JPH05246926A - グリオキサール−又はアルキルグリオキサール−アセタールの製造方法 - Google Patents

グリオキサール−又はアルキルグリオキサール−アセタールの製造方法

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JPH05246926A
JPH05246926A JP4172532A JP17253292A JPH05246926A JP H05246926 A JPH05246926 A JP H05246926A JP 4172532 A JP4172532 A JP 4172532A JP 17253292 A JP17253292 A JP 17253292A JP H05246926 A JPH05246926 A JP H05246926A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】一般式 なるグリオキサール- 又はアルキルグリオキサール- ア
セタールを、α,β- 不飽和ジアルキルアセタールをオ
ゾン分解した後にオゾン化生成物を接触水素添加するこ
とによって製造するにあたり、 (a)一般式 なるアクロレイン又はアルフア- アルキルアクロレイン
のジアルキルアセタールを有機溶剤に溶解させて−80
ないし0℃の温度で当量のオゾンと反応させ、 (b)次に、工程(a)で使用した溶剤中で水素添加触
媒の懸濁液中に連続的に、全工程にわたって水素添加溶
液中で最高0.1モル/lの過酸化物含量が調整される
か又は維持されるような添加量で供給し、オゾン化生成
物を2〜7のpH値で及び15〜45℃の温度で、1な
いし20バールの圧力下に水素の導入によって還元的に
分解すること、からなる上記方法。 【効果】アセタールを98%以上の純度で得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、α,β- 不飽和ジアル
キルアセタールからグリオキサール- 又はアルキルグリ
オキサール- アセタールを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】α,β- 不飽和アルデヒドのジアルキル
アセタールからグリオキサールのモノアセタールをオゾ
ン分解- 及び還元- 処理によって製造する方法は時々記
載されている。ケーミツシエ・ベリヒテ36(190
3)、第1935頁には、水性エマルジョンのアクロレ
インジエチルアセタールにオゾンを作用させるとグリオ
キサールのジエチルモノアセタールが生じるということ
が記載されている。しかしそこには収率が記載されてお
らず、又、得られた物質は詳しく特徴を示されなかっ
た。しかし、ドイツ特許出願公開第2,514,001
号明細書に記載されている、上記ケーミツシエ・ベリヒ
テに載っている方法の追試験から、オゾン化で生じた反
応混合物ははっきりした原因なしに爆発しうるというこ
とが明らかになった。既知の方法が役に立たないこと
は、O2/O3-混合物をアクロレインジメチルアセタール
の水溶液の中へ導入することによって生じた反応混合物
が装置を完全に破壊して分解したということが記載され
ている該公開明細書の例4から明らかになる。
【0003】従ってこの難点を避けるためにドイツ特許
出願公開第2,514,001号明細書にはグリオキサ
ールモノアセタールの他の製造方法が提案されており、
該方法ではアクロレインのアセタールではなくもっと入
手しにくく且つもっと高価なクロトンアルデヒドのアセ
タールを出発物質として有機溶剤中でオゾンと反応さ
せ、次にオゾン化生成物を殊に接触還元によって還元的
に分解させる。この方法を実施する場合にはクロトンア
ルデヒドアセタールの溶液の中へ、オゾンが顕著な量で
反応混合を再び離れるまでオゾンを過剰に導入する。過
剰のオゾンは、オゾン化生成物の還元的分解の前に、水
素添加触媒を失活前に保護するために、次の工程で反応
液を不活性ガス例えば窒素で洗うことによって再び除か
れなければならない。次に、水素添加を行うために、オ
ゾン分解で得られた反応混合物に100ml当り1ない
し3gの触媒(これは貴金属触媒であるのが好ましい)
をじかに加え、飽和するまで水素を導入する。該印刷物
は、水素添加の終了後の使用した貴金属触媒の再生また
は再使用の可能性についての情報を何も与えない。
【0004】クロトンアルデヒドのアセタールの使用で
は該方法はグリオキサールモノアセタールの製法だけに
制限されるに留まる。アルキルグリオキサールのアセタ
ールは入手することができず、ドイツ特許出願公開第
2,514,001号明細書にも記載されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この既知の方法につい
ている欠点は本発明によれば驚くべきことに、アクロレ
インまたはアルキルアクロレインのジアルキルアセター
ルをあらゆる過剰を避けてモル当量のオゾンと反応させ
且つ過酸化物を含有するオゾン化生成物を希薄溶液で非
常に低い濃度の過酸化物で接触水素添加によって速かに
還元する、簡単な経済的な方法で避けることができる。
【0006】
【問題を解決するための手段】従って本発明の対象は、
一般式
【0007】
【化3】
【0008】〔式中Rは水素原子を示すか又は直鎖状又
は分枝状C1-C6-アルキル基を示し、R1 は、直鎖状又
は分枝状C1-C6-アルキル基を示す。〕なるグリオキサ
ール- 又はアルキルグリオキサール- アセタールを、
α,β- 不飽和ジアルキルアセタールをオゾン分解した
後にオゾン化生成物を接触水素添加することによって製
造するにあたり、(a)一般式
【0009】
【化4】
【0010】(式中R及びR1 は式Iで記載した意味を
有する。)なるアクロレイン又はアルフア- アルキルア
クロレインのジアルキルアセタールを有機溶剤に溶解さ
せて−80ないし0℃の温度で当量のオゾンと反応さ
せ、(b)オゾン化で得られた溶液を次に、工程(a)
で使用した溶剤中で水素添加触媒の懸濁液中に連続的
に、水素添加の全工程にわたって水素添加溶液中で最高
0.1モル/lの過酸化物含量が調整されるか又は維持
されるような添加量で供給し、オゾン過生成物を2〜7
のpH値で及び15〜45℃の温度で、1ないし20バ
ールの圧力下に水素の導入によって還元的に分解するこ
と、を特徴とする上記方法である。
【0011】特に好都合なように、R及びR1 が互いに
独立に直鎖のまたは枝分れしたC1〜C4-アルキル基を
表わす式IIのアルキルアクロレインジアルキルアセテ
ートを反応させる。R及びR1 が互いに独立にメチルま
たはエチルを意味する式IIのアセタールを反応させる
のが特に好ましく、R及びR1 がメチルを意味する場合
が更に全く特に好ましい。
【0012】オゾン化は殊に−30ないし0℃の温度で
行われ、−15ないし−5℃の温度を厳守するのが特に
好ましい。本発明による方法では、各場合に反応させる
アクロレインジアセタールを丁度当量のオゾンで処理す
る;その際、記載した処理条件でオゾンが定量的に反応
せしめられ、化学量の式IIのアセタールが消費され
る。オゾンの過剰を避けると、アセタールのオゾン化で
観察された自発的に爆発のように分解する傾向を妨げる
ことができ、過剰のまたは無反応のオゾンを水素添加の
前に反応混合物から除くことを配慮する必要がない。
【0013】工程(a)でのアクロレインアセタールと
オゾンとの反応は有機溶剤中で行われる。有機溶剤とし
ては、純粋なまたは塩素化した炭化水素例えばシクロヘ
キサンまたは石油エーテル、炭化水素の混合物、四塩化
炭素、クロロホルム、塩化メチレン、酢酸エステルまた
は好ましくは低級脂肪族アルコールを考慮に入れる。好
ましい溶剤はなかんずくメタノールまたはエタノールで
あり、メタノールを使用するのが特に好ましい。
【0014】オゾン分解生成物の接触還元は、本発明に
よる方法では非常に希釈した溶液で行われる;その際、
適当な方策及び装置によって,全部の水素添加の間に水
素添加溶液に精々0.1モル/lの、殊に精々0.05
モル/lのそして特に精々0.02モル/lの過酸化物
含量が調整及び維持されることが配慮される。実際に行
うのには例えば水素添加反応器に、工程(a)でオゾン
化で使用した溶剤中、好ましくは低級脂肪族アルコール
中、全く好ましくはメタノール中触媒の懸濁液を供給し
且つオゾン化で得られた溶剤を制御可能な配量装置に連
続的に供給する。最初にそして水素添加の過程でオゾン
分解溶液を加える場合には言うまでもなく、供給する量
の過酸化物含量オゾン化生成物によって水素添加溶液に
おける上記過酸化物含量を超過しないように注意すべき
である。
【0015】固有の水素添加過程の間の低濃度の過酸化
物含有オゾン化生成物によって触媒と還元すべき基質と
のモル比は非常に好ましいので、けん約な触媒の使用で
も速かな還元が保証される。このように、高い過酸化物
濃度でさもないと観察されるべき中毒及びこれと結びつ
いた触媒の失活も阻止される。
【0016】しかし、全体的に見ると、連続的な供給に
よって多量のオゾン化生成物を比較的に少量で還元する
ことができ、それによって処理の最終工程で濃厚なグリ
オキサール- またはアルキルグリオキサール- のアセタ
ールの溶液が得られ、溶剤のほかに溶剤の蒸留による除
去の際の時間と費用も節約することができる。
【0017】触媒としては、担体材料を含む又は担体材
料なしの粉末触媒の形で使用することのできる、水素添
加のために通常使用される貴金属触媒が適する。パラジ
ウム- または白金- 触媒、特に担体材料のない白金触媒
を使用するのが特に好ましい。粉末触媒では担体材料と
して例えば炭、アルミニウム、シリカゲルまたはケイ藻
土が適する。収率は本発明による方法では使用する触媒
の量に従属しないが、十分な水素添加速度を得るために
上記触媒を各場合に1時間当り供給されるオゾン化され
るアクロレイン- またはアルキルアクロレイン- ジアル
キルアセタールの総量に対して0.1ないし5重量%、
殊に0.5ないし2重量%の貴金属量で供給するのが好
ましい。
【0018】水素添加過程の終了後、触媒は反応混合物
から分離され、再生なしで他の反応サイクルで還元的分
解に使用され、その際触媒の失活は観察されない。水素
添加は、水素の吸収が確認できなくなるまで続けられ
る。本発明による方法ではオゾン化生成物の還元に当量
の水素が消費される。水素添加の際に使用され得る水素
の量は1モル当量から数倍モル過剰までに及ぶ。過剰の
水素の使用は有利でなく、水素添加混合物に水素を十分
に供給することを確保するために好ましいだけである。
【0019】水素添加は本発明による方法では有利に事
実上加圧しない条件で行われる。事実上加圧しない条件
とはここでは、水素添加反応器の中へ空気が侵入するの
を阻止するために当該技術において通常であるような1
ないし約3バールの圧力のことである。このようにして
オゾン化生成物の還元は技術的に非常に簡単に行うこと
ができる。しかし、水素添加を20バールまでの圧力で
行って水素添加速度を高くすることも可能である。
【0020】還元は発熱で進み、本発明の特に好ましい
実施態様では20ないし40℃で、特に35ないし40
℃の範囲の温度で行われる。水素添加の間2ないし5の
pH値を厳守するのが特に好ましい。水素添加の過程で
少量の酸性副産物が生じるので、希望したpH値を厳守
するために塩基を、好ましくは希薄な水酸化ナトリウム
溶液を配量して加えることが必要である。
【0021】水素添加の終了後に、反応混合物中に含ま
れている各場合に使用した塩基のカチオンを、溶剤の留
去及び式Iのアセタールの単離の前に反応混合物から、
反応液を例えば酸性イオン交換体で処理することによっ
て再び除くのが好ましい。この目的のために商業上通常
のH- 形のイオン交換体例えばスルホン酸基をもつポリ
スチレン樹脂を使用することができる。後処理のために
溶剤、反応の水及び場合により存在する揮発性の随伴生
成物が好ましくは減圧で蒸留によって除かれ、式Iのア
セタールが助剤を添加してまたは添加せずに精留するこ
とによって純粋な状態で得られる。本発明による方法で
はアセタールはこのようにして98%以上の純度でそし
て驚くべきことに副産物を含まない状態で得られる。
【0022】出発物質として必要な式IIのα,β- 不
飽和アセタールは既知の方法で例えば有機合成 (Org. S
ynth.)IV,第21〜22頁に記載されている方法で脱
水剤を添加してα,β- 不飽和アルデヒドをアセタール
化することによって、又はケーミツシエ・ツエントラル
ブラツト1937I,第5098頁以下に記載されてい
る飽和アルデヒドの塩素化、アセタール化及びHClの
脱離によって製造することができる。
【0023】式Iの目的生成物は、価値のある出発- 及
び中間- 生成物であり、該生成物から例えば生物学的及
び薬理学的に非常に重要な物質を製造することができ
る。
【0024】
〔例1〕
グリオキサールジメチルアセタール 6lのメタノールに溶解させた918g(9モル)のア
クロレインジメチルアセタールを−15ないし−10℃
で、4重量%(=1.17モル/時間)のオゾンを含有
する毎時1000lの酸素の流れを導入することによっ
て、当量のオゾンと反応させる。その際オゾンは定量的
に吸収され、アクロレインジメチルアセタールの残留含
量は、オゾン化の終了後に出発濃度の1%以下になる。
【0025】オゾン化で得られた溶液を分けて配量容器
によって、メタノール1l中(現場でPtO2 をH2
還元することによって製造した)白金5gの懸濁液を供
給する水素を満たした水素添加反応器の中へ、水素添加
溶液の過酸化物含量が最初にも全部の水素添加の過程で
も最高0.02モル/lになる量で連続的に供給する。
強力な撹拌及び水素添加のもとで過酸化物の試験が陰性
になるまで水素添加し、その際温度を、外部から冷却す
ることによって35ないし40℃に保つ。消費された水
素は継続的に貯蔵容器から補充され、メタノール性Na
OHの添加によって溶液に2ないし4のpH値が厳守さ
れる。引くるめて水素添加中に159標準リットルのH
2 (理論の79%)が吸収される。
【0026】後処理のために水素添加反応器の中味を1
lの残渣になるまで白玉で吸引濾取する。水素添加反応
器から吸引濾取した溶液を酸性イオン交換体 (Lewatit)
で処理し、溶剤及び揮発性随伴生成物を減圧で蒸留によ
って除く。反応生成物を含有する残渣を精留によって精
製し、理論の81%の終了に相当する758g(7.2
9モル)のグリオキサールジメチルアセタールを得る。
【0027】水素添加反応器の中の水素添加溶液の少な
い方の部分に残留した触媒は、新しいオゾン分解される
アクロレインジメチルアセタールの溶液を配量容器によ
って反応器の中へ供給することによって再生- または後
処理- なしで還元的分解に再使用され、水素添加工程が
上記反応条件で繰返される。
【0028】〔例2〕 メチルグリオキサールジメチルアセタール 6lのメタノールに溶解させた1044g(9モル)の
メタクロレインジメチルアセタールを反応器に供給し、
例1に記載したように−10ないし−5℃の温度でO2
/O3 の混合物(1000l/hのO2 ,56g/hの
3 )を供給することによってオゾンと反応させる。そ
の際オゾンは定量的に吸収され、化学量のメタクロレイ
ンジメチルアセタールが消費される。メタクロレインジ
メチルアセタールの残留含量は、オゾン化の終了後に出
発濃度の0.8%以下になる。
【0029】オゾン化で得られた溶液は配量容器によっ
て、メタノール1l中Pt4gの懸濁液がその中に供給
されるところの水素添加反応器の中へ、撹拌しながら且
つ水素を導入しながら、水素添加反応器における過酸化
物含量にも水素添加の過程でも0.05モル/lを越え
ないような量で供給される。反応混合物は外部からの冷
却によって25ないし30℃の温度に保たれ、自動的な
pH制御でメタノール性NaOHを加えることによって
pH値が4〜5に調整される。オゾン化溶液の添加が終
了した後に反応混合物は5ないし10分間で過酸化物が
なくなる。H2の吸収は180Nl(理論の89.3
%)になる。
【0030】後処理のために水素添加反応器の中味を白
玉で吸引濾取し、反応液を酸性イオン交換体 (Lewatit)
でナトリウムのないようにする。メタノールと還元的分
解の際に生じた揮発性の随伴精製物とを薄膜蒸発器で留
去させ、反応生成物を含有する残渣を水酸化ナトリウム
溶液で中和する。水素添加に由来する水を次に共沸蒸留
で石油エーテルと一緒に除き、反応生成物を含有する残
渣を、尿を添加して精留する。
【0031】KP100=76℃の理論の90%の収量に相
当する956g(8.1モル)のメチルグリオキサール
ジメチルアセタールが得られる。 〔例3〕メタクロレインジメチルアセタールを使用する
例2に記載したオゾン分解- 及び還元- 工程を繰返し、
水素添加反応器の中味を水素添加の終了後に1lの溶液
及び触媒が水素添加反応器に残留するように吸引濾取す
る。この残渣の中へ新しい装入物のオゾン化生成物を上
記条件で加え、水素を供給して還元的に分解する。一括
して10回の連続した還元サイクルで、各反応サイクル
での総消費量が1774標準リットル(79.2モルの
2 ,理論の88%)の水素の消費量は、最初のバッチ
におけるとほぼ同一のままである。メチルグリオキサー
ルジメチルアセタールの総収量は、理論の89.4%に
相当する9511g(80.5モル)になる。
【0032】〔例4〕 メチルグリオキサールジエチルアセタール メタクロレインジエチルアセタール216g(1.5モ
ル)のエタノール性溶液1lを、例1に記載した操作方
法と同様にオゾンと反応させ、次に水素添加する。H2
の吸収は30標準リットル(理論の89.3%)にな
る。
【0033】例1に記載したように反応混合物を酸性イ
オン交換体で処理し、溶剤を留去させ且つ反応生成物を
精留することによって行われる後処理の後に、KP25
69℃の、理論の86.3%の収量に相当する189g
の純粋なメチルグリオキサールジエチルアセタールが得
られる。
【0034】〔例5〕 メチルグリオキサールジ -n- ブチルアセタール エタノール中メタクロレインジ -n- ブチルアセタール
300g(1.5モル)の溶液1lを、例1に記載した
操作方法と同様にオゾンと反応させ、次に水素添加す
る。H2 の吸収は28.5標準リットル(理論の84.
8%)になる。例2に記載したように反応液を酸性イオ
ン交換体 (Lewatit)で処理し、溶剤を留去させ且つ反応
生成物を精留することによって行われる後処理の後に、
p15 =104℃の、理論の81%の収量に相当する2
45gの純粋なメチルグリオキサールジ -n- ブチルア
セタールが得られる。
【0035】〔例6〕 エチルグリオキサールジメチルアセタール メタノール中エチルアクロレインジメチルアセタール1
95g(1.5モル)の溶液1lを、例1に記載した操
作方法と同様に−25℃ないし−30℃でオゾンと反応
させ、次に水素添加する。H2 の吸収は29.55標準
リットル(理論の87.8%)になる。例2に記載した
ように触媒を分離し、反応液を酸性イオン交換体で処理
し、溶剤を留去させ且つ反応生成物を精留することによ
って行われる後処理の後に、Kp15 =52℃の、理論の
85.4%の収量に相当する169gのエチルグリオキ
サールジメチルアセタールが得られる。
【0036】〔例7〕 n- ブチルグリオキサールジメチルアセタール メタノール中n- ブチルアクロレインジメチルアセター
ル237g(1.5モル)の溶液1lを、例1に記載し
た操作方法と同様にオゾンと反応させ、次に水素添加す
る。H2 の吸収は29標準リットルになる。
【0037】例2に記載したように触媒を分離し、反応
液を酸性イオン交換体で処理し、溶剤を留去させ且つ反
応生成物を精留することによって行われる後処理の後
に、K p12 =80℃の、理論の82.9%の収量に相当
する199gのn- ブチルグリオキサールジメチルアセ
タールが得られる。
【0038】〔例8〕 メチルグリオキサールジメチルアセタール 酢酸エチル中メタクロレインジメチルアセタール174
g(1.5モル)の溶液1lを−45ないし−50℃で
例1に記載した操作方法と同様に当量のオゾンと反応さ
せる。酢酸エチル中(活性炭上の10%のPdを含有す
る)触媒5gの懸濁液を、水素を満たした水素添加反応
器に供給し、オゾン化で得られた溶液を配量容器によっ
て、水素添加溶液の過酸化物含量が最初にも全部の水素
添加の過程でも最高0.1モル/lになる量で供給し、
過酸化物が陰性になるまで25ないし30℃及び3ない
し4のpH値で水素添加し続ける。
【0039】例2に記載したように触媒を分離し、反応
液を酸性イオン交換体で分離し、溶剤を留去させ且つ反
応生成物を精留することによって行われる後処理の後
に、K p100=76℃の、理論の61%の収量に相当する
108gのメチルグリオキサールジメチルアセタールが
得られる。
【0040】〔例9〕 イソブチルグリオキサールジエチルアセタール エタノール中イソブチルアクロレインジエチルアセター
ル242g(1.3モル)の溶液1lを、例1に記載し
た操作方法と同様にオゾンと反応させ、次に4ないし5
のpH値を厳守して水素添加する。H2 の吸収は25.
5標準リットル(理論の87.5%)になる。
【0041】例2に記載したように行われる後処理の後
に、Kp25 =88℃の、理論の84%の収量に相当する
205Gの純粋なイソブチルグリオキサールジエチルア
セタールが得られる。
【0042】〔参考例1〕 メチルグリオキサールジメチルアセタールのメチルグリ
オキサールへの加水分解 118g(1モル)のメチルグリオキサールジメチルア
セタール及び250gの水を5gの強酸性イオン交換体
(H+ 形の Lewatit) と一緒に加熱し、メタノール/水
- 混合物を蒸留によって除く。このようにして35.9
重量%の含量のメチルグリオキサールの水溶液198g
が得られる。その際メチルグリオキサールジメチルアセ
タールは、定量的収率でメチルグリオキサールに加水分
解される。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、アセタールを98%以
上の純度で得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 49/185 6917−4H (72)発明者 エーリツヒ・ロイトネル オーストリア国、リンツ、シユテルツガツ セ 14

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中Rは水素原子を示すか又は直鎖状又は分枝状C1-
    6-アルキル基を示し、 R1 は、直鎖状又は分枝状C1-C6-アルキル基を示
    す。)なるグルオキサール- 又はアルキルグリオキサー
    ル- アセタールを、α,β- 不飽和ジアルキルアセター
    ルをオゾン分解した後にオゾン化生成物を接触水素添加
    することによって製造するにあたり、(a)一般式 【化2】 (式中R及びR1 は式Iで記載した意味を有する。)な
    るアクロレイン又はアルフア- アルキルアクロレインの
    ジアルキルアセタールを、有機溶剤中に溶解し、−80
    ないし0℃の温度で当量のオゾンと反応させ、(b)オ
    ゾン化で得られた溶液を次に、工程(a)で使用した溶
    剤中で水素添加触媒の懸濁液中に連続的に、水素添加の
    全工程にわたって水素添加溶液中で最高0.1モル/l
    の過酸化物含量が調整されるか又は維持されるような添
    加量で供給し、オゾン化生成物を2〜7のpH値で及び
    15〜45℃の温度で、1ないし20バールの圧力下に
    水素の導入によって還元的に分解すること、を特徴とす
    る上記グリオキサール- 又はアルキルグリオキサール-
    アセタールの製造方法。
  2. 【請求項2】 工程(a)のオゾン化を−15℃〜−5
    ℃の範囲の温度で行う、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 工程(a)のオゾン化及び工程(b)の
    オゾン化生成物の還元的分解で、低級脂肪族アルコール
    を溶剤として使用する、請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 工程(a)のオゾン化及び工程(b)の
    オゾン化生成物の還元的分解で、メタノールを溶剤とし
    て使用する、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 工程(B)のオゾン化生成物の還元的分
    解のために、水素添加溶液中でせいぜい0.02モル/
    lの過酸化物含量が調整されるか又は維持される、請求
    項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 工程(b)の還元的分解のために、白金
    を担体材料なしに触媒として使用する、請求項1ないし
    5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 工程(b)の還元的分解を、35℃〜4
    0℃の温度で実施する、請求項1ないし6のいずれかに
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 工程(b)の還元的分解の間、2〜5の
    pH- 値を調整する、請求項1ないし7のいずれかに記
    載の方法。
  9. 【請求項9】 R及びR1 がメチルを意味する式IIの
    アセタールを反応に使用する、請求項1ないし8のいず
    れかに記載の方法。
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