JP3016484U - リッツ線 - Google Patents
リッツ線Info
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- JP3016484U JP3016484U JP1995002727U JP272795U JP3016484U JP 3016484 U JP3016484 U JP 3016484U JP 1995002727 U JP1995002727 U JP 1995002727U JP 272795 U JP272795 U JP 272795U JP 3016484 U JP3016484 U JP 3016484U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 端末のバラケを防止し、可撓性に富み、かつ
コイル巻導体占有率を悪化しないリッツ線を提供する。 【構成】 下層線1の外面に接着層2を設けて、下層線
1と上層線3とを接着する。上層線3を構成する素線3
a同士は接着しない。
コイル巻導体占有率を悪化しないリッツ線を提供する。 【構成】 下層線1の外面に接着層2を設けて、下層線
1と上層線3とを接着する。上層線3を構成する素線3
a同士は接着しない。
Description
【0001】
本考案はリッツ線に関する。
【0002】
電源装置や通信機器等には、装置の小型化や高周波化に対応する目的で、エナ メル線を細線化してこれを更に複数本撚り合わせたリッツ線が早くから使用され て来た。
【0003】 このようなリッツ線として従来、図3乃至図5に示すものが知られている。 図3に示すリッツ線は、導体5の外面にエナメル絶縁皮膜6を施したエナメル 線を複数本撚り合わせたものである。
【0004】 図4に示すリッツ線は、導体5の外面にエナメル絶縁皮膜6を施したエナメル 線を複数本撚り合わせ、その撚線の外面にナイロン糸又はテトロン糸7を巻き付 けたものである。
【0005】 図5に示すリッツ線は、導体5の外面にエナメル絶縁皮膜6を施し、更にこの 皮膜6の外面に融着皮膜8を施した融着性エナメル線を撚り合わせた後、エナメ ル線同士を加熱融着させたものである。
【0006】
リッツ線は上述のようにエナメル線を複数本撚り合わせたものであるため、端 末切断時には、撚り合わせの際にエナメル線に加えられた捩じりが開放される。 そのため、上記図3に示すリッツ線のように、エナメル線相互の接着処理が施さ れていないものにおいては、端末切断時に、その端末がバラケる傾向があり、コ イル巻時の端末処理に問題を発生していた。
【0007】 このバラケの対策として、図4に示すように、リッツ線の外周にナイロン糸又 はテトロン糸を巻き付けたものが実用化されているが、これによれば端末切断時 のバラケは防止できるもののリッツ線とは別にナイロン糸又はテトロン糸を必要 とするため、製品価格が高価になる問題がある上に、リッツ線断面をみた場合、 ナイロン糸又はテトロン糸を施さないものと比較すると、施されたナイロン糸又 はテトロン糸の厚み分だけ断面積が増大し、導体のコイル占有率が減少してしま う問題がある。
【0008】 上記図5に示すように各エナメル線に融着皮膜7を施したものにおいては、上 記のバラケと導体占有率の問題は解決できるものの、下層線(中心線)と上層線 (外周線)同士及び上層線(外周線)同士が融着するため、全エナメル線(素線 )が融着点の多い接合状態で、かつ融着剤が多量になって一体化し、リッツ線の 可撓性が損なわれ、コイル巻き作業がしづらくなるという問題点がある。
【0009】 そこで本考案は、端末のバラケを防止し、導体のコイル巻占有率を悪化せず、 かつ可撓性の低減が少ないリッツ線を提供することを目的とするものである。
【0010】
本考案は上記の課題を解決するもので、請求項1記載の考案は、下層線(1) の外周に上層線(3)を撚り合わせたリッツ線において、下層線(1)の外面に 接着層(2)を設けて下層線(1)と上層線(3)とを接着し、上層線(3)同 士は非接着状態にしたことを特徴とするリッツ線である。
【0011】 更に請求項2記載の考案は、上記請求項1記載の接着層(2)を、絶縁性樹脂 をベースとした接着剤としたものである。
【0012】
請求項1記載の考案においては、下層線(1)の外面に設けた接着層(2)に より、その下層線(1)と上層線(3)とが接着する。そのため、端末切断時に おいても上層線(3)が下層線(1)に接着保持され、その端末のバラケは発生 しない。
【0013】 また、上層線(3)同士は接着されていないので、上記従来の図5に示すもの と比べて、上層線(3)同士の摺動が可能で、かつ接着剤量も少ないことから、 リッツ線全体の可撓性の低減も少ない。
【0014】 更に、上記図4に示すもののような巻糸がないため、導体のコイル巻占有率も 悪化しない。 請求項2記載の考案においては、接着層(2)が絶縁性樹脂をベースとした接 着剤であるため、上記の作用に更に下層線(1)と上層線(3)間の電気絶縁性 をより高める作用をなす。
【0015】
次に図1に示す本考案の第1実施例について説明する。 図1に示す実施例は、1本のエナメル線からなる下層線の外周に複数本のエナ メル線からなる上層線を撚り合わせて構成するリッツ線に本考案を適用した例を 示す。
【0016】 この図1において、1は下層線で、1本の導線1aの外周面に絶縁皮膜である エナメル層1bを設けて構成されている。該エナメル層1bの外周面には接着層 2が設けられている。この接着層2は絶縁性樹脂をベースとした接着剤、例えば アクリル系エマルジョン接着剤を使用している。
【0017】 3はエナメル線からなる素線3aを6本使用し、これらを上記下層線1におけ る接着層2の外周面に撚り合わせた上層線である。この素線3aは、夫々導線3 bの外周面に上記1bと同様のエナメル層3cが施されている。そして、この各 素線3aは、上記接着剤2により下層線1に接着されている。また、素線3a同 士は接着されていない。
【0018】 次に、上記のリッツ線の製造方法について説明する。 上記7本のエナメル線を撚り合わせる以前に、下層線(中心線)1の外周面に 絶縁樹脂をベースとした接着剤2を塗布する。次いで、下層線1を中心線として その外周にエナメル線からなる6本の素線3aを撚り合わせて、上層線3を構成 する。その後に、この撚線を所定温度に加熱処理して、その接着剤2を熱硬化さ せ、この接着剤2を介して各素線3aを下層線(中心線)1に接着してリッツ線 を製造する。
【0019】 上記のように下層線1と上層線3とを、これらの間に接着層2を設けて接着す ることにより、上層線3を構成する各素線3aが、端末切断時にバラケることが ない。また上層線3を構成する素線3a同士は接着されていないため、これらの 間では摺動でき、リッツ線の各構成線が一体化されず、可撓性を大きく損なわな い。また、リッツ線断面の面積を大きくしないため、コイル巻導体占有率を悪化 させずに巻線作業が可能となる。
【0020】 更に、接着剤2が絶縁性樹脂をベースとしたものであるため、下層線1と上層 線3の間の電気絶縁性を高めることができる。 次に図2に示す本考案の第2実施例について説明する。
【0021】 図2に示す実施例は、エナメル線からなる3本の素線1cを集合した下層線1 の外周に上記実施例と同様の接着剤2を設け、その外周に上層線3を構成する素 線3aを撚り合わせて、下層線1と上層線2とを接着したものである。素線3a 同士は接着されていない。図中、1a、2bは導線、1b、2cはエナメル層を 示す。このものの製造も上記と同様に行なう。
【0022】 この第2実施例においても上記第1実施例と同様の作用、効果を発揮できる。 尚、上記のエナメル絶縁皮膜1b、3cについては、これに限定されるもので はなく、従来公知の絶縁皮膜材料を使用してもよい。また上記の接着剤2につい ては、従来公知の組成の接着剤、例えば、アクリル系エマルジョン接着剤等から 適宜選択して使用する。 更に、下層線1を構成する素線の本数は、上記の実施例の本数に限定されるも のではなく、所望により1本又は複数本で構成するもので、また撚線であっても よい。更に上層線3を構成する素線の本数は上記実施例のように7本に限定され るものではなく、所望本数使用するものである。
【0023】
以上のようであるから請求項1記載の考案によれば、端末のバラケを防止する とともに可撓性に富み、かつコイル巻導体占有率を悪化させないリッツ線を提供 し、リッツ線の取扱い等において円滑な作業が可能となり、産業上における有用 性は非常に大きい。 (注)考案の詳細な説明中テトロンは登録商標である。
【図1】 本考案の第1実施例を示すリッツ線の断面
図。
図。
【図2】 本考案の第2実施例を示すリッツ線の断面
図。
図。
【図3】 従来のリッツ線を示す断面図。
【図4】 従来のリッツ線の他の例を示す断面図。
【図5】 従来のリッツ線の更に他の例を示す断面図。
10…下層線 1a…導体 1b…エナメル層
2…接着剤 3…上層線 3a…素線 3b…導体 3c…エ
ナメル層
2…接着剤 3…上層線 3a…素線 3b…導体 3c…エ
ナメル層
Claims (2)
- 【請求項1】 下層線の外周に上層線を撚り合せたリッ
ツ線において、下層線の外面に接着層を設けて下層線と
上層線を接着し、上層線同士は非接着状態にしたことを
特徴とするリッツ線。 - 【請求項2】 請求項1記載の接着層が絶縁性樹脂をベ
ースとした接着剤であるリッツ線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1995002727U JP3016484U (ja) | 1995-04-03 | 1995-04-03 | リッツ線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1995002727U JP3016484U (ja) | 1995-04-03 | 1995-04-03 | リッツ線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3016484U true JP3016484U (ja) | 1995-10-03 |
Family
ID=43152009
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1995002727U Expired - Lifetime JP3016484U (ja) | 1995-04-03 | 1995-04-03 | リッツ線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3016484U (ja) |
-
1995
- 1995-04-03 JP JP1995002727U patent/JP3016484U/ja not_active Expired - Lifetime
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