JPH0526686A - 光学式エンコーダ - Google Patents

光学式エンコーダ

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JPH0526686A
JPH0526686A JP17689591A JP17689591A JPH0526686A JP H0526686 A JPH0526686 A JP H0526686A JP 17689591 A JP17689591 A JP 17689591A JP 17689591 A JP17689591 A JP 17689591A JP H0526686 A JPH0526686 A JP H0526686A
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JP
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phase
light
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outputs
difference
Prior art date
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Application number
JP17689591A
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English (en)
Inventor
Fusao Kosaka
扶佐夫 幸坂
Kunio Kazami
邦夫 風見
Hiroshi Nakayama
博史 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokogawa Electric Corp
Original Assignee
Yokogawa Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は光学式エンコーダに関し、その目的
は、高速回転時における動的な精度の高い光学式エンコ
ーダを提供することにある。 【構成】 サンプリング的に角度信号を出力する光学式
エンコーダにおいて、1サンプリング前または2サンプ
リング前の位相データの少なくとも一方を格納してお
き、コード板の回転に伴う誤差を推定演算するように構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学式エンコーダに関
し、更に詳しくは、サンプリング出力形のエンコーダの
回転時における位置検出誤差の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】図9〜図11を用いて、従来の光学式エ
ンコーダを説明する。図9は光学式エンコーダの位相情
報θを検出する要部を示した図、図10はフォトダイオ
ードが4素子の場合の出力信号を示した図、図11はコ
ード板の構成例図である。
【0003】図9において、光源1から光をコード板2
へ照射する。該コード板2は光を通過させるスリット2
bと光を遮断する遮光部2aとが交互に配列された板で
ある。光源1から照射する光が散乱光であるとすれば、
例えば光電変換素子のアレイ3(以下、受光アレイ3と
記す…なお光電変換素子として例えばフォトダイオード
を用いることができる)には、図9中に示すような正弦
波状に照度が分布する光が加えられる。該受光アレイ3
に照射された正弦波状照度分布波形の位相θはコード板
2の位置(又は角度)に応じて定まり、コード板2が移
動するとθの値も変化する。そこで、図9では、受光ア
レイ3に照射された正弦波状照度分布の位相θを検出
し、該位相θをもってコード板2の位置(又は角度)の
測定に代えている。
【0004】受光アレイ3を構成する各フォトダイオー
ドH1〜H4の出力電流I1〜I4は、正弦波状照度分
布光の強度に応じた値となる。該出力電流I1〜I4を
アンプU1〜U4を用いて電圧に変換し、該変換電圧を
スイッチ手段SW1〜SW4を用いて角速度ωでスキャ
ンするとサンプル値の時系列になり、図10の破線で示
す正弦波状の出力VがアンプUの出力として得られ
る。ただし、図10の破線で示すように滑らかな正弦波
の出力を得るにはフォトダイオードの数をもっと増やす
必要がある。該図10の波形は図9の波形に相当するも
のであり、コード板2の移動に伴ってその位相θがシフ
トするので、アンプUの出力Vからコード板2の位
置または角度が求められる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のエンコーダには、本来、計測系と処理系の間
に時間的な遅れがあるため、回転時の計測により得られ
た値と、値を得た時の位置には差があり、この差は速度
によって変化する。
【0006】その結果、このようなエンコーダをサーボ
系のフィードバック要素として用いると、系の応答が速
度によって異なることから、高速制御時に誤差が大きく
なってしまう。
【0007】図12はΔtのサンプリング周期で角度θ
を出力するエンコーダの時系列変化の説明図である。実
際の角度θ,θ,…は時間t遅れて出力され、出
力時点の角度はθ´,θ´,…になっている。ここ
で、θ´−θ(i=1,2,…)で表される時間遅
れtは角速度に比例するため、高速回転時は遅れ時間
が大きいと例えば転流のタイミングがずれる等の影
響が生じるという課題がある。
【0008】本発明の目的は、高速回転時における動的
な精度の高い光学式エンコーダを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、スリットと遮光部が交互に設けられたコ
ード板と、該コード板に光を照射する光源と、前記コー
ド板の裏側に生じる正弦波状照度分布の1周期を4等分
する位置に配列された4個の光電変換素子と、前記光電
変換素子の出力のうち、互いに180°位相が異なる出
力同士を減算する第1,第2の減算手段と、これら2つ
の減算手段の同一時刻の出力をディジタル値に変換する
AD変換手段と、前記光源を点灯,消灯に駆動する手段
と、点灯時と消灯時における第1減算手段のディジタル
値の差分(sinθ)を演算し、点灯時と消灯時におけ
る第2減算手段のディジタル値の差分(cosθ)を演
算し、これら2つの差分から前記正弦波状照度分布波形
の位相θを演算する手段と、1サンプリング前または2
サンプリング前の位相データの少なくとも一方を格納す
るメモリと、該メモリに格納された1サンプリング前の
位相データと現時点の位相データから角速度を演算し、
2サンプリング前の位相データから角加速度を演算する
手段と、これら角速度データまたは角加速度データとサ
ンプリングによる遅れ時間から現位相データの遅れ量を
補正する手段、を備えたものである。
【0010】
【作用】点灯時における第1減算手段と第2減算手段の
出力{例えば、2a・sinθ+(ε1−ε3)…(5)
式参照}には、コード板の位相θを表す信号の他に、光
電変換素子のオフセット(暗電流)と回路系のオフセッ
ト(ε1−ε3)が重畳されている。
【0011】一方、消灯時における第1減算手段と第2
減算手段の出力は、光電変換素子のオフセットと回路系
のオフセットとを加算したものである。演算器は、点灯
時と消灯時における第1減算手段の出力の差分と第2減
算手段の出力の差分{例えば、2a・sinθ、2a・
cosθ…(13)、(14)式参照}を演算するので、該差分
には上記光電変換素子と回路系のオフセットは含まれな
い。
【0012】従って、これら2つの差分から求められた
正弦波状照度分布波形の位相θは、オフセットに影響さ
れず正確である。そして、メモリには1サンプリング前
または2サンプリング前の位相データの少なくとも一方
が格納されているので、1サンプリング前の位相データ
と現時点の位相データから角速度が演算できて2サンプ
リング前の位相データから角加速度を演算でき、これら
角速度データまたは角加速度データとサンプリングによ
る遅れ時間から現位相データの遅れ量を補正できる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。図1及び図2は本発明に係る光学式エン
コーダの構成例図、図3は図1装置の各部の信号のタイ
ミングチャート、図4は8つのエリアでの演算説明図、
図5は8つのエリアの説明図、図6は光電変換素子の出
力波形図、図7はテーブルの内容説明図、図8はコード
板2の角度θが時間tで変化するときの実際の角度と観
測値の推移説明図である。
【0014】図1において、光源1は発光ダイオードま
たは白熱電球で構成され、散乱光を図11に示すコード
板2に照射する。コード板2は図11のようにスリット
2bと遮光部2aが交互に設けられた板であり、その中
心部は回転シャフト40に取り付けられる。
【0015】受光アレイ3は、図6に示すように4個の
光電変換素子H1〜H4で構成される。光電変換素子H
1〜H4は例えばフォトダイオードで構成され、照射さ
れた光の強さを電流に変換して出力する。
【0016】これら光源1とコード板2と受光アレイ3
の位置関係は従来例と同様であり、図9のように受光ア
レイ3の受光面に正弦波状照度分布が生じるようにそれ
ぞれが配置される。そして、各受光素子H1〜H4は、
図6のように正弦波状照度分布の1周期を4等分する位
置に配列されるので、各光電変換出力は90°ずつ位相
が異なる。
【0017】図6は、各光電変換素子H1〜H4と、そ
の出力電流を電圧に変換変換するアンプU1〜U4の接
続を示している。図1,図2では、光電変換素子とアン
プのペアをまとめて光電変換器A1〜A4として描いて
いる。
【0018】各減算器4,5は例えば差動アンプで構成
され、光電変換出力のうち、互いに180°位相が異な
るものを減算する。すなわち、減算器4は光電変換器A
1とA3の差演算を行い、減算器5は光電変換器A2と
A4の差演算を行う。
【0019】サンプルホールド回路(以下単にS/H回
路と記す)6,7は、シーケンスコントローラ11から
信号bが加えられるたびに同時刻に減算器4,5の出力
データをサンプリングしてホールドするものである。マ
ルチプレクサ8は、シーケンスコントローラ11から加
えられる信号cにより、S/H回路6,7でホールドし
た結果を順次切り替えて取り出し、A/D変換器(以下
ADCという)9へ加える。ADC9は、導入されたア
ナログ信号をデジタル信号に変換する。つまり、これら
S/H回路6,7とマルチプレクサ8とADC9は、2
つの減算器4,5の同一時刻の出力をデジタル値に変換
するAD変換手段を構成している。
【0020】ドライバ12は、シーケンスコントローラ
11からの制御信号aにより光源1に加える電流をオ
ン,オフし、これを点灯したり、消灯したりする。演算
器10は、点灯時と消灯時における減算器4の出力の差
分を演算するとともに、点灯時と消灯時における減算器
5の出力の差分を演算する。そして、この2つの差分か
ら正弦波状照度分布波形の位相θを演算する。
【0021】シーケンスコントローラ11は、S/H回
路6,7とマルチプレクサ8とADC9と演算器10と
ドライバ12を制御する。以上のように構成された図1
の動作を説明する。
【0022】光源1の光はコード板2のスリット2bを
通過して、受光アレイ3上に図6のような正弦波状照度
分布を生じさせる。該照度分布はコード板2の動きに応
じて受光アレイ3上を移動する。光電変換器A1〜A4
の光電変換素子H1〜H4は上述のように90°ずつ位
相がずれているため、各光電変換器A1〜A4の出力は
次式のようになる。
【0023】A1=a(sinθ)+b+ε1…(1) A2=a(cosθ)+b+ε2…(2) A3=a(−sinθ)+b+ε3…(3) A4=a(−cosθ)+b+ε4…(4) θ:正弦波状照度分布波形の位相、すなわちコード板2
の位置に応じた変数 a:受光アレイ3上での光パワーの振幅 b:光バイアス分 ε1〜ε4:オフセット なお、光バイアス分bは、光源1から受光アレイ3に照
射する光パワーの平均値である。オフセットε1〜ε4
は、光電変換素子H1〜H4のオフセット(暗電流)と
図6に示すアンプU1〜U4のオフセットなどを含むも
のである。
【0024】減算器4は、180°位相が異なる光電変
換器A1とA3の出力の差分を演算するので、 A1−A3=2a・sinθ+(ε1−ε3)…(5) を出力し、減算器5は、180°位相が異なる光電変換
器A2とA4の出力の差分を演算するので、 A2−A4=2a・cosθ+(ε2−ε4)…(6) を出力する。
【0025】S/H回路6,7は、シーケンスコントロ
ーラ11から同一のS/H信号bが加えられるたびに同
期して、(5) 式,(6) 式で示す減算器4,5の出力をサ
ンプリングする。
【0026】S/H回路6,7の内容はマルチプレクサ
8によりそれぞれ選択されてADC9に加えられ、それ
ぞれデジタル値に変換される。該デジタル値は演算器1
0にに加えられて位相θを求めるための演算が施され
る。
【0027】ところが、(5) 式,(6) 式にはオフセット
ε1〜ε4が含まれているので、何等の対策を施すこと
なくこれら(5) 式,(6) 式の出力に基づいて位相θを算
出しても高精度な位相測定は行えない。
【0028】そこで、次のようにしてオフセットの影響
を除去する。演算器10は、上述した点灯時の測定デー
タ、すなわち(5) 式,(6) 式に基づく(A1−A3)と
(A2−A4)のデジタルデータを内蔵するメモリに格
納しておく。
【0029】次に、ドライバ12から光源1に加える電
流をオフにして光源1を消灯させる。この時、(1) 式〜
(4) 式における光成分は全てなくなるので、各光電変換
器A1〜A4から出力される信号A1´〜A4´は(7)
式〜(10)式に示すようにオフセット成分のみになる。
【0030】A1´=ε1…(7) A2´=ε2…(8) A3´=ε3…(9) A4´=ε4…(10) 従って、消灯時における減算器4の出力は、 A1´−A3´=(ε1−ε3)…(11) になり、減算器5の出力は、 A2´−A4´=(ε2−ε4)…(12) になる。これら(11)式,(12)式の測定データも上述と同
様にS/H回路6,7で同時サンプルされ、マルチプレ
クサ8とADC9を経てそれぞれデジタル値に変換され
た後、演算器10に加えられる。
【0031】演算器10は、内蔵メモリに格納していた
(5) 式,(6) 式で表される測定データを読み出して、点
灯時と消灯時における減算器4の差分を求める(13)式お
よび減算器5の差分を求める(14)式の演算を行う。
【0032】 (A1−A3)−(A1´−A3´)=2a・sinθ…(13) (A2−A4)−(A2´−A4´)=2a・cosθ…(14) これら(13)式,(14)式の演算を行うことにより、オフセ
ットε1〜ε4が除去された位相θのみのデータを得る
ことができる。
【0033】しかし、振幅“a”は、光源1の温度特性
や経時変化、光電変換素子の温度特性等で変動するた
め、(13)式,(14)式から“a”を除去することが望まし
い。そこで、演算器10で比演算を行うことによりaを
除去した(sinθ/cosθ)を用いて位相θを算出
する。
【0034】すなわち、演算器10は、(15)式により、
オフセットの影響がなく、かつ光源1と光電変換素子の
温度特性の影響もない状態で、正弦波状照度分布波形の
位相θを演算できる。
【0035】 θ=tan−1(sinθ/cosθ)…(15) また、AD変換手段で2つの減算器の同一時刻の出力を
デジタル値に変換しているので、高速回転しているコー
ド板の位相θも正確に測定できる。以下にその理由を説
明する。
【0036】もし、2つの減算器の出力である(5) 式,
(6) 式の値のサンプリングに時間のズレがあると、誤差
が生じる。例えば、コード板2のスリット数が1000
で回転数が3000rpmとすると、(5) 式,(6) 式の
sinθ,cosθは50KHzになる。これは、周期
が20μsであり、1/100の位相測定を行うことを
考えると、この同時性は20μs/100=0.2μs
が必要になる。
【0037】図3はコード板2が回転(正弦波状照度分
布が時間的に変化)している時の図1の各部の信号のタ
イミングチャートであり、この図を参照して各部動作の
タイミングを説明する。なお、上述では、初めに(5)
式,(6) 式で示される点灯時の測定データを取り込み、
次に(11)式,(12)式で示される消灯時の測定データを取
り込むとして説明したが、この順序が逆になってもよ
い。
【0038】図3では、シーケンスコントローラ11か
ら加える制御信号aにより光源1をまず消灯(LOW)
して消灯時の測定データ(オフセットデータ)を取り込
み、次に点灯(HIGH)して点灯時の測定データを得
ている(図3(1) 参照)。従って、消灯時と点灯時にお
ける減算器4,5の出力は、図3(2),(3) のようにな
る。すなわち、消灯時には減算器4から(11)式のオフセ
ットを意味する電圧V f1(=ε1−ε3)が出力さ
れ、減算器5から(12)式のオフセットを意味する電圧V
of2(=ε2−ε4)が出力される。また、点灯時に
は、コード板2の回転とともに(5) 式,(6) 式で示され
る波形が出力される。
【0039】S/H回路6,7には消灯時に図3(4) に
示すタイミングでS/H信号bがシーケンスコントロー
ラ11から加えられるので、S/H回路6は図3(2) に
示すデータD1を、S/H回路7は図3(3) に示すデー
タD3を、同一時刻にサンプリングする。
【0040】これらサンプリングデータD1,D3はマ
ルチプレクサ8により順次取り出され、ADC9へ入力
される。すなわち、図3(5) に示すシーケンスコントロ
ーラ11の信号cがHIGHのときS/H回路6が選択
され、LOWのときS/H回路7が選択される。ADC
9は、マルチプレクサ8がHIGHの期間にシーケンス
コントローラ11からAD変換コマンド信号dが加えら
れることによりS/H回路6がサンプリングしているオ
フセットデータD1をデジタル値に変換し、マルチプレ
クサ8がLOWの期間にシーケンスコントローラ11か
らAD変換コマンド信号dが加えられることによりS/
H回路7がサンプリングしているオフセットデータD3
をデジタル値に変換する(図3(6) 参照)。
【0041】演算器10は、図3(7) に示すシーケンス
コントローラ11からのデータ取得コマンド信号eのタ
イミングによりデジタルデータD1,D3を取り込み、
図示しないメモリに格納する。
【0042】点灯時には上述と同様な動作により位相デ
ータD2とD4が演算器10のメモリに取り込まれる。
その後、演算器10にはシーケンスコントローラ11か
ら図3(8) に示す演算コマンドfが加えられ、演算器1
0はこれを起点にして上述した演算を行い、オフセット
と温度特性に影響されない位相θを算出する。
【0043】なお、図1では1個のADC9を共用して
いるが、図2のように減算器4,5にそれぞれ専用のA
DC15,16を設けてもよい。この場合、同一時間当
たりのAD処理負担量は図1の半分に減少するので、A
D変換速度は図1のADC9と比べて遅くてよい。ま
た、S/H回路6,7とマルチプレクサ8は不要にな
る。
【0044】また、上述において、演算器10は、(13)
式,(14)式で示される2つの差分から(15)式の演算を行
い、正弦波状照度分布波形の位相θを演算するものとし
て説明した。
【0045】しかし、tan−1の演算は時間を要する
ので、高速処理を行いたい場合には(15)式の演算を行わ
ないで演算器10が内蔵するテーブルを参照して位相θ
を求めるようにしてもよい。テーブルは外に独立して設
けられたものでもよい。
【0046】この場合、演算器10を以下に説明する構
成にすることにより、テーブルに書き込むデータ量を0
°〜360°の1/8にできる。すなわち、図7のよう
に、0°〜45°の角度θと、(sinθ/cosθ)
の関係をテーブルに書き込めばよい。
【0047】これを説明する。図5は、sinθとco
sθとtanθの関係説明図である。(15)式で得られる
θと(sinθ/cosθ)の関係は、図5の実線で描
いた曲線上に存在する。ここで、図5のように、45°
毎に8つのエリアに区切ると、各エリア部の実線波形は
次式で表される。 (1),(8) は、 θ=tan−1(sinθ/cosθ)…(16) (2),(3) は、 θ=tan−1(−cosθ/sinθ)+π/2…(17) (4),(5) は、 θ=tan−1(sinθ/cosθ)+π…(18) (6),(7) は、 θ=tan−1(−cosθ/sinθ)+3π/2…(19) ここで、0°〜45°の角度θと(sinθ/cos
θ)の関係を図7のテーブルに書き込むことにより、こ
のデータθを読み出して各エリア毎に図4に示す演算で
位相θを算出できる。図4は、図5の8つのエリア,s
inθの正負の状態,cosθの正負の状態,この絶対
値同士の減算結果の正負の状態,比の値(図7のテーブ
ルのアドレス),起点位相,各エリア毎の演算式を示し
ている。なお、図4の演算式における“θ”は、図7の
テーブルから読み出した値を意味する。図4中の演算式
は図5から容易に導き出されるので説明を省略する。
【0048】従って、現在の位相θがこの8つのエリア
のどれに属するかを知ることができれば、上記図4に示
す演算を行うことにより位相θを求めることができる。
すなわち、演算器10は、点灯時と消灯時における減算
器4の出力の差分(sinθ)の正負状態と、点灯時と
消灯時における減算器5の出力の差分(cosθ)の正
負状態と、この2つの差分の絶対値同士の減算結果{|
sinθ|−|cosθ|}の正負状態とからなる8つ
の組み合わせを認識して現在の位相θがこの8つのどれ
に属するかを判断する判断手段と、0°〜45°の角度
θと(sinθ/cosθ)の関係が書き込まれたテー
ブルと、減算器4の出力の差分(sinθ)と減算器5
の出力の差分(cosθ)とから、(sinθ/cos
θ)または(cosθ/sinθ)の演算を行う比演算
器と、この比演算器の演算結果に対応する角度θを前記
テーブルから読み出し、判断手段で判断した現在の位相
θが属する組み合わせに応じて角度θに演算を加えて位
相θを算出する位相演算器、とを備えている。
【0049】なお、上述では、テーブルに角度θと(s
inθ/cosθ)の関係を書き込み、比演算器で(s
inθ/cosθ)の演算を行うとして説明したが、こ
の分子と分母を逆の関係にしても同様の結果が得られる
ことは明らかである。すなわち、テーブルに角度θと
(cosθ/sinθ)の関係を書き込み、比演算器で
(cosθ/sinθ)の演算を行うようにしてもよ
い。
【0050】また、角度θの補正は、次のようにして行
われる。すなわち、演算器10に内蔵されている図示し
ないメモリには、1サンプリング前の位相(角度)デー
タまたは2サンプリング前の位相(角度)データの少な
くともいずれかが格納されている。
【0051】図8において、τはサンプリング間隔、
τは回路系の遅延と演算時間を合わせた観測値が得ら
れるまでの時間である。添字iは任意の整数である。コ
ード板2が定速回転しているときは、図8から明らかな
ように、実際の角度θ´は、次式で得られる。
【0052】 θ´=θ+{(θ−θi−1)/τ}τ…(20) また、定加速度の場合の実際の角度θ´は、次式で得
られる。 θ´=θ+{(θ−θi−1)/τ}τ +{(θ−2θi−1+θi−2)/2τ }τ …(21) 同様に、加速度が変化している場合についても、変分を
とることで補正を行える。
【0053】以上のように、回転に伴う誤差は、過去の
データからの推定演算で少なくできる。一方、回路系の
遅延は、一般にdθ/dtの関数になっているので、 τ=τ+k(θ−θi−1)+k(θ−θi−1+… …(22) k,k,…:定数 のように補正することで誤差を少なくできる。
【0054】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
の効果が得られる。 (1) 各基本回路は、180°位相の異なる信号の差をと
る構成のため、光バイアス分b((1) 式〜(4) 式)が除
去できる。すなわち、光源の光パワー変動に伴う光バイ
アスbの変化を自動的に除去できる。 (2) 各基本回路は、光源をオン,オフし、オフセットを
計測できる構成のため、光電変換素子のオフセットと回
路系のオフセットを除去でき、高精度な位相計測が行え
る。 (3) 各基本回路は、2つの減算器の出力を同時サンプリ
ングし、1個のADC9を共用してデジタル変換するた
め、ADC9のゲイン特性に基づく位相演算誤差がな
い。
【0055】これを説明する。例えば、減算器4からA
DC9に2a・sinθが加えられ、デジタル値として
k・2a・sinθに変換したとする。ここで、kはA
D変換の係数である。これと同じADC9へ今度は減算
器5から2a・cosθが加えられるとデジタル値とし
てk・2a・cosθを出力する。演算器10では、t
an−1(k・2a・sinθ)/(k・2a・cos
θ)を演算するので、分子と分母の係数kがキャンセル
され、ADC9のゲインエラー(kの変動)は演算の精
度に影響しないことになる。 (4) tan−1を演算する際、(sinθ/cosθ)
または(cosθ/sinθ)の演算を行っているた
め、位相信号の振幅((1) 式〜(4) 式のa)の変動が規
格化される。従って、テーブル演算を行う場合テーブル
を小さくできる。また、位相θを演算する際、象限を8
分割することによりテーブルサイズを1/8に縮小でき
る。 (5) 過去の離散データから計測系と処理系の時間的な遅
れに起因した位相(角度)遅れの補正演算を行うため、
コード板移動に伴う計測誤差を打ち消すことができ、サ
ーボ系の高速,高精度な制御が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる基本回路図である。
【図2】本発明で用いる他の基本回路図である。
【図3】図1の各部の信号のタイミングチャートであ
る。
【図4】8つのエリアでの演算説明図である。
【図5】8つのエリアの説明図である。
【図6】光電変換素子の出力波形図である。
【図7】テーブルの内容説明図である。
【図8】コード板の角度θが時間tで変化するときの実
際の角度と観測値の推移説明図である。
【図9】従来例の要部の構成図である。
【図10】フォトダイオードが4個の出力信号説明図で
ある。
【図11】コード板の構成例図である。
【図12】Δtのサンプリング周期で角度θを出力する
エンコーダの時系列変化の説明図である。
【符号の説明】
1 光源 2 コード板 3 受光アレイ 4,5 減算器 6,7 サンプルホールド回路 8 マルチプレクサ 9 A/D変換器 10 演算器 11 シーケンスコントローラ 12 ドライバ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 スリットと遮光部が交互に設けられたコ
    ード板と、 該コード板に光を照射する光源と、 前記コード板の裏側に生じる正弦波状照度分布の1周期
    を4等分する位置に配列された4個の光電変換素子と、 前記光電変換素子の出力のうち、互いに180°位相が
    異なる出力同士を減算する第1,第2の減算手段と、 これら2つの減算手段の同一時刻の出力をディジタル値
    に変換するAD変換手段と、 前記光源を点灯,消灯に駆動する手段と、 点灯時と消灯時における第1減算手段のディジタル値の
    差分(sinθ)を演算し、点灯時と消灯時における第
    2減算手段のディジタル値の差分(cosθ)を演算
    し、これら2つの差分から前記正弦波状照度分布波形の
    位相θを演算する手段と、 1サンプリング前または2サンプリング前の位相データ
    の少なくとも一方を格納するメモリと、 該メモリに格納された1サンプリング前の位相データと
    現時点の位相データから角速度を演算し、2サンプリン
    グ前の位相データから角加速度を演算する手段と、 これら角速度データまたは角加速度データとサンプリン
    グによる遅れ時間から現位相データの遅れ量を補正する
    手段、 を備えたことを特徴とする光学式エンコーダ。
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