JPH05250923A - 自己融着集合線 - Google Patents
自己融着集合線Info
- Publication number
- JPH05250923A JPH05250923A JP4483892A JP4483892A JPH05250923A JP H05250923 A JPH05250923 A JP H05250923A JP 4483892 A JP4483892 A JP 4483892A JP 4483892 A JP4483892 A JP 4483892A JP H05250923 A JPH05250923 A JP H05250923A
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- JP
- Japan
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- layer
- self
- fusing
- self fusing
- wire
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- Pending
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- Insulated Conductors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 偏向ヨークコイルなどの巻線材料として用い
る自己融着集合線の自己融着層を熱可塑性樹脂で形成し
ても導体面積の低下を招かずに良好な形状、外観を確保
でき、融着力も向上させ得るようにする。 【構成】 複数本の絶縁素線1を所定の断面形状に束ね
合わせてその外周に先ず熱硬化性塑性樹脂から成る薄い
結束層4を設ける。そして、その上に熱可塑性樹脂から
成る自己融着層5を設ける。結束層4が焼付炉内の高温
に耐えて素線を保持するので自己融着層を数回に分けて
塗布、焼付けても炉内温度による素線のばらけが無く、
良好な外観が確保される。また、塗布、焼付けの回数を
増やすことにより一回当りの塗布厚を薄くし得るので溶
剤分の蒸発を充分に進行させて良好な外観を得ることが
でき、自己融着層の全体膜厚を大きくして融着力を高め
ることも可能になる。さらに、介在を用いないので導体
断面積の減少も起こらない。
る自己融着集合線の自己融着層を熱可塑性樹脂で形成し
ても導体面積の低下を招かずに良好な形状、外観を確保
でき、融着力も向上させ得るようにする。 【構成】 複数本の絶縁素線1を所定の断面形状に束ね
合わせてその外周に先ず熱硬化性塑性樹脂から成る薄い
結束層4を設ける。そして、その上に熱可塑性樹脂から
成る自己融着層5を設ける。結束層4が焼付炉内の高温
に耐えて素線を保持するので自己融着層を数回に分けて
塗布、焼付けても炉内温度による素線のばらけが無く、
良好な外観が確保される。また、塗布、焼付けの回数を
増やすことにより一回当りの塗布厚を薄くし得るので溶
剤分の蒸発を充分に進行させて良好な外観を得ることが
でき、自己融着層の全体膜厚を大きくして融着力を高め
ることも可能になる。さらに、介在を用いないので導体
断面積の減少も起こらない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高精度ディスプレー用
偏向ヨークコイルなどの高周波機器に巻線材料として用
いる自己融着集合線に関する。
偏向ヨークコイルなどの高周波機器に巻線材料として用
いる自己融着集合線に関する。
【0002】
【従来の技術】首記の自己融着集合線には、絶縁素線を
撚り合わせたものと、撚り合わせずに単に束ねて自己融
着層により一体化したものの2種がある。このうち、後
者の自己融着集合線は、素線を撚り合わせていないの
で、巻線時に撚りの戻りが起こらないと言う利点があ
る。しかし、従来のこのタイプの集合線は、図2に示す
ように、絶縁素線1を束ね、その外周に自己融着用の樹
脂を塗布してこれを焼付ける構造、又は特開平3−18
4214号公報に示されるように、熱可塑性樹脂から成
る中心介在の外周に絶縁素線を密着して束ね、その外周
に素線固着用の自己融着層を設ける構造であったので次
の問題を有していた。
撚り合わせたものと、撚り合わせずに単に束ねて自己融
着層により一体化したものの2種がある。このうち、後
者の自己融着集合線は、素線を撚り合わせていないの
で、巻線時に撚りの戻りが起こらないと言う利点があ
る。しかし、従来のこのタイプの集合線は、図2に示す
ように、絶縁素線1を束ね、その外周に自己融着用の樹
脂を塗布してこれを焼付ける構造、又は特開平3−18
4214号公報に示されるように、熱可塑性樹脂から成
る中心介在の外周に絶縁素線を密着して束ね、その外周
に素線固着用の自己融着層を設ける構造であったので次
の問題を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した集合線のう
ち、自己融着層5のみで絶縁素線1を一体化する図2の
構造のものは、自己融着用の樹脂を1回引きで厚く塗布
するため、樹脂中の溶剤分の蒸発が不充分になり、残留
溶剤の発泡に起因した外観不良が生じ易い。
ち、自己融着層5のみで絶縁素線1を一体化する図2の
構造のものは、自己融着用の樹脂を1回引きで厚く塗布
するため、樹脂中の溶剤分の蒸発が不充分になり、残留
溶剤の発泡に起因した外観不良が生じ易い。
【0004】また、1回当りの塗布厚を薄くするために
(薄いと溶剤が抜け易い)樹脂の塗布、焼付け回数(引
回数)を2回以上に増やすと、融着材料として熱可塑性
のナイロン等を用いる場合、焼付炉内の高温で樹脂が溶
けるため、線のいわゆるばらけが生じて形状が悪くな
る。なお、自己融着層の材料はユーザでの使用条件があ
るので、これ自体を変更することはできない。
(薄いと溶剤が抜け易い)樹脂の塗布、焼付け回数(引
回数)を2回以上に増やすと、融着材料として熱可塑性
のナイロン等を用いる場合、焼付炉内の高温で樹脂が溶
けるため、線のいわゆるばらけが生じて形状が悪くな
る。なお、自己融着層の材料はユーザでの使用条件があ
るので、これ自体を変更することはできない。
【0005】一方、中心介在を用いるものは、集合線の
中心部の隙間を介在が埋めるので発泡による外観不良が
少なくなるが、熱可塑性樹脂の介在が必要である。ま
た、その中心介在を用いることによって集合線中の導体
断面積が減少するので、コイルの小型化面でも不利にな
る。
中心部の隙間を介在が埋めるので発泡による外観不良が
少なくなるが、熱可塑性樹脂の介在が必要である。ま
た、その中心介在を用いることによって集合線中の導体
断面積が減少するので、コイルの小型化面でも不利にな
る。
【0006】本発明は、これ等の問題点を解決した自己
融着集合線を実現して提供することを課題としている。
融着集合線を実現して提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するため、所定の断面形状になるように束ねた絶縁
素線の外周に熱硬化性の樹脂から成る素線の結束層を設
け、その上に熱可塑性の自己融着層を設ける構造を採用
する。
解決するため、所定の断面形状になるように束ねた絶縁
素線の外周に熱硬化性の樹脂から成る素線の結束層を設
け、その上に熱可塑性の自己融着層を設ける構造を採用
する。
【0008】
【作用】自己融着層の内側に設けた熱硬化性樹脂の結束
層が高温に耐え、焼付炉に通しても素線の保持力を維持
するので、焼付け回数を多くしても素線がばらけず、形
状の悪化が起こらない。また、そのために、自己融着層
の引回数を増やして1回当りの塗布厚を減少させ、発泡
による外観不良を防止することができる。
層が高温に耐え、焼付炉に通しても素線の保持力を維持
するので、焼付け回数を多くしても素線がばらけず、形
状の悪化が起こらない。また、そのために、自己融着層
の引回数を増やして1回当りの塗布厚を減少させ、発泡
による外観不良を防止することができる。
【0009】さらに、中心介在が無いので導体面積の減
少も無くなり、かつ、引回数の増加で自己融着層の膜厚
を増大させて融着力を向上させることもできる。
少も無くなり、かつ、引回数の増加で自己融着層の膜厚
を増大させて融着力を向上させることもできる。
【0010】
【実施例】図1に、本発明の自己融着集合線の一例を示
す。図の1は導体2を絶縁層3で被覆して構成される絶
縁素線である。ここでは、この絶縁素線1の7本を2層
構造、つまり、1本の素線が中心にあり、残りの6本の
素線が中心素線に接して中心素線と同心円上に密に並ぶ
状態に束ね合わせたが、19本の絶縁素線を3層構造に
束ねてもよい。また、集合線の断面形状が方形になるよ
うに束ねことも制限されない。
す。図の1は導体2を絶縁層3で被覆して構成される絶
縁素線である。ここでは、この絶縁素線1の7本を2層
構造、つまり、1本の素線が中心にあり、残りの6本の
素線が中心素線に接して中心素線と同心円上に密に並ぶ
状態に束ね合わせたが、19本の絶縁素線を3層構造に
束ねてもよい。また、集合線の断面形状が方形になるよ
うに束ねことも制限されない。
【0011】4は、このようにして束ねた線に薄く塗布
して固化した結束層であり、熱硬化性の樹脂、例えばウ
レタンや絶縁層3の形成材料と同じエステルイミド、ア
ミドイミドなどによって形成されている。
して固化した結束層であり、熱硬化性の樹脂、例えばウ
レタンや絶縁層3の形成材料と同じエステルイミド、ア
ミドイミドなどによって形成されている。
【0012】5は、ナイロン等の熱可塑性樹脂から成る
自己融着層である。この層5は、樹脂の塗布、焼付けを
数回に分けて行うことにより一回当りの塗布厚を薄く
し、全体としての膜厚は充分に厚くしてある。
自己融着層である。この層5は、樹脂の塗布、焼付けを
数回に分けて行うことにより一回当りの塗布厚を薄く
し、全体としての膜厚は充分に厚くしてある。
【0013】以下に、本発明の効果の確認試験結果を記
す。試験は、絶縁素線として、導体径0.11mm、素線
径0.14mmの半田付け可能なエステルイミド線を用
い、この素線の7本を図1の状態に束ね合わせてその外
周にウレタンの結束層と熱可塑性ナイロンの自己融着層
を順に形成した本発明の集合線と、ナイロンの自己融着
層のみを設けた従来構造の集合線(いずれも全体外径は
0.42mm)を作り、これ等の素線融着力、形状、外観
を比較する方法で行った。
す。試験は、絶縁素線として、導体径0.11mm、素線
径0.14mmの半田付け可能なエステルイミド線を用
い、この素線の7本を図1の状態に束ね合わせてその外
周にウレタンの結束層と熱可塑性ナイロンの自己融着層
を順に形成した本発明の集合線と、ナイロンの自己融着
層のみを設けた従来構造の集合線(いずれも全体外径は
0.42mm)を作り、これ等の素線融着力、形状、外観
を比較する方法で行った。
【0014】なお、自己融着層は、本発明品については
塗布、焼付けを3回に分けて行った(ウレタンは1回
引)。また、従来品は、その層を1回引きで形成したも
の(比較例1)と、3回引きで形成したもの(比較例
2)の2種類を作った。
塗布、焼付けを3回に分けて行った(ウレタンは1回
引)。また、従来品は、その層を1回引きで形成したも
の(比較例1)と、3回引きで形成したもの(比較例
2)の2種類を作った。
【0015】結束層と自己融着層の焼付け条件は、熱風
循環式焼付炉の溶剤蒸発ゾーン内温度200℃、樹脂硬
化ゾーン内温度300℃、線速25m/minである。
循環式焼付炉の溶剤蒸発ゾーン内温度200℃、樹脂硬
化ゾーン内温度300℃、線速25m/minである。
【0016】表1に得られた自己融着集合線の比較結果
を示す。
を示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の自己融着集
合線は、自己融着層の内側に熱硬化性樹脂を用いた結束
層を設けたので、自己融着層焼付け時の熱による素線の
ばらけを無くして良好な形状を確保することができる。
合線は、自己融着層の内側に熱硬化性樹脂を用いた結束
層を設けたので、自己融着層焼付け時の熱による素線の
ばらけを無くして良好な形状を確保することができる。
【0019】また、自己融着層の引回数を増やして良好
な外観を確保し、かつ、自己融着層の全体膜厚を大きく
して融着力を向上させることもできる。
な外観を確保し、かつ、自己融着層の全体膜厚を大きく
して融着力を向上させることもできる。
【0020】さらに、中心介在を使用していないので集
合線中に占める導体の面積減少も防止でき、従来品に比
べてその商品価値が高まる。
合線中に占める導体の面積減少も防止でき、従来品に比
べてその商品価値が高まる。
【図1】本発明の自己融着集合線の一例を示す断面図
【図2】従来の自己融着集合線の一例を示す断面図
1 絶縁素線 2 導体 3 絶縁層 4 結束層 5 自己融着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下小瀬 定 名古屋市南区菊住一丁目7番10号 住友電 気工業株式会社名古屋製作所内
Claims (1)
- 【請求項1】 複数本の絶縁素線を所定の断面形状に束
ね合わせてその外周に熱可塑性の自己融着層を設けてあ
る集合線において、前記自己融着層の内側に熱硬化性の
樹脂から成る絶縁素線の結束層を設けたことを特徴とす
る自己融着集合線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4483892A JPH05250923A (ja) | 1992-03-02 | 1992-03-02 | 自己融着集合線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4483892A JPH05250923A (ja) | 1992-03-02 | 1992-03-02 | 自己融着集合線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05250923A true JPH05250923A (ja) | 1993-09-28 |
Family
ID=12702619
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4483892A Pending JPH05250923A (ja) | 1992-03-02 | 1992-03-02 | 自己融着集合線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05250923A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7259332B2 (en) | 2002-08-30 | 2007-08-21 | Belden Technologies, Inc. | Separable multi-member composite cable |
-
1992
- 1992-03-02 JP JP4483892A patent/JPH05250923A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7259332B2 (en) | 2002-08-30 | 2007-08-21 | Belden Technologies, Inc. | Separable multi-member composite cable |
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