JPH0524827A - 超伝導薄膜の形成方法 - Google Patents

超伝導薄膜の形成方法

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JPH0524827A
JPH0524827A JP3186574A JP18657491A JPH0524827A JP H0524827 A JPH0524827 A JP H0524827A JP 3186574 A JP3186574 A JP 3186574A JP 18657491 A JP18657491 A JP 18657491A JP H0524827 A JPH0524827 A JP H0524827A
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JP
Japan
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yttrium
calcium
copper
barium
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JP3186574A
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Toshinaka Nonaka
敏央 野中
Kazuharu Shimizu
一治 清水
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】高価な装置を必要とせず、製膜コストを下げる
ことができる、超伝導薄膜の形成方法を提供する。 【構成】イットリウムアルコキシドまたはイットリウム
アルコキシアルコレートと、カルシウムアルコキシドま
たはカルシウムアルコキシアルコレートと、バリウムア
ルコキシドまたはバリウムアルコキシアルコレートと、
銅アルコキシドまたは銅アルコキシアルコレートと、ア
ルカノールアミンと、アルコールまたはアルコキシアル
コールとを含む混合溶液を調製し、基体上にその混合溶
液の薄膜を形成し、ゲル化せしめた後、焼成して、基体
上に一般式Y1-x Cax Ba2 Cu4 8 (0≦x≦
0.2)で表わされる超伝導薄膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐熱性基体上に、ジ
ョセフソン素子、磁気センサ、磁気シールド、スキッド
(SQUID)素子などとして作用させることができる
超伝導薄膜を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超伝導薄膜を形成する方法としては、た
とえば、A. F. Marshallらによる、“PHYSICAL REVIEW
B, Vol.37, No.16(1988)”に記載された方法が知られて
いる。この方法は、チタン酸ストロンチウムの基板上に
反応性スパッタリング法や電子ビーム蒸着法によって形
成成分の薄膜を形成し、酸素気流中にて、650℃で1
時間、次いで750℃で1時間、さらに850℃で1時
間のアニールを行った後、炉冷するものである。酸素気
流中でのアニールは、薄膜中における酸素不足を補うた
めに必要とするものと推定される。ところが、この方法
は、反応性スパッタリング装置や電子ビーム蒸着装置、
酸素ガスを流し続けることのできる炉等、高価な装置を
必要とするために、製膜にコストがかかるという問題が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、従
来の方法の上述した問題点を解決し、高価な装置を必要
とせず、製膜コストを下げることができる、超伝導薄膜
の形成方法を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、次の各工程からなる超伝導薄膜の形成
方法を提供する。
【0005】(イ) 下記A群から選ばれたイットリウ
ムアルコキシドまたはイットリウムアルコキシアルコレ
ートと、下記B群から選ばれたカルシウムアルコキシド
またはカルシウムアルコキシアルコレートと、下記C群
から選ばれたバリウムアルコキシドまたはバリウムアル
コキシアルコレートと、下記D群から選ばれた銅アルコ
キシドまたは銅アルコキシアルコレートと、下記E群か
ら選ばれたアルカノールアミンと、下記F群から選ばれ
たアルコールまたはアルコキシアルコールとを含む混合
溶液を調製する工程、 A群:イットリウムメトキシド イットリウムエトキシド イットリウムプロポキシド イットリウムブトキシド イットリウムメトキシエチレート イットリウムエトキシエチレート イットリウムプロポキシエチレート イットリウムブトキシエチレート B群:カルシウムメトキシド カルシウムエトキシド カルシウムプロポキシド カルシウムブトキシド カルシウムメトキシエチレート カルシウムエトキシエチレート カルシウムプロポキシエチレート カルシウムブトキシエチレート C群:バリウムメトキシド バリウムエトキシド バリウムプロポキシド バリウムブトキシド バリウムメトキシエチレート バリウムエトキシエチレート バリウムプロポキシエチレート バリウムブトキシエチレート D群:銅メトキシド 銅エトキシド 銅プロポキシド 銅ブトキシド 銅メトキシエチレート 銅エトキシエチレート 銅プロポキシエチレート 銅ブトキシエチレート E群:モノエタノールアミン ジエタノールアミン トリエタノールアミン モノ1−プロパノールアミン ジ1−プロパノールアミン トリ1−プロパノールアミン モノ2−プロパノールアミン ジ2−プロパノールアミン トリ2−プロパノールアミン F群:メタノール エタノール プロパノール ブタノール メトキシエタノール エトキシエタノール プロポキシエタノール ブトキシエタノール (ロ) 耐熱性基体上に上記混合溶液の薄膜を形成する
工程、(ハ) 上記薄膜を乾燥し、ゲル化せしめる工
程、(ニ) ゲル化せしめた薄膜を焼成し、酸化物超伝
導体に変換せしめる工程。
【0006】この発明によれば、一般式Y1-x Cax
2 Cu4 8 で表される超伝導薄膜を形成することが
できる。ここで、0≦x≦0.2である。
【0007】以下、この発明を工程別にさらに詳しく説
明する。
【0008】混合溶液の調製工程:この発明において
は、まず、下記A群から選ばれたイットリウムアルコキ
シドまたはイットリウムアルコキシアルコレートと、下
記B群から選ばれたカルシウムアルコキシドまたはカル
シウムアルコキシアルコレートと、下記C群から選ばれ
たバリウムアルコキシドまたはバリウムアルコキシアル
コレートと、下記D群から選ばれた銅アルコキシドまた
は銅アルコキシアルコレートと、下記E群から選ばれた
アルカノールアミンと、下記F群から選ばれたアルコー
ルまたはアルコキシアルコールとを含む混合溶液を調製
する。
【0009】 A群:イットリウムメトキシド[Y(OCH3 3 ] イットリウムエトキシド[Y(OC2 5 3 ] イットリウムプロポキシド[Y(OC3 7 3 ] イットリウムブトキシド[Y(OC4 9 3 ] イットリウムメトキシエチレート[Y(OC2 4 OCH3 3 ] イットリウムエトキシエチレート[Y(OC2 4 OC2 5 3 ] イットリウムプロポキシエチレート[Y(OC2 4 OC3 7 3 ] イットリウムブトキシエチレート[Y(OC2 4 OC4 9 3 ] B群:カルシウムメトキシド[Ca(OCH3 2 ] カルシウムエトキシド[Ca(OC2 5 2 ] カルシウムプロポキシド[Ca(OC3 7 2 ] カルシウムブトキシド[Ca(OH4 9 2 ] カルシウムメトキシエチレート[Ca(OC2 4 OCH3 2 ] カルシウムエトキシエチレート[Ca(OC2 4 OC2 5 2 ] カルシウムプロポキシエチレート[Ca(OC2 4 OC3 7 2 ] カルシウムブトキシエチレート[Ca(OC2 4 OC4 9 2 ] C群:バリウムメトキシド[Ba(OCH3 2 ] バリウムエトキシド[Ba(OC2 5 2 ] バリウムプロポキシド[Ba(OC3 7 2 ] バリウムブトキシド[Ba(OC4 9 2 ] バリウムメトキシエチレート[Ba(OC2 4 OCH3 2 ] バリウムエトキシエチレート[Ba(OC2 4 OC2 5 2 ] バリウムプロポキシエチレート[Ba(OC2 4 OC3 7 2 ] バリウムブトキシエチレート[Sr(OC2 4 OC4 9 2 ] D群:銅メトキシド[Cu(OCH3 2 ] 銅エトキシド[Cu(OC2 5 2 ] 銅プロポキシド[Cu(OC3 7 2 ] 銅ブトキシド[Cu(OC4 9 2 ] 銅メトキシエチレート[Cu(OC2 4 OCH3 2 ] 銅エトキシエチレート[Cu(OC2 4 OC2 5 2 ] 銅プロポキシエチレート[Cu(OC2 4 OC3 7 2 ] 銅ブトキシエチレート[Cu(OC2 4 OC4 9 2 ] E群:モノエタノールアミン[H2 NC2 4 OH] ジエタノールアミン[HN(C2 4 OH)2 ] トリエタノールアミン[N(C2 4 OH)3 ] モノ1−プロパノールアミン[H2 NC3 6 OH] ジ1−プロパノールアミン[HN(C3 6 OH)2 ] トリ1−プロパノールアミン[N(C3 6 OH)3 ] モノ2−プロパノールアミン[H2 NCH2 CHOHCH3 ] ジ2−プロパノールアミン[HN(CH2 CHOHCH3 2 ] トリ2−プロパノールアミン[N(CH2 CHOHCH3 )3 ] F群:メタノール[CH3 OH] エタノール[C2 5 OH] プロパノール[C3 7 OH] ブタノール[C4 9 OH] メトキシエタノール[CH3 OC2 4 OH] エトキシエタノール[C2 5 OC2 4 OH] プロポキシエタノール[C3 7 OC2 4 OH] ブトキシエタノール[C4 9 OC2 4 OH] 上記A、B、C、D各群におけるプロポキシドは、1−
プロポキシド、2−プロポキシドのいずれであってもよ
い。また、ブトキシドは、1−ブトキシド、2−ブトキ
シド、イソブトキシド、t−ブトキシドのいずれであっ
てもよい。さらに、E群のプロパノールは、1−プロパ
ノール、2−プロパノールのいずれであってもよい。さ
らにまた、ブタノールは、1−ブタノール、2−ブタノ
ール、イソブタノール、t−ブタノールのいずれであっ
てもよい。
【0010】A、B、C、D各群のアルコキシドまたは
アルコキシアルコレートは、いわゆる原料の主成分をな
すものである。
【0011】また、E群のアルカノールアミンは、焼成
に至るまでの各工程で、加水分解によってイットリウ
ム、カルシウム、バリウム、銅が微粒子状の水酸化物や
酸化物等として析出するのを抑制するものである。E群
のアルカノールアミンは、また、F群のアルコールまた
はアルコキシアルコールに対する溶解度が低いA、B、
C、D各群のアルコキシドまたはアルコキシアルコレー
トの溶解度を上げる作用をもつ。溶解度が向上する結
果、透明に近い溶液が得られるようになる。
【0012】さらに、F群のアルコールやアルコキシア
ルコールは、溶媒として作用するものである。これら
は、あらかじめモレキュラシーブズ等で脱水処理をして
おくことが好ましい。
【0013】A、B、C、D、E、Fの各群からは、通
常、1種を選択、使用する。2種以上を選択、使用する
ことも可能ではあるが、そうしても得られる超伝導薄膜
の特性にほとんど有意差はなく、工程の複雑化によるコ
ストの上昇など、不都合のほうがよほど大きい。
【0014】また、A、B、C、D、E、Fの各群から
は、いずれを選択、使用しても後の工程、条件等を変え
る必要はなく、得られる超伝導薄膜の特性にも有意差は
認められない。しかしながら、操作の容易性等を考慮す
ると、A群からはイットリウムプロポキシドまたはイッ
トリウムブトキシドを、B群からはカルシウムメトキシ
ドまたはカルシウムエトキシドを、C群からはバリウム
メトキシドまたはバリウムプロポキシドを、D群からは
銅エトキシドまたは銅エトキシエチレートを、E群から
はジエタノールアミンまたはトリエタノールアミンを、
F群からはエタノールまたはプロパノールを、それぞれ
選択、使用するのが好ましい。
【0015】A、B、C、D各群のアルコキシドまたは
アルコキシアルコレートと、E群のアルカノールアミン
と、F群のアルコールまたはアルコキシアルコールとの
混合割合は、それらの種類によって多少異なるものの、
A群のアルコキシドまたはアルコキシアルコレートをa
モル、B群のアルコキシドまたはアルコキシアルコレー
トをbモル、C群のアルコキシドまたはアルコキシアル
コレートをcモル、D群のアルコキシドまたはアルコキ
シアルコレートをdモル、E群のアルカノールアミンを
eモル、F群のアルコールまたはアルコキシアルコール
をfリットルとした時、式、 0.5≦[c/(a+b)]≦3 3.5≦[d/(a+b)]≦6 0.2≦[e/(a+b+c+d)]≦3 0.01≦[(a+b+c+d)/f]≦5 を同時に満足するようにするのが好ましい。
【0016】すなわち、0.5>[c/(a+b)]、
3<[c/(a+b)]、3.5>[d/(a+
b)]、6<[d/(a+b)]では、不純物の相が生
成することがある。また、[e/(a+b+c+d)]
<0.2では、A、B、C、D各群のアルコキシドまた
はアルコキシアルコレートの加水分解を十分に抑制でき
ないことがある。さらにまた、[e/(a+b+c+
d)]>3では、混合溶液の粘度が高くなりすぎて製膜
できないことがある。また、[(a+b+c+d)/
f]<0.01では、溶媒が多すぎて実用的でない。さ
らに、[(a+b+c+d)/f]>5では、A、B、
C、D各群のアルコキシドまたはアルコキシアルコレー
トが溶け残ることがある。
【0017】混合操作は、E群のアルカノールアミンと
F群のアルコールまたはアルコキシアルコレートとの混
合溶液にA、B、C、D各群のアルコキシドまたはアル
コキシアルコレートを同時に添加、混合してもよく、ま
た、E群のアルカノールアミンとF群のアルコールまた
はアルコキシアルコールとの混合溶液にA、B、C、D
各群のアルコキシドまたはアルコキシアルコレートを加
えて混合した溶液を別々に調製し、各溶液から所定量を
採取して混合するようにしてもよい。なお、混合操作が
終了するまでは、A、B、C、D各群のアルコキシドま
たはアルコキシアルコレートを極力湿気に晒さないよう
にするのが好ましく、乾燥窒素などで置換したグラブボ
ックス内などで行なうのが好ましい。しかしながら、そ
れ以後の操作は大気中で行なうことができる。
【0018】混合溶液の薄膜形成工程:この発明におい
ては、次に、耐熱性基体上に上記混合溶液の薄膜を形成
する。すなわち、製膜する。
【0019】基体は、後述する焼成温度に当てるもので
あればよく、材質は、ニッケル、クロム、チタン、金、
銀、白金などの金属や、これら金属の少なくとも1種を
主成分とする合金や、ガラス、炭素、ケイ素、シリカ、
アルミナ、マグネシア、ジルコニア、チタニア、窒化ホ
ウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素などの無機
材料であればよい。形状は、繊維状、フィルム状、板
状、バルク状など、いずれであってもよい。これらの基
材は、その表面を研磨して平滑にし、さらに洗浄して油
分などによる汚れを除去しておくのが望ましい。
【0020】薄膜の形成は、刷毛、ローラなどによる塗
布や、スプレーによる塗布や、混合物に基体を浸漬した
後、引き上げるディップコーティング法などによること
ができる。なかでも、ディップコーティング法は、操作
が簡単であるうえに、複雑な形状の基体上にも容易に薄
膜を形成することができ、しかも、溶液の濃度、溶液へ
の浸漬回数、溶液からの引上速度を変えることによって
膜厚を容易に変更することができるので好ましい。
【0021】乾燥、ゲル化工程:この発明においては、
次に、基体上に形成した混合溶液の薄膜を乾燥し、E群
のアルコールまたはアルコキシアルコールを蒸発させ
て、A、B、C、D各群のアルコキシドまたはアルコキ
シアルコレートと、F群のアルカノールアミンとからな
るゲル化薄膜とする。
【0022】この工程は、常温で行なってもよく、ま
た、50〜100℃程度の恒温下で行なってもよい。さ
らに、1%以下の湿度に制御されたグラブボックス内で
行なってもよい。
【0023】焼成工程:この発明においては、次に、上
記ゲル化薄膜を基体ごと焼成し、酸化物超伝導体に変換
する。この焼成は、例えば次のようにして行なう。
【0024】すなわち、ゲル化薄膜を基体ごと加熱炉に
入れ、一定の昇温速度で焼成温度まで昇温し、一定時間
保持した後、一定の降温速度で室温まで冷却する。雰囲
気は、空気でもよいし、空気以上の酸素分圧でもよい。
昇温速度は、1〜200℃/分であるのが好ましい。2
00℃/分を超えると、薄膜に亀裂を生ずることがあ
る。また、1℃/分未満では、昇温に時間がかかりすぎ
て実用的でない。焼成温度は、650〜810℃である
のが好ましい。650℃未満であったり810℃を超え
ると、不純物の相が析出することがある。焼成時間は、
20時間前後である。降温速度は、20〜200℃/分
であるのが好ましい。200℃/分を超えると、薄膜に
亀裂を生じることがある。また、20℃/分未満では、
臨界電流密度が下がることがある。
【0025】
【実施例1】乾燥窒素を流しているグラブボックス内
で、イットリウム1−ブトキシドを0.09モル、カル
シウムエトキシドを0.01モル、バリウムエトキシド
を0.2モル、銅エトキシエチレートを0.4モル計り
取り、これにジエタノールアミンを0.5モル添加し、
これにエタノールをアルコキシドの濃度が1.0 mol/
l になるように加え、スターラを用いて30分撹拌し、
混合溶液を得た。
【0026】一方、厚みが0.5mmのマグネシア単結晶
板を、トリクロルエチレン、アセトン、エタノール、純
水を順次用いてそれぞれ3分ずつ超音波洗浄した後、高
純度乾燥窒素を吹きつけて乾燥した。
【0027】次に上記混合溶液に上記マグネシア単結晶
板を浸漬し、1分後、垂直に10cm/分の速度で引き上
げ、マグネシア単結晶板上に混合溶液の薄膜を形成し
た。
【0028】次に、上記薄膜をマグネシア単結晶板ごと
50℃の恒温炉内で30分乾燥し、ゲル化させ、さらに
電気炉に入れて50℃/分で550℃に昇温し、30分
後に100℃/分で室温まで降温して仮焼した。
【0029】次に、仮焼後の薄膜をマグネシア単結晶板
ごと電気炉に入れ、50℃/分で800℃まで昇温し、
その温度に20時間保持した後、100℃/分で室温ま
で冷却し、超伝導体に変換した。以上の操作は、すべて
空気中で行った。
【0030】得られた超伝導薄膜は、組成がほぼY0.9
Ca0.1 Ba2 Cu4 8 の単一相であり、光沢のある
黒色で、亀裂などは認められなかった。厚みは78nmで
あった。また、超伝導開始温度(Tco)は92K、超伝
導終了温度(Tce)は90Kであった。
【0031】
【実施例2】イットリウム1−ブトキシドに代えてイッ
トリウム2−プロポキシドを用いたほかは実施例1と同
様にして、超伝導薄膜を得た。この薄膜の厚みは80nm
であり、Tcoは96K、Tceは91Kであった。
【0032】
【実施例3】カルシウムエトキシドに代えてカルシウム
メトキシドを用いたほかは実施例1と同様にして、超伝
導薄膜を得た。この薄膜の厚みは79nmであり、Tcoは
95K、Tceは89Kであった。
【0033】
【実施例4】バリウムエトキシドに代えてバリウムメト
キシドを用いたほかは実施例1と同様にして、超伝導薄
膜を得た。この薄膜の厚みは75nmであり、Tcoは95
K、Tceは91Kであった。
【0034】
【実施例5】銅エトキシエチレートに代えて銅エトキシ
ドを用いたほかは実施例1と同様にして、超伝導薄膜を
得た。この薄膜の厚みは84nmであり、Tcoは94K、
Tceは90Kであった。
【0035】
【実施例6】ジエタノールアミンに代えてトリエタノー
ルアミを用いたほかは実施例1と同様にして、超伝導薄
膜を得た。この薄膜の厚みは80nmであり、Tcoは95
K、Tceは91Kであった。
【0036】
【実施例7】エタノールに代えて2−プロパノールを用
いたほかは実施例1と同様にして、超伝導薄膜を得た。
この薄膜の厚みは85nmであり、Tcoは95K、Tceは
90Kであった。
【0037】
【実施例8】イットリウム1−ブトキシドに代えてイッ
トリウム2−プロポキシエチレートを、カルシウムエト
キシドに代えてカルシウムメトキシドを、バリウム2−
プロポキシドに代えてバリウムメトキドを、ジエタノー
ルアミンに代えてエタノールアミンを、リチウムエトキ
シドに代えてリチウム2−プロポキシドを、エタノール
に代えて2−プロパノールをそれぞれ用いたほかは実施
例1と同様にして、超伝導薄膜を得た。この薄膜の厚み
は81nmであり、Tcoは94K、Tceは89Kであっ
た。
【0038】
【発明の効果】この発明は、イットリウムアルコキシド
またはイットリウムアルコキシアルコレートと、カルシ
ウムアルコキシドまたはカルシウムアルコキシアルコレ
ートと、バリウムアルコキシドまたはバリウムアルコキ
シアルコレートと、銅アルコキシドまたは銅アルコキシ
アルコレートと、アルカノールアミンと、アルコールま
たはアルコキシアルコールとを含む混合溶液を調製し、
基体上にその混合溶液の薄膜を形成し、ゲル化せしめた
後、焼成して基体上に超伝導薄膜を形成するものであ
り、反応性スパッタリング装置や電子ビーム蒸着装置、
酸素ガスを流し続けることのできる炉等、高価な装置を
必要としないので、製膜コストを下げることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】(イ) 下記A群から選ばれたイットリウ
    ムアルコキシドまたはイットリウムアルコキシアルコレ
    ートと、下記B群から選ばれたカルシウムアルコキシド
    またはカルシウムアルコキシアルコレートと、下記C群
    から選ばれたバリウムアルコキシドまたはバリウムアル
    コキシアルコレートと、下記D群から選ばれた銅アルコ
    キシドまたは銅アルコキシアルコレートと、下記E群か
    ら選ばれたアルカノールアミンと、下記F群から選ばれ
    たアルコールまたはアルコキシアルコールとを含む混合
    溶液を調製する工程、 A群:イットリウムメトキシド イットリウムエトキシド イットリウムプロポキシド イットリウムブトキシド イットリウムメトキシエチレート イットリウムエトキシエチレート イットリウムプロポキシエチレート イットリウムブトキシエチレート B群:カルシウムメトキシド カルシウムエトキシド カルシウムプロポキシド カルシウムブトキシド カルシウムメトキシエチレート カルシウムエトキシエチレート カルシウムプロポキシエチレート カルシウムブトキシエチレート C群:バリウムメトキシド バリウムエトキシド バリウムプロポキシド バリウムブトキシド バリウムメトキシエチレート バリウムエトキシエチレート バリウムプロポキシエチレート バリウムブトキシエチレート D群:銅メトキシド 銅エトキシド 銅プロポキシド 銅ブトキシド 銅メトキシエチレート 銅エトキシエチレート 銅プロポキシエチレート 銅ブトキシエチレート E群:モノエタノールアミン ジエタノールアミン トリエタノールアミン モノ1−プロパノールアミン ジ1−プロパノールアミン トリ1−プロパノールアミン モノ2−プロパノールアミン ジ2−プロパノールアミン トリ2−プロパノールアミン F群:メタノール エタノール プロパノール ブタノール メトキシエタノール エトキシエタノール プロポキシエタノール ブトキシエタノール (ロ) 耐熱性基体上に上記混合溶液の薄膜を形成する
    工程、 (ハ) 上記薄膜を乾燥し、ゲル化せしめる工程、 (ニ) ゲル化せしめた薄膜を焼成し、酸化物超伝導体
    に変換せしめる工程、を含む、超伝導薄膜の形成方法。
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JP3186574A Pending JPH0524827A (ja) 1991-07-25 1991-07-25 超伝導薄膜の形成方法

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JP (1) JPH0524827A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07173609A (ja) * 1993-04-06 1995-07-11 Sadaji Umemoto 二種類以上の原料を積層すること又は熱膨張の差を利 用して形成されたもの。

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JPH07173609A (ja) * 1993-04-06 1995-07-11 Sadaji Umemoto 二種類以上の原料を積層すること又は熱膨張の差を利 用して形成されたもの。

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