JPH0316089B2 - - Google Patents
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- JPH0316089B2 JPH0316089B2 JP59021188A JP2118884A JPH0316089B2 JP H0316089 B2 JPH0316089 B2 JP H0316089B2 JP 59021188 A JP59021188 A JP 59021188A JP 2118884 A JP2118884 A JP 2118884A JP H0316089 B2 JPH0316089 B2 JP H0316089B2
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- Artificial Filaments (AREA)
Description
本発明は高強度、高結節強度を有する可撓性高
分子鎖からなる合成繊維を用いた新規な釣糸に関
するものである。 一般に釣糸はハリスと道糸に分かれており前者
に要求される性能は先ず細くて強いこと(特に結
節部の強いこと)、適度な腰の硬さ、沈みの早さ、
水中での見えにくさ(色、透明性)、縮みにくさ
等がある。 後者に要求される性能は遠投性、しなやかでリ
ールの捲きぐせがつかないこと、糸が軽いこと、
あたりの良さ、耐久性等である。従来釣糸の素材
としては用途に応じて6ナイロン、610ナイロン、
ポリエステル、ビニロン、ポリフツカビニリデン
等の材料で造られた糸が使われている。 ハリスの特性の中でも特に重要な点は、細くて
強いこと、特に結節強度が強いことであつて、こ
れらの特性がハリスとした場合、魚に感知されに
くく、大きい魚の重量に耐えることができ、ハリ
ス切れが極めて少なくなるといつた性能に結びつ
くことになる。 一方、道糸の特性においても特に重要な点とし
ては細くて強いことであつて、この特性が道糸と
した場合、流れの抵抗を小さくし、潮流等に流さ
れにくいといつた性能に結びつくことになる。 ところが従来市販されているハリス用糸の場
合、ポリフツカビニリデン糸の引張強度は高々8
g/dでありナイロン糸の場合でも普通強力タイ
プのものは10g/dで高強力タイプにしても高々
15g/dであつて、これより強度の高い釣糸は得
られていないのが実状であつた。 最近、芳香族系ポリアミドからなる高強力繊維
が開発されているが、この種の繊維を釣糸用とし
て用いる場合、強度が約20g/dと強度の点では
申し分ないが、耐衝撃性に劣ること、結節強度が
低いこと、原糸が黄色に着色しており、透明性に
問題があることなどより釣糸、特にハリス用糸に
は適正を欠くものであつた。 このような情勢下において、釣糸の実用的見地
から需要家は、従来の製品よりも優れた釣糸、特
に引張強度、結節強度の高い糸を希望しているの
が実状である。 このような実状に鑑み、本発明者らは、前記す
る従来の釣糸の欠点を解消すべく、鋭意検討を重
ねた結果、昭和58年特許願第152261号、昭和58年
特許願第154622号及び昭和58年特許願第161044号
等に記載の方法で得られるポリエチレン等の可撓
性高分子からなる合成繊維が、驚くべきことには
従来の釣糸には見られない特性、即ち、高強力で
高結節強度、低伸度であると言つた特性を同時に
有することを見出し、該繊維を釣糸として用いる
ことによつて、前記する従来の釣糸の欠点をすべ
て解消し、さらに従来のものより優れた釣糸が得
られることを見出し、本発明に到達した。 即ち、本発明は、少なくとも20g/デニールの
引張強度と少なくとも8g/デニールの結節強度
と少なくとも30g/デニールの衝撃強度、且つ伸
度が4%未満である可撓性高分子鎖からなる超高
分子量ポリエチレン繊維を用いた新規な釣糸であ
る。 本発明に言う可撓性高分子鎖とは、応力や熱を
受けた際、回転し得る分子結合からなる分子鎖の
ことで、全芳香族系ポリアミドや全芳香族系ポリ
エステルなどを構成する分子鎖は、剛直分子鎖で
あつて本発明に言う可撓性高分子鎖分子鎖に含ま
れない。これらの剛直な分子鎖を含む高分子は繊
維軸方向に配向した際、引張強度は高くなるが、
衝撃強度や結節強度は低くなる傾向にある。従つ
て、本発明の釣糸に用いる合成繊維が可撓性高分
子鎖からなることは、このような問題を解決する
ための必須要件である。 本発明における可撓性高分子鎖からなる合成繊
維とは、超高分子量のポリエチレン繊維を言う。 本発明における合成繊維とはモノフイラメント
であつてもマルチフイラメントであつても良く特
に限定されるものではない。 本発明の釣糸は、20g/デニール以上、好まし
くは25g/デニール以上、特に30g/デニール以
上の引張強度と、8g/デニール以上、好ましく
は10g/デニール以上、特に12g/デニール以上
の結節強度を有する可撓性高分子鎖からなる合成
繊維であるので、従来の釣糸に比べて細く強い
上、透明性も良く、特に結節強度が強い特性を有
し、ハリス糸とした場合には、魚に感知されにく
く、大きい魚の重量に耐えることができ、ハリス
切れが極めて少なく、一方道糸とした場合には、
従来の道糸の1/2以下の細物化が可能であるため、
しなやかで、流れによる抵抗が小さく、従つて潮
流等に流されにくく、且つ糸の物性が高モジユラ
ス、低伸度である為かアタリが非常に良い等の性
能を有する。ここで伸度が4%未満にあつてはア
タリ、所謂魚信が極めて良好であり、魚がかかり
やすいといつた効果がある。さらに引張強度が20
g/デニール未満の場合にあつては、従来の釣糸
に比べて細くて強力の強い釣糸が得られなくな
る。また、結節強度が8g/デニール未満の場合
にあつては、ハリスとした場合、ハリス切れが多
くなり、従来のハリスのハリス切れの程度と大差
がなくなり好ましくない。 本発明の釣糸に用いる合成繊維は可撓性高分子
鎖からなり、少なくとも20g/デニール、好まし
くは25g/デニール以上、特に30g/デニール以
上の引張強度と8g/デニール以上、好ましくは
10g/デニール以上、特に12g/デニール以上の
結節強度を有する。特に重量平均分子量50万以上
の超高分子量ポリエチレンからなるものは原料コ
ストも低く製糸も容易であるため有利であり、ま
た、特に衝撃強度が3×10-4ジユール/デニール
以上、30g/デニール以上を有するものにあつて
は、ハリス切れが更に減少することも判明してい
る。 次に、本発明の釣糸の製造法について簡単に説
明する。 本発明の釣糸に用いる合成繊維の1例であるモ
ノフイラメントは、例えば可撓性高分子鎖を有す
る高分子量のポリエチレン(例えば重量平均分子
量が1×105以上、好ましくは1×106以上の超高
分子量ポリエチレン)をデカリン、キシレンある
いはパラフイン等の溶媒に溶媒の沸点以下で完全
に溶解後、紡糸装置内でポリエチレン溶液が固化
しない温度で、室温の大気中、または水中あるい
は冷却装置付の中空管中に押出す。押出して得ら
れた糸は、内部に溶媒を含有しているからその状
態で糸が溶けない程度に加熱し、全延伸倍率が10
倍以上、好ましくは20倍以上になるよう1段また
は多段で延伸することによつて得られるがこの方
法に限定されない。 ここで、特に太いモノフイラメントを得るよう
な場合には、紡糸孔から押し出された溶媒を含有
するゲル繊維を多数本引きそろえて合糸し、熱板
を使用した延伸機等でゲル状繊維が溶断しない程
度の温度で加熱延伸することにより容易にゲル状
繊維同志が融着したモノフイラメントが形成され
る。 以上のように、本発明による釣糸は、従来の釣
糸に比べて細くて強いことを特徴とし、更に透明
性も良好で、ハリスとした場合は、魚に感知され
にくく、大きい魚の重量に耐えることができ、ハ
リス切れが極めて少なく、一方、道糸とした場合
には低伸度でアタリが良好で魚が良くかかり、し
なやかで流れによる抵抗を小さくし、潮流等に流
されにくいこと等により、極けて汎用性のある優
れたハリスおよび道糸適性のある釣糸を提供する
ことが可能である利点を有している。 本発明の評価に用いた物性の測定方法は以下に
よる。 <繊維の引張強度の測定法> 東洋ボールドウイン社製テンシロンを用い、試
料長(ゲージ長)200mm、伸長速度100%/分の条
件で単繊維のS−S曲線を測定し、引長強度
(g/d)を算出した。特性値は20本のフイラメ
ントについて測定したものの平均値とした。 <繊維の結節強度の測定方法> JIS−L1013(1981)に規定する7.6の方法によ
る。 <繊維の衝撃強度の測定方法> 高速引張試験器を用い、試料長10cm、引張速度
6m/secの条件で引張試験を行ない、引張試験
時の最高到達応力を求めた。特性値は10本の試料
について測定したものの平均値とした。 以下本発明を実施例により詳述するが、本発明
はもとより、これらの実施例に限定されるもので
はない。 実施例 1 重量平均分子量が1.9×106の可撓性高分子鎖を
有する超高分子量ポリエチレンをデカリンに溶解
した後、該紡糸原液を紡糸装置内でポリエチレン
溶液が固化しない温度で紡糸口金から室温の大気
中に押し出して冷却しゲル状繊維を形成する。こ
のデカリンを含有するゲル状繊維を4本引きそろ
えて合糸し、ゲル状繊維が溶断しない温度で全延
伸倍率約63倍で延伸した。得られた繊維は融着に
よりモノフイラメントの形状を呈し、断面積は
0.0415mm2(換算直径0.23mm)で、あつた。これを
実験No.1とし、モノフイラメントの特性値を第1
表に示す。さらに本発明の比較例として実験No.1
と同分子量の可撓性高分子鎖を有するポリエチレ
ンを用いて溶液紡糸し、得られたゲル状繊維を4
本ひきそろえて合糸し、ゲル状繊維が溶断しない
温度で全延伸倍率が約25倍で延伸した。得られた
繊維は融着によりモノフイラメントの形状を呈
し、断面積は0.0887mm2(換算直径0.336mm)であ
つた。これを実験No.2とし、モノフイラメントの
特性値を第1表に示す。比較のために第1表に示
す特性値を有する断面直径0.33mmの市販のナイロ
ン釣糸を実験No.3とした。 さらに比較のために、素材としてポリパラフエ
ニレンテレフタルアミドを採択したがナイロン釣
糸4号相当のモノフイラメントの作成が不可であ
つたので、1000d/680fマルチフイラメントの糸
特性を実験No.4として第1表に示した。
分子鎖からなる合成繊維を用いた新規な釣糸に関
するものである。 一般に釣糸はハリスと道糸に分かれており前者
に要求される性能は先ず細くて強いこと(特に結
節部の強いこと)、適度な腰の硬さ、沈みの早さ、
水中での見えにくさ(色、透明性)、縮みにくさ
等がある。 後者に要求される性能は遠投性、しなやかでリ
ールの捲きぐせがつかないこと、糸が軽いこと、
あたりの良さ、耐久性等である。従来釣糸の素材
としては用途に応じて6ナイロン、610ナイロン、
ポリエステル、ビニロン、ポリフツカビニリデン
等の材料で造られた糸が使われている。 ハリスの特性の中でも特に重要な点は、細くて
強いこと、特に結節強度が強いことであつて、こ
れらの特性がハリスとした場合、魚に感知されに
くく、大きい魚の重量に耐えることができ、ハリ
ス切れが極めて少なくなるといつた性能に結びつ
くことになる。 一方、道糸の特性においても特に重要な点とし
ては細くて強いことであつて、この特性が道糸と
した場合、流れの抵抗を小さくし、潮流等に流さ
れにくいといつた性能に結びつくことになる。 ところが従来市販されているハリス用糸の場
合、ポリフツカビニリデン糸の引張強度は高々8
g/dでありナイロン糸の場合でも普通強力タイ
プのものは10g/dで高強力タイプにしても高々
15g/dであつて、これより強度の高い釣糸は得
られていないのが実状であつた。 最近、芳香族系ポリアミドからなる高強力繊維
が開発されているが、この種の繊維を釣糸用とし
て用いる場合、強度が約20g/dと強度の点では
申し分ないが、耐衝撃性に劣ること、結節強度が
低いこと、原糸が黄色に着色しており、透明性に
問題があることなどより釣糸、特にハリス用糸に
は適正を欠くものであつた。 このような情勢下において、釣糸の実用的見地
から需要家は、従来の製品よりも優れた釣糸、特
に引張強度、結節強度の高い糸を希望しているの
が実状である。 このような実状に鑑み、本発明者らは、前記す
る従来の釣糸の欠点を解消すべく、鋭意検討を重
ねた結果、昭和58年特許願第152261号、昭和58年
特許願第154622号及び昭和58年特許願第161044号
等に記載の方法で得られるポリエチレン等の可撓
性高分子からなる合成繊維が、驚くべきことには
従来の釣糸には見られない特性、即ち、高強力で
高結節強度、低伸度であると言つた特性を同時に
有することを見出し、該繊維を釣糸として用いる
ことによつて、前記する従来の釣糸の欠点をすべ
て解消し、さらに従来のものより優れた釣糸が得
られることを見出し、本発明に到達した。 即ち、本発明は、少なくとも20g/デニールの
引張強度と少なくとも8g/デニールの結節強度
と少なくとも30g/デニールの衝撃強度、且つ伸
度が4%未満である可撓性高分子鎖からなる超高
分子量ポリエチレン繊維を用いた新規な釣糸であ
る。 本発明に言う可撓性高分子鎖とは、応力や熱を
受けた際、回転し得る分子結合からなる分子鎖の
ことで、全芳香族系ポリアミドや全芳香族系ポリ
エステルなどを構成する分子鎖は、剛直分子鎖で
あつて本発明に言う可撓性高分子鎖分子鎖に含ま
れない。これらの剛直な分子鎖を含む高分子は繊
維軸方向に配向した際、引張強度は高くなるが、
衝撃強度や結節強度は低くなる傾向にある。従つ
て、本発明の釣糸に用いる合成繊維が可撓性高分
子鎖からなることは、このような問題を解決する
ための必須要件である。 本発明における可撓性高分子鎖からなる合成繊
維とは、超高分子量のポリエチレン繊維を言う。 本発明における合成繊維とはモノフイラメント
であつてもマルチフイラメントであつても良く特
に限定されるものではない。 本発明の釣糸は、20g/デニール以上、好まし
くは25g/デニール以上、特に30g/デニール以
上の引張強度と、8g/デニール以上、好ましく
は10g/デニール以上、特に12g/デニール以上
の結節強度を有する可撓性高分子鎖からなる合成
繊維であるので、従来の釣糸に比べて細く強い
上、透明性も良く、特に結節強度が強い特性を有
し、ハリス糸とした場合には、魚に感知されにく
く、大きい魚の重量に耐えることができ、ハリス
切れが極めて少なく、一方道糸とした場合には、
従来の道糸の1/2以下の細物化が可能であるため、
しなやかで、流れによる抵抗が小さく、従つて潮
流等に流されにくく、且つ糸の物性が高モジユラ
ス、低伸度である為かアタリが非常に良い等の性
能を有する。ここで伸度が4%未満にあつてはア
タリ、所謂魚信が極めて良好であり、魚がかかり
やすいといつた効果がある。さらに引張強度が20
g/デニール未満の場合にあつては、従来の釣糸
に比べて細くて強力の強い釣糸が得られなくな
る。また、結節強度が8g/デニール未満の場合
にあつては、ハリスとした場合、ハリス切れが多
くなり、従来のハリスのハリス切れの程度と大差
がなくなり好ましくない。 本発明の釣糸に用いる合成繊維は可撓性高分子
鎖からなり、少なくとも20g/デニール、好まし
くは25g/デニール以上、特に30g/デニール以
上の引張強度と8g/デニール以上、好ましくは
10g/デニール以上、特に12g/デニール以上の
結節強度を有する。特に重量平均分子量50万以上
の超高分子量ポリエチレンからなるものは原料コ
ストも低く製糸も容易であるため有利であり、ま
た、特に衝撃強度が3×10-4ジユール/デニール
以上、30g/デニール以上を有するものにあつて
は、ハリス切れが更に減少することも判明してい
る。 次に、本発明の釣糸の製造法について簡単に説
明する。 本発明の釣糸に用いる合成繊維の1例であるモ
ノフイラメントは、例えば可撓性高分子鎖を有す
る高分子量のポリエチレン(例えば重量平均分子
量が1×105以上、好ましくは1×106以上の超高
分子量ポリエチレン)をデカリン、キシレンある
いはパラフイン等の溶媒に溶媒の沸点以下で完全
に溶解後、紡糸装置内でポリエチレン溶液が固化
しない温度で、室温の大気中、または水中あるい
は冷却装置付の中空管中に押出す。押出して得ら
れた糸は、内部に溶媒を含有しているからその状
態で糸が溶けない程度に加熱し、全延伸倍率が10
倍以上、好ましくは20倍以上になるよう1段また
は多段で延伸することによつて得られるがこの方
法に限定されない。 ここで、特に太いモノフイラメントを得るよう
な場合には、紡糸孔から押し出された溶媒を含有
するゲル繊維を多数本引きそろえて合糸し、熱板
を使用した延伸機等でゲル状繊維が溶断しない程
度の温度で加熱延伸することにより容易にゲル状
繊維同志が融着したモノフイラメントが形成され
る。 以上のように、本発明による釣糸は、従来の釣
糸に比べて細くて強いことを特徴とし、更に透明
性も良好で、ハリスとした場合は、魚に感知され
にくく、大きい魚の重量に耐えることができ、ハ
リス切れが極めて少なく、一方、道糸とした場合
には低伸度でアタリが良好で魚が良くかかり、し
なやかで流れによる抵抗を小さくし、潮流等に流
されにくいこと等により、極けて汎用性のある優
れたハリスおよび道糸適性のある釣糸を提供する
ことが可能である利点を有している。 本発明の評価に用いた物性の測定方法は以下に
よる。 <繊維の引張強度の測定法> 東洋ボールドウイン社製テンシロンを用い、試
料長(ゲージ長)200mm、伸長速度100%/分の条
件で単繊維のS−S曲線を測定し、引長強度
(g/d)を算出した。特性値は20本のフイラメ
ントについて測定したものの平均値とした。 <繊維の結節強度の測定方法> JIS−L1013(1981)に規定する7.6の方法によ
る。 <繊維の衝撃強度の測定方法> 高速引張試験器を用い、試料長10cm、引張速度
6m/secの条件で引張試験を行ない、引張試験
時の最高到達応力を求めた。特性値は10本の試料
について測定したものの平均値とした。 以下本発明を実施例により詳述するが、本発明
はもとより、これらの実施例に限定されるもので
はない。 実施例 1 重量平均分子量が1.9×106の可撓性高分子鎖を
有する超高分子量ポリエチレンをデカリンに溶解
した後、該紡糸原液を紡糸装置内でポリエチレン
溶液が固化しない温度で紡糸口金から室温の大気
中に押し出して冷却しゲル状繊維を形成する。こ
のデカリンを含有するゲル状繊維を4本引きそろ
えて合糸し、ゲル状繊維が溶断しない温度で全延
伸倍率約63倍で延伸した。得られた繊維は融着に
よりモノフイラメントの形状を呈し、断面積は
0.0415mm2(換算直径0.23mm)で、あつた。これを
実験No.1とし、モノフイラメントの特性値を第1
表に示す。さらに本発明の比較例として実験No.1
と同分子量の可撓性高分子鎖を有するポリエチレ
ンを用いて溶液紡糸し、得られたゲル状繊維を4
本ひきそろえて合糸し、ゲル状繊維が溶断しない
温度で全延伸倍率が約25倍で延伸した。得られた
繊維は融着によりモノフイラメントの形状を呈
し、断面積は0.0887mm2(換算直径0.336mm)であ
つた。これを実験No.2とし、モノフイラメントの
特性値を第1表に示す。比較のために第1表に示
す特性値を有する断面直径0.33mmの市販のナイロ
ン釣糸を実験No.3とした。 さらに比較のために、素材としてポリパラフエ
ニレンテレフタルアミドを採択したがナイロン釣
糸4号相当のモノフイラメントの作成が不可であ
つたので、1000d/680fマルチフイラメントの糸
特性を実験No.4として第1表に示した。
【表】
【表】
第1表から明らかな如く本発明の釣糸として用
いるモノフイラメント(実験No.1)は、従来の釣
糸(実験No.3)に比較して引張強度、結節強度共
に極めて優れ、衝撃強度も実験No.3が9.2g/d
に対して40.8g/dと極めて優れた性能を有する
ことが判る。ところが、本発明で特定する特性値
を満たさない例で引張強度が18.5g/dの実験No.
2の場合は、衝撃強度が19.7g/dで本発明の
40.8g/dに比較して改良の程度が小さく引張強
度、初期弾性率が本発明に比べて低い上に伸度が
7.2%と大きいことが判る。また、比較として示
した実験No.4のポリパラフエニレンテレフタルア
ミド繊維の場合は、引張強度、結節強度共に本発
明で特定する特性値を満たしているが衝撃強度が
10.3g/dと極めて低いもので、釣糸としての性
能は本発明に比べて劣ることが判る。 実施例 2 本発明の釣糸について実用的見地から、その性
能を明らかにするために、実施例1の実験No.1〜
3のモノフイラメントをそれぞれハリスとして用
い、八丈島において実際に釣り実験を実施した。 釣り実験において次のイ〜ハの条件を定めた。 イ 目標とする魚は体長60cm以上のヒラマサとす
る。 ロ 釣人は3人で、各人は実験No.1〜3のハリス
それぞれを専用とした3本の竿を常時使用す
る。 ハ 釣り実験は3日間連続して行ない、実験No.1
〜3のハリス対応の竿毎に釣り上げたヒラマサ
の尾数と、ハリス切れ回数を計数する。 前記イ〜ハの条件下で実施した釣り実験の総合
成績を第2表に示す。 ニ 上記3人の各釣人は、釣り実験終了後No.1〜
3の釣糸のアタリについて予め準備した下記の
判断基準にもとづき官能検査をし、3人のデー
タの平均点によりアタリ性を評価する。 4点 アタリが非常に良い 3点 アタリが良い 2点 アタリが悪い 1点 アタリが非常に悪い 前記イ〜ニの条件下で実施した釣り実験の総合
成績を第2表に示す。
いるモノフイラメント(実験No.1)は、従来の釣
糸(実験No.3)に比較して引張強度、結節強度共
に極めて優れ、衝撃強度も実験No.3が9.2g/d
に対して40.8g/dと極めて優れた性能を有する
ことが判る。ところが、本発明で特定する特性値
を満たさない例で引張強度が18.5g/dの実験No.
2の場合は、衝撃強度が19.7g/dで本発明の
40.8g/dに比較して改良の程度が小さく引張強
度、初期弾性率が本発明に比べて低い上に伸度が
7.2%と大きいことが判る。また、比較として示
した実験No.4のポリパラフエニレンテレフタルア
ミド繊維の場合は、引張強度、結節強度共に本発
明で特定する特性値を満たしているが衝撃強度が
10.3g/dと極めて低いもので、釣糸としての性
能は本発明に比べて劣ることが判る。 実施例 2 本発明の釣糸について実用的見地から、その性
能を明らかにするために、実施例1の実験No.1〜
3のモノフイラメントをそれぞれハリスとして用
い、八丈島において実際に釣り実験を実施した。 釣り実験において次のイ〜ハの条件を定めた。 イ 目標とする魚は体長60cm以上のヒラマサとす
る。 ロ 釣人は3人で、各人は実験No.1〜3のハリス
それぞれを専用とした3本の竿を常時使用す
る。 ハ 釣り実験は3日間連続して行ない、実験No.1
〜3のハリス対応の竿毎に釣り上げたヒラマサ
の尾数と、ハリス切れ回数を計数する。 前記イ〜ハの条件下で実施した釣り実験の総合
成績を第2表に示す。 ニ 上記3人の各釣人は、釣り実験終了後No.1〜
3の釣糸のアタリについて予め準備した下記の
判断基準にもとづき官能検査をし、3人のデー
タの平均点によりアタリ性を評価する。 4点 アタリが非常に良い 3点 アタリが良い 2点 アタリが悪い 1点 アタリが非常に悪い 前記イ〜ニの条件下で実施した釣り実験の総合
成績を第2表に示す。
【表】
第2表より明らかな如く、本発明の釣糸(実験
No.1)を用いると、2号という細さであつても従
来の4号釣糸(実験No.4)と同等以上の成績であ
り、殊に、高強度、高弾性率、低伸度な特性を反
映し、アタリ性が抜群に優れ、且つ、魚のつり上
げ数でも優秀な成績があげられることが判明し
た。
No.1)を用いると、2号という細さであつても従
来の4号釣糸(実験No.4)と同等以上の成績であ
り、殊に、高強度、高弾性率、低伸度な特性を反
映し、アタリ性が抜群に優れ、且つ、魚のつり上
げ数でも優秀な成績があげられることが判明し
た。
Claims (1)
- 1 少なくとも20g/デニールの引張強度と少な
くとも8g/デニールの結節強度と少なくとも30
g/デニールの衝撃強度、且つ伸度が4%未満で
ある可撓性高分子鎖からなる超高分子量ポリエチ
レン繊維を用いた新規な釣糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2118884A JPS60164421A (ja) | 1984-02-07 | 1984-02-07 | 新規な釣糸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2118884A JPS60164421A (ja) | 1984-02-07 | 1984-02-07 | 新規な釣糸 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20627890A Division JPH0372832A (ja) | 1990-08-02 | 1990-08-02 | 新規な釣糸 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60164421A JPS60164421A (ja) | 1985-08-27 |
JPH0316089B2 true JPH0316089B2 (ja) | 1991-03-04 |
Family
ID=12047975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2118884A Granted JPS60164421A (ja) | 1984-02-07 | 1984-02-07 | 新規な釣糸 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60164421A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4695291B2 (ja) * | 2001-05-16 | 2011-06-08 | 有限会社よつあみ | 低伸度糸 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS623728A (ja) * | 1985-07-01 | 1987-01-09 | 旭化成株式会社 | 釣糸 |
JP2522947B2 (ja) * | 1987-06-18 | 1996-08-07 | 住友化学工業株式会社 | 釣 糸 |
JPH0374270U (ja) * | 1989-07-18 | 1991-07-25 | ||
JPH0372832A (ja) * | 1990-08-02 | 1991-03-28 | Toyobo Co Ltd | 新規な釣糸 |
JP5548896B2 (ja) * | 2010-11-08 | 2014-07-16 | 東レ・モノフィラメント株式会社 | 釣糸およびその製造方法 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5735014A (en) * | 1980-08-06 | 1982-02-25 | Toray Ind Inc | Preparation of polyamide monofilament having high linear strength and knot strength |
JPS585228A (ja) * | 1981-04-30 | 1983-01-12 | アライド・コ−ポレ−シヨン | 高強力、高モジユラスの結晶性熱可塑物品の製造方法及び新規製品なる繊維 |
JPS58186688A (ja) * | 1982-04-20 | 1983-10-31 | 東洋紡績株式会社 | 海洋用材料 |
JPS60153741A (ja) * | 1984-01-24 | 1985-08-13 | 株式会社クラレ | 釣糸 |
JPH0244493A (ja) * | 1988-08-05 | 1990-02-14 | Kurita Water Ind Ltd | 容器内の粉、粒体量の検出装置 |
-
1984
- 1984-02-07 JP JP2118884A patent/JPS60164421A/ja active Granted
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5735014A (en) * | 1980-08-06 | 1982-02-25 | Toray Ind Inc | Preparation of polyamide monofilament having high linear strength and knot strength |
JPS585228A (ja) * | 1981-04-30 | 1983-01-12 | アライド・コ−ポレ−シヨン | 高強力、高モジユラスの結晶性熱可塑物品の製造方法及び新規製品なる繊維 |
JPS58186688A (ja) * | 1982-04-20 | 1983-10-31 | 東洋紡績株式会社 | 海洋用材料 |
JPS60153741A (ja) * | 1984-01-24 | 1985-08-13 | 株式会社クラレ | 釣糸 |
JPH0244493A (ja) * | 1988-08-05 | 1990-02-14 | Kurita Water Ind Ltd | 容器内の粉、粒体量の検出装置 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4695291B2 (ja) * | 2001-05-16 | 2011-06-08 | 有限会社よつあみ | 低伸度糸 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60164421A (ja) | 1985-08-27 |
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