JP2008186724A - 集合導体及びその製造方法 - Google Patents

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裕之 上林
Yasuki Kajima
泰規 鹿嶋
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Abstract

【課題】集合導体において絶縁性を保持して導体占積率を可及的に向上させる。
【解決手段】各々、全体横断面形状を分割した一部の矩形状の横断面を有する複数の導体線1が一体化した集合導体10aであって、各導体線1の集合線全体を被覆して絶縁するための絶縁被覆層4を備え、各導体線1は、絶縁性を有する接着層3aを介して互いに接着されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の導体線が一体化して構成された集合導体及びその製造方法に関するものである。
電磁機械器具のコイルに用いられるマグネットワイヤとして、複数の導体線が束ねられて一体に構成された集合導体が提案されている。
例えば、特許文献1には、複数本の自己融着性平角エナメル線を集合、転位、撚合わせて得られる撚線の外周に絶縁テープを螺旋巻きしてなる自己融着性転位電線において、自己融着性平角エナメル線が自己潤滑・自己融着性平角エナメル線であるものが開示されている。そして、特許文献1には、この自己融着性転位電線によれば、転位電線の製造作業及びコイル巻線作業時には素線同志が優れた相互滑り性を発揮し、しかもコイルの熱融着時には素線相互が強固に熱融着できる、と記載されている。
特開平11−203948号公報
近年、電気自動車のモーター用のマグネットワイヤとして、集合導体が注目されている。このモーター用途の集合導体では、モーターの性能を向上させるために、その横断面における導体部の面積が占める割合、すなわち、導体占積率を向上させる必要があると共に、集合導体の絶縁性を保持する必要がある。ここで、集合導体の絶縁性は、導体部の周囲に設けられた絶縁部の厚さなどに依存するので、集合導体において、導体占積率の向上と絶縁性の保持とは、トレードオフの関係にある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、集合導体において絶縁性を保持して導体占積率を可及的に向上させることにある。
上記目的を達成するために、本発明は、集合導体を構成する各導体線の間を接着層で絶縁すると共に、各導体線の集合線全体を絶縁被覆層で絶縁するようにしたものである。
具体的に本発明に係る集合導体は、各々、全体横断面形状を分割した一部の形状の横断面を有する複数の導体線が一体化した集合導体であって、上記各導体線の集合線全体を被覆して絶縁するための絶縁被覆層を備え、上記各導体線は、絶縁性を有する接着層を介して互いに接着されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、各導体線同士を接着する接着層によって、各導体線の間が絶縁されているので、集合導体における導体占積率が各導体線の間に絶縁層及び接着層の双方が介在する場合よりも向上する。また、各導体線の集合線全体が絶縁被覆層によって絶縁されているので、集合導体同士の絶縁性が保持される。ここで、一般的な集合導体では、各導体線における電流がその長さ方向に沿って流れるので、各導体線間の絶縁性よりも集合導体同士の絶縁性が重要視される。したがって、集合導体において絶縁性を保持して導体占積率を可及的に向上させることが可能になる。
上記各導体線の横断面は、矩形状に形成されていてもよい。
上記の構成によれば、各導体線の横断面が矩形状になっているので、各導体線の側面を重ね合わせることにより、各導体線が幅方向及び高さ方向に容易に整列され、集合導体における導体占積率を向上させることが可能になる。
上記接着層は、上記各導体線の集合線の内側に配置する該各導体線の側面に形成されていてもよい。
上記の構成によれば、各導体線を一体化した集合線の外周面に接着層が形成されていないので、集合線の外周面に導体面が露出している。そのため、その集合線の外周面に絶縁被覆層を電着塗装により形成することが可能になる。
上記絶縁被覆層は、電着塗装により形成されていてもよい。
上記の構成によれば、絶縁被覆層が電着塗装により形成されているので、電着塗装する際の印加電圧を調整するだけで、絶縁被覆層を一度に、例えば、20μm〜30μmに厚く均一に形成することが可能になる。ここで、上記絶縁被覆層をディップ塗装により形成する場合には、一度に2μm〜3μm程度しか成膜することができないので、集合線の外周面に上記のような膜厚20μm〜30μmの絶縁被覆層を形成するためには、ディップ塗装を10回程度繰り返す必要がある。また、上記絶縁被覆層をポリイミドテープなどの絶縁テープをらせん状に重ね合わせて巻く方法(テープ巻き)により形成する場合には、集合線の外周面に均一な絶縁加工を施すことが困難である。
上記各導体線及び接着層の間には、絶縁薄膜が設けられていてもよい。
上記の構成によれば、各導体線に対して、それぞれ絶縁性を有する絶縁薄膜及び接着層が順に積層されているので、各導体線における絶縁性を向上させることが可能になると共に、絶縁薄膜が接着層の下地膜になるので、各導体線に対する接着層の接着力を向上させることが可能になる。
上記絶縁薄膜は、電着塗装により形成されていてもよい。
上記の構成によれば、絶縁薄膜が電着塗装により形成されているので、電着塗装する際の印加電圧を調整するだけで、絶縁薄膜を、例えば、0.5μm〜1.5μmに薄く均一に形成することが可能になり、導体線における導体占積率の低下が抑制される。ここで、上記絶縁被覆層をディップ塗装により形成する場合には、膜厚が、例えば、2μm〜3μmになるので、導体線及び集合導体における導体占積率が低下してしまう。
上記各導体線は、無撚り状態で一体化されていてもよい。
上記の構成によれば、各導体線が無撚り状態であるので、集合導体において、デッドスペースの形成が抑制されると共に、渦電流の発生が抑制される。
また、本発明に係る集合導体の製造方法は、各々、全体横断面形状を分割した一部の形状の横断面を有する複数の導体線が一体化した集合導体を製造する方法であって、複数の導体線に絶縁性を有する接着剤を塗布して接着層を形成することにより、該接着層を介して上記各導体線が一体化した集合線を形成する集合線形成工程と、上記集合線形成工程で形成された集合線を被覆するように絶縁被覆層を形成する絶縁被覆層形成工程とを備えることを特徴とする。
上記の方法によれば、各導体線同士を接着するために集合線形成工程で形成される接着層によって、各導体線の間が絶縁されるので、集合導体における導体占積率が各導体線の間に絶縁層及び接着層の双方が介在する場合よりも向上する。また、絶縁被覆層形成工程で形成される絶縁被覆層によって、各導体線の集合線全体が絶縁されるので、集合導体同士の絶縁性が保持される。ここで、一般的な集合導体では、各導体線における電流がその長さ方向に沿って流れるので、各導体線間の絶縁性よりも集合導体同士の絶縁性が重要視される。したがって、集合導体において絶縁性を保持して導体占積率を可及的に向上させることが可能になる。
上記各導体線の横断面は、矩形状に形成されており、上記集合線形成工程では、上記集合線の内側に配置する上記各導体線の側面に上記接着剤を塗布すると共に、上記絶縁被覆層形成工程では、上記絶縁被覆層を電着塗装により形成してもよい。
上記の方法によれば、各導体線を一体化した集合線の外周面に接着層が形成されないので、集合線の外周面に導体面が露出している。そのため、その集合線の外周面に絶縁被覆層を電着塗装により形成することが可能になる。
また、絶縁被覆層が電着塗装により形成されるので、電着塗装する際の印加電圧を調整するだけで、絶縁被覆層を一度に、例えば、20μm〜30μmに厚く均一に形成することが可能になる。ここで、上記絶縁被覆層をディップ塗装により形成する場合には、一度に2μm〜3μm程度しか成膜することができないので、集合線の外周面に上記のような20μm〜30μmの絶縁被覆膜を形成するためには、ディップ塗装を10回程度繰り返す必要がある。さらに、上記絶縁被覆層をポリイミドテープなどの絶縁テープをらせん状に重ね合わせて巻く方法(テープ巻き)により形成する場合には、集合線の外周面に均一な絶縁加工を施すことが困難である。
また、各導体線を一体化させた集合線では、一度曲げると外周部及び内周部の間で長さの差が発生して復元させるのが困難になるので、各導体線を一体化させた後は、その集合線を曲げないように絶縁被覆層を形成する必要がある。ここで、電着塗装では、印加電圧を調整するだけで膜厚が制御可能であると共に、一度に厚く成膜可能であるので、本発明の作用効果が有効に奏される。なお、上記絶縁被覆層をディップ塗装により曲げないように形成する場合には、浸漬(ディピング)及び乾燥を何度も繰り返す必要があるので、極めて長い製造ラインになってしまう。
上記集合線形成工程では、上記接着剤を熱硬化させることにより、上記接着層を形成すると共に、上記絶縁被覆層形成工程では、上記熱硬化させた接着層によって、上記絶縁被覆層を焼き付ける際の上記集合線の形状を保持してもよい。
上記の方法によれば、各導体線に対して、集合線形成工程において、例えば、熱硬化性で高Tg(ガラス転位温度)タイプの接着剤を塗布することにより、絶縁被覆層形成工程において、各導体線が散けることなく、集合線の形状が保持される接着層が具体的に形成される。
本発明によれば、集合導体を構成する各導体線の集合線全体を絶縁被覆層で絶縁すると共に、各導体線の間を接着層で絶縁するので、集合導体において絶縁性を保持して導体占積率を可及的に向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の各実施形態に限定されるものではない。
《発明の実施形態1》
図1〜図7は、本発明に係る集合導体及びその製造方法の実施形態1を示している。
図1は、本実施形態の集合導体10aの斜視図である。
集合導体10aは、図1に示すように、その横断面において、例えば、6行(図中横方向)×3列(図中縦方向)に無撚り状態で整列された複数の導体線1と、各導体線1の間に設けられた接着層3aと、各導体線1の集合線全体を被覆するように設けられた絶縁被覆層4とを備えている。ここで、各導体線1は、その表面に形成された接着層3aによって互いに接着されて一体化されている。
導体線1は、矩形状の横断面を有し、例えば、銅、アルミニウム、銀、鉄、金、又は、それらの合金などの導電性を有する材料により線状に構成されている。なお、導体線1の横断面は、集合導体10aの矩形状の全体横断面形状を分割した一部の形状になっている。
また、上記矩形状の横断面を有する導体線1とは、例えば、図2(a)に示すように、角部が直角である正方形の横断面を有する導体線1a、図2(b)に示すように、角部が直角である長方形の横断面を有する導体線1b、図2(c)に示すように、角部がR形状である略正方形の横断面を有する導体線1c、図2(d)に示すように、角部がR形状である略長方形の横断面を有する導体線1d、及び図2(e)に示すように、一方の対向する一対の辺が平行であり且つ他方の対向する一対の辺が弧状であるトラック状の横断面を有する導体線1eなどから選択されるものである。
さらに、導体線1の横断面形状は、導体占積率や生産性などの観点から、上記矩形状が好ましいが、その他に、三角形、六角形などの多角形であってもよい。ここで、導体線1は、表面積が比較的小さい平角線であるので接着層3aの占める面積を小さくすることができると共に、種々のサイズに適応させることができる。
また、導体線1の横断面形状は、その長さ方向に沿って全て同じでなくてもよく、例えば、横断面積がその長さ方向に沿って拡大又は縮小する相似形であってもよい。
さらに、導体線1において、長辺の長さを短辺の長さの1倍〜1.5倍(好ましくは1倍〜1.2倍)とすることにより、m行×n列(m及びnは自然数)に整列させたとき、導体占積率が向上し大表面積の絶縁導体が得られるので、ハイブリッド車などの電気自動車に用いられるモーターの小型化及び軽量化を実現させることができる。
また、導体線1のサイズは、例えば、一辺が0.05mm〜2mm(好ましくは0.05mm〜1mm)であり、0.03mmφ〜2.0mmφの丸線に対応するサイズであればよく、横断面積としては、0.0007mm2〜4mm2となる。
なお、集合導体10aにおける各導体線1は、例えば、正方形の横断面を有する導体線1aと三角形の横断面を有する導体線とを組み合わせて構成するなどして、全て同じ形状でなくてもよい。
接着層3aは、電気絶縁性を有し、例えば、エポキシ系、ポリイミド系、フェノール系、不飽和ポリエステル系、又はウレタン系などの樹脂からなる熱硬化性接着剤により構成されている。特に、耐熱性を考慮すると、接着層3aとしては、例えば、100℃以上(好ましくは150℃以上)のガラス転位温度(Tg)を有する高Tgタイプのエポキシ系やポリイミド系の樹脂(接着剤)が好ましい。また、接着層3aの厚さは、塗布面片側において、0.5μm〜5μm程度(好ましくは1〜3μm)であり、AC(alternating current)5V〜10V程度の絶縁性を有していればよい。
絶縁被覆層4は、例えば、電着塗装を用いて、アクリル系、エポキシ系、ポリエステル系、ウレタン系、若しくはポリイミド系などの樹脂により形成され、又はディップ塗装を用いて、アミドイミド系、ウレタン系、エステルイミド系、若しくはポリイミド系などの樹脂により形成されている。特に、電着塗装によって形成される絶縁被覆層4としては、絶縁性に優れるアクリル系の樹脂が好ましく、ディップ塗装によって形成される絶縁被覆層4としては、耐熱性に優れ、一般的な材料であるアミドイミド系の樹脂が好ましい。また、絶縁被覆層4の厚さは、5μm〜50μm程度(好ましくは、20μm〜30μm)であり、AC1kV以上(好ましくはAC2kV以上)の絶縁性を有していればよい。
上記構成の集合導体10aは、モーターを構成するステータコアに形成された各スロット溝の内部において、例えば、複数個を重ねて配置されるものである。
次に、上記構成の集合導体10aの製造方法について、説明する。ここで、図3は、集合導体10aを製造するための集合導体製造装置30の構成概略図である。なお、本実施形態では、導体線1として正方形の横断面を有する導体線1aを用いた場合の製造方法を例示する。
集合導体製造装置30は、図3に示すように、複数の巻き出しロール20、複数の塗布装置21、ガイドロール22、第1ダイス23a、第2ダイス23b、第1乾燥室24、電着塗装室25、第2乾燥室26及び切断装置27が図中左側から右側に向かって順に設けられている。
各巻き出しロール20は、予め、巻回された導体線1aを塗布装置21に巻き出すように構成されている。
各塗布装置21は、各導体線1aを整列させたときに内側に配置する各導体線1aの所定の側面に、すなわち、図7(a)に示すように、導体線1aにおける左右両側面及び下側面の3面に、図7(b)に示すように、導体線1aにおける右側面及び下側面の2面に、及び図7(c)に示すように、導体線1aにおける左右両側面及び上下両側面の4面に接着剤3がそれぞれ塗布されるように、例えば、図4に示すように、外周面から接着剤3が供給されるロールコーター21a、図5に示すように、当接面から接着剤3が供給される含浸フェルト21b、及び図6に示すように、ノズルから接着剤3が供給されるスプレー21cなどから適宜選択される。また、図4〜図6では、導体線1aの側面の2面に対して接着剤3を塗布する装置の構成を例示したが、導体線1aの側面の3面及び4面に対して接着剤を塗布する場合には、例えば、ロールコーター21a、含浸フェルト21b及びスプレー21cの個数を塗布する面数に応じてそれぞれ増やせばよい。なお、導体線1aの側面の4面に対して接着剤を塗布する場合には、接着剤をディップ塗装によって塗布してもよい。
ガイドロール22は、各塗布装置21から供給される接着剤3が塗布された導体線1aを第1ダイス23aに案内するものである。
第1ダイス23a及び第2ダイス23bは、各導体線1aをまとめた集合束を貫通させるための矩形状の貫通孔を有し、その貫通孔の内壁を集合束の側面に当接することにより、ガイドロール22から供給される接着剤3が塗布された複数の導体線1aを幅方向及び高さ方向に整列状態に矯正するための矯正治具である。
第1乾燥室24は、整列させた各導体線1a間の接着剤3を加熱により乾燥及び熱硬化させるためのヒーター(不図示)を備えている。
電着塗装室25は、例えば、エポキシ変性アクリル樹脂系の水分散ワニスを貯留するための電着槽(不図示)を備えている。
第2乾燥室26は、電着塗装された被膜を加熱により乾燥及び焼き付けするためのヒーター(不図示)を備えている。
切断装置27は、集合導体10aを所定長さに切断するための切断刃(不図示)を備えている。
以下に、上記構成の集合導体製造装置30を用いて、集合導体10aを製造する方法について説明する。
まず、予め導体線1aが巻回された各巻き出しロール20から導体線1aを巻き出した後に、塗布装置21(21a、21b又は21c)において、各導体線1aの所定の側面に、例えば、エポキシ系の樹脂からなる接着剤3を塗布する。
続いて、接着剤3がそれぞれ塗布された複数の導体線1aをガイドロール22を経由させた後に、その各導体線1aを第1ダイス23a及び第2ダイス23bの貫通孔内に挿入して整列状態に配置させる。
さらに、第1乾燥室24において、整列状態に配置させた導体線1aの集合束を加熱することにより、各導体線1a間の接着剤3を乾燥及び熱硬化させて、接着層3aを形成すると共に、その接着層3aにより各導体線1aを一体化させた集合線5を形成する。(集合線形成工程)。
引き続いて、電着塗装室25において、集合線5の側面に、例えば、アクリル樹脂を電着塗装する。その後に、第2乾燥室26において、アクリル樹脂が電着塗装された集合線5を加熱することにより、そのアクリル樹脂の被膜の乾燥及び焼き付けを行って、絶縁被覆層4を形成する(絶縁被覆層形成工程)。
最後に、絶縁被覆層4が形成された集合線5(集合導体10a)を切断装置27によって所定長さに切断する。
以上のようにして、集合導体10aを製造することができる。
以上説明したように、本実施形態の集合導体10a及びその製造方法によれば、各導体線1同士を接着するために集合線形成工程で形成される接着層3aによって、各導体線1の間が絶縁されているので、集合導体10aにおける導体占積率を各導体線の間に絶縁層及び接着層の双方が介在する場合よりも向上させることができる。また、絶縁被覆層形成工程で形成される絶縁被覆層4によって各導体線1の集合線5全体が絶縁されているので、集合導体10a同士の絶縁性を保持することができる。ここで、一般的な集合導体では、各導体線における電流がその長さ方向に沿って流れるので、各導体線間の絶縁性よりも集合導体同士の絶縁性が重要視される。したがって、集合導体10aにおいて絶縁性を保持して導体占積率を可及的に向上させることができる。
また、本実施形態の集合導体10a及びその製造方法によれば、各導体線1の横断面が矩形状になっているので、各導体線1の側面を重ね合わせることにより、各導体線1を幅方向及び高さ方向に容易に整列させることができ、集合導体10aにおける導体占積率を向上させることができる。
さらに、本実施形態の集合導体10a及びその製造方法によれば、各導体線1を一体化した集合線5の外周面に接着層3aが形成されないので、集合線5の外周面に導体面が露出している。そのため、その集合線5の外周面に絶縁被覆層4を電着塗装により形成することができる。そして、絶縁被覆層4を電着塗装により形成することができるので、電着塗装する際の印加電圧を調整するだけで、絶縁被覆層4を一度に、例えば、20μm〜30μmに厚く均一に形成することができる。
また、本実施形態の集合導体10a及びその製造方法によれば、各導体線1が無撚り状態であるので、集合導体10aにおいて、デッドスペースの形成を抑制することができると共に、渦電流の発生を抑制することができる。
さらに、本実施形態の集合導体10a及びその製造方法によれば、各導体線1を一体化させた集合線5では、一度曲げると外周部及び内周部の間で長さの差が発生して復元させるのが困難になるので、各導体線1を一体化させた後は、その集合線5を曲げないように絶縁被覆層4を形成する必要がある。ここで、電着塗装では、印加電圧を調整するだけで膜厚を制御することができると共に、一度に厚く成膜することができるので、本発明の作用効果を有効に奏することができる。
また、本実施形態の集合導体10a及びその製造方法によれば、集合線形成工程において、接着剤3として、例えば、熱硬化性で高Tgタイプのものを塗布するので、絶縁被覆層形成工程において、各導体線1が散けることなく、集合線5の形状を保持することができる。
なお、本実施形態の集合導体10aの製造方法では、絶縁被覆層4を電着塗装により形成する方法を例示したが、本発明は、絶縁被覆層4をディップ塗装により形成してもよい。
《発明の実施形態2》
図8は、本実施形態の集合導体10bの斜視図である。なお、以下の実施形態においては、図1〜図7と同じ部分に対し同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
集合導体10bでは、図8に示すように、導体線1及び接着層3aの間に絶縁薄膜2が形成されている。ここで、集合導体10bは、上記実施形態1で説明した集合導体10aの製造方法において、各導体線1(1a)の所定の側面に接着剤3を塗布する前に、例えば、マスクを用いた電着塗装により、アクリル系の樹脂を厚さ0.5μm〜1μm程度で成膜して、各導体線1(1a)の所定の側面に絶縁薄膜2を形成することにより、製造することができる。
本実施形態の集合導体10b及びその製造方法によれば、導体線1に対して、それぞれ絶縁性を有する絶縁薄膜2及び接着層3aが順に積層されることになるので、各導体線1における絶縁性を向上させることができると共に、絶縁薄膜2が接着層3aの下地膜になるので、各導体線1に対する接着層3aの接着力を向上させることができる。
また、本実施形態の集合導体10b及びその製造方法によれば、絶縁薄膜2が電着塗装により形成されているので、電着塗装する際の印加電圧を調整するだけで、絶縁薄膜2を、例えば、0.5μm〜1.5μmに薄く均一に形成することができ、導体線1における導体占積率の低下を抑制することができる。
以上説明したように、本発明は、集合導体における導体占積率を向上させることができるので、モーター用途のマグネットワイヤについて有用である。
実施形態1に係る集合導体10aの斜視図である。 集合導体10aを構成する導体線1(1a〜1e)の断面図である。 集合導体10aを製造するための集合導体製造装置30の構成概略図である。 集合導体製造装置30を構成する塗布装置21(ロールコーター21a)の模式図である。 集合導体製造装置30を構成する塗布装置21(含浸フェルト21b)の模式図である。 集合導体製造装置30を構成する塗布装置21(スプレー21c)の模式図である。 接着剤3が塗布された導体線1aの断面図である。 実施形態2に係る集合導体10bの斜視図である。
符号の説明
1,1a〜1e 導体線
2 絶縁薄膜
3 接着剤
3a 接着層
4 絶縁被覆層
5 集合線
10a,10b 集合導体

Claims (10)

  1. 各々、全体横断面形状を分割した一部の形状の横断面を有する複数の導体線が一体化した集合導体であって、
    上記各導体線の集合線全体を被覆して絶縁するための絶縁被覆層を備え、
    上記各導体線は、絶縁性を有する接着層を介して互いに接着されていることを特徴とする集合導体。
  2. 請求項1に記載された集合導体において、
    上記各導体線の横断面は、矩形状に形成されていることを特徴とする集合導体。
  3. 請求項1に記載された集合導体において、
    上記接着層は、上記各導体線の集合線の内側に配置する該各導体線の側面に形成されていることを特徴とする集合導体。
  4. 請求項3に記載された集合導体において、
    上記絶縁被覆層は、電着塗装により形成されていることを特徴とする集合導体。
  5. 請求項1に記載された集合導体において、
    上記各導体線及び接着層の間には、絶縁薄膜が設けられていることを特徴とする集合導体。
  6. 請求項5に記載された集合導体において、
    上記絶縁薄膜は、電着塗装により形成されていることを特徴とする集合導体。
  7. 請求項1に記載された集合導体において、
    上記各導体線は、無撚り状態で一体化されていることを特徴とする集合導体。
  8. 各々、全体横断面形状を分割した一部の形状の横断面を有する複数の導体線が一体化した集合導体を製造する方法であって、
    複数の導体線に絶縁性を有する接着剤を塗布して接着層を形成することにより、該接着層を介して上記各導体線が一体化した集合線を形成する集合線形成工程と、
    上記集合線形成工程で形成された集合線を被覆するように絶縁被覆層を形成する絶縁被覆層形成工程とを備えることを特徴とする集合導体の製造方法。
  9. 請求項8に記載された集合導体の製造方法において、
    上記各導体線の横断面は、矩形状に形成されており、
    上記集合線形成工程では、上記集合線の内側に配置する上記各導体線の側面に上記接着剤を塗布すると共に、
    上記絶縁被覆層形成工程では、上記絶縁被覆層を電着塗装により形成することを特徴とする集合導体の製造方法。
  10. 請求項9に記載された集合導体の製造方法において、
    上記集合線形成工程では、上記接着剤を熱硬化させることにより、上記接着層を形成すると共に、
    上記絶縁被覆層形成工程では、上記熱硬化させた接着層によって、上記絶縁被覆層を焼き付ける際の上記集合線の形状を保持することを特徴とする集合導体の製造方法。
JP2007019432A 2007-01-30 2007-01-30 集合導体及びその製造方法 Pending JP2008186724A (ja)

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