JP3026385U - 多層絶縁チューブ - Google Patents

多層絶縁チューブ

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JP3026385U
JP3026385U JP1995014598U JP1459895U JP3026385U JP 3026385 U JP3026385 U JP 3026385U JP 1995014598 U JP1995014598 U JP 1995014598U JP 1459895 U JP1459895 U JP 1459895U JP 3026385 U JP3026385 U JP 3026385U
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insulating
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JP1995014598U
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直希 片桐
千弘 小林
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Totoku Electric Co Ltd
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Totoku Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄い絶縁厚さで高い絶縁耐力を有し、かつ柔
軟性に富む絶縁チューブを提供する。 【解決手段】 互いに融着していない分離可能な2層以
上の押出被覆層2a,2b,2cからなり、各押出被覆
層2a,2b,2cの厚さを0.015mm乃至0.1
mmの範囲に形成し、かつ押出被覆層全体の総計被覆厚
さを0.4mm未満に形成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、電線や電気部品等の導電体の絶縁体構造に関するものである。更 に詳しくは、安全規格に規定する絶縁耐力を満足し、かつ従来の絶縁層より絶縁 厚さの薄い絶縁チューブに関する。
【0002】
【従来の技術】
人体への安全性を考慮した導電部の絶縁機構は電気部品や機器を設計する上で の重要な事項であり、各国の安全規格はこの絶縁機構に関し様々な規定がなされ ている。例えば、International Electrotecnical Commission 950(IEC 9 50)によれば、規定の絶縁耐力を確保するための典型的な絶縁厚さとして、機 械的応力の加わらない導電部においては0.4mm以上を例示している。従って 、かかる安全規格に基づいた従来の絶縁チューブは絶縁層が単層構造で絶縁厚さ も0.4mm以上の厚さを有していて可撓性に欠けるため、電気部品や電気機器 の小型化設計を図るうえでの障害となっており、また絶縁材として使用するうえ で扱い難いものであった。
【0003】 そこで最近、上記安全規格に規定する絶縁耐力を満足していてしかも従来の絶 縁層より絶縁厚さの薄い新規な絶縁機構を有する絶縁チューブが提案され、安全 規格に採用されるようになってきている。かかる新規な絶縁機構を有する絶縁チ ューブとして、実開平4−136824号公報は複数枚の絶縁テープを多層に巻 回して形成した薄い絶縁層からなる絶縁チューブを開示している。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
複数枚の絶縁テープを多層に巻回してなる絶縁チューブは、極めて薄い絶縁層 で各安全規格に定める絶縁耐力をクリアするもので、電気部品等の小型化実現に 極めて有用である。しかし、上記絶縁テープ巻回絶縁チューブは、絶縁沿面が絶 縁層の厚さ方向に絶縁テープの重なり面を経て繋がっているので、各巻回層の絶 縁テープの直前の巻き付けを重複している幅を合計した値が安全規格に規定して いる沿面距離を満足することが必要となる。このため、絶縁チューブを製造する に当たっては、絶縁テープの重なり幅について注意深い管理が必要であり、また 一般に絶縁テープを多層に巻回してなる絶縁チューブは多数のテープ重なり面を 有することから、チューブが剛直となり挫屈を生じ易いという欠点があった。
【0005】 そこで本考案の目的は、各安全規格に規定する絶縁耐力を満足していて従来の 絶縁チューブの絶縁層より絶縁厚さの薄いしかも柔軟性に富む新規な絶縁機構を 有する絶縁チューブを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本考案の多層絶縁チューブは、金属芯材の外周に少 なくとも2層の耐熱性絶縁樹脂の押出被覆層を形成し前記芯材を引き抜き除去す ることにより得られる多層絶縁チューブであって、前記少なくとも2層の押出被 覆層は互いに融着していない分離可能な押出被覆層からなっていて、前記各押出 被覆層の厚さが0.015mm乃至0.1mmの範囲内にあってかつ押出被覆層 全体の合計被覆厚さが0.4mm未満であることを構造上の特徴とするものであ る。
【0007】 そして、前記少なくとも2層の互いに融着していない分離可能な押出被覆層は 、それぞれ直前の押出被覆層がその押出被覆樹脂の溶融温度の1/2以下の温度 まで冷却してから形成されることが好ましい。
【0008】 また、前記それぞれの押出被覆層は、該押出被覆樹脂の溶融温度の1/2以下 の温度まで冷却されてから前記金属芯材と各押出被覆層表面間で規定の絶縁耐圧 試験を施しておけば、製造工程で各押出被覆層毎の全長にわたる絶縁耐圧が保証 されるので好ましい。
【0009】 上記耐熱性絶縁樹脂としては、ふっ素系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、 ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオ キサイド、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、ポリエーテエーテルケトン 、ポリエーテルイミドまたはポリアミド等が挙げられる。
【0010】
【作用】
本考案の多層絶縁チューブは、絶縁層が2層以上のそれぞれに融着していない 分離独立した押出被覆層とすることにより、各押出被覆層毎に絶縁耐力が保持さ れる絶縁構造となるので、各押出被覆層の厚さが0.015mm乃至0.1mm の範囲内で押出被覆層全体の合計被覆厚さが0.4mm未満の薄い被覆層であっ ても規定の絶縁耐力を得ることができる。即ち、押出絶縁層を2層に形成する場 合にあってはそれぞれの絶縁層が単独で規定の絶縁耐圧を満たし、絶縁層を3層 に形成する場合にあっては任意の2層の絶縁層の組み合わせで規定の絶縁耐圧を 満たす構造となる。各押出被覆層の厚さを0.015mm乃至0.1mmの範囲 に限定した理由は、1層の被覆厚さが0.015mm未満では安全規格に定める 絶縁耐圧を保持するに十分でなく、また1層の被覆厚さが0.1mmを越えると 被覆厚さが厚くなり多層絶縁にした効果が薄れることによるためである。なお、 各押出被覆層の厚さは同一であっても異なっていてもよく、また被覆樹脂は各押 出被覆層毎に同一樹脂であっても異なった樹脂の組み合わせであっても本考案の 作用効果には何等の差異を生じるものではない。
【0011】 また、押出被覆層は絶縁沿面が厚さ方向でそれぞれの被覆層毎に独立している ので、安全規格に定める絶縁沿面距離を十分満たすことができる。更に、各絶縁 被覆層をそれぞれに融着していない分離した押出被覆層とすることにより、絶縁 チューブはテープ巻き被覆層のものに比べ被覆層の重なり面が少なくしかも絶縁 チューブに強い折曲げ応力を加えた場合にも各押出被覆層間で滑りを生じるので 柔軟構造となり、可撓性に富み挫屈を生じることもなくなる。
【0012】 そして、各押出被覆層はそれぞれ直前の押出被覆層がその押出被覆樹脂の溶融 温度の1/2以下の温度まで冷却してから形成されるので、直前の押出被覆層と 次の押出被覆層とが溶融して一体化することもなく、連続押出方式により確実に 独立した分離可能な押出被覆層を形成することができ、しかも連続押出工程中に 各押出被覆層毎の全長にわたる絶縁耐圧試験を行うことも可能となる。
【0013】
【実施例】
以下、本考案を図1乃至図2の第1実施例および図3乃至図4の第2実施例に より説明する。
【0014】 −第1実施例− 図2は、本考案の3層絶縁チューブの製造工程前段の押出3層被覆線の斜視説 明図である。導体外径0.8mmの銅線3の外周に赤色に着色したふっ化エチレ ンプロピレン共重合体樹脂(FEP樹脂)を厚さ0.05mmに押出して第1絶 縁被覆層2aを形成し、第1絶縁被覆層2aを130°Cまで冷却し、次いで第 1絶縁被覆層2aの外周に白色に着色したFEP樹脂を厚さ0.05mmに押出 して第2絶縁被覆層2bを形成し、第2絶縁被覆層2bを130°Cまで冷却し 、更に第2絶縁被覆層2bの外周に青色に着色したFEP樹脂を厚さ0.05m mに押出して第3絶縁被覆層2cを形成し、これを室温まで冷却して多層被覆層 2の厚さ0.15mmの押出3層被覆線4を得た。この後、押出3層被覆線4を 長さ2,040mmに切断し、銅線3を伸長しながら多層被覆層2から引き抜い て、図1の斜視説明図に示す3層絶縁チューブ1を製造した。5は銅線3を引き 抜き除去した後の中空部である。
【0015】 −第2実施例− 図4は、本考案の2層絶縁チューブの製造工程前段の押出2層被覆線の斜視説 明図である。導体外径0.8mmの銅線13の外周に赤色に着色したFEP樹脂 を厚さ0.07mmに押出して第1絶縁被覆層12aを形成し、第1絶縁被覆層 12aを130°Cまで冷却し、次いで第1絶縁被覆層12aの外周に白色に着 色したFEP樹脂を厚さ0.07mmに押出して第2絶縁被覆層12bを形成し 、これを室温まで冷却して多層被覆層12の全体厚さ0.14mmの押出2層被 覆線14を得た。この後、押出2層被覆線14を長さ2,040mmに切断し、 銅線13を伸長しながら多層被覆層12から引き抜いて、図3の斜視説明図に示 す2層絶縁チューブ11を製造した。15は銅線13を引き抜き除去した後の中 空部である。
【0016】 −耐電圧特性試験− 第1実施例および第2実施例の押出多層被覆線4および14について、各押出 被覆層毎の試料を採取し絶縁破壊電圧を測定した結果を表1に示す。下記表1か ら明らかなように、第1実施例の3層絶縁チューブは3層のうちの任意の2層の 組み合わせで3kVに耐えるという強化絶縁の要求を満足するものであった。ま た、第2実施例のも2層絶縁チューブは2層の絶縁層の各々で3kVに耐えると いう強化絶縁の要求を満足するものであった。なお、絶縁破壊試験は各試料を直 径10mmのマンドレルに15ターン巻き付けマンドレルと芯銅線間に交流電圧 を印加して行った。
【0017】
【表1】
【0018】
【考案の効果】
本考案の多層絶縁チューブによれば、薄い絶縁層で各種安全規格に規定する強 化絶縁の要求を満たすことができ、しかも極めて柔軟性に富む絶縁構造を得るこ とができるので、電気部品や電気機器の小型化設計と製造を容易にすることがで きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の多層絶縁チューブの斜視説
明図である。
【図2】図1の多層絶縁チューブ製造工程前段の多層被
覆線の斜視説明図である。
【図3】本考案の他の実施例の多層絶縁チューブの斜視
説明図である。
【図4】図3の多層絶縁チューブ製造工程前段の多層被
覆線の斜視説明図である。
【符号の説明】
1,11 多層絶縁チューブ 2,2a,2b,2c,12,12a,12b 押出絶
縁層 3,13 金属芯線 4,14 多層被覆線口 5,15 中空部

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属芯材の外周に少なくとも2層の耐熱
    性絶縁樹脂の押出被覆層を形成し前記芯材を引き抜き除
    去することにより得られる多層絶縁チューブであって、
    前記少なくとも2層の押出被覆層は、互いに融着してい
    ない分離可能な押出被覆層からなり、前記各押出被覆層
    の厚さが0.015mm乃至0.1mmの範囲内にあり
    かつ押出被覆層全体の総計被覆厚さが0.4mm未満で
    あることを特徴とする多層絶縁チューブ。
  2. 【請求項2】 前記少なくとも2層の押出被覆層は、そ
    れぞれ直前の押出被覆層が該押出被覆樹脂の溶融温度の
    1/2以下の温度まで冷却されてから形成された押出被
    覆層であることを特徴とする請求項1記載の多層絶縁チ
    ューブ。
  3. 【請求項3】 前記それぞれの押出被覆層は、該押出被
    覆樹脂の溶融温度の1/2以下の温度まで冷却されてか
    ら前記芯材と各押出被覆層表面間で規定の絶縁耐圧試験
    の施された押出被覆層であることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の多層絶縁チューブ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013176872A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 Hirakawa Hewtech Corp チューブの製造方法、その製造方法により製造されたチューブ、及び、多層構造チューブ
JP2019096628A (ja) * 2019-03-22 2019-06-20 日立金属株式会社 同軸ケーブル

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