JPH05257091A - 溶射によって装飾を施したチタンフレーム - Google Patents

溶射によって装飾を施したチタンフレーム

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JPH05257091A
JPH05257091A JP4052287A JP5228792A JPH05257091A JP H05257091 A JPH05257091 A JP H05257091A JP 4052287 A JP4052287 A JP 4052287A JP 5228792 A JP5228792 A JP 5228792A JP H05257091 A JPH05257091 A JP H05257091A
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JP
Japan
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titanium
sprayed
thermal spraying
thermally sprayed
decorated
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JP4052287A
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English (en)
Inventor
Koichi Ishiwatari
石渡弘一
Shigeru Nishiyama
西山  茂
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】チタンフレームを構成するチタン部材に、高温
の熱処理に耐えることができ、美観をそのまま保持でき
る装飾被膜を形成する。 【構成】チタンフレームを構成するチタン部材に、溶射
による耐熱性の被膜を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チタンフレームの装飾
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、チタンフレームを塗布材を用いて
装飾する場合、一般には、シリコーン樹脂、ポリイミド
樹脂、フッ素樹脂、等を使用し、チタンフレーム上に耐
熱被膜を形成することによって、装飾していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来の技術
においては、チタン材で加工された各部材を外装のため
に、例えば金渡金を施すことが通常なされる。その際、
拡散処理のために約400°Cの熱処理を行うことにな
るが、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、
等、はこの約400°Cの高温に対応できるだけの耐熱
性及び密着性に乏しく、前記の熱処理に耐えることが出
来ずに、変色や欠落を生じるという問題点があった。
【0004】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
ててされたものであり、その目的とするところは、高温
の熱処理に耐えることができ、美観をそのまま保持でき
る装飾被膜を形成したチタン部材を有するチタンフレー
ムの提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的のために本発明
では、チタン材を用いたチタンフレームにおいて、前記
チタン材の1部及び全体に、溶射による耐熱性被膜を有
することを課題解決の手段とするものであり、加えて、
前記チタン材に素材露出部を設け、該素材露出部に渡金
被膜を有することを課題解決の手段とするものである。
【0006】
【作用】本発明においては、従来、ロケット,人工衛生
に象徴される宇宙工学の分野で活用されている溶射によ
って形成された耐熱被覆を、眼鏡枠であるチタンフレー
ムを構成するチタン部材に活用している。その結果、耐
熱性、密着性があり、当初の予想を上回る装飾効果を得
ることができたものである。
【0007】そこで溶射について若干説明する。ここで
言う溶射とはプラズマ溶射で代表する。その機構は、プ
ラズマ流に粉末を送給し、加熱しながら加速して、被加
工面に衝突、積層させていくものである。そして、粉末
材料ですぐれた溶射被膜を作ろうとするときは、その最
低条件として、粉末粒子が均等で適正な温度に加熱さ
れ、緻密に積層していくに足る充分な運動エネルギーを
もち、溶射材料,素地いずれにも酸化,窒化などの質的
変化が生じない、等が必要である。
【0008】溶射は、広範な種類の金属,合金,セラミ
ックス,プラスチックス及びそれらの混合材を材料とし
て選択でき、対象物の形状や寸法による制約も少なく、
更に、他の表面被覆法に比較してかなり速い成膜速度が
得られる等の特徴を有している。プラズマジェット中で
加熱され、溶融された材料粒子は高速で機材表面に衝
突、偏平化されると同時に、急冷凝固され堆積層を形成
する。そして一般的な溶射組織として、層状に堆積され
たスプラット(偏平粒子)群からなる被膜、それと基材
の界面並びにスプラット層の内部への雰囲気の巻き込み
による気孔、あるいはスプラットの堆積の幾何学的不連
続性により生じた気孔、さらに材料粒子の酸化物や一部
に未溶融粒子を混入した組織がえられる。これらの溶射
組織の性格が、被膜特性に反映される。
【0009】溶射被膜の密着強さ、すなわち素地と溶射
被膜との結合の強さは一般にかなり低い。この密着力が
小さいことの原因は、これのほとんどが投錨効果によっ
ており、且つ被膜内には多くの気孔や粒子間の未結合部
が存在するためであると理解されている。しかしなが
ら、減圧プラズマ溶射では雰囲気ガスの巻き込みが避け
られ、爆発溶射や高速フレーム溶射では溶射粒子の飛行
速度がより高速化され、気孔が減少し、密着強さの改善
や被膜の密度の向上に効果がある。また、減圧溶射では
素材の酸化が回避される利点を活かし、基材の予熱温度
を400°C以上に高め、溶射被膜と基材間の原子の拡
散反応による結合の効果を促して密着強さを飛躍的に改
善されている。
【0010】溶射被膜の硬さについては、以下の傾向が
認められる。即ち、純金属の溶射被膜の硬さはいずれも
焼鈍された金属の標準値より大である。このことは溶射
粒子が基材に衝突した後、急速な偏平化による変形と急
冷作用を受け内部に歪みを残留した状態で成膜される点
が主に原因しているほか、混入が避けられない酸化物に
よる分散効果も加わった溶射特有の組織の性質を反映し
ていると考えられている。
【0011】耐磨耗特性については、例えば超硬合金,
サーメット,セラミックスなど硬質材の溶射被膜は典型
的な耐磨耗被膜となる。上記の如き溶射の技術を眼鏡フ
レームに適用させるべく鋭意努力の結果、チタンフレー
ムのチタン部材に金属酸化物をはじめとする化合物をそ
の素材表面に溶射することができた。
【0012】その溶射された部分は金渡金を施した時に
行われる高温(約400°C)の拡散処理に充分に耐え
ることができ、変色や欠落を起こすことはない。その結
果、装飾した物質の構造的強度の問題点が解消されると
共に、溶射した物質の本来有する光沢、色彩、等をその
まま生かすことができる装飾効果の優れた、渡金を施し
たチタンフレームを得ることができる。
【0013】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1はチタンフレームを構成する一部品であるテ
ンプルの側面図を示し、図2は図1におけるA−A’矢
視断面図である。本実施例においては、そのテンプルの
チタン材で構成した一部分に酸化アルミニウムの溶射層
を設ける実施例を説明する。
【0014】図1,図2,において、チタンフレームの
テンプル1のチタン材2の外側面には、2〜10ミクロ
ンの深さをもつ凹部が、酸化アルミニウムの溶射部2’
として形成されている。溶射部2’には、酸化アルミニ
ウムが溶射され、装飾部としての溶射層3が設けられて
おり、溶射層3を除くテンプル1のチタン材2には金渡
金層4にによって外装されている。
【0015】ここで、図3によって溶射の工程を簡単に
説明する。図3(A)はマスキング工程であって、チタ
ンフレームのテンプル基材をなすチタン材2に、その眼
鏡装用時に外側面となる位置に2〜10ミクロンの深さ
をもつ凹部の溶射部2’を設け、その溶射部2’を露出
する如くチタン材2をマスキング部材5で被覆する。
【0016】図3(B)は溶射工程であって、露出した
溶射部2’に、酸化アルミニウムをプラヅマ中にて溶射
する。図3(C)はマスク剥がし工程であって、マスキ
ング部材5を除去する。図3(D)は研ぎだし工程(研
磨)であって、バフ研磨を行って溶射された酸化アルミ
ニウムの表面を光沢状態にする。
【0017】図3(E)は渡金工程であって、溶射され
たチタン材2に、 渡金によって金渡金層4を形成す
る。図3(F)は渡金後の処理工程であって、金渡金層
4が形成された後、約400°Cで拡散処理をすること
によって外装処理が完了する。上記の如くして装飾加工
したチタン製のテンプル部材を使用することで、金地に
光沢のある白色で装飾された、落ちついた気品をかもし
だすチタンフレームを得ることができる。
【0018】本発明の実施例では、酸化アルミニウムを
溶射して光沢のある白色を装飾色としたが、溶射する耐
熱性物質によって各種の色彩を選択することができる。
以下、一例として溶射する耐熱物質を記載すると共に、
括弧内にその物質によって得られる色彩を記す。酸化ジ
ルコニウム(クリーム),酸化鉄(赤褐色),酸化鉛
(黄色),酸化珪素(透明−乳白色),酸化クロム
(緑),酸化コバルト(青),炭化チタン(黒),炭化
シリコン(灰緑色),炭化タングステン(黒),窒化ア
ルミニウム(透明−乳白色),窒化珪素(グレー) 上記、一例として各種の溶射物質を記載したが、溶射
は、広範な種類の金属,合金,セラミックス,プラスチ
ック及びそれらの混合材を材料として選択でき、チタン
フレームに適用する場合には、耐熱性,密着性,及び加
工後の装飾性の優れたものを適宜選択すればよい。
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来宇宙
工学で利用していたプラズマ溶射の技術をチタンフレー
ムに利用することを可能にしたので、各種の耐熱性を有
する材料を選択して溶射することができ、チタンフレー
ムの装飾の適用選択範囲がひろがり、多種、多様の好み
をもつ顧客の要求に対応できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】チタンフレームを構成する一部品であるテンプ
ルの側面図である。
【図2】図1におけるA−A’矢視断面図である。
【図3】溶射の工程を簡単に説明する図である。その
(A)(B)(C)(D)(E)(F)は工程の流れを
示す図である。
【符号の説明】
1 テンプル 2 チタン材 2’ 溶射部 3 溶射層 4 金渡金層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタン材を用いたチタンフレームにおい
    て、 前記チタン材の1部及び全体に、溶射による耐熱性被膜
    を有することを特徴とするチタンフレーム。
  2. 【請求項2】前記チタン材に素材露出部を設け、該素材
    露出部に渡金被膜を有することを特徴とする請求項1記
    載のチタンフレーム。
JP4052287A 1992-03-11 1992-03-11 溶射によって装飾を施したチタンフレーム Pending JPH05257091A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3005701U (ja) * 1994-06-27 1995-01-10 共美産業株式会社 セラミック塗膜を有する眼鏡フレーム
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JP2018003037A (ja) * 2016-06-27 2018-01-11 株式会社増田酸素工業所 溶融金属処理部材の表面層形成方法

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