JPH11325972A - エンコ―ダ装置の高精度化方法及び高精度エンコ―ダ装置 - Google Patents

エンコ―ダ装置の高精度化方法及び高精度エンコ―ダ装置

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JPH11325972A
JPH11325972A JP6158299A JP6158299A JPH11325972A JP H11325972 A JPH11325972 A JP H11325972A JP 6158299 A JP6158299 A JP 6158299A JP 6158299 A JP6158299 A JP 6158299A JP H11325972 A JPH11325972 A JP H11325972A
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隆寿 佐久間
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智春 関根
Shoji Ito
昭二 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータリ式のエンコーダの回転軸の軸中心と
回転ディスクの中心との芯ずれが原因となって発生する
絶対角度誤差を補正して検出精度を高める。 【解決手段】 リクエスト信号に応じて絶対角度位置デ
ータを出力するロータリ式のエンコーダ1を備えたエン
コーダ装置を用いる。回転ディスクと回転ディスクが固
定される回転軸との芯振れが原因で発生する絶対角度誤
差に基づく誤差を含む絶対角度位置データを補正する位
置データ補正手段を設ける。位置データ補正手段のメモ
リ回路26に、予め求めた芯振れ量から求めた絶対角度
誤差を補正する補正値を記憶する。補正演算手段28
は、リクエスト信号が入力されると演算・指令回路25
から出力される絶対角度位置データにメモリ回路26か
らリクエスト信号の発生位置に対応する補正値を読み出
して両者を加算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロータリ式のエン
コーダの回転軸の軸中心と回転ディスクの中心との芯ず
れが原因となって発生する絶対角度誤差を補正して検出
精度を高めることができるエンコーダ装置の高精度化方
法及び高精度エンコーダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】工場内で実用されている産業用ロボット
等のシステムでは、サーボモータの回転位置などを検知
してこれらの制御に利用する位置データを得るために、
エンコーダが使用されている。典型的な光電式のロータ
リエンコーダにおいては、回転ディスクに設けられた8
192のスリットを通して受光する4つのフォトダイオ
ードをそれぞれ電気角で90°ずれるように配置し、図
2に示すような電気角で90°ずれるA′,B′,A′
*及びB′*信号を得る。この電流信号を増幅し、I/
V変換してさらに作動増幅して得られたA,B,A*及
びB*信号(図3)に基づいて相互に180°位相のず
れた2種類のパルス列からなるエンコーダ信号を得て、
さらにこれらエンコーダ信号の立上がり及び立下がりの
タイミングを利用して4倍周波数のパルス列信号に変換
し、機械角の360°を8192×4=32768に分
割した絶対角度位置データを得ることができるようにな
っている。
【0003】このような光学式ロータリエンコーダは、
回転軸に複数のスリットが形成された回転ディスクが固
定され、この回転ディスクの両側に発光素子と受光素子
(検出器)とが配置された構造を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら回転軸の
軸中心または回転中心と回転ディスクの中心とを完全に
一致させて組み立てることは非常に難しく、一般的に両
中心間には僅かなずれがある。このずれが芯振れと呼ば
れるものであり、このような芯振れがあると、回転ディ
スクの中心はシャフトの回転中心の回りを回転すること
になって、エンコーダから出力される絶対角度位置デー
タに誤差が発生する。
【0005】図5を用いて、芯振れ量(回転軸の回転中
心Oと回転ディスクの回転中心との間のずれ量の寸法r
の2倍の寸法)と絶対角度誤差αとの関係を説明する。
図5において、検出点A及びBは、エンコーダに設けら
れる2つの受光素子(検出器)の取付け位置即ち検出点
である。検出点Aには、図2に示したA´信号を得るた
めの受光素子が配置され、検出点Bには図2に示したB
´信号を得るための受光素子が配置される。
【0006】回転ディスクが、Aの位置からCの位置ま
で回転した場合、エンコーダの回転中心Oを中心とする
真の回転角度(角度AOC)はθである。しかしながら
回転ディスクの芯振れから、実際にエンコーダが出力す
る角度(角度ADC)はθ´である。この角度のずれα
すなわちα=θ´−θが芯振れ量に基づく絶対角度誤差
である。真の角度θはθ=θ´−αであるにもかかわら
ず、エンコーダからは角度θ´に基づく絶対角度位置デ
ータが出力されている。検出精度を高めるためには、こ
の絶対角度誤差を補正値としてエンコーダの出力から除
去すれば、芯振れ量を考慮した高精度の検出値となる。
【0007】本発明の目的は、ロータリ式のエンコーダ
の回転軸の軸中心と回転ディスクの中心との芯ずれが原
因となって発生する絶対角度誤差を補正して検出精度を
高めることができるエンコーダ装置の高精度化方法及び
高精度エンコーダ装置を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、上記目的に加えて、
簡単な構成で高い精度の高分割化を実現したエンコーダ
装置の高精度化方法及び高精度エンコーダ装置を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の方法は、ロータ
リ式のエンコーダの回転ディスクとこの回転ディスクが
固定される回転軸との芯振れが原因で発生する絶対角度
誤差を補正してエンコーダ装置の位置検出精度を高める
エンコーダ装置の高精度化方法を対象とする。本発明で
は、まず回転ディスクの中心と回転ディスクが固定され
る回転軸の中心とのずれ量の2倍の値に相当する芯振れ
量を検出する(芯振れ量検出工程)。次に芯振れ量から
絶対角度誤差を求め(絶対角度誤差決定工程)、その後
絶対角度誤差を補正する補正値を求める(補正値決定工
程)。芯振れ量は一定であるが、絶対角度誤差は回転デ
ィスクの回転位置によって異なってくる。したがって回
転ディスクの回転位置毎に補正値を求めることになる。
実際上は、予め定めた角度間隔毎に補正値を求め、予め
求めることができない角度の補正値については、周知の
補間法等を用いて演算により求めることができる。そし
てエンコーダ装置から出力される絶対角度位置データ
に、その絶対角度位置データに対応する補正値を加えて
(補正値の極性によっては結果として減算となる場合が
ある)絶対角度位置データを補正する(位置データ補正
工程)。すなわちエンコーダ装置から出力される絶対角
度位置データに含まれる絶対角度誤差に基く誤差を補正
値によって除去する。本発明のように芯振れ量から絶対
角度誤差を求め、この絶対角度誤差を補正する補正値に
より絶対角度位置データに含まれる誤差を除去すると、
検出精度を非常に高いものとすることができる。
【0010】補正値は、各エンコーダ装置について、一
度設定すればよい。したがって前述の芯振れ量検出工程
と、絶対角度誤差決定工程と補正値決定工程は、エンコ
ーダ装置の使用を開始する前に実施することになる。そ
して位置データ補正工程は、補正値決定工程で求めた補
正値を補正値メモリ手段に記憶させておき、エンコーダ
装置が作動しているときに実施される。すなわちエンコ
ーダ装置に、リクエスト信号が入力されるごとに、エン
コーダ装置から出力される絶対角度位置データとリクエ
スト信号の発生位置(回転ディスクの回転角度または位
置)に対応して補正値メモリ手段から読み出した補正値
とを加算し、その加算した値を真の絶対角度位置データ
として出力する。
【0011】本発明の方法が対象とするエンコーダ装置
は、ロータリ式のエンコーダであればよいが次のような
高分割エンコーダ装置に本発明を適用すると、検出精度
が更に高くなる。すなわち高分割エンコーダ装置とは、
電気角で90°位相が異なるサイン波状の複数のエンコ
ーダ信号(A信号,B信号のみ、A信号,B信号,B*
信号またはA信号,B信号,A*信号(A信号の反転信
号)及びB*信号(B信号の反転信号)に基づいて絶対
角度位置データを出力するロータリ式のエンコーダと、
このエンコーダから出力される絶対角度位置データ間を
更に分割して高分割絶対角度位置データを出力する高分
割絶対角度位置データ出力手段とを具備するエンコーダ
装置である。このようなエンコーダ装置に本発明を適用
する場合には、高分割絶対角度位置データに補正値が加
算されることになる。
【0012】ここで高分割絶対角度位置データ出力手段
は、少なくとも切り替え信号生成手段と、信号切り替え
回路と、切り替わり電圧値メモリ手段と、演算手段とを
具備する。切り替え信号生成手段は、複数のエンコーダ
信号に基いて電気角で90°の間隔で発生する信号切り
替え信号を生成する。信号切り替え回路は、複数のエン
コーダ信号の中から続いて発生する2つの信号切り替え
信号の間の期間において変曲点を有しない1つのエンコ
ーダ信号を選択して出力する。電気角で90°位相が異
なる例えばA信号、B信号及びB*信号を用いて電気角
で90°位相が異なる信号切り替え信号を作って信号を
切り換えると、信号切り替え回路から出力されるエンコ
ーダ信号は不連続な信号となる。これに対してA信号,
B信号,A*信号及びB*信号の4つのエンコーダ信号
を用いて電気角で90°位相が異なる信号切り替え信号
を作って信号を切り換える場合には、信号切り替え回路
から出力されるエンコーダ信号(基準電圧信号)は連続
した信号となる。なお後の処理をコンピュータを利用し
て処理するためには、信号切り替え回路の出力を所定の
ビット数でA/D変換するA/D変換回路を用意する。
切り替わり電圧値メモリ手段は、信号切り替え信号が発
生したときに先に選択されていた1つのエンコーダ信号
の電圧値と次に選択される1つのエンコーダ信号の電圧
値を(A/D変換回路の出力から)ラッチして切り替わ
り電圧値として記憶する。そして演算手段は、外部から
リクエスト信号が入力されたときに選択されているエン
コーダ信号の電圧値と、該エンコーダ信号を選択する基
準となった信号切り替え信号と、リクエスト信号が入力
されたときに切り替わり電圧値メモリ手段に記憶されて
いる直前の1サイクル分の切り替わり電圧値とに基づい
てリクエスト信号が入力されたときの相対的角度位置デ
ータを演算し、この相対的角度位置データをリクエスト
信号が入力される前にエンコーダから出力された絶対角
度位置データに加算して高分割絶対角度位置データとし
て出力する。
【0013】このような高分割絶対角度位置データ出力
手段の一例では、A信号,B信号,A*信号及びB*信
号を入力として各信号を比較し、A信号とB信号との交
点、B信号とA*信号との交点、A*信号とB*信号と
の交点、及びB*信号とA信号との交点で信号切り替え
信号を出力するコンパレータ回路を用いる。そして信号
切り替え回路は、コンパレータ回路から出力される信号
切り替え信号に基づいて、A信号,B信号,A*信号及
びB*信号を選択的に切り替えてA信号→B*信号→A
*信号→B信号の順で連続して繰り返し現れる基準電圧
信号を出力する。信号切り替え回路から出力された基準
電圧信号を、A/D変換回路を用いて所定のビット数
(所定のサンプリング周波数)でA/D変換する。そし
て切り替わり電圧値メモリ手段は、信号切り替え信号が
出力されたときのA/D変換された基準電圧信号の切り
替わり電圧値をラッチして記憶する。演算手段は、エン
コーダ装置に制御部側からリクエスト信号が入力された
ときのA/D変換された基準電圧信号の電圧値及び信号
切り替え回路で選択されている信号の種類と、リクエス
ト信号が入力されたときに切り替わり電圧値メモリ手段
に記憶されている直前の(1サイクル前の)4つの切り
替わり電圧値とに基づいてリクエスト信号が入力された
ときの相対的角度位置データを演算し、この相対的角度
位置データをリクエスト信号が入力される前にエンコー
ダから出力された絶対角度位置データに加算して高分割
絶対角度位置データとして出力する。
【0014】このような高分割エンコーダ装置を用いる
場合には、芯振れ量検出工程では、回転軸を回転させて
A信号とB信号との位相差を求める。前述のより具体的
な高分割絶対角度位置データ出力手段を用いる場合に
は、回転軸を所定の角度回転させたときに基準電圧信号
が予め定め基準電圧(各信号の中心電圧)になったとき
から特定の切り替わり電圧値が発生するまでの基準電圧
信号の電圧の変化総量と1サイクル前の1サイクル中の
基準電圧信号の電圧変化総量との比から例えばA信号と
B信号との位相差を求めることができる。そして芯振れ
量検出工程では、位相差の最大値と最小値の差をジッタ
量とし、このジッタ量と芯振れ量との関係に基づいてこ
のジッタ量から芯振れ量を決定する。なおジッタ量と芯
振れ量(2r)との関係とは、例えばジッタ量×(36
0/エンコーダの分割数)=ARCTAN(L/(R-r))-ARCTAN(L
/(R+r)) [ここでLは前記特定の切り替わり電圧値の基
となる信号を出力する2つの検出器が配置される検出点
間の距離(図5の検出点Aと検出点Bとの間の距離)、
rは芯振れ量の1/2の値、Rは回転中心から前記特定
の切り替わり電圧値の基となるエンコーダの検出器(A
信号の基となる信号(A´信号またはA´*信号)を出
力する1つの検出器)が配置される検出点との間の距離
(図5の検出点Aと回転中心0との間の距離)]であ
る。ここで検出点とは、光学式ロータリエンコーダの場
合には、受光素子(検出器)とこれに対応する発光素子
とを結ぶ線と回転ディスクとが交わる交点である。
【0015】また絶対角度誤差決定工程では、絶対角度
誤差αをα=ARCTAN[(r×sin θ)/R]の式から求
める[ここでθは位相差が最大値となる位置の機械角度
を0°としてみた機械角度である。]。そして位置デー
タ補正工程では、絶対角度誤差αを電気角に変換して補
正値とし、該補正値を高分割絶対角度位置データに加算
する。
【0016】本発明の高精度エンコーダ装置は、リクエ
スト信号に応じて絶対角度位置データを出力するロータ
リ式のエンコーダを備えたエンコーダ装置と、回転ディ
スクと回転ディスクが固定される回転軸との芯振れが原
因で発生する絶対角度誤差に基づく誤差を含む絶対角度
位置データを補正する位置データ補正手段とを備えてい
る。そして位置データ補正手段は、予めエンコーダの回
転ディスクと回転ディスクが固定される回転軸との芯振
れ量を検出して、芯振れ量から絶対角度誤差を求め、こ
の絶対角度誤差から求めた補正値を記憶する補正値メモ
リ手段を有している。また位置データ補正手段は、リク
エスト信号が入力されるとエンコーダ装置から出力され
る絶対角度位置データに補正値メモリ手段に記憶した補
正値からリクエスト信号の発生位置に対応する補正値を
読み出して両者を加算する補正演算手段とを具備して構
成される。なお補正演算手段は、リクエスト信号の発生
位置に対応する補正値が無い場合には、その前及び後の
補正値の少なくとも1つの補正値を補正値メモリ手段か
ら読み出し、その読み出した補正値に基づいて周知の補
間法により対応する補正値を作って補正演算を行うよう
に構成されているのが好ましい。なおズバリの補正値が
無い場合には、その前または後の補正値を対応する補正
値として、補正演算を行ってもよいのは勿論である。本
発明の装置によれば、芯振れに基づく誤差が除去された
精度の近い絶対角度位置データを得ることができる。
【0017】なお本発明を適用するのがより好ましいエ
ンコーダ装置について、具体的に説明する。エンコーダ
はスリット透過式の光電式ロータリエンコーダが好まし
い。エンコーダは被検知物である回転体の回動等にとも
ない、電気角で90°位相が異なるA信号,B信号,A
*信号及びB*信号を含むエンコーダ信号に基づいて絶
対角度位置データを出力する。A信号,B信号,A*信
号及びB*信号を得るために、典型的には発光素子とし
てLED、受光素子としてフォトダイオードが用いられ
る。4つのフォトダイオードA,B,A*,B*は電気
角で90°位相がずれるように配置されている。4つの
フォトダイオードA,B,A*,B*は、例えば回転方
向に並べられ、また2つずつ回転方向に並べ、径方向に
2セット配置してもよい。ロータリ式のエンコーダの場
合、スリット数は通常、8192である。4つのフォト
ダイオードA,B,A*,B*から得られるA´信号,
B´信号,A´*信号及びB´*信号の波形は、理想的
には三角波であるが、実際にはピーク部分が歪んだサイ
ン波状になる。
【0018】高分割絶対角度位置データ出力手段はコン
パレータ回路と、信号切り替え回路と、A/D変換回路
と、メモリ手段と、演算手段とを具備している。コンパ
レータ回路は、A´信号,B´信号,A´*信号及びB
´*信号を差動増幅器で差動増幅して得た電気角で位相
が90°異なるA信号,B信号,A*信号及びB*信号
を入力として各信号を比較する。各信号はそれぞれ電気
角で90°位相がずれているので、移動体が移動して位
置が変わると、各信号の電圧の大きさは相互に相対的に
上下する。コンパレータ回路は、A信号とB信号との交
点、B信号とA*信号との交点、A*信号とB*信号と
の交点、及びB*信号とA信号との交点で信号切り替え
信号を出力する。ここで「交点」は信号の一致点と言い
換えることもできる。
【0019】信号切り替え回路は、コンパレータ回路か
ら出力される信号切り替え信号に基づいて、基準電圧信
号を出力する。この基準電圧信号は、基本的にはA信
号,B信号,A*信号及びB*信号を部分的に組み合わ
せて構成される。そのためA信号,B信号,A*信号及
びB*信号が選択的に切り替えられる。すなわち基準電
圧信号は、A信号→B*信号→A*信号→B信号の順で
連続して繰り返し現れる。各切り替えのタイミングは、
信号切り替え信号に基づいており、A信号とB*信号と
の交点でA信号→B*信号に切り替わり、B*信号とA
*信号との交点でB*信号→A*信号と切り替わる。
【0020】基準電圧信号はA/D変換回路に出力さ
れ、所定のビット数でA/D変換されてデジタル信号化
される。所定のビット数を、例えば8ビットとすると、
基準電圧信号は256分割されることになる。
【0021】切り替わり電圧値メモリ手段は、コンパレ
ータ回路から信号切り替え信号が出力されたときのA/
D変換された基準電圧信号の切り替わり電圧値をラッチ
して記憶する。このラッチは、ラッチ回路を用いればよ
い。
【0022】演算手段は、外部からリクエスト信号が入
力されると、そのときの高分割絶対角度位置データを算
出する。演算手段はまず、リクエスト信号が入力された
ときの信号切り替え回路で選択されている信号の種類即
ちそのときの信号切り替え信号によって、基準電圧信号
でA信号,B*信号,A*信号,B信号のいずれを選択
しているのかを決定する。この決定により、電気角で何
度の区間でリクエスト信号が発生したか(例えば90°
〜180°の区間でリクエスト信号が発生したか)を知
る。これにより基準電圧信号の電圧値だけでは分からな
い、リクエスト信号の発生区間の特定ができる。そして
リクエスト信号が入力されたときの基準電圧信号の電圧
値とリクエスト信号が入力されたときにメモリ手段に記
憶されている直前(1サイクル前の電気角で360°前
までの)4つの切り替わり電圧値により、例えば電気角
で90°〜180°の間のどの位置でリクエスト信号が
発生したかを演算して、その結果を相対的角度位置デー
タとする。
【0023】この演算では、例えば1サイクル前の1サ
イクル中の基準電圧信号の電圧の変化総量に対する当該
サイクルが開始されてからリクエスト信号が入力された
ときまでの基準電圧信号の電圧の変化総量との比を求
め、この比を分割数(A/D変換器のビット数で定まる
数:8ビットであれば256×4)に乗算して、相対的
角度位置データを得ることができる。次に、相対的角度
位置データを、リクエスト信号が入力される前にエンコ
ーダから出力された最新の絶対角度位置データに加算し
て高分割絶対角度位置データを得る。高分割絶対角度位
置データは、リクエスト信号を送信した外部の制御装
置、例えばサーボアンプ等に出力される。
【0024】なお演算手段で演算するに当たっては、切
り替わり電圧値間の電圧が直線的に変化するものとみな
して、先に入力された絶対角度位置データで示された位
置からの相対的角度位置を示す相対的角度位置データを
演算すると、演算が容易になる。
【0025】A信号,B信号,A*信号及びB*信号
は、理想的には三角波である。しかし実際には各波形の
ピーク部分は歪んでおり、三角波A,A*,B,B*信
号をそのまま全部利用して高分割化をしても精度がでな
い。そこで本発明では、各三角波の直線性の良い部分だ
けを利用するようにした。
【0026】すなわち、基準電圧信号は位相がそれぞれ
電気角で90°ずれたA信号,B信号,A*信号及びB
*信号が相互に交点で切り替えられて構成されるため、
A,B,A*及びB*信号それぞれの歪みの大きいピー
ク部分が切り捨てられて、各切り替わり電圧値をピーク
とし、各ピーク間がほとんど直線的に変化する三角波状
の波形となる。従って、各ピーク間を直線とみなして演
算を行っても大きな誤差は生じず、その結果単純な演算
で速やかに相対的角度位置データを算出することができ
る。
【0027】またエンコーダ装置が、電気角で90°位
相が異なるサイン波状のエンコーダ信号に基づいて絶対
角度位置データを出力するロータリ式のエンコーダと、
エンコーダから連続して出力される絶対角度位置データ
間を更に分割して高分割絶対角度位置データを出力する
高分割絶対角度位置データ出力手段とを具備する高分割
エンコーダ装置である場合に、高分割絶対角度位置デー
タ出力手段を次のように構成することもできる。即ち、
高分割絶対角度位置データ出力手段は、エンコーダ信号
に基いて電気角で90°の間隔で発生する信号切り替え
信号を生成する号切り替え信号生成手段と、A信号及び
B信号のエンコーダ信号の中から続いて発生する2つの
信号切り替え信号の間の期間において変曲点を有しない
1つのエンコーダ信号を選択して出力する信号切り替え
回路と、信号切り替え回路の出力を所定のビット数でA
/D変換するA/D変換回路と、信号切り替え信号が発
生したときに先に選択されていた1つのエンコーダ信号
の電圧値と次に選択される1つのエンコーダ信号の電圧
値をA/D変換回路の出力からラッチして切り替わり電
圧値として記憶する切り替わり電圧値メモリ手段と、リ
クエスト信号が入力されたときに選択されているエンコ
ーダ信号の電圧値と、該エンコーダ信号を選択する基準
となった信号切り替え信号と、リクエスト信号が入力さ
れたときに切り替わり電圧値メモリ手段に記憶されてい
る直前の1サイクル分の切り替わり電圧値とに基づいて
リクエスト信号が入力されたときの相対的角度位置デー
タを演算し、この相対的角度位置データをリクエスト信
号が入力される前にエンコーダから出力された絶対角度
位置データに加算して高分割絶対角度位置データとして
出力する演算手段とを具備している。このような構成の
高分割絶対角度位置データ出力手段を用いると、選択す
るエンコーダ信号がA信号とB信号の2つで済むため、
信号処理が容易になり、信号処理回路または信号処理用
のソフトウエアが簡単になる利点がある。
【0028】
【発明の実施の形態】以下図示の実施の形態について説
明する。図1は、本発明の方法を適用する本発明の高精
度エンコーダ装置の一実施の形態の主要部を示す回路ブ
ロック図である。この高精度エンコーダ装置は、リクエ
スト信号に応じて絶対角度位置データを出力するロータ
リ式のエンコーダ1を備えた高分割エンコーダ装置(1
〜27)に、エンコーダ1の回転ディスクと回転ディス
クが固定される回転軸との芯振れが原因で発生する絶対
角度誤差に基づく誤差を含む絶対角度位置データを補正
する位置データ補正手段(28,26)とを備えて構成
される。
【0029】まず高分割エンコーダ装置(1〜27)の
構成を説明する。図1において、高分割エンコーダ装置
はロータリ式のエンコーダ1と位置データ補正手段(2
8,26)を含む高分割絶対角度位置データ出力手段2
とから構成される。エンコーダ1は回転スリット透過式
の光学式ロータリ・アブソリュート・エンコーダであっ
て、いわゆるA,B,Cチャンネルのエンコーダ信号の
他にこれらの信号に基づいて絶対角度位置データを演算
して出力する機能を有している。このエンコーダ1は、
位置検知用のフォトダイオード・ユニット11とフォト
ダイオード・ユニット11からの出力を差動増幅する差
動増幅回路12とを含んでいる。このほか原点検知用
(Cチャンネル用)のフォトダイオード等も備えられて
いるが、ここでは説明を省略する。
【0030】フォトダイオード・ユニット11は、それ
ぞれ電気角で90°位相がずれるように配置された4つ
のフォトダイオードA,B,A*,B*からなる。これ
ら4つのフォトダイオードA,B,A*,B*は、例え
ば回転板に設けられた複数のスリットに沿うようにA,
A*,B,B*の順に並置されていてもよい。また回転
板の周方向に沿って並べたフォトダイオードA,A*と
同様に回転板の周方向に沿って並べたフォトダイオード
B,B*の2つのセットを、径方向に並べて、スリット
をこれら2つのセットと対向するように長くした構成で
もよい。この例では、いずれの場合も通常スリット数は
8192である。各フォトダイオードA,B,A*,B
*は、図2に示すような90°位相がずれた電流信号で
あるA′信号,B′信号,A′*信号,B′*信号を発
生する。
【0031】差動増幅回路12はA′信号とA′*信号
とをそれぞれI/V変換してさらに差動増幅し、また
B′信号とB′*信号とをそれぞれI/V変換してさら
に差動増幅して、図3に示すようなA信号,B信号,A
*信号,B*信号を作成する。すなわち、フォトダイオ
ード・ユニット11の4つのフォトダイオードから出力
されるA´信号,A´*信号またはB´信号,B´*信
号は、図2に示すようにそれぞれ位相が90°ずれた電
流信号である。しかしながらこれらの電流信号は、数1
0μAと小さく、増幅しなければそのままでは使用でき
ない。また温度変化の影響を受けて変動する。そこで差
動増幅回路12を用いて、I/V変換して更に差動増幅
した信号A´−A´*=A信号、A´*−A´=A*信
号、B´−B´*=B信号及びB´*−B´=B*信号
を得ている。
【0032】従来のエンコーダ装置によれば、前述のよ
うにA信号,B信号,A*信号,B*信号に基づいて4
倍周波数のパルス信号を作成し、各パルス信号の位相関
係から絶対角度位置データを得ていた。しかし本実施の
形態においてはさらに高分割化された位置データを得る
ために、高分割絶対角度位置データ出力手段2によりA
信号,B信号,A*信号,B*信号に演算処理を施し
て、まず高分割化した相対的角度位置データを得て、こ
の相対的角度位置データを絶対角度位置データに加え
る。
【0033】高分割絶対角度位置データ出力手段2は、
コンパレータ回路21,信号切り替え回路22,A/D
変換回路23,ラッチ回路24,演算・指令回路25,
メモリ回路26,信号入出力回路29からなる。絶対角
度位置データ27はエンコーダ1より与えられる。なお
最新の絶対角度位置データ27は、専用のメモリに記憶
してもよいが、メモリ回路26に記憶させてもよい。こ
のメモリ回路26は、切り替わり電圧値メモリ手段と後
に詳しく説明する補正値記憶手段の両方のメモリ手段と
して兼用されている。
【0034】差動増幅回路12からの出力は、理想的に
は三角波状のA信号,A*信号,B信号,B*信号とな
る。しかしながら実際には、各波形はピーク部分(変曲
点の部分)が歪んでおり、図3に示すようなサイン波状
である。そのため、これらの三角波状のA信号,A*信
号,B信号及びB*信号をそのまま全部利用して高分割
化しようとしても容易には精度が出ないし、精度を出そ
うとすると演算が非常に複雑になる。そこで本発明で
は、図4(A)に示すようにA信号,A*信号,B信号
及びB*信号の直線性の良い部分だけを利用する。
【0035】図1には、差動増幅回路12が1つのブロ
ックで示されているが、内部には複数の差動増幅回路が
含まれており、特にコンパレータ回路21にA信号,A
*信号,B信号及びB*信号を供給する差動増幅回路と
しては増幅度が非常に大きなものを用いている。したが
ってコンパレータ回路21に入力さえるA信号,A*信
号,B信号及びB*信号は矩形状の信号波形となってい
る。コンパレータ回路21は、A信号,B信号,A*信
号及びB*信号の各信号を比較して、A信号とB信号と
の交点(レベルの一致点),B信号とA*信号との交点
(レベルの一致点),A*信号とB*信号との交点(レ
ベルの一致点),及びB*信号とA信号との交点(レベ
ルの一致点)で信号切り替え信号を出力する。具体的に
コンパレータ回路21では、4つのA信号,A*信号,
B信号,B*信号のうち、A信号とB信号とを比較し、
A信号とB*信号とを比較し、A*信号とB*信号とを
比較し、A*信号とB信号とを比較して、図4(B)〜
(E)に示すような信号を得る。図4(B)の「A>
B」信号は、A信号がB信号より大きくなっている期間
highに立上がっており、図4(C)の「A>B*」
信号はA信号がB*信号より大きくなっている期間hi
ghに立上がっており、図4(D)の「A*>B*」信
号は、A*信号がB*信号より大きくなっている期間h
ighに立上がっており、図4(E)の「A*>B」信
号はA*信号がB信号より大きくなっている期間hig
hに立上がっている。これらの比較をするためにコンパ
レータ回路21には4つの比較手段が含まれている。
【0036】図4(B)〜(E)に示した4つの信号の
立上がり位置に基づいて、4分割の(電気角で90°間
隔で発生する)信号切り替え信号が得られる。コンパレ
ータ回路21は、図4(B)〜(E)に示す各信号の立
上がりに同期した信号を信号切り替え信号として出力す
る。この例では、図4(B)〜(E)に示した4つの立
上がり部(図面上に丸印を付した部分)を利用している
ため、信号切り替え信号の精度が高くなる。
【0037】信号切り替え回路22は、コンパレータ回
路21から出力される信号切り替え信号に基づき、A信
号,B信号,A*信号及びB*信号を選択的に切り替え
て、A信号→B*信号→A*信号→B信号の順で連続し
て繰り返し現れる基準電圧信号RVS[図4(A)]を
作成する。具体的には、信号切り替え回路22は、コン
パレータ回路21から出力される切り替え信号に基づい
て、A信号,A*信号,B信号,B*信号を切り替え
て、図4(A)に示す基準電圧信号RVSを出力する。
図4(B)の「A>B」信号の立上がりはB信号の使用
中止とA信号の使用開始を示すタイミング信号となり、
図4(C)の「A>B*」信号の立上がりはA信号の使
用中止とB*信号の使用開始を示すタイミング信号とな
り、図4(D)の「A*>B*」信号の立上がりはB*
信号の使用中止とA*信号の使用開始を示すタイミング
信号となり、図4(E)の「A*>B」信号の立上がり
はA*信号の使用中止とB信号の使用開始を示すタイミ
ング信号となる。
【0038】これらの切り替え信号に基づいて、A信
号,A*信号,B信号,B*信号を切り替えて作られた
基準電圧信号RVSは、1サイクル中にVa,Vb*,
Va*,Vbの4つのピークを有し、A信号,A*信
号,B信号,B*信号の1周期と同じ周期で発生する。
すなわち1スリットが電気角で360°移動して発生す
る信号である。このような基準電圧信号RVSを用いる
ことにより、A信号,A*信号,B信号,B*信号のピ
ーク部分を使用することを避けている。
【0039】A/D変換回路23は、以後デジタル処理
(マイコン処理)をするために、基準電圧信号RVSを
A/D変換する。具体的に、A/D変換回路23は、信
号切り替え回路22から出力される基準電圧信号RVS
を8ビットでデジタル信号に変換する。すなわちA/D
変換回路23は、1/4周期分の基準電圧信号RVSを
8ビットすなわち256の分割数で分割してデジタル信
号に変換する。そのため1周期分の分割数は、256×
4となる。
【0040】ラッチ回路24は、切り替え信号に基づい
て、A/D変換された基準電圧信号RVSからVa,V
b*,Va*,Vbの4つのピーク電圧のデータを順次
ラッチする。ラッチした値はメモリ回路26にメモリさ
れる。メモリ回路26は、少なくとも直前の即ち1サイ
クル前の4つのピーク電圧及び現在のサイクルでラッチ
する値を記憶している。そしてラッチした値で前の記憶
データが更新される。なお基準電圧信号RVSをA/D
変換した値をそのままメモリ回路26に順次メモリして
もよい。実際に演算のベースに使用するのは1サイクル
(1周期:電気角で360°)前即ち1スリット前の測
定データである。
【0041】演算・指令回路25は、サーボアンプの信
号入出力回路3から信号入出力回路29を通じてリクエ
スト信号Xが入力されたときに、そのときの高分割絶対
角度位置データを演算して作成し、さらに角度データに
変換して信号入出力回路29を通じてサーボアンプの信
号入出力回路3に出力する。
【0042】すなわちサーボアンプの信号入出力回路3
からリクエスト信号Xが入力されると、演算・指令回路
25はリクエスト信号Xが入力された位置における回転
位置を演算して出力する。まずエンコーダ1から絶対角
度位置データ27を入力する。絶対角度位置データ27
は、エンコーダ1から出力され、エンコーダ1は1スリ
ットが電気角で360°回転するたびに回転方向に応じ
て絶対角度位置データ27を加減算していく。図4
(A)において、Dab1 及びDab2 が絶対角度位置デー
タの更新位置であり、Dab1 とDab2 の間で1スリット
が電気角で360°回転して1周期または1サイクルと
なる。本実施の形態では、この1周期を更に分割数25
6×4で分割して高分割化する。
【0043】演算・指令回路25は、まず、リクエスト
信号Xが入力されたときの信号切り替え回路22で選択
されている信号の種類によって、基準電圧信号RVSで
A信号,B*信号,A*信号,B信号のいずれを選択し
ているのかを特定する。この特定により、電気角で何度
の区間でリクエスト信号Xが発生したかを決定する。こ
れにより基準電圧信号RVSの電圧値だけでは分からな
い、リクエスト信号Xの発生区間[図4(A)の(1)
〜(4)の区間]の特定ができる。そしてリクエスト信
号Xが入力されたときの基準電圧信号RVSの電圧値と
リクエスト信号Xが入力されたときにメモリ回路26に
記憶されている直前(1サイクル前の電気角で360°
前までの)4つの切り替わり電圧値(Vb,Va,Vb
*,Va*)により、1サイクル中の期間の何分割目の
位置でリクエスト信号が発生したかを演算して、それを
相対的角度位置データとする。
【0044】これをもう少し具体的に説明すると、演算
・指令回路25では絶対角度位置データ27に高分割さ
れた相対的角度位置データを加算することにより、リク
エスト信号Xが出力されたときの高分割絶対角度位置デ
ータを演算する。リクエスト信号Xが1スリット中のど
こで発生したかは、図4(B)〜(E)のいずれの信号
が信号切り替え信号として利用されているのかと、リク
エスト信号Xが入力されたときの電圧Vx(そのときの
切り替え信号の位相関係から選択されている信号、例え
ば図4(A)の例ではA信号の電圧)と、予め用意され
た4つの演算式とから求める。
【0045】図4(A)に示した位置でリクエスト信号
Xが入力されたとすると、「A>B」信号の立上がり部
が切り替え信号として用いられているから、区間(1)
すなわち(電気角で0°〜90°の区間)でリクエスト
信号が発生したことが特定できる。この特定と、リクエ
スト信号が入力された基準電圧信号の電圧値と、1サイ
クル前の4つの切り替わり電圧値とから、下記(1)の
式を用いて相対的角度位置データを演算する。なお演算
式は、選択されている信号の種類とリクエスト信号Xが
入力された区間に応じて4種類用意されている。すなわ
ちリクエスト信号Xが0°〜90°の位置で入力された
場合に用いる式(1)と、リクエスト信号Xが90°〜
180°の位置で入力された場合に用いる式(2)と、
リクエスト信号Xが180°〜270°の位置で入力さ
れた場合に用いる式(3)と、リクエスト信号Xが27
0°〜360°の位置で入力された場合に用いる式
(4)である。
【0046】
【数1】 図4(A)の場合には、上記式(1)が選択されて、実
際の測定電圧Vxが代入され、相対的角度位置データD
Xが算出される。これらの演算式は、リクエスト信号X
が入力された位置が、絶対角度位置Dab1 からどの程度
進んだ位置にあるかを求め、その位置に応じた分割数を
得る式である。この式の基本は、Dab1からDab2 まで
の電圧の加算値即ち変化総量(分母)とVxが入力され
た位置までのDab1 からの電圧の加算値即ち変化総量
(分子)との比率を求めて、この比率をA/D変換器の
ビット数により決まる分割数に乗算して得ることであ
る。すなわちこの演算方法では、三角波のピークである
Va,Vb*,Va*,Vbのそれぞれへの電圧変化は
直線的であるとみなしている。前述のように三角波状の
A信号,A*信号,B信号,B*信号はピーク部分が歪
んだサイン波状であるが、それ以外の部分はほぼ直線に
近い。よってコンパレータ回路21及び信号切り替え回
路22により歪みの多い部分を切り捨てて、演算のしや
すい直線部分のみを残した基準電圧信号RVSを得て、
さらに本実施の形態ではこれを直線とみなして演算式に
より相対的角度位置データを得るようにしたのである。
【0047】この装置で、分割精度はA/D変換回路2
3のビット数に依存する。すなわち8ビットで分割すれ
ば、1サイクルの間を最大256×4分割、一回転では
最大8192×256×4=8388608のかなりの
高分割化が可能である。A/D変換回路23のビット数
を更に大きくすれば、更に高分割化が可能である。
【0048】演算・指令回路25では、演算式に基づい
て得た相対的角度位置データDXに絶対角度位置データ
27を加算し、高分割絶対角度位置データを得て、さら
にこれを角度データに変換し、補正演算手段28に出力
する。この例では、演算・指令回路25が演算手段を構
成している。
【0049】次に、補正演算手段28とメモリ回路26
内に構成されるまたはメモリ回路26によって兼用され
る補正値メモリ手段とから構成される位置データ補正手
段について説明する。この位置データ補正手段(28,
26)は、エンコーダ1の回転ディスクの中心と回転デ
ィスクが固定される回転軸の中心との芯振れが原因で発
生する絶対角度誤差に基づく誤差を含む絶対角度位置デ
ータを補正するものである。メモリ回路26内に構成さ
れる補正値メモリ手段には、予めエンコーダ1の回転デ
ィスクの中心と回転ディスクが固定される回転軸の回転
中心との芯振れ量を検出し、この芯振れ量から回転ディ
スクを所定の角度間隔で1回転させたときの1回転あた
りの絶対角度誤差を求め、この絶対角度誤差から求めた
補正値が記憶されている。そして補正演算手段28は、
リクエスト信号が入力されるとエンコーダ装置から出力
される(具体的には演算・指令回路25から出力され
る)絶対角度位置データに、メモリ回路26内に構成さ
れる補正値メモリ手段に電気角で記憶した補正値からリ
クエスト信号の発生位置に対応する補正値を読み出して
両者を加算して、信号入出力回路29から出力する。な
お補正値メモリ手段に補正値を機械角で記憶している場
合には、補正演算手段28が補正値を加算する過程にお
いて、機械角の補正値を電気角の補正値に変換すればよ
い。
【0050】ここでメモリ回路26内に構成される補正
値メモリ手段に記憶させる補正値の求め方について図5
以降の図面を用いて説明する。まず回転ディスクの中心
と回転ディスクが固定される回転軸の回転中心Oとの芯
振れ量(2r)を求める。次に芯振れ量(2r)から絶
対角度誤差αを求め、その後絶対角度誤差αを補正する
補正値を求める。
【0051】芯振れ量を求めるためにはまずジッタ量を
求める。このジッタ量とは図5に示すように、2つのフ
ォトダイオード(検出器)が設置される2つの検出点A
及び検出点Bの間の検出角度(θ1 〜θ2 )に関連する
ものであり、芯振れで現れる2つの信号(例えばA信号
とB信号)の位相差の変化幅である。これをエンコーダ
1から出力される信号で見ると、例えば図6に示すよう
に、AchのA信号を基準として、BchのB信号の位
相差の変化幅すなわち振れがジッタ量となる。芯振れが
無ければ、AchのA信号の立上がり位置からBchの
B信号の立上がり位置までの位相差は常に一定である。
しかし芯振れがあるとこの位相差は変化する。この位相
差の最大値と最小値の差がジッタ量に相当するもの(関
係するもの)となる。図5を用いて説明すると、回転デ
ィスクがP1の位置にあるときと、180°異なるP2
の位置にあるときで、検出点AB間の検出角度はθ1 か
らθ2 の間で変化する。P1の位置でこの角度θ1 は最
大となり(位相差も最大になり)、P2の位置でこの角
度θ2 は最小となる(位相差も最小になる)。この検出
角度の変化量θ1 −θ2 を知ることによってもジッタ量
を検出できる。
【0052】図1の例では、この位相差は図7の基準電
圧信号RVSから求めることができる。図7は、芯振れ
により誤差が発生していることを示すために図4と比べ
て誇張して描いてある。図7の例では、B信号の位相が
進んでA信号との位相差が小さくなった状態を示してい
る。回転軸を所定の角度回転させたときに基準電圧信号
RVSが基準電圧Vrになったときから特定の切り替わ
り電圧値Vaが発生するまでの基準電圧信号の電圧の変
化総量(Va−Vr)と1サイクル前の1サイクル中の
基準電圧信号の電圧変化総量[(Va−Vb)+(Va
−Vb*)+(Va*−Vb*)+(Va*−Vb)]
との比{(Va−Vr)/[(Va−Vb)+(Va−
Vb*)+(Va*−Vb*)+(Va*−Vb)]}
×100%から位相差を%で求める。なお各切り替わり
電圧値は図1のメモリ回路26に記憶されているので、
位相差を求める場合にはメモリ回路26に記憶されてい
る切り替わり電圧値を用いればよい。基準電圧Vrは各
信号の中心電圧である。
【0053】回転ディスクを機械角で10°ずつ回転さ
せて1回転中の各角度ごとに前述の位相差を求め、その
中から最大位相差と最小位相差をみつけてその差を求め
る。この差が各角度における前述のジッタ量である。回
転ディスクを機械角で10°ずつ回転させて位相差を%
で求めた一例は、図8の左側の図表に示す通りである。
この図表において、1%は電気角で見て360/100
°=3.6°である。図9は、この図8の位相差の変化
と絶対角度誤差αの変化を示したものである。図9を見
ると明らかなように、位相差は1回転で最大値と最小値
をとる。この最大値と最小値の差がジッタ量である。位
相差が最大値となる場合には、回転ディスクの中心は検
出点AとBに最も近く、また位相差が最小値になる場合
には、回転ディスクの中心は検出点AとBから最も遠く
なる。このことから図5の検出角度の変化量(θ1 −θ
2 )がジッタ量に関係するものであることが理解できる
であろう。
【0054】ジッタ量と検出角度の変化量(θ1 −θ2
)との間には、ジッタ量×[360/8192(エン
コーダの基本分割数)]=検出角度の変化量の関係があ
る。そして検出角度の変化量と芯振れ量(2r)との間
には、図5に示した各部の寸法を用いて表すと下記の関
係式が成立する。
【0055】 検出角度の変化量=ARCTAN(L/(R-r)−ARCTAN(L/(R+r)) 上記関係式からrを逆算し、このrを2倍にした値が芯
振れ量である。ジッタ量と芯振れ量との関係の一例は、
図10の計算例に示す通りである。図10の計算例は、
R=45mm、L=1.5mm、エンコーダの基本分割
数=8192/回転の場合である。
【0056】図8の左側の図表に示した例では、最大位
相差が24.25%であり、最小位相差が19.65%
であるから、ジッタ量は4.6%となる。図10のジッ
タ量と芯振れ量との関係でジッタ量4.6%に相当する
芯振れ量を求めると、芯振れ量は約0.024となる。
【0057】ここで図5に戻って、絶対角度誤差αと芯
振れ量の関係を明らかにする。回転ディスクの中心がD
にある場合の真の回転角度をθとし、実際の検出角度
(角度ADC)をθ´とし、回転中心から検出点Aまで
の距離をRとして、回転中心Oと回転ディスクとの間の
距離をrとすると、絶対角度誤差αは次のように表すこ
とができる。
【0058】α=θ−θ´=ARCTAN[r×sin(θ)
/(R−r×cos(θ)] R>>rであるから、この式はα=ARCTAN(r×sin
(θ)/R)と表すことができる。
【0059】そして図8の左側の図表に示した位相差が
最大になる機械角度の位置をθ=0即ち補正値0とし、
前述のジッタ量から求めた芯振れ量2rを0.024、
Rを45mmとして、各機械角度θにおける絶対角度誤
差αを演算した。その結果が図8の右側の図表のαの欄
の値である。図8の右側の図表の補正値は機械角で表し
た補正値βである。この補正値をそのまま図1のメモリ
回路26の内部に構成される補正値メモリ手段にメモリ
しておいてもよい。この場合に図1の演算・指令回路2
5から出力される高分割化絶対値データを補正するとき
には、補正演算手段28は、この機械角の補正値を電気
角に変換した後に、高分割化絶対値データに変換した補
正値を加算して補正を行う。機械角で表した補正値をβ
としたとき、これを電気角β´で表すとβ´=β/[3
60°/8192(分割数)]である。したがって予め
補正値を電気角で図1のメモリ回路26の内部に構成さ
れる補正値メモリ手段にメモリしておけば、補正演算手
段28で補正値を電気角に変換する必要はない。
【0060】図8の例では、補正値を10°間隔で示し
ているが、角度間隔をもっと小さくしてもよく、また実
際にはリクエスト信号が入力される周期に合わせて、高
分割化絶対値データに応じた補正値を予め求めておけば
よい。
【0061】また予め求めることができない角度の補正
値については、周知の補間法等を用いて演算により求め
ればよい。そしてエンコーダ装置から出力される絶対角
度位置データに、その絶対角度位置データに対応する補
正値を加えて(補正値の極性によっては結果として減算
となる場合がある)絶対角度位置データを補正すればよ
い。また予め求めることができない角度の補正値につい
ては、補間法を用いずに、なるべく近い補正値(前の補
正値または後の補正値のいずれか)を補正値として用い
てもよい。このようにしても補正をしない場合に比べれ
ば、検出精度は大幅に上がる。
【0062】補正値は、対象とするエンコーダ装置1台
1台について設定することになる。補正値を決定するに
あたっては、対象となるエンコーダ装置のメモリ回路2
6に記憶されるデータを読み出して、前述の通りの工程
で補正値を決定する。そして決定した補正値をメモリ回
路26に記憶させればよい。なおマイクロコンピュータ
を用いて補正値の決定を自動的に行って決定した補正値
をメモリ回路26に自動的に記憶させるようにしてもよ
いのは勿論である。
【0063】図11は、本発明の高精度エンコーダ装置
の他の実施の形態の構成のブロックである。図11にお
いて、図1の実施の形態を構成する部分と同じ部分に
は、図1に付した符号と同じ符号を付してあり、構成が
異なる部分には図1に付した符号にダッシュを付した符
号を付してある。この実施の形態では、エンコーダ1´
が2つの差動増幅回路12´a及び12´bを備えてい
る点と、コンパレータ回路21´が図1の場合と位相の
異なる信号切り替え信号を生成する点と、信号切り替え
回路22´がA信号とB信号の2つのエンコーダ信号の
みを切り替えの対象とする点と、演算・指令回路25´
で用いる演算式が異なる点で相違する。その他の点は、
図1の実施の形態と同様である。
【0064】まず差動増幅回路12´aは増幅度があま
り大きくなく、図12(A)に示すようなサイン波状の
A信号とB信号とを出力する。差動増幅回路12´b
は、差動増幅回路12´aよりも増幅度がかなり大き
く、矩形波状になったA信号、B信号及びB*信号を出
力する。切り替え信号生成手段を構成するコンパレータ
回路21´は、A信号,A*信号,B信号,B*信号の
うち、A信号とB信号とを比較し、A信号とB*信号と
を比較して、図12(B)及び(C)に示すような信号
を得る。図12(B)の「A>B」信号は、A信号がB
信号より大きくなっている期間highに立上がってお
り、図12(C)の「A>B*」信号はA信号がB*信
号より大きくなっている期間highに立上がってい
る。これらの比較をするためにコンパレータ回路21´
には2つの比較手段が含まれている。
【0065】図12(B)及び(C)に示した2つの信
号の立上がり位置に基づいて、電気角で90°間隔で発
生する信号切り替え信号が得られる。コンパレータ回路
21´は、図12(B)及び(C)に示す各信号の立上
がりに同期した信号を信号切り替え信号として出力す
る。この例では、図12(B)及び(C)に示した4つ
の立上がり部(図面上に丸印を付した部分)を利用す
る。
【0066】信号切り替え回路22´は、コンパレータ
回路21´から出力される信号切り替え信号に基づき、
差動増幅回路12a´から出力されるA信号及びB信号
を選択的に切り替えて出力する。具体的には、信号切り
替え回路22´は、コンパレータ回路21´から出力さ
れる切り替え信号に基づいて、A信号及びB信号を切り
替えて、図12(A)に太線で示す不連続な基準電圧信
号RVS´を出力する。図12(B)の「A>B」信号
の立上がり及び立下がりはB信号の使用中止とA信号の
使用開始を示すタイミング信号となり、図12(C)の
「A>B*」信号の立上がりと立下がりはA信号の使用
中止とB信号の使用開始を示すタイミング信号となる。
【0067】これらの切り替え信号に基づいて、A信号
及びB信号を切り替えて作られた基準電圧信号RVS´
は、A信号及びB信号の1周期と同じ周期で繰り返し発
生する。すなわち1スリットが電気角で360°移動し
て発生する信号である。基準電圧信号RVS´は不連続
な電圧信号であるが、A信号及びB信号のピーク部分を
使用することを避けている。
【0068】ラッチ回路24は、前述の切り替え信号に
基づいて、A/D変換回路23によりA/D変換された
基準電圧信号RVS´から、信号切り替え信号が発生し
たときに先に選択されていたA信号及びB信号の一方の
電圧値と次に選択されるA信号及びB信号の他方の電圧
値をラッチして、切り替わり電圧値メモリ手段として用
いられるメモリ回路26に記憶させる。図12を参照す
ると、具体的には、図12(B)の「A>B」信号の立
上がりで発生する切り替え信号がラッチ回路24に入力
されると、ラッチ回路24はA信号の電圧Va1とB信号
の電圧Vb1とをラッチする。図12の例では、Va1=V
b1となっているが、現実には差動増幅回路12´aの回
路構成によってはVa1とVb1とが一致しない場合も多い
ので、この例ではラッチ回路24がA信号の電圧Va1と
B信号の電圧Vb1とをラッチして、ラッチした電圧値を
メモリ回路26に記憶させる。同様にして、図12
(C)の「A>B*」信号の立上がりで発生する切り替
え信号がラッチ回路24に入力されると、ラッチ回路2
4はA信号の電圧Va2とB信号の電圧Vb2とをラッチし
て、メモリ回路26にラッチした電圧値を記憶させる。
また図12(B)の「A>B」信号の立下がりで発生す
る切り替え信号がラッチ回路24に入力されると、ラッ
チ回路24はA信号の電圧Va3とB信号の電圧Vb3とを
ラッチして、メモリ回路26にラッチした電圧値を記憶
させる。また図12(C)の「A>B*」信号の立下が
りで発生する切り替え信号がラッチ回路24に入力され
ると、ラッチ回路24はA信号の電圧Va4とB信号の電
圧Vb4とをラッチして、メモリ回路26にラッチした電
圧値を記憶させる。
【0069】演算・指令回路25´は、まず、リクエス
ト信号Xが入力されたときの信号切り替え回路22´で
選択されている信号の種類と、リクエスト信号Xが入力
される前の切り替え信号とにより、電気角で何度の区間
でリクエスト信号Xが発生したかを決定する。これによ
り基準電圧信号RVS´の電圧値だけでは分からない、
リクエスト信号Xの発生区間[図12(A)の(1)〜
(4)の区間]の特定ができる。そしてリクエスト信号
Xが入力されたときの基準電圧信号RVS´の電圧値と
リクエスト信号Xが入力されたときにメモリ回路26に
記憶されている直前(1サイクル前の電気角で360°
前までの)8つの切り替わり電圧値(Va1〜Va4, Vb1
〜Vb4)により、1サイクル中の期間の何分割目の位置
でリクエスト信号Xが発生したかを演算して、それを相
対的角度位置データとする。
【0070】具体的に説明すると、演算・指令回路25
´では絶対角度位置データ27に高分割された相対的角
度位置データを加算することにより、リクエスト信号X
が出力されたときの高分割絶対角度位置データを演算す
る。リクエスト信号Xが1スリット中のどこで発生した
かは、図12(B)及び(C)のいずれの信号が信号切
り替え信号として利用されているのかと、リクエスト信
号Xが入力されたときの電圧Vx(そのときの切り替え
信号の位相関係から選択されている信号、例えば図12
(A)の例ではA信号の電圧)と、予め用意された4つ
の演算式とから求める。
【0071】図12(A)に示した位置でリクエスト信
号Xが入力されたとすると、「A>B」信号の立上がり
部が切り替え信号として用いられているから、区間
(1)すなわち(電気角で0°〜90°の区間)でリク
エスト信号が発生したことが特定できる。この特定と、
リクエスト信号が入力された基準電圧信号の電圧値と、
1サイクル前の8つの切り替わり電圧値(Va1〜Va4,
Vb1〜Vb4)とから、下記(5)の式を用いて相対的角
度位置データを演算する。なお演算式は、選択されてい
る信号の種類(A信号かB信号か)とリクエスト信号X
が入力された区間に応じて4種類用意されている。すな
わちリクエスト信号Xが0°〜90°の位置で入力され
た場合に用いる式(5)と、リクエスト信号Xが90°
〜180°の位置で入力された場合に用いる式(6)
と、リクエスト信号Xが180°〜270°の位置で入
力された場合に用いる式(7)と、リクエスト信号Xが
270°〜360°の位置で入力された場合に用いる式
(8)である。
【0072】
【数2】 上記式(5)〜式(8)において、V0 はA信号とB信
号の中心電圧となる基準電圧であり、Vxは測定電圧で
あり、KはA信号の振幅とB信号の振幅が異なる場合
に、A信号の振幅を基準にしてB信号の振幅を補正する
補正係数である。図12(A)のようにA信号の振幅と
B信号の振幅が等しいときには、K=1となる。
【0073】図12(A)のように区間(1)でリクエ
スト信号Xが入力されたときには、上記式(5)が選択
されて、実際の測定電圧Vxが代入され、相対的角度位
置データDXが算出される。これらの演算式は、リクエ
スト信号Xが入力された位置が、絶対角度位置Dab1 か
らどの程度進んだ位置にあるかを求め、その位置に応じ
た分割数を得る式である。この式の基本も前述の式
(1)〜(4)と同様に、絶対角度位置Dab1 からDab
2 までの電圧の加算値即ち変化総量(分母)とVxが入
力された位置までのDab1 からの電圧の加算値即ち変化
総量(分子)との比率を求めて、この比率をA/D変換
器のビット数により決まる分割数に乗算して得ることで
ある。
【0074】演算・指令回路25´では、演算式(5)
〜(8)に基づいて得た相対的角度位置データDXに絶
対角度位置データ27を加算し、高分割絶対角度位置デ
ータを得て、さらにこれを角度データに変換し、補正演
算手段28に出力する。
【0075】次に、補正演算手段28とメモリ回路26
によって兼用される補正値メモリ手段とから構成される
位置データ補正手段(28,26)は、エンコーダ1´
の回転ディスクの中心と回転ディスクが固定される回転
軸の中心との芯振れが原因で発生する絶対角度誤差に基
づく誤差を含む絶対角度位置データを補正する。補正演
算手段28は、図1の実施の形態の動作説明と同じ動作
をする。したがって補正演算手段28は、リクエスト信
号Xが入力されるとエンコーダ装置(1´,2´)から
出力される(具体的には演算・指令回路25´から出力
される)絶対角度位置データに、メモリ回路26内に構
成される補正値メモリ手段に電気角で記憶した補正値か
らリクエスト信号Xの発生位置に対応する補正値を読み
出して両者を加算し、信号入出力回路29から出力す
る。
【0076】差動増幅回路12´aと差動増幅回路12
´bの増幅度が異なると、これらの回路の処理速度には
差が発生する(即ち両者の回路の出力に時間遅れが発生
する)。増幅度が小さい場合には、時間遅れが発生しや
すい傾向がある。したがってこのような場合には、図1
1の回路であれば、図1に符合RCで示した位置に遅延
回路を挿入すればよい。またコンパレータ回路21´の
入力側に遅延回路を挿入してもよいのは勿論である。
【0077】また回転軸の回転速度が速くなるほど、信
号処理の時間遅れの影響は大きくなる。そこで遅延回路
を回転軸の回転速度に応じて、挿入したり切り離したり
してもよいのは勿論である。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、芯振れに基づく誤差が
除去された精度の高い絶対角度位置データを得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高精度エンコーダ装置の一つの実
施の形態の主要な構成を示す回路ブロック図である。
【図2】図1の実施の形態の4つのフォトダイオードの
出力を示す図である。
【図3】図2のフォトダイオードの出力をI/V変換し
た信号を示す図である。
【図4】(A)は、高分割の原理を説明するためにA信
号,B信号,A*信号及びB*信号を用いて得た基準電
圧信号RVSを示す図であり、(B)〜(E)は4種類
の信号切り替え信号をそれぞれ示す図である。
【図5】芯振れにより絶対角度誤差が発生することを説
明するために用いる説明図である。
【図6】ジッタ量を説明するために用いる波形図であ
る。
【図7】ジッタ量の算出方法を説明するために用いる模
擬波形図である。
【図8】位相差、絶対角度誤差及び補正値の計算例の関
係を示す図表である。
【図9】位相差と絶対角度誤差の関係を示す図である。
【図10】芯振れ量とジッタ量の計算例を示す図表であ
る。
【図11】本発明に係る高精度エンコーダ装置の他の実
施の形態の主要な構成を示す回路ブロック図である。
【図12】(A)は、図11の実施の形態で用いる高分
割の原理を説明するためにA信号,B信号を用いて得た
基準電圧信号RVS´を示す図であり、(B)及び
(C)は2種類の信号切り替え信号をそれぞれ示す図で
ある。
【符号の説明】
1,1´ エンコーダ 11 フォトダイオード・ユニット 12,12´a,12´b 差動増幅回路 2,2´ 高分割絶対角度位置データ出力手段 21,21´ コンパレータ回路 22,22´ 信号切り替え回路 23 A/D変換回路 24 ラッチ回路 25,25´ 演算・指令回路 26 メモリ回路 27 絶対角度位置データ 28 補正演算手段 29 信号入出力回路 3 サーボアンプの信号入出力回路
フロントページの続き (72)発明者 関根 智春 東京都豊島区北大塚一丁目十五番一号 山 洋電気株式会社内 (72)発明者 伊藤 昭二 東京都豊島区北大塚一丁目十五番一号 山 洋電気株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータリ式のエンコーダの回転ディスク
    と前記回転ディスクが固定される回転軸との芯振れが原
    因で発生する絶対角度誤差を補正してエンコーダ装置の
    位置検出精度を高めるエンコーダ装置の高精度化方法で
    あって、 前記回転ディスクと前記回転ディスクが固定される前記
    回転軸との芯振れ量を検出する芯振れ量検出工程と、 前記芯振れ量から絶対角度誤差を決定する絶対角度誤差
    決定工程と、 前記絶対角度誤差を補正する補正値を決定する補正値決
    定工程と、 前記エンコーダ装置から出力される絶対角度位置データ
    に前記補正値を加えて前記絶対角度位置データを補正す
    る位置データ補正工程とからなるエンコーダ装置の高精
    度化方法。
  2. 【請求項2】 前記芯振れ量検出工程と、前記絶対角度
    誤差決定工程と前記補正値決定工程は、エンコーダ装置
    の使用を開始する前に実施し、 前記位置データ補正工程では、前記補正値決定工程で求
    めた前記補正値を補正値メモリ手段に記憶しておき、リ
    クエスト信号が入力されるごとに、前記エンコーダ装置
    から出力される前記絶対角度位置データと前記リクエス
    ト信号の発生位置に対応して前記補正値メモリ手段から
    読み出した前記補正値とを加算することを特徴とする請
    求項1に記載のエンコーダ装置の高精度化方法。
  3. 【請求項3】 前記エンコーダ装置は、電気角で90°
    位相が異なるサイン波状の複数のエンコーダ信号に基づ
    いて絶対角度位置データを出力するロータリ式のエンコ
    ーダと、前記エンコーダから出力される絶対角度位置デ
    ータ間を更に分割して高分割絶対角度位置データを出力
    する高分割絶対角度位置データ出力手段とを具備する高
    分割エンコーダ装置からなり、 前記高分割絶対角度位置データに前記補正値が加算され
    ることを特徴とする請求項2に記載のエンコーダ装置の
    高精度化方法。
  4. 【請求項4】 前記高分割絶対角度位置データ出力手段
    は、 前記複数のエンコーダ信号に基いて電気角で90°の間
    隔で発生する信号切り替え信号を生成する切り替え信号
    生成手段と、 前記複数のエンコーダ信号の中から続いて発生する2つ
    の前記信号切り替え信号の間の期間において変曲点を有
    しない1つの前記エンコーダ信号を選択して出力する信
    号切り替え回路と、 前記信号切り替え信号が発生したときに先に選択されて
    いた1つの前記エンコーダ信号の電圧値と次に選択され
    る1つの前記エンコーダ信号の電圧値とをラッチして切
    り替わり電圧値として記憶する切り替わり電圧値メモリ
    手段と、 前記リクエスト信号が入力されたときに選択されている
    前記エンコーダ信号の電圧値と、該エンコーダ信号を選
    択する基準となった前記信号切り替え信号と、前記リク
    エスト信号が入力されたときに前記切り替わり電圧値メ
    モリ手段に記憶されている直前の1サイクル分の前記切
    り替わり電圧値とに基づいて前記リクエスト信号が入力
    されたときの相対的角度位置データを演算し、この相対
    的角度位置データを前記リクエスト信号が入力される前
    に前記エンコーダから出力された前記絶対角度位置デー
    タに加算して前記高分割絶対角度位置データとして出力
    する演算手段とを具備してなる請求項3に記載のエンコ
    ーダ装置の高精度化方法。
  5. 【請求項5】 前記エンコーダ装置は、電気角で90°
    位相が異なるサイン波状のA信号,B信号,A*信号及
    びB*信号を含むエンコーダ信号に基づいて絶対角度位
    置データを出力するロータリ式のエンコーダと、 前記エンコーダから連続して出力される絶対角度位置デ
    ータ間を更に分割して高分割絶対角度位置データを出力
    する高分割絶対角度位置データ出力手段とを具備する高
    分割エンコーダ装置であって、 前記高分割絶対角度位置データ出力手段は、 前記A信号,B信号,A*信号及びB*信号を入力とし
    て各信号を比較し、前記A信号と前記B信号との交点、
    前記B信号と前記A*信号との交点、前記A*信号と前
    記B*信号との交点、及び前記B*信号と前記A信号と
    の交点で信号切り替え信号を出力するコンパレータ回路
    と、 前記コンパレータ回路から出力される前記信号切り替え
    信号に基づいて、前記A信号,B信号,A*信号及びB
    *信号が選択的に切り替えられて前記A信号→前記B*
    信号→前記A*信号→前記B信号の順で連続して繰り返
    し現れる基準電圧信号を出力する信号切り替え回路と、 前記基準電圧信号を所定のビット数でA/D変換するA
    /D変換回路と、 前記信号切り替え信号が出力されたときのA/D変換さ
    れた前記基準電圧信号の切り替わり電圧値をラッチして
    記憶する切り替わり電圧値メモリ手段と、 リクエスト信号が入力されたときの前記基準電圧信号の
    電圧値及び前記信号切り替え信号と、前記リクエスト信
    号が入力されたときに前記切り替わり電圧値メモリ手段
    に記憶されている直前の4つの切り替わり電圧値とに基
    づいて前記リクエスト信号が入力されたときの相対的角
    度位置データを演算し、この相対的角度位置データを前
    記リクエスト信号が入力される前に前記エンコーダから
    出力された前記絶対角度位置データに加算して前記高分
    割絶対角度位置データとして出力する演算手段とを具備
    してなる請求項2に記載のエンコーダ装置の高精度化方
    法。
  6. 【請求項6】 前記エンコーダ装置は、電気角で90°
    位相が異なるサイン波状のA信号,A*信号,B信号及
    びB*信号を含むエンコーダ信号に基づいて絶対角度位
    置データを出力するロータリ式のエンコーダと、前記エ
    ンコーダから連続して出力される絶対角度位置データ間
    を更に分割して高分割絶対角度位置データを出力する高
    分割絶対角度位置データ出力手段とを具備する高分割エ
    ンコーダ装置であって、 前記高分割絶対角度位置データ出力手段は、 前記エンコーダ信号に基いて電気角で90°の間隔で発
    生する信号切り替え信号を生成する切り替え信号生成手
    段と、 前記A信号及びB信号の中から続いて発生する2つの前
    記信号切り替え信号の間の期間において変曲点を有しな
    い1つの前記エンコーダ信号を選択して出力する信号切
    り替え回路と、 前記信号切り替え回路の出力を所定のビット数でA/D
    変換するA/D変換回路と、 前記信号切り替え信号が発生したときに先に選択されて
    いた1つの前記エンコーダ信号の電圧値と次に選択され
    る1つの前記エンコーダ信号の電圧値を前記A/D変換
    回路の出力からラッチして切り替わり電圧値として記憶
    する切り替わり電圧値メモリ手段と、 リクエスト信号が入力されたときに選択されている前記
    エンコーダ信号の電圧値と、該エンコーダ信号を選択す
    る基準となった前記信号切り替え信号と、前記リクエス
    ト信号が入力されたときに前記切り替わり電圧値メモリ
    手段に記憶されている直前の1サイクル分の前記切り替
    わり電圧値とに基づいて前記リクエスト信号が入力され
    たときの相対的角度位置データを演算し、この相対的角
    度位置データを前記リクエスト信号が入力される前に前
    記エンコーダから出力された前記絶対角度位置データに
    加算して前記高分割絶対角度位置データとして出力する
    演算手段とを具備してなる請求項2に記載のエンコーダ
    装置の高精度化方法。
  7. 【請求項7】 前記芯振れ量検出工程では、前記回転軸
    を回転させて前記A信号と前記B信号との位相差を求
    め、前記位相差の最大値と最小値の差をジッタ量とし、
    前記ジッタ量と前記芯振れ量との関係に基づいて前記ジ
    ッタ量から前記芯振れ量を求め、 前記絶対角度誤差決定工程では、絶対角度誤差αをα=
    ARCTAN[(r×sin θ)/R]の式から求め[ここでr
    は芯振れ量の1/2の値、Rは前記回転軸の回転中心と
    前記A信号の基となる信号を出力する1つの検出器が配
    置される検出点との間の距離、θは前記位相差が最大値
    となる位置の機械角度を0°としたときの機械角度であ
    る。]、 前記位置データ補正工程では絶対角度誤差αを電気角に
    変換して前記補正値とし、該補正値を前記高分割絶対角
    度位置データに加算する請求項5または6に記載のエン
    コーダ装置の高精度化方法。
  8. 【請求項8】 前記芯振れ量検出工程では、前記回転軸
    を所定の角度回転させたときに前記基準電圧信号が基準
    電圧になったときから特定の前記切り替わり電圧値が発
    生するまでの前記基準電圧信号の電圧の変化総量と1サ
    イクル前の1サイクル中の前記基準電圧信号の電圧変化
    総量との比から前記A信号と前記B信号との位相差を求
    め、前記位相差の最大値と最小値の差をジッタ量とし、
    前記ジッタ量と前記芯振れ量との関係に基づいて前記ジ
    ッタ量から前記芯振れ量を決定し、 前記絶対角度誤差決定工程では、絶対角度誤差αをα=
    ARCTAN[(r×sin θ)/R]の式から求め[ここでr
    は芯振れ量の1/2の値、Rは前記回転軸の回転中心と
    前記A信号の基となる信号を出力する1つの検出器が配
    置される検出点との間の距離、θは前記位相差が最大値
    となる位置の機械角度を0°としたときの機械角度であ
    る。]、 前記位置データ補正工程では絶対角度誤差αを電気角に
    変換して前記補正値とし、該補正値を前記高分割絶対角
    度位置データに加算する請求項5に記載のエンコーダ装
    置の高精度化方法。
  9. 【請求項9】 前記ジッタ量と前記芯振れ量(2r)と
    の関係が、ジッタ量×(360/エンコーダの分割数)
    =ARCTAN(L/(R-r))-ARCTAN(L/(R+r)) [ここでLは前記
    A信号及び前記B信号の基となる信号をそれぞれ出力す
    る2つの検出器が配置される2つの検出点間の距離]で
    ある請求項7または8に記載のエンコーダ装置の高精度
    化方法。
  10. 【請求項10】 リクエスト信号に応じて絶対角度位置
    データを出力するロータリ式のエンコーダを備えたエン
    コーダ装置と、 前記回転ディスクと前記回転ディスクが固定される回転
    軸との芯振れが原因で発生する絶対角度誤差に基づく誤
    差を含む前記絶対角度位置データを補正する位置データ
    補正手段とを備えてなる高精度エンコーダ装置であっ
    て、 前記位置データ補正手段は、 予め前記エンコーダの前記回転ディスクと前記回転ディ
    スクが固定される前記回転軸との芯振れ量を検出して、
    前記芯振れ量から絶対角度誤差を求め、この前記絶対角
    度誤差から求めた補正値を記憶する補正値メモリ手段
    と、 前記リクエスト信号が入力されると前記エンコーダ装置
    から出力される前記絶対角度位置データに前記補正値メ
    モリ手段に記憶した前記補正値から前記リクエスト信号
    の発生位置に対応する補正値を読み出して両者を加算す
    る補正演算手段とを具備することを特徴とする高精度エ
    ンコーダ装置。
  11. 【請求項11】 前記エンコーダ装置は、電気角で90
    °位相が異なるサイン波状の複数のエンコーダ信号に基
    づいて絶対角度位置データを出力するロータリ式のエン
    コーダと、 前記エンコーダから出力される絶対角度位置データ間を
    更に分割して高分割絶対角度位置データを出力する高分
    割絶対角度位置データ出力手段とを具備する高分割エン
    コーダ装置からなり、 前記高分割絶対角度位置データに前記補正値が加算され
    ることを特徴とする請求項10に記載の高精度エンコー
    ダ装置。
  12. 【請求項12】 前記高分割絶対角度位置データ出力手
    段は、 前記複数のエンコーダ信号に基いて電気角で90°の間
    隔で発生する信号切り替え信号を生成する切り替え信号
    生成手段と、 前記複数のエンコーダ信号の中から、連続して発生する
    2つの前記信号切り替え信号の間の期間において変曲点
    を有しない1つの前記エンコーダ信号を選択して出力す
    る信号切り替え回路と、 前記信号切り替え信号が発生したときに先に選択されて
    いた1つの前記エンコーダ信号の電圧値と次に選択され
    る1つの前記エンコーダ信号の電圧値をラッチして切り
    替わり電圧値として記憶する切り替わり電圧値メモリ手
    段と、 リクエスト信号が入力されたときに選択されている前記
    エンコーダ信号の電圧値と、該エンコーダ信号を選択す
    る基準となった前記信号切り替え信号と、前記リクエス
    ト信号が入力されたときに前記切り替わり電圧値メモリ
    手段に記憶されている直前の1サイクル分の前記切り替
    わり電圧値とに基づいて前記リクエスト信号が入力され
    たときの相対的角度位置データを演算し、この相対的角
    度位置データを前記リクエスト信号が入力される前に前
    記エンコーダから出力された前記絶対角度位置データに
    加算して前記高分割絶対角度位置データとして出力する
    演算手段とを具備してなる請求項11に記載の高精度エ
    ンコーダ装置。
  13. 【請求項13】 前記エンコーダ装置は、電気角で90
    °位相が異なるサイン波状のA信号,B信号,A*信号
    及びB*信号を含むエンコーダ信号に基づいて絶対角度
    位置データを出力するロータリ式のエンコーダと、前記
    エンコーダから連続して出力される絶対角度位置データ
    間を更に分割して高分割絶対角度位置データを出力する
    高分割絶対角度位置データ出力手段とを具備する高分割
    エンコーダ装置からなり、 前記高分割絶対角度位置データ出力手段は、 前記A信号,B信号,A*信号及びB*信号を入力とし
    て各信号を比較し、前記A信号と前記B信号との交点、
    前記B信号と前記A*信号との交点、前記A*信号と前
    記B*信号との交点、及び前記B*信号と前記A信号と
    の交点で信号切り替え信号を出力するコンパレータ回路
    と、 前記コンパレータ回路から出力される前記信号切り替え
    信号に基づいて、前記A信号,B信号,A*信号及びB
    *信号が選択的に切り替えられて前記A信号→前記B*
    信号→前記A*信号→前記B信号の順で連続して繰り返
    し現れる基準電圧信号を出力する信号切り替え回路と、 前記基準電圧信号を所定のビット数でA/D変換するA
    /D変換回路と、 前記信号切り替え信号が出力されたときのA/D変換さ
    れた前記基準電圧信号の切り替わり電圧値をラッチして
    記憶する切り替わり電圧値メモリ手段と、 リクエスト信号が入力されたときの前記基準電圧信号の
    電圧値及び前記信号切り替え信号と、前記リクエスト信
    号が入力されたときに前記切り替わり電圧値メモリ手段
    に記憶されている直前の4つの切り替わり電圧値とに基
    づいて前記リクエスト信号が入力されたときの相対的角
    度位置データを演算し、この相対的角度位置データを前
    記リクエスト信号が入力される前に前記エンコーダから
    出力された前記絶対角度位置データに加算して前記高分
    割絶対角度位置データとして出力する演算手段とを具備
    してなるものである請求項10に記載の高精度エンコー
    ダ装置。
  14. 【請求項14】 前記エンコーダ装置は、電気角で90
    °位相が異なるサイン波状のA信号,B信号,A*信号
    及びB*信号を含むエンコーダ信号に基づいて絶対角度
    位置データを出力するロータリ式の光学式アブソリュー
    ト・エンコーダと、前記エンコーダから連続して出力さ
    れる絶対角度位置データ間を更に分割して高分割絶対角
    度位置データを出力する高分割絶対角度位置データ出力
    手段とを具備する高分割エンコーダ装置からなり、 前記高分割絶対角度位置データ出力手段は、 前記A信号,B信号,A*信号及びB*信号を入力とし
    て各信号を比較し、前記A信号と前記B信号の信号レベ
    ルが一致し、前記B信号と前記A*信号の信号レベルが
    一致し、前記A*信号と前記B*信号の信号レベルが一
    致し、及び前記B*信号と前記A信号の信号レベルが一
    致するたびに信号切り替え信号を出力するコンパレータ
    回路と、 前記コンパレータ回路から出力される前記信号切り替え
    信号に基づいて、前記A信号,B信号,A*信号及びB
    *信号が選択的に切り替えられて前記A信号→前記B*
    信号→前記A*信号→前記B信号の順で連続して繰り返
    し現れる基準電圧信号を出力する信号切り替え回路と、 前記基準電圧信号を所定のビット数でA/D変換するA
    /D変換回路と、 前記信号切り替え信号が出力されたときのA/D変換さ
    れた前記基準電圧信号の切り替わり電圧値をラッチする
    ラッチ回路と、 前記ラッチ回路でラッチした電圧値を記憶するメモリ手
    段と、 リクエスト信号が入力されたときの前記基準電圧信号の
    A/D変換された電圧値及び前記信号切り替え信号と、
    前記リクエスト信号が入力されたときに前記メモリ手段
    に記憶されている1サイクル前の4つの切り替わり電圧
    値とに基づいて相対的角度位置データを演算し、該相対
    的角度位置データを前記リクエスト信号が入力される前
    に前記エンコーダから出力された最新の前記絶対角度位
    置データに加算して前記高分割絶対角度位置データとし
    て出力する演算手段とを具備し、 前記演算手段はリクエスト信号が入力されたときの信号
    切り替え信号によってリクエスト信号が発生したときに
    前記信号切り替え回路で選択している信号を特定し、次
    に1サイクル前の1サイクル中の基準電圧信号の電圧の
    変化総量に対する当該サイクルが開始されてからリクエ
    スト信号が入力されたときまでの基準電圧信号の電圧の
    変化総量との比を求め、この比を前記ビット数により定
    まる分割数に乗算して前記相対的角度位置データを得る
    ことを特徴とする請求項10に記載の高精度エンコーダ
    装置。
  15. 【請求項15】 前記補正値メモリ手段に記憶される前
    記補正値は、前記回転軸を所定の角度回転させたときに
    前記基準電圧信号が基準電圧になったときから特定の前
    記切り替わり電圧値が発生するまでの前記基準電圧信号
    の電圧の変化総量と1サイクル前の1サイクル中の前記
    基準電圧信号の電圧変化総量との比から前記A信号と前
    記B信号との位相差を求め、前記位相差の最大値と最小
    値の差をジッタ量とし、前記ジッタ量から前記芯振れ量
    を求め、前記絶対角度誤差αをα=ARCTAN[(r×sin
    θ)/R]の式から求め[ここでrは芯振れ量の1/2
    の値、Rは前記回転軸の回転中心と前記A信号の基とな
    る信号を出力する1つの検出器が配置される検出点との
    間の距離、θは前記位相差が最大値となる位置の機械角
    度を0°としたときの機械角度である。]、前記絶対角
    度誤差αを電気角に変換したものである請求項14に記
    載の高精度エンコーダ装置。
  16. 【請求項16】 前記エンコーダ装置は、電気角で90
    °位相が異なるサイン波状のA信号,A*信号,B信号
    及びB*信号を含むエンコーダ信号に基づいて絶対角度
    位置データを出力するロータリ式のエンコーダと、 前記エンコーダから連続して出力される絶対角度位置デ
    ータ間を更に分割して高分割絶対角度位置データを出力
    する高分割絶対角度位置データ出力手段とを具備する高
    分割エンコーダ装置であって、 前記高分割絶対角度位置データ出力手段は、 前記エンコーダ信号に基いて電気角で90°の間隔で発
    生する信号切り替え信号を生成する切り替え信号生成手
    段と、 前記A信号及びB信号のエンコーダ信号の中から続いて
    発生する2つの前記信号切り替え信号の間の期間におい
    て変曲点を有しない1つの前記エンコーダ信号を選択し
    て出力する信号切り替え回路と、 前記信号切り替え回路の出力を所定のビット数でA/D
    変換するA/D変換回路と、 前記信号切り替え信号が発生したときに先に選択されて
    いた1つの前記エンコーダ信号の電圧値と次に選択され
    る1つの前記エンコーダ信号の電圧値を前記A/D変換
    回路の出力からラッチして切り替わり電圧値として記憶
    する切り替わり電圧値メモリ手段と、 リクエスト信号が入力されたときに選択されている前記
    エンコーダ信号の電圧値と、該エンコーダ信号を選択す
    る基準となった前記信号切り替え信号と、前記リクエス
    ト信号が入力されたときに前記切り替わり電圧値メモリ
    手段に記憶されている直前の1サイクル分の前記切り替
    わり電圧値とに基づいて前記リクエスト信号が入力され
    たときの相対的角度位置データを演算し、この相対的角
    度位置データを前記リクエスト信号が入力される前に前
    記エンコーダから出力された前記絶対角度位置データに
    加算して前記高分割絶対角度位置データとして出力する
    演算手段とを具備してなる請求項10に記載の高精度エ
    ンコーダ装置。
  17. 【請求項17】 前記補正値メモリ手段に記憶される前
    記補正値は、前記回転軸を所定の角度回転させたときの
    前記A信号と前記B信号との位相差を求め、前記位相差
    の最大値と最小値の差をジッタ量とし、前記ジッタ量と
    前記芯振れ量との関係に基づいて前記ジッタ量から前記
    芯振れ量を決定し、絶対角度誤差αをα=ARCTAN[(r
    ×sin θ)/R]の式から求め[ここでrは芯振れ量の
    1/2の値、Rは前記回転軸の回転中心から前記A信号
    の基となる信号を出力する検出器が配置される検出点と
    の間の距離、θは前記位相差が最大値となる位置の機械
    角度を0°としたときの機械角度である。]、前記絶対
    角度誤差αを電気角に変換したものである請求項16に
    記載の高精度エンコーダ装置。
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