JPH05240664A - エンコーダ - Google Patents

エンコーダ

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JPH05240664A
JPH05240664A JP4323192A JP4323192A JPH05240664A JP H05240664 A JPH05240664 A JP H05240664A JP 4323192 A JP4323192 A JP 4323192A JP 4323192 A JP4323192 A JP 4323192A JP H05240664 A JPH05240664 A JP H05240664A
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JP
Japan
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data
abnormality
phase
acceleration
sin
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JP4323192A
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Inventor
Hiroshi Nakayama
博史 中山
Motoshi Momoi
元士 桃井
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Yokogawa Electric Corp
Original Assignee
Yokogawa Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 精度の悪化のような小さな異常もエンコーダ
自身で検出できるエンコーダを提供する。 【構成】 角度データを出力するサンプリング型アブソ
リュートエンコーダにおいて、連続する3個の角度デー
タから加速度を演算して該加速度データにより異常を検
出する演算手段を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンコーダに関し、更に
詳しくは、サンプリング型アブソリュートエンコーダの
異常検出の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】図3〜図5を用いて、従来の光学式のサ
ンプリング型アブソリュートエンコーダを説明する。図
3は光学式エンコーダの位相情報θを検出する要部を示
した図、図4はフォトダイオードが4素子の場合の出力
信号を示した図、図5はコード板の構成例図である。
【0003】図3において、光源1から光をコード板2
へ照射する。該コード板2は光を通過させるスリット2
bと光を遮断する遮光部2aとが交互に配列された板で
ある。光源1から照射する光が散乱光であるとすれば、
例えば光電変換素子のアレイ3(以下、受光アレイ3と
記す…なお光電変換素子として例えばフォトダイオード
を用いることができる)には、図3中に示すような正弦
波状に照度が分布する光が加えられる。該受光アレイ3
に照射された正弦波状照度分布波形の位相θはコード板
2の位置(又は角度)に応じて定まり、コード板2が移
動するとθの値も変化する。そこで、図3では、受光ア
レイ3に照射された正弦波状照度分布の位相θを検出
し、該位相θをもってコード板2の位置(又は角度)の
測定に代えている。
【0004】受光アレイ3を構成する各フォトダイオー
ドH1〜H4の出力電流I1〜I4は、正弦波状照度分
布光の強度に応じた値となる。該出力電流I1〜I4を
アンプU1〜U4を用いて電圧に変換し、該変換電圧を
スイッチ手段SW1〜SW4を用いて角速度ωでスキャ
ンするとサンプル値の時系列になり、図4の破線で示す
正弦波状の出力VがアンプUの出力として得られ
る。ただし、図4の破線で示すように滑らかな正弦波の
出力を得るにはフォトダイオードの数をもっと増やす必
要がある。該図4の波形は図3の波形に相当するもので
あり、コード板2の移動に伴ってその位相θがシフトす
るので、アンプUの出力Vからコード板2の位置ま
たは角度が求められる。
【0005】ところで、このような従来のエンコーダに
よれば、図4の波形から分るように各フォトダイオード
の出力信号が直流成分を持った信号であるために、例え
ば光電変換素子H1〜H4におけるオフセット(暗電
流)や光電変換素子の出力を受ける回路系のオフセット
(例えば図3の増幅器U1〜U4のオフセット)が存在
し、このため、位相測定の精度が左右されてしまう。
【0006】また、光源1(発光ダイオード)と光電変
換素子3には温度特性があるので光源1の光パワーと光
電変換素子3の出力電流は温度により変動し、位相測定
精度を低下させる。
【0007】そして、光源1が何らかの理由で故障して
その光量が不足したり、光電変換素子3の特性が劣化す
ると、正弦波状照度分布波形の位相θを正確に求めるこ
とができなくなってしまうという問題があるが、これら
光学系の故障の有無をエンコーダ自身で検出することは
できない。
【0008】そこで、これらの問題を解決するために、
出願人は光学系の異常を自己検出できる光学式エンコー
ダを出願している。図6及び図7は上述の出願人の先願
に係る光学式エンコーダの構成例図、図8は図6装置の
各部の信号のタイミングチャート、図9は8つのエリア
での演算説明図、図10は8つのエリアの説明図、図1
1は光電変換素子の出力波形図、図12はテーブルの内
容説明図である。
【0009】図6において、光源1は発光ダイオードま
たは白熱電球で構成され、散乱光を図5に示すコード板
2に照射する。コード板2は図5のようにスリット2b
と遮光部2aが交互に設けられた板であり、その中心部
は回転シャフト40に取り付けられる。
【0010】受光アレイ3は、図11に示すように4個
の光電変換素子H1〜H4で構成される。光電変換素子
H1〜H4は例えばフォトダイオードで構成され、照射
された光の強さを電流に変換して出力する。
【0011】これら光源1とコード板2と受光アレイ3
の位置関係は従来例と同様であり、図13のように受光
アレイ3の受光面に正弦波状照度分布が生じるようにそ
れぞれが配置される。そして、各受光素子H1〜H4
は、図11のように正弦波状照度分布の1周期を4等分
する位置に配列されるので、各光電変換出力は90°ず
つ位相が異なる。
【0012】図11は、各光電変換素子H1〜H4と、
その出力電流を電圧に変換変換するアンプU1〜U4の
接続を示している。図6,図7では、光電変換素子とア
ンプのペアをまとめて光電変換器A1〜A4として描い
ている。
【0013】各減算器4,5は例えば差動アンプで構成
され、光電変換出力のうち、互いに180°位相が異な
るものを減算する。すなわち、減算器4は光電変換器A
1とA3の差演算を行い、減算器5は光電変換器A2と
A4の差演算を行う。
【0014】サンプルホールド回路(以下単にS/H回
路と記す)6,7は、シーケンスコントローラ11から
信号bが加えられるたびに同時刻に減算器4,5の出力
データをサンプリングしてホールドするものである。マ
ルチプレクサ8は、シーケンスコントローラ11から加
えられる信号cにより、S/H回路6,7でホールドし
た結果を順次切り替えて取り出し、A/D変換器(以下
ADCという)9へ加える。ADC9は導入されたアナ
ログ信号をデジタル信号に変換する。つまり、これらS
/H回路6,7とマルチプレクサ8とADC9は、2つ
の減算器4,5の同一時刻の出力をデジタル値に変換す
るAD変換手段を構成している。
【0015】ドライバ12は、シーケンスコントローラ
11からの制御信号aにより光源1に加える電流をオ
ン,オフし、これを点灯したり、消灯したりする。演算
器10は、点灯時と消灯時における減算器4の出力の差
分を演算するとともに、点灯時と消灯時における減算器
5の出力の差分を演算する。そして、この2つの差分か
ら正弦波状照度分布波形の位相θを演算し、さらにこれ
ら2つの差分データに基づいて光源1または光電変換素
子3の異常を検出する。
【0016】シーケンスコントローラ11は、S/H回
路6,7とマルチプレクサ8とADC9と演算器10と
ドライバ12を制御する。以上のように構成された図6
の動作を説明する。
【0017】光源1の光はコード板2のスリット2bを
通過して、受光アレイ3上に図11のような正弦波状照
度分布を生じさせる。該照度分布はコード板2の動きに
応じて受光アレイ3上を移動する。光電変換器A1〜A
4の光電変換素子H1〜H4は上述のように90°ずつ
位相がずれているため、各光電変換器A1〜A4の出力
は次式のようになる。
【0018】 A1=a(sinθ)+b+ε1…(1) A2=a(cosθ)+b+ε2…(2) A3=a(−sinθ)+b+ε3…(3) A4=a(−cosθ)+b+ε4…(4) θ:正弦波状照度分布波形の位相、すなわちコード板2
の位置に応じた変数 a:受光アレイ3上での光パワーの振幅 b:光バイアス分 ε1〜ε4:オフセット なお、光バイアス分bは、光源1から受光アレイ3に照
射する光パワーの平均値である。オフセットε1〜ε4
は、光電変換素子H1〜H4のオフセット(暗電流)と
図11に示すアンプU1〜U4のオフセットなどを含む
ものである。
【0019】減算器4は、180°位相が異なる光電変
換器A1とA3の出力の差分を演算するので、 A1−A3=2a・sinθ+(ε1−ε3)…(5) を出力し、減算器5は、180°位相が異なる光電変換
器A2とA4の出力の差分を演算するので、 A2−A4=2a・cosθ+(ε2−ε4)…(6) を出力する。
【0020】S/H回路6,7は、シーケンスコントロ
ーラ11から同一のS/H信号bが加えられるたびに同
期して、(5) 式,(6) 式で示す減算器4,5の出力をサ
ンプリングする。
【0021】S/H回路6,7の内容はマルチプレクサ
8によりそれぞれ選択されてADC9に加えられ、それ
ぞれデジタル値に変換される。該デジタル値は演算器1
0にに加えられて位相θを求めるための演算が施され
る。
【0022】ところが、(5) 式,(6) 式にはオフセット
ε1〜ε4が含まれているので、何等の対策を施すこと
なくこれら(5) 式,(6) 式の出力に基づいて位相θを算
出しても高精度な位相測定は行えない。
【0023】そこで、次のようにしてオフセットの影響
を除去する。演算器10は、上述した点灯時の測定デー
タ、すなわち(5) 式,(6) 式に基づく(A1−A3)と
(A2−A4)のデジタルデータを内蔵するメモリに格
納しておく。
【0024】次に、ドライバ12から光源1に加える電
流をオフにして光源1を消灯させる。この時、(1) 式〜
(4) 式における光成分は全てなくなるので、各光電変換
器A1〜A4から出力される信号A1´〜A4´は(7)
式〜(10)式に示すようにオフセット成分のみになる。
【0025】A1´=ε1…(7) A2´=ε2…(8) A3´=ε3…(9) A4´=ε4…(10) 従って、消灯時における減算器4の出力は、 A1´−A3´=(ε1−ε3)…(11) になり、減算器5の出力は、 A2´−A4´=(ε2−ε4)…(12) になる。これら(11)式,(12)式の測定データも上述と同
様にS/H回路6,7で同時サンプルされ、マルチプレ
クサ8とADC9を経てそれぞれデジタル値に変換され
た後、演算器10に加えられる。
【0026】演算器10は、内蔵メモリに格納していた
(5) 式,(6) 式で表される測定データを読み出して、点
灯時と消灯時における減算器4の差分を求める(13)式お
よび減算器5の差分を求める(14)式の演算を行う。
【0027】 (A1−A3)−(A1´−A3´)=2a・sinθ…(13) (A2−A4)−(A2´−A4´)=2a・cosθ…(14) これら(13)式,(14)式の演算を行うことにより、オフセ
ットε1〜ε4が除去された位相θのみのデータを得る
ことができる。
【0028】しかし、振幅“a”は、光源1の温度特性
や経時変化、光電変換素子の温度特性等で変動するた
め、(13)式,(14)式から“a”を除去することが望まし
い。そこで、演算器10で比演算を行うことによりaを
除去した(sinθ/cosθ)を用いて位相θを算出
する。
【0029】すなわち、演算器10は、(15)式により、
オフセットの影響がなく、かつ光源1と光電変換素子の
温度特性の影響もない状態で、正弦波状照度分布波形の
位相θを演算できる。
【0030】 θ=tan−1(sinθ/cosθ)…(15) また、AD変換手段で2つの減算器の同一時刻の出力を
デジタル値に変換しているので、高速回転しているコー
ド板の位相θも正確に測定できる。以下にその理由を説
明する。
【0031】もし、2つの減算器の出力である(5) 式,
(6) 式の値のサンプリングに時間のズレがあると、誤差
が生じる。例えば、コード板2のスリット数が1000
で回転数が3000rpmとすると、(5) 式,(6) 式の
sinθ,cosθは50KHzになる。これは、周期
が20μsであり、1/100の位相測定を行うことを
考えると、この同時性は20μs/100=0.2μs
が必要になる。
【0032】図8はコード板2が回転(正弦波状照度分
布が時間的に変化)している時の図6の各部の信号のタ
イミングチャートであり、この図を参照して各部動作の
タイミングを説明する。なお、上述では、初めに(5)
式,(6) 式で示される点灯時の測定データを取り込み、
次に(11)式,(12)式で示される消灯時の測定データを取
り込むとして説明したが、この順序が逆になってもよ
い。
【0033】図8では、シーケンスコントローラ11か
ら加える制御信号aにより光源1をまず消灯(LOW)
して消灯時の測定データ(オフセットデータ)を取り込
み、次に点灯(HIGH)して点灯時の測定データを得
ている(図8(1) 参照)。従って、消灯時と点灯時にお
ける減算器4,5の出力は、図8(2),(3) のようにな
る。すなわち、消灯時には減算器4から(11)式のオフセ
ットを意味する電圧V f1(=ε1−ε3)が出力さ
れ、減算器5から(12)式のオフセットを意味する電圧V
of2(=ε2−ε4)が出力される。また、点灯時に
は、コード板2の回転とともに(5) 式,(6) 式で示され
る波形が出力される。
【0034】S/H回路6,7には消灯時に図8(4) に
示すタイミングでS/H信号bがシーケンスコントロー
ラ11から加えられるので、S/H回路6は図8(2) に
示すデータD1を、S/H回路7は図8(3) に示すデー
タD3を、同一時刻にサンプリングする。
【0035】これらサンプリングデータD1,D3はマ
ルチプレクサ8により順次取り出され、ADC9へ入力
される。すなわち、図8(5) に示すシーケンスコントロ
ーラ11の信号cがHIGHのときS/H回路6が選択
され、LOWのときS/H回路7が選択される。ADC
9は、マルチプレクサ8がHIGHの期間にシーケンス
コントローラ11からAD変換コマンド信号dが加えら
れることによりS/H回路6がサンプリングしているオ
フセットデータD1をデジタル値に変換し、マルチプレ
クサ8がLOWの期間にシーケンスコントローラ11か
らAD変換コマンド信号dが加えられることによりS/
H回路7がサンプリングしているオフセットデータD3
をデジタル値に変換する(図8(6) 参照)。
【0036】演算器10は、図8(7) に示すシーケンス
コントローラ11からのデータ取得コマンド信号eのタ
イミングによりデジタルデータD1,D3を取り込み、
図示しないメモリに格納する。
【0037】点灯時には上述と同様な動作により位相デ
ータD2とD4が演算器10のメモリに取り込まれる。
その後、演算器10にはシーケンスコントローラ11か
ら図8(8) に示す演算コマンドfが加えられ、演算器1
0はこれを起点にして上述した演算を行い、オフセット
と温度特性に影響されない位相θを算出する。
【0038】なお、図6では1個のADC9を共用して
いるが、図7のように減算器4,5にそれぞれ専用のA
DC15,16を設けてもよい。この場合、同一時間当
たりのAD処理負担量は図6の半分に減少するので、A
D変換速度は図6のADC9と比べて遅くてよい。ま
た、S/H回路6,7とマルチプレクサ8は不要にな
る。
【0039】また、上述において、演算器10は、(13)
式,(14)式で示される2つの差分から(15)式の演算を行
い、正弦波状照度分布波形の位相θを演算するものとし
て説明した。
【0040】しかし、tan−1の演算は時間を要する
ので、高速処理を行いたい場合には(15)式の演算を行わ
ないで演算器10が内蔵するテーブルを参照して位相θ
を求めるようにしてもよい。テーブルは外に独立して設
けられたものでもよい。
【0041】この場合、演算器10を以下に説明する構
成にすることにより、テーブルに書き込むデータ量を0
°〜360°の1/8にできる。すなわち、図12のよ
うに、0°〜45°の角度θと、(sinθ/cos
θ)の関係をテーブルに書き込めばよい。
【0042】これを説明する。図10は、sinθとc
osθとtanθの関係説明図である。(15)式で得られ
るθと(sinθ/cosθ)の関係は、図10の実線
で描いた曲線上に存在する。ここで、図10のように、
45°毎に8つのエリアに区切ると、各エリア部の実線
波形は次式で表される。(1),(8) は、 θ=tan−1(sinθ/cosθ)…(16) (2),(3) は、 θ=tan−1(−cosθ/sinθ)+π/2…(17) (4),(5) は、 θ=tan−1(sinθ/cosθ)+π…(18) (6),(7) は、 θ=tan−1(−cosθ/sinθ)+3π/2…(19) ここで、0°〜45°の角度θと(sinθ/cos
θ)の関係を図12のテーブルに書き込むことにより、
このデータθを読み出して各エリア毎に図9に示す演算
で位相θを算出できる。図9は、図10の8つのエリ
ア,sinθの正負の状態,cosθの正負の状態,こ
の絶対値同士の減算結果の正負の状態,比の値(図12
のテーブルのアドレス),起点位相,各エリア毎の演算
式を示している。なお、図9の演算式における“θ”
は、図12のテーブルから読み出した値を意味する。図
9中の演算式は図10から容易に導き出されるので説明
を省略する。
【0043】従って、現在の位相θがこの8つのエリア
のどれに属するかを知ることができれば、上記図9に示
す演算を行うことにより位相θを求めることができる。
すなわち、演算器10は、点灯時と消灯時における減算
器4の出力の差分(sinθ)の正負状態と、点灯時と
消灯時における減算器5の出力の差分(cosθ)の正
負状態と、この2つの差分の絶対値同士の減算結果{|
sinθ|−|cosθ|}の正負状態とからなる8つ
の組み合わせを認識して現在の位相θがこの8つのどれ
に属するかを判断する判断手段と、0°〜45°の角度
θと(sinθ/cosθ)の関係が書き込まれたテー
ブルと、減算器4の出力の差分(sinθ)と減算器5
の出力の差分(cosθ)とから、(sinθ/cos
θ)または(cosθ/sinθ)の演算を行う比演算
器と、この比演算器の演算結果に対応する角度θを前記
テーブルから読み出し、判断手段で判断した現在の位相
θが属する組み合わせに応じて角度θに演算を加えて位
相θを算出する位相演算器、とを備えている。
【0044】なお、上述では、テーブルに角度θと(s
inθ/cosθ)の関係を書き込み、比演算器で(s
inθ/cosθ)の演算を行うとして説明したが、こ
の分子と分母を逆の関係にしても同様の結果が得られる
ことは明らかである。すなわち、テーブルに角度θと
(cosθ/sinθ)の関係を書き込み、比演算器で
(cosθ/sinθ)の演算を行うようにしてもよ
い。
【0045】また、光学系の異常検出は、次のようにし
て行われる。すなわち、光学系に異常がない場合、2a
sinθ,2a cosθは、それぞれ図13
(a),(b)のような位相−振幅関係を持った出力に
なる。このときのそれぞれの平方和Yは、 Y=(2a sinθ)+(2a cosθ)…(20) になり、図13(c)のようなY=4aの一定値にな
る。
【0046】光源1や光電変換素子3などの光学系に異
常が発生すると、平方和Yの値はこの一定値から外れて
しまう。例えば、光源1が断線して発光が正常に行われ
ないと、上述のD2とD1,D4とD3の値はほぼ同一
になって2a sinθ及び2a cosθはそれぞれ
ほぼ0になり、Yもほぼ0になる。
【0047】従って、演算器10は、このようなYの値
の変化の状態から光学系の異常の有無を検出し、角度デ
ータθとともに異常情報を外部に出力する。なお、実際
の演算処理にあたっては、光源1の光量のバラツキなど
も考慮してYの値には適当な幅を許容する。
【0048】図13は平方和を用いて異常検出を行う例
を示しているが、2a sinθ,2a cosθの絶
対値の和を用いて異常検出を行うこともできる。すなわ
ち、2a sinθ,2a cosθの絶対値の和Y
は、 Y=|2a sinθ|+|2a cosθ|…(21) で表されて、図14(c)のような脈流信号になる。
【0049】該脈流信号の最大値Ymax は、 Ymax =2(2)1/2a(θ=45,135,22
5,315°) になり、最小値Ymin は、 Ymin =2a(θ=0,90,180,270°) になる。
【0050】この場合も、光源1や光電変換素子3など
の光学系に異常が発生すると、絶対値の和Yの値はこの
一定値から外れてしまう。例えば、光源1が断線して発
光が正常に行われないと、上述のD2とD1,D4とD
3の値はほぼ同一になって2a sinθ及び2a c
osθはそれぞれほぼ0になり、Yもほぼ0になる。
【0051】従って、演算器10は、このようなYの値
の変化の状態から光学系の異常の有無を検出し、角度デ
ータθとともに異常情報を外部に出力する。なお、実際
の演算処理にあたっては、光源1の光量のバラツキなど
も考慮してa>YまたはY>4aの場合に異常情報を出
力する。
【0052】このような先願発明によれば、次の効果が
得られる。 各基本回路は、180°位相の異なる信号の差をとる
構成のため、光バイアス分b((1) 式〜(4) 式)が除去
できる。すなわち、光源の光パワー変動に伴う光バイア
スbの変化を自動的に除去できる。
【0053】各基本回路は、光源をオン,オフし、オ
フセットを計測できる構成のため、光電変換素子のオフ
セットと回路系のオフセットを除去でき、高精度な位相
計測が行える。
【0054】各基本回路は、2つの減算器の出力を同
時サンプリングし、1個のADC9を共用してデジタル
変換するため、ADC9のゲイン特性に基づく位相演算
誤差がない。
【0055】これを説明する。例えば、減算器4からA
DC9に2a・sinθが加えられ、デジタル値として
k・2a・sinθに変換したとする。ここで、kはA
D変換の係数である。これと同じADC9へ今度は減算
器5から2a・cosθが加えられるとデジタル値とし
てk・2a・cosθを出力する。演算器10では、 tan−1(k・2a・sinθ)/(k・2a・co
sθ) を演算するので、分子と分母の係数kがキャンセルさ
れ、ADC9のゲインエラー(kの変動)は演算の精度
に影響しないことになる。
【0056】tan−1を演算する際、(sinθ/
cosθ)または(cosθ/sinθ)の演算を行っ
ているため、位相信号の振幅((1) 式〜(4) 式のa)の
変動が規格化される。従って、テーブル演算を行う場合
テーブルを小さくできる。また、位相θを演算する際、
象限を8分割することによりテーブルサイズを1/8に
縮小できる。
【0057】光学系の異常を自己検出できると共に外
部機器が知ることができるため、故障の検出やエンコー
ダを組み込んだシステムの誤動作防止に有効である。な
お、故障が自己検出できる異常モードの態様としては、 光源:断線等による点灯不能、光量低下,光量異常増加 光電変換素子:断線,感度低下,感度バラツキ悪化,ゴ
ミ付着等による感度のバラツキ 処理回路:出力低下,出力異常増加,電源電圧低下によ
る出力回路クリップ,出力バラツキの悪化 等が考えられる。
【0058】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように出力振幅に基づいて異常を自己検出する構成の場
合では、検出できる異常は光学系を構成する光源や受光
素子を含む極端な劣化や断線のような比較的大きな異常
に限られていた。
【0059】本発明の目的は、光学系の異常だけではな
く、精度の悪化のような小さな異常もエンコーダ自身で
検出できるエンコーダを提供することにある。
【0060】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、角度データを出力するサンプリング型ア
ブソリュートエンコーダにおいて、連続する3個の角度
データから加速度を演算して該加速度データにより異常
を検出する演算手段、を設けたことを特徴としている。
【0061】
【作用】連続する3個の角度データの差分は、実際の使
用条件においては加速度が限定されることから限られた
値しかとりえず、それ以外の値はなんらかの異常による
ものとみなせる。
【0062】これにより、想定する加速度とサンプリン
グ間隔で決まるエラー検出分解能に対して少しマージン
を持たせたところに閾値を設定することによって、異常
発生時に警報出力を発生させることができる。
【0063】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。本発明で用いる基本回路は上述の先願で
用いる基本回路(図6及び図7)と同一の構成である
が、演算器10が、点灯時と消灯時における第1減算手
段のディジタル値の差分(sinθ)と点灯時と消灯時
における第2減算手段のディジタル値の差分(cos
θ)を演算する機能、これら2つの差分データに基づい
て前記正弦波状照度分布の位相を演算して角度を演算す
る機能、連続する3個の角度データから加速度を演算し
て該加速度データにより異常を検出する機能を有してい
る点が異なる。
【0064】すなわち、連続する3個の角度データをX
1,X2,X3、サンプリング間隔をΔTとする。これ
ら3個の角度データの差分は、次式のように加速度αと
サンプリング間隔ΔTの自乗の積で表せる。
【0065】 (X3−X2)−(X2−X1)=α*(ΔT) 実際の使用条件では加速度が限定されるため、該差分は
限られた値しかとりえず、それ以外の値はなんらかの異
常によるものと考えられる。また、逆の見方をすると、
この値でエラー検出分解能が決まるため、サンプリング
間隔を短くすればよい。そこで、想定する加速度とサン
プリング間隔で決まるエラー検出分解能に対して少しマ
ージンを持たせたところに閾値を設定し、該閾値を越え
る場合に警報出力を発するようにする。
【0066】図1を参照してこれらの関係を説明する。
エラーがない場合、差分Δxは次式のように加速度で
表される。 Δx=(x−x)−(x−x) =v32Δt−v21Δt =(v32Δt−v21)Δt =α(Δt) ここで、加速度は限定されるため本来差分Δxは限ら
れた値しかとりえず、それ以外の値はエラーとみなせ
る。従って、3個の角度データの差分Δxをモニター
することでエラー検出が行える。
【0067】図2を参照してエラー判定動作の具体例を
説明する。エラー判定レベルを、本来加速度によって生
じる差分Δx以上のところに設定する。その際、想定
する加速度とデータ更新時間とで検出分解能が決まる。
図2では例えば想定加速度αを10000[rad/s
]、データ更新時間Δtを168[μs]、エラー判
定レベルを±50ppm(±0.018°)としてい
る。そして、本発明に係るエンコーダが取り付けられる
NCマシンのモータの加速度の限界値を6000[ra
d/s]とすると、±50ppm(±0.018°)
を越えるデータの場合には動作異常と判断できる。
【0068】なお、上述実施例では光学式エンコーダに
ついて説明したが、例えば磁気式のエンコーダ等にも適
用できるものである。
【0069】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば次の
効果が得られる。光学系だけでなく、精度の悪化のよう
な他の原因によるエンコーダの小さな異常も特別なセン
サーを用いることなく直接自己診断して外部機器に伝送
できる。この結果、警報が単発であればノイズによるも
のとしてそのデータを無視して制御を続行させ、警報が
多発する場合にはエンコーダの故障として制御を停止さ
せて誤動作を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エラー検出動作の説明図である。
【図2】エラー判定動作の説明図である。
【図3】位相情報を検出する要部の説明図である。
【図4】フォトダイオードが4個の出力信号説明図であ
る。
【図5】コード板の構成例図である。
【図6】先願及び本発明で用いる基本回路図である。
【図7】先願及び本発明で用いる他の基本回路図であ
る。
【図8】図6の各部の信号のタイミングチャートであ
る。
【図9】8つのエリアでの演算説明図である。
【図10】8つのエリアの説明図である。
【図11】光電変換素子の出力波形図である。
【図12】テーブルの内容説明図である。
【図13】平方和を用いた場合の位相−振幅関係説明図
である。
【図14】絶対値の和を用いた場合の位相−振幅関係説
明図である。
【符号の説明】
1 光源 2 コード板 3 受光アレイ 4,5 減算器 6,7 サンプルホールド回路 8 マルチプレクサ 9 A/D変換器 10 演算器 11 シーケンスコントローラ 12 ドライバ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角度データを出力するサンプリング型ア
    ブソリュートエンコーダにおいて、 連続する3個の角度データから加速度を演算して該加速
    度データにより異常を検出する演算手段、を設けたこと
    を特徴とするエンコーダ。
JP4323192A 1992-02-28 1992-02-28 エンコーダ Pending JPH05240664A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010217160A (ja) * 2009-02-18 2010-09-30 Iai:Kk アブソリュート型リニアエンコーダとリニアエンコーダとアクチュエータ
JP2011221691A (ja) * 2010-04-07 2011-11-04 Kouga Denshi Kk 信号伝送装置及び信号伝送方法
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