JPH11232936A - 高耐圧高周波コイル用リッツ線およびその製造方法 - Google Patents
高耐圧高周波コイル用リッツ線およびその製造方法Info
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- JPH11232936A JPH11232936A JP3117198A JP3117198A JPH11232936A JP H11232936 A JPH11232936 A JP H11232936A JP 3117198 A JP3117198 A JP 3117198A JP 3117198 A JP3117198 A JP 3117198A JP H11232936 A JPH11232936 A JP H11232936A
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- wire
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 全体の外径が小さくても優れた耐圧特性を有
し且つコイルを整列巻きする際に高速巻きを可能とする
高耐圧高周波コイル用リッツ線を提供する。 【解決手段】 導体2の外周に素線絶縁皮膜3を形成し
た素線1の複数本を撚り合わせたリッツ線と、そのリッ
ツ線の素線間の隙間を埋めて素線1が動かないように固
着する固着皮膜3b’と、前記リッツ線の外周を被覆す
る外周部絶縁皮膜4とを具備する。 【効果】 外周部絶縁皮膜4を形成したため、全体の外
径が小さくても、優れた耐圧特性を得られる。固着皮膜
3b’で素線1が動かないように固着したから、コイル
を整列巻きする際に型崩れせず、高速巻きが可能とな
る。
し且つコイルを整列巻きする際に高速巻きを可能とする
高耐圧高周波コイル用リッツ線を提供する。 【解決手段】 導体2の外周に素線絶縁皮膜3を形成し
た素線1の複数本を撚り合わせたリッツ線と、そのリッ
ツ線の素線間の隙間を埋めて素線1が動かないように固
着する固着皮膜3b’と、前記リッツ線の外周を被覆す
る外周部絶縁皮膜4とを具備する。 【効果】 外周部絶縁皮膜4を形成したため、全体の外
径が小さくても、優れた耐圧特性を得られる。固着皮膜
3b’で素線1が動かないように固着したから、コイル
を整列巻きする際に型崩れせず、高速巻きが可能とな
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高耐圧高周波コイ
ル用リッツ線およびその製造方法に関し、さらに詳しく
は、全体の外径が小さくても優れた耐圧特性を有し、且
つ、コイルを整列巻きする際に高速巻きを可能とする高
耐圧高周波コイル用リッツ線およびその製造方法に関す
る。
ル用リッツ線およびその製造方法に関し、さらに詳しく
は、全体の外径が小さくても優れた耐圧特性を有し、且
つ、コイルを整列巻きする際に高速巻きを可能とする高
耐圧高周波コイル用リッツ線およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来の高周波コイル用リッツ線
を示す断面図である。この高周波コイル用リッツ線60
は、導体2の外周に導体絶縁皮膜3を形成した素線1の
複数本を撚り合わせたものである。高周波では表皮効果
により導体の表面に電流分布が集中するため、複数本の
素線1を撚り合わせたリッツ線が用いられる。
を示す断面図である。この高周波コイル用リッツ線60
は、導体2の外周に導体絶縁皮膜3を形成した素線1の
複数本を撚り合わせたものである。高周波では表皮効果
により導体の表面に電流分布が集中するため、複数本の
素線1を撚り合わせたリッツ線が用いられる。
【0003】図7は、従来の高耐圧高周波コイル用リッ
ツ線を示す断面図である。この高耐圧高周波コイル用リ
ッツ線70は、導体2の外周に厚い導体絶縁皮膜3’を
形成した素線1’の複数本を撚り合わせたものである。
高耐圧とするため、厚い導体絶縁皮膜3’を用いてい
る。
ツ線を示す断面図である。この高耐圧高周波コイル用リ
ッツ線70は、導体2の外周に厚い導体絶縁皮膜3’を
形成した素線1’の複数本を撚り合わせたものである。
高耐圧とするため、厚い導体絶縁皮膜3’を用いてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図6に示す高周波コイ
ル用リッツ線60では、導体絶縁皮膜3が薄いため、優
れた耐圧特性を得られない問題点がある。また、素線1
同士が強固に固着されていないため、コイルを整列巻き
する際に高速巻き出来ない問題点がある(高速巻きする
と大きなテンションがかかるため、リッツ線の断面形状
が崩れて丸くなくなり、整列巻きに出来なくなる)。
ル用リッツ線60では、導体絶縁皮膜3が薄いため、優
れた耐圧特性を得られない問題点がある。また、素線1
同士が強固に固着されていないため、コイルを整列巻き
する際に高速巻き出来ない問題点がある(高速巻きする
と大きなテンションがかかるため、リッツ線の断面形状
が崩れて丸くなくなり、整列巻きに出来なくなる)。
【0005】図7に示す高周波コイル用リッツ線70で
は、導体絶縁皮膜3’が厚いため、耐圧特性は良好にな
るが、全体としての外径が大きくなってしまう問題点が
ある。また、素線1’同士が強固に固着されていないた
め、コイルを整列巻きする際に高速巻き出来ない問題点
がある。
は、導体絶縁皮膜3’が厚いため、耐圧特性は良好にな
るが、全体としての外径が大きくなってしまう問題点が
ある。また、素線1’同士が強固に固着されていないた
め、コイルを整列巻きする際に高速巻き出来ない問題点
がある。
【0006】そこで、本発明の目的は、全体の外径が小
さくても優れた耐圧特性を有し、且つ、コイルを整列巻
きする際に高速巻きを可能とする高耐圧高周波コイル用
リッツ線およびその製造方法を提供することにある。
さくても優れた耐圧特性を有し、且つ、コイルを整列巻
きする際に高速巻きを可能とする高耐圧高周波コイル用
リッツ線およびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の観点では、本発明
は、導体の外周に導体絶縁皮膜を形成した素線の複数本
を撚り合わせたリッツ線と、そのリッツ線の素線間の隙
間を埋めて素線が動かないように固着する絶縁塗料と、
前記リッツ線の外周を被覆する外周部絶縁皮膜とを具備
したことを特徴とする高耐圧高周波コイル用リッツ線を
提供する。上記本発明の高耐圧高周波コイル用リッツ線
において、導体径をD,導体絶縁皮膜の厚さをa1,外
周部絶縁皮膜の厚さをa2とするとき、耐圧特性を決め
る絶縁厚さAは、A=a1+a2となる。そして、高耐圧
高周波コイル用リッツ線としての全体の外径Rは、R=
3D+6a1+2a2となる。これに対して、図7のよう
な構造で同じ絶縁厚さA=a1+a2を得ようとすると、
導体絶縁皮膜3’の厚さをa1+a2とするから、高耐圧
高周波コイル用リッツ線1’としての全体の外径Rは、
R=3D+6(a1+a2)となる。よって、本発明の高
耐圧高周波コイル用リッツ線の方が、同じ耐圧特性で外
径を小さくできることが判る。また、上記本発明の高耐
圧高周波コイル用リッツ線では、リッツ線の素線間の隙
間を絶縁塗料で埋めて素線が動かないように固着するか
ら、大きなテンションがかかってもリッツ線の断面形状
が崩れず、丸いまま維持される。このため、コイルを整
列巻きする際に高速巻きすることが出来るようになる。
は、導体の外周に導体絶縁皮膜を形成した素線の複数本
を撚り合わせたリッツ線と、そのリッツ線の素線間の隙
間を埋めて素線が動かないように固着する絶縁塗料と、
前記リッツ線の外周を被覆する外周部絶縁皮膜とを具備
したことを特徴とする高耐圧高周波コイル用リッツ線を
提供する。上記本発明の高耐圧高周波コイル用リッツ線
において、導体径をD,導体絶縁皮膜の厚さをa1,外
周部絶縁皮膜の厚さをa2とするとき、耐圧特性を決め
る絶縁厚さAは、A=a1+a2となる。そして、高耐圧
高周波コイル用リッツ線としての全体の外径Rは、R=
3D+6a1+2a2となる。これに対して、図7のよう
な構造で同じ絶縁厚さA=a1+a2を得ようとすると、
導体絶縁皮膜3’の厚さをa1+a2とするから、高耐圧
高周波コイル用リッツ線1’としての全体の外径Rは、
R=3D+6(a1+a2)となる。よって、本発明の高
耐圧高周波コイル用リッツ線の方が、同じ耐圧特性で外
径を小さくできることが判る。また、上記本発明の高耐
圧高周波コイル用リッツ線では、リッツ線の素線間の隙
間を絶縁塗料で埋めて素線が動かないように固着するか
ら、大きなテンションがかかってもリッツ線の断面形状
が崩れず、丸いまま維持される。このため、コイルを整
列巻きする際に高速巻きすることが出来るようになる。
【0008】第2の観点では、本発明は、導体の外周に
導体絶縁皮膜を形成した素線の複数本を撚り合わせてリ
ッツ線とするリッツ撚り工程と、前記リッツ線を焼付炉
に導いて各素線の導体絶縁皮膜を粘着させる空通し工程
と、前記空通し工程後のリッツ線に濃度18〜20%の
絶縁塗料を塗布して素線間の隙間を埋めてから焼付して
素線が動かないように固着する素線固着工程と、前記素
線固着工程後のリッツ線に濃度30〜40%の絶縁塗料
を塗布してから焼付して前記導体絶縁皮膜より厚い外周
部絶縁皮膜を設ける外周部絶縁皮膜形成工程と、により
高耐圧高周波コイル用リッツ線を製造することを特徴と
する高耐圧高周波コイル用リッツ線の製造方法を提供す
る。上記高耐圧高周波コイル用リッツ線の製造方法で
は、リッツ線を撚った後、空通し工程で各素線の導体絶
縁皮膜同志を粘着させるので丸形状が半固定され、次の
素線固着工程での絶縁塗料の塗布を好ましく行える(塗
布の際に形状が崩れなくなる)。また、素線固着工程で
は、濃度18〜20%の絶縁塗料を用いるので、粘度が
比較的低く、素線問の隙間に入りやすくなり、素線間の
空気が暴れないようにすることができ、焼付により素線
間を強固に固着できる。さらに、外周部絶縁皮膜形成工
程では、濃度30〜40%の絶縁塗料を用いるので、粘
度が比較的高く、丸形状を保持して焼付できるようにな
る。そして、上記第1の観点の高耐圧高周波コイル用リ
ッツ線を好適に製造できる。
導体絶縁皮膜を形成した素線の複数本を撚り合わせてリ
ッツ線とするリッツ撚り工程と、前記リッツ線を焼付炉
に導いて各素線の導体絶縁皮膜を粘着させる空通し工程
と、前記空通し工程後のリッツ線に濃度18〜20%の
絶縁塗料を塗布して素線間の隙間を埋めてから焼付して
素線が動かないように固着する素線固着工程と、前記素
線固着工程後のリッツ線に濃度30〜40%の絶縁塗料
を塗布してから焼付して前記導体絶縁皮膜より厚い外周
部絶縁皮膜を設ける外周部絶縁皮膜形成工程と、により
高耐圧高周波コイル用リッツ線を製造することを特徴と
する高耐圧高周波コイル用リッツ線の製造方法を提供す
る。上記高耐圧高周波コイル用リッツ線の製造方法で
は、リッツ線を撚った後、空通し工程で各素線の導体絶
縁皮膜同志を粘着させるので丸形状が半固定され、次の
素線固着工程での絶縁塗料の塗布を好ましく行える(塗
布の際に形状が崩れなくなる)。また、素線固着工程で
は、濃度18〜20%の絶縁塗料を用いるので、粘度が
比較的低く、素線問の隙間に入りやすくなり、素線間の
空気が暴れないようにすることができ、焼付により素線
間を強固に固着できる。さらに、外周部絶縁皮膜形成工
程では、濃度30〜40%の絶縁塗料を用いるので、粘
度が比較的高く、丸形状を保持して焼付できるようにな
る。そして、上記第1の観点の高耐圧高周波コイル用リ
ッツ線を好適に製造できる。
【0009】第3の観点では、本発明は、上記構成の高
耐圧高周波コイル用リッツ線の製造方法において、前記
導体絶縁皮膜と同じ種類の絶縁塗料を、前記素線固着工
程および前記外周部絶縁皮膜形成工程で用いることを特
徴とする高耐圧高周波コイル用リッツ線の製造方法を提
供する。導体絶縁皮膜と同じ種類の絶縁塗料を用いれ
ば、全体を一体化しやすくなり、温度変動や外力による
層間剥離などを生じなくなる。
耐圧高周波コイル用リッツ線の製造方法において、前記
導体絶縁皮膜と同じ種類の絶縁塗料を、前記素線固着工
程および前記外周部絶縁皮膜形成工程で用いることを特
徴とする高耐圧高周波コイル用リッツ線の製造方法を提
供する。導体絶縁皮膜と同じ種類の絶縁塗料を用いれ
ば、全体を一体化しやすくなり、温度変動や外力による
層間剥離などを生じなくなる。
【0010】第4の観点では、本発明は、上記構成の高
耐圧高周波コイル用リッツ線の製造方法において、前記
絶縁塗料が155℃クラスの耐熱ポリウレタン用塗料で
あることを特徴とする高耐圧高周波コイル用リッツ線の
製造方法を提供する。絶縁塗料として155℃クラスの
耐熱ポリウレタン用塗料を用いれば、155℃クラスの
耐熱ポリウレタン線を製造できる。
耐圧高周波コイル用リッツ線の製造方法において、前記
絶縁塗料が155℃クラスの耐熱ポリウレタン用塗料で
あることを特徴とする高耐圧高周波コイル用リッツ線の
製造方法を提供する。絶縁塗料として155℃クラスの
耐熱ポリウレタン用塗料を用いれば、155℃クラスの
耐熱ポリウレタン線を製造できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
の形態を説明する。なお、これにより本発明が限定され
るものではない。図1は、本発明の高耐圧高周波コイル
用リッツ線の製造方法を示すフロー図である。素線作製
工程S1では、通常のエナメル線の作製方法により素線
を作製する。例えば、導体径0.130mmの銅線に、
155℃クラスの耐熱ポリウレタン用塗料を塗布し、焼
付して、仕上がり外径0.146mmの耐熱ポリウレタ
ン線の素線を作製する。リッツ線撚り工程S2では、図
2に示すように、導体2の外周に導体絶縁皮膜3を形成
した素線1の複数本を撚り合わせてリッツ線9とする。
例えば、7本の前記耐熱ポリウレタン線(1)を撚りピ
ッチ11mmで均一に撚り合わせてリッツ線(9)とす
る。
の形態を説明する。なお、これにより本発明が限定され
るものではない。図1は、本発明の高耐圧高周波コイル
用リッツ線の製造方法を示すフロー図である。素線作製
工程S1では、通常のエナメル線の作製方法により素線
を作製する。例えば、導体径0.130mmの銅線に、
155℃クラスの耐熱ポリウレタン用塗料を塗布し、焼
付して、仕上がり外径0.146mmの耐熱ポリウレタ
ン線の素線を作製する。リッツ線撚り工程S2では、図
2に示すように、導体2の外周に導体絶縁皮膜3を形成
した素線1の複数本を撚り合わせてリッツ線9とする。
例えば、7本の前記耐熱ポリウレタン線(1)を撚りピ
ッチ11mmで均一に撚り合わせてリッツ線(9)とす
る。
【0012】空通し工程S3では、リッツ線9を焼付炉
に導いて、図3に示すように、各素線1の導体絶縁皮膜
3同士を粘着させる。なお、3aは粘着部である。例え
ば、前記リッツ線(9)を設定温度330℃,炉長3.
4mの横型焼付炉に導き、線速21m/分で1回空通し
して、耐熱ポリウレタン線同志を粘着させる。
に導いて、図3に示すように、各素線1の導体絶縁皮膜
3同士を粘着させる。なお、3aは粘着部である。例え
ば、前記リッツ線(9)を設定温度330℃,炉長3.
4mの横型焼付炉に導き、線速21m/分で1回空通し
して、耐熱ポリウレタン線同志を粘着させる。
【0013】素線固着工程S4では、図4に示すよう
に、前記空通し工程後のリッツ線(図3の9a)に濃度
18〜20%の絶縁塗料3bを塗布して素線間の隙間を
埋めてから焼付して絶縁塗料3bを固着皮膜3b’と
し、その固着皮膜3b’により素線1が動かないように
固着する。例えば、前記空通し工程後のリッツ線(9
a)にダイスを用いて濃度20%の耐熱ポリウレタン用
塗料を2回塗布し素線間の隙間を埋めて、続いて前記空
通し工程と同型の焼付炉に導いて線速21m/分で焼付
して、素線1が動かないように固着する。
に、前記空通し工程後のリッツ線(図3の9a)に濃度
18〜20%の絶縁塗料3bを塗布して素線間の隙間を
埋めてから焼付して絶縁塗料3bを固着皮膜3b’と
し、その固着皮膜3b’により素線1が動かないように
固着する。例えば、前記空通し工程後のリッツ線(9
a)にダイスを用いて濃度20%の耐熱ポリウレタン用
塗料を2回塗布し素線間の隙間を埋めて、続いて前記空
通し工程と同型の焼付炉に導いて線速21m/分で焼付
して、素線1が動かないように固着する。
【0014】外周部絶縁皮膜形成工程S5では、図5に
示すように、前記素線固着工程後のリッツ線(図4の9
b)に濃度30〜40%の絶縁塗料を塗布してから焼付
して、外周部絶縁皮膜4を設け、高耐圧高周波コイル用
リッツ線10を得る。例えば、前記素線固着工程後のリ
ッツ線(9b)にダイスを用いて濃度36%の耐熱ポリ
ウレタン用塗料を8回塗布して、前記空通し工程と同型
の焼付炉に導いて線速21m/分で焼付し、外周部絶縁
皮膜(4)を形成し、高耐圧高周波コイル用リッツ線
(10)を得る。外周部絶縁皮膜(4)の厚さは最小部
でも0.020mmを確保し、前記素線絶縁皮膜(3)
の厚さ(0.008mm)よりも厚くする。高耐圧高周
波コイル用リッツ線(10)の最終仕上がり外径は、例
えば0.478mm以上である。
示すように、前記素線固着工程後のリッツ線(図4の9
b)に濃度30〜40%の絶縁塗料を塗布してから焼付
して、外周部絶縁皮膜4を設け、高耐圧高周波コイル用
リッツ線10を得る。例えば、前記素線固着工程後のリ
ッツ線(9b)にダイスを用いて濃度36%の耐熱ポリ
ウレタン用塗料を8回塗布して、前記空通し工程と同型
の焼付炉に導いて線速21m/分で焼付し、外周部絶縁
皮膜(4)を形成し、高耐圧高周波コイル用リッツ線
(10)を得る。外周部絶縁皮膜(4)の厚さは最小部
でも0.020mmを確保し、前記素線絶縁皮膜(3)
の厚さ(0.008mm)よりも厚くする。高耐圧高周
波コイル用リッツ線(10)の最終仕上がり外径は、例
えば0.478mm以上である。
【0015】なお、図1の各工程を、ある部分、例えば
空通し工程S3より連続させれば、高耐圧高周波コイル
用リッツ線10を効率よく製造することが出来る。
空通し工程S3より連続させれば、高耐圧高周波コイル
用リッツ線10を効率よく製造することが出来る。
【0016】
【発明の効果】本発明の高耐圧高周波コイル用リッツ線
によれば、全体の外径が小さくても、優れた耐圧特性を
得ることが出来る。また、コイルを整列巻きする際に、
高速巻きが可能となる。また、本発明の高耐圧高周波コ
イル用リッツ線の製造方法によれば、上記高耐圧高周波
コイル用リッツ線を好適に製造できる。
によれば、全体の外径が小さくても、優れた耐圧特性を
得ることが出来る。また、コイルを整列巻きする際に、
高速巻きが可能となる。また、本発明の高耐圧高周波コ
イル用リッツ線の製造方法によれば、上記高耐圧高周波
コイル用リッツ線を好適に製造できる。
【図1】本発明の高耐圧高周波コイル用リッツ線の製造
方法を示すフロー図である。
方法を示すフロー図である。
【図2】リッツ線の断面図である。
【図3】空通し工程後のリッツ線の断面図である。
【図4】素線固着工程時のリッツ線の断面図である。
【図5】完成した高耐圧高周波コイル用リッツ線の断面
図である。
図である。
【図6】従来の高周波コイル用リッツ線の一例の断面図
である。
である。
【図7】従来の高耐圧高周波コイル用リッツ線の一例の
断面図である。
断面図である。
1 素線 2 導体 3 素線絶縁皮膜 3a 粘着部 3b 絶縁塗料 3b’ 固着皮膜 4 外周部絶縁皮膜 10 高耐圧高周波コイル用リッツ線 S1 素線作製工程 S2 リッツ線撚り工程 S3 空通し工程 S4 素線固着工程 S5 外周部絶縁皮膜形成工程
フロントページの続き (72)発明者 風間 重弥 長野県上田市大字大屋300番地 東京特殊 電線株式会社上田工場内 (72)発明者 小平 一博 長野県小県郡丸子町上丸子238番地 東京 特殊電線株式会社丸子工場内
Claims (4)
- 【請求項1】 導体の外周に導体絶縁皮膜を形成した素
線の複数本を撚り合わせたリッツ線と、そのリッツ線の
素線間の隙間を埋めて素線が動かないように固着する絶
縁塗料と、前記リッツ線の外周を被覆する外周部絶縁皮
膜とを具備したことを特徴とする高耐圧高周波コイル用
リッツ線。 - 【請求項2】 導体の外周に導体絶縁皮膜を形成した素
線の複数本を撚り合わせてリッツ線とするリッツ撚り工
程と、前記リッツ線を焼付炉に導いて各素線の導体絶縁
皮膜を粘着させる空通し工程と、前記空通し工程後のリ
ッツ線に濃度18〜20%の絶縁塗料を塗布して素線間
の隙間を埋めてから焼付して素線が動かないように固着
する素線固着工程と、前記素線固着工程後のリッツ線に
濃度30〜40%の絶縁塗料を塗布してから焼付して外
周部絶縁皮膜を設ける外周部絶縁皮膜形成工程と、によ
り高耐圧高周波コイル用リッツ線を製造することを特徴
とする高耐圧高周波コイル用リッツ線の製造方法。 - 【請求項3】 請求項2に記載の高耐圧高周波コイル用
リッツ線の製造方法において、前記導体絶縁皮膜と同じ
種類の絶縁塗料を、前記素線固着工程および前記外周部
絶縁皮膜形成工程で用いることを特徴とする高耐圧高周
波コイル用リッツ線の製造方法。 - 【請求項4】 請求項2または請求項3に記載の高耐圧
高周波コイル用リッツ線の製造方法において、前記絶縁
塗料が155℃クラスの耐熱ポリウレタン用塗料である
ことを特徴とする高耐圧高周波コイル用リッツ線の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3117198A JPH11232936A (ja) | 1998-02-13 | 1998-02-13 | 高耐圧高周波コイル用リッツ線およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3117198A JPH11232936A (ja) | 1998-02-13 | 1998-02-13 | 高耐圧高周波コイル用リッツ線およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11232936A true JPH11232936A (ja) | 1999-08-27 |
Family
ID=12324004
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3117198A Pending JPH11232936A (ja) | 1998-02-13 | 1998-02-13 | 高耐圧高周波コイル用リッツ線およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11232936A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001274012A (ja) * | 2000-03-28 | 2001-10-05 | Norichika Takebe | 2層被膜リッツ線及びその製造方法 |
JP2005158625A (ja) * | 2003-11-28 | 2005-06-16 | Fujikura Ltd | 塗料充填絶縁撚線の製造方法及び塗料充填絶縁撚線 |
WO2008078242A2 (en) | 2006-12-20 | 2008-07-03 | Philips Intellectual Property & Standards Gmbh | Arrangement and method for influencing and/or detecting magnetic particles in a region of action |
CN112037997A (zh) * | 2020-07-29 | 2020-12-04 | 芜湖市科特电线电缆有限公司 | 一种全自动耐火电缆生产线 |
-
1998
- 1998-02-13 JP JP3117198A patent/JPH11232936A/ja active Pending
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