JPH0525045Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、コンピユータのストリーマ用など
として使用されているカートリツジ方式のデータ
レコーダ、特に消去ヘツドを内蔵したデータレコ
ーダに関する。

［従来の技術］ デジタルデータなどの記録再生用として、特
に、コンピユータのストリーマあるいはハードデ
イスクのバツクアツプの記録再生用としてテープ
を高速走行させながら、そのデータを記録再生す
るデータレコーダが知られている。

このデータレコーダのなかで、カートリツジ方
式のデータレコーダはカセツト式のテープカート
リツジが使用される。

テープカートリツジとしては、一般に第４図に
示すような構成のものが使用されている。

このテープカートリツジ１０において、１はカ
セツト筐体、２Ｓは供給側ハブ、２Ｔは巻き取り
側ハブである。供給側ハブ２Ｓに巻回されたテー
プ５は一対のテープガイド３，４を介して巻き取
り側ハブ２Ｔ側に巻き取られる。

一対のテープガイド３，４のほぼ中間の位置に
はテープを走行させるためのキヤプスタン６が配
置されている。そして、一対のハブ２Ｓ，２Ｔを
駆動するため、キヤプスタン６と一対のハブ２
Ｓ，２Ｔに巻き取られたテープの外周面（テープ
磁性面）との間には駆動ベルト７が巻回されてい
る。８，９は一対のガイドローラを示す。

また、キヤプスタン６と対向する位置に設けら
れた窓孔１１は駆動ローラ（図示せず）をキヤプ
スタン６に圧着させるための窓孔である。同様
に、窓孔１１と一方のテープガイド４との間に形
成された窓孔１２は記録再生用の磁気ヘツド（図
示せず）をテープ５に当接させるための窓孔であ
る。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、このように構成されたテープカート
リツジ１０を使用して、例えば所定のデジタルデ
ータが記録されるが、データの記録されたこのテ
ープカートリツジを次のデータ記録用として使用
する場合には、前のデータを一旦消去して使用す
る必要がある。

データ消去手段として、従来ではバルクイレー
ザが使用されていた。このバルクイレーザにテー
プカートリツジ１０を装填すれば、記録データを
一挙に消去することができる。

バルクイレーザを使用するのは、このようにデ
ータを一挙に消去しようとする理由の他に、第４
図に示すような構成のテープカートリツジでは全
幅消去用のヘツドを、このテープカートリツジ１
０の窓孔１２に対接させるようなスペースが元々
ないからである。

しかし、このようなバルクイレーザを使用する
場合では、データレコーダとは別体構成であるた
め、何かと不便であると共に、バルクイレーザそ
のものが高価であるという欠点がある。

そこで、この考案ではこのような問題点を構成
簡単に解決したものであつて、本体自体に全幅用
の消去ヘツドを具備できるように工夫したデータ
レコーダを提案するものである。

［問題点を解決するための技術的手段］ 上述の問題点を解決するため、この考案におい
ては、記録再生用ヘツドの一端側に全幅消去ヘツ
ドが設けられると共に、これら一体形の磁気ヘツ
ドがテープの幅方向に対して可動自在になされた
ことを特徴とするものである。

［作用］ 通常の記録再生用時は、記録再生用のヘツド
HR，HP（第１のヘツド３１）がテープ５に当接
するように、記録再生用ヘツドとして機能する第
１のヘツド３１の位置関係がコントロールされ
る。

これに対して、データ消去時は消去ヘツドHE
として機能する第２のヘツド３２がテープ５に対
接するように、ヘツド３１，３２のテープ５に対
する総体的な位置関係が制御される。

このように、テープ５の幅方向に配置された一
対のヘツド３１，３２を選択的に使用すれば、テ
ープカートリツジ１０のテープ走行方向における
ヘツド取り付けスペースが無くても、消去ヘツド
を取り付けることが可能になる。

［実施例］ 続いて、この考案に係るデータレコーダの一例
を上述したようにカートリツジ方式のデータレコ
ーダに適用した場合につき、第１図以下を参照し
て詳細に説明する。

この考案においても、第４図に示したような構
成のテープカートリツジ１０が使用されるので、
その詳細な説明は省略する。

第１図において、２１はテープ駆動用のモータ
で、その回転軸が駆動ローラ２２として使用され
る。テープカートリツジ１０が装填されると、駆
動ローラ２２がキヤプスタン６に所定の圧着力を
もつて転接される。

２３は光学的センサで、テープカートリツジ１
０内に設けられたミラー１３からの反射光を検出
するようにしている。

テープ５には、磁気ヘツド３０が対接されて、
データの記録再生あるいは消去が行なわれる。

第２図は磁気ヘツド３０の一例を示す。

この磁気ヘツド３０は第２図に示すように、テ
ープ５の幅方向に対して第１と第２のヘツド３
１，３２が一体的に設けられ、これらが一体して
上下動できるように構成される。

第１のヘツド３１はデータの記録再生用として
使用される。これは従来から知られているヘツド
構成と同一であつて、この例ではテープ対接側か
ら見て、その左側に記録ヘツドHRが、右側に再
生ヘツドHPが一体的に形成されたものである。

第１のヘツド３１がマルチトラツク用に構成さ
れている場合には、テープに記録されるべきトラ
ツク数以下の所定のヘツドギヤツプ数（チヤンネ
ル数）が形成されている。

この考案では、第１のヘツド３１の上下何れか
の一端側、この例では上端側に消去ヘツドHEと
して機能する第２のヘツド３２が一体的に設けら
れる。

第２のヘツド３２は少なくともテープ５の幅に
等しいトラツク幅（ヘツド幅）を有するように構
成されている。

この磁気ヘツド３０の仕様の一例を説明する。
ただし、テープ幅が6.3mmのテープ５を使用した
場合である。

第１のヘツド３１に関して、記録ヘツドHRの
トラツク幅は約0.32mm、そのギヤツプは３〜5μｍ
である。再生ヘツドHPは、そのトラツク幅は約
0.15mm、そのギヤツプは1μｍに選定されている。

これに対して、第１のヘツド３２のトラツク幅
は（テープ幅＋α）mm（αは任意の値）、そのギ
ヤツプは１〜３mmである。

また、全体の大きさは、第１のヘツド３１は幅
が13.2mm、第２のヘツドが８mmであつて、その長
さ（テープ走行方向）が８mm程度である。

磁気ヘツド３０の本体には、さらに第２図Ｂに
示すように、ガイド貫通孔３６が形成されてい
る。これに対して、データレコーダには図示する
ような棒状のガイド３５が取着され、ガイド３５
がこのガイド貫通孔３６を貫通するように取り付
けられている。

そして、磁気ヘツド３０がテープ幅方向に対し
て可動自在となるように構成される。

どのようにして、磁気ヘツド３０を可動し、ま
たどのようにしてトラツクの位置制御を行なうか
については従来の技術を利用できるので、その詳
細な説明は割愛する。

磁気ヘツド３０を以上のように構成した場合に
あつて、データの記録再生時は第１のヘツド３１
がテープ５の所定のトラツクと対接するように磁
気ヘツド３０の位置がコントロールされる。そし
て、本体側からの位置指定に応じてテープ５に対
する第１のヘツド３１の対接位置が制御される。

テープ５に記録されたデータを完全消去すると
きには、本体側からの位置制御信号によつて磁気
ヘツド３０が降下せしめられる。すなわち、第３
図Ａ，Ｂに示すように、テープ５に対するヘツド
の位置が制御されて、第２のヘツド３２がテープ
５に対接せしめられる。

この状態で、第２のヘツド３２に所定の消去電
流を流せば、データが全幅消去される。

一部消去の場合には、データの重ね書きによつ
て、前のデータが消去されることになる。

なお、上述では第２のヘツド３２を第１のヘツ
ド３１の上端に設けた例を示したが、これとは逆
に下端側に第２のヘツド３２がくるように形成し
てもよい。

［考案の効果］ 以上説明したように、この考案においては、記
録再生用の第１のヘツドに対して、これと一体的
に消去ヘツドとして機能する第２のヘツドを設
け、これらをテープ幅方向に対して可動自在に構
成したものである。

この構成によれば、テープカートリツジの構成
が図示するような構成で、記録再生ヘツドと並列
して消去ヘツドを配置できるスペースがないよう
な場合であつても、消去ヘツドを本体内に内蔵さ
せることができる。

これによつて、高価なバルクイレーザを使用す
ることなく、全幅消去が可能になる実益を有す
る。しかも、データレコーダ自体に内蔵させるこ
とができるから、使用上極めて便利である。

以上のことから、この考案は上述したようなカ
ートリツジ方式のデータレコーダに適用して極め
て好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るデータレコーダの使用
例を示す要部の構成図、第２図及び第３図はその
要部である磁気ヘツドの使用例を示す図、第４図
はデータレコーダに使用されるテープカートリツ
ジの構成図である。 ５……テープ、６……キヤプスタン、１０……
テープカートリツジ、２２……駆動ローラ、３０
……磁気ヘツド、３１……第１のヘツド、３２…
…第２のヘツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 記録再生用ヘツドの一端側に全幅消去ヘツドが
   設けられると共に、これら一体形の磁気ヘツドが
   テープの幅方向に対して可動自在になされたこと
   を特徴とするデータレコーダ。