JPH0525103U - 後部煙道バイパス制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 後部煙道が２つ以上のパスに区切られ，かつ
節炭器出口ガス温度を制御するため，節炭器の部分を流
れるガス量を制御するように，節炭器バイパスガス系統
が設けられているダンパコントロールボイラの簡略化。 【構成】 従来節炭器（６ａ），（６ｂ）全体の後流側
に設置していたダンパとそれぞれのパス（３ａ），（３
ｂ）に設置するダンパとを一体化することにより，設置
する必要があるダンパは各パス（３ａ），（３ｂ）のダ
ンパ（７ａ），（７ｂ）と節炭器バイパスダクト（９）
に設置するダンパ（１０）のみになる。ボイラ制御系は
１種類のダンパ（各パス（３ａ），（３ｂ）のダンパ
（７ａ），（７ｂ））により蒸気温度を制御し，節炭器
バイパスダクト（９）のダンパ（１０）と協調して節炭
器出口ガス温度を制御する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は，ダンパコントロールボイラの後部煙道，特に節炭器部のガスバイパ ス制御機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図３は従来のボイラの一例を示す縦断側面図である。図３中，（１）は火炉， （２）は後部煙道，（３ａ），（３ｂ）は分割流路（パス），（４Ａ）は一次過 熱器，（４Ｂ）は二次過熱器，（５）は再熱器，（６ａ），（６ｂ）は節炭器， （７ａ），（７ｂ）はガス分配ダンパ，（８）は節炭器出口ガスダンパ，（９） は節炭器バイパスダクト，（１０）は節炭器バイパスガスダンパをそれぞれ示す 。

【０００３】 このようなボイラにおいて，節炭器（６ａ），（６ｂ）の出口ガス温度を例え ば排煙脱硝装置の運用が可能なガス温度以上とするため，節炭器（６ａ），（６ ｂ）を通過するガス量を調節し，節炭器（６ａ），（６ｂ）の吸収熱量を調整す る必要がある。このためには、節炭器バイパスダクト（９）側に設置した節炭器 バイパスガスダンパ（１０）と節炭器後流側に設置した節炭器出口ガスダンパ（ ８）とのそれぞれの開度を調整する必要がある。一方、ダンパコントロールボイ ラでは，蒸気温度を制御するため，例えば一次過熱器（４Ａ）が設置されている パス（３ａ）と再熱器（５）が設置されているパス（３ｂ）をそれぞれ流れるガ ス量の配分を変える必要があり，このために各パス（３ａ），（３ｂ）の下流部 に設置したガス分配ダンパ（７ａ），（７ｂ）の開度を調整する必要がある。従 来は，各パス（３ａ），（３ｂ）の合流部の後流側に設置した節炭器出口ガスダ ンパ（８）と，各パス（３ａ），（３ｂ）に設置したダンパ（７ａ），（７ｂ） が別個のものであり，それぞれ独立した動きをしていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 従来は，蒸気温度を制御するためのガス分配ダンパ（７ａ），（７ｂ）に加え ，これとは別に，節炭器バイパスガス量を制御するためのダンパがバイパス側と 本流側に，節炭器バイパスガスダンパ（１０），節炭器出口ガスダンパ（８）と してそれぞれ設けられ，ガス分配ダンパ（７ａ），（７ｂ）は蒸気温度のみを， 節炭器出口ガスダンパ（８）は節炭器バイパスガスダンパ（１０）とともに節炭 器（６ａ），（６ｂ）を流れる全ガス量を，それぞれ制御していたので，ボイラ 全体構造が複雑で，稼動部も多く，信頼性が低かった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は，前記従来の課題を解決するために，ボイラの後部煙道部を並列に仕 切って形成され，内部に熱交換器が設けられた複数の分割流路と，それら各分割 流路の少なくとも一部をバイパスするバイパス流路とを備えるとともに，上記複 数の分割流路および上記バイパス流路にそれぞれダンパが設けられ，かつ上記分 割流路が合流し上記バイパス流路が合流しない流路にはダンパが設けられていな いことを特徴とする後部煙道バイパス制御装置を提案するものである。

【０００６】

【作用】

本考案においては，ダンパを，複数の各分割流路とバイパス流路とに設置する だけでよい。したがってボイラ制御系は，１種類のダンパ（各分割流路のダンパ ）により蒸気温度を制御し，バイパス流路のダンパと協調して節炭器出口ガス温 度を制御することになる。

【０００７】

【実施例】

図１は本考案の一実施例を示すボイラ縦断側面図，図２は図１のII−II矢視水 平断面図である。これらの図において，前記図３により説明した従来のものと同 様の部分については，冗長になるのを避けるため，同一の符号を付け詳しい説明 を省く。

【０００８】 本実施例においては，一次過熱器（４Ａ）が設置されたパス（３ａ）の下流部 にあるガス分配ダンパ（７ａ）と再熱器（５）が設置されたパス（３ｂ）の下流 部にあるガス分配ダンパ（７ｂ）は，蒸気温度の制御とともに，節炭器バイパス ダクト（９）中に設置した節炭器バイパスガスダンパ（１０）と協調をとり，一 次過熱器（４Ａ）のあるパス（３ａ）および再熱器（５）のあるパス（３ｂ）に それぞれ設置した節炭器（６ａ），（６ｂ）全体を流れるガス量を制御し，節炭 器出口ガス温度を制御する。

【０００９】 上記のように，従来は節炭器の後流に設置された節炭器出口ガスダンパ（図３ の（８））が行なっていた作用を，本実施例では各パス（３ａ），（３ｂ）に設 置されたガス分配ダンパ（７ａ），（７ｂ）が行なうこととなるため，節炭器バ イパスガスダンパ（１０）は従来よりも複雑となるが，節炭器出口ガスダンパ（ ８）が省略され，煙道内の稼動部が減るので，日常の保守・点検が簡略化され， 信頼性が向上するとともに，ダクト長さが短くなって，ボイラ全体がコンパクト になる。

【００１０】 なお，先に特願平２−１１５０４３号として特許出願した「蒸気温度制御方法 」すなわち，ボイラ負荷により各パスのダンパ開度の和を変更するという方法を 本実施例と組合わせれば，ある負荷では，節炭器全体を通過するガス側の抵抗が 各パスのダンパ開度によらずほぼ一定になって，節炭器全体を通過するガス量が 各パスのダンパ開度により大きくは変化しなくなるから，節炭器出口ガス温度を 制御するための節炭器バイパスダクトのダンパ開度の動きは，簡略化される。

【００１１】

【考案の効果】

本考案においては，設置すべきダンパの種類を減少させたので，煙道内の稼動 部が減少し，保守・点検が簡略化されて，信頼性が向上がする。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案の一実施例を示すボイラ縦断側面
図である。

【図２】図２は図１のII−II矢視水平断面図である。

【図３】図３は従来のボイラの一例を示す縦断側面図で
ある。

【符号の説明】

（１） 火炉 （２） 後部煙道 （３ａ），（３ｂ） 分割流路（パス） （４Ａ） 一次過熱器 （４Ｂ） 二次過熱器 （５） 再熱器 （６ａ），（６ｂ） 節炭器 （７ａ），（７ｂ） ガス分配ダンパ （８） 節炭器出口ガスダンパ （９） 節炭器バイパスダクト （１０） 節炭器バイパスガスダンパ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボイラの後部煙道部を並列に仕切って形
   成され，内部に熱交換器が設けられた複数の分割流路
   と，それら各分割流路の少なくとも一部をバイパスする
   バイパス流路とを備えるとともに，上記複数の分割流路
   および上記バイパス流路にそれぞれダンパが設けられ，
   かつ上記分割流路が合流し上記バイパス流路が合流しな
   い流路にはダンパが設けられていないことを特徴とする
   後部煙道バイパス制御装置。