JPH0510783A - アブソリユートエンコーダ - Google Patents

アブソリユートエンコーダ

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JPH0510783A
JPH0510783A JP16300191A JP16300191A JPH0510783A JP H0510783 A JPH0510783 A JP H0510783A JP 16300191 A JP16300191 A JP 16300191A JP 16300191 A JP16300191 A JP 16300191A JP H0510783 A JPH0510783 A JP H0510783A
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JP
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track
slits
code plate
light
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Application number
JP16300191A
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English (en)
Inventor
Fusao Kosaka
扶佐夫 幸坂
Kunio Kazami
邦夫 風見
Hiroshi Nakayama
博史 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokogawa Electric Corp
Original Assignee
Yokogawa Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はアブソリュートエンコーダに関し、
その目的は、光電変換素子のオフセットと、回路系のオ
フセットと、光源の温度特性と、光電変換素子の温度特
性の影響を除去することにより、複数のスリット列を有
するコード板を用いて高精度でコード板のアブソリュー
トの位置測定が行えるアブソリュートエンコーダを提供
することにある。 【構成】 スリット数とスリットの配列周期が異なる複
数のトラックを有するコード板を用い、各トラックから
位相が90°異なる2つの出力信号を同時にサンプルし
てA/D変換することにより位相検出を行い、各トラッ
ク間の位相関係からコード板のアブソリュート位置を求
めるアブソリュートエンコーダにおいて、各トラックの
位相検出系の位相遅れをスリット数に反比例するように
設定して各トラック間の回転時における位相遅れを等し
くすることにより各トラックの出力信号を同時にサンプ
ルするように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複数のトラックを有する
アブソリュートエンコーダに関し、更に詳しくは、高速
変化時の特性改善に関する。
【0002】
【従来の技術】スリットと遮光部が交互に配列されたコ
ード板の表側に配置された光源から散乱光を照射する
と、コード板の裏側にはスリットの周期に対応した周期
の正弦波の光強度分布が生じる。該正弦波の位相はコー
ド板の移動に従って変化する。この原理を利用し、コー
ド板の裏側に受光アレイを固定して正弦波の位相を検出
することにより、コード板の位置または角度を測定でき
る。
【0003】図9はこのような従来の単一トラックエン
コーダの位置情報を検出する要部の説明図、図10はフ
ォトダイオードが4素子の場合の出力信号の説明図、図
11は単一トラックのコード板の構成例図である。
【0004】図9において、光源1から光をコード板2
へ照射する。該コード板2は光を通過させるスリット2
bと光を遮断する遮光部2bとが例えば円周方向に沿っ
て交互に配置されたものであり、その中心部は回転シャ
フト40に取り付けられている(図11参照)。光源1
から照射する光を散乱光とすると、光電変換素子として
例えばフォトダイオードを用いた受光アレイ3には図9
中に示すように照度が正弦波状に分布する光が加えられ
る。該受光アレイ3に照射された正弦波状照度分布光の
位相θはコード板2の位置または角度に応じて定まり、
コード板2が移動することによりθの値も変化する。従
って、該θを測定することによりコード板2の位置また
は角度が求められる。
【0005】受光アレイ3を構成する各フォトダイオー
ドH1〜H4の出力電流I1〜I4は、正弦波状照度分
布光の強度に応じた値となる。該出力電流I1〜I4を
アンプU1〜U4を用いて電圧に変換し、該変換電圧を
スイッチSW1〜SW4を用いて角速度ωでスキャンす
るとサンプル値の時系列になり、図10の破線で示す正
弦波状の出力VがアンプUの出力として得られる。
ただし、図10の破線で示すように滑らかな正弦波の出
力を得るにはフォトダイオードの数をもっと増やす必要
がある。該図10の波形は図9の波形に相当するもので
あり、コード板2の移動に伴ってその位相θがシフトす
るので、アンプUの出力Vからコード板2の位置ま
たは角度が求められる。
【0006】このようなエンコーダを応用したものとし
て、コード板に半径の異なる3つの同心円のスリット列
を設けて、コード板のアブソリュートの回転角度θを測
定するように構成されたアブソリュートエンコーダがあ
る。この場合、半径の一番大きなスリット列Aのスリッ
ト数を例えばn個とすると、中間の半径のスリット列B
のスリット数は(n−m)個に設定されて半径の一番小
さなスリット列Cのスリット数は(n−m−1)個に設
定され、各スリット列A,B,Cを構成するスリットの
配列周期もそれぞれ異なっている。ここで、nとmはn
=kmの関係があり、k,n,mは自然数である。
【0007】これにより、最大半径のスリット列Aによ
り360°をn等分してこの360/nの中(例えばn
=180であれば2°)を極めて高い分解能で測定でき
て他のスリット列B,Cでその2°が360°の中のど
の位置に該当するかを特定でき、コード板のアブソリュ
ートの角度を測定できる。以上のような従来のエンコー
ダには、次の課題がある。図10の波形から分かるよう
に、各フォトダイオードH1〜H4の出力信号は直流成
分を持ったDC的なものであるために、各フォトダイオ
ードH1〜H4におけるオフセット(暗電流)や各フォ
トダイオードH1〜H4の出力を受ける回路系のオフセ
ット(例えば図9のアンプU1〜U4のオフセット)が
存在し、このため位相測定の精度が左右されるという問
題がある。
【0008】また、光源1(例えば発光ダイオード)と
受光アレイ3(例えばフォトダイオード)には温度特性
があるので、光源1の光パワーと受光アレイ3の出力電
流は温度により変動し、更に位相測定の精度を低下させ
てしまうことになる。
【0009】このような問題を解決するため本出願人
は、特願平2−259625号の出願をおこなつた。こ
の出願は、光源の光強度を変調することなくコード板に
光を照射し、受光アレイの出力に基づく信号をサンプル
ホールドし、そしてこのサンプルホールドした値をAD
変換するものである。このAD変換されたデジタル信号
は,コード板の回転角度の情報を含むものであるので,
このAD変換されたデジタル値に演算を加えて、角度値
を得るようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この特願平2−259
625号の発明によれば非常に大きな効果が得られる
が、この発明の装置に上述したような複数のスリット列
(例えば,スリット列A,B,C)を有するコード板を
用い何らの対策も施さないと、次のような問題が生じ
る。コード板の裏がわに生じる照度分布の波形(図9参
照)の周波数はスリットのピッチにより定まる。つま
り,スリット数の多いスリット列から得られる図9に示
す正弦波の周波数は,スリット数の少ないスリット列か
ら得られる正弦波の周波数より高い。一方,複数のスリ
ット列A,B,Cを有するコード板では、各スリット列
から得られる正弦波信号のサンプリングは同一時刻のも
のでないと、既述した2°が360°中のどの位置に該
当するか特定できなくなる。ここで,特願平2−259
625号はサンプルホールド回路を設けているが、この
サンプルホールド回路は一般にコンデンサを備えている
ので,各スリット列から得られる周波数の異なる正弦波
信号に位相遅れ「差」が生じる。つまり、サンプルホー
ルドする際に信号の遅延が発生するが,その遅延量は周
波数により異なるので、既述した2°が360°中のど
の位置に該当するか特定できなくなる恐れがある。
【0011】本発明の目的は、特願平2−259625
号の発明の装置に上述したような複数のスリット列(例
えば,スリット列A,B,C)を有するコード板を用い
てもスリットの同定を誤ることのないアブソリュートエ
ンコーダを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、スリット数とスリットの配列周期が異な
る複数のトラックを有するコード板を用い、各トラック
から位相が90°異なる2つの出力信号を同時にサンプ
ルしてA/D変換することにより位相検出を行い、各ト
ラック間の位相関係からコード板のアブソリュート位置
を求めるアブソリュートエンコーダにおいて、各トラッ
クの位相検出系の位相遅れをスリット数に反比例するよ
うに設定して各トラック間の回転時における位相遅れを
等しくすることにより各トラックの出力信号を同時にサ
ンプルするようにしている。
【0013】
【作用】各トラックの位相検出系の位相遅れが等しいも
のとすると、スリット数の違いにより周波数が異なり各
トラックで位相遅れが変わって各トラックの同時サンプ
ル性が崩れてしまい、スリット同定の誤差になってしま
う。
【0014】これに対し、本発明では、各トラックの位
相検出系の位相遅れをスリット数に反比例するように設
定しているので、各トラック間の回転時における位相遅
れは等しくなり、各トラックの出力信号を同時にサンプ
ルできることからスリット同定の誤差を生じることはな
い。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1及び図2は本発明の基本回路説明図で
あり、図9と共通する部分には同一の符号を付けてそれ
らの説明は省略する。図3は図1の各部の信号のタイミ
ングチャート、図4は8つのエリアでの演算説明図、図
5は8つのエリアの説明図、図6は光電変換素子の出力
波形図、図7はテーブルの内容説明図である。
【0016】まず、本発明を適用する前の特願平2−2
59625号に記載したアブソリュートエンコーダを図
1〜図7を用いて説明する。図1において、A1〜A4
は光電変換器であり、図6に示す受光アレイ3を構成す
る各光電変換素子(フォトダイオード)H1〜H4とア
ンプU1〜U4のペアをまとめて光電変換器A1〜A4
として描いている。ここで、各光電変換素子H1〜H4
は図6のように正弦波状照度分布の1周期を4等分する
位置に配列されるので、各光電変換出力は90°ずつ位
相が異なる。
【0017】各減算器4,5は例えば差動アンプで構成
され、光電変換出力のうち、互いに180°位相が異な
るものを減算する。すなわち、減算器4は光電変換器A
1とA3の差演算を行い、減算器5は光電変換器A2と
A4の差演算を行う。サンプルホールド回路(以下単に
S/H回路と記す)6,7は、シーケンスコントローラ
11から信号bが加えられるたびに同時刻に減算器4,
5の出力データをサンプリングしてホールドするもので
ある。マルチプレクサ8は、シーケンスコントローラ1
1から加えられる信号cにより、S/H回路6,7でホ
ールドした結果を順次切り替えて取り出し、A/D変換
器(以下ADCと言う)9へ加える。ADC9は、導入
されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。つま
り、これらS/H回路6,7とマルチプレクサ8とAD
C9は、2つの減算器4,5の同一時刻の出力をデジタ
ル値に変換するAD変換手段を構成している。
【0018】ドライバ12は、シーケンスコントローラ
11からの制御信号aにより光源1に加える電流をオ
ン,オフし、これを点灯したり、消灯したりする。演算
器10は、点灯時と消灯時における減算器4の出力の差
分を演算するとともに、点灯時と消灯時における減算器
5の出力の差分を演算する。そして、この2つの差分か
ら正弦波状照度分布波形の位相θを演算する。
【0019】シーケンスコントローラ11は、S/H回
路6,7とマルチプレクサ8とADC9と演算器10と
ドライバ12を制御する。以上のように構成された図1
の動作を説明する。
【0020】光源1の光はコード板2のスリット2bを
通過して、受光アレイ3上に図6のような正弦波状照度
分布を生じさせる。該照度分布はコード板2の動きに応
じて受光アレイ3上を移動する。光電変換器A1〜A4
の光電変換素子H1〜H4は上述のように90°ずつ位
相がずれているため、各光電変換器A1〜A4の出力は
次式のようになる。
【0021】A1=a(sinθ)+b+ε1…(1) A2=a(cosθ)+b+ε2…(2) A3=a(−sinθ)+b+ε3…(3) A4=a(−cosθ)+b+ε4…(4) θ:正弦波状照度分布波形の位相、すなわちコード板2
の位置に応じた変数 a:受光アレイ3上での光パワーの振幅 b:光バイアス分 ε1〜ε4:オフセット なお、光バイアス分bは、光源1から受光アレイ3に照
射する光パワーの平均値である。オフセットε1〜ε4
は、光電変換素子H1〜H4のオフセット(暗電流)と
図6に示すアンプU1〜U4のオフセットなどを含むも
のである。
【0022】減算器4は、180°位相が異なる光電変
換器A1とA3の出力の差分を演算するので、 A1−A3=2a・sinθ+(ε1−ε3)…(5) を出力し、減算器5は、180°位相が異なる光電変換
器A2とA4の出力の差分を演算するので、 A2−A4=2a・cosθ+(ε2−ε4)…(6) を出力する。
【0023】S/H回路6,7は、シーケンスコントロ
ーラ11から同一のS/H信号bが加えられるたびに同
期して、(5) 式,(6) 式で示す減算器4,5の出力をサ
ンプリングする。減算器5は光電変換器A2とA4の差
演算を行う。
【0024】S/H回路6,7の内容はマルチプレクサ
8によりそれぞれ選択されてADC9に加えられ、それ
ぞれデジタル値に変換される。該デジタル値は演算器1
0にに加えられて位相θを求めるための演算が施され
る。
【0025】ところが、(5) 式,(6) 式にはオフセット
ε1〜ε4が含まれているので、何等の対策を施すこと
なくこれら(5) 式,(6) 式の出力に基づいて位相θを算
出しても高精度な位相測定は行えない。
【0026】そこで、次のようにしてオフセットの影響
を除去する。演算器10は、上述した点灯時の測定デー
タ、すなわち(5) 式,(6) 式に基づく(A1−A3)と
(A2−A4)のデジタルデータを内蔵するメモリに格
納しておく。
【0027】次に、ドライバ12から光源1に加える電
流をオフにして光源1を消灯させる。この時、(1) 式〜
(4) 式における光成分は全てなくなるので、各光電変換
器A1〜A4から出力される信号A1´〜A4´は(7)
式〜(10)式に示すようにオフセット成分のみになる。
【0028】A1´=ε1…(7) A2´=ε2…(8) A3´=ε3…(9) A4´=ε4…(10) 従って、消灯時における減算器4の出力は、 A1´−A3´=(ε1−ε3)…(11) になり、減算器5の出力は、 A2´−A4´=(ε2−ε4)…(12) になる。これら(11)式,(12)式の測定データも上述と同
様にS/H回路6,7で同時サンプルされ、マルチプレ
クサ8とADC9を経てそれぞれデジタル値に変換され
た後、演算器10に加えられる。
【0029】演算器10は、内蔵メモリに格納していた
(5) 式,(6) 式で表される測定データを読み出して、点
灯時と消灯時における減算器4の差分を求める(13)式お
よび減算器5の差分を求める(14)式の演算を行う。
【0030】 (A1−A3)−(A1´−A3´)=2a・sinθ…(13) (A2−A4)−(A2´−A4´)=2a・cosθ…(14) これら(13)式,(14)式の演算を行うことにより、オフセ
ットε1〜ε4が除去された位相θのみのデータを得る
ことができる。
【0031】しかし、振幅“a”は、光源1の温度特性
や経時変化、光電変換素子の温度特性等で変動するた
め、(13)式,(14)式から“a”を除去することが望まし
い。そこで、演算器10で比演算を行うことによりaを
除去した(sinθ/cosθ)を用いて位相θを算出
する。
【0032】すなわち、演算器10は、(15)式により、
オフセットの影響がなく、かつ光源1と光電変換素子の
温度特性の影響もない状態で、正弦波状照度分布波形の
位相θを演算できる。
【0033】 θ=tan−1(sinθ/cosθ)…(15) また、AD変換手段で2つの減算器の同一時刻の出力を
デジタル値に変換しているので、高速回転しているコー
ド板の位相θも正確に測定できる。以下にその理由を説
明する。
【0034】もし、2つの減算器の出力である(5) 式,
(6) 式の値のサンプリングに時間のズレがあると、誤差
が生じる。例えば、コード板2のスリット数が1000
で回転数が3000rpmとすると、(5) 式,(6) 式の
sinθ,cosθは50KHzになる。これは、周期
が20μsであり、1/100の位相測定を行うことを
考えると、この同時性は20μs/100=0.2μs
が必要になる。
【0035】図3はコード板2が回転(正弦波状照度分
布が時間的に変化)している時の図1の各部の信号のタ
イミングチャートであり、この図を参照して各部動作の
タイミングを説明する。なお、上述では、初めに(5)
式,(6) 式で示される点灯時の測定データを取り込み、
次に(11)式,(12)式で示される消灯時の測定データを取
り込むとして説明したが、この順序が逆になってもよ
い。
【0036】図3では、シーケンスコントローラ11か
ら加える制御信号aにより光源1をまず消灯(LOW)
して消灯時の測定データ(オフセットデータ)を取り込
み、次に点灯(HIGH)して点灯時の測定データを得
ている(図3(1) 参照)。従って、消灯時と点灯時にお
ける減算器4,5の出力は、図3(2),(3) のようにな
る。すなわち、消灯時には減算器4から(11)式のオフセ
ットを意味する電圧V f1(=ε1−ε3)が出力さ
れ、減算器5から(12)式のオフセットを意味する電圧V
of2(=ε2−ε4)が出力される。また、点灯時に
は、コード板2の回転とともに(5) 式,(6) 式で示され
る波形が出力される。
【0037】S/H回路6,7には消灯時に図3(4) に
示すタイミングでS/H信号bがシーケンスコントロー
ラ11から加えられるので、S/H回路6は図3(2) に
示すデータD1を、S/H回路7は図3(3) に示すデー
タD3を、同一時刻にサンプリングする。
【0038】これらサンプリングデータD1,D3はマ
ルチプレクサ8により順次取り出され、ADC9へ入力
される。すなわち、図3(5) に示すシーケンスコントロ
ーラ11の信号cがHIGHのときS/H回路6が選択
され、LOWのときS/H回路7が選択される。ADC
9は、マルチプレクサ8がHIGHの期間にシーケンス
コントローラ11からAD変換コマンド信号dが加えら
れることによりS/H回路6がサンプリングしているオ
フセットデータD1をデジタル値に変換し、マルチプレ
クサ8がLOWの期間にシーケンスコントローラ11か
らAD変換コマンド信号dが加えられることによりS/
H回路7がサンプリングしているオフセットデータD3
をデジタル値に変換する(図3(6) 参照)。
【0039】演算器10は、図3(7) に示すシーケンス
コントローラ11からのデータ取得コマンド信号eのタ
イミングによりデジタルデータD1,D3を取り込み、
図示しないメモリに格納する。
【0040】点灯時には上述と同様な動作により位相デ
ータD2とD4が演算器10のメモリに取り込まれる。
その後、演算器10にはシーケンスコントローラ11か
ら図3(8) に示す演算コマンドfが加えられ、演算器1
0はこれを起点にして上述した演算を行い、オフセット
と温度特性に影響されない位相θを算出する。
【0041】なお、図1では1個のADC9を共用して
いるが、図2のように減算器4,5にそれぞれ専用のA
DC15,16を設けてもよい。この場合、同一時間当
たりのAD処理負担量は図1の半分に減少するので、A
D変換速度は図1のADC9と比べて遅くてよい。ま
た、S/H回路6,7とマルチプレクサ8は不要にな
る。
【0042】また、上述において、演算器10は、(13)
式,(14)式で示される2つの差分から(15)式の演算を行
い、正弦波状照度分布波形の位相θを演算するものとし
て説明した。
【0043】しかし、tan−1の演算は時間を要する
ので、高速処理を行いたい場合には(15)式の演算を行わ
ないで演算器10が内蔵するテーブルを参照して位相θ
を求めるようにしてもよい。テーブルは外に独立して設
けられたものでもよい。
【0044】この場合、演算器10を以下に説明する構
成にすることにより、テーブルに書き込むデータ量を0
°〜360°の1/8にできる。すなわち、図7のよう
に、0°〜45°の角度θと、(sinθ/cosθ)
の関係をテーブルに書き込めばよい。
【0045】これを説明する。図5は、sinθとco
sθとtanθの関係説明図である。(15)式で得られる
θと(sinθ/cosθ)の関係は、図5の実線で描
いた曲線上に存在する。ここで、図5のように、45°
毎に8つのエリアに区切ると、各エリア部の実線波形は
次式で表される。(1),(8) は、 θ=tan−1(sinθ/cosθ)…(16) (2),(3) は、 θ=tan−1(−cosθ/sinθ)+π/2…(17) (4),(5) は、 θ=tan−1(sinθ/cosθ)+π…(18) (6),(7) は、 θ=tan−1(−cosθ/sinθ)+3π/2…(19) ここで、0°〜45°の角度θと(sinθ/cos
θ)の関係を図7のテーブルに書き込むことにより、こ
のデータθを読み出して各エリア毎に図4に示す演算で
位相θを算出できる。図4は、図5の8つのエリア,s
inθの正負の状態,cosθの正負の状態,この絶対
値どうしの減算結果の正負の状態,比の値(図7のテー
ブルのアドレス),起点位相,各エリア毎の演算式を示
している。なお、図4の演算式における“θ”は、図7
のテーブルから読み出した値を意味する。図4中の演算
式は図5から容易に導き出されるので説明を省略する。
【0046】従って、現在の位相θがこの8つのエリア
のどれに属するかを知ることができれば、上記図4に示
す演算を行うことにより位相θを求めることができる。
すなわち、演算器10は、点灯時と消灯時における減算
器4の出力の差分(sinθ)の正負状態と、点灯時と
消灯時における減算器5の出力の差分(cosθ)の正
負状態と、この2つの差分の絶対値同士の減算結果{|
sinθ|−|cosθ|}の正負状態とからなる8つ
の組み合わせを認識して現在の位相θがこの8つのどれ
に属するかを判断する判断手段と、0°〜45°の角度
θと(sinθ/cosθ)の関係が書き込まれたテー
ブルと、減算器4の出力の差分(sinθ)と減算器5
の出力の差分(cosθ)とから、(sinθ/cos
θ)または(cosθ/sinθ)の演算を行う比演算
器と、この比演算器の演算結果に対応する角度θを前記
テーブルから読み出し、判断手段で判断した現在の位相
θが属する組み合わせに応じて角度θに演算を加えて位
相θを算出する位相演算器、とを備えている。
【0047】なお、上述では、テーブルに角度θと(s
inθ/cosθ)の関係を書き込み、比演算器で(s
inθ/cosθ)の演算を行うとして説明したが、こ
の分子と分母を逆の関係にしても同様の結果が得られる
ことは明らかである。すなわち、テーブルに角度θと
(cosθ/sinθ)の関係を書き込み、比演算器で
(cosθ/sinθ)の演算を行うようにしてもよ
い。
【0048】図8は、本発明に係わるアブソリュートエ
ンコーダの構成例を示す図であり、図1、図2の装置に
複数のスリット列を有したコード板を用いた時発生する
問題点を解決する装置である。図1と共通する部分には
同じ符号を付けている。図において、コード板2には1
周n個とn個のスリットを持つトラックが設けられ
ている。各スリットのトラックにはそれぞれ4個の光電
変換器A1〜A4,B1〜B4で構成された受光素子ア
レイ3a,3bが光源1と対向するように配置されてい
る。減算器4aは光電変換器A1とA3の差演算を行
い、減算器5aは光電変換器A2とA4の差演算を行
い、減算器4bは光電変換器B1とB3の差演算を行
い、減算器5bは光電変換器B2とB4の差演算を行
う。
【0049】S/H回路6a,7a,6b,7bは、シ
ーケンスコントローラ11から信号bが加えられるたび
に同時刻に減算器4a,5a,4b,5bの出力データ
をサンプリングしてホールドする。ここで、各トラック
の回路系の位相遅れはS/H回路6a,7a,6b,7
bの内部抵抗r,r,…とホールドキャパシタ
,c,…からなる1次遅れ系で、この積r・c
,r・c,…を各トラック毎にスリット数n
,…に反比例させる(r・c:r・c:…
=1/n:1/n:…)。
【0050】マルチプレクサ8は、シーケンスコントロ
ーラ11から加えられる信号cにより、S/H回路6
a,7a,6b,7bでホールドした結果を順次切り替
えて取り出し、ADC9へ加える。ADC9は、導入さ
れたアナログ信号をデジタル信号に変換する。つまり、
これらS/H回路6a,7a,6b,7bとマルチプレ
クサ8とADC9は、4つの減算器4a,5a,4b,
5bの同一時刻の出力をデジタル値に変換するAD変換
手段を構成している。
【0051】演算器10は、点灯時と消灯時における減
算器4a,4bの出力の差分を演算するとともに点灯時
と消灯時における減算器5a,5bの出力の差分を演算
し、これら4つの差分から上述と同様に正弦波状照度分
布波形の位相θを演算する。
【0052】基本動作は上述の通りであることからそれ
らの説明は省略し、本発明に基づくスリット同定誤差の
解消についてのみ説明する。 各S/H回路での位相遅れθdは、 θd=tan−12πfCR f=n×rps:入力周波数[Hz] n:スリット数 rps:回転速度[rps] R :S/H回路の内部抵抗 C :ホールドキャパシタ になる。
【0053】ここで、C・Rが等しければ各トラックで
スリット数nの違いで位相遅れが異なり各トラックの同
時サンプルが崩れることになり、その位相遅れの差がス
リット同定の誤差になってしまう。
【0054】ところが、本発明のように、各トラック間
でC・Rをスリット数nに反比例するように設定するこ
とにより各トラックの位相遅れは等しくなり、スリット
同定の誤差にはならない。
【0055】なお、該実施例ではS/H回路の内部抵抗
による位相遅れについて説明しているが、帯域制限をし
てS/Nを向上させるためのC・R系においても同様の
対策を施せばよい。
【0056】また、上述実施例では図1の基本回路を適
用しているが、図2の基本回路を適用してもよい。ま
た、本発明は光学式に限るものではなく、磁気式,静電
式,接触式を問わずピッチ数の異なる複数のトラックを
持っていて、各トラックでA/D変換を用いて位相検出
を行う各種のアブソリュートエンコーダにも適用できる
ものである。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
の効果が得られる。 (1) 本発明によれば回転時の各トラックの位相回りが
等しくなるように構成したため、高速回転時のスリット
ミスを起こす最大の要因を解決することができる。従っ
て、許容回転速度の高いアブソリュートエンコーダを実
現することができる。 (2) また各基本回路は、180°位相の異なる信号
の差をとる構成のため、光バイアス分b((1) 式〜(4)
式)が除去できる。すなわち、光源の光パワー変動に伴
う光バイアスbの変化を自動的に除去できる。 (3) 各基本回路は、光源をオン,オフし、オフセット
を計測できる構成のため、光電変換素子のオフセットと
回路系のオフセットを除去でき、高精度な位相計測が行
える。 (4) 各基本回路は、2つの演算器の出力を同時サンプ
リングし、1個のADC9を共用してデジタル変換する
ため、ADC9のゲイン特性に基づく位相演算誤差がな
い。
【0058】これを説明する。例えば、減算器4からA
DC9に2a・sinθが加えられ、デジタル値として
k・2a・sinθに変換したとする。ここで、kはA
D変換の係数である。これと同じADC9へ今度は減算
器5から2a・cosθが加えられるとデジタル値とし
てk・2a・cosθを出力する。演算器10では、 tan−1(k・2a・sinθ)/(k・2a・co
sθ) を演算するので、分子と分母の係数kがキャンセルさ
れ、ADC9のゲインエラー(kの変動)は演算の精度
に影響しないことになる。 (5) tan−1を演算する際、(sinθ/cos
θ)または(cosθ/sinθ)の演算を行っている
ため、位相信号の振幅((1) 式〜(4) 式のa)の変動が
規格化される。従って、テーブル演算を行う場合テーブ
ルを小さくできる。また、位相θを演算する際、象限を
8分割することによりテーブルサイズを1/8に縮小で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる基本回路図である。
【図2】本発明で用いる他の基本回路図である。
【図3】図1の各部の信号のタイミングチャートであ
る。
【図4】8つのエリアでの演算説明図である。
【図5】8つのエリアの説明図である。
【図6】光電変換素子の出力波形図である。
【図7】テーブルの内容説明図である。
【図8】本発明の一実施例図である。
【図9】従来例の要部の構成図である。
【図10】フォトダイオードが4個の出力信号説明図で
ある。
【図11】コード板の構成例図である。
【符号の説明】
1 光源 2 コード板 3 受光アレイ 4,5 減算器 6,7 サンプルホールド回路 8 マルチプレクサ 9 A/D変換器 10 演算器 11 シーケンスコントローラ 12 ドライバ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 スリット数とスリットの配列周期が異な
    る複数のトラックを有するコード板を用い、各トラック
    から位相が90°異なる2つの出力信号を同時にサンプ
    ルしてA/D変換することにより位相検出を行い、各ト
    ラック間の位相関係からコード板のアブソリュート位置
    を求めるアブソリュートエンコーダにおいて、 各トラックの位相検出系の位相遅れをスリット数に反比
    例するように設定して各トラック間の回転時における位
    相遅れを等しくすることにより各トラックの出力信号を
    同時にサンプルするようにしたことを特徴とするアブソ
    リュートエンコーダ。
JP16300191A 1991-07-03 1991-07-03 アブソリユートエンコーダ Pending JPH0510783A (ja)

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