JPH0524285Y2 - - Google Patents
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- JPH0524285Y2 JPH0524285Y2 JP1988006527U JP652788U JPH0524285Y2 JP H0524285 Y2 JPH0524285 Y2 JP H0524285Y2 JP 1988006527 U JP1988006527 U JP 1988006527U JP 652788 U JP652788 U JP 652788U JP H0524285 Y2 JPH0524285 Y2 JP H0524285Y2
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Landscapes
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Description
(産業上の利用分野)
本発明は耐久性、魚信探知性および結びやすさ
が均衡してすぐれ、とくに道糸としてすぐれた性
能を発揮する釣糸に関するものである。 (従来の技術) 従来から、投げ釣り、磯釣り、船釣り、ルアー
釣り、渓流釣り、池釣りおよび川釣りなどの種々
の釣りに用いる釣糸には、強力、結節強度、硬度
および耐摩耗性などの物理特性以外に、遠投性、
魚信探知性、視認性、透明性およびリールへのな
じみ性などがすぐれ、しかも結びやすく、巻きぐ
せがつきにくいなどのさまざまな特性が要求され
ている。 なかでも、魚信探知性、すなわち釣糸自体が持
つ力の伝達速度が速く、魚信の探知時間が短いと
いう機能は、魚が餌をついばむ“あたり”を釣糸
を介して数十m離れた釣人の手元にすばやく伝
え、さらには竿を引き上げた力が針先に瞬時に伝
達して魚を針に確実に引掛けることにより、漁獲
量を増やす上で、釣人にとつて最も期待されてい
る機能である。 また、釣りにおいては、釣糸同志を結び合せた
り、釣糸を針や連結具に結ぶ作業が頻繁に行なわ
れるが、この際に糸が反発して結びにくかつた
り、また折角巻いた糸が緩みやすかつたりする
と、たとえば投げ釣りリールの場合などに巻きも
どり、糸のからみおよびすきまへの食い込みなど
のトラブルを生ずることになるため、結びやすい
という機能もまた釣糸にとつて欠くことができな
い特性である。 一方、釣糸の素材としては、合成樹脂、なかで
もナイロン6を中心としたポリアミド製のモノフ
イラメントおよびポリエチレンテレフタレートを
中心としたポリエステル製のモノフイラメントが
多用されているが、ポリアミド製の釣糸は魚信探
知性がいまだに不十分とされており、またポリエ
ステル製の釣糸は結びやすさが劣り、巻きもどり
を生じやすいなどの点に問題を残している。 このような事情から、合成樹脂製釣糸の各種特
性、機能を改良することを目的とした種々の提案
が従来から数多くなされており、たとえば異種ポ
リマのブレンド、表面コーテイング、共押出によ
る複合紡糸および撚り合せ固着などの方法が知ら
れているが、これらの方法は夫々一長一短があ
り、とくに魚信探知性の改良においては十分満足
すべき結果が得られていない。 たとえば遠投性と“あたり”に代表される魚信
探知性を改良することを目的とした従来例とし
て、ポリアミドを鞘、ポリオレフインを芯とする
二重芯鞘型複合繊維からなる釣糸(特開昭52−
122586号公報)が知られており、この釣糸はその
複合比率と比重を特定化することによつて、糸の
たるみが減少し、遠投性と“あたり”の改善効果
が得られると主張されている。 しかしながら、糸のたるみが減少すれば、たし
かに“あたり”を感知する速度がある程度向上す
るが、この従来例では釣糸自体に力の伝達速度の
改善効果を与えるものではなく、魚信探知時間の
短縮化という点ではいまだに十分な効果を奏し得
ていない。 本考案者らも、魚信探知性と結びやすさが均衡
してすぐれた合成樹脂製釣糸の取得を目的として
鋭意検討した結果、ポリアミドとポリエステルか
らなる特定の断面海島構造を有する複合モノフイ
ラメントを素材とする釣糸が、上記目的に合致す
るものであることを見出し、先に提案(特開昭62
−151129号公報参照)した。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、本考案者らが先に提案したポリ
アミドとポリエステルからなる複合モノフイラメ
ントを素材とする釣糸は、魚信探知性と結びやす
さが均衡してすぐれるという特性を有する反面、
ポリアミドとポリエステルとの相溶性が乏しく、
二層間の接着性が劣るため、釣糸としての使用中
に層間剥離を生じやすく、耐久性が劣るという問
題があつた。 そこで本考案者らは、魚信探知性および結びや
すさと共に、さらに耐久性もが均衡してすぐれた
合成樹脂製釣糸の取得を目的として検討を続けた
結果、特定成分の組合せからなる断面海島構造の
複合モノフイラメントを素材とすることにより、
上記目的とする特性を具備した釣糸が得られるこ
とを見出し、本考案に到達した。 (課題を解決するための手段) すなわち本考案は、(A)ポリアミドおよび
(B)金属スルホネート基含有イソフタル酸成分
を共重合してなるポリエステルを素材とし、前記
(A)からなる海成分中に、前記(B)からなる
島成分が複数条点在した断面海島構造の複合モノ
フイラメントからなることを特徴とする釣糸を提
供するものである。 (考案の作用) 本考案の釣糸は、ポリアミド/ポリエステルの
組合せからなる断面海島構造の複合モノフイラメ
ントにおいて、ポリエステル成分として、金属ス
ルホネート基含有イソフタル酸成分を共重合した
ポリエステルを用いることによつて、釣糸素材と
しての前記複合モノフイラメントの二層間相溶性
および接着性がきわめて改良されるため、耐久性
がきわめてすぐれたものとなる。 また、ポリアミド/ポリエステルの組合せから
なる断面海島構造の複合モノフイラメントは、そ
れ自体すぐれた魚信探知性および結びやすさを有
している。 したがつて、本考案の釣糸は、強靱で、魚信探
知性がすぐれる上、結びやすく、しかも耐久性が
良好で、長時間使用しても白化現象、キラツキお
よび強度低下などを起こしにくいという理想的な
特性を有している。 (実施例の説明) まず、図面を参照しつつ、本考案の釣糸を構成
する複合モノフイラメントにおける断面海島構造
について説明する。 本考案でいう断面海島構造とは、モノフイラメ
ント断面において島成分が海成分中に複数点在し
ており、かつ島成分が繊維軸方向に実用に供する
長さの範囲内で連続していることを要件とするも
のである。 ここで島成分が繊維軸方向に連続していない場
合およびたとえば二重芯鞘複合のように島成分が
単独で、複数点在していない場合には、魚信探知
性の改良効果が小さいか、または魚信探知性と結
びやすさのバランスが悪くなるため好ましくな
い。 なお島成分の数、断面形状および面積比率など
の条件は、モノフイラメントの線径、素材となる
ポリマの種類、紡糸条件および必要とする魚信探
知性の程度などによつて一概に特定化できない
が、モノフイラメント断面における島成分の数は
2以上、とくに3以上の複数であつて、かつモノ
フイラメント断面積における島成分の総面積の割
合は約3〜70%であることが望ましい。 島数の上限にはとくに制限がないが、複合モノ
フイラメントの線径や紡糸口金製作上の精度の問
題から自ずと制約を受け、線径が約0.07〜3.0mm
の複合モノフイラメントにおける島数は通常3〜
19、とくに3〜12程度の範囲が好適である。 なお、島成分の点在形態としては、たとえば第
1図〜第3図に示した態様が挙げられる。 すなわち、第1図〜第3図は複合モノフイラメ
ントの拡大断面図であり、第1図はたとえば9個
の島成分Bが、モノフイラメント断面の外周に近
い位置の海成分A中に点在している態様を示す。 また、第2図はたとえば7個の大きさの異なる
島成分Bが、モノフイラメント断面の中心部から
外周にかけての海成分A中に点在している態様を
示す。 さらに、第3図は3個の島成分Bがモノフイラ
メント断面の中心部に近い位置に集中して点在し
ている態様を示す。 このような島成分の点在形態において、夫々の
島成分は回転対称、すなわちモノフイラメント断
面の中心点を軸として回転するとき、角度が
2π/n(nは2以上の整数、すなわち島成分の
数)ごとに最初の図形と自己同一になる態様で点
在していることが望ましく、これによりその複合
モノフイラメントからなる釣糸は巻きぐせがつき
にくくなるという望ましい効果を発揮する。 なお図面においては、島成分の断面形状を○型
で示したが、これをY型、△型および☆型などの
異形断面にしてもよい。 本考案の釣糸素材としての複合モノフイラメン
トは、上記のようなか海島複合構造を有する複合
紡糸口金を用いて、通常の複合紡糸法により、2
種の合成高分子を複合紡糸し、口金の中あるいは
口金の出口近辺で合成高分子同志を接合せしめた
後、冷却し、次いで必要に応じて延伸、熱固定す
ることにより製造することができる。 さらに詳しくは、たとえば島成分として金属ス
ルホネート基含有イソフタル酸成分を共重合して
なるポリエチレンテレフタレートを、また海成分
としてナイロン6を用い、両者の重量比率を30/
70として島数3〜19の海島複合モノフイラメント
を製造する場合には、複合紡出糸を0〜80℃の水
あるいはトリクレンなどの冷却媒体中で冷却固定
し、次いで30〜250℃の気体または液体中で延伸
してから、さらに必要に応じて弛緩または緊張下
に熱固定することにより、目的とする複合モノフ
イラメント(釣糸)を得ることができる。 得られる複合モノフイラメントの線径は、 0.07〜3.0mm、とくに0.1〜2.0mmの範囲に設定す
るのが好適である。 本考案において、素材として用いる複合モノフ
イラメントの一成分である(A)ポリアミドとし
ては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、
ナイロン11、ナイロン12およびこれらの相互共重
合体などが挙げられる。 一方、上記(A)ポリアミドとの複合に供する
(B)金属スルホネート基含有イソフタル酸成分
を共重合したポリエステルとは、ポリエチチレン
テレフタレートやポリブチレンテレフタレートな
どの通常のポリエステルに金属スルホネート基含
有イソフタル酸成分を0.5〜5モル%、とくに0.7
〜3モル%共重合したもので、いわゆる塩基性染
料可染性ポリエステルとして知られているもので
あり、たとえば特開昭57−210014号公報および特
開昭59−26521号公報などに記載の方法で重合し
て得ることができる。 ここで用いる金属スルホネート基含有イソフタ
ル酸成分とは次式
が均衡してすぐれ、とくに道糸としてすぐれた性
能を発揮する釣糸に関するものである。 (従来の技術) 従来から、投げ釣り、磯釣り、船釣り、ルアー
釣り、渓流釣り、池釣りおよび川釣りなどの種々
の釣りに用いる釣糸には、強力、結節強度、硬度
および耐摩耗性などの物理特性以外に、遠投性、
魚信探知性、視認性、透明性およびリールへのな
じみ性などがすぐれ、しかも結びやすく、巻きぐ
せがつきにくいなどのさまざまな特性が要求され
ている。 なかでも、魚信探知性、すなわち釣糸自体が持
つ力の伝達速度が速く、魚信の探知時間が短いと
いう機能は、魚が餌をついばむ“あたり”を釣糸
を介して数十m離れた釣人の手元にすばやく伝
え、さらには竿を引き上げた力が針先に瞬時に伝
達して魚を針に確実に引掛けることにより、漁獲
量を増やす上で、釣人にとつて最も期待されてい
る機能である。 また、釣りにおいては、釣糸同志を結び合せた
り、釣糸を針や連結具に結ぶ作業が頻繁に行なわ
れるが、この際に糸が反発して結びにくかつた
り、また折角巻いた糸が緩みやすかつたりする
と、たとえば投げ釣りリールの場合などに巻きも
どり、糸のからみおよびすきまへの食い込みなど
のトラブルを生ずることになるため、結びやすい
という機能もまた釣糸にとつて欠くことができな
い特性である。 一方、釣糸の素材としては、合成樹脂、なかで
もナイロン6を中心としたポリアミド製のモノフ
イラメントおよびポリエチレンテレフタレートを
中心としたポリエステル製のモノフイラメントが
多用されているが、ポリアミド製の釣糸は魚信探
知性がいまだに不十分とされており、またポリエ
ステル製の釣糸は結びやすさが劣り、巻きもどり
を生じやすいなどの点に問題を残している。 このような事情から、合成樹脂製釣糸の各種特
性、機能を改良することを目的とした種々の提案
が従来から数多くなされており、たとえば異種ポ
リマのブレンド、表面コーテイング、共押出によ
る複合紡糸および撚り合せ固着などの方法が知ら
れているが、これらの方法は夫々一長一短があ
り、とくに魚信探知性の改良においては十分満足
すべき結果が得られていない。 たとえば遠投性と“あたり”に代表される魚信
探知性を改良することを目的とした従来例とし
て、ポリアミドを鞘、ポリオレフインを芯とする
二重芯鞘型複合繊維からなる釣糸(特開昭52−
122586号公報)が知られており、この釣糸はその
複合比率と比重を特定化することによつて、糸の
たるみが減少し、遠投性と“あたり”の改善効果
が得られると主張されている。 しかしながら、糸のたるみが減少すれば、たし
かに“あたり”を感知する速度がある程度向上す
るが、この従来例では釣糸自体に力の伝達速度の
改善効果を与えるものではなく、魚信探知時間の
短縮化という点ではいまだに十分な効果を奏し得
ていない。 本考案者らも、魚信探知性と結びやすさが均衡
してすぐれた合成樹脂製釣糸の取得を目的として
鋭意検討した結果、ポリアミドとポリエステルか
らなる特定の断面海島構造を有する複合モノフイ
ラメントを素材とする釣糸が、上記目的に合致す
るものであることを見出し、先に提案(特開昭62
−151129号公報参照)した。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、本考案者らが先に提案したポリ
アミドとポリエステルからなる複合モノフイラメ
ントを素材とする釣糸は、魚信探知性と結びやす
さが均衡してすぐれるという特性を有する反面、
ポリアミドとポリエステルとの相溶性が乏しく、
二層間の接着性が劣るため、釣糸としての使用中
に層間剥離を生じやすく、耐久性が劣るという問
題があつた。 そこで本考案者らは、魚信探知性および結びや
すさと共に、さらに耐久性もが均衡してすぐれた
合成樹脂製釣糸の取得を目的として検討を続けた
結果、特定成分の組合せからなる断面海島構造の
複合モノフイラメントを素材とすることにより、
上記目的とする特性を具備した釣糸が得られるこ
とを見出し、本考案に到達した。 (課題を解決するための手段) すなわち本考案は、(A)ポリアミドおよび
(B)金属スルホネート基含有イソフタル酸成分
を共重合してなるポリエステルを素材とし、前記
(A)からなる海成分中に、前記(B)からなる
島成分が複数条点在した断面海島構造の複合モノ
フイラメントからなることを特徴とする釣糸を提
供するものである。 (考案の作用) 本考案の釣糸は、ポリアミド/ポリエステルの
組合せからなる断面海島構造の複合モノフイラメ
ントにおいて、ポリエステル成分として、金属ス
ルホネート基含有イソフタル酸成分を共重合した
ポリエステルを用いることによつて、釣糸素材と
しての前記複合モノフイラメントの二層間相溶性
および接着性がきわめて改良されるため、耐久性
がきわめてすぐれたものとなる。 また、ポリアミド/ポリエステルの組合せから
なる断面海島構造の複合モノフイラメントは、そ
れ自体すぐれた魚信探知性および結びやすさを有
している。 したがつて、本考案の釣糸は、強靱で、魚信探
知性がすぐれる上、結びやすく、しかも耐久性が
良好で、長時間使用しても白化現象、キラツキお
よび強度低下などを起こしにくいという理想的な
特性を有している。 (実施例の説明) まず、図面を参照しつつ、本考案の釣糸を構成
する複合モノフイラメントにおける断面海島構造
について説明する。 本考案でいう断面海島構造とは、モノフイラメ
ント断面において島成分が海成分中に複数点在し
ており、かつ島成分が繊維軸方向に実用に供する
長さの範囲内で連続していることを要件とするも
のである。 ここで島成分が繊維軸方向に連続していない場
合およびたとえば二重芯鞘複合のように島成分が
単独で、複数点在していない場合には、魚信探知
性の改良効果が小さいか、または魚信探知性と結
びやすさのバランスが悪くなるため好ましくな
い。 なお島成分の数、断面形状および面積比率など
の条件は、モノフイラメントの線径、素材となる
ポリマの種類、紡糸条件および必要とする魚信探
知性の程度などによつて一概に特定化できない
が、モノフイラメント断面における島成分の数は
2以上、とくに3以上の複数であつて、かつモノ
フイラメント断面積における島成分の総面積の割
合は約3〜70%であることが望ましい。 島数の上限にはとくに制限がないが、複合モノ
フイラメントの線径や紡糸口金製作上の精度の問
題から自ずと制約を受け、線径が約0.07〜3.0mm
の複合モノフイラメントにおける島数は通常3〜
19、とくに3〜12程度の範囲が好適である。 なお、島成分の点在形態としては、たとえば第
1図〜第3図に示した態様が挙げられる。 すなわち、第1図〜第3図は複合モノフイラメ
ントの拡大断面図であり、第1図はたとえば9個
の島成分Bが、モノフイラメント断面の外周に近
い位置の海成分A中に点在している態様を示す。 また、第2図はたとえば7個の大きさの異なる
島成分Bが、モノフイラメント断面の中心部から
外周にかけての海成分A中に点在している態様を
示す。 さらに、第3図は3個の島成分Bがモノフイラ
メント断面の中心部に近い位置に集中して点在し
ている態様を示す。 このような島成分の点在形態において、夫々の
島成分は回転対称、すなわちモノフイラメント断
面の中心点を軸として回転するとき、角度が
2π/n(nは2以上の整数、すなわち島成分の
数)ごとに最初の図形と自己同一になる態様で点
在していることが望ましく、これによりその複合
モノフイラメントからなる釣糸は巻きぐせがつき
にくくなるという望ましい効果を発揮する。 なお図面においては、島成分の断面形状を○型
で示したが、これをY型、△型および☆型などの
異形断面にしてもよい。 本考案の釣糸素材としての複合モノフイラメン
トは、上記のようなか海島複合構造を有する複合
紡糸口金を用いて、通常の複合紡糸法により、2
種の合成高分子を複合紡糸し、口金の中あるいは
口金の出口近辺で合成高分子同志を接合せしめた
後、冷却し、次いで必要に応じて延伸、熱固定す
ることにより製造することができる。 さらに詳しくは、たとえば島成分として金属ス
ルホネート基含有イソフタル酸成分を共重合して
なるポリエチレンテレフタレートを、また海成分
としてナイロン6を用い、両者の重量比率を30/
70として島数3〜19の海島複合モノフイラメント
を製造する場合には、複合紡出糸を0〜80℃の水
あるいはトリクレンなどの冷却媒体中で冷却固定
し、次いで30〜250℃の気体または液体中で延伸
してから、さらに必要に応じて弛緩または緊張下
に熱固定することにより、目的とする複合モノフ
イラメント(釣糸)を得ることができる。 得られる複合モノフイラメントの線径は、 0.07〜3.0mm、とくに0.1〜2.0mmの範囲に設定す
るのが好適である。 本考案において、素材として用いる複合モノフ
イラメントの一成分である(A)ポリアミドとし
ては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、
ナイロン11、ナイロン12およびこれらの相互共重
合体などが挙げられる。 一方、上記(A)ポリアミドとの複合に供する
(B)金属スルホネート基含有イソフタル酸成分
を共重合したポリエステルとは、ポリエチチレン
テレフタレートやポリブチレンテレフタレートな
どの通常のポリエステルに金属スルホネート基含
有イソフタル酸成分を0.5〜5モル%、とくに0.7
〜3モル%共重合したもので、いわゆる塩基性染
料可染性ポリエステルとして知られているもので
あり、たとえば特開昭57−210014号公報および特
開昭59−26521号公報などに記載の方法で重合し
て得ることができる。 ここで用いる金属スルホネート基含有イソフタ
ル酸成分とは次式
【式】
[ただし、A,A′は−CH3または−(CH2)oOH
(nは2以上の整数)、MはNa,K,Liなどの
アルカリ金属を示す。] で示される化合物であり、具体的にはジメチル
(5−ナトリウムスルホ)イソフタレート、ビス
−2−ヒドロキシエチル(5−ナトリウムスル
ホ)イソフタレートおよびビス−2−ヒドロキシ
ブチル(5−ナトリウムスルホ)イソフタレート
などが挙げられる。 この金属スルホネート基含有イソフタル酸成分
のポリエステルに対する共重合量が0.5モル%未
満では、ポリアミドとの接着性改良効果が不十分
であり、また5モル%を越えるとポリエステルの
溶融粘度が高くなつて、溶融紡糸が困難になるば
かりか、複合モノフイラメントの初期応力に対す
る伸びが大きくなり、魚信探知性が低下すること
があるため好ましくない。 複合モノフイラメントにおける上記(A)ポリ
アミドと上記(B)共重合ポリエステルの複合比
率は、ポリアミド成分が5〜95重量%、とくに15
〜85重量%を占める割合が好適である。 かくして、上述した方法により得られる複合モ
ノフイラメントは、次いで駒巻きあるいはかせ状
にして道糸やハリスなどの釣糸製品とされる。 以下に、試験例により、本考案の効果をさらに
説明する。 (試験例) 海成分としてナイロン6を、また島成分として
ジメチル(5−ナトリウムスルホ)イソフタレー
トを2.0モル%共重合したポリエチレンテレフタ
レート(共重合ポリエステル)を用い、これら2
種のポリマを2台の30mmφ押出機に別々に供給し
て、第3図に示したような、モノフイラメント断
面のほぼ中央部に3個の円形の島を有する海島型
複合モノフイラメントを形成し得る複合紡糸口金
から紡出せしめた。 次いで、紡出糸を30℃の水浴で冷却し、90℃の
温水浴中で3.5倍に一段延伸し、さらに180℃の熱
風浴中で1.5倍に二段延伸した後、180℃の熱風浴
中で0.95倍で弛緩熱処理することにより、直径
0.4mmの複合モノフイラメントを得た。 かくして得られた複合モノフイラメント(釣
糸)の断面積に占める島成分の割合は30%であつ
た。 この釣糸について、道糸としての実用試験に供
した結果、魚信探知性および結びやすさはきわめ
て良好であり、約4時間使用した後においても、
ナイロン6と共重合ポリエステルとの間に層間剥
離は全く認められず、初期強度に対する強度低下
率は約15%と低く、耐久性にすぐれていた。 一方、比較のために、前記共重合ポリエステル
の代りに、共重合成分を全く含まないポリエチレ
ンテレフタレートを用いる以外は上記と同様の条
件で複合モノフイラメントを得て、その釣糸特性
を評価した結果、魚信探知性と結びやすさについ
ては上記とほぼ同様であつたが、約1時間の使用
でナイロン6とポリエチレンテレフタレートとの
間に層間剥離を生じ、白化を起こして釣糸の外観
がきわめて低下したばかりか、その時点における
初期強度に対する強度低下率も約30%と高く、耐
久性がきわめて劣るものであつた。 (考案の効果) 以上、詳細に説明したように、本考案の釣糸
は、ポリアミド/ポリエステル複合モノフイラメ
ントのポリエステル成分として、金属スルホネー
ト基含有イソフタル酸成分を共重合したポリエス
テルを用いることによつて、釣糸素材としての前
記複合モノフイラメントの二層間相溶性および接
着性がきわめて改良されるため、耐久性がきわめ
てすぐれたものとなる。 また、ポリアミド/ポリエステルの組合せから
なる断面海島構造の複合モノフイラメントは、そ
れ自体すぐれた魚信探知性および結びやすさを有
している。 したがつて、本考案の釣糸は、強靱で、魚信探
知性がすぐれる上、結びやすく、しかも耐久性が
良好で、長時間使用しても白化現象、キラツキお
よび強度低下などを起こしにくいという理想的な
特性を有しており、釣りの愛好者や素人に対し、
今までにない満足感を与えることができる。
アルカリ金属を示す。] で示される化合物であり、具体的にはジメチル
(5−ナトリウムスルホ)イソフタレート、ビス
−2−ヒドロキシエチル(5−ナトリウムスル
ホ)イソフタレートおよびビス−2−ヒドロキシ
ブチル(5−ナトリウムスルホ)イソフタレート
などが挙げられる。 この金属スルホネート基含有イソフタル酸成分
のポリエステルに対する共重合量が0.5モル%未
満では、ポリアミドとの接着性改良効果が不十分
であり、また5モル%を越えるとポリエステルの
溶融粘度が高くなつて、溶融紡糸が困難になるば
かりか、複合モノフイラメントの初期応力に対す
る伸びが大きくなり、魚信探知性が低下すること
があるため好ましくない。 複合モノフイラメントにおける上記(A)ポリ
アミドと上記(B)共重合ポリエステルの複合比
率は、ポリアミド成分が5〜95重量%、とくに15
〜85重量%を占める割合が好適である。 かくして、上述した方法により得られる複合モ
ノフイラメントは、次いで駒巻きあるいはかせ状
にして道糸やハリスなどの釣糸製品とされる。 以下に、試験例により、本考案の効果をさらに
説明する。 (試験例) 海成分としてナイロン6を、また島成分として
ジメチル(5−ナトリウムスルホ)イソフタレー
トを2.0モル%共重合したポリエチレンテレフタ
レート(共重合ポリエステル)を用い、これら2
種のポリマを2台の30mmφ押出機に別々に供給し
て、第3図に示したような、モノフイラメント断
面のほぼ中央部に3個の円形の島を有する海島型
複合モノフイラメントを形成し得る複合紡糸口金
から紡出せしめた。 次いで、紡出糸を30℃の水浴で冷却し、90℃の
温水浴中で3.5倍に一段延伸し、さらに180℃の熱
風浴中で1.5倍に二段延伸した後、180℃の熱風浴
中で0.95倍で弛緩熱処理することにより、直径
0.4mmの複合モノフイラメントを得た。 かくして得られた複合モノフイラメント(釣
糸)の断面積に占める島成分の割合は30%であつ
た。 この釣糸について、道糸としての実用試験に供
した結果、魚信探知性および結びやすさはきわめ
て良好であり、約4時間使用した後においても、
ナイロン6と共重合ポリエステルとの間に層間剥
離は全く認められず、初期強度に対する強度低下
率は約15%と低く、耐久性にすぐれていた。 一方、比較のために、前記共重合ポリエステル
の代りに、共重合成分を全く含まないポリエチレ
ンテレフタレートを用いる以外は上記と同様の条
件で複合モノフイラメントを得て、その釣糸特性
を評価した結果、魚信探知性と結びやすさについ
ては上記とほぼ同様であつたが、約1時間の使用
でナイロン6とポリエチレンテレフタレートとの
間に層間剥離を生じ、白化を起こして釣糸の外観
がきわめて低下したばかりか、その時点における
初期強度に対する強度低下率も約30%と高く、耐
久性がきわめて劣るものであつた。 (考案の効果) 以上、詳細に説明したように、本考案の釣糸
は、ポリアミド/ポリエステル複合モノフイラメ
ントのポリエステル成分として、金属スルホネー
ト基含有イソフタル酸成分を共重合したポリエス
テルを用いることによつて、釣糸素材としての前
記複合モノフイラメントの二層間相溶性および接
着性がきわめて改良されるため、耐久性がきわめ
てすぐれたものとなる。 また、ポリアミド/ポリエステルの組合せから
なる断面海島構造の複合モノフイラメントは、そ
れ自体すぐれた魚信探知性および結びやすさを有
している。 したがつて、本考案の釣糸は、強靱で、魚信探
知性がすぐれる上、結びやすく、しかも耐久性が
良好で、長時間使用しても白化現象、キラツキお
よび強度低下などを起こしにくいという理想的な
特性を有しており、釣りの愛好者や素人に対し、
今までにない満足感を与えることができる。
第1図〜第3図は本考案の釣糸(複合モノフイ
ラメント)の拡大断面図である。 A……海成分、B……島成分。
ラメント)の拡大断面図である。 A……海成分、B……島成分。
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 1 (A)ポリアミドおよび(B)金属スルホネ
ート基含有イソフタル酸成分を共重合してなる
ポエステルを素材とし、前記(A)からなる海
成分中に、前記(B)からなる島成分が複数条
点在した断面海島構造の複合モノフイラメント
からなることを特徴とする釣糸。 2 ポリエステル(B)が金属スルホネート基含
有イソフタル酸成分を0.6〜5モル%共重合し
てなる共重合ポリエステルであることを特徴と
する請求項1に記載の釣糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1988006527U JPH0524285Y2 (ja) | 1988-01-20 | 1988-01-20 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1988006527U JPH0524285Y2 (ja) | 1988-01-20 | 1988-01-20 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01109977U JPH01109977U (ja) | 1989-07-25 |
JPH0524285Y2 true JPH0524285Y2 (ja) | 1993-06-21 |
Family
ID=31210783
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1988006527U Expired - Lifetime JPH0524285Y2 (ja) | 1988-01-20 | 1988-01-20 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0524285Y2 (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62151129A (ja) * | 1985-12-25 | 1987-07-06 | 東レ・モノフィラメント株式会社 | 釣糸 |
-
1988
- 1988-01-20 JP JP1988006527U patent/JPH0524285Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62151129A (ja) * | 1985-12-25 | 1987-07-06 | 東レ・モノフィラメント株式会社 | 釣糸 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01109977U (ja) | 1989-07-25 |
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