JPH05258486A - ディスク再生装置のアドレス検索装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ディスク再生装置のアドレス検索装置におい
て、ピックアップの駆動精度が悪い場合に、ピックアッ
プの再駆動までの時間を短縮することにより、アクセス
の高速化を可能にする具体的手段を提供することを目的
とする。 【構成】光ピックアップ１の駆動終了後、トラッキング
制御を掛け、トラッキング制御判定装置９でトラッキン
グ制御が安定していることを検出する。その時トラック
数計算装置６の計算したトラック数とトラックカウント
装置４のカウントしたトラック数が一致していない場合
には、アドレス検出装置がアドレスを検出するのを待た
ずに再度光ピックアップ１の駆動を行う。 【効果】一度トラッキング制御が安定した状態から再度
光ピックアップ１の駆動を行うため、再駆動時の駆動精
度を確保することができるとともに、アドレスの検出を
必要としないため光ピックアップ１の再駆動までの時間
を短縮することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はディジタルオーディオデ
ィスク（ＤＡＤ）等を再生するディスク再生装置のアド
レス検索装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、ディスクの記録密度の向上に伴
い、ディスク再生装置においてより早く目的アドレスに
到達するためのアドレス検索装置が必要されている。

【０００３】以下に従来の光学式ディスク再生装置のア
ドレス検索装置について説明する。図５は従来の光学式
ディスク再生装置のブロック図である。図５において、
１はディスクのトラックに記録された信号を再生する光
ピックアップ、２は光ピックアップ１内の対物レンズを
動かし光ピックアップ１がトラックに追従するように制
御するトラッキング制御装置、３は光ピックアップ１内
の対物レンズを偏位させてトラックを横断させるための
駆動パルスを発生するパルス発生装置、４は光ピックア
ップ１の横切ったトラック数をカウントするトラックカ
ウント装置、５は光ピックアップ１が再生している信号
からアドレス情報を検出するアドレス検出装置、６は所
望の情報が記録されている目的アドレスとアドレス検出
装置５が検出した現在アドレスとから光ピックアップ１
が移動する必要のあるトラック数を計算するトラック数
計算装置、７は光ピックアップ１からの情報信号の振幅
を検出する振幅検出装置、８はこれらを制御するコント
ローラー、１０は光ピックアップ１のトラッキングの制
御をトラッキング制御装置２とパルス発生装置３に切り
替えるスイッチである。

【０００４】以上のように構成された光学式ディスク再
生装置のアドレス検索装置について図６を参照しながら
説明する。まず、光学式ディスク再生装置がディスク上
の情報を再生する通常の再生の場合、スイッチ１０はａ
側に接続されており、トラッキング制御装置２により光
ピックアップ１はトラックに追従している。この時アド
レス検出装置５は、光ピックアップ１が再生している情
報信号６１から現在アドレス６７を順次検出している。
図６の６６は情報信号６１の中のアドレス信号を示した
ものであり、現在アドレス６７はアドレス信号６６から
１ブロックの遅れがある。これはアドレスを検出するた
めにはアドレス信号６６の１ブロック全てを読み込む必
要があるためである。

【０００５】次に、外部から所望の情報が記録されてい
る目的アドレスが与えられると、トラック数計算装置６
は現在アドレス６７と目的アドレスとから、光ピックア
ップ１に必要な移動トラック本数を計算する。コントロ
ーラー８は、この移動トラック本数に基づきスイッチ１
０をｂ側に接続し、光ピックアップ１の制御をパルス発
生装置３に切り替える。パルス発生装置３は加速パルス
を発生し、光ピックアップ１の対物レンズを加速する。
トラックカウント装置４は、振幅検出装置７からの情報
信号６１の振幅に対応したミラー信号６３と、光ピック
アップ１のトラックからの偏位に対応したトラッキング
エラー信号６２とから、二つの信号の位相差を利用して
光ピックアップ１の移動方向の検出を行うと共に、二つ
信号中の一方あるいは両方の信号の振幅の変化により、
光ピックアップ１が横断したトラック数のカウントを行
う。コントローラー８は、トラックカウント装置４のカ
ウント値を監視し、カウント値が移動トラック本数の半
分の値になるとパルス発生装置３を制御し、パルスを加
速パルスから減速パルスに切り替える。この減速パルス
により光ピックアップ１の対物レンズは減速される。ト
ラックカウント装置４のカウント値が移動トラック本数
と一致するか、あるいは移動方向が反転した場合に、コ
ントローラー８はスイッチ１０をａ側に接続しトラッキ
ング制御をＯＮさせる。

【０００６】この時、光ピックアップ１の対物レンズが
大きく偏位している場合、あるいは移動速度が大きい場
合には、トラック外れ等の現象を生じるが、トラッキン
グ制御装置２により数〜数十ミリ秒後にはトラッキング
制御が安定する。トラッキング制御が安定した状態にな
ると、アドレス検出装置５が現在アドレス６７を検出す
ることが可能になる。一般的なＤＡＤの場合を例に取る
と、１ブロックの再生時間が１３．３ミリ秒であるた
め、トラッキング制御が安定してから約１３〜２７ミリ
秒後にアドレスを検出することが可能となる。新しい現
在アドレス６７が検出されると、トラック数計算装置６
は新しい現在アドレスに対する目的アドレスの移動トラ
ック本数を再計算し、計算結果が０本の場合には回転待
ち動作となり、その後目的アドレスを検出してアクセス
動作は終了する。計算結果が０本でない場合は、コント
ローラー８はスイッチ１０を切り替え、再度上記のアク
セス動作を繰り返すことによって光ピックアップ１は目
的アドレスに到達する。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の方法では、光ピックアップ１の移動の後に必ず現在
アドレス６７を検出する必要があり、光ピックアップ１
の駆動後に目的のトラックに到達していない場合におい
ても、現在アドレス６７を検出しなおすために最短で１
ブロック、最悪２ブロックの信号再生時間を必要として
いるという問題を有していた。また上記従来の方法にお
いて、現在アドレスを検出することなく光ピックアップ
１の移動を行おうとすると、トラッキング制御が安定し
ているか否かの判別がつかず、光ピックアップ１がトラ
ック外れをおこしている場合や対物レンズが大きく偏位
している場合には、移動が安定しないという問題点を有
していた。

【０００８】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、アクセス時間を短縮できるディスク再生装置のアド
レス検索装置を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のディスク再生装置のアドレス検索装置は、駆
動装置によるピックアップ手段の駆動終了後に、トラッ
キング制御が安定していると判定され、なおかつ実際に
移動されたトラックカウント値と計算装置によって計算
された移動トラック数が異なっている場合に、ピックア
ップ手段からのアドレスの検出を待たずに再度、ピック
アップ手段の駆動を行うという特徴を有している。

【００１０】

【作用】これにより、ピックアップ手段の駆動終了後に
トラッキング制御が安定した状態になった後で再びピッ
クアップ手段の駆動を行うため、安定したピックアップ
手段の移動を行うことができる。また、アドレス検出を
行うことなくピックアップ手段の再度の駆動を行うた
め、再度現在アドレスを検出する必要がなく、アクセス
時間を短縮することができる。

【００１１】

【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。

【００１２】図１は本発明の一実施例のブロック図であ
る。図１において、１は光ピックアップ、２はトラッキ
ング制御装置、３はパルス発生装置、４はトラックカウ
ント装置、５はアドレス検出装置、６はトラック数計算
装置、７は振幅検出装置、８はコントローラー、９は振
幅検出装置７の出力よりトラッキング制御が安定してい
るかどうかを判定するトラッキング制御判定装置であ
る。光ピックアップ１、トラッキング制御装置２、パル
ス発生装置３、トラックカウント装置４、アドレス検出
装置５、トラック数計算装置６、振幅検出装置７は従来
の光学式ディスク再生装置のアドレス検索装置と同様の
動作を行う。

【００１３】以上のように構成された光学式ディスク再
生装置のアドレス検索装置について、以下その動作を説
明する。まず、光学式ディスク再生装置がディスク上の
情報を再生する場合、スイッチ１０はａ側にされてい
る。次に外部から目的アドレスが与えられると、トラッ
ク数計算装置６は移動トラック本数を計算する。コント
ローラー８は、この値に基づきスイッチ１０をｂ側に接
続し、パルス発生装置３は光ピックアップ１を加速す
る。トラックカウント装置４は光ピックアップ１が横断
したトラック数をカウントし、カウント値が移動トラッ
ク本数の２分の１の値になると、コントローラー８はパ
ルス発生装置３により光ピックアップ１を減速させる。
そして、トラックカウント装置４のカウント値が移動ト
ラック本数と等しくなるか、あるいはトラックカウント
装置４が光ピックアップ１の移動方向が反転したことを
検出した場合に、コントローラー８はスイッチ１０をａ
側に接続し、トラッキング制御をＯＮさせる。ここまで
の動作は、従来の光学式ディスク再生装置のアドレス検
索装置と同様である。

【００１４】次に、トラッキング制御判定装置９は、光
ピックアップ１がトラックに追従しているかどうかを判
定する。図３はトラッキング制御判定装置９の一実施例
を示す回路図であり、３１はコンパレーター、３２はコ
ンパレーター３１の出力を一定長のワンショットパルス
に変える再トリガ可能な単安定マルチバイブレーター、
３３はリセット付きＤフリップフロップ（Ｄ−ＦＦ）、
３４はＤ−ＦＦを２個並べることにより入力信号をを１
クロック以上遅らせる遅延回路である。以下、図４のタ
イミングチャートを参照しながらトラッキング制御判定
装置の動作を説明する。

【００１５】まず、振幅検出装置７から情報信号４１の
振幅に対応したミラー信号４２がトラッキング制御判定
装置９内のコンパレーター３１に入力される。コンパレ
ーター３１のコンパレートレベルは、通常の情報再生時
のミラー信号の約８０％前後に予め設定されている。こ
のため情報信号４１の振幅が十分得られている場合に
は、コンパレーター３１の出力である信号４３はＨｉに
なる。信号４３は、遅延回路３４とマルチバイブレータ
ー３２とＤ−ＦＦ３３のリセットに入力される。遅延回
路３４は、信号４３とマルチバイブレーター３２の出力
信号４４がＤ−ＦＦ３３で同時に変化するのを防止する
ためのに、信号４３を１〜２クロック周期遅延させる。
マルチバイブレーター３２は、信号４３の立ち上がりか
ら一定時間（Ｔ）だけＨｉとなる信号４４を出力する。
そして、信号４４のＨｉ期間中に再び信号４３が立ち上
がると、Ｈｉ期間は更にＴ時間延長される。これにより
Ｄ−ＦＦ３３は、信号４３が立ち下がるとＬｏとなり、
信号４３がＴ時間連続してＨｉの時はじめてＨｉとなる
信号４５を出力する。この時間Ｔはアドレス検出装置５
がアドレスを検出するのに必要とする時間よりも短い時
間を設定してあり、一般的なＤＡＤの場合はアドレス検
出に最低でも１３．３ミリ秒を必要とするのに対して、
Ｔは３〜５ミリ秒程度である。

【００１６】このためトラッキング制御判定装置９は、
情報信号がＴ時間以上十分な振幅が得られた場合、つま
りトラッキング制御が安定している場合にＨｉを出力す
ることになる。つぎに、コントローラー８はトラックカ
ウント装置４のカウント値がトラック数計算装置６の計
算値と一致しているかどうかを調べる。二つの値が一致
している場合は、従来のアドレス検索装置と同様にアド
レス検出装置５によりアドレスが検出されるのを待つ。
そして検出された現在アドレスが目的アドレスの存在す
るトラック上にあれば回転待ち動作となり、目的のアド
レスを検出してアクセス動作を終了することになる。一
方、二つの値が一致していない場合には、コントローラ
ー８は再度スイッチ１０をｂに接続し、二つの差の数だ
けピックアップ１を駆動する。この間トラックカウント
装置４はトラックのカウントを継続している。そして駆
動終了後は、トラッキング制御判定装置９の出力がＨｉ
になるのを待って、コントローラー８はトラックカウン
ト装置４の値とトラック数計算装置６の値を再度比較し
て、一致していれば従来のアクセス動作と同様の動作を
行い、一致していなければ上記の動作を繰り返す。

【００１７】以上のように本実施例によれば、駆動が正
確ではない場合に、アドレスの検出を待たずに再度光ピ
ックアップ１の駆動を行うため、次の駆動に移るまでの
時間を１０〜２０ミリ以上短縮することができる。ま
た、トラッキングが安定してから駆動を行うため、光ピ
ックアップ１の駆動を安定したものにすることができ
る。

【００１８】なお、本実施例ではトラッキング判定装置
９をコンパレーター、マルチバイブレータ等を用いて構
成したが、コンパレーターの代わりにアナログ−ディジ
タル変換器（ＡＤＣ）を用い、マルチバイブレーターの
代わりにタイマーを用い、コントローラー８によりＡＤ
Ｃの出力をタイマーを使用して時間を監視する構成も可
能である。この場合、ＡＤＣとタイマーをコントローラ
ー８内に取り込むことが可能であり、部品点数を削減す
ることができる。

【００１９】

【発明の効果】本発明は、制御判定装置を設けることに
より、トラッキング制御が安定したことを素早く検出す
ることができ、さらに計算装置による移動すべきトラッ
ク数とカウント装置による移動したトラック数が異なっ
ている場合に、アドレス検出装置がアドレスを検出する
のを待たずにピックアップ手段を駆動することにより、
アクセス時間を短縮することができる優れたディスク再
生装置のアドレス検索装置を実現することができるもの
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例のディスク再生装置のアドレス
検索装置のブロック図

【図２】同実施例のタイミングチャート

【図３】同実施例に使用されるトラッキング制御判定装
置の一例を示す回路図

【図４】同トラッキング制御判定装置のタイミングチャ
ート

【図５】従来のディスク再生装置のアドレス検索装置の
ブロック図

【図６】同ディスク再生装置のアドレス検索装置のタイ
ミングチャート

【符号の説明】

１ 光ピックアップ ２ トラッキング制御装置 ３ パルス発生装置 ４ トラックカウント装置 ５ アドレス検出装置 ６ トラック数計算装置 ７ 振幅検出装置 ８ コントローラー ９ トラッキング制御判定装置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】検索すべきアドレスとピックアップ手段の
   現在位置とのアドレスの差異に応じて横断すべきトラッ
   ク数を算出し、その算出されたトラック数だけトラッキ
   ング制御を外した状態で前記ピックアップ手段をディス
   クの直径方向に駆動する駆動手段により移動させた後、
   前記ピックアップ手段にトラッキング制御を掛けた状態
   でそのピックアップ手段から逐次読み取られるアドレス
   と前記の検索すべきアドレスとを比較し、その両者の一
   致を確認して検索を終了するディスク再生装置のアドレ
   ス検索装置において、トラッキング制御を外した状態で
   の前記駆動手段によるピックアップ手段の駆動終了後、
   前記ピックアップ手段にトラッキング制御を掛け、その
   トラッキング制御が正常に掛かった状態で、かつ前記の
   算出したトラック数と横断したトラック数が異なる場合
   は、ディスクからのアドレスの検出を待たずに再度トラ
   ッキング制御を外して前記駆動手段によりその差異だけ
   ピックアップ手段をディスクの直径方向に移動せしめ、
   前記両トラック数が一致した後、再度トラッキング制御
   を掛けた状態でそのピックアップ手段から逐次読み取ら
   れるアドレスと前記の検索すべきアドレスとを比較し、
   その両者の一致を確認して検索を終了することを特徴と
   するディスク再生装置のアドレス検索装置。
2. 【請求項２】ピックアップ手段からの出力の振幅が予め
   定められた値以上で予め定められた期間連続した時、ト
   ラッキング制御が正常に掛かっていると判断することを
   特徴とする請求項１記載のディスク再生装置のアドレス
   検索装置。