを構成する全
酸成分に対して0.5〜10モル%であり、かつ極限粘
度が0.5dl/g以上である共重合ポリエステル(以
下、単に共重合ポリエステルと略称する場合がある)か
らなる繊維を主体構成繊維とし、薬液が含浸されてなる
ウエットワイパ−(以下、ウエットワイプ不織布と称す
る場合がある)である。
【0014】上記の共重合ポリエステルの構成単位の1
つであるジカルボン酸単位は、ジカルボン酸の分子から
2個のカルボキシル基中の2個の水酸基を除いた形の構
造単位であり、一般式
【0015】
【化5】
【0016】(式中、R↓4は2価の有機基を表す)
【0017】で示される。R↓4で表される2価の有機
基としては、例えばp−フェニレン基、m−フェニレン
基、ナフタレンジイル基、(ビフェニル)ジイル基等の
2価の芳香族炭化水素基;オクタメチレン基、テトラメ
チレン基等の2価の脂肪族炭化水素基;1,4−シクロ
ヘキシル基等の2価の脂環式炭化水素基などが挙げられ
る。
【0018】そして共重合ポリエステル中に含まれるジ
カルボン酸単位は1種のみであっても、2種以上であっ
てもよいが、繊維用途において要求される優れた機械的
性能を有する共重合ポリエステルが得られる点から、ジ
カルボン酸単位の70モル%以上がテレフタロイル基で
あることが好ましい。
【0019】上記の共重合ポリエステルの構成単位の1
つであるジオ−ル単位は、ジオ−ルの分子から2個の水
酸基中の2個の水素原子を除いた形の構造単位であり、
一般式
【0020】−0−R↓5−O−
【0021】(式中、R↓5は2価の有機基を表す)
【0022】で示される。R↓5で示される2価の有機
基としては、例えばエチレン基、トリメチレン基、ペン
タメチレン基、ヘキサメチレン基、2,2−ジメチルト
リメチレン基、3−メチルペンタメチレン基、ノナメチ
レン基、2−メチルオクタメチレン基等の2価の脂肪族
炭化水素基;ジメチルシクロヘキサン−α,α´−ジイ
ル基等の2価の脂環式炭化水素基;2,2−ジフェニル
プロパン−4´,4´´−ジイル基、ジフェニルスルホ
ン−4,4´−ジイル基等の2価の芳香族基などが挙げ
られる。
【0023】そして重合ポリエステル中に含まれるジオ
−ル単位は1種のみであっても、2種以上であってもよ
いが、繊維用途において要求される優れた機械的性能を
有する共重合ポリエステルが得られる点から、ジオ−ル
単位の70モル%以上がエチレンジオキシ基、トリメチ
レンジオキシ基、テトラメチレンジオキシ基、ペンタメ
チレンジオキシ基、ヘキサメチレンジオキシ基等のごと
き、炭素数2〜6の直鎖状アルキレングリコ−ルの分子
から2個の水酸基中の2個の水素原子を除いた形の2価
の構造単位であることが好ましい。
【0024】上記の共重合ポリエステルの構造単位の1
つである一般式(I)で示される構造単位は、一般式
(I−1)
【0025】
【化6】
【0026】(式中、Zは上記定義のとおりである)
【0027】で示される構造単位、一般式(I−2)
【0028】
【化7】
【0029】(式中、Zは上記定義のとおりである)
【0030】で示される構造単位、一般式(I−3)
【0031】
【化8】
【0032】(式中、Zは上記定義のとおりである)
【0033】で示される構造単位等を包含する。一般式
(I)で示される構造単位は通常、それら同士または上
記ジカルボン酸単位、ジオ−ル単位等の他の構造単位と
の間で、エステル結合(−CO−O−)またはエ−テル
結合(−O−)を形成して本発明の共重合ポリエステル
の主鎖中に組み込まれ、側鎖型ポリオキシアルキレン構
造をなしている。基Zを表す式中のR↓1が示す炭化水
素基としてはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、te
rt−ブチル、n−ペンチル、n−オクチル、2−エチ
ルヘキシル、n−ドデシル、n−ステアリル等の炭素数
1〜18のアルキル基;シクロヘキシル等の炭素数3〜
18のシクロアルキル基;フェニル、ノニルフェニル等
の炭素数6〜18のアリ−ル基などが好ましい。炭化水
素基R↓1の炭素数が19以上である場合には、表面濡
れ易さに優れ、吸水性および保水性に優れる繊維が得ら
れない。また基Zを表す式中のR↓2が示すアルキレン
基としてはエチレン基、プロピレン基等の炭素数2〜4
のアルキレン基が好ましく、表面濡れ易さ、吸水性およ
び保水性に優れた繊維が得られることから、エチレン基
がより好ましい。R↓2としてはエチレン基とプロピレ
ン基との組み合わせのように複数種のアルキレン基が同
時に存在してもよい。基Zを表す式中のn1はポリオキ
シアルキレン部分の平均重合度を表す数であり、10〜
100の範囲内の数である。n1が10未満の数である
場合には表面濡れ易さ、吸水性および保水性に優れた繊
維は得られない。一方、n1が100を越える数である
場合には、表面濡れ易さ、吸水性、保水性等の効果は飽
和に達し、むしろ繊維に着色が生じ易くなる。表面濡れ
易さ、吸水性、保水性および着色等の点においてn1は
20〜90の範囲内の数であることが好ましい。
【0034】上記の共重合ポリエステルの構成単位の1
つである一般式(II)で示される構造単位は、通常上
記ジカルボン酸単位または一般式(III)で示される
構造単位との間でエステル結合を形成して共重合ポリエ
ステルの主鎖中に組み込まれ、主鎖型ポリアルキレン構
造を形成している。一般式(II)中のR↓3が示すア
ルキレン基としてはエチレン基、プロピレン基等の炭素
数2〜4のアルキレン基が好ましく、表面濡れ易さ、吸
水性および保水性に優れた繊維が得られることから、エ
チレン基がより好ましい。R↓3としてはエチレン基と
プロピレン基との組み合わせのように複数種のアルキレ
ン基が同時に存在してもよい。一般式(II)中のn2
はポリオキシアルキレン部分の平均重合度を表す数であ
り、10〜100の範囲内の数である。n2が10未満
の数である場合には表面濡れ易さ、吸水性および保水性
に優れた繊維は得られない。一方、n2が100を越え
る数である場合には、表面濡れ易さ、吸水性、保水性等
の効果は飽和に達し、むしろ繊維に着色が生じ易くな
る。表面濡れ易さ、吸水性、保水性および着色等の点に
おいてn2は20〜90の範囲内の数であることが好ま
しい。
【0035】共重合ポリエステルに含まれる一般式
(I)で示される構造単位および一般式(II)で示さ
れる構造単位は、それぞれ1種のみであっても、また2
種以上であってもよいが、一般式(I)で示される構造
単位および一般式(II)で示される構造単位の含有率
がそれぞれ1〜49重量%の範囲内となる量であり、か
つ一般式(I)で示される構造単位および一般式(I
I)で示される構造単位の含有率の合計が共重合ポリエ
ステルに対して2〜50重量%の範囲内であることが必
要であり、3〜40重量%の範囲内が好ましく、5〜3
0重量%の範囲内が特に好ましい。一般式(I)で示さ
れる構造単位および一般式(II)で示される構造単位
の含有率の合計が2重量%未満の場合には、得られる繊
維の表面濡れ性が不充分となることがあり、50重量%
を越える場合には、得られる繊維の強度等の機械的性能
が低下することがある。
【0036】上記の共重合ポリエステルの構造単位の1
つである一般式(III)で示される構造単位は、通常
上記ジオ−ル単位、一般式(I)で示される構造単位、
または一般式(II)で示される構造単位との間でエス
テル結合を形成して共重合ポリエステルの主鎖中に組み
込まれている。一般式(III)中のArは3価の芳香
族基を表し、1,3,5−ベンゼントリイル基、1,
2,3−ベンゼントリイル基、1,2,4−ベンゼント
リイル基等のベンゼントリイル基;1,3,6−ナフタ
レントリイル基、1,3,7−ナフタレントリイル基、
1,4,5−ナフタレントリイル基、1,4,6−ナフ
タレントリイル基等のナフタレントリイル基などが挙げ
られる。またMは金属原子を表し、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属が好ましい。
【0037】共重合ポリエステルに含まれる一般式(I
II)で示される構造単位は1種のみであっても、また
2種以上であってもよいが、一般式(III)で示され
る構造単位の含有率は、該共重合ポリエステルに含有さ
れる全酸成分の中で0.5〜10モル%の範囲内となる
量であり、1〜7モル%の範囲内の量であることが好ま
しい。一般式(III)で示される構造単位の含有率が
0.5モル%未満の場合、得られる繊維の表面濡れ性が
不充分となることがあり、一方10モル%を越える場
合、一般式(III)で示される構造単位中の金属スル
ホネ−ト成分のイオン間相互作用により重縮合反応中に
増粘が起こり、生成ポリエステルが所望の極限粘度を有
するようになるまで重縮合反応を行うことが困難になる
ことがある。
【0038】一般式(I)で示される構造単位および一
般式(II)で示される構造単位の含有率と一般式(I
II)で示される構造単位の含有率の相対割合について
は、生成する共重合ポリステル基準での一般式(I)で
示される構造単位および一般式(II)で示される構造
単位の占める重量百分率の合計をY↓0 (重量%)、含
有される全酸成分基準での一般式(III)で示される
構造単位の占めるモル百分率をZ↓0 (モル%)で表す
場合、Y↓0 /Z↓0 の値が2〜30の範囲内であるこ
とが、表面濡れ性および機械的性能の両方が特に高めら
れた繊維が得られることから好ましい。
【0039】上記の共重合ポリエステルは、主として、
上記のごときジカルボン酸単位、ジオ−ル単位、一般式
(I)で示される構造単位、一般式(II)で示される
構造単位および一般式(III)で示される構造単位か
らなるが、他の構造単位を本発明の作用・効果が失われ
ない程度の量で有していてもよい。かかる任意に有して
いてもよい構造単位としては、p−オキシ安息香酸単
位、p−(β−オキシエトキシ)安息香酸単位等のヒド
ロキシカルボン酸単位;グリセリン単位、トリメチロ−
ルプロパン単位等のトリオ−ル単位;ペンタエリスリト
−ル単位等のテトラオ−ル単位;トリメリット酸単位、
トリメシン酸単位等のトリカルボン酸単位;ピロメリッ
ト酸単位等のテトラカルボン酸単位などが挙げられる。
【0040】上記共重合ポリエステルは、フェノ−ルと
テトラクロロエタン(重量比1:1)の混合溶媒に溶解
して、30℃で測定した極限粘度が0.5dl/g以上
である。共重合ポリエステルの極限粘度が0.5dl/
g未満の場合、溶融紡糸時の断糸が著しい。一方、極限
粘度が大きすぎる場合、溶融粘度が大きくなりすぎて紡
糸性が不良となることがあるので、繊維化工程上のトラ
ブルを軽減する点から、共重合ポリエステルの極限粘度
は0.55〜1.5dl/gの範囲内、特に0.6〜
1.0dl/gの範囲内であることが好ましい。
【0041】上記の共重合ポリエステルは公知の方法に
準じて製造することができる。例えば、ジカルボン酸ま
たはそのエステル形成性誘導体とジオ−ルまたはそのエ
ステル形成性誘導体とを重縮合反応させてポリエステル
を製造するに際し、さらに他のモノマ−として、側鎖型
ポリオキシアルキレン基含有コモノマ−、主鎖型ポリオ
キシアルキレン基含有コモノマ−および金属スルホネ−
ト基含有コモノマ−のそれぞれの所望量を重縮合反応が
完了するまでの任意の段階で反応系に添加し、極限粘度
が0.5dl/g以上の所望の値となるまで重縮合反応
を行うことによって製造される。
【0042】上記ジカルボン酸としてはテレフタル酸、
イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジ
カルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;セバシン
酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸などが挙げられ
る。ジカルボン酸のエステル形成性誘導体としては、上
記例示のジカルボン酸ジメチルエステル、ジエチルエス
テル等の低級アルキルエステルなどが挙げられる。ま
た、上記ジオ−ルとしてはエチレングリコ−ル、1,3
−プロパンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5
−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオ
ペンチルグリコ−ル、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オ−ル、1,9−ノナンジオ−ル、2−メチル−1,8
−オクタンジオ−ル等の脂肪族ジオ−ル;1,4−シク
ロヘキサンジメタノ−ル等の脂環式ジオ−ル;2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4´−
スルホニルビスフェノ−ル等の芳香族ジオ−ルなどが挙
げられる。ジオ−ルのエステル形成性誘導体としてはエ
チレンオキシド等が挙げられる。
【0043】上記の側鎖型ポリオキシアルキレン基含有
コモノマ−は一般式(I)で示される構造単位を与える
ものであり、例えばポリオキシエチレングリコ−ル−メ
チル−グリシジルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ
−ル−メチル−2,3−ジヒドロキシプロピルエ−テ
ル、ポリオキシエチレングリコ−ル−エチル−グリシジ
ルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル−エチル−
2,3−ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポリオキシエ
チレングリコ−ル−n−プロピル−グリシジルエ−テ
ル、ポリオキシエチレングリコ−ル−n−プロピル−
2,3−ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポリオキシエ
チレングリコ−ル−t−ブチル−グリシジルエ−テル、
ポリオキシエチレングリコ−ル−t−ブチル−2,3−
ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポリオキシエチレング
リコ−ル−n−オクチル−グリシジルエ−テル、ポリオ
キシエチレングリコ−ル−n−オクチル−2,3−ジヒ
ドロキシプロピルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ
−ル−2−エチルヘキシル−グリシジルエ−テル、ポリ
オキシエチレングリコ−ル−2−エチルヘキシル−2,
3−ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポリオキシエチレ
ングリコ−ル−n−ドデシル−グリシジルエ−テル、ポ
リオキシエチレングリコ−ル−n−ドデシル−2,3−
ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポリオキシエチレング
リコ−ル−n−ステアリル−グリシジルエ−テル、ポリ
オキシエチレングリコ−ル−n−ステアリル−2,3−
ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポリオキシエチレング
リコ−ル−フェニル−グリシジルエ−テル、ポリオキシ
エチレングリコ−ル−フェニル−2,3−ジヒドロキシ
プロピルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル−ノ
ニルフェニル−グリシジルエ−テル、ポリオキシエチレ
ングリコ−ル−ノニルフェニル−2,3−ジヒドロキシ
プロピルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル−シ
クロヘキシル−グリシジルエ−テル、ポリオキシエチレ
ングリコ−ル−シクロヘキシル−2,3−ジヒドロキシ
プロピルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル/ポ
リオキシプロピレングリコ−ル共重合体のメチル−グリ
シジルエ−テル、ポリオキシエチレングリコ−ル/ポリ
オキシプロピレングリコ−ル共重合体のメチル−2,3
−ジヒドロキシプロピルエ−テル、ポリオキシエチレン
グリコ−ル/ポリオキシプロピレングリコ−ル共重合体
のn−プロピル−グリシジルエ−テル、ポリオキシエチ
レングリコ−ル/ポリオキシプロピレングリコ−ル共重
合体のn−プロピル−2,3−ジヒドロキシプロピルエ
−テル等から1種または2種以上を選択して使用するこ
とができる。
【0044】上記の主鎖型ポリオキシアルキレン基含有
コモノマ−は一般式(II)で示される構造単位を与え
るものであり、例えばポリオキシエチレングリコ−ル、
ポリオキシプロピレングリコ−ル、ポリオキシエチレン
グリコ−ル/ポリオキシプロピレングリコ−ル共重合体
等から1種または2種以上を選択して使用することがで
きる。
【0045】上記の金属スルホネ−ト基含有コモノマ−
は一般式(III)で示される構造単位を与えるもので
あり、例えば5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸ジエチルエステル、5−
カリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソ
フタル酸ジメチルエステル、5−カリウムスルホイソフ
タル酸ジエチルエステル、5−リチウムスルホイソフタ
ル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸ジメチルエステ
ル、2−ナトリウムスルホテレフタル酸等の金属スルホ
ン酸化されたベンゼンジカルボン酸またはその低級アル
キルエステル;4−ナトリウムスルホ−2,7−ナフタ
レンジカルボン酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、4−ナトリウムスルホ−2,6
−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル、6−ナト
リウムスルホ−1,4−ナフタレンジカルボン酸、5−
ナトリウムスルホ−1,4−ナフタレンジカルボン酸等
の金属スルホン化されたナフタレンジカルボン酸または
その低級アルキルエステルなどが挙げられる。
【0046】上記の共重合ポリエステルには他のコモノ
マ−を少量添加してもよい。かかるコモノマ−としては
p−オキシ安息香酸、p−(β−オキシエトキシ)安息
香酸等のヒドロキシカルボン酸またはそのエステル形成
性誘導体;グリセリン、トリメチロ−ルプロパン等のト
リオ−ル;ペンタエリスリト−ル等のテトラオ−ル;ト
リメリット酸、トリメシン酸等のトリカルボン酸または
そのエステル形成性誘導体;ピロメリット酸等のテトラ
カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体などが挙げ
られる。
【0047】また、上記の共重合ポリエステルには、通
常のポリエステルを製造するうえで使用されている公知
の触媒、例えば酢酸亜鉛、炭酸亜鉛等の亜鉛化合物、酢
酸マンガン、炭酸マンガン等のマンガン化合物、酢酸カ
ルシウム、炭酸カルシウム等のカルシウム化合物、酢酸
コバルト、炭酸コバルト等のコバルト化合物、酢酸バリ
ウム、炭酸バリウム等のバリウム化合物などのエステル
交換触媒;酸化アンチモン等のアンチモン化合物、酢酸
ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、オルトチタン酸
テトライソプロピル、蓚酸チタンカリウム等の重縮合触
媒などが挙げられる。
【0048】上記の共重合ポリエステルには、必要に応
じて任意の添加剤、例えば着色防止剤、耐熱剤、蛍光漂
白剤、難燃剤、酸化防止剤、艶消剤、着色剤、無機微粒
子が含まれていてもよい。
【0049】一般にポリオキシアルキレンは、空気中の
酸素により酸化され易いことが知られている。上記の共
重合ポリエステルにおいてもポリオキシアルキレン鎖部
分が重縮合反応や溶融紡糸条件下のような高温条件下に
おいて酸化されて、重合度低下や繊維の着色といった不
都合を生じるおそれがあるため、色調および機械的性能
の良好な繊維を得るために酸化防止剤を添加することが
好ましい。酸化防止剤はその作用機構から連鎖開始阻害
剤、ラジカル連鎖禁止剤、過酸化物分解剤等に分類でき
るが、効果の点でラジカル連鎖禁止剤に分類される酸化
防止剤が優れており、なかでもヒンダ−ドフェノ−ル系
酸化防止剤が適している。かかるヒンダ−ドフェノ−ル
系酸化防止剤とはそのフェノ−ル性水酸基を有する炭素
原子に隣接する2個の炭素原子の両方または一方に立体
障害性置換基を有するフェノ−ル系化合物であり、Ir
ganox1010(チバ・ガイギ−社製)、Irga
nox1330(チバ・ガイギ−社製)、Godrit
e3114(Goodrich社製)等として市販され
ているものが使用できる。
【0050】上記ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤は
1種だけを使用しても、また2種以上を併用してもよ
い。更に他の酸化防止剤と併用してもよく、特にトリフ
ェニルホスファイト等のリン系酸化防止剤、ジラウリル
チオジプロピオネ−ト等の硫黄系酸化防止剤などの過酸
化物分解剤に分類される酸化防止剤を併用した場合に
は、ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤との相乗効果に
より、より高い酸化防止効果が得られることがある。
【0051】このヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤の
使用量は、一般式(I)で示される構造単位および一般
式(II)で示される構造単位の合計に対して0.2〜
20重量%の範囲内となる量であることが好ましく、
0.5〜10重量%の範囲内となる量であることがより
好ましい。ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤の使用量
が0.2重量%未満の場合、得られる繊維の酸化防止効
果が不充分となるおそれがあり、一方20重量%を越え
る場合、得られる繊維の酸化防止効果は飽和に達し、著
しい効果の向上は認められず、逆に紡糸工程での単糸切
れ等のトラブルを招くおそれがあり、得られる繊維の機
械的性能が低下するおそれがある。またヒンダ−ドフェ
ノ−ル系酸化防止剤は、上記の共重合ポリエステル重縮
合反応が完了するまで、または完了後の任意の段階で添
加することができる。
【0052】本発明における繊維は、使用するノズルの
形状を選択することによって、円形;三葉形、四葉形、
五葉形、六葉形、七葉形、八葉形等の多葉形;T形など
の異形の任意の断面形状を有することができ、中実繊維
でも中空繊維でもよい。異形断面形状の中でも多葉形、
T形等の凹部を有する断面形状は、その凹部にすみやか
に水分を吸引する一種の毛管現象が発現され、更に優れ
た吸水性を付加させることになり好ましい。また、上記
の共重合ポリエステルと他の樹脂が組み合わされてい
る、いわゆる芯鞘構造または背腹構造の複合繊維であっ
てもよいが、この場合、上記の共重合ポリエステルが繊
維表面の40%以上、特に50%以上を占めることが本
発明の効果が有効に発現される点から好ましい。
【0053】本発明のウエットワイプ不織布は上記の共
重合ポリエステルからなる繊維100%で作製されてい
てもよいが、必要に応じては他の繊維、例えば熱バイン
ダ−繊維;熱収縮繊維;セルロ−ス系繊維;ポリビニル
アルコ−ル系繊維等の吸水性繊維;ポリオレフィン系繊
維等の吸油性繊維などと適宜混合されていてもよい。た
だし、他の繊維の混合率が高くなると、充分な吸水性が
得られなくなることは言うまでもない。上記の共重合ポ
リエステルからなる繊維の混合率は10重量%以上、特
に30重量%以上が好ましい。
【0054】また、ウエットワイプ不織布の吸水性能
は、それを構成する繊維の単糸繊度を5デニ−ル以下、
特に3デニ−ル以下にすることにより一段と優れた効果
が奏される。すなわち、ウエットワイプ不織布の洗濯後
の抱水量は5デニ−ルを境にして大きな差があり、ま
た、ウエットワイプ不織布を用いての実際の拭き取りテ
ストにおいても5デニ−ルを境にして大きな差が見られ
るのである。この理由は明確ではないが、繊維集合体に
おけるポリエステル自身の親水性能と集合体の形状での
毛管現象との相互作用によるものと思われる。
【0055】本発明のウエットワイプ不織布の製造方法
として、上記の共重合ポリエステルからなる繊維をステ
−プル繊維とし、または必要に応じて吸水性効果を妨げ
ない範囲内で他の繊維、熱バインダ−繊維、熱収縮性繊
維、セルロ−ス系繊維、ポリビニルアルコ−ル系繊維等
の吸水性繊維などから選ばれた繊維を、好ましくは40
重量%以下の量を混繊したステ−プル繊維とし、通常の
乾式法または湿式法により繊維ウエッブとした後、ニ−
ドルパンチ法および/または水流噴射法による繊維絡合
処理を施してウエットワイプ不織布とする方法、上記の
共重合ポリエステルからなる繊維と熱バインダ−繊維を
混繊してなる繊維ウエッブを熱処理してウエッブ繊維を
固定する方法などが挙げられる。
【0056】このウエットワイプ不織布の目付は20〜
100g/m↑2の範囲内であることが好ましい。そし
てウエットワイプ不織布は、必要に応じてエンボス処
理、カレンダ−処理等の仕上げ処理を施しておくことも
できる。
【0057】本発明のウエットワイプ不織布には含水ア
ルコ−ル等の湿潤剤、殺菌作用の薬剤、香料、その他必
要に応じて防腐剤、防黴剤などの薬液を付与し、所望の
形状に裁断したり、所望の形状に加工して製品とするこ
とができる。上記の共重合ポリエステルからなる繊維を
使用して作製したウエットワイプ不織布は、繊維中に存
在する親水性物質と繊維の毛管現象との相乗効果により
高い吸液性と湿潤効果を有し、変色、不快臭がない。ウ
エットワイプ不織布は通常、カチオン系界面活性剤を含
む含水アルコ−ル等の薬液を浸漬した状態で市販される
が、このように液中に長期間浸漬されていても親水性能
や拭き取り性能は実質的に低下することなく、この点に
おいても従来の親水性ポリエステル繊維に比較し、本発
明における共重合ポリエステルからなる繊維が特にウエ
ットワイプ不織布用として優れている。
【0058】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。また、実施例中の各物性値は以下の方法にしたがっ
て測定して得られた値である。
【0059】(1)ポリエステルの極限粘度[η](d
l/g) フェノ−ルとテトラクロロエタンの混合溶媒(重量比
1:1)に、ポリエステルを0.25g/dl、0.5
0g/dl、1.0g/dlの各濃度で溶解させ、各溶
液について30℃の温度で測定した3種の還元粘度から
求めた。
【0060】(2)ポリエステルの融点Tm(℃) 示差走査熱量計(メトラ−社製、TA−3000型)を
用いて、急冷非晶状態の試料に対し10℃/分の昇温速
度で測定した。
【0061】(3)抱水率(%) ポリエステル繊維綿を水に浸して水を充分に吸水させた
後、遠心脱水機にかけて余分の水を除去し、残存水分量
で求めた。すなわち、綿5gを常温の水に5分間浸漬
し、遠心脱水機で1500Gに10分間脱水処理し、次
いで処理後の水分を測定して繊維重量に対する百分率で
表示した。試料の洗濯処理は、JISL0217−10
3法にしたがって実施した。すなわち、40℃の水1リ
ットルに2gの割合で衣料用合成洗剤を添加、溶解して
洗濯液とする。この洗濯液に浴比が1対30となるよう
に試料および必要に応じて負荷布を投入して家庭用洗濯
機の運転を開始する。5分間処理した後運転を止め、試
料および負荷布を遠心式脱水機で脱水し、次に洗濯液を
常温の新しい水に替えて同一の浴比で2分間濯ぎ洗いを
した後脱水する。再び2分間濯ぎ洗いを行い風乾させ
る。以上の操作を合計10回繰り返すことによって10
回洗濯後の試料を得た。
【0062】(4)拭き取りテスト 机の上に所定量の水をたらし、それをウエットワイプ不
織布で人が1回拭き取り机の上の水の残存状態で評価し
た。
【0063】実施例1〜3 テレフタル酸971.9g、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸40.2gおよびエチレングリコ−ル750g
をエステル化反応器に仕込み、230℃で2.5kg/
cm↑2の圧力下で3時間エステル化反応を行った。次
いで得られた反応生成物をあらかじめ230℃に加熱し
てある重縮合器に移し、この系に式
【0064】
【化9】
【0065】で示される側鎖型ポリオキシアルキレン基
含有化合物と式 HO−(CH↓2CH↓2O)↓45−H で示される主鎖型ポリオキシアルキレン基含有化合物を
表1に示される量だけ添加し、さらにこれらのポリオキ
シアルキレン基含有化合物の合計量に対して3重量%の
量の1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロ
キシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリ
アジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン
[アメリカンサイアナミッド社製、サイアノックス17
90]、三酸化アンチモン0.4g、亜リン酸0.12
gおよび消泡剤0.29gを添加して重縮合反応系を調
整した。重縮合反応系の温度を230℃から280℃に
45分かけて昇温しつつ、徐々に0.3mmHgまで減
圧にし、以後280℃で系の溶融粘度が、極限粘度0.
70dl/gのポリエチレンテレフタレ−トの280℃
での溶融粘度にほぼ一致する時点まで重縮合反応を継続
することによって、それぞれ対応する共重合ポリエステ
ルを得た。
【0066】得られたカットポリエステルを150℃真
空下で結晶処理し、エクストル−ダ−で溶融押出して、
紡糸温度270℃で紡糸して未延伸の丸断面繊維を得
た。この繊維を70℃の温水中で延伸し、熱固定した後
リン酸エステルのエチレンオキサイド付加物を主成分と
する繊維油剤をこの延伸繊維に付与た。次いで機械捲縮
を掛けて乾燥を行った後、単糸繊度2デニ−ルのポリエ
ステル繊維を得た。この繊維を繊維長51mmに切断し
てステ−プル繊維にし、カ−ドおよびランダムウエバ−
を通して繊維ウエブとし、この繊維ウエッブにノズルか
ら高圧噴射水流を当てて繊維絡合処理を行い、平均目付
45g/m↑2、見掛け密度0.16g/cm↑3の繊
維絡合不織布を得た。この繊維絡合不織布の抱水率は初
期が19.5%、水洗濯後が19.0%であって洗濯に
よる抱水率の低下はほとんどなかった。
【0067】この繊維絡合不織布に含水アルコ−ルを湿
潤剤とし、第4級アンモニウム塩のカチオン系活性剤お
よび芳香剤を含浸してウエットワイプ不織布に仕上げ
た。このウエットワイプ不織布をガラス瓶にいれて密封
し、50℃の雰囲気にして60日放置した後の変色性、
臭いの変化を調べた。その結果、該不織布の変色、臭い
の変化は認められなかった。さらに防腐剤、防黴剤の添
加がないにもかかわらず黴の発生等は認められなかっ
た。他の性能を評価し、結果を表2に示す。比較のため
に、従来の再生セルロ−ス繊維を用いて作製したウエッ
トワイプ不織布について、同じ試験を行った結果、該不
織布はやや黄色味を帯び、不快臭を発するものとなって
いた。
【0068】実施例4 実施例1において、5−ナトリウムスルホイソフタル酸
40.2gの代わりに5−ナトリウムスルホイソフタル
酸ジメチル44.4gを用い、かつ1,3,5−トリス
(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル
ベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−
(1H,3H,5H)−トリオン[アメリカンサイアナ
ミッド社製、サイアノックス1790]の代わりにそれ
と同重量のペンタエリスチリル−テトラキス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネ−ト](チバ・ガイギ−社製、イルガノック
ス1010)を用いた以外は同様にして対応する共重合
ポリエステルを得た。得られたポリエステルを実施例1
と同様にして紡糸し、U断面の繊維を得た。この繊維を
実施例1と同様の工程を経て単糸繊度2デニ−ル、繊維
長51mmのステ−プル繊維を得た。次いで、得られた
ポリエステル繊維85重量部とポリエステル系熱バイン
ダ−繊維15部を混繊し、ランダムウエバ−で平均目付
40g/m↑2の繊維ウエッブを作製し、温度135℃
の加熱炉を通して熱処理を施し、バインダ−繊維で繊維
間の一部を固定した不織布を得た。この不織布に含水ア
ルコ−ル、第4級アンモニウム塩のカチオン系活性剤お
よび香料を含浸してウエットワイプ不織布に仕上げた。
このウエットワイプ不織布は環境の変化によっても変
色、不快臭の発生がないため、香料の使用量が少なくて
すみ、防腐剤、防黴剤を添加する必要もなかった。他の
性能を評価し、結果を表2に示す。
【0069】実施例5および6 実施例1において、T型ノズル(実施例5)および偏平
ノズル(実施例6)を使用する以外は同様にして紡糸を
行い、不織布を作製した。その性能を評価し、結果を表
2に示す。いずれも繊維化工程性が良好で、しかも得ら
れたウエットワイプ不織布は良好な拭き取り性を有し、
不快臭の発生もないものであった。
【0070】実施例7〜14 実施例1において、側鎖型ポリオキシアルキレン基含有
化合物として下記式で示される対応する側鎖型ポリオキ
シアルキレン基含有化合物をそれぞれ表1に示される量
だけ使用した以外は同様にしてそれぞれ対応する共重合
ポリエステルを得た。 実施例7で使用したコモノマ−:
【化10】 実施例8で使用したコモノマ−:
【化11】 実施例9で使用したコモノマ−:
【化12】 実施例10で使用したコモノマ−:
【化13】 実施例11で使用したコモノマ−:
【化14】 実施例12で使用したコモノマ−:
【化15】 実施例13で使用したコモノマ−:
【化16】 実施例14で使用したコモノマ−:
【化17】 得られたポリエステルを実施例1と同様にして紡糸し、
不織布を得た。この不織布を評価し、結果を表2に示
す。いずれも繊維化工程性が良好で、しかも得られたウ
エットワイプ不織布は良好な拭き取り性を有し、不快臭
の発生もないものであった。
【0071】実施例15および16 実施例1において、主鎖型ポリオキシアルキレン基含有
化合物として下記式で示される対応する主鎖型ポリオキ
シアルキレン基含有化合物をそれぞれ表1に示される量
だけ使用した以外は同様にしてそれぞれ対応する共重合
ポリエステルを得た。実施例15で使用したコモノマ
−: HO−(CH↓2CH↓2O)↓20−H 実施例16で使用したコモノマ−: HO−(CH↓2CH↓2O)↓70−H 得られたポリエステルを実施例1と同様にして紡糸し、
不織布を得た。この不織布を評価し、結果を表2に示
す。いずれも繊維化工程性が良好で、しかも得られたウ
エットワイプ不織布は良好な拭き取り性を有し、不快臭
の発生もないものであった。
【0072】実施例17 実施例1において、テレフタル酸971.9gおよび5
−ナトリウムスルホイソフタル酸40.2gの代わりに
それぞれテレフタル酸986.8gおよび5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸16.1gを使用した以外は同様
にして対応する共重合ポリエステルを得た。得られたポ
リエステルを実施例1と同様にして紡糸し、不織布を得
た。この不織布を評価し、結果を表2に示す。いずれも
繊維化工程性が良好で、しかも得られたウエットワイプ
不織布は良好な拭き取り性を有し、不快臭の発生もない
ものであった。
【0073】実施例18 実施例1において、テレフタル酸971.9gおよび5
−ナトリウムスルホイソフタル酸40.2gの代わりに
それぞれテレフタル酸947.0gおよび5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸80.41gを使用した以外は同
様にして対応する共重合ポリエステルを得た。得られた
ポリエステルを実施例1と同様にして紡糸し、不織布を
得た。この不織布を評価し、結果を表2に示す。いずれ
も繊維化工程性が良好で、しかも得られたウエットワイ
プ不織布は良好な拭き取り性を有し、不快臭の発生もな
いものであった。
【0074】実施例19 実施例1において、テレフタル酸971.9gの代わり
にテレフタル酸933gおよびイソフタル酸38.9g
を使用した以外は同様にして対応する共重合ポリエステ
ルを得た。得られたポリエステルを実施例1と同様にし
て紡糸し、不織布を得た。この不織布を評価し、結果を
表2に示す。いずれも繊維化工程性が良好で、しかも得
られたウエットワイプ不織布は良好な拭き取り性を有
し、不快臭の発生もないものであった。
【0075】実施例21 実施例1において、エチレングリコ−ル750gの代わ
りにエチレングリコ−ル720gおよび1,4−シクロ
ヘキサンジメタノ−ル66.8gを使用した以外は同様
にして対応する共重合ポリエステルを得た。得られたポ
リエステルを実施例1と同様にして紡糸し、不織布を得
た。この不織布を評価し、結果を表2に示す。いずれも
繊維化工程性が良好で、しかも得られたウエットワイプ
不織布は良好な拭き取り性を有し、不快臭の発生もない
ものであった。
【0076】実施例21 実施例1と同様の共重合ポリエステルを鞘とし、[η]
が0.67のポリエチレンテレフタレ−トを芯として、
芯/鞘=50/50(重量比)で丸断面の芯鞘複合紡糸
を行った。紡糸ヘッド温度290℃で押し出し、100
0m/分で捲き取った。捲き取った紡糸原糸を75℃の
温水中で4.2倍に延伸し、続いて95℃の温水中で8
%収縮させ単糸繊度1.8デニ−ルの繊維を得た。この
繊維を用いて実施例1と同様にして不織布を作製し、性
能を評価した。結果を表2に示す。不快臭の発生がな
く、良好な拭き取り性を有する不織布が得られた。
【0077】実施例22および23 実施例1において、単糸繊度を1.3デニ−ル(実施例
22)および3.0デニ−ル(実施例23)とした以外
は同様にして不織布を作製した。その性能を評価し、結
果を表2に示す。良好な吸水性と良好な拭き取り性を有
する不織布が得られた。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】比較例1 実施例1において、コモノマ−を全く用いない以外は同
様にしてポリエステル(ポリエチレンテレフタレ−ト)
を得た。得られたポリエステルを実施例1と同様にして
紡糸し、不織布を得た。その性能を評価し、結果を表4
に示す。実施例で得られた不織布に比較し、抱水率が非
常に劣っていた。
【0081】比較例2 実施例1において、ポリオキシアルキレン基含有化合物
を全く用いない以外は同様にして共重合ポリエステルを
得た。得られたポリエステルを実施例1と同様にして紡
糸し、不織布を得た。その性能を評価し、結果を表4に
示す。実施例で得られた不織布に比較し、抱水率が非常
に劣っていた。
【0082】比較例3 実施例1において、側鎖型ポリオキシアルキレン基含有
化合物を全く用いない以外は同様にして共重合ポリエス
テルを得た。得られたポリエステルを実施例1と同様に
して紡糸し、不織布を得た。その性能を評価し、結果を
表4に示す。実施例で得られた不織布に比較し、抱水率
および拭き取り性が非常に劣っていた。
【0083】比較例4 実施例1において、主鎖型ポリオキシアルキレン基含有
化合物を全く用いない以外は同様にして共重合ポリエス
テルを得た。得られたポリエステルを実施例1と同様に
して紡糸し、不織布を得た。その性能を評価し、結果を
表4に示す。実施例で得られた不織布に比較し、抱水率
および拭き取り性が非常に劣っていた。
【0084】比較例5 実施例1において、テレフタル酸971.9gおよび5
−ナトリウムスルホイソフタル酸40.2gの代わりに
テレフタル酸996.8gのみを用いた以外は同様にし
て対応する共重合ポリエステルを得た。得られたポリエ
ステルを実施例1と同様にして紡糸し、不織布を得た。
その性能を評価し、結果を表4に示す。実施例で得られ
た不織布に比較し、抱水率および拭き取り性が非常に劣
っていた。
【0085】比較例6 実施例1において、側鎖型ポリオキシアルキレン基含有
化合物として下記式で示される対応する側鎖型ポリオキ
シアルキレン基含有化合物を表3に示される量だけ使用
した以外は同様にして対応する共重合ポリエステルを得
た。
【化18】 得られたポリエステルを実施例1と同様にして紡糸した
が、紡糸時の耐熱性がやや悪く、紡糸性が不良であっ
た。また、得られた繊維を水中に浸漬し、溶出性をTO
Cメ−タ−(TOC−500、島津製作所製)で測定し
たところ、上記の側鎖型ポリオキシアルキレン基含有化
合物と思われる化合物が繊維中より溶出し、ポリエステ
ルの共重合性が不充分であることがわかった。繊維中よ
りの溶出物が多いため、商品としての使用は不適当であ
り、ウエットワイプ不織布としての評価までいたらなか
った。
【0086】比較例7 実施例1において、側鎖型ポリオキシアルキレン基含有
化合物として下記式で示される対応する側鎖型ポリオキ
シアルキレン基含有化合物を表3に示される量だけ使用
した以外は同様にして対応する共重合ポリエステルを得
た。
【化19】 得られたポリエステルを実施例1と同様にして紡糸し、
不織布を得た。その性能を評価し、結果を表4に示す。
実施例で得られた不織布に比較し、抱水率および拭き取
り性が非常に劣っていた。
【0087】比較例8および9 実施例1において、主鎖型ポリオキシアルキレン基含有
化合物として下記式で示される対応する主鎖型ポリオキ
シアルキレン基含有化合物を表3に示される量だけ使用
した以外は同様にしてそれぞれ対応する共重合ポリエス
テルを得た。 比較例8で使用したコモノマ−: HO−(CH↓2CH↓2O)↓5−H 比較例9で使用したコモノマ−: HO−(CH↓2CH↓2O)↓200−H 得られたポリエステルを実施例1と同様にして紡糸し、
不織布を得た。その性能を評価し、結果を表4に示す。
実施例で得られた不織布に比較し、着色度合、抱水率お
よび拭き取り性が劣っていた。
【0088】比較例10 実施例1において、同じ側鎖型ポリオキシアルキレン基
含有化合物を30重量%および同じ主鎖型ポリオキシア
ルキレン基含有化合物を30重量%共重合させたポリエ
ステルを得た。得られたポリエステルを用いて、実施例
1と同様にして紡糸を行ったところ、紡糸時の単糸切
れ、断糸が頻発した。さらに延伸性も不良であったので
不織布としての評価までいたらなかった。
【0089】比較例11 実施例1において、テレフタル酸971.9gおよび5
−ナトリウムスルホイソフタル酸40.2gの代わりに
それぞれテレフタル酸886.4gおよび5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸176.9gを使用した以外は同
様にして対応する共重合ポリエステルを得た。得られた
ポリエステルの[η]は0.40dl/gであった。こ
のポリエステルを用いて、実施例1と同様にして紡糸を
行ったところ、紡糸時の単糸切れ、断糸が頻発した。さ
らに延伸性も不良であったので不織布としての評価まで
いたらなかった。
【0090】
【表3】
【0091】
【表4】
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、繊維中に存在する親水
性物質と繊維の毛管現象との相乗効果により高い吸液性
と湿潤性を有し、変色、不快臭の発生のないウエットワ
イプ不織布を得ることができる。さらに、該ウエットワ
イプ不織布は不快臭の発生がないために香料の使用量を
少なくすることができるばかりでなく、防腐剤、防黴剤
の使用が必要でないか、あるいは僅かな使用量ですむも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 1/42 T 7199−3B

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主として、ジカルボン酸単位、ジオ−ル単
    位、一般式(I) 【化1】 [式中、xおよびyはそれぞれ0または1を表し、Zは
    式 −O−(R↓2−O)↓n↓1−R↓1 (式中、R↓1は炭素数1〜18の炭化水素基を表し、
    R↓2はアルキレン基を表し、n1は平均重合度を表す
    10〜100の数である)で示される1価の基を表す]
    で示される構造単位、一般式(II) −O−(R↓3−O)↓n↓2− (式中、R↓3はアルキレン基を表し、n2は平均重合
    度を表す10〜100の数である)で示される構造単
    位、および一般式(III) 【化2】 (式中、Arは3価の芳香族基を表し、Mは金属原子を
    表す)で示される構造単位からなり、一般式(I)およ
    び一般式(II)で示される構造単位の含有率がそれぞ
    れ1〜49重量%であり、一般式(I)および一般式
    (II)で示される構造単位の含有率の合計が2〜50
    重量%であり、一般式(III)で示される構造単位の
    含有率が、該共重合ポリエステルを構成する全酸成分に
    対して0.5〜10モル%であり、かつ極限粘度が0.
    5dl/g以上である共重合ポリエステルからなる繊維
    を主体構成繊維とし、薬液が含浸されてなるウエットワ
    イパ−。
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