JP2013011373A - ボイラの排ガス温度制御方法及びボイラ - Google Patents
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Abstract
【課題】脱硝装置の入口排ガス温度を適切な温度に維持可能としつつ、ボイラ設備のコンパクト化及び排ガス温度制御コストの低減化を実現し得るボイラの排ガス温度制御方法及びボイラを提供する。
【解決手段】火炉2と、火炉2で生じる排ガスGとの間で熱交換を行う後部伝熱部と、後部伝熱部の排ガス流れ下流側に配置される排煙脱硝装置16を備え、後部伝熱部が再熱器側伝熱部RHと節炭器4,10を有する過熱器側伝熱部SHとに仕切られて成り、且つ、伝熱部SH,RHには流量調節ダンパ14,15がそれぞれ配置され、節炭器4,10を迂回する流量調節ダンパ21を有するECOバイパス20が設置され、負荷が40%を下回る低負荷領域では、排煙脱硝装置16の入口排ガス温度に合わせてECOバイパス20の流量調節ダンパ21の開度を大きくする開度指令を出力しつつ、両伝熱部SH,RHの各流量調節ダンパ14,15の開度を各々小さくする開度指令を出力する制御部22を備えた。
【選択図】図1
【解決手段】火炉2と、火炉2で生じる排ガスGとの間で熱交換を行う後部伝熱部と、後部伝熱部の排ガス流れ下流側に配置される排煙脱硝装置16を備え、後部伝熱部が再熱器側伝熱部RHと節炭器4,10を有する過熱器側伝熱部SHとに仕切られて成り、且つ、伝熱部SH,RHには流量調節ダンパ14,15がそれぞれ配置され、節炭器4,10を迂回する流量調節ダンパ21を有するECOバイパス20が設置され、負荷が40%を下回る低負荷領域では、排煙脱硝装置16の入口排ガス温度に合わせてECOバイパス20の流量調節ダンパ21の開度を大きくする開度指令を出力しつつ、両伝熱部SH,RHの各流量調節ダンパ14,15の開度を各々小さくする開度指令を出力する制御部22を備えた。
【選択図】図1
Description
本発明は、火炉で生じる排ガスとの間で熱交換を行う後部伝熱部が過熱器側と再熱器側とに区分けされた、いわゆるパラレルパスタイプのボイラにおける排ガス温度を制御するのに好適なボイラの排ガス温度制御方法及びボイラに関するものである。
従来、上記したパラレルパスタイプのボイラとしては、例えば、特許文献1に開示された石炭焚きボイラがある。
この石炭焚きボイラにおいて、火炉の下流側の流路に位置して排ガスとの間で熱交換を行う後部伝熱部は、隔壁によって過熱器側伝熱部と再熱器側伝熱部とに分けられており、過熱器側伝熱部及び再熱器側伝熱部を流れる排ガスは、双方の各排ガス出口に配置されたダンパによって、適切に分配されるようになっている。
この石炭焚きボイラにおいて、火炉の下流側の流路に位置して排ガスとの間で熱交換を行う後部伝熱部は、隔壁によって過熱器側伝熱部と再熱器側伝熱部とに分けられており、過熱器側伝熱部及び再熱器側伝熱部を流れる排ガスは、双方の各排ガス出口に配置されたダンパによって、適切に分配されるようになっている。
この石炭焚きボイラでは、後部伝熱部のさらに下流側に配置した脱硝装置で排ガス中に含まれる窒素化合物を除去するようになっているが、脱硝反応を効率よく起こさせるためには、脱硝装置入口の排ガス温度を所定の温度以上に維持する必要がある。
そこで、このような石炭焚きボイラには、過熱器側伝熱部の節炭器を迂回するECOバイパスを設けることで、ボイラ低負荷域において脱硝装置の入口排ガス温度を上げ得る排ガス温度制御方法が採用され、この排ガス温度制御方法では、ECOバイパスにガス流量調節ダンパを設けると共に、過熱器側伝熱部及び再熱器側伝熱部の合流部分に同じくガス流量調節ダンパを設けて、排ガスのバイパス量を調整するようになっている。
ところが、上記した従来における石炭焚きボイラにおいて、過熱器側伝熱部及び再熱器側伝熱部の合流部分はガス通過断面積が広い流路であるため、この合流部分に設置される排ガス温度制御用のガス流量調節ダンパには必然的に大型のものを用いなければならず、加えて、大型のガス流量調節ダンパを用いる都合上、レイアウトが複雑になってしまうという問題があり、これらの問題を解決することが従来の課題となっていた。
本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたもので、脱硝装置の入口排ガス温度を適切な温度に維持することができるのは勿論のこと、ボイラ設備のコンパクト化及び排ガス温度制御コストの低減化を実現することが可能であるボイラの排ガス温度制御方法及びボイラを提供することを目的としている。
本発明の請求項1に係る発明は、火炉で生じる排ガスとの間で熱交換を行う後部伝熱部が再熱器側伝熱部と節炭器を有する過熱器側伝熱部とに分かれて成り、且つ、これらの伝熱部の各排ガス出口側には流量調節ダンパがそれぞれ配置され、前記過熱器側伝熱部の節炭器を迂回して前記火炉からの排ガスを該過熱器側伝熱部の排ガス流れ下流側に配置される排煙脱硝装置の入口側に短絡的に供給するECOバイパスが設置されたボイラの排ガス温度制御方法であって、前記ボイラの負荷が低負荷の領域では、すなわち、通常ボイラの負荷が40%を下回る低負荷領域では、この低負荷領域における排煙脱硝装置入口排ガス温度に合わせて前記ECOバイパスに配置した流量調節ダンパの開度を大きくすると共に、前記過熱器側伝熱部及び再熱器側伝熱部の各流量調節ダンパの開度をそれぞれ小さくして、前記排煙脱硝装置の入口側における排ガス温度を調節する構成としたことを特徴としており、このボイラの排ガス温度制御方法の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
一方、本発明の請求項2に係る発明は、火炉と、この火炉で生じる排ガスとの間で熱交換を行う後部伝熱部と、前記後部伝熱部の排ガス流れ下流側に配置される排煙脱硝装置を備え、前記後部伝熱部が再熱器側伝熱部と節炭器を有する過熱器側伝熱部とに分けられて成り、且つ、これらの伝熱部の各排ガス出口側には流量調節ダンパがそれぞれ配置され、前記過熱器側伝熱部の節炭器を迂回して前記火炉からの排ガスを前記排煙脱硝装置の入口側に短絡的に供給する流量調節ダンパを有するECOバイパスが設置されたボイラにおいて、前記ボイラの負荷が40%を下回る低負荷領域では、この低負荷領域における排煙脱硝装置入口排ガス温度に合わせて前記ECOバイパスの前記流量調節ダンパの開度を大きくする開度指令を該ECOバイパスの流量調節ダンパに出力すると共に、前記過熱器側伝熱部及び再熱器側伝熱部の各流量調節ダンパの開度をそれぞれ小さくする開度指令を両伝熱部の各流量調節ダンパに出力して、前記排煙脱硝装置の入口側における排ガス温度を調節する制御部を備えた構成としたことを特徴としており、このボイラの構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
本発明に係るボイラの排ガス温度制御方法及びボイラでは、ボイラの負荷が40%を下回る低負荷領域において、この低負荷領域における排煙脱硝装置入口排ガス温度に応じてECOバイパスにおける流量調節ダンパの開度を大きくする一方で、同じく排煙脱硝装置入口排ガス温度に応じて過熱器側伝熱部及び再熱器側伝熱部における各流量調節ダンパの開度をそれぞれ小さくすることで、排煙脱硝装置の入口側における排ガス温度を調節するようにしているので、従来必要としていた過熱器側伝熱部及び再熱器側伝熱部の合流部分における大型のガス流量調節ダンパが不要なものとなり、その結果、ボイラ設備のコンパクト化及び排ガス温度制御コストの低減化が図られることとなる。
本発明に係るボイラの排ガス温度制御方法では、上記した構成としているので、脱硝装置の入口排ガス温度を適切な温度に維持することができるのは言うまでもなく、ボイラ設備のコンパクト化及び排ガス温度制御コストの低減化を実現することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は、本発明に係るボイラの排ガス温度制御方法及びボイラの一実施形態を示しており、この実施形態では、本発明に係るボイラの排ガス温度制御方法を石炭焚きのタワーボイラに適用した場合を例に挙げて説明する。
図1及び図2は、本発明に係るボイラの排ガス温度制御方法及びボイラの一実施形態を示しており、この実施形態では、本発明に係るボイラの排ガス温度制御方法を石炭焚きのタワーボイラに適用した場合を例に挙げて説明する。
図1に示すように、このタワーボイラ1は、火炉2と、この火炉2内に燃料を噴射して燃焼させるバーナ3と、このバーナ3から火炉2内に燃料を噴射して燃焼させることで生じる排ガスGとの間で熱交換を行う後部伝熱部と、この後部伝熱部の排ガス流れ下流側に配置される排煙脱硝装置16を備えており、この後部伝熱部は、節炭器4、過熱器5〜7、再熱器8,9及び主節炭器10とから主として成っている。
このタワーボイラ1において、火炉2で生じた排ガスGが流れる流路は火炉2の上方に連続しており、後部伝熱部はこの火炉2の下流側にあたる上方流路11及びこの下流側に続く狭隘流路12に配置される。
この場合、上方流路11の火炉2に近い部位には、過熱器6,7及び再熱器9が配置されている。一方、上方流路11の火炉2から離れた部位は隔壁13によって二つの区域に仕切られていて、図示右側の区域を過熱器5及び節炭器4が配置される過熱器側伝熱部SHとしていると共に、図示左側を再熱器8が配置される再熱器側伝熱部RHとしており、主節炭器10のみ狭隘流路12に配置されている。
管群から構成される節炭器4,10や過熱器5,6,7や再熱器8,9は、管寄を介して互いに図示しない連絡管で接続されており、水(蒸気)が流れる火炉2の伝熱面(炉壁管を上下方向に多数配した火炉壁)、節炭器4,10、過熱器5,6,7及び再熱器8,9において排ガスGと熱交換を行うようになっている。
また、このタワーボイラ1において、過熱器側伝熱部SH及び再熱器側伝熱部RHの各排ガス出口側には、流量調節ダンパ14,15がそれぞれ配置され、過熱器側伝熱部SHの節炭器4の上流側と狭隘流路12における主節炭器10の下流側との間には、節炭器4,10を迂回して火炉2からの排ガスGを排煙脱硝装置16の入口側に短絡的に供給する流量調節ダンパ21を有するECOバイパス20が設置されていて、排煙脱硝装置16の入口にはガス温度計17が設置されている。
さらに、このタワーボイラ1は、排煙脱硝装置16に流入する排ガス温度を脱硝反応に適した温度にするべく、流量調節ダンパ14,15,21の各開度をコントロールする制御部22を備えている。
この制御部22には、排煙脱硝装置16の入口に位置するガス温度計17から排煙脱硝装置16に流入する排ガスの温度が入力されるようになっている。そして、この制御部22では、図2に示すように、タワーボイラ1の負荷が40%を下回る低負荷領域において、この際ガス温度計17から得られる排ガス温度に合わせて、ECOバイパス20の流量調節ダンパ21に開度指令を出力してその開度を大きくすると共に、過熱器側伝熱部SH及び再熱器側伝熱部RHの各流量調節ダンパ14,15に開度指令を出力して開度をそれぞれ小さくすることで、排煙脱硝装置16の入口側での排ガス温度を脱硝反応に適した温度にするようにしている。
このタワーボイラ1では、通常の運転負荷領域において、排ガスGを火炉2に連続する上方流路10内の後部伝熱部、すなわち、過熱器6,7及び再熱器9へ順次流すのに続いて、上方流路10内で分けられた過熱器側伝熱部SH及び再熱器側伝熱部RHに分岐させて流してそれぞれ熱交換させると共に、狭隘流路12内の後部伝熱部を構成する主節炭器10へ排ガスGを流して熱交換させ、この熱交換後の排ガスGをさらに下流側の排煙脱硝装置16へ流して窒素化合物を除去した後、大気に放出するようになっている。
一方、負荷が40%を下回る低負荷領域では、制御部22からの開度指令により、この低負荷領域における排煙脱硝装置16の入口排ガス温度に合わせてECOバイパス20の流量調節ダンパ21の開度が大きくなると共に、過熱器側伝熱部SH及び再熱器側伝熱部RHの各流量調節ダンパ14,15の開度がそれぞれ小さくなり、これにより、排煙脱硝装置16の入口側での排ガス温度が脱硝反応に適した温度に維持されることとなる。
上記したように、この実施形態に係るタワーボイラ1では、ボイラ2の負荷が40%を下回る低負荷領域において、この際の排煙脱硝装置16の入口排ガス温度に対応してECOバイパス20における流量調節ダンパ21の開度を大きくしつつ、過熱器側伝熱部SH及び再熱器側伝熱部RHにおける各流量調節ダンパ14,15の開度をそれぞれ小さくすることにより、排煙脱硝装置16の入口側における排ガス温度を脱硝反応に適した温度にするようにしているので、従来必要としていた過熱器側伝熱部及び再熱器側伝熱部の合流部分における大型のガス流量調節ダンパが必要でなく、したがって、ボイラ設備のコンパクト化及び排ガス温度制御コストの低減化が図られることとなる。
本発明に係るボイラの構成は、上記した実施形態に係るタワーボイラの構成に限定されるものではなく、例えば、後部伝熱部を構成する節炭器や過熱器や再熱器の各個数及び連結順序は、ボイラ設備の規模や仕様の違いに応じて、適宜変更可能である。
また、上記した実施形態では、本発明に係るボイラの排ガス温度制御方法及びボイラを石炭焚きのタワーボイラに適用した場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
1 タワーボイラ(ボイラ)
2 火炉
4 節炭器(後部伝熱部)
5〜7 過熱器(後部伝熱部)
8,9 再熱器(後部伝熱部)
10 主節炭器(後部伝熱部)
14,15 伝熱部の流量調節ダンパ
16 排煙脱硝装置
20 ECOバイパス
21 ECOバイパスの流量調節ダンパ
22 制御部
G 排ガス
RH 再熱器側伝熱部(後部伝熱部)
SH 過熱器側伝熱部(後部伝熱部)
2 火炉
4 節炭器(後部伝熱部)
5〜7 過熱器(後部伝熱部)
8,9 再熱器(後部伝熱部)
10 主節炭器(後部伝熱部)
14,15 伝熱部の流量調節ダンパ
16 排煙脱硝装置
20 ECOバイパス
21 ECOバイパスの流量調節ダンパ
22 制御部
G 排ガス
RH 再熱器側伝熱部(後部伝熱部)
SH 過熱器側伝熱部(後部伝熱部)
Claims (2)
- 火炉で生じる排ガスとの間で熱交換を行う後部伝熱部が再熱器側伝熱部と節炭器を有する過熱器側伝熱部とに分けられて成り、且つ、これらの伝熱部の各排ガス出口側には流量調節ダンパがそれぞれ配置され、前記過熱器側伝熱部の節炭器を迂回して前記火炉からの排ガスを該過熱器側伝熱部の排ガス流れ下流側に配置される排煙脱硝装置の入口側に短絡的に供給するECOバイパスが設置されたボイラの排ガス温度制御方法であって、
前記ボイラの負荷が40%を下回る低負荷領域では、この低負荷領域における排煙脱硝装置入口排ガス温度に合わせて前記ECOバイパスに配置した流量調節ダンパの開度を大きくすると共に、前記過熱器側伝熱部及び再熱器側伝熱部の各流量調節ダンパの開度をそれぞれ小さくして、前記排煙脱硝装置の入口側における排ガス温度を調節する
ことを特徴とするボイラの排ガス温度制御方法。 - 火炉と、
この火炉で生じる排ガスとの間で熱交換を行う後部伝熱部と、
前記後部伝熱部の排ガス流れ下流側に配置される排煙脱硝装置を備え、
前記後部伝熱部が再熱器側伝熱部と節炭器を有する過熱器側伝熱部とに分けられて成り、且つ、これらの伝熱部の各排ガス出口側には流量調節ダンパがそれぞれ配置され、
前記過熱器側伝熱部の節炭器を迂回して前記火炉からの排ガスを前記排煙脱硝装置の入口側に短絡的に供給する流量調節ダンパを有するECOバイパスが設置されたボイラにおいて、
前記ボイラの負荷が40%を下回る低負荷領域では、この低負荷領域における排煙脱硝装置入口排ガス温度に合わせて前記ECOバイパスの前記流量調節ダンパの開度を大きくする開度指令を該ECOバイパスの流量調節ダンパに出力すると共に、前記過熱器側伝熱部及び再熱器側伝熱部の各流量調節ダンパの開度をそれぞれ小さくする開度指令を両伝熱部の各流量調節ダンパに出力して、前記排煙脱硝装置の入口側における排ガス温度を調節する制御部を備えた
ことを特徴とするボイラ。
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- 2011-06-28 JP JP2011143133A patent/JP2013011373A/ja active Pending
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