JPH05257251A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JPH05257251A
JPH05257251A JP8762292A JP8762292A JPH05257251A JP H05257251 A JPH05257251 A JP H05257251A JP 8762292 A JP8762292 A JP 8762292A JP 8762292 A JP8762292 A JP 8762292A JP H05257251 A JPH05257251 A JP H05257251A
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博之 尾崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 処理ムラがなく、処理安定性に優れた画像形
成方法とする。 【構成】 回転ドラムと、前記回転ドラムの外周に圧接
する貼り合わせローラとの間で熱現像感光材料と色素固
定材料とを、順次、挟持して貼り合わせ、かつ貼り合わ
せた状態で前記回転ドラムの外周に密着して巻き付けて
熱現像・転写を行う画像形成方法において、熱現像感光
材料に酸処理ゼラチンを用いた保護層を有するものを用
い、好ましくは貼り合わせ時の圧力を10kg/cm2以下と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転ドラムと、この外
周に圧接する貼り合わせローラとを用いて熱現像感光材
料と色素固定材料とを貼り合わせ、この状態で回転ドラ
ムの外周に巻き付けて熱現像・転写を行う画像形成方法
に関し、特に現像・転写時の処理ムラが防止された画像
形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近のフォイスオートメーションの進展
による業務用画像機器の進歩、電子スチルカメラの登
場、ビデオやファクシミリの普及、コンピュータグラフ
ィックの進展、イメージセンサの発展と原画のデジタル
処理技術の進展などに伴い、一旦電気信号に変換された
画像情報からカラーハードコピーを得るという要求が高
まっている。
【0003】カラーハードコピーを得る方法には、電子
写真、インクジェット、感熱転写、銀塩写真等様々な方
式が知られている。ところが、インクジェットや感熱転
写方式は、画質面でまだ不十分なところがあり、高画
質、かつ簡易迅速処理可能なシステムの開発が待たれて
いた。
【0004】一方、ハロゲン化銀を用いる写真法は他の
写真法、例えば電子写真やジアゾ写真法に比べて感度や
階調調節などの写真特性に優れているので、従来から最
も広範囲に用いられてきた。
【0005】近年になってハロゲン化銀を用いた感光材
料の画像形成処理法を従来の現像液等による湿式処理か
ら加熱等による乾式処理に変えることにより簡易で迅速
に画像を得ることのできる技術が開発されてきた。
【0006】熱現像感光材料は、当該技術分野では公知
であり、熱現像感光材料とそのプロセスについては、例
えば写真工学の基礎(1979年コロナ社発行)の55
3〜555頁、1978年4月発行映像情報40頁、ネ
ブレッツ、フォトフラフィーとリプログラフィーのハン
ドブック第7版(Nebletts,Handbook
of Photography and Repro
graphy 7thEd.)ヴァン.ノストランド.
ラインホールド.カンパニー(Van Nostran
d Reinhold Company)の32〜33
頁、米国特許第3152904号、同3301678
号、同3392020号、同3457075号、英国特
許第1131108号、同1167777号およびリサ
ーチ・ディスクロージャー誌、1978年6月号9〜1
5頁(RD−17029)に記載されている。
【0007】また、加熱により像を得る種々の方法が例
えばリサーチ・ディスクロージャー誌、1978年5月
号54〜58頁(RD−16966号)、同1976年
4月号30〜32頁(RD−14433号)、米国特許
第3985655号、同4463079号、同4474
867号、同4478927号、同4507380号、
同4507380号、同4483914号等に記載され
ている。
【0008】これらはいずれも加熱によって色素を生成
もしくは放出させ色素の像様分布を形成させるものであ
り、短時間で色素の像様分布が得られる特徴がある。
【0009】従来の感光材料は、青、緑、赤の分光感度
を持っており、このような感光材料に一旦電気信号に変
換された画像情報を用いて画像を得るにはカラーCRT
(カソードレイチューブ)を露光光源として使うことが
一般的であるが、CRTは大サイズのプリントを得るに
は不適当である。
【0010】また、大サイズのプリントを得ることが可
能な書き込みヘッドとして、発光ダイオード(LED)
や半導体レーザーが開発されている。しかしこれらの光
書き込みヘッドは効率よく青を発光するものが開発され
ていない。
【0011】従って、例えば発光ダイオード(LED)
を使用する場合は、近赤外(800nm)、赤(670n
m)と黄(570nm)の3つの発光ダイオードを組み合
わせた光源により、近赤外、赤および黄色に分光増感さ
れた3つの層を有するカラー感光材料を露光する必要が
あり、このような構成で画像記録を行うシステムが「日
経ニューマテリアル」1987年9月14日号第47〜
57頁に記載されており、一部実用されている。
【0012】また、880nm、820nm、760nmの発
光を示す3つの半導体レーザーを組み合わせた光源で各
々の波長に分光感度を持つ3つの感光層を有するカラー
感光材料に記録するシステムが特開昭61−13714
9号に記載されている。
【0013】画像および/または転写工程における加熱
方法としては、加熱されたブロックやプレートに接触さ
せたり、熱板、ホップレッサー、熱ローラ、ハロゲンラ
ンプヒーター、赤外および遠赤外ランプヒーターなどに
接触させたり、高温の雰囲気中を通過させるなどがあ
る。
【0014】異なる2枚の画像記録材料を重ね合わせ、
密着させる時の圧力条件や圧力を加える方法は特開昭6
1−147244号27頁に記載の方法がある。
【0015】また、画像形成方法を行う熱現像装置とし
ては、例えば、特開昭59−75247号公報に、露光
部で露光ヘッドを用いて熱現像感光材料へ像様露光した
後に、感光材料に例えば水等の画像形成溶媒をローラに
より塗布し、これを熱現像部へと送って熱現像を行い、
転写部で色素固定材料へ画像を熱転写する画像形成装置
が提案されている。
【0016】ところが、このような画像形成装置で色素
を転写させて画像を得るようなカラー感光材料を用いた
画像形成方法の場合、現像ムラ、転写ムラ等に起因す
る、いわゆる処理ムラの発生を防止することが重要な課
題となっている。
【0017】特に、熱現像カラー感光材料を用いた画像
形成方法の場合は、現像・転写の工程時の高温が加わる
ため、さらに処理ムラの発生を防止することが難しくな
っている。
【0018】そして、このような処理ムラの発生は、現
像・転写時の温度や水塗布量等の条件に左右されるた
め、処理安定性に欠けるという問題がある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、現像
・転写時の処理ムラの発生が防止され、かつ処理安定性
に優れた画像形成方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(4)の本発明により達成される。 (1)回転ドラムと、前記回転ドラムの外周に圧接する
貼り合わせローラとの間で、熱現像感光材料と色素固定
材料とを貼り合わせ、この貼り合わせた状態で前記回転
ドラムの外周に密着して巻き付けて熱現像・転写を行う
画像形成方法において、前記熱現像感光材料が酸処理ゼ
ラチンを用いた保護層を有することを特徴とする画像形
成方法。
【0021】(2)前記貼り合わせ時の圧力が10.0
kg/cm2以下である上記(1)に記載の画像形成方法。
【0022】(3)前記熱現像・転写温度が70〜99
℃である上記(1)または(2)に記載の画像形成方
法。
【0023】(4)前記貼り合わせ時の熱現像感光材料
と色素固定材料との搬送速度が10mm/sec以上である上
記(1)ないし(3)のいずれかに記載の画像形成方
法。
【0024】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。本発明に用いる熱現像感光材料は、酸処理
ゼラチンを用いた保護層を有するものである。このた
め、レチキュレーションの発生が防止され、処理ムラの
発生が防止される。また、熱現像・転写の際の温度や水
塗布量等の処理条件に左右されることなく、処理ムラの
発生を防止することができ、処理安定性に優れたものと
なる。
【0025】本発明における処理安定性とは、上記のよ
うに、処理ムラに関するもので、その処理ムラとは熱現
像転写処理中に発生する円形の泡状の濃度ムラで、その
部分は濃度が低く、色素の転写が遅れていることを示し
ている。
【0026】本発明者は、このような処理ムラの発生お
よび処理安定性について、画像記録材料の面から検討を
行ったところ、レチキュレーションの発生のしやすさと
処理ムラの発生のしやすさとがよく対応していることを
見い出した。そして、熱現像感好材料の保護層に酸処理
ゼラチンを用いることによって、レチキュレーションの
発生が格段に防止されること、また熱現像・転写温度や
水塗布量等の処理条件の変動に、レチキュレーションの
発生が左右されないことを見い出し、本発明をなすに至
ったものである。
【0027】そして、本発明の効果は、保護層に酸処理
ゼラチンを用いることによってはじめて得られるもので
あり、例えばアルカリ処理ゼラチンのような他の種類の
ゼラチンを用いては得られるものではない。
【0028】このような酸処理ゼラチンは、保護層に用
いるゼラチン全体の20wt% 以上、好ましくは60wt%
以上とすればよく、特に、保護層用ゼラチンのすべてを
酸処理ゼラチンとすることが好ましい。
【0029】ここで、保護層とは、感光材料において、
支持体を介して感光層側の最上層に位置する非感光層を
いう。
【0030】なお、酸処理ゼラチンは市販品を用いれば
よく、その具体例については後述する。
【0031】本発明において、熱現像・転写は、熱現像
感光材料と色素固定材料とを、回転ドラムとこの回転ド
ラムの外周に圧接する貼り合わせローラとの間で、順
次、挾持して貼り合わせ、かつ貼り合わせた状態で前記
回転ドラムの外周に密着して巻付けて行うものである。
【0032】従って、前記のような円形泡状の濃度ムラ
は、前記のレチキュレーションのほか、上記のような方
法を採る場合、現像・転写の際に感光材料と色素固定材
料との密着性が低下し、両者が剥離することによっても
生じているものと考えられる。その原因は、加熱して現
像・転写する際の高温により何らかのガス(水蒸気も含
む)が発生し、このガスの圧力に抗しきれずに感光材料
と色素固定材料とが部分的に剥離するものと考えられ
る。
【0033】従って、これらガスの発生を抑制すること
ができれば、感光材料と色素固定材料との間の剥離は起
こらず、処理ムラは防止できるのであるが、熱現像方式
の場合は、現像・転写工程に熱が加わるため、これらガ
スの発生は不可避である。
【0034】そこで、感光材料と色素固定材料との密着
性を低下させている主要因を解明し、密着性を改良する
ことができれば、現像・転写の際に発生するガスの圧力
に抵抗して、感光材料と色素固定材料が剥離しにくくな
り、上記処理ムラは防止されるものと考え、検討を行っ
た。
【0035】まず、装置上のパラメーターとしては貼り
合わせ時の圧力、貼り合わせローラの形状、材質、貼り
合わせ時の搬送速度等、数多く挙げられるが、その中で
も貼り合わせ時の圧力が最も処理ムラの発生に影響する
ことを見い出した。
【0036】従って、本発明において、貼り合わせ時の
圧力は、10.0kg/cm2以下とすることが好ましく、さ
らには0.2〜10.0kg/cm2、特に0.2〜5kg/cm2
とすることが好ましい。
【0037】このような圧力とすることによって、感光
材料と色素固定材料との密着性を確保することができ、
処理ムラの発生を防止することができる。このような圧
力は高い方が強い密着性を得る上で好ましいが、圧力が
高くなって、特に10.0kg/cm2をこえると転写ズレが
起こりやすくなり、好ましくない。
【0038】また、貼り合わせ時の感光材料および色素
固定材料の搬送速度は、10mm/sec以上とすることが好
ましく、さらには10〜80mm/sec、特に40〜60mm
/secとすることが好ましい。
【0039】このような搬送速度とすることは、感光材
料と色素固定材料との密着性を得る上で好ましい。これ
に対し、搬送速度が小さくなって、特に10mm/sec未満
となると、水塗布時の画面内での水量ムラを生じやす
く、これに対応した処理ムラの発生を起こしやすい。
【0040】以上より、本発明は、処理ムラの発生を感
光材料および熱現像・転写条件の両面から防止し、さら
に感光材料によって処理安定性を得るものである。
【0041】本発明の画像形成方法に用いる熱現像装置
については、特開昭59−75247号、同59−17
7547号、同59−181353号、同60−189
51号、実開昭62−25944号、特開平2−665
42号等に記載されている装置などがある。
【0042】また本発明のように熱現像感光材料と色素
固定材料とを重ね合わせて、現像と転写を同時に行う装
置も提案されており、デスクトップユースに適するよう
なコンパクト性も備えている。
【0043】例えば、この種の画像装置では、感光材料
と色素固定材料は、マガジンにそれぞれロール状に巻き
とられて収容されており、画像記録処理を行う度に順次
引き出して使用される。しかし、前記に限定されるもの
ではなく、両材料共シート、あるいは一方がシート供給
でもよい。また画像記録装置には、加熱ドラムとこの加
熱ドラムの外周に圧接し加熱ドラムと共に回転する無端
圧接ベルトが配置されている。
【0044】マガジンから所定寸法引き出されて切断さ
れた感光材料は、搬送されながら画像露光され、さらに
必要により転写促進溶媒としての水が塗布される。一
方、色素固定材料もマガジンから所定寸法引き出されて
切断され、水塗布後の感光材料へと搬送されて重ね合わ
され、この状態で加熱ドラムの外周へ密着して巻き付け
られる。さらに、両材料は加熱ドラムと無端圧接ベルト
との間で挾持搬送されながら感光材料が熱現像されると
共に色素固定材料へ色素画像が転写され、所定の画像が
色素固定材料に形成される構成である。
【0045】このとき、加熱ドラムの大きさとしては、
半径5〜30cmで、長さ15〜50cmぐらいが好まし
い。
【0046】加熱源としては、ハロゲンランプ、ニクロ
ム線、カーボンヒーター、セラミックヒーター等、任意
のものが使用でき、温度範囲としては、70〜99℃が
好ましい。
【0047】このような温度範囲とすることにより、現
像・転写を支障なく行うことができ、しかも処理ムラを
防止する上でも好ましい。あまり温度が低すぎると現像
・転写が進行せず、一方温度が高くなりすぎると処理ム
ラの点で不利になる。
【0048】また、熱現像感光材料と色素固定材料とを
重ね合わせる方式としては、前記加熱ドラムに密着した
貼り合わせローラの間を通過させる方式が好ましい。
【0049】またさらに、水塗布時の水温は、25〜7
0℃の範囲が好ましい。
【0050】図1および図2には、本発明に用いる画像
形成装置の一構成例が示されている。図1は、画像形成
装置全体の外観を示す斜視図であり、図2は概略構成図
である。
【0051】図1および図2に示すように、画像形成装
置10は全体として箱型に構成されており、機台12に
は、全面扉13、側面扉15Aが取り付けられている。
各扉を解放することにより機台12内を露出状態とする
ことができる。なお、各扉には図示を省略したいわゆる
インターロック機構による安全装置が施されており、扉
が開放されると同時に所定部位の電源が切れるようにな
っている。
【0052】画像形成装置10の機台12内には感材マ
ガジン14が配置されており、感光材料16がロール状
に巻取られて収納されている。この感光材料16の幅方
向寸法は、例えば224mmとなっている。また感光材料
16は、後述のように、支持体上に感光性ハロゲン化
銀、バインダー、色素供与性化合物、還元剤を有するも
のであり、その感光(露光)面が装置の下方へ向いて巻
き取られている。
【0053】感材マガジン14は、感光材料16の幅方
向寸法に対応した長さに形成された胴部(図示省略)と
この胴部の両端部に固定された一対の側枠部から構成さ
れており、機台12に設けられた収容部内に収容されて
いる。
【0054】また、この収容部の感材マガジン14の引
出部分には図示を省略した内扉が配置されており、感材
マガジン14が収容部内に収納された状態では、機台1
2の前面扉13が開放した場合であっても収容部内に外
光が入り込むことが無く、収納された感光材料16が不
用意に感光しないようになっている。
【0055】感材マガジン14の感光材料取り出し口近
傍には、ニップローラ18およびカッタ20が配置され
ており、感材マガジン14から感光材料16を所定長さ
引出した後に切断することができる。カッタ20は例え
ば固定刃と移動刃から成るロータリータイプのカッタと
されており、移動刃を回転カム等によって上下に移動さ
せて固定刃と噛み合わせ感光材料16を切断する構成で
ある。
【0056】カッタ20の作動後には、ニップローラ1
8が逆転し、このニップローラ18に感光材料16の先
端部が僅かにニップされる程度まで巻き戻されるように
なっている。
【0057】カッタ20の側方には、複数の搬送ローラ
19、21、23、24、26およびガイド板27が配
置されており、所定長さに切断された感光材料16を露
光部22へ搬送できるようになっている。
【0058】露光部22は搬送ローラ23と搬送ローラ
24との間に位置しており、これらの搬送ローラ間が露
光部(露光点)とされて感光材料16が通過するように
なっている。
【0059】なお、搬送ローラ23、搬送ローラ24に
よる感光材料16の搬送速度(露光部の通過速度)は、
例えば20mm/secとなっている。
【0060】露光部22の直上には露光装置38が設け
られている。
【0061】露光装置38には3種のLD、レンズユニ
ット、ポリゴンミラー、ミラーユニットが配置されてい
る。
【0062】感光材料16は露光後、スイッチバック経
過を経て、水塗布部62へ送り込まれるようになってい
る。
【0063】図3に詳細に示すように、水塗布部62で
は塗布タンク64が配置されている。また、塗布タンク
64の感光材料16搬送方向上流側の端部には一対の供
給ローラ66が配置されており、さらに、感光材料16
搬送方向下流側の端部には一対のスクイズローラ68が
配置されている。
【0064】供給ローラ66およびスクイズローラ68
は、例えば、共に外径20mmのシリコーンゴムローラと
されており、さらにそのゴム硬度は、供給ローラ66が
例えば60±5°とされ、スクイズローラ68が例えば
40±5°とされている。また、各ローラは、長手方向
両端部においてそれぞれ所定の加圧力(例えば、1kg)
が加えられている。
【0065】また、塗布タンク64の上方には、塗布タ
ンク64に対向してガイド板70が取り付けられてい
る。ガイド板70はアルミ等の金属材料によって形成さ
れており、このガイド板70と塗布タンク64との間が
感光材料16の通過部64となっている。したがって、
塗布タンク64内に水が充填された場合には、供給ロー
ラ66によってガイド板70と塗布タンク64との間へ
送り込まれた感光材料16に水が塗布され、さらに、ス
クイズローラ68により挾持搬送されることによって余
分な水が除去されるようになっている。
【0066】なおこの場合、ガイド板70と塗布タンク
64との間における感光材料16の水塗布長さ(感光材
料16が水の中を通過する長さ)は例えば100mmとな
っており、またその浸水時間は例えば2.5秒となって
いる。さらに、水塗布処理後(すなわち、スクイズロー
ラ68通過後)の感光材料16には、11±1cc/m2
水が塗布されるようになっている。
【0067】供給ローラ66は前記搬送経路(搬送ロー
ラ19、21、23、24、26およびガイド板27)
により搬送されてきた感光材料16のスキューを矯正す
るためのレジストレーションローラをかねている。
【0068】感光材料16は供給ローラ66により、ス
キュー矯正された後ガイド板70と塗布タンク64との
間へ送り込まれ、さらにスクイズローラ68によって挾
持搬送されるようになっている。
【0069】塗布タンク64の底面、すなわち感光材料
16通過面には、図3に示すように、複数列のリブ76
が感光材料16の搬送方向に対し傾斜して形成されてお
り、感光材料16がガイド板70と塗布タンク64との
間を通過する際の摩擦抵抗を減少すると共に、感光材料
16の一定位置に傷が付くことを防止できるようになっ
ている。また、塗布タンク64には、スクイズローラ6
8の収容部に連通する排水口90、オーバーフロー槽9
2に連通するオーバーフロー口94および補助オーバー
フロー口95が形成されている。
【0070】一方、前述したガイド板70の中心部には
貫通孔72が形成されて水の供給路とされている。ガイ
ド板70の上部にはセラミックヒータ102が取り付け
られており、貫通孔72を通過する水を昇温(例えば、
40±2℃)させて塗布タンク64内へ充填することが
できる。
【0071】以上の構成による塗布タンク64、ガイド
板70およびスクイズローラ68は全体として一つのユ
ニットとして構成されている。
【0072】前述のように構成された水塗布部62には
複数のパイプが連結されて水を供給できるようになって
いる。ここで、図4には水塗布部62の給水系統図が示
されている。
【0073】水塗布部62のガイド板70の貫通孔72
には供給パイプ78が連結されている。この供給パイプ
78の中間部にはポンプ80およびフィルタ82が配置
されており、さらに供給パイプ78の他端は開放蓋84
に支持されて補充タンク86内に位置している。補充タ
ンク86には、画像形成用溶媒としての水が充填されて
いる。このため、ポンプ80を駆動することによって補
充タンク86内の水をガイド板70を介して塗布タンク
64へ充填(補充)することができるようになってい
る。
【0074】一方、塗布タンク64の排水口90には、
一端が補充タンク86に連結された排出パイプ96の他
端が連結されており、さらに、この排出パイプ96の中
間部には電磁弁98が配置されている。この電磁弁98
は、電源が入ったときは閉鎖状態となり電源が切れたと
き、開放状態となり排出パイプ96を介して塗布タンク
64内の水を補充タンク86へ排出することができるよ
うになっている。また電磁弁98は、機台12に対し若
干傾斜した状態で固定されており、内部に排水が残留す
ることを防止している。また、塗布タンク64のオーバ
ーフロー口94には、一端が排出パイプ96の中間部
(電磁弁98と補充タンク86との間)に連結された排
出パイプ100の他端が連結されている。さらに、補助
オーバーフロー口95には排出パイプ101が連結され
ており、さらに排出パイプ101の他端はタンクトレイ
103内に導かれている。
【0075】水塗布部62の側方には熱現像転写部10
4が配置されており、水塗布された(スクイズローラ6
8通過後の)感光材料16が送りこまれるようになって
いる。
【0076】一方、感材マガジン14の側方の機台12
には受材マガジン106が配置されており、受像材料で
ある色素固定材料108がロール状に巻取られて収納さ
れている。色素固定材料108の幅方向寸法は感光材料
16よりも小さく(例えば、210mm)形成されてい
る。また、色素固定材料108の画像形成面には媒染剤
を有する色素固定材料が塗布されており、この画像形成
面が装置の上方へ向いて巻き取られている。
【0077】受材マガジン106は、感材マガジン14
と同様に、胴部とこの胴部の両端部に固定された一対の
側枠部から構成されており、機台12の全面側(図1紙
面手前側すなわち巻取られた色素固定材料108の幅方
向)へ引出し可能となっている。
【0078】受材マガジン106の色素固定材料取出し
口近傍には、ニップローラ110が配置されており、受
材マガジン106から色素固定材料108を引き出すと
共にそのニップを解除することができる。
【0079】ニップローラ110の側方にはカッタ11
2が配置されている。カッタ112は前述の感光材料用
の20と同様に、例えば固定刃と移動刃から成るギロチ
ンタイプのカッタとされており、移動刃を回転カム等に
よって上下に移動させて固定刃と噛み合わせることによ
り、受材マガジン106から引き出された色素固定材料
108を感光材料16よりも短い長さに切断するように
なっている。
【0080】所定長さに切断された色素固定材料108
は、色素固定材料搬送部180によって案内されて熱現
像転写部104へ搬送されるようになっている。
【0081】色素固定材料搬送部180には複数の搬送
ローラ186、190、114およびガイド板182が
配置されており、所定長さに切断された色素固定材料1
08を熱現像転写部104へ搬送するようになってい
る。
【0082】また搬送ローラ114は前記色素固定材料
搬送部180により搬送されてきた色素固定材料108
のスキューを矯正するためのレジストレーションローラ
をかねており、色素固定材料108は搬送ローラ114
によりスキュー矯正された後熱現像転写部104へ搬送
できるようになっている。
【0083】色素固定材料搬送部180の上方には熱現
像転写部104が配置されている。
【0084】図5に示すように、熱現像転写部104は
加熱ドラム116と無端圧接ベルト118とによって構
成されており、さらに、水塗布部62側の加熱ドラム1
16外周には貼り合わせローラ120が配置されてい
る。
【0085】この貼り合わせローラ120と水塗布部6
2のスクイズローラ68との間には、感光材料16の搬
送経路上側にガイド板122が配置されており、スクイ
ズローラ68から送られる感光材料16の裏面(画像形
成面と反対側)に対応してこれを貼り合わせローラ12
0へ案内している。
【0086】また、ガイド板122に対向する位置には
ブレードガイド124が配置されている。このブレード
ガイド124は、貼り合わせローラ120と色素固定材
料108の搬送ローラ114との間にあり、搬送ローラ
114から送られる色素固定材料108に対応してこれ
を貼り合わせローラ120へ案内している。ブレードガ
イド124の表面にはゴミ取りシートが貼り付けられ、
色素固定材料108に付着した塵を除去している。
【0087】貼り合わせローラ120は、軸線方向中央
部の外形が例えば22mmのローラで、外周面にはシリコ
ーンゴム(例えば、肉厚2.35mm)が被覆されてお
り、さらにそのゴム硬度はほぼ40°とされている。ま
た、貼り合わせローラ120は、長手方向両端部におい
てそれぞれ前記範囲内の所定の加圧力(例えば、1kg/c
m2)が加えられて加熱ドラム116外周に圧接されてい
る。この貼り合わせローラ120は、駆動系を介してド
ラムモータ200に連結されており、ドラムモータ20
0の駆動力が伝達されて回転するようになっている。な
おここで、貼り合わせローラ120による感光材料16
と色素固定材料108の搬送速度に対し、スクイズロー
ラ68や搬送ローラ114による感光材料16または色
素固定材料108の搬送速度が若干(例えば、2%程
度)遅くなるように設定されており、これによって、感
光材料16および色素固定材料108には、貼り合わせ
ローラ120へ送り込まれる際にバックテンションが作
用するようになっている。
【0088】なお、貼り合わせ時の感光材料16および
色素固定材料108の搬送速度は前記のとおりである。
また、加熱ドラムの周速は40m/sec となっている。
【0089】加熱ドラム116は、薄肉のアルミパイプ
によって作製されており、本構成例においては、肉厚3
mm、外径166mm、軸線方向有効幅300mmに形成され
ている。加熱ドラム116の表面には、黒色アルマイト
処理が施されており、また、内周面にも黒色アルマイト
処理が施されている。
【0090】熱現像転写部104へ搬送される感光材料
16は、貼り合わせローラ120と加熱ドラム116と
の間に送り込まれ、また、色素固定材料108は感光材
料16の搬送に同期し、感光材料16が所定長さ(本構
成例においては20mm)先行した状態で貼り合わせロー
ラ120と加熱ドラム116との間に送り込まれて重ね
合わせられるようになっている。この場合、色素固定材
料108は感光材料16よりも幅方向寸法及び長手方向
寸法がいずれも小さい寸法となっているため、感光材料
16の周辺部は四辺とも色素固定材料108の周辺部か
ら突出した状態で重ね合わせられる構成である。
【0091】またさらに、加熱ドラム116の側壁には
130とフィラー131が固着されている。このカム1
30は、後述する剥離爪154および176に係合可能
となっており、加熱ドラム116の回転に伴って剥離爪
154および176を回動させるようになっている。フ
ィラー131は、加熱ドラム116と感光材料16およ
び色素固定材料108の位置合わせの検出用に使用され
ている。
【0092】加熱ドラム116の内部には、一対のハロ
ゲンランプ132A、132Bが配置されている。ハロ
ゲンランプ132A、132Bはそれぞれ例えば400
Wと450Wの出力となっており、加熱ドラム116の
表面を前記した所定温度に昇温(例えば、83℃)でき
るようになっている。この場合、昇温開始時には二つの
ハロゲンランプ132A、132Bが共に用いられ、そ
の後の通常運転時には一方のハロゲンランプ132Aの
みが用いられるようになっている。
【0093】加熱ドラム116の外周に圧接する無端圧
接ベルト118は、織布材をゴムで被覆した構成となっ
ており、本構成例においては幅方向寸法が224mmに形
成されている。織布材は、芳香族ポリアミド繊維(例え
ば、ケプラーあるいはノーメックス:いずれもdu P
ont社の登録商標)等の耐熱性の繊維によって縫製さ
れている。また、被覆用のゴムはカーボンを含有したシ
リコーンゴムとされており、導電性を有している。
【0094】この無端圧接ベルト118は、5本の巻き
掛けローラ134、135、136、138、140に
巻き掛けられており、巻き掛けローラ134と巻き掛け
ローラ140との間の無端状外側が加熱ドラム116の
外周に圧接されている。
【0095】この場合、図6および図7に示すように、
無端圧接ベルト118は感光材料116および色素固定
材料108を加熱ドラム116とによって挟持すると共
に、加熱ドラム116に対し外側に位置する感光材料1
6の幅方向両端部は、内側に位置する色素固定材料10
8幅方向両端部から突出して重ね合わされているため、
この突出部分が加熱ドラム116の外周に密着されるよ
うになっている。したがって、内側に位置する色素固定
材料108は外側に位置する感光材料16によって包み
込まれるようにして保持されることになり、両材料は強
固に密着しずれることが防止されている。
【0096】巻き掛けローラ134、135、136、
138はそれぞれステンレス製とされている。また、巻
き掛けローラ138はその軸線方向両端部が外側へ拡が
るテーパ状に形成されており、その長手方向両端部にお
いてそれぞれ2.0kg(実用範囲は、1.0〜3.0k
g)の加圧力を加熱ドラム116から離間する方向へ加
えている。これによって、無端圧接ベルト118を所定
の張力に保持すると共に片寄りを防止している。
【0097】一方、巻き掛けローラ140はゴムローラ
とされており、駆動系を介してドラムモータ200に連
結されており、ドラムモータ200の駆動力が伝達され
て巻き掛けローラ140が回転されるようになってい
る。巻き掛けローラ140が回転されると、この巻き掛
けローラ140に巻き掛けられた無端圧接ベルト118
が回転され、これに伴って、この無端圧接ベルト118
の回転力が加熱ドラム116との間の摩擦力によって加
熱ドラム116へ伝達されて加熱ドラム116が従動的
に回転される構成である。
【0098】なお、ドラムモータ200は複数の駆動部
(巻き掛けローラ140、貼り合わせローラ120、ス
クイズローラ68、屈曲案内ローラ142、剥離ローラ
174、感材排出ローラ158、160、受材排出ロー
ラ172A、172B、172C)を共に駆動してい
る。
【0099】貼り合わせローラ120によって重ね合わ
された感光材料16と色素固定材料108とは、重ね合
わせた状態のままで加熱ドラム116と無端圧接ベルト
118との間で加熱ドラム116のほぼ2/3周(巻き
掛けローラ134と巻き掛けローラ140の間)に渡っ
て挟持搬送されるようになっている。
【0100】さらに重ね合わされた感光材料16と色素
固定材料108が無端圧接ベルト118内に完全に収ま
ったとき加熱ドラム116は、一旦停止し(本構成例の
場合5〜15秒)加熱するようになっている。
【0101】感光材料16はこの挟持搬送時および停止
時において加熱されると、可動性の色素を放出し、同時
にこの色素が色素固定材料108の色素固定層に転写さ
れて画像が得られる構成である。
【0102】無端圧接ベルト118の材料供給方向下流
側の加熱ドラム116下部には、屈曲案内ローラ142
が配置されている。屈曲案内ローラ142は、ドラムモ
ータ200の駆動力を伝達されて回転するようになって
いる。また屈曲案内ローラ142は加熱ドラム116の
外周に圧接しており、このため、加熱ドラム116と無
端圧接ベルト118とによって搬送された感光材料16
または色素固定材料108をさらに挟持搬送できる。
【0103】屈曲案内ローラ142の材料供給方向下流
側の加熱ドラム116下部には、剥離爪154が軸15
6によって回動可能に軸支されている。剥離爪154は
加熱ドラム116の外周に対応しており、カム130の
作動によって加熱ドラム116に接離可能となってい
る。
【0104】剥離爪154が加熱ドラム116に当接し
た状態では、無端圧接ベルト118と加熱ドラム116
との間で挟持搬送される感光材料16と色素固定材料1
08のうち、所定長さ先行した状態で重ね合わされた感
光材料16の先端部のみに係合し、この先端部を加熱ド
ラム116の外周から剥離させることができ、さらに、
剥離された感光材料16は屈曲案内ローラ142に巻き
掛けられながら下方へ移動される構成である。
【0105】屈曲案内ローラ142および剥離爪154
の下方には感材排出ローラ158、160および複数の
ガイドローラ162が配置されており、屈曲案内ローラ
142に巻き掛けられながら下方へ移動される感光材料
16を、さらに搬送して廃棄感光材料収容箱178へ集
積できる。なお、感材排出ローラの搬送速度は加熱ドラ
ム116の周速より1〜3%遅くなるように設定されて
おり、感光材料16にテンションを与えながら、剥離し
ている。
【0106】この感材排出ローラ158、160は前述
のように熱現像転写部104駆動用のドラムモータ20
0の駆動力を伝達されて回転するようになっている。ま
たガイドローラの近傍には乾燥ファン感光材料165が
配置されており、感光材料16の乾燥を促進している。
【0107】屈曲案内ローラ142の上方の加熱ドラム
116近傍には、剥離ローラ174および176が配置
されている。この剥離ローラ174も前述のようにドラ
ムモータ200の駆動力を伝達されて回転するようにな
っており、加熱ドラム116と共に移動する色素固定材
料108を、剥離爪176と共に作用して加熱ドラム1
16の外周から剥して屈曲案内するようになっている。
【0108】剥離ローラ174および176の下方には
受材ガイド170が配置されると共に受材排出ローラ1
72A、172B、172Cが配置されている。
【0109】剥離ローラ174の近傍にはドラムファン
168が配置されている。このため、加熱ドラム116
に沿って移動する色素固定材料108は、加熱ドラム1
16の熱によって乾燥されるのみならず、このドラムフ
ァン168によっても乾燥を促進される。なお、このド
ラムファン168は雰囲気条件に対応して必要な場合に
作動する。これは加熱ドラム116の温度分布を均一に
維持するためである。
【0110】さらに乾燥を促進するためにガイド170
上に、セラミックヒーター210が配置されている。な
おヒーターの温度は70℃に設定されている。
【0111】ドラムファン168によって乾燥を促進さ
れながら剥離爪176によって加熱ドラム116の外周
から剥された色素固定材料108は、これらの受材ガイ
ド170および受材排出ローラ172によって搬送され
てトレイ177へ排出される構成である。
【0112】本発明に用いる画像形成装置は、図示例に
限らず種々のものであってよい。
【0113】本発明に用いる感光材料は、基本的には支
持体上に感光性ハロゲン化銀、バインダー、色素供与性
化合物(後述するように還元剤が兼ねる場合がある。)
を有するものであり、さらに必要に応じて有機金属塩酸
化剤などを含有させることができる。
【0114】これらの成分は同一の層に添加することが
多いが、反応可能な状態であれば別層に分割して添加す
ることもできる。例えば着色している色素供与性化合物
はハロゲン化銀乳剤の下層に存在させると感度の低下を
防げる。還元剤は熱現像感光材料に内蔵するのが好まし
いが、例えば後述する色素固定材料から拡散させるなど
の方法で、外部から供給するようにしてもよい。
【0115】イエロー、マゼンタ、シアンの3原色を用
いて色度図内の広範囲の色を得るためには、少なくとも
3層のそれぞれ異なるスペクトル領域に感光性を持つハ
ロゲン化銀乳剤層を組み合わせて用いる。例えば青感
層、緑感層、赤感層の3層の組合せ、緑感層、赤感層、
赤外感光層の組合せなどがある。各感光層は通常型のカ
ラー感光材料で知られている種々の配列順序を採ること
ができる。また、これらの各感光層は必要に応じて2層
以上に分割してもよい。
【0116】また、本発明は、黒白感光材料または、単
色カラー感光材料を用いることもできる。黒白感光材料
としては、色素供与性化合物が黒白の色素を放出する場
合、イエロー、マゼンタ、シアンの色素供与性化合物を
混合して、含有する場合等のいずれでもよい。
【0117】熱現像感光材料には、保護層、下塗り層、
中間層、黄色フィルター層、アンチハレーション層、バ
ック層等の種々の補助層を設けることができる。
【0118】そして、上記のうち保護層には、前記のよ
うに酸処理ゼラチンが用いられる。
【0119】本発明に使用し得るハロゲン化銀は、塩化
銀、臭化銀、沃臭化銀、塩臭化銀、沃塩化銀、塩沃臭化
銀のいずれでもよい。
【0120】本発明で使用するハロゲン化銀乳剤は、表
面潜像型乳剤であっても、内部潜像型乳剤であってもよ
い。内部潜像型乳剤は造核剤や光カブラセとを組合わせ
て直接反転乳剤として使用される。また、粒子内部と粒
子表層が異なる相を持ったいわゆるコアシェル乳剤であ
ってもよい。ハロゲン化銀乳剤は、単分散でも多分散で
もよく、単分散乳剤を混合して用いてもよい。粒子サイ
ズは、0.1μm から2μm 、特に0.2μm 〜1.5
μm が好ましい。ハロゲン化銀粒子の晶癖は、立方体、
八面体、十四面体、高アスペクト比の平板状、その他の
いずれでもよい。
【0121】具体的には、米国特許第4500626号
第50欄、同4628021号、リサーチ・ディスクロ
ージャー誌(以下RDと略記する)17029(197
8年)、特開昭62−253159号等に記載されてい
るハロゲン化銀乳剤のいずれもが使用できる。
【0122】ハロゲン化銀乳剤は未後熟のまま使用して
もよいが、通常は化学増感して使用する。通常型感光材
料用乳剤で公知の硫黄増感法、還元増感法、貴金属増感
法およびセレン増感法などを単独または組合わせて用い
ることができる。これらの化学増感を含窒素複素環化合
物の存在下で行うこともできる(特開昭62−2531
59号)。
【0123】本発明において使用される感光性ハロゲン
化銀の塗設量は、銀換算1mg/m2 ないし10g /m2 の範
囲である。
【0124】本発明においては、感光性ハロゲン化銀と
共に、有機金属塩を酸化剤として併用することもでき
る。このような有機金属塩の中、有機銀塩は、特に好ま
しく用いられる。
【0125】上記の有機銀塩酸化剤を形成するのに使用
し得る有機化合物としては、米国特許第4500626
号第52〜53欄等に記載のベンゾトリアゾール類、脂
肪酸その他の化合物がある。また特開昭60−1132
35号記載のフェニルプロピオール酸銀などのアルキニ
ル基を有するカルボン酸の銀塩や、特開昭61−249
044号記載のアセチレン銀も有用である。有機銀塩は
2種以上を併用してもよい。
【0126】以上の有機銀塩は、感光性ハロゲン化銀1
モルあたり、0.01ないし10モル、好ましくは0.
01ないし1モルを併用することができる。感光性ハロ
ゲン化銀と有機銀塩の塗布量合計は銀換算で50mg/m2
ないし10g /m2 が適当である。
【0127】本発明においては種々のカブリ防止剤また
は写真安定剤を使用することができる。その例として
は、RD17643(1978年)24〜25頁に記載
のアゾール類やアザインデン類、特開昭59−1684
42号記載の窒素を含むカルボン酸類およびリン酸類、
あるいは特開昭59−111636号記載のメルカプト
化合物およびその金属塩、特開昭62−87957号に
記載されているアセチレン化合物類などが用いられる。
【0128】本発明に用いられるハロゲン化銀は、メチ
ン色素類その他によって分光増感されてもよい。用いら
れる色素には、シアニン色素、メロシアニン色素、複合
シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシ
アニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素およびヘ
ミオキソノール色素が包含される。
【0129】具体的には、米国特許第4617257
号、特開昭59−180550号、同60−14033
5号、RD17029(1978年)12〜13頁等に
記載の増感色素が挙げられる。
【0130】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。
【0131】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない化
合物であって、強色増感を示す化合物を乳剤中に含んで
もよい(例えば米国特許3615641号、特開昭63
−23145号等に記載のもの)。
【0132】これらの増感色素を乳剤中に添加する時期
は化学熟成時もしくはその前後でもよいし、米国特許4
183756号、同4225666号に従ってハロゲン
化銀粒子の核形成前後でもよい。添加量は一般にハロゲ
ン化銀1モル当り10-8ないし10-2モル程度である。
【0133】感光材料や色素固定材料の構成層のバイン
ダーには親水性のものが好ましく用いられる。その例と
しては特開昭62−253159号の(26)頁〜(2
8)頁に記載されたものが挙げられる。具体的には、透
明か半透明の親水性バインダーが好ましく、例えばゼラ
チン、ゼラチン誘導体等のタンパク質またはセルロース
誘導体、デンプン、アラビアゴム、デキストラン、プル
ラン等の多糖類のような天然化合物と、ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド重合
体、その他の合成高分子化合物が挙げられる。また、特
開昭62−245260号等に記載の高吸水性ポリマ
ー、すなわち−COOMまたは−SO3 M(Mは水素原
子またはアルカリ金属)を有するビニルモノマーの単独
重合体またはこのビニルモノマー同士もしくは他のビニ
ルモノマーとの共重合体(例えばメタクリル酸ナトリウ
ム、メタクリル酸アンモニウム、住友化学(株)製のス
ミカゲルL−5H)も使用される。これらのバインダー
は2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0134】また、本発明で用いる酸処理ゼラチンとし
ては、新田ゼラチン社製「950ゼラチン」、ニッピゼ
ラチン社製「ABAゼラチン」、クロダゼラチン社製
「Croda−A148」などから任意に選択し、使用
することができる。
【0135】微量の水を供給して熱現像を行うシステム
を採用する場合、上記の高吸水性ポリマーを用いること
により、水の吸収を迅速に行うことが可能となる。ま
た、高吸水性ポリマーを色素固定層やその保護層に使用
すると、転写後に色素が色素固定材料から他のものに再
転写するのを防止することができる。
【0136】本発明において、バインダーの塗布量は1
m2当たり20g 以下が好ましく、特に10g 以下、さら
には7g 以下にするのが適当である。
【0137】感光材料または色素固定材料の構成層(バ
ック層を含む)には、寸度安定化、カール防止、接着防
止、膜のヒビ割れ防止、圧力増減感防止等の膜物性改良
の目的で種々のポリマーラテックスを含有させることが
できる。具体的には、特開昭62−245258号、同
62−136648号、同62−110066号等に記
載のポリマーラテックスのいずれも使用できる。特に、
ガラス転移点の低い(40℃以下)ポリマーラテックス
を媒染層に用いると媒染層のヒビ割れを防止することが
でき、またガラス転移点が高いポリマーラテックスをバ
ック層に用いるとカール防止効果が得られる。
【0138】本発明に用いる還元剤としては、熱現像感
光材料の分野で知られているものを用いることができ
る。また、後述する還元性を有する色素供与性化合物も
含まれる(この場合、その他の還元剤を併用することも
できる)。また、それ自身は還元性をもたないが現像過
程で求核試薬や熱の作用により還元性を発現する還元剤
プレカーサーも用いることができる。
【0139】本発明に用いられる還元剤の例としては、
米国特許第4500626号の第49〜50欄、同44
83914号の第30〜31欄、同4330617号、
同4590152号、特開昭60−140335号の第
(17)〜(18)頁、同57−40245号、同56
−138736号、同59−178458号、同59−
53831号、同59−182449号、同59−18
2450号、同60−119555号、同60−128
436号から同60−128439号まで、同60−1
98540号、同60−181742号、同61−25
9253号、同62−244044号、同62−131
253号から同62−131256号まで、欧州特許第
220746A2号の第78〜96頁等に記載の還元剤
や還元剤プレカーサーがある。
【0140】米国特許第3039869号に開示されて
いるもののような種々の還元剤の組み合わせも用いるこ
とができる。
【0141】耐拡散性の還元剤を使用する場合には、耐
拡散性還元剤として現像可能なハロゲン化銀との間の電
子移動を促進するために、必要に応じて電子伝達剤およ
び/または電子伝達剤プレカーサーを組み合せて用いる
ことができる。
【0142】電子伝達剤またはそのプレカーサーは、前
記した還元剤またはそのプレカーサーの中から選ぶこと
ができる。電子伝達剤またはそのプレカーサーはその移
動性が耐拡散性の還元剤(電子供与体)より大きいこと
が望ましい。特に有用な電子伝達剤は1−フェニル−3
−ピラゾリドン類またはアミノフェノール類である。
【0143】電子伝達剤と組み合せて用いる耐拡散性の
還元剤(電子供与体)としては、前記した還元剤の中で
感光材料の層中で実質的に移動しないものであればよ
く、好ましくはハイドロキノン類、スルホンアミドフェ
ノール類、スルホンアミドナフトール類、特開昭53−
110827号に電子供与体として記載されている化合
物および後述する耐拡散性で還元性を有する色素供与性
化合物等が挙げられる。
【0144】本発明においては還元剤の添加量は銀1モ
ルに対して0.01〜20モル、特に好ましくは0.1
〜10モルである。
【0145】本発明においては、画像形成物質として銀
を用いることができる。また、高温状態下で銀イオンが
銀に還元される際、この反応に対応して、あるいは逆対
応して可動性色素を生成するか、あるいは放出する化合
物、すなわち色素供与性化合物を含有することもでき
る。
【0146】本発明で使用しうる色素供与性化合物の例
としてはまず、酸化カップリング反応によって色素を形
成する化合物(カプラー)を挙げることができる。この
カプラーは4当量カプラーでも、2当量カプラーでもよ
い。また、耐拡散性基を脱離基に持ち、酸化カップリン
グ反応により拡散性色素を形成する2当量カプラーも好
ましい。この耐拡散性基はポリマー鎖をなしていてもよ
い。カラー現像薬およびカプラーの具体例はT.H.J
ames著“The Theory of the P
hotographic Process”第4版29
1〜334頁および354〜361頁、特開昭58−1
23533号、同58−149046号、同58−14
9047号、同59−111148号、同59−124
399号、同59−174835号、同59−2315
39号、同59−231540号、同60−2950
号、同60−2951号、同60−14242号、同6
0−23474号、同60−66249号等に詳しく記
載されている。
【0147】また、別の色素供与性化合物の例として、
画像状に拡散性色素を放出ないし拡散する機能を持つ化
合物を挙げることができる。この型の化合物は、次の一
般式〔LI〕で表わすことができる。
【0148】(Dye−Y)n −Z 〔LI〕
【0149】Dyeは色素基、一時的に短波化された色
素基または色素前駆体基を表わし、Yは単なる結合また
は連結基を表わし、Zは画像状に潜像を有する感光性銀
塩に対応または逆対応して(Dye−Y)n −Zで表わ
される化合物の拡散性に差を生じさせるか、または、D
yeを放出し、放出されたDyeと(Dye−Y)n
Zとの間に拡散性において差を生じさせるような性質を
有する基を表わし、nは1または2を表わし、nが2の
時、2つのDye−Yは同一でも異なっていてもよい。
【0150】一般式〔LI〕で表わされる色素供与性化
合物の具体例としては下記〜の化合物を挙げること
ができる。なお、下記の〜はハロゲン化銀の現像に
逆対応して拡散性の色素像(ポジ色素像)を形成するも
のであり、とはハロゲン化銀の現像に対応して拡散
性の色素像(ネガ色素像)を形成するものである。
【0151】米国特許第3134764号、同336
2819号、同3597200号、同3544545
号、同3482972号等に記載されている、ハイドロ
キノン系現像薬と色素成分を連結した色素現像薬。この
色素現像薬はアルカリ性の環境下で拡散性であるが、ハ
ロゲン化銀と対応する非拡散性になるものである。
【0152】米国特許第4503137号等に記され
ているとおり、アルカリ性の環境下で拡散性色素を放出
するがハロゲン化銀と反応するとその能力を失う非拡散
性の化合物も使用できる。その例としては、米国特許第
3980479号等に記載された分子内求核置換反応に
より拡散性色素を放出する化合物、米国特許第4199
354号等に記載されたイソオキサゾロン環の分子内巻
き換え反応により拡散性色素を放出する化合物が挙げら
れる。
【0153】米国特許第4559290号、欧州特許
第220746A2号、米国特許第4783396号、
公開技報87−6199等に記されているとおり、現像
によって酸化されずに残った還元剤と反応して拡散性色
素を放出する非拡散性の化合物も使用できる。
【0154】その例としては、米国特許第413938
9号、同4139379号、特開昭59−185333
号、同57−84453号等に記載されている還元され
た後に分子内の求核置換反応により拡散性の色素を放出
する化合物、米国特許第4232107号、特開昭59
−101649号、同61−88257号、RD240
25(1984年)等に記載された還元された後に分子
内の電子移動反応により拡散性の色素を放出する化合
物、西独特許第3008588A号、特開昭56−14
2530号、米国特許第4343893号、同4619
884号等に記載されている還元後に一重結合が開裂し
て拡散性の色素を放出する化合物、米国特許第4450
223号等に記載されている電子受容後に拡散性色素を
放出するニトロ化合物、米国特許第4609610号等
に記載されている電子受容後に拡散性色素を放出する化
合物等が挙げられる。
【0155】また、より好ましいのもとして、欧州特許
第220746A2号、公開技報87−6199、米国
特許第4783396号、特開昭63−201653
号、同63−201654号等に記載された一分子内に
N−X結合(Xは酸素、硫黄または窒素原子を表す)と
電子吸引性基を有する化合物、特開平1−26842号
に記載された一分子内にSO2 −X(Xは上記と同義)
と電子吸引性基を有する化合物、特開昭63−2713
44号に記載された一分子内にPO−X結合(Xは上記
と同義)と電子吸引性基を有する化合物、特開昭63−
271341号に記載された一分子内にC−X′結合
(X′はXと同義かまたは−SO2 −を表す)と電子吸
引性基を有する化合物が挙げられる。また、特開平1−
161237号、同1−161342号に記載されてい
る電子受容性基と共役するπ結合により還元後に一重結
合が開裂し、拡散性色素を放出する化合物も利用でき
る。
【0156】この中でも特に一分子内にN−X結合と電
子吸引性基を有する化合物が好ましい。その具体例は欧
州特許第220746A2号または米国特特許4783
396号に記載された化合物(1)〜(3)、(7)〜
(10)、(12)、(13)、(15)、(23)〜
(26)、(31)、(32)、(35)、(36)、
(40)、(41)、(44)、(53)〜(59)、
(64)、(70)、公開技報87−6199に記載さ
れた化合物(11)〜(23)などである。
【0157】拡散性色素を脱離基に持つカプラーであ
って還元剤の酸化体との反応により拡散性色素を放出す
る化合物(DDRカプラー)。具体的には、英国特許第
1330524号、特公昭48−39165号、米国特
許第3443940号同4474867号、同4483
914号等に記載されたものがある。
【0158】ハロゲン化銀または有機銀塩に対して還
元性であり、相手を還元すると拡散性の色素を放出する
化合物(DDR化合物)。この化合物は他の還元剤を用
いなくてもよいので、還元剤の酸化分解物による画像の
汚染という問題がなく好ましい。その代表例は、米国特
許第3928312号、同4053312号、同405
5428号、同4336322号、特開昭59−658
39号同59−69839号、同53−3819号、同
51−104343号、RD17465号、米国特許第
3725062号、同3728113号、同34439
39号、特開昭58−116537号、同57−179
840号、米国特許第4500626号等に記載されて
いる。DDR化合物の具体例としては前述の米国特許第
4500626号の第22欄〜第44欄に記載の化合物
を挙げることができるが、なかでも前記米国特許に記載
の化合物(1)〜(3)、(10)〜(13)、(1
6)〜(19)、(28)〜(30)、(33)〜(3
5)、(38)〜(40)、(42)〜(64)が好ま
しい。また米国特許第4639408号第37〜39欄
に記載の化合物も有用である。
【0159】その他、上記に述べたカプラーや一般式
〔LI〕以外の色素供与性化合物として、有機銀塩と色
素を結合した色素銀化合物(リサーチ・ディスクロージ
ャー誌1978年5月号、54〜58頁等)、熱現像銀
色素漂白法に用いられるアゾ色素(米国特許第4235
957号、リサーチ・ディスクロージャー誌1976年
4月号、30〜32頁等)、ロイコ色素(米国特許第3
985565号、同4022617号等)なども使用で
きる。
【0160】色素供与性化合物、耐拡散性還元剤などの
疎水性添加剤は米国特許第2322027号記載の方法
などの公知の方法により感光材料の層中に導入すること
ができる。この場合には、特開昭59−83154号、
同59−178451号、同59−178452号、同
59−178453号、同59−178454号、同5
9−178455号、同59−178457号などに記
載のような高沸点有機溶媒を、必要に応じて沸点50℃
〜160℃の低沸点有機溶媒と併用して用いることがで
きる。
【0161】高沸点有機溶媒の量は用いられる色素供与
性化合物1g に対して10g 以下、好ましくは5g 以下
である。また、バインダー1g に対して1cc以下、さら
には0.5cc以下、特に0.3cc以下が適当である。
【0162】特公昭51−39853号、特開昭51−
59943号に記載されている重合物による分散法も使
用できる。
【0163】水に実質的に不溶な化合物の場合には、前
記方法以外にバインダー中に微粒子にして分散含有させ
ることができる。
【0164】疎水性化合物を親水性コロイドに分散する
際には、種々の界面活性剤を用いることができる。例え
ば特開昭59−157636号の第(37)〜(38)
頁に界面活性剤として挙げたものを使うことができる。
【0165】本発明においては感光材料の現像の活性化
と同時に画像の安定化を図る化合物を用いることができ
る。好ましく用いられる具体的化合物については米国特
許第4500626号の第51〜52欄に記載されてい
る。
【0166】色素の拡散転写により画像を形成するシス
テムにおいては感光材料と共に色素固定材料が用いられ
る。色素固定材料は感光材料とは別々の支持体上に別個
に塗設される形態であっても、感光材料と同一の支持体
上に塗設される形態であってもよい。感光材料と色素固
定材料相互の関係、支持体との関係、白色反射層との関
係は米国特許第4500626号の第57欄に記載の関
係が本願にも適用できる。
【0167】本発明の画像形成方法に用いる、熱現像感
光材料の塗布液の塗設後の乾燥条件としては、乾燥点迄
の湿球温度が20℃以上である時間が少なくとも全乾燥
時間の20%以上しめることが好ましい。この乾燥条件
を採用することにより、生経時後の白抜け状微小ポツの
発生しにくい熱現像感光材料を得ることができる。
【0168】本発明の画像形成方法に好ましく用いられ
る色素固定材料は媒染剤とバインダーを含む層を少なく
とも1層有する。媒染剤は写真分野で公知のものを用い
ることができ、その具体例としては米国特許第4500
626号第58〜59欄や特開昭61−88256号第
(32)〜(41)頁に記載の媒染剤、特開昭62−2
44043号、同62−244036号等に記載のもの
を挙げることができる。また、米国特許第446307
9号に記載されているような色素受容性の高分子化合物
を用いてもよい。
【0169】色素固定材料には必要に応じて保護層、剥
離層、カール防止層などの補助層を設けることができ
る。特に保護層を設けるのは有用である。
【0170】感光材料および色素固定材料の構成層に
は、可塑剤、スベリ剤、あるいは感光材料と色素固定材
料の剥離性改良剤として高沸点有機溶媒を用いることが
できる。具体例には特開昭62−253159号の(2
5)頁、同62−245253号などに記載されたもの
がある。
【0171】さらに、上記の目的のために、各種のシリ
コーンオイル(ジメチルシリコーンオイルからジメチル
シロキサンに各種の有機基を導入した変性シリコーンオ
イルまでの総てのシリコーンオイル)を使用できる。そ
の例としては、信越シリコーン(株)発行の「変性シリ
コーンオイル」技術資料P6−18Bに記載の各種変性
シリコーンオイル、特にカルボキシ変性シリコーン(商
品名X−22−3710)などが有効である。
【0172】また、特開昭62−215953号、同6
3−46449号に記載のシリコーンオイルも有効であ
る。
【0173】感光材料や色素固定材料には退色防止剤を
用いてもよい。退色防止剤としては、例えば酸化防止
剤、紫外線吸収剤、あるいはある種の金属錯体がある。
【0174】酸化防止剤としては、例えばクロマン系化
合物、クマラン系化合物、フェノール系化合物(例えば
ヒンダードフェノール類)、ハイドロキノン誘導体、ヒ
ンダードアミン誘導体、スピロインダン系化合物があ
る。また、特開昭61−159644号記載の化合物も
有効である。
【0175】紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾー
ル系化合物(米国特許第3533794号など)、4−
チアゾリドン系化合物(米国特許第3352681号な
ど)、ベンゾフェノン系化合物(特開昭46−2784
号など)、その他特開昭54−48535号、同62−
136641号、同61−88256号等に記載の化合
物がある。また、特開昭62−260152号記載の紫
外線吸収性ポリマーも有効である。
【0176】金属錯体としては、米国特許第42411
55号、同4245018号第3〜36欄、同4254
195号第3〜8欄、特開昭62−174741号、同
61−88256号(27)〜(29)頁、同63−1
99248号、特開平1−75568号、同1−742
72号等に記載されている化合物がある。
【0177】有用な退色防止剤の例は特開昭62−21
5272号(125)〜(137)頁に記載されてい
る。
【0178】色素固定材料に転写された色素の退色を防
止するための退色防止剤は予め色素固定要素に含有させ
ておいてもよいし、感光材料などの外部から色素固定要
素に供給するようにしてもよい。
【0179】上記の酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属錯
体はこれら同士を組み合わせて使用してもよい。
【0180】感光材料や色素固定材料には蛍光増白剤を
用いてもよい。特に色素固定材料に蛍光増白剤を内蔵さ
せるか、感光材料などの外部から供給させるのが好まし
い。その例としては、K.Veenkataraman
編「The Chemistry of Synthe
tic Dyes」第V巻第8章、特開昭61−143
752号などに記載されている化合物を挙げることがで
きる。より具体的には、スチルベン系化合物、クマリン
系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリル系
化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合
物、カルボスチリル系化合物などが挙げられる。
【0181】蛍光増白剤は退色防止剤と組み合わせて用
いることができる。
【0182】感光材料や色素固定材料の構成層に用いる
硬膜剤としては、米国特許第4678739号第41
欄、特開昭59−116655号、同62−24526
1号、同61−18942号等に記載の硬膜剤が挙げら
れる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムア
ルデヒドなど)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜
剤、ビニルスルホン系硬膜剤(N,N′−エチレン−ビ
ス(ビニルスルホニルアセタミド)エタンなど)、N−
メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿素など)、あるい
は高分子硬膜剤(特開昭62−234157号などに記
載の化合物)が挙げられる。
【0183】感光材料や色素固定材料の構成層には、塗
布助剤、剥離性改良、スベリ性改良、帯電防止、現像促
進等の目的で種々の界面活性剤を使用することができ
る。界面活性剤の具体例は特開昭62−173463
号、同62−183457号等に記載されている。
【0184】感光材料や色素固定材料の構成層には、ス
ベリ性改良、帯電防止、剥離性改良等の目的で有機フル
オロ化合物を含ませてもよい。有機フルオロ化合物の代
表例としては、特公昭57−9053号第8〜17欄、
特開昭61−20944号、同62−135826号等
に記載されているフッ素系界面活性剤、またはフッ素油
などのオイル状フッ素系化合物もしくは四フッ化エチレ
ン樹脂などの固体状フッ素化合物樹脂などの疎水性フッ
素化合物が挙げられる。
【0185】感光材料や色素固定材料にはマット剤を用
いることができる。マット剤としては二酸化ケイ素、ポ
リオレフィンまたはポリメタクリレートなどの特開昭6
1−88256号(29)頁記載の化合物の他に、ベン
ゾグアナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビー
ズ、AS樹脂ビーズなどの特開昭63−274944
号、同63−274952号記載の化合物がある。
【0186】その他、感光材料および色素固定材料の構
成層には、熱溶剤、消泡剤、防菌防バイ剤、コロイダル
シリカ等を含ませてもよい。これらの添加剤の具体例は
特開昭61−88256号第(26)〜(32)頁に記
載されている。
【0187】本発明の画像形成方法において感光材料お
よび/または色素固定材料には画像形成促進剤を用いる
ことができる。画像形成促進剤には銀塩酸化剤と還元剤
との酸化還元反応の促進、色素供与性物質からの色素の
生成または色素の分解あるいは拡散性色素の放出等の反
応の促進および、感光材料層から色素固定層への色素の
移動の促進等の機能があり、物理化学的な機能からは塩
基または塩基プレカーサー、求核性化合物、高沸点有機
溶媒(オイル)、熱溶剤、界面活性剤、銀または銀イオ
ンと相互作用を持つ化合物等に分類される。ただし、こ
れらの物質群は一般に複合機能を有しており、上記の促
進効果のいくつかを合わせ持つのが常である。これらの
詳細については米国特許第4678739号第38〜4
0欄に記載されている。
【0188】塩基プレカーサーとしては、熱により脱炭
酸する有機酸と塩基の塩、分子内求核置換反応、ロッセ
ン転位またはベックマン転位によりアミン類を放出する
化合物などがある。その具体例は米国特許第45114
93号、特開昭62−65038号等に記載されてい
る。
【0189】少量の水の存在下に熱現像と色素の転写を
同時に行うシステムにおいては、塩基および/または塩
基プレカーサーは色素固定材料に含有させるのが感光材
料の保存性を高める意味で好ましい。
【0190】上記の他に、欧州特許公開210660
号、米国特許第4740445号に記載されている難溶
性金属化合物およびこの難溶性金属化合物を構成する金
属イオンと錯形成反応しうる化合物(錯形成化合物とい
う)の組合せや、特開昭61−232451号に記載さ
れている電解により塩基を発生する化合物なども塩基プ
レカーサーとして使用できる。特に前者の方法は効果的
である。この難溶性金属化合物と錯形成化合物は、感光
材料と色素固定材料に別々に添加するのが有利である。
【0191】本発明において感光材料および/または色
素固定材料には、現像時の処理温度および処理時間の変
動に対し、常に一定の画像を得る目的で種々の現像停止
剤を用いることができる。
【0192】ここでいう現像停止剤とは、適性現像後、
速やかに塩基を中和または塩基と反応して膜中の塩基濃
度を下げ現象を停止する化合物または銀および銀塩と相
互作用して現像を抑制する化合物であり、具体的には、
加熱により酸を放出する酸プレカーサー、加熱により共
存する塩基と置換反応を起す親電子化合物、または願窒
素ヘテロ環化合物、メルカプト化合物およびその前駆体
等が挙げられる。さらに詳しくは特開昭62−2531
59号(31)〜(32)頁に記載されている。
【0193】本発明の画像形成方法に用いる感光材料や
色素固定材料の支持体としては、処理温度に耐えること
のできるものが用いられる。一般的には、紙、合成高分
子(フィルム)が挙げられる。具体的には、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、セル
ロース類(例えばトリアセチルセルロース)またはこれ
らのフィルム中へ酸化チタンなどの顔料を含有させたも
の、さらにポリプロピレンなどから作られるフィルム法
合成紙、ポリエチレン等の合成樹脂パルプと天然パルプ
とから作られる混抄紙、ヤンキー紙、バライタ紙、コー
ティッドペーパー(特にキャストコート紙)、金属、布
類、ガラス類等が用いられる。
【0194】これらは、単独で用いることもできるし、
ポリエチレン等の合成高分子で片面または両面をラミネ
ートされた支持体として用いることもできる。
【0195】この他に、特開昭62−253159号
(29)〜(31)頁に記載の支持体を用いることがで
きる。
【0196】これらの支持体の表面に親水性バインダー
とアルミナゾルや酸化スズのような半導体金属酸化物、
カーボンブラックその他の帯電防止剤を塗布してもよ
い。
【0197】感光材料に画像を露光し記録する方法とし
ては、例えばカメラなどを用いて風景や人物などを直接
撮影する方法、プリンターや引伸機などを用いてリバー
サルフィルムやネガフィルムを通して露光する方法、複
写機の露光装置などを用いて、原画をスリットなどを通
して走査露光する方法、画像情報を電気信号を経由して
発光ダイオード、各種レーザーなどを発光させ露光する
方法、画像情報をCRT、液晶ディスプレイ、エレクト
ロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ
などの画像表示装置に出力し、直接または光学系を介し
て露光する方法などがある。
【0198】感光材料へ画像を記録する光源としては、
上記のように、自然光、タングステンランプ、発光ダイ
オード、レーザー光源、CRT光源などの米国特許第4
500626号第56欄記載の光源を用いることができ
る。
【0199】また、非線形光学材料とレーザー光等のコ
ヒーレントな光源を組み合わせた波長変換素子を用いて
画像露光することもできる。ここで非線形光学材料と
は、レーザー光のような強い光電界をあたえたときに現
れる分極と電解との間の非線形性を発現可能な材料であ
り、ニオブ酸リチウム、リン酸二水素カリウム(KD
P)、沃素酸リチウム、BaB24 などに代表される
無機化合物や、尿素誘導体、ニトロアニリン誘導体、例
えば3−メチル−4−ニトロピリジン−N−オキシド
(POM)のようなニトロピリジン−N−オキシド誘導
体、特開昭61−53462号、同62−210432
号に記載の化合物が好ましく用いられる。波長変換素子
の形態としては、単結晶光導波路型、ファイバー型等が
知られておりそのいずれもが有用である。
【0200】また、前記の画像情報は、ビデオカメラ、
電子スチルカメラ等から得られる画像信号、日本テレビ
ジョン信号規格(NTSC)に代表されるテレビ信号、
原画をスキャナーなど多数の画素に分割して得た画像信
号、CG、CADで代表されるコンピューターを用いて
作成された画像信号を利用できる。
【0201】感光材料および/または色素固定材料は、
加熱現像もしくは色素の拡散転写のための加熱手段とし
ての導電性の発熱体層を有する形態であってもよい。こ
の場合の透明または不透明の発熱要素には、特開昭61
−145544号等に記載のものを利用できる。なお、
これらの導電層は帯電防止層としても機能する。
【0202】本発明において、色素の移動は熱のみによ
っても生じるが、前述のように色素移動を促進するため
に溶媒を用いてもよい。また、特開昭59−21844
3号、同61−238056号等に詳述されるように、
少量の溶媒(特に水)の存在下で加熱して現像と転写を
同時または連続して行う方法が有用である。
【0203】現像の促進および/または拡散性色素の色
素固定層への移送のために用いる溶媒の例としては、水
または無機のアルカリ金属塩や有機の塩基を含む塩基性
の水溶液(これらの塩基としては画像形成促進剤の項で
記載したものが用いられる)を挙げることができる。ま
た、低沸点溶媒、または低沸点溶媒と水もしくは塩基性
の水溶液との混合溶液なども使用することができる。ま
た、界面活性剤、カブリ防止剤、難溶性金属塩と錯形成
化合物を溶媒中に含ませてもよい。
【0204】これらの溶媒は、色素固定材料、感光材料
またはその両者に付与する方法で用いることができる。
その使用量は全塗布膜の最大膨潤体積に相当する溶媒の
重量以下(特に全塗布膜の最大膨潤体積に相当する溶媒
の重量から全塗布膜の重量を差引いた量以下)という少
量でよい。
【0205】感光層または色素固定層に溶媒を付与する
方法としては、例えば、特開昭61−147244号
(26)頁に記載の方法がある。また、溶媒をマイクロ
カプセルに閉じ込めるなどの形で予め感光材料もしくは
色素固定要素またはその両者に内蔵させて用いることも
できる。
【0206】また色素移動を促進するために、常温では
固体であり高温では溶解する親水性熱溶剤を感光材料ま
たは色素固定材料に内蔵させる方式も採用できる。親水
性熱溶剤は感光材料、色素固定材料のいずれに内蔵させ
てもよく、両方に内蔵させてもよい。また内蔵させる層
も乳剤層、中間層、保護層、色素固定層いずれでもよい
が、色素固定層および/またはその隣接層に内蔵させる
のが好ましい。
【0207】親水性熱溶剤の例としては、尿素類、ピリ
ジン類、アミド類、スルホンアミド類、イミド類、アル
コール類、オキシム類その他の複素環類がある。
【0208】また、色素移動を促進するために、項沸点
有機溶剤を感光材料および/または色素固定材料に含有
させておいてもよい。
【0209】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。
【0210】実施例1 第5層用の乳剤(1)の調製方法について述べる。
【0211】良く攪拌している表1に示す組成の水溶液
に、表2に示す組成のI液とII液を15分間かけて同時
に添加し、その後、表2に示す組成のIII 液とIV液を3
5分間かけて添加した。
【0212】
【表1】
【0213】
【表2】
【0214】なお、表1に示す化合物−1は化1に示さ
れるものである。
【0215】また、III 液の添加開始18分間後から2
5分間かけて、化2に示す増感色素の0.5%メタノー
ル溶液75ccを添加した。
【0216】水洗、脱塩(化3に示す沈降剤を用いてpH
=4.1で行った)後、ゼラチン22g を加えて、pH=
6.0、pAg =7.9に調整したのち、61℃で化学
増感した。化学増感に用いた化合物は表3に示す通りで
ある。
【0217】得られた乳剤の収量は630g で、変動係
数10.2%の単分散立方体乳剤で、平均粒子サイズは
0.31μm であった。
【0218】
【表3】
【0219】
【化1】
【0220】
【化2】
【0221】
【化3】
【0222】第3層用の乳剤(2)の調製方法について
述べる。
【0223】良く攪拌している表4に示す組成の水溶液
に、表5に示す組成のI液とII液を10分間かけて同
時に添加し、その後、表5に示す組成のIII 液とIV液を
45分間かけて添加した。
【0224】
【表4】
【0225】
【表5】
【0226】なお、表4に示す化合物−1は化1に示さ
れるものである。
【0227】水洗、脱塩(化3に示す沈降剤を用いてpH
=3.9で行った)後、ゼラチン12g を加えて、pH=
5.9、pAg =7.8に調整した後、65℃で化学増
感した。また、化学増感の最後に、化4に示す増感色素
のゼラチン分散物(ゼラチン5%、増感色素0.5%、
水94.5%)を42g 添加した。化学増感に用いた化
合物は表6に示す通りである。
【0228】得られた乳剤の収量は645g で、変動係
数12.6%の単分散立方体乳剤で、平均粒子サイズは
0.32μm であった。
【0229】
【表6】
【0230】
【化4】
【0231】第1層用の乳剤(3)の調製方法について
述べる。
【0232】良く攪拌している表7に示す組成の水溶液
に、表8に示す組成のI液とII液を15分間かけて同
時に添加し、その後、表8に示す組成のIII 液とIV液を
25分間かけて添加した。
【0233】
【表7】
【0234】
【表8】
【0235】なお、表7に示す化合物−1は化1に示さ
れるものである。
【0236】水洗、脱塩(化3に示す沈降剤を用いてpH
=3.8で行った)後、ゼラチン12g を加えて、pH=
6.6、pAg =8.0に調整した後、58℃で化学増
感した。また、化学増感の最後に、化5に示す増感色素
のゼラチン分散物(ゼラチン5%、増感色素1%、水9
4%)を42g 添加した。化学増感に用いた化合物は表
9に示す通りである。
【0237】得られた乳剤の収量は650g で、変動係
数9.7%の単分散立方体乳剤で、平均粒子サイズは
0.22μm であった。
【0238】
【表9】
【0239】
【化5】
【0240】次に、色素供与性化合物のゼラチン分散物
の作り方について述べる。
【0241】化6に示すマゼンタ色素供与性化合物
(A)を14.64g 、化10に示す還元剤(1)を
0.2g 、化12に示すカブリ防止剤(1)を0.20
g 、化15に示す界面活性剤(3)を0.4g 、高沸点
有機溶媒(2)を5.1g 秤量し、酢酸エチル30mlを
加え、約60℃で加熱溶解し、均一な溶液とした。この
溶液と石炭処理ゼラチンの16%水溶液62.5g およ
び水270ccを攪拌した後、ホモジナイザーで10分
間、10,000rpm で分散した。この分散液をマゼン
タの色素供与性化合物の分散物という。
【0242】化7に示すシアン色素供与性化合物(B
1 )を7.3g 、化8に示すシアン色素供与性化合物
(B2 )を10.6g 、化10に示す還元剤(1)を
1.0g 、化12に示すカブリ防止剤(1)を0.30
g 、化15に示す界面活性剤(3)を0.4g 、高沸点
有機溶媒(1)を9.8g 秤量し、酢酸エチル50mlを
加え、約60℃で加熱溶解し、均一な溶液とした。この
溶液と石灰処理ゼラチンの10%水溶液71g および水
260ccを攪拌混合した後、ホモジナイザーで10分
間、10,000rpm で分散した。この分散液をシアン
の色素供与性化合物の分散物という。
【0243】化9に示すイエロー色素供与性化合物
(C)を17.3g 、化10に示す還元剤を1.2g 、
化12に示すカブリ防止剤(1)を0.15g 、化15
に示す界面活性剤(3)を1.5g 、化18に示す水不
溶性染料を1.9g 、高沸点有機溶媒(1)を8.6g
秤量し、酢酸エチル45mlを加え、約60℃で加熱溶解
し、均一な溶液とした。この溶液と石炭処理ゼラチンの
16%水溶液62.5g および水200ccを攪拌混合し
た後、ホモジナイザーで10分間、10000rpmにて
分散した。この分散液をイエローの色素供与性化合物の
分散物と言う。
【0244】次に、水酸化亜鉛の分散物の調製法につい
て述べる。
【0245】平均粒子サイズが0.15μm の水酸化亜
鉛12.5g 、分散剤としてカルボキシメチルセルロー
ス1g 、およびポリアクリル酸ソーダ0.1g を4%ゼ
ラチン水溶液100mlに加え、ミルで平均粒径0.75
mmのガラスビーズを用いて30分間粉砕した。ガラスビ
ーズを分離し、水酸化亜鉛の分散物を得た。
【0246】また、次に、還元剤のゼラチン分散物の作
り方について述べる。
【0247】化11に示す還元剤(2)を10g 、化1
5に示す界面活性剤(3)を2.6g 、高沸点有機溶媒
(3)を6.3g 秤量し、酢酸エチル16mlを加え、約
60℃で加熱溶解し、均一な溶液とした。この溶液と石
炭処理ゼラチンの14%水溶液71.4g および水70
mlを攪拌混合した後、ホモジナイザーで10分間、1
0,000rpm にて分散し還元剤の分散物を得た。
【0248】これらにより、表10および表11に記載
の構成を有する熱現像感光材料100を作成した。
【0249】
【表10】
【0250】
【表11】
【0251】表10および表11を用いた化合物は、色
素供与性化合物のゼラチン分散物や還元剤のゼラチン分
散物の作り方のところで挙げたものも含めて、色素供与
性化合物として化6〜化9に示されるもの、カブリ防止
剤として化12〜化14に示されるもの、還元剤として
化10、化11に示されるもの、界面活性剤として化1
5に示されるもの、硬膜剤として化16に示されるも
の、安定剤として化17に示されるもの、水不溶性染料
として化18に示されるもの、水溶性ポリマーとして化
19に示されるものである。
【0252】
【化6】
【0253】
【化7】
【0254】
【化8】
【0255】
【化9】
【0256】
【化10】
【0257】
【化11】
【0258】
【化12】
【0259】
【化13】
【0260】
【化14】
【0261】
【化15】
【0262】
【化16】
【0263】
【化17】
【0264】
【化18】
【0265】
【化19】
【0266】また、高沸点有機溶媒(1)はトリイソノ
ニルフォスフェートであり、高沸点有機溶媒(2)はト
リヘキシルフォスフェートであり、高沸点有機溶剤
(3)はトリオクチルフォスフェートであり、マット剤
はポリメチルメタクリレート樹脂(平均粒径4μm )で
ある。
【0267】なお、感光材料100の作成において、塗
布液の塗設後の乾燥条件は、乾燥点の湿球温度が20℃
以上である時間が少なくとも全乾燥時間の20%以上し
めるものとした。
【0268】また、感光材料100において用いたゼラ
チンは、すべて石炭処理ゼラチンである。
【0269】感光材料100において、保護層(第7
層)のゼラチンを酸処理ゼラチンに変更し、水酸化ナト
リウム3.7mg/m2 を加え、粘土調整用の水溶性ポリマ
ー(1)を除き、かつ第7層の還元剤のゼラチン分散物
のゼラチンを酸処理ゼラチンに変更する以外は全く同様
にして感光材料101を作成した。酸処理ゼラチンは、
「950ゼラチン」(新田ゼラチン社製)の市販品をそ
のまま用いた。
【0270】次に色素固定材料の作り方について述べ
る。
【0271】ポリエチレンでラミネートした紙支持体上
に表12の構成で塗布し色素固定材料を作った。
【0272】
【表12】
【0273】表12中に用いた化合物は、シリコーンオ
イルとして化20に示されるもの、界面活性剤として化
21に示されるもの、媒染剤として化22に示されるも
の、硬膜剤として化23に示されるものである。
【0274】
【化20】
【0275】
【化21】
【0276】
【化22】
【0277】
【化23】
【0278】また、ポリマー、高沸点有機溶媒、マット
剤は、それぞれ以下に示すものである。
【0279】ポリマー*5 ビニルアルコール−
アクリル酸ナトリウム共重合体(75/25モル比) ポリマー*7 デキストラン(分子量7万) 高沸点有機溶媒*8 レオフォス95(味の素(株)
製) マット剤*10 ベンゾグアナミン樹脂(10μm
を超える粒子の割合がが18vol %)
【0280】次に、図1に示す画像形成装置を使用し、
感光材料100、101の各々および色素固定材料を用
いて、色素固定材料上に均一なグレー画像を得た。
【0281】なお、上記画像形成装置中の露光部は表1
3に示す露光条件を満足するものである。また、熱現像
転写部での貼り合わせ時の圧力は1.0kg/cm2、貼り合
わせ時の搬送速度は40mm/secとした。また、加熱ドラ
ムの大きさは半径8.3cm、長さ30cmとした。
【0282】水塗布部の水塗布時の水温は、40℃とし
た。
【0283】
【表13】
【0284】上記条件下、感光材料100および101
の各々について、処理安定性を以下のようにして評価し
た。
【0285】感光材料100および101に対して、水
量と現像温度の処理条件を、基準の11cc/m2 、83℃
にした場合と、水量を13cc/m2 に変更した場合、ま
た、現像温度を88℃に変更した場合とで、各々処理
し、A4サイズの均一グレー画面内に発生している処理
ムラの程度で評価した。処理時間は25秒とした。結果
を表14に示す。表中には処理ムラの程度は○、△、×
で示している。
【0286】○:全く処理ムラがない。 △:処理ムラが数個発生 ×:処理ムラが全面に発生
【0287】
【表14】
【0288】以上の結果に示すとおり、本発明の酸処理
ゼラチンを用いた保護層を有する熱現像カラー感光材料
を用いることにより、処理条件の変動に対して、極めて
処理安定性に優れた画像形成方法が得られることがわか
る。
【0289】実施例2 実施例1において、熱現像転写での貼り合わせ時の圧力
を0.5kg/cm2、搬送速度を50mm/secに変更する以外
は、同様の処理を行ったところ、本発明の効果はより顕
著に発現した。
【0290】
【発明の効果】本発明によれば、処理ムラが少なく、処
理安定性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる画像形成装置全体の外観を示す
斜視図である。
【図2】本発明に用いる画像形成装置の概略構成図であ
る。
【図3】本発明に用いる画像形成装置の水塗布部の分解
斜視図である。
【図4】本発明に用いる画像形成装置の水塗布部の概略
構成図である。
【図5】本発明に用いる画像形成装置の熱現像転写部の
斜視図である。
【図6】本発明に用いる画像形成装置の熱現像転写部の
無端圧接ベルトによって挟持される感光材料と色素固定
材料との位置関係を示す説明図である。
【図7】本発明に用いる画像形成装置の熱現像転写部の
加熱ドラム付近の無端圧接ベルトと感光材料と色素固定
材料との位置関係を示す説明図である。
【符号の説明】
10 画像形成装置 62 水塗布部 104 熱現像転写部 116 加熱ドラム 120 貼り合わせローラ 16 感光材料 108 色素固定材料

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転ドラムと、前記回転ドラムの外周に
    圧接する貼り合わせローラとの間で、熱現像感光材料と
    色素固定材料とを貼り合わせ、この貼り合わせた状態で
    前記回転ドラムの外周に密着して巻き付けて熱現像・転
    写を行う画像形成方法において、 前記熱現像感光材料が酸処理ゼラチンを用いた保護層を
    有することを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記貼り合わせ時の圧力が10.0kg/c
    m2以下である請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記熱現像・転写温度が70〜99℃で
    ある請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記貼り合わせ時の熱現像感光材料と色
    素固定材料との搬送速度が10mm/sec以上である請求項
    1ないし3のいずれかに記載の画像形成方法。
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