JPH10110904A - ボイラ制御装置 - Google Patents

ボイラ制御装置

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JPH10110904A
JPH10110904A JP26724696A JP26724696A JPH10110904A JP H10110904 A JPH10110904 A JP H10110904A JP 26724696 A JP26724696 A JP 26724696A JP 26724696 A JP26724696 A JP 26724696A JP H10110904 A JPH10110904 A JP H10110904A
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JP
Japan
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furnace
exhaust gas
amount
furnace exhaust
superheater
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Application number
JP26724696A
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English (en)
Inventor
Yukio Miyama
幸穂 深山
Mikio Yamanaka
幹夫 山中
Katsumi Shimodaira
克己 下平
Takahiro Taketomo
孝裕 竹友
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Publication date
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  • Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼速度の異なる燃料が投入された場合や灰
の生成量が異なる燃料が投入された場合にも良好な燃焼
状態を維持可能なボイラ制御装置を提供する。 【解決手段】 過熱器18と該過熱器への注水手段とを
有するボイラ装置に適用されるボイラ制御装置に、過熱
器への注水量を把握する手段として注水弁17を備える
と共に、燃料投入量を変化することなく火炉排ガス温度
を制御可能な手段として、火炉出口からの距離が異なる
複数の部所に燃焼バーナ3,4を分散して配置する。各
バーナに供給される総燃料量は一定であり、火炉出口に
近いバーナ3への燃料配分を増加または減少することに
よって火炉排ガス温度を上昇または下降する。各バーナ
ごとに燃料配分の操作手段として燃料流量調整弁51,
52を個別に設け、過熱器への注水量が増加したときに
は調整弁51の開度を大きくして排ガス温度を低下し、
前記過熱器への注水量が減少したときには調整弁51の
開度を小さくして排ガス温度を上昇する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はボイラ制御装置に係わ
り、特に、多様な燃料性状に対応でき、かつ、火炉汚れ
による伝熱特性の変化が生じた場合にも、良好な制御応
答性を確保可能なボイラ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図3に、従来より知られている貫流ボイ
ラ装置の一例を示す。燃料ライン1の流量は、流量調節
手段2にて調節される。この流量調節手段2は、液体燃
料であれば弁開度を、気体燃料であればダンパ開度を、
石炭であれば石炭粉砕機へのベルトコンベア速度等を調
節することによって、制御装置からの指令107に燃料
流量を追従させる。これらの燃料は、ボイラ火炉に備え
られた燃焼バーナまたは燃焼バーナ群3,4に供給さ
れ、燃焼される。燃焼用空気は、空気ライン5から通風
機6を介してエアレジスタ7,8に供給され、当該エア
レジスタ7,8から炉内に導入される。
【0003】一方、給水ライン10からポンプ11を介
して供給される給水は、主として火炉を取り囲む水冷壁
12に供給され、当該水冷壁12中で蒸気に変わる。水
冷壁12の一部は格子状のスクリーン13となってお
り、当該スクリーン13を火炉排ガス9が通過する。水
冷壁12で発生した蒸気は、火炉の上部や天井の水冷壁
内を通過する間に過熱される。その温度は温度検出器1
4で計測される。スクリーン13を通過した蒸気は、減
温器15で給水ライン10および注水弁17を介して供
給される注水16と混合される。注水量は、指令信号1
24に基づいて注水弁17で加減される。減温器15を
通過した蒸気は、過熱器18で昇温される。その際の加
熱ガス量は、開度指令118に基づいてガスダンパ19
を開閉することにより加減される。過熱器18を出た蒸
気は、温度検出器20で温度を計測された後、主蒸気ラ
イン21を経て高圧タービン22に供給される。高圧タ
ービン22で仕事をして膨張した蒸気は低温再熱蒸気ラ
イン23を経て再熱器24に入り、再び加熱される。そ
の際の加熱ガス量は、開度指令116に基づいてガスダ
ンパ25を開閉することにより加減される。再熱器24
を出た蒸気は、高温再熱蒸気ライン27を経て低圧ター
ビン28に供給される。
【0004】過熱器18および再熱器24に供給された
火炉排ガスは、ガス再循環ライン30を通って通風機3
1により火炉の底に投入される。ガス再循環ライン30
に供給される火炉排ガス量は、開度指令109に基づい
てダンパ29を開閉することにより加減される。このよ
うに、過熱器18および再熱器24を通過した火炉排ガ
スを火炉の底に投入すると、火炉内のガス温度が低下し
て火炉水冷壁12の輻射伝熱量を低下できると共に、過
熱器18や再熱器24の通過ガス量を増加させ、当該部
位での接触伝熱を増加させることができる。残りの火炉
排ガスは、煙道32を経て煙突へ抜ける。
【0005】図4に、従来より図3のボイラ装置に適用
されている制御装置の一例を示す。本装置は要約すれ
ば、負荷指令101に応じた蒸気流量を発生させるこ
と、および、主蒸気ライン21、再熱蒸気ライン27の
蒸気温度を負荷指令101に応じた規定温度に維持する
ことを主眼としている。
【0006】流量調節手段2に与えられる総燃料指令1
07は、関数要素105にて与えられる負荷指令101
に応じた基本値に、温度検出器14で検出された過熱器
入口の蒸気温度と関数要素102の出力を減算要素10
3で比較しその偏差をPID要素104に与えて得られ
る補正信号を、加算要素106で加えることにより得ら
れる。言い換えれば、総燃料指令107は、負荷指令1
01を基本として、これに給水量や実際の燃料供給ライ
ン1の流量変動に応じて変動する火炉水冷壁12におけ
る水燃比の変動をPID制御で補正する構成と言える。
【0007】ガス再循環ダンパ29に与えられる開度指
令109は、負荷指令101に応じて関数要素108で
求める。これは、ボイラの低負荷帯では相対的に火炉水
冷壁12の熱吸収量が過大となるため、上述のガス再循
環ライン30のガス量を増加し、輻射伝熱が主体の火炉
水冷壁12の熱吸収を低下させ、接触伝熱が主体の過熱
器18、再熱器24の熱吸収を増加させる作用を有す
る。
【0008】注水弁17に与えられる指令信号124
は、関数要素122にて与えられる負荷指令101に応
じた基本信号に、温度検出器20で検出された蒸気の実
温度と関数要素119によって与えられる目標値とを減
算要素120で比較しその偏差をPID要素121に与
えて得られる補正信号を、加算要素123で加えること
によって得られる。このような減温器15を用いる主蒸
気ライン21の温度調整は速応性もあり、これによるプ
ラントのエネルギ変換効率の低下も僅かであるため常套
的に用いられる。
【0009】ガスダンパ25に与えられる指令信号11
6は、関数要素113による基本信号に、温度検出器2
6で検出された実温度と関数要素110による目標値を
減算要素111で比較しその偏差をPID要素112に
与えて得られる補正信号を加算要素114で加え、これ
をダンパの開度・流量特性を補正する関数要素115に
て補正することにより得られる。また、ガスダンパ19
に与えられる指令信号118は、加算要素114の出力
信号を、ダンパの開度・流量特性を補正する関数要素1
17にて補正することにより得られる。このとき、関数
要素117は、ガスダンパ19の開度指令118をガス
ダンパ25の開度指令116と逆方向に動かし、再熱器
24の通過ガス量の調節を支援する。これによると、過
熱器18の熱吸収量に外乱を与え、主蒸気ライン21の
温度変動をもたらすが、上述した注水弁17による減温
器15への注水量を調節することで十分吸収できるので
問題はない。なお、再熱蒸気温度の制御には、他の方法
として、再熱器24に注水するという方法も知られてい
るが、これは効率の悪い低圧タービン28の蒸気量を増
加させ、トータルのエネルギ変換効率を損なうため、非
常用としてのみ用いられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】燃料の性状がほぼ一定
である場合には、図3のボイラ装置を図4の制御装置で
制御することによって、良好な燃焼状態を維持できる。
また、燃料の性状は一般に、発熱量、燃焼速度および灰
の生成量で評価されるが、発熱量の異なる燃料が投入さ
れた場合には、負荷指令に応じてボイラの所要熱量が定
まることから発熱量に反比例して燃料供給ライン1の流
量を加減することで対処でき、図3のボイラ装置および
図4の制御装置を用いて良好な燃焼状態を維持できる。
しかしながら、燃焼速度が異なる燃料が投入された場合
や灰の生成量が異なる燃料が投入された場合には、以下
の理由により、図3のボイラ装置および図4の制御装置
によっては良好な燃焼状態を維持することができない。
【0011】例えば燃焼速度が遅い燃料を使用した場
合、火炉内の発熱量の分布は燃焼ガスの流れに沿って後
流側(火炉出口側)に移動し、火炉下部の水冷壁の熱吸
収量が大きく低下するため、火炉の総熱吸収量が低下す
る。また、灰の生成量が多い燃料を使用した結果、火炉
伝熱面が汚れた場合も、火炉の総熱吸収量が低下する。
このように火炉の総熱吸収量が低下すると、同一入熱を
与えても火炉で熱吸収されにくいことから火炉排ガス温
度が上昇し、後流の過熱器18および再熱器24のガス
温度が上昇するため、これらにおける熱吸収量が増加す
る。逆に、燃焼速度が速い燃料を用いた場合や伝熱面に
付着した灰が剥離した場合は、火炉排ガス温度が低下
し、過熱器18および再熱器24における熱吸収量が減
少する。
【0012】このため、過熱器18においては、熱吸収
量の増加または減少に応じて注水弁17の開度を増加ま
たは減少する必要があるが、火炉内の発熱量分布の移動
や火炉伝熱面の汚れによる熱吸収量の増加または減少は
ボイラ火炉と過熱器18との熱吸収バランスの設計点か
らのずれであり、注水弁17の開度が全開または全閉近
傍で常時運用する事態となりやすい。全開または全閉の
近傍では、注水弁17の操作余地が片側で小さくなるの
で、この状態で何らかの外乱が発生したり負荷指令10
1を変化させると、主蒸気ライン21温度の過渡的変動
に対処できない場合が生じる。
【0013】また、再熱器24においても、熱吸収量の
増加又は減少に応じてダンパ25の開度を減少または増
加する必要があるが、火炉内の発熱量分布の移動や火炉
伝熱面の汚れによる熱吸収量の増加または減少はボイラ
火炉と再熱器24との熱吸収バランスの設計点からのず
れであり、ダンパ25の開度が全開または全閉近傍で常
時運用する事態となりやすい。全開または全閉の近傍で
は、ダンパ25の操作余地が片側で小さくなるので、こ
の状態で何らかの外乱が発生したり負荷指令101を変
化させると、再熱蒸気ライン27温度の過渡的変動に対
処できない場合が生じる。
【0014】本発明は、かかる従来技術の不備を解消す
るためになされたものであって、その課題とするところ
は、燃焼速度の異なる燃料が投入された場合や灰の生成
量が異なる燃料が投入された場合にも良好な燃焼状態を
維持可能なボイラ制御装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するため、第1に、火炉と、該火炉を取り囲む水冷
壁と、該水冷壁で発生した蒸気を火炉排ガスの流路中で
過熱する過熱器と、該過熱器への注水手段とを有するボ
イラ装置に適用されるボイラ制御装置において、前記過
熱器への注水量を把握する手段と、燃料投入量を変化す
ることなく前記火炉の出口における火炉排ガス温度を調
整する手段とを備え、前記過熱器への注水量が増加した
ときには火炉排ガス温度を低下するように前記調整手段
を動作し、前記過熱器への注水量が減少したときには火
炉排ガス温度を上昇するように前記調整手段を動作する
という構成にした。
【0016】燃焼速度が遅い燃料を使用した場合や灰の
生成量が多い燃料を使用した場合の問題点は、ボイラの
総入熱量は妥当であるにも拘らず、ボイラ各部の熱量配
分が不適当であるために発生するものであるので、当
然、総燃料投入量は不変の条件で解決されなければなら
ない。また、燃料流量が一定である場合には、燃焼速度
の遅れが大きくなるにしたがって、また火炉の汚れが増
加するにしたがって、火炉水冷壁の熱吸収量が減少し、
火炉でのガス温度低下幅が減少して、火炉排ガス温度が
上昇する。このように、燃料流量が一定の定常状態で
は、火炉水冷壁の熱吸収量と火炉排ガス温度とは、互い
に一方を知れば一義的に他方を求められるから、「火炉
水冷壁の熱吸収量」特性は、把握の容易な「火炉排ガス
温度」特性として取扱うことができる。
【0017】これを前提条件として、過熱器18への注
水量が増加したときには火炉排ガス温度を低下し、過熱
器18への注水量が減少したときには火炉排ガス温度を
上昇すると、過熱器18における熱吸収量の変動が、火
炉排ガス温度を調整しない場合よりも大きくなる。した
がって、図4のPID要素121の作用により、注水弁
17の開度が全開近傍または全閉近傍まで達さず、開閉
側ともに操作余地を残した開度になる。よって、以後の
主蒸気ライン21の温度の過渡的変動に余裕をもって対
処できる。
【0018】本発明は第2に、火炉と、該火炉を取り囲
む水冷壁と、該水冷壁で発生した蒸気を火炉排ガスの流
路中で過熱する過熱器および再熱器を有するボイラ装置
に適用されるボイラ制御装置において、前記再熱器に導
入される火炉排ガスの流量配分を把握する手段と、燃料
投入量を変化することなく前記火炉の出口における火炉
排ガス温度を調整する手段とを備え、前記再熱器への火
炉排ガスの流量配分が増加したときには火炉排ガス温度
を上昇するように前記調整手段を動作し、前記再熱器へ
の火炉排ガスの流量配分が減少したときには前記排ガス
温度を低下するように前記調整手段を動作するという構
成にした。
【0019】この場合にも、前記の前提条件のもとで、
再熱器24への排ガスの流量配分が増加したときには排
ガス温度を上昇し、再熱器24への排ガスの流量配分が
減少したときには排ガス温度を下降すると、再熱器24
における熱吸収量の変動が、火炉排ガス温度を調整しな
い場合よりも大きくなる。したがって、図4のPID要
素112の作用により、ダンパ25の開度が全開近傍ま
たは全閉近傍まで達さず、開閉側ともに操作余地を残し
た開度になる。よって、以後の再熱蒸気ライン27の温
度の過渡的変動に余裕をもって対処できる。
【0020】本発明は第3に、前記第1または第2の構
成のボイラ制御装置において、前記燃料投入量を変化す
ることなく前記火炉の出口における火炉排ガス温度を制
御する手段として、前記火炉内に備えられる燃焼バーナ
または燃焼バーナ群を火炉出口からの距離が異なる複数
の部所に分散して配置すると共に、各部所に配置された
燃焼バーナまたは燃焼バーナ群ごとに燃料配分の操作手
段を個別に設け、火炉出口に近い燃焼バーナまたは燃焼
バーナ群への燃料配分を増加または減少することによっ
て前記火炉排ガス温度の上昇または下降を制御するとい
う構成にした。
【0021】火炉出口に近い燃焼バーナまたは燃焼バー
ナ群への燃料配分を増加すると、それに伴って火炉内の
発熱量の分布は燃焼ガスの流れ方向の後流側(火炉出口
側)に移動し、火炉の下部における水冷壁の熱吸収量が
減少する。一方、火炉出口に近い燃焼バーナまたは燃焼
バーナ群への燃料配分を減少すると、それに伴って火炉
内の発熱量の分布は燃焼ガスの流れ方向の前流側(火炉
下部側)に移動し、火炉の下部における水冷壁の熱吸収
量が増加する。火炉出口に近い燃焼バーナまたは燃焼バ
ーナ群への燃料配分を増加した場合にも、また減少した
場合にも、火炉上部の熱吸収量はあまり変化しないた
め、火炉出口に近い燃焼バーナまたは燃焼バーナ群への
燃料配分を増加した場合には火炉の総熱吸収量が減少
し、火炉出口に近い燃焼バーナまたは燃焼バーナ群への
燃料配分を減少した場合には火炉の総熱吸収量が増加す
る。したがって、総燃料投入量が不変であっても、火炉
出口に近い燃焼バーナまたは燃焼バーナ群への燃料配分
を制御することによって、火炉出口における排ガス温度
を調節できる。
【0022】本発明は第4に、前記した第1〜第3の構
成のボイラ制御装置において、火炉排ガス温度の計測手
段または推定手段を設け、当該計測手段の計測値または
当該推定手段の推定値と前記火炉排ガス温度の目標値の
比較に基づいて、前記火炉排ガス温度を制御するという
構成にした。
【0023】火炉排ガス温度の変動は、過熱器18や再
熱器24での熱交換に影響を与えると共に、熱容量や流
動遅れによる時間遅れをもって主蒸気ライン21および
再熱蒸気ライン27の蒸気温度に変動をもたらす。この
ため、主蒸気ライン21および再熱蒸気ライン27の蒸
気温度変動を直接計測または推定したのでは、遅れによ
るなまし効果を被るために正確な制御を行うことができ
ない。これに対して、火炉排ガス温度の変動は、主蒸気
ライン21および再熱蒸気ライン27の蒸気温度の変動
に先行し、かつ遅れによるなまし効果を被らない分だけ
鋭敏に検出可能である。したがって、火炉排ガス温度の
計測手段または推定手段を設け、当該計測手段の計測値
または当該推定手段の推定値と火炉排ガス温度の目標値
の比較に基づいて火炉排ガス温度を制御すれば、主蒸気
ライン21および再熱蒸気ライン27の蒸気温度変動の
根本原因に対処できる。
【0024】本発明は第5に、火炉と、該火炉を取り囲
む水冷壁と、該水冷壁で発生した蒸気を火炉排ガスの流
路中で過熱する過熱器と、該過熱器への注水手段とを有
するボイラ装置に適用されるボイラ制御装置において、
前記過熱器への注水量を把握する手段と、前記火炉に再
循環される火炉排ガスの再循環量を調節する手段とを備
え、前記過熱器への注水量を増加したときには火炉排ガ
スの再循環量を減少し、前記過熱器への注水量を減少し
たときには火炉排ガスの再循環量を増加するという構成
にした。
【0025】再循環ライン30の流量を減少すると火炉
内のガス温度は上昇し、再循環ライン30の流量を増加
すると火炉内のガス温度は下降する。しかし、再循環ラ
イン30の流量を減少した場合には、火炉内の輻射伝熱
量が増加するために火炉の熱吸収量が増加し、火炉での
ガス温度低下幅が増加するのに対して、再循環ライン3
0の流量を増加した場合には、火炉内の輻射伝熱量が減
少するために火炉の熱吸収量が減少し、火炉でのガス温
度低下幅が減少するため、結果的に火炉排ガス温度はあ
まり変化しない。したがって、過熱器への注水量を増加
したときに再循環ライン30の流量を減少すると、過熱
器18の熱交換に係わる温度差はあまり変化しないが、
過熱器18を通過するガス量が減少する結果、過熱器1
8の熱吸収量が減少する。これに対して、過熱器への注
水量を減少したときに再循環ライン30の流量を増加す
ると、過熱器18の熱交換に係わる温度差はあまり変化
しないが、過熱器18を通過するガス量が増加する結
果、過熱器18の熱吸収量が増加する。よって、図4の
PID要素121の作用により、注水弁17の開度が全
開近傍または全閉近傍まで達さず、開閉側ともに操作余
地を残した開度になるので、以後の主蒸気ライン21の
温度の過渡的変動に余裕をもって対処できる。
【0026】本発明は第6に、火炉と、該火炉を取り囲
む水冷壁と、該水冷壁で発生した蒸気を火炉排ガスの流
路中で過熱する過熱器および再熱器を備えたボイラ装置
に適用されるボイラ制御装置において、前記再熱器への
火炉排ガスの流量配分を把握する手段と、前記火炉への
火炉排ガスの再循環量を調節する手段とを備え、前記再
熱器への火炉排ガスの流量配分を増加したときには前記
火炉への火炉排ガスの再循環量を増加し、前記再熱器へ
の火炉排ガスの流量配分を減少したときには前記火炉へ
の火炉排ガスの再循環量を減少するという構成にした。
【0027】この場合にも、前記した第5の課題解決手
段の場合と同様の作用により、ダンパ25の開度が全開
近傍または全閉近傍まで達さず、開閉側ともに操作余地
を残した開度になるので、以後の再熱蒸気ライン27の
温度の過渡的変動に余裕をもって対処できる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は実施形態例に係るボイラ制
御装置の回路図であり、図2は図1のボイラ制御装置が
適用されるボイラ装置の構成図である。図2において、
51,52は燃料流量調整弁、53は火炉排ガス温度計
測手段を示し、前出の図3と同一の部分にはそれと同一
の符号が表示されている。一方、図1において、符号1
51,153,155,167,171,179,18
1は関数要素、157,165,183は加算要素、1
59は減算要素、161はPID要素、169,173
は乗算要素を示し、前出の図4と同一の部分にはそれと
同一の符号が表示されている。
【0029】図2から明らかなように、本例のボイラ装
置が図3に示した従来例のボイラ装置と異なる点は、火
炉出口に近い部所に配置された燃焼バーナまたは燃焼バ
ーナ群3と、火炉出口に遠い部所に配置された燃焼バー
ナまたは燃焼バーナ群4に供給される燃料流量を弁5
1,52で個別に調整可能とした点、および火炉排ガス
温度の計測手段53を設けた点にある。計測手段53と
しては、高精度にして耐久性に優れることから、本願発
明者らが先に提案した音響式ガス温度計測装置が特に好
適である(特開平8−145812号公報参照)。
【0030】図1から明らかなように、本例のボイラ制
御装置は、注水弁17の開度指令124を関数要素15
5に入力すると共に、ガスダンパ25の開度指令116
の元になる加算要素114の出力178を関数要素15
3に入力し、それぞれ、注水弁開度に係わる火炉排ガス
温度の補正信号156と、ダンパ開度に係わる火炉排ガ
ス温度の補正信号154とを得る。これらの各補正信号
と、負荷指令101を関数要素151に与えて得られる
火炉排ガス温度の基本目標値152とを加算要素157
で加え、火炉排ガス温度の目標値158を得る。また、
この目標値158と温度検出手段53によって検出され
た排ガス温度の計測値との偏差160を減算要素159
で算出し、これをPID要素161に与えて、燃焼バー
ナまたは燃焼バーナ群3,4に関する燃料配分の基本補
正信号162を得る。
【0031】さらに、この基本補正信号162を関数要
素167および関数要素171に与えて、補正信号16
8と補正信号172とを得る。このとき、関数要素16
7および171は、各出力168および172の和が常
に“1”となるように、一方の増加に伴って他方を減少
し、かつ、その増加量または減少量が各燃焼バーナまた
は燃焼バーナ群3,4の構造上無理のない燃料配分範囲
になるよう設定しておく。補正信号172は、乗算要素
173で総燃料量指令107に乗じられ、燃焼バーナま
たは燃焼バーナ群3につながる燃料流量調整手段51を
制御するための流量指令信号174となる。また、補正
信号168は、乗算要素169で総燃料量指令107に
乗じられ、燃焼バーナまたは燃焼バーナ群4につながる
燃料流量調整手段52を制御するための流量指令信号1
70となる。
【0032】また、注水弁17の開度指令124を関数
要素181に入力すると共に、ガスダンパ25の開度指
令116の元になる加算要素114の出力178を関数
要素179に入力し、それぞれ、注水弁開度に係わるガ
ス再循環量の補正信号182と、ダンパ開度に係わるガ
ス再循環量の補正信号180とを得る。これらの各補正
信号は、加算要素183で加算されて補正信号164と
なり、これをガス再循環ダンパ29の基本開度指令10
9に加算要素165で加えることによって、ガス再循環
ダンパ29の開度指令166となる。
【0033】上記したように、本実施形態例に係るボイ
ラ制御装置は、過熱器18への注水量に応じて燃焼バ
ーナまたは燃焼バーナ群3,4の流量指令170,17
4を調整し、再熱器24への排ガスの流量配分に応じ
て燃焼バーナまたは燃焼バーナ群3,4の流量指令17
0,174を調整し、過熱器18への注水量に応じて
ガス再循環ダンパ29の開度指令166を調整し、再
熱器24への火炉排ガスの流量配分に応じてガス再循環
ダンパ29の開度指令166を調整したので、注水弁1
7およびダンパ19,25の開度が全開近傍または全閉
近傍まで達することがなく、開閉側ともに操作余地を残
した開度になるので、主蒸気ライン21および再熱蒸気
ライン27の温度の過渡的変動に余裕をもって対処でき
る。また、火炉排ガス温度の計測値または推定値に基づ
いて主蒸気ライン21および再熱蒸気ライン27の温度
制御を行うので、これらの蒸気温度変動に迅速かつ高精
度に対応できる。
【0034】なお、本実施形態例においては、〜の
制御を同時に行う構成としたが、〜の制御を単独で
行う構成にすることもできるし、〜の制御をいくつ
か組み合わせて行う構成にすることもできる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1および請
求項5に記載の発明によれば、注水弁17の開度が開閉
側ともに操作余地を残した開度になるので、主蒸気ライ
ン21の温度の過渡的変動に余裕をもって対処できる。
【0036】請求項2および請求項6に記載の発明によ
れば、ダンパ25の開度が開閉側ともに操作余地を残し
た開度になるので、再熱蒸気ライン27の温度の過渡的
変動に余裕をもって対処できる。
【0037】請求項3に記載の発明によれば、火炉排ガ
ス温度の制御を容易かつ迅速に行うことができる。
【0038】請求項4に記載の発明によれば、主蒸気ラ
イン21および再熱蒸気ライン27の蒸気温度変動を、
その根本原因たる火炉出口ガス温度を把握することによ
って制御するので、これらの蒸気温度変動に迅速かつ高
精度に対処できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例に係るボイラ制御装置の回路図であ
る。
【図2】実施形態例に係るボイラ制御装置が適用される
ボイラ装置の構成図である。
【図3】従来例に係るボイラ装置の構成図である。
【図4】従来例に係るボイラ制御装置の回路図である。
【符号の説明】
1 燃料ライン 3,4 燃焼バーナまたは燃焼バーナ群 5 空気ライン 6 通風機 7,8 エアレジスタ 9 火炉排ガス 10 給水ライン 11 ポンプ 12 水冷壁 13 スクリーン 14 温度検出器 15 減温器 16 注水 17 注水弁 18 過熱器 19 ガスダンパ 20 温度検出器 21 主蒸気ライン 22 高圧タービン 23 低温再熱蒸気ライン 24 再熱器 25 ガスダンパ 26 温度検出器 27 高温再熱蒸気ライン 28 低圧タービン 29 ガス再循環ダンパ 30 ガス再循環ライン 31 通風機 32 煙道 51,52 燃料流量調整弁 53 排ガス温度計測手段 101 負荷指令 107 総燃料量指令 109,116,118,124 開度指令 152 基本目標値 154,156,164,168,172,180,1
82 補正信号 158 目標値 160 偏差 162 基本補正信号 166,170,174 開度指令 176 目標値 f(x) 関数要素 Δ 減算要素 PID PID要素 Σ 加算要素 × 乗算要素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹友 孝裕 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火炉と、該火炉を取り囲む水冷壁と、該
    水冷壁で発生した蒸気を火炉排ガスの流路中で過熱する
    過熱器と、該過熱器への注水手段とを有するボイラ装置
    に適用されるボイラ制御装置において、前記過熱器への
    注水量を把握する手段と、燃料投入量を変化することな
    く前記火炉の出口における火炉排ガス温度を調整する手
    段とを備え、前記過熱器への注水量が増加したときには
    火炉排ガス温度を低下するように前記調整手段を動作
    し、前記過熱器への注水量が減少したときには火炉排ガ
    ス温度を上昇するように前記調整手段を動作することを
    特徴とするボイラ制御装置。
  2. 【請求項2】 火炉と、該火炉を取り囲む水冷壁と、該
    水冷壁で発生した蒸気を火炉排ガスの流路中で過熱する
    過熱器および再熱器を有するボイラ装置に適用されるボ
    イラ制御装置において、前記再熱器に導入される火炉排
    ガスの流量配分を把握する手段と、燃料投入量を変化す
    ることなく前記火炉の出口における火炉排ガス温度を調
    整する手段とを備え、前記再熱器への火炉排ガスの流量
    配分が増加したときには火炉排ガス温度を上昇するよう
    に前記調整手段を動作し、前記再熱器への火炉排ガスの
    流量配分が減少したときには前記排ガス温度を低下する
    ように前記調整手段を動作することを特徴とするボイラ
    制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のボイラ制御装
    置において、前記燃料投入量を変化することなく前記火
    炉の出口における火炉排ガス温度を制御する手段とし
    て、前記火炉内に備えられる燃焼バーナまたは燃焼バー
    ナ群を火炉出口からの距離が異なる複数の部所に分散し
    て配置すると共に、各部所に配置された燃焼バーナまた
    は燃焼バーナ群ごとに燃料配分の操作手段を個別に設
    け、火炉出口に近い燃焼バーナまたは燃焼バーナ群への
    燃料配分を増加または減少することによって前記火炉排
    ガス温度の上昇または下降を制御することを特徴とする
    ボイラ制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のボイラ
    制御装置において、火炉排ガス温度の計測手段または推
    定手段を設け、当該計測手段の計測値または当該推定手
    段の推定値と前記火炉排ガス温度の目標値の比較に基づ
    いて、前記火炉排ガス温度を制御することを特徴とする
    ボイラ制御装置。
  5. 【請求項5】 火炉と、該火炉を取り囲む水冷壁と、該
    水冷壁で発生した蒸気を火炉排ガスの流路中で過熱する
    過熱器と、該過熱器への注水手段とを有するボイラ装置
    に適用されるボイラ制御装置において、前記過熱器への
    注水量を把握する手段と、前記火炉に再循環される火炉
    排ガスの再循環量を調節する手段とを備え、前記過熱器
    への注水量を増加したときには火炉排ガスの再循環量を
    減少し、前記過熱器への注水量を減少したときには火炉
    排ガスの再循環量を増加することを特徴とするボイラ制
    御装置。
  6. 【請求項6】 火炉と、該火炉を取り囲む水冷壁と、該
    水冷壁で発生した蒸気を火炉排ガスの流路中で過熱する
    過熱器および再熱器を備えたボイラ装置に適用されるボ
    イラ制御装置において、前記再熱器への火炉排ガスの流
    量配分を把握する手段と、前記火炉への火炉排ガスの再
    循環量を調節する手段とを備え、前記再熱器への火炉排
    ガスの流量配分を増加したときには前記火炉への火炉排
    ガスの再循環量を増加し、前記再熱器への火炉排ガスの
    流量配分を減少したときには前記火炉への火炉排ガスの
    再循環量を減少することを特徴とするボイラ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007061106A1 (ja) * 2005-11-28 2007-05-31 Electric Power Development Co., Ltd. 酸素燃焼ボイラの燃焼制御方法及び装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007061106A1 (ja) * 2005-11-28 2007-05-31 Electric Power Development Co., Ltd. 酸素燃焼ボイラの燃焼制御方法及び装置
US8584604B2 (en) 2005-11-28 2013-11-19 Electric Power Development Co., Ltd. Method and apparatus for controlling combustion in oxygen fired boiler

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