JP2020177782A - 絶縁電線の製造方法 - Google Patents

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秀仁 花輪
Hidehito Hanawa
秀仁 花輪
鈴木 卓也
Takuya Suzuki
卓也 鈴木
拓幸 姿
Hiroyuki Sugata
拓幸 姿
木村 正樹
Masaki Kimura
正樹 木村
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【課題】十分な耐屈曲性を備え、かつ、絶縁層の厚みのバラツキが低減された絶縁電線を提供する。【解決手段】導体としての複合撚線と、複合撚線を被覆する絶縁層と、を有する絶縁電線の製造方法であって、撚り合わされた複数本の素線を備える複数本の集合撚線が、前記素線の撚り方向と同一方向に撚り合わされている複合撚線を準備する撚線準備工程(S1)と、前記複合撚線の外周面を当該複合撚線の中心に向けて押圧して、当該複合撚線の断面形状を円形または略円形に整える矯正工程(S2)と、前記矯正工程を経た前記複合撚線の周囲に前記絶縁層を形成する被覆工程(S3)と、を含み、矯正工程(S2)では、前記複合撚線をその長手方向に移動させつつ、当該複合撚線の前記外周面に押圧力を付与する。【選択図】図3

Description

本発明は、複合撚線を導体とする絶縁電線の製造方法に関するものである。
導体としての複合撚線と、その複合撚線を被覆する絶縁層と、を有する絶縁電線が知られている。かかる絶縁電線の導体を構成する複合撚線は、複数本の素線が撚り合わされた撚線がさらに複数本撚り合わされた撚線である。複合撚線を形成している各撚線(複数本の素線が撚り合わされた撚線)は「集合撚線」と呼ばれる。また、複合撚線における複数本の集合撚線の撚り合わせは「本撚り」と呼ばれ、集合撚線における複数本の素線の撚り合わせは「下撚り」と呼ばれる。尚、「本撚り」は「親撚り」と呼ばれ、「下撚り」は「子撚り」と呼ばれることもあるが、本明細書では「本撚り」および「下撚り」と呼ぶこととする。つまり、複合撚線は、本撚りされた複数本の集合撚線によって形成されており、それぞれの集合撚線は、下撚りされた複数本の素線によって形成されている。
複合撚線の耐屈曲性を向上させる観点からは、本撚り方向および下撚り方向を同一方向に統一することが好ましい。
一方、絶縁電線の絶縁層は、複合撚線の周囲に樹脂材料を押し出して形成される。このため、絶縁層形成時(複合撚線の周囲に樹脂材料を押し出すとき)に複合撚線の断面形状が崩れていると、絶縁層の厚みにバラツキが生じる。よって、複合撚線は、少なくとも絶縁層形成時において、なるべく真円に近い断面形状を保持していることが好ましい。言い換えれば、複合撚線には保形性が求められる。そして、複合撚線の保形性を向上させる観点からは、本撚り方向および下撚り方向が同一方向に統一されていないことが好ましい。
上記のような背景の下、特許文献1には、複合撚線の中心に位置する集合撚線の下撚り方向を本撚り方向および他の集合撚線の下撚り方向と異ならせ、かつ、本撚り角度を所定角度としたことを特徴とする複合撚線導体が記載されている。特許文献1によれば、上記特徴によって、複合撚線導体の断面形状の崩れが抑えられ、耐屈曲性の低下も抑制される、とのことである。
特開2018−129119号公報
しかし、本件発明者らの研究によれば、撚り方向や撚り角度の好適化や最適化のみでは、絶縁電線の導体を構成する複合撚線の耐屈曲性および保形性を十分なレベルで両立させることは不可能または極めて困難である。言い換えれば、本件発明者らは、絶縁電線の導体を構成する複合撚線の撚り方向や撚り角度の好適化や最適化のみでは、十分な耐屈曲性を備え、かつ、絶縁層の厚みのバラツキが低減された絶縁電線を製造することは不可能または極めて困難である、との知見を得た。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、その目的は、十分な耐屈曲性を備え、かつ、絶縁層の厚みのバラツキが低減された絶縁電線を提供することである。
本発明の絶縁電線の製造方法は、導体としての複合撚線と、前記複合撚線を被覆する絶縁層と、を有する絶縁電線を製造する方法である。本発明の絶縁電線の製造方法は、撚り合わされた複数本の素線を備える複数本の集合撚線が、前記素線の撚り方向と同一方向に撚り合わされている複合撚線を準備する撚線準備工程と、前記複合撚線の外周面を当該複合撚線の中心に向けて押圧して、当該複合撚線の断面形状を円形または略円形に整える矯正工程と、前記矯正工程を経た前記複合撚線の周囲に前記絶縁層を形成する被覆工程と、を含む。そして、前記矯正工程では、前記複合撚線をその長手方向に移動させつつ、当該複合撚線の前記外周面に押圧力を付与する。
本発明の一態様では、前記矯正工程には、第1矯正工程と、前記第1矯正工程の後に行われる第2矯正工程と、が含まれる。前記第2矯正工程では、前記第1矯正工程において前記複合撚線の前記外周面に付与する押圧力よりも大きい押圧力を前記複合撚線の前記外周面に付与する。
本発明の他の一態様では、前記矯正工程において、前記複合撚線を当該複合撚線の径方向において対向する一対のロールの間に通すことにより、当該複合撚線の前記外周面に押圧力を付与する。
本発明の他の一態様では、前記矯正工程において、前記複合撚線の断面形状を真円度が93.0%以上の円形または略円形に整える。
本発明の他の一態様では、前記撚線準備工程において、複数本の集合撚線によって形成される第1集合撚線層と、前記第1集合撚線層の周囲の配置された複数本の集合撚線によって形成される第2集合撚線層と、を含む複合撚線を準備する。
本発明の他の一態様では、前記集合撚線が備える前記素線は、銅線またはアルミニウム線である。
本発明によれば、十分な耐屈曲性を備え、かつ、絶縁層の厚みのバラツキが低減された絶縁電線を製造することができる。
本発明の製造方法によって製造された絶縁電線の一例を示す断面図である。 図1に示される絶縁電線における本撚り方向および下撚り方向を模式的に示す断面図である。 本発明の製造方法に含まれる工程を示す説明図である。 本発明の製造方法を実施する製造ラインの一例を示す概略図である。 図4に示される製造ラインに設置される矯正機の一例を示す側面図である。 図4に示される製造ラインに設置される矯正機の一例を示す正面図である。
以下、本発明の絶縁電線の製造方法(以下、「製造方法」と略称する。)の実施形態の一例について図面を参照しながら詳細に説明する。もっとも、本実施形態に係る製造方法の理解を容易にすべく、本実施形態に係る製造方法によって製造される絶縁電線の構造について予め説明し、その後に本実施形態に係る製造方法について説明する。
図1は、本実施形態に係る製造方法によって製造される絶縁電線1の構造を示す断面図である。図1に示されている絶縁電線1の断面は、当該絶縁電線1の長手方向と直交する断面である。言い換えれば、図1に示されている絶縁電線1の断面は、当該絶縁電線1の軸線と直交する断面である。以下、絶縁電線1やその構成要素について「断面」と言った場合、特に断らない限り、図1に示されている方向の断面を意味する。
図1に示されるように、絶縁電線1は、導体としての複合撚線10と、その複合撚線10を被覆する絶縁層20と、を有する。絶縁電線1の用途は特に限定されないが、例えば、鉄道車両に搭載される主回路用配線などとして用いられる。絶縁電線1の導体としての複合撚線10は、撚り合わされた複数本の集合撚線30によって形成されている。さらに、それぞれの集合撚線30は、撚り合わされた複数本の素線31によって形成されている。
図1に示されるように、複合撚線10は複層構造を有する。具体的には、複合撚線10は、断面の中心に位置する集合撚線30aと、この集合撚線30aの周囲に配置されている6本の集合撚線30bによって形成される第1集合撚線層と、第1集合撚線層の周囲に配置されている12本の集合撚線30cによって形成される第2集合撚線層と、第2集合撚線層の周囲に配置されている18本の集合撚線30dによって形成される第3集合撚線層と、を有する。つまり、絶縁電線1の導体である複合撚線10は、37本の集合撚線30を含んでおり、かつ、4層構造を有している。もっとも、複合撚線10の複層構造は、このような構造に限定されるものではなく、第3集合撚線層を省略した構造、つまり、第1集合撚線層および第2集合撚線層を有する19本の集合撚線からなる構造でもよく、また第3集合撚線層の周囲に更に24本の集合撚線によって形成される第4集合撚線層を有する61本の集合撚線からなる構造であってもよい。
それぞれの集合撚線30を形成する素線31の種類は特に限定されないが、本実施形態における集合撚線30を形成している素線31は銅線であり、より詳しくは、錫メッキされた軟銅線である。尚、集合撚線30を形成する素線31の他の一例としては、アルミニウム線で挙げられる。
図2に、それぞれの集合撚線30を形成している素線31の撚り方向(下撚り方向)および複数本の集合撚線30の撚り方向(本撚り方向)を矢印によって模式的に示す。図2に示されるように、それぞれの集合撚線30を形成している素線31の撚り方向は時計方向(右方向)であり、複数本の集合撚線30の撚り方向も時計方向(右方向)である。つまり、それぞれの集合撚線30を形成している素線31はS撚りされており、複数本の集合撚線30もS撚りされている。言い換えれば、素線31の撚り方向と集合撚線30の撚り方向とは同一方向である。
上記のように、本実施形態に係る製造方法によって製造される絶縁電線1の導体は、撚り合わされた複数本の素線31を備える複数本の集合撚線30が、素線31の撚り方向と同一方向に撚り合わされている複合撚線10によって構成されている。
再び図1を参照する。絶縁電線1の導体である複合撚線10は、絶縁性樹脂からなる絶縁層20によって被覆されている。絶縁層20を形成する樹脂の種類は特に限定されない。もっとも、絶縁層20を形成する樹脂は、公知または新規の樹脂の中から、耐熱性,可とう性,耐油性,難燃性などを考慮して適宜選択される。絶縁層20を形成する樹脂の一例としては、架橋ポリエチレンが挙げられる。
次に、本実施形態に係る製造方法について説明する。図3に示されるように、本実施形態に係る製造方法には、少なくとも、撚線準備工程(S1)と、矯正工程(S2)と、被覆工程(S3)と、が含まれる。さらに、矯正工程(S2)には、第1矯正工程(S2−1)および第2矯正工程(S2−2)が少なくとも含まれる。
図3に示されている撚線準備工程(S1)では、図1,図2に示されている複合撚線10を準備する。当該撚線準備工程(S1)において準備する複合撚線10は、絶縁電線1の導体となるものであり、その構成などは既に説明したとおりである。つまり、撚線準備工程(S1)で準備される複合撚線10は、撚り合わされた複数本の素線31を備える複数本の集合撚線30が、素線31の撚り方向と同一方向に撚り合わされている撚線である。
図3に示されている矯正工程(S2)では、撚線準備工程(S1)において準備した複合撚線10の断面形状を円形または略円形に整える。具体的には、複合撚線10をその長手方向に移動させつつ、当該複合撚線10の外周面に押圧力を付与することによって、当該複合撚線10の断面形状を円形または略円形に整える。言い換えれば、複合撚線10の外周面を当該複合撚線10の中心に向けて押圧することによって、当該複合撚線10の断面形状を所定の条件を満たす円形または略円形に矯正する。
図3に示されるように、矯正工程(S2)には、第1矯正工程(S2−1)と、第1矯正工程(S2−1)の後に行われる第2矯正工程(S2−2)と、が含まれる。第2矯正工程(S2−2)では、第1矯正工程(S2−1)において複合撚線10の外周面に付与する押圧力よりも大きい(強い)押圧力を複合撚線10の外周面に付与する。つまり、矯正工程(S2)では、複合撚線10の断面形状を複数回に分けて円形または略円形に整える。断面形状の矯正を複数回に分けて行うことにより、歪みや損傷を与えることなく、断面形状を円形または略円形に近づけることができる。
本実施形態では、第2矯正工程(S2−2)が終了した時点における複合撚線10の断面形状が、真円度93.0%以上の円形または略円形になるように、複合撚線10の断面形状を矯正する。ここで「真円度」とは、複合撚線10の任意の断面内において、当該断面の中心を通って当該断面の外縁上の2点を結ぶ複数の線分のうち、最長の線分の長さに対する最短の線分の長さの比率である。言い換えれば、「真円度」とは、複合撚線10の任意の断面内において、当該断面の中心について対称な外縁上の2点を結ぶ複数の線分のうち、最長の線分の長さに対する最短の線分の長さの比率である
複合撚線10の外周面に押圧力を付与する具体的な方法は特に限定されないが、例えば、複合撚線10を対向する一対のロールの間に通すことにより、当該複合撚線10の外周面に押圧力を付与することができる。このとき、対向する一対のロールの間隔を変更することにより、複合撚線10の外周面に付与される押圧力を調節することができる。
図3に示される被覆工程(S3)では、矯正工程(S2)を経た複合撚線10の周囲に絶縁層20を形成する。具体的には、矯正工程(S2)によって断面形状が円形または略円形に矯正された複合撚線10の外周面上に、溶融させた絶縁性樹脂(例えば、架橋ポリエチレン)を押し出す。つまり、矯正工程(S2)を経た複合撚線10を絶縁性樹脂で押出被覆する。このとき、複合撚線10の断面形状が予め円形または略円形に矯正されているので、押出被覆によって複合撚線10の周囲に形成される絶縁層20の厚みが均一化される。
上記撚線準備工程(S1)を含む本実施形態の製造方法によれば、下撚り方向と本撚り方向とが同一方向に統一された複合撚線10を導体とする絶縁電線1が製造される。下撚り方向と本撚り方向とが同一方向に統一されている複合撚線10は、それらが同一方向に統一されていない他の複合撚線に比べて耐屈曲性に優れている。具体的には、下撚り方向と本撚り方向とが同一方向に統一されている複合撚線10は、これを繰り返し屈曲させても、集合撚線30を形成している素線31が断線し難い。つまり、本実施形態に係る製造方法によって製造された絶縁電線1は、耐屈曲性が高い導体を備えている。
一方、下撚り方向と本撚り方向とが同一方向に統一された複合撚線10は、それらが同一方向に統一されていない他の複合撚線に比べて断面形状が崩れやすい。よって、導体としての複合撚線10の周囲に絶縁層20を形成しようとすると、絶縁層20の厚みにバラツキが生じやすい。しかし、上記矯正工程(S2)を含む本実施形態の製造方法によれば、導体としての複合撚線10の周囲に形成される絶縁層20の厚みが均一化される。言い換えれば、本実施形態に係る製造方法によって製造された絶縁電線1は、矯正工程(S2)を含まない製造方法によって製造された他の絶縁電線と比べて、絶縁層20の厚みのバラツキが低減されている。
総じて、本実施形態の製造方法によって製造された絶縁電線1は、十分な耐屈曲性を備えており、かつ、絶縁層20の厚みのバラツキが低減されている。
本実施形態に係る製造方法は、例えば、図4に示されている製造ラインにおいて実施することができる。図4に示されている製造ラインには、送出機41,矯正機42,押出被覆機43および巻取機44が設けられており、複合撚線10が巻かれたボビンが送出機41にセットされる。送出機41にセットされたボビンに巻かれている複合撚線10は、送出機41や巻取機44などの動作によって送出機41から繰り出され、巻取機44に向かって移動する。複合撚線10は、送出機41から巻取機44へ向かって移動する過程で矯正機42、押出被覆機43をこの順で通過する。そして、矯正機42を通過することによって図3に示される矯正工程(S2)が行われ、押出被覆機43を通過することによって図3に示される被覆工程(S3)が行われる。尚、複合撚線10が巻かれたボビンを送出機41にセットすることによって図3に示される撚線準備工程(S1)が行われる。
図4に示されている送出機41,押出被覆機43および巻取機44は、既存の電線製造ラインにも設けられている装置または機器である。一方、矯正機42は既存の電線製造ラインには設けられていない装置または機器である。そこで、送出機41,押出被覆機43および巻取機44についての説明は省略し、矯正機42についてのみ説明する。
図5,図6に示されるように、矯正機42は、ベース50と、第1矯正ユニット51と、第2矯正ユニット52と、を有する。図4に示されている製造ラインでは、図5,図6に示されている第1矯正ユニット51および第2矯正ユニット52がこの順で複合撚線10の移動方向に沿って並ぶように、矯正機42が設置されている。よって、図4に示されている送出機41から繰り出された複合撚線10は、図5,図6に示されている第1矯正ユニット51、第2矯正ユニット52をこの順で通過して押出被覆機43に供給される。尚、図4に示されているように、矯正機42と押出被覆機43との間には何らの装置も機器も設置されていない。つまり、矯正機42を通過した複合撚線10は、直ちに押出被覆機43に供給される。
再び図5,図6を参照する。矯正機42の第1矯正ユニット51および第2矯正ユニット52は、実質的に同一の構造を有する。そこで、第1矯正ユニット51および第2矯正ユニット52に共通の構成については、図中に同一の符号を付す。
第1矯正ユニット51および第2矯正ユニット52のそれぞれは、矯正機42を通過する複合撚線10の径方向において対向する一対のローラを二組備えている。一方のローラ対を構成しているローラ61,62は、矯正機42を通過する複合撚線10を径方向左右から挟むように対向配置されている。他方のローラ対を構成しているローラ63,64は、矯正機42を通過する複合撚線10を径方向上下から挟むように対向配置されている。以下の説明では、各ユニット51,52におけるローラ61,62の対を「前段ローラ対」と呼び、ローラ63,64の対を「後段ローラ対」と呼ぶ場合がある。
それぞれのローラ61,62,63,64は、複合撚線10の外形に倣った円弧状の押圧面を備えている。第1矯正ユニット51および第2矯正ユニット52における前段ローラ対は、ローラ61とローラ62との間を通る複合撚線10を径方向左右から挟み込む。このとき、ローラ61,ローラ62のそれぞれの押圧面は、複合撚線10の外周面の周方向一部と面接触する。一方、第1矯正ユニット51および第2矯正ユニット52における後段ローラ対は、ローラ63とローラ64との間を通る複合撚線10を径方向上下から挟み込む。このとき、ローラ63,64のそれぞれの押圧面は、当該複合撚線10の外周面の周方向他の一部と面接触する。尚、ローラ61,62の押圧面が接触する領域と、ローラ63,64の押圧面が接触する領域とは、部分的に重複することもあり、一切重複しないこともある。
いずれにしても、矯正機42を通過する複合撚線10の外周面は、当該複合撚線10が第1矯正ユニット51を通過する過程で左右および上下から中心に向けて押圧される。この結果、複合撚線10の断面形状が円形または略円形に整えられる。さらに、矯正機42を通過する複合撚線10の外周面は、当該複合撚線10が第2矯正ユニット52を通過する過程で再び左右および上下から中心に向けて押圧される。この結果、複合撚線10の断面形状が再び円形または略円形に整えられる。言い換えれば、複合撚線10が矯正機42を通過する過程で、当該複合撚線10の断面形状が複数回に分けて円形または略円形に整えられる。つまり、複合撚線10が第1矯正ユニット51を通過することにより、図3に示される第1矯正工程(S2−1)が行われ、複合撚線10が第2矯正ユニット52を通過することにより、図3に示される第2矯正工程(S2−2)が行われる。
図5,図6に示されているハンドル65を時計方向に回転させると、各ユニット51,52におけるローラ61,62の対向間隔が縮小し、ハンドル65を反時計方向に回転させると、各ユニット51,52におけるローラ61,62の対向間隔が拡大する。同様に、ハンドル66を時計方向に回転させると、各ユニット51,52におけるローラ63,64の対向間隔が縮小し、ハンドル66を反時計方向に回転させると、各ユニット51,52におけるローラ63,64の対向間隔が拡大する。
つまり、第1矯正ユニット51および第2矯正ユニット52のそれぞれにおける前段ローラ対が複合撚線10の外周面に付与する押圧力を個別に調節することができる。また、第1矯正ユニット51および第2矯正ユニット52のそれぞれにおける後段ローラ対が複合撚線10の外周面に付与する押圧力を個別に調節することもできる。例えば、第1矯正ユニット51の前段ローラ対および後段ローラ対が複合撚線10の外周面に付与する押圧力が同一となるように調節し、かつ、第2矯正ユニット52の前段ローラ対および後段ローラ対が複合撚線10の外周面に付与する押圧力が同一(但し、第1矯正ユニット51の前段ローラ対および後段ローラ対が付与する押圧力よりも大きい。)となるように調節することができる。この場合、複合撚線10が第2矯正ユニット52を通過することによって行われる第2矯正工程(S2−2)では、複合撚線10が第1矯正ユニット51を通過することによって行われる第1矯正工程(S2−1)において当該複合撚線10の外周面に付与される押圧力よりも大きい(強い)押圧力が付与される。この結果、複合撚線10の断面形状が2回に亘って段階的に矯正される。もちろん、全てのローラ対が複合撚線10の外周面に異なる大きさ(強さ)の押圧力を付与するように調節することもできる。このように調節する場合には、複合撚線10の外周面に付与される押圧力が、当該複合撚線10の移動方向に沿って次第に大きく(強く)なるように調節することが好ましい。
本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、複合撚線を形成する集合撚線の本数や積層数は、必要に応じて適宜変更することができる。また、本撚り方向と下撚り方向とが同一方向であれば、その方向は反時計方向(左方向)であってもよい。つまり、図3に示される撚線準備工程(S1)では、集合撚線30を形成している素線31がZ撚りされており、複数本の集合撚線30もZ撚りされている複合撚線10を準備してもよい。
1 絶縁電線
10 複合撚線
20 絶縁層
30,30a,30b,30c,30d 集合撚線
31 素線
41 送出機
42 矯正機
43 押出被覆機
44 巻取機
50 ベース
51 第1矯正ユニット
52 第2矯正ユニット
61,62,63,64 ローラ
65,66 ハンドル

Claims (6)

  1. 導体としての複合撚線と、前記複合撚線を被覆する絶縁層と、を有する絶縁電線の製造方法であって、
    撚り合わされた複数本の素線を備える複数本の集合撚線が、前記素線の撚り方向と同一方向に撚り合わされている複合撚線を準備する撚線準備工程と、
    前記複合撚線の外周面を当該複合撚線の中心に向けて押圧して、当該複合撚線の断面形状を円形または略円形に整える矯正工程と、
    前記矯正工程を経た前記複合撚線の周囲に前記絶縁層を形成する被覆工程と、を含み、
    前記矯正工程では、前記複合撚線をその長手方向に移動させつつ、当該複合撚線の前記外周面に押圧力を付与する、
    絶縁電線の製造方法。
  2. 請求項1に記載の絶縁電線の製造方法において、
    前記矯正工程には、第1矯正工程と、前記第1矯正工程の後に行われる第2矯正工程と、が含まれ、
    前記第2矯正工程では、前記第1矯正工程において前記複合撚線の前記外周面に付与する押圧力よりも大きい押圧力を前記複合撚線の前記外周面に付与する、
    絶縁電線の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の絶縁電線の製造方法において、
    前記矯正工程では、前記複合撚線を当該複合撚線の径方向において対向する一対のロールの間に通すことにより、当該複合撚線の前記外周面に押圧力を付与する、
    絶縁電線の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の絶縁電線の製造方法において、
    前記矯正工程では、前記複合撚線の断面形状を真円度が93.0%以上の円形または略円形に整える、
    絶縁電線の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の絶縁電線の製造方法において、
    前記撚線準備工程において準備する前記複合撚線は、複数本の集合撚線によって形成される第1集合撚線層と、前記第1集合撚線層の周囲の配置された複数本の集合撚線によって形成される第2集合撚線層と、を含む、
    絶縁電線の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の絶縁電線の製造方法において、
    前記集合撚線が備える前記素線が、銅線またはアルミニウム線である、
    絶縁電線の製造方法。
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