JP2005158625A - 塗料充填絶縁撚線の製造方法及び塗料充填絶縁撚線 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、複数本のエナメル素線などを用いたリッツ線などの塗料充填絶縁撚線の製造方法において、絶縁塗料の充填の促進を図ったものである。
【解決手段】 かゝる本発明は、複数の絶縁素線を撚り合わせた絶縁撚線50の外周に少なくとも1回の絶縁塗料の塗布とその焼き付けにより、絶縁塗料20を素線間に充填させる塗料充填処理を行う際、2重ダイス10を用いるなどして、絶縁塗料圧を上昇させる塗料充填絶縁撚線の製造方法にあり、これによって、絶縁塗料の充填を促進させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 かゝる本発明は、複数の絶縁素線を撚り合わせた絶縁撚線50の外周に少なくとも1回の絶縁塗料の塗布とその焼き付けにより、絶縁塗料20を素線間に充填させる塗料充填処理を行う際、2重ダイス10を用いるなどして、絶縁塗料圧を上昇させる塗料充填絶縁撚線の製造方法にあり、これによって、絶縁塗料の充填を促進させることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、複数本のエナメル素線などを用いたリッツ線などの塗料充填絶縁撚線の製造方法、及びこれにより得られる塗料充填絶縁撚線に関する。
エナメル素線などを用いたリッツ線の製造にあたっては、原理的には、先ず複数本のエナメル素線を撚り合わせて絶縁撚線を作り、次に、この撚線の素線間に絶縁塗料を充填させるため、絶縁塗料の塗布とその焼き付けを行い、しかる後、さらに、撚線の外周に絶縁塗料の塗布とその焼き付けにより、オーバーコート被覆を設けている。
このようなリッツ線の製造において、最も重要なことは、素線間の隙間に絶縁塗料を如何にして十分充填させるかである。絶縁塗料の充填が不十分であると、所定の電気的特性が期待できないのみならず、撚線中に不要な空気層が残存することになる。この残存空気はその後の焼き付け工程で膨張して発泡したりする。これにより、外観が損なわれたり、絶縁耐圧性の低下となる。
このため、従来から、素線間に絶縁塗料が充填され易いように、撚線の撚りピッチを粗めにし、絶縁塗料の濃度を通常濃度(30〜40%)より希釈化するなどの対策が取られている。しかし、撚りピッチを粗くすると、撚線の集合性(一体性)が低下し、取り扱い中にバラけたり、得られる製品の真円性(撚線断面の真円度)が損なわれるなどの問題が生じる。また、絶縁塗料濃度の希釈化にあっても、希釈化が大きくなるほど、塗料垂れ、皮膜の偏肉などが発生し易く、さらに、希釈剤の混入により発泡なども生じ易くなる。
従って、従来は、撚線の形崩れの生じない範囲で、撚りピッチを粗めに設定する一方、絶縁塗料濃度を適度に希釈化している。このように撚りピッチを粗めにすると、例えば、特許文献1に示すように、撚線の集合性低下を補うため、撚線への絶縁塗料の充填前に、焼付炉に通して空焼き(空通し、300〜400℃)することが必要となる。この空焼きにより、素線の絶縁層(エナメル層)同士が焼き付け時の加熱によりある程接着されるため、撚線の集合性が高められ、形崩れが抑えられる。
特開平11−232936号公報
しかし、上記ような従来方法の場合、空焼き工程が必要とされる上に、常圧(大気圧)下での絶縁塗料の充填のため、撚線の撚りピッチが小さいほど、塗料充填が難しくなることから、あまり撚りピッチが小さくできない。かといって、撚りピッチが大きくなり過ぎても、その隙間に適正量の塗料を充填することは容易ではない。逆に、撚りピッチの大きさにより、撚線の形崩れが生じ易くなるという問題が生じる。
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、基本的には、絶縁塗料の充填を高圧下で行うべく、例えば、2重ダイスを採用し、又は、これと超音波振動の組み合わせにより、撚線の空焼き工程を不要とする一方、撚線の撚りピッチをより小さい値からより大きい値まで、広範な範囲の撚りピッチに対応したバラエテーに富むリッツ線などを自在に得ることができる塗料充填絶縁撚線の製造方法、及び塗料充填絶縁撚線を提供するものである。
請求項1記載の本発明は、複数の絶縁素線を撚り合わせた絶縁撚線の外周に少なくとも1回の絶縁塗料の塗布とその焼き付けにより、絶縁塗料を素線間に充填させる塗料充填処理を行い、その後、さらに前記絶縁撚線の外周に複数回の絶縁塗料の塗布とその焼き付けにより、絶縁塗料をオーバーコート被覆させる塗料充填絶縁撚線の製造方法であって、
前記塗料充填処理時、絶縁塗料圧を上昇させることを特徴とする塗料充填絶縁撚線の製造方法にある。
前記塗料充填処理時、絶縁塗料圧を上昇させることを特徴とする塗料充填絶縁撚線の製造方法にある。
請求項2記載の本発明は、前記塗料充填処理時、2重ダイスを用い、前記絶縁撚線の外周に絶縁塗料を塗布しつつ、2重ダイスの第1ダイスチップに通した後、当該第1ダイスチップのダイス穴により小径の第2ダイスチップに通して、当該第2ダイスチップ内の絶縁塗料圧を上昇させることを特徴とする請求項1記載の塗料充填絶縁撚線の製造方法にある。
請求項3記載の本発明は、前記塗料充填処理時、絶縁塗料圧を上昇させると共に、前記絶縁撚線に超音波振動装置により超音波振動を与えることを特徴とする請求項1又は2記載の塗料充填絶縁撚線の製造方法にある。
請求項4記載の本発明は、前記塗料充填処理時の絶縁塗料濃度を通常濃度(30〜40%)の1/2程度としたことを特徴とする請求項1又は2記載の塗料充填絶縁撚線の製造方法にある。
請求項5記載の本発明は、前記請求項1、2又は4記載のいずれかの塗料充填絶縁撚線の製造方法により、絶縁撚線の撚りピッチが絶縁素線仕上げ径の70〜90倍程度で製造されたことを特徴とする塗料充填絶縁撚線にある。
請求項6記載の本発明は、前記請求項3又は4記載の充填絶縁撚線の製造方法により、絶縁撚線の撚りピッチが絶縁素線仕上げ径の55〜90倍程度で製造されたことを特徴とする塗料充填絶縁撚線にある。
本発明の塗料充填絶縁撚線の製造方法では、塗料充填処理時、絶縁塗料圧を上昇させるため、例えば2重ダイスを採用している。このため、撚線の撚りピッチが小さい側でも、逆に大きい側でも、素線間の隙間に十分な絶縁塗料を充填することができる。
従って、従来の通常の方法では、必須の工程であった撚線の空焼き工程が不要となり、その分製造コストの逓減が可能となる。この2重ダイスによる絶縁塗料圧の上昇下で、超音波振動を与えれば、さらにより良好な絶縁塗料の充填が得られる。
従って、従来の通常の方法では、必須の工程であった撚線の空焼き工程が不要となり、その分製造コストの逓減が可能となる。この2重ダイスによる絶縁塗料圧の上昇下で、超音波振動を与えれば、さらにより良好な絶縁塗料の充填が得られる。
本発明の塗料充填絶縁撚線の製造方法によると、絶縁塗料の充填が良好に行われるため、撚線の撚りピッチ設定の自由度が大きくなり、より小さい値の撚りピッチからより大きい値の撚りピッチまで、広範な範囲の撚りピッチに対応したバラエテーに富むリッツ線などの塗料充填絶縁撚線が得られる。勿論、十分な絶縁塗料の充填により、その分撚線中の残存空気が少なくなるため、焼付け時における発泡現象の逓減も可能となる。さらに、この結果から、綺麗な外観、高精度の真円性、高い絶縁耐圧性も得られる。また、適度の絶縁塗料濃度の希釈化(通常濃度(30〜40%)の1/2程度)により、皮膜の偏肉などの発生も逓減させることができる。
図1は、塗料充填絶縁撚線の製造方法の実施の形態の一例を示したものである。この製造方法では、絶縁塗料の絶縁塗料圧を上昇させるため、2重ダイス10を用いてある。
この2重ダイス10は、絶縁塗料20が注入された矩形の塗料槽30の上面側にダイスホルダ31により設置してある。塗料槽30中には回転するロールコータ40が設けてあり、この表面に付着された絶縁塗料20が、2重ダイス10に通される直前の絶縁撚線50の外周に塗布されるようになっている。なお、32は塗料槽30のロールコータ用の開口である。
この2重ダイス10は、絶縁塗料20が注入された矩形の塗料槽30の上面側にダイスホルダ31により設置してある。塗料槽30中には回転するロールコータ40が設けてあり、この表面に付着された絶縁塗料20が、2重ダイス10に通される直前の絶縁撚線50の外周に塗布されるようになっている。なお、32は塗料槽30のロールコータ用の開口である。
2重ダイス10は、例えば図2〜図3の如き構造としてある。11は2重ダイス10の後端側に内蔵された第1ダイスチップ、12はその先端側に内蔵された第2ダイスチップであり、そのダイス穴の内径は第1ダイスチップ11のそれより小径にしてある。なお、13は第1ダイスチップ取付用のチップホルダ、14は第1ダイスチップ11と第2ダイスチップ12間のダイス筒体からなる中空部(塗料加圧室)、15は塗料加圧室14に開口された排出口(洩れ口)である。
この構造により、絶縁塗料20が塗布された直後の絶縁撚線50が、第1ダイスチップ11に通されると、先ず、この部分で、絶縁塗料20が絶縁撚線50の素線間の隙間に充填される一方、一部の絶縁塗料20は、絶縁撚線50と共に塗料加圧室14側に洩れて供給される。第2ダイスチップ12側のダイス穴が、第1ダイスチップ11のそれより小径にしてあるため、絶縁撚線50の走行が進むにつれて、塗料加圧室14内の絶縁塗料圧は次第に上昇する。
従って、第2ダイスチップ12では、高い絶縁塗料圧のもとで絶縁塗料20の充填が行われる。これにより、絶縁撚線50の撚りピッチが相当小さいときでも、或いは、逆に撚りピッチが相当大きくとも、良好な塗料充填が可能となる。なお、塗料加圧室14には、絶縁塗料圧の迅速な上昇のため予め所定の絶縁塗料20を注入しておいてもよい。絶縁撚線50の走行時、絶縁塗料20が中空部14中に一杯になれば、排出口15から排出されるため、絶縁塗料圧が所定の一定圧に維持されるようになっている。
このような構造の2重ダイス10を用いる、図1に示した本発明の塗料充填絶縁撚線の製造方法では、先ず、走行する絶縁撚線50の外周に、ロールコータ40により塗料槽30内から絶縁塗料20が塗布され、2重ダイス10により、2段階で絶縁塗料20の充填が良好に行われる(塗料充填処理)。
このとき、この2重ダイス10により十分な充填が行われるものの、より良好な充填が促進されるように、本発明では、絶縁塗料20の濃度を、通常濃度(30〜40%)の1/2程度(15〜20%)に希釈化してある。この程度の希釈化でれば、皮膜の偏肉などの発生がそれほど問題となることはない。
そして、この後は焼付炉に通して焼き付けする。焼き付け温度は300〜400℃程度、線速は20m/分程度とする。上記塗料充填処理とこの焼き付けの回数は、得られる絶縁撚線の用途や求める電気特性などによって適宜変更可能であるが、少なくとも1回以上、2回程度行えば、通常の電気特性の場合、十分対応することができる。
また、用いる絶縁塗料20としては、特に限定されないが、ポリウレタン、ポリビニールホルマール、ポリエステル、ポリアミドイミドなどが挙げられる。
この絶縁塗料20を素線間に充填させる塗料充填処理が終了した後は、さらに、通常のダイス(ダイスチップが1個のもの)を用いた図1と同様の塗料槽30と焼付炉に導き、絶縁撚線の外周に複数回(例えば8回程度)の絶縁塗料の塗布とその焼き付けを行い、絶縁塗料をオーバーコート被覆させる。このときも、焼き付け温度は300〜400℃程度、線速は20m/分程度とする。絶縁塗料の濃度は、素線間に充填させるための塗布ではないので、通常濃度(30〜40%)で行う。その絶縁塗料も、ポリウレタン、ポリビニールホルマール、ポリエステル、ポリアミドイミドなどから選び、塗料充填処理時の絶縁塗料と同一でもよく、異なるものであってもよい。
このオーバーコート被覆により、本発明の目的とする塗料充填絶縁撚線が得られる。この本発明の製造方法による塗料充填絶縁撚線の場合、製造条件によっても異なるが、後述する実施例から、絶縁撚線の撚りピッチが絶縁素線仕上げ径の70〜90倍程度で製造することができる。ここで、撚りピッチの倍数は、絶縁素線仕上げ径(絶縁塗料の塗布と焼き付け完了後の外径)をd(mm)、絶縁撚線の撚りピッチをp(mm)としたとき、p/dで求められる。例えば、絶縁素線仕上げ径が0.146mm、絶縁撚線の撚りピッチが10mmのときには、約70倍となる。
図4は、塗料充填絶縁撚線の製造方法の実施の形態の他の例を示したものである。この製造方法では、絶縁塗料の絶縁塗料圧を上昇させるため、2重ダイス10を用いると同時に、絶縁撚線50に超音波振動を与えるため、例えば塗料槽30内に超音波振動装置60を設置してある。そして、絶縁撚線50は、塗料槽30の2重ダイス10とは反対側に設けた導入部33から挿入され、塗料槽30内の絶縁塗料20中を通って2重ダイス10側に通されるようになっている。
従って、2重ダイス10による塗料充填処理は、上記図1の場合と同様であるが、超音波振動装置60により、絶縁撚線50は超音波振動が与えられるため、その振動効果により素線間の隙間には、よりスムーズに絶縁塗料20が充填されることになる。なお、塗料充填処理時の条件は上記図1の場合と同様である。
この本発明の製造方法による塗料充填絶縁撚線の場合、製造条件によっても異なるが、後述する実施例から、絶縁撚線の撚りピッチが絶縁素線仕上げ径の55〜90倍程度で製造することができる。
表1〈実施例1〜6・比較例1〜2〉
先ず、導体径0.13mmの銅線に155℃の耐熱レベルのポリウレタン塗料(絶縁塗料)を塗布、焼き付けして仕上がり外径(絶縁素線仕上げ径)0.146mmの耐熱ポリウレタンエナメル銅線(素線)を作成し、これをダブルツイストバンチャーで7本同芯撚りのサンプルリッツ線(絶縁撚線)とした。このとき、サンプルリッツ線の撚りピッチを、同表の如く、7〜14mmの8種類とした。
先ず、導体径0.13mmの銅線に155℃の耐熱レベルのポリウレタン塗料(絶縁塗料)を塗布、焼き付けして仕上がり外径(絶縁素線仕上げ径)0.146mmの耐熱ポリウレタンエナメル銅線(素線)を作成し、これをダブルツイストバンチャーで7本同芯撚りのサンプルリッツ線(絶縁撚線)とした。このとき、サンプルリッツ線の撚りピッチを、同表の如く、7〜14mmの8種類とした。
この8種類のサンプルリッツ線を、図1に示した、2重ダイスを有する塗料槽に導き、絶縁塗料の塗布とその焼き付けにより、塗料充填処理を2回行った。このとき、絶縁塗料は上記絶縁素線に使用したものと同じポリウレタン塗料で、その濃度は通常濃度の1/2程度である18%前後とした。焼き付け温度は350℃程度、線速は20m/分程度とした。
次に、図1と同構造であるが、通常のダイス有する塗料槽に導き、絶縁塗料の塗布とその焼き付けにより、オーバーコート被覆を8回行った。このとき、絶縁塗料は上記絶縁素線に使用したものと同じポリウレタン塗料で、その濃度は通常濃度(35%前後)とした。焼き付け温度は350℃程度、線速は20m/分程度とした。これにより、オーバーコート被覆厚さ0.040mm、絶縁撚線の仕上がり外径0.480mmのリッツ線が得られた。
これらの各サンプルリッツ線について、素線間の隙間への絶縁塗料の充填についての「隙間充填」、発泡の有無の「発泡」、撚線真円性についての「断面真円度」、「B.D.V」(絶縁破壊電圧)について調べ評価し、同表に併記した。なお、「隙間充填」については、サンプルのリッツ線を解体し、顕微鏡で観察し、良好な充填のものを○で表示し、製造可能であるが、充填が完全ではないものの要求品質レベルの最低限を保持しているものを△で表示し、要求品質レベル未満のものを×で表示した。「発泡」については、サンプルのリッツ線の外観を顕微鏡で観察し、発泡のないものを○で表示し、発泡がゼロではないものの要求品質レベルの最低限を保持しているものを△で表示し、発泡が多く、要求品質レベル未満のものを×で表示した。「断面真円度」については、サンプルのリッツ線を切断し、その端面を顕微鏡で観察し、ほぼ真円のものを○で表示し、真円ではないものの要求品質レベルの最低限を保持しているものを△で表示し、歪みが大きく、要求品質レベル未満のものを×で表示した。「B.D.V」については、JIS・C・3003により、同一の線種10本(n=10)についての平均値と最小値を求めた。求めた数値の単位はKVである。この数値については最小値が12.0以上であることが必要とされる。
表2〈実施例7〜12・比較例3〜4〉
表1と同様にして、先ず、導体径0.13mmの銅線に155℃の耐熱レベルのポリウレタン塗料を塗布、焼き付けして仕上がり外径(絶縁素線仕上げ径)0.146mmの耐熱ポリウレタンエナメル銅線を作成し、これをダブルツイストバンチャーで7本同芯撚りのサンプルリッツ線とした。このとき、サンプルリッツ線の撚りピッチを、同表の如く、7〜14mmの8種類とした。
表1と同様にして、先ず、導体径0.13mmの銅線に155℃の耐熱レベルのポリウレタン塗料を塗布、焼き付けして仕上がり外径(絶縁素線仕上げ径)0.146mmの耐熱ポリウレタンエナメル銅線を作成し、これをダブルツイストバンチャーで7本同芯撚りのサンプルリッツ線とした。このとき、サンプルリッツ線の撚りピッチを、同表の如く、7〜14mmの8種類とした。
この8種類のサンプルリッツ線を、図2に示した、2重ダイスと超音波振動装置を有する塗料槽に導き、上記表1と同様にして、絶縁塗料の塗布とその焼き付けにより、塗料充填処理を2回行い、その後、通常のダイス有する塗料槽に導き、絶縁塗料の塗布とその焼き付けにより、オーバーコート被覆を8回行った。これにより、オーバーコート被覆厚さ0.040mm、絶縁撚線の仕上がり外径0.480mmのリッツ線が得られた。
これらの各サンプルリッツ線について、上記表1と同様にして、「隙間充填」、「発泡」、「断面真円度」、「B.D.V」について調べ評価し、同表に併記した。なお、各評価項目の判定も、上記表1と同様にして行った。
表3〈比較例5〜12〉
表1と同様にして、先ず、導体径0.13mmの銅線に155℃の耐熱レベルのポリウレタン塗料を塗布、焼き付けして仕上がり外径(絶縁素線仕上げ径)0.146mmの耐熱ポリウレタンエナメル銅線を作成し、これをダブルツイストバンチャーで7本同芯撚りのサンプルリッツ線とした。このとき、サンプルリッツ線の撚りピッチを、同表の如く、7〜14mmの8種類とした。
表1と同様にして、先ず、導体径0.13mmの銅線に155℃の耐熱レベルのポリウレタン塗料を塗布、焼き付けして仕上がり外径(絶縁素線仕上げ径)0.146mmの耐熱ポリウレタンエナメル銅線を作成し、これをダブルツイストバンチャーで7本同芯撚りのサンプルリッツ線とした。このとき、サンプルリッツ線の撚りピッチを、同表の如く、7〜14mmの8種類とした。
この8種類のサンプルリッツ線を、図1と同構造であるが、通常のダイス有する塗料槽に導き、上記表1と同様にして、絶縁塗料の塗布とその焼き付けにより、塗料充填処理を2回行い、その後、通常のダイス有する塗料槽に導き、絶縁塗料の塗布とその焼き付けにより、オーバーコート被覆を8回行った。これにより、オーバーコート被覆厚さ0.040mm、絶縁撚線の仕上がり外径0.480mmのリッツ線が得られた。
これらの各サンプルリッツ線について、上記表1と同様にして、「隙間充填」、「発泡」、「断面真円度」、「B.D.V」について調べ評価し、同表に併記した。なお、各評価項目の判定も、上記表1と同様にして行った。
表4〈比較例13〜20〉
表1と同様にして、先ず、導体径0.13mmの銅線に155℃の耐熱レベルのポリウレタン塗料を塗布、焼き付けして仕上がり外径(絶縁素線仕上げ径)0.146mmの耐熱ポリウレタンエナメル銅線を作成し、これをダブルツイストバンチャーで7本同芯撚りのサンプルリッツ線とした。このとき、サンプルリッツ線の撚りピッチを、同表の如く、7〜14mmの8種類とした。
表1と同様にして、先ず、導体径0.13mmの銅線に155℃の耐熱レベルのポリウレタン塗料を塗布、焼き付けして仕上がり外径(絶縁素線仕上げ径)0.146mmの耐熱ポリウレタンエナメル銅線を作成し、これをダブルツイストバンチャーで7本同芯撚りのサンプルリッツ線とした。このとき、サンプルリッツ線の撚りピッチを、同表の如く、7〜14mmの8種類とした。
この8種類のサンプルリッツ線を、焼付炉(焼き付け温度は350℃程度)に導き、空焼きした後(素線間を仮接着した後)、図1と同構造であるが、通常のダイス有する塗料槽に導き、上記表1と同様にして、絶縁塗料の塗布とその焼き付けにより、塗料充填処理を2回行い、その後、通常のダイス有する塗料槽に導き、絶縁塗料の塗布とその焼き付けにより、オーバーコート被覆を8回行った。これにより、オーバーコート被覆厚さ0.040mm、絶縁撚線の仕上がり外径0.480mmのリッツ線が得られた。
これらの各サンプルリッツ線について、上記表1と同様にして、「隙間充填」、「発泡」、「断面真円度」、「B.D.V」について調べ評価し、同表に併記した。なお、各評価項目の判定も、上記表1と同様にして行った。
表1から、塗料充填処理において、2重ダイスを用いた場合、撚りピッチ10〜13mmの範囲において(絶縁撚線の撚りピッチが絶縁素線仕上げ径の70〜90倍程度)、特性的に満足できるリッツ線が得られることが判る。なお、塗料充填が不十分な撚りピッチ9mm以下にあっては、他の項目の評価も不可能であった(以下の例でも同じ)。
また、表2から、塗料充填処理において、2重ダイスと超音波振動装置とを用いた場合、撚りピッチ8〜13mmの範囲において(絶縁撚線の撚りピッチが絶縁素線仕上げ径の55〜90倍程度)、特性的に満足できるリッツ線が得られることが判る。つまり、このケースの場合、特に従来方法では不可能であった撚りピッチの小さい側ても、問題のない製品が得られることが判る。
また、表2から、塗料充填処理において、2重ダイスと超音波振動装置とを用いた場合、撚りピッチ8〜13mmの範囲において(絶縁撚線の撚りピッチが絶縁素線仕上げ径の55〜90倍程度)、特性的に満足できるリッツ線が得られることが判る。つまり、このケースの場合、特に従来方法では不可能であった撚りピッチの小さい側ても、問題のない製品が得られることが判る。
一方、これに対して、塗料充填処理において、表3から、通常のダイスを用いた場合には、満足のいくリッツ線は一つも得られないことが判る。また、表4から、空焼きした後、通常のダイスを用いた場合には、狭い撚りピッチの範囲(11〜12mm)で、なんとか満足のいくリッツ線が得られることが判る。
なお、上記実施の形態では、塗料充填処理時、絶縁塗料圧を上昇させるにおいて、2重ダイスを用いた場合であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、通常のダイスに外部の加圧手段を付設して上昇させることも可能である。また、絶縁撚線に超音波振動を与えるにおいても、超音波振動装置や絶縁撚線を塗料中に浸漬させる方法に限定されず、塗料の塗布された絶縁撚線側に所定の超音波振動が伝えられる方法であればよい。
10・・・2重ダイス、11・・・第1ダイスチップ、12・・・第2ダイスチップ、14・・・中空部(塗料加圧室)、15・・・排出口(洩れ口)、20・・・絶縁塗料、30・・・塗料槽、40・・・ロールコータ、50・・・絶縁撚線、60・・・超
音波振動装置、
音波振動装置、
Claims (6)
- 複数の絶縁素線を撚り合わせた絶縁撚線の外周に少なくとも1回の絶縁塗料の塗布とその焼き付けにより、絶縁塗料を素線間に充填させる塗料充填処理を行い、その後、さらに前記絶縁撚線の外周に複数回の絶縁塗料の塗布とその焼き付けにより、絶縁塗料をオーバーコート被覆させる塗料充填絶縁撚線の製造方法であって、
前記塗料充填処理時、絶縁塗料圧を上昇させることを特徴とする塗料充填絶縁撚線の製造方法。 - 前記塗料充填処理時、2重ダイスを用い、前記絶縁撚線の外周に絶縁塗料の塗布しつつ、2重ダイスの第1ダイスチップに通した後、当該第1ダイスチップのダイス穴により小径の第2ダイスチップに通して、当該第2ダイスチップ内の絶縁塗料圧を上昇させることを特徴とする請求項1記載の塗料充填絶縁撚線の製造方法。
- 前記塗料充填処理時、絶縁塗料圧を上昇させると共に、前記絶縁撚線に超音波振動装置により超音波振動を与えることを特徴とする請求項1又は2記載の塗料充填絶縁撚線の製造方法。
- 前記塗料充填処理時の絶縁塗料濃度を通常濃度(30〜40%)の1/2程度としたことを特徴とする請求項1又は2記載の塗料充填絶縁撚線の製造方法。
- 前記請求項1、2又は4記載のいずれかの塗料充填絶縁撚線の製造方法により、絶縁撚線の撚りピッチが絶縁素線仕上げ径の70〜90倍程度で製造されたことを特徴とする塗料充填絶縁撚線。
- 前記請求項3又は4記載の充填絶縁撚線の製造方法により、絶縁撚線の撚りピッチが絶縁素線仕上げ径の55〜90倍程度で製造されたことを特徴とする塗料充填絶縁撚線。
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JP2003398340A Pending JP2005158625A (ja) | 2003-11-28 | 2003-11-28 | 塗料充填絶縁撚線の製造方法及び塗料充填絶縁撚線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005158625A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4877385A (ja) * | 1972-01-25 | 1973-10-17 | ||
JPH10241474A (ja) * | 1997-02-21 | 1998-09-11 | Ogura Houseki Seiki Kogyo Kk | 線条導体の塗料塗布用ダイス |
JPH11232936A (ja) * | 1998-02-13 | 1999-08-27 | Totoku Electric Co Ltd | 高耐圧高周波コイル用リッツ線およびその製造方法 |
JP2000340039A (ja) * | 1999-05-26 | 2000-12-08 | Norichika Takebe | 絶縁強化リッツ線及びその製造方法 |
JP2001057119A (ja) * | 1999-08-19 | 2001-02-27 | Ogura Jewel Ind Co Ltd | 線条導体の塗料塗布用ダイス |
-
2003
- 2003-11-28 JP JP2003398340A patent/JP2005158625A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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