JP2001157528A - 漁 網 - Google Patents

漁 網

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JP2001157528A
JP2001157528A JP34277099A JP34277099A JP2001157528A JP 2001157528 A JP2001157528 A JP 2001157528A JP 34277099 A JP34277099 A JP 34277099A JP 34277099 A JP34277099 A JP 34277099A JP 2001157528 A JP2001157528 A JP 2001157528A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】漁網を構成する網糸の少なくとも一部にオレフ
ィンと一酸化炭素の共重合したポリケトンポリマーから
なるポリケトン繊維を用いることを特徴とする漁網。 【効果】強度、弾性率等の機械的特性、高耐水性、高耐
湿熱性、高耐熱性等の化学的・熱的特性に優れ、安定し
た漁獲性能を有する漁網を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的特性に優
れ、さらには耐水性、耐熱性、耐湿熱特性を有し、安定
して優れた漁獲性能を有する漁網に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、刺網、曳網、施網、定置網、海苔
網、養殖網などの漁獲用・養殖用の漁網においては、網
糸を構成する繊維としてナイロン6・6やナイロン6等
のポリアミド繊維、ポリエステル繊維、塩化ビニリデン
繊維、塩化ビニル繊維、ポリプロピレン繊維等が用いら
れてきた。漁網に用いられる網糸には使用時に破断しな
いだけの強力が必要とされるが、これらの汎用繊維は強
度が十分ではなく、結果として繊度の大きい繊維を用い
ることで強力を持たせてきていた。しかし、繊度の大き
い繊維からなる網糸では、漁獲時の海水の抵抗が大きい
問題、漁網の重量が重くなり操作性及び取扱性が悪い問
題などがあり、より細い繊度の繊維からなる軽量で取扱
性のよく、また、漁獲時の抵抗の少ない漁網が要求され
ている。
【0003】これらの要求を受けて、近年、超高分子量
ポリエチレン繊維やポリビニルアル000繊維を用いた
漁網も検討されている(特開平7−135872号公
報、特開平8−70732号公報)。しかしながら、ポ
リエチレン繊維は融点が低く、漁網の繰出し・取入れ時
などの網と金属との摩擦による発熱によって繊維が融着
したり、染色が困難である問題があった。また、ポリビ
ニルアルコール繊維は耐水性、特に耐湿熱性が悪く、海
水を含んだ状態で日光等によって加熱されると強度が著
しく低下する問題があった。以上のように、これまで漁
網において、機械的特性に優れ、かつ、耐熱性、耐湿熱
性にも優れる網糸からなる漁網は知られていない。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、機
械的特性、耐熱性、耐湿熱性に優れる漁網を提供するも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、漁獲用網地に
おいて、網地を構成する繊維の少なくとも一部に、オレ
フィンと一酸化炭素の共重合してなるポリケトンポリマ
ーから構成されたポリケトン繊維を用いることにより、
従来の漁網では見られない機械的特性、耐熱性、耐湿熱
性に優れた漁網が得られることを見出し、本発明を完成
するに至った。即ち、本発明: 漁獲用網地において、網糸を構成する繊維の少なく
とも一部に、オレフィンと一酸化炭素の共重合してなる
ポリケトンポリマーから構成されたポリケトン繊維を用
いる漁網を提供する。また、 ポリケトン繊維の強度が5cN/dtex以上、弾
性率が100cN/dtex以上である点にも特徴を有
する。また、 ポリケトン繊維の強度が10cN/dtex以上、
弾性率が200cN/dtex以上である点にも特徴を
有する。また、 ポリケトンポリマーを構成する繰返単位の97重量
%以上が1−オキソトリメチレンである点にも特徴を有
する。また、 ポリケトンポリマーを構成する繰返単位が1−オキ
ソトリメチレンのみからなる点にも特徴を有する。ま
た、 網糸を構成する繊維の50重量%以上がポリケトン
繊維である点にも特徴を有する。また、 網糸を構成する繊維がポリケトン繊維のみからなる
点にも特徴を有する。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
漁網を構成する繊維の少なくとも一部、あるいは全部と
して用いられるポリケトン繊維を構成するポリマーは、
オレフィンと一酸化炭素の共重合ポリマーである。強度
・弾性率などの機械的特性、耐熱性、耐湿熱性、耐水性
の観点からエチレンと一酸化炭素が結合した1−オキソ
トリメチレンを主たる繰返単位とするポリマーが好まし
い。繰返単位中の1−オキソトリメチレンの割合は、多
ければ多いほど高融点、高力学物性の繊維が得られるた
め90重量%以上であることが好ましく、さらに好まし
くは97重量%以上、特に好ましくは100重量%であ
る。このオレフィンと一酸化炭素が結合した繰返単位同
士は、部分的にケトン基同士、オレフィン同士がつなが
っていてもよいが、90重量%以上がオレフィンと一酸
化炭素が交互に配列したポリケトンポリマーであること
が望ましい。耐光性、耐熱性、高温時の物性の低下の観
点からオレフィンと一酸化炭素が交互に配列した部分の
含有率は多ければ多いほどよく、好ましくは97重量%
以上、最も好ましくは100重量%である。
【0007】また、必要に応じてプロペン、ブテン、ヘ
キセン、シクロヘキセン、ペンテン、シクロペンテン、
オクテン、ノネン等のエチレン以外のオレフィンやメチ
ルメタクリレート、酢酸ビニル、アクリルアミド、ヒド
ロキシエチルメタクリレート、スチレン、スチレンスル
ホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、ビニ
ルピロリドン、塩化ビニル等の不飽和炭化水素を有する
化合物を共重合してもよい。その他の共重合成分の割合
は特に制限されないが、通常3重量%未満、好ましくは
1重量%未満である。
【0008】本発明の漁網に用いられるポリケトン繊維
は強度が5cN/dtex以上、弾性率が100cN/
dtex以上であることが推奨される。繊維の強度は高
いほど同一重量当たりの漁網の強力が強くなり細繊度
化、軽量化が可能となるので、好ましくは5cN/dt
ex以上、さらに好ましくは10cN/dtex以上、
特に好ましくは15cN/dtex以上であることが望
ましい。また、繊維の弾性率も高いほど網糸の剛性が向
上するので、好ましくは100cN/dtex以上、さ
らに好ましくは200cN/dtex以上、特に好まし
くは300cN/dtex以上であることが望ましい。
【0009】また、漁網に用いられるポリケトン繊維は
機械的特性のみならず耐熱性、耐湿熱特性に優れること
が望まれる。ポリケトン繊維においては繊維の融点が高
いほど耐熱性に優れるため、好ましくは240℃以上、
より好ましくは250℃以上、特に好ましくは260℃
以上の融点であることが望ましい。ポリケトン繊維の耐
湿熱特性としては、120℃、100%湿度下で30分
の過酷な湿熱処理を行っても十分な強度を維持すること
が望ましく、湿熱処理前後の繊維の強度保持率としては
好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上であ
ることが望ましい。
【0010】このような特性を有するポリケトン繊維は
漁網を構成する網糸の少なくとも一部に使用される。網
糸におけるポリケトン繊維の比率は、網組織や経糸、緯
糸など使用部位によって異なるが、ポリケトン繊維の割
合が高ければ高いほど、機械的特性、耐熱性、耐湿熱特
性に優れることから、好ましくは50重量%以上、より
好ましくは80重量%以上、特に好ましくは100重量
%がポリケトン繊維であることが望ましい。ポリケトン
繊維の繊度やフィラメント数には特に制限はなく、必要
に応じては単糸繊度10dtex以上のモノフィラメン
トを用いてもよい。
【0011】以上のような特徴を有するポリケトン繊維
はそのまま、或いは他の繊維素材と複合して、撚糸、編
網、必要に応じては染色を行い、目通し、樹脂加工、熱
処理を経て本発明の漁網に加工される。本発明の漁網の
網形態については特に制限はなく、結節網、無結節網の
いずれであってもよい。また、結節方法についても特に
制限はなく、本目網、蛙股網、ラッシェル網、もじ網、
織網など用途、使用目的に応じて任意の方法を採用でき
る。また、網糸の太さ、撚りの有無、撚り方法、撚り合
わせ本数、目合、網幅、長さについても特に制限はな
く、従来公知の条件、方法を採用することができる。
【0012】漁網の製網方法については、従来公知の本
目製網機、蛙股製網機、丸型製網機、よこ型製網機、ラ
ッシェル型製網機、もじ網製網機などの製網機をそのま
ま用いることが出来る。ポリケトン繊維を染色する方法
については特に制限はないが、分散染料による染色が好
適に用いられる。熱処理前後に伸度調節や結節固定、耐
摩擦性、水切れ向上、柔軟性付与などを目的とした樹脂
加工を行ってもよく、目的に応じた特性を有する樹脂で
加工できる。漁網の熱処理条件は、併用する繊維素材の
種類や網組織、樹脂加工に用いた樹脂の種類によって任
意の条件を採用できるが、概略100〜250℃の範囲
で処理を行われる。
【0013】本発明の漁網を構成する網糸には、目的に
応じてポリケトン繊維以外の繊維素材を用いることが出
来る。混用可能な繊維については特に制限はなく、ナイ
ロン6、ナイロン6・6、ナイロン4・6などのポリア
ミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの
ポリエステル繊維、液晶ポリエステル繊維、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維、ポリビ
ニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリ塩
化ビニル繊維、ポリベンザゾール繊維、アラミド繊維、
羊毛、ポリアクリロニトリル繊維、木綿、ビスコースレ
ーヨン等のセルロース繊維、炭素繊維、セラミックス繊
維、金属繊維などの従来公知の繊維を使用することがで
き、必要に応じてはこれらの繊維の中から複数種類の繊
維を複合して用いても何ら問題はない。他の繊維の混用
割合は特に制限されないが、通常50重量%未満、好ま
しくは20重量%未満である。
【0014】本発明の漁網に用いられる繊維材料は無撚
糸であっても、仮撚り、嵩高加工、捲縮加工、捲回加工
などの加工を施した加工糸を用いても良い。複数種の繊
維を混用する場合、その方法についても特に制限はな
く、経糸、緯糸に異なる種類の繊維を用いたり、必要に
応じては複数種の繊維を仮撚りや撚りなどの加工を施し
て混繊糸としたり、また、同一種の繊維であっても熱的
・機械的特性の異なる繊維、或いは繊度やフィラメン数
の異なる繊維、または長繊維のフィラメントと短繊維の
紡績糸などを複合して用いてもよい。
【0015】また、本発明の漁網に用いるポリケトン繊
維および混用する繊維は、熱安定剤や平滑剤、顔料、油
剤、隠蔽剤、艶消し剤、難燃剤、可塑剤、防炎剤、防腐
剤、抗菌剤、防汚剤などの添加剤を表面に塗布あるいは
繊維中に含んでいてもよく、むしろ各種薬剤を塗布、含
有する繊維が望ましい。以上のような条件から作製され
た本発明の漁網は、刺網、曳網、施網、定置網、海苔
網、養殖網などの用途に用いることができる。特に、高
強度・高弾性率、高耐湿熱性の点から刺網、曳網等の漁
獲用漁網に適している。
【0016】以下、本発明の漁網を構成する網糸に用い
られるポリケトン繊維の製造法について説明する。ポリ
ケトン繊維の製造方法は特に限定されず、従来公知の溶
融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法をそのままあるいは
修正して用いることが出来る(例えば、特開平1−12
4617号公報、特開平2−112413号公報、特開
平4−228613号公報、特表平4−505344号
公報、特表平7−508317号公報、特表平8−50
7328号公報、WO9918143号公開パンフレッ
ト、特願平10−236595号、特願平11−720
91号、特願平11−77220号、特願平11−15
9258号、特願平11−167370号)。
【0017】エチレン/一酸化炭素交互共重合ポリマー
を紡糸する場合には濃厚金属塩を溶剤とする湿式紡糸法
が好ましい。濃厚金属塩としては、ハロゲン化亜鉛化合
物が挙げられ、溶解性、溶媒のコスト、水溶液の安定性
の点で塩化亜鉛、よう化亜鉛が好ましい。また、必要に
応じては塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウ
ム等のアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属のハロゲ
ン化物を60重量%以下で含んでいてもよく、ドープの
溶解性、熱安定性、紡糸性の観点から塩化ナトリウムや
塩化カルシウムなどの金属塩を5〜30重量%含有した
ドープが好ましい。このポリケトンドープを紡糸口金よ
り吐出し、必要に応じてはエアーギャップ部を経て凝固
浴を通して糸状物とする。凝固浴の組成は、メタノー
ル、アセトン等の有機溶剤、水、有機物水溶液、無機物
水溶液等のようなものであってもよいが、水を含んだ溶
液が好ましい。
【0018】このようにして得た糸状物を必要に応じて
は金属塩を洗浄し、乾燥、延伸を行う。延伸は、通常融
点以下の温度で行われ延伸倍率はトータルで10倍以
上、特に15倍以上の熱延伸を行うことが好ましく、延
伸温度を徐々に高くしていく多段延伸法が好適に用いら
れる。このような方法で得られたポリケトン繊維は、高
強度・高弾性率の優れた機械的特性を有するとともに熱
や湿熱に対して安定であり、該繊維を漁網用網糸へ適用
することにより従来の繊維素材からなる漁網では得るこ
とのできなかった軽量で取扱性に優れ、流水抵抗の少な
く、優れた強度、安定した漁獲性能を有する漁網が得ら
れるようになった。
【0019】
【実施例】本発明を、下記の実施例などにより更に詳し
く説明するが、それらは本発明の範囲を限定するもので
はない。実施例の説明中に用いられる各測定値の測定方
法は次の通りである。 (I) 極限粘度 極限粘度[η]は次の定義式(I)に基づいて求められる
値である。 (式中のt及びTはヘキサフルオロイソプロパノールに
溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流
過時間である。Cは上記溶液100ml中のグラム単位
による溶質重量値である。) (2) 強度、弾性率 JIS−L−1013に準じて測定した。
【0020】(3) 融点 繊維を長さ5mmにカットしたものを試料とした。パー
キンエルマー社製示差熱測定装置Pyris1を用いて
下記条件で測定を行った。 サンプル重量 : 1mg 測定温度 : 30℃→300℃ 昇温速度 : 20℃/分 雰囲気 : 窒素、流量=200mL/分 得られる吸発熱曲線において200℃〜300℃の範囲
に観測される最大の吸熱ピークのピークトップ温度を融
点とした。 (4) 耐湿熱強度保持率 湿度100%、温度120℃のオートクレーブ中に繊維
または釣り糸を投入し30分間処理した。処理後の引張
強度を上記(2) の方法に準じて測定し、処理前の繊維強
度をT、処理後の繊維強度をTsとして下式(2) より耐
湿熱強度保持率Rsを求めた。 Rs = Ts/T × 100 (%)・・・(2)
【0021】(5) 網の引張強力 JIS−L−1043に準じて1節1本で測定した。 (6) 湿熱引張強力の保持率 湿度100%、温度120℃のオートクレーブ中に網地
を投入し30分間処理した。処理後の網の引っ張り強力
を上記(5) の方法に準じて測定した。処理前の網の強力
をTb、処理後の網の強力をTaとして下式(3) より湿
熱引張強力保持率Rnを求めた。 Rn= Ta/Tb × 100 (%)・・・(3)
【0022】(実施例1)常法により調製したエチレン
と一酸化炭素が完全交互共重合した極限粘度5.9のポ
リケトンポリマーを、塩化亜鉛65重量%/塩化ナトリ
ウム10重量%を含有する水溶液に添加し、80℃で2
時間攪拌溶解しポリマー濃度8重量%のドープを得た。
得られたドープを80℃に加温し、20μmのフィルタ
ーでろ過した後に、紡口径0.10mm、L/D=1、
250ホールの紡口より10mmのエアーギャップを通
した後に5重量%の塩化亜鉛を含有する18℃の水中に
吐出量16cc/分の速度で押出し、凝固させた。引続
き凝固糸を濃度2重量%の硫酸水溶液で洗浄し、さらに
30℃の水で洗浄した後、巻取速度2.5m/分で巻取
り、さらに得られた糸状物を220℃にて乾燥して未延
伸糸を得た。この未延伸糸を240℃で1段目の延伸を
行った後に、引続き260℃で2段目、270℃で3段
目の延伸を行いトータルで15倍の延伸を行い、480
dtex/250fの延伸糸を得た。延伸時に毛羽・断
糸等のトラブルは発生しなかった。得られた繊維は繊維
物性、高融点であり、湿熱安定性にも優れた性能を有し
ていた。この延伸糸を3子撚りにして合撚糸を作製し
た。この合撚糸を用いて、7500Dr、目合11節、
100掛のラッシェル網を製網した。
【0023】(実施例2)常法により1−オキソ−3−
メチルトリメチレンユニットを3重量%含有する極限粘
度5.4のエチレン/プロペン/一酸化炭素ターポリマ
ーを調製した。該ポリマーを用い、ドープ濃度を10重
量%とし、吐出量を14cc/分にする以外は実施例1
と同様の処方で紡糸、乾燥を行い未延伸糸を得た。この
未延伸糸を180℃に加熱したロールを通した後に、周
囲に220℃の加熱空気を流した長さ1mのホットプレ
ート上で220℃で1段目の延伸を行った後に、引き続
き235℃で2段目、さらに245℃で3段目の延伸を
行いトータルで14.5倍の延伸を行い繊度500dt
ex/250fの延伸糸を得た。該延伸糸を用い実施例
1と同様にしてラッシェル網を製網した。
【0024】(実施例3)常法により1−オキソ−3−
メチルトリメチレンユニットを6重量%含有する極限粘
度1.6のエチレン/プロペン/一酸化炭素ターポリマ
ーを調製した。該ポリマーを用い、ドープ濃度を22重
量%とし、吐出量を6cc/分にする以外は実施例1と
同様の処方で紡糸、乾燥を行い未延伸糸を得た。この未
延伸糸を180℃に加熱したロールを通した後に、周囲
に200℃の加熱空気を流した長さ1mのホットプレー
ト上で200℃で1段目の延伸を行った後に、引き続き
215℃で2段目、さらに225℃で3段目の延伸を行
いトータルで12.5倍の延伸を行い繊度480dte
x/250fの延伸糸を得た。この延伸糸の強度はナイ
ロン6・6およびそれから製網された漁網とほぼ同等で
あったが、耐湿熱特性に優れていた。
【0025】(実施例4)実施例1で作製した合撚糸を
フロント糸に、また公知の溶融紡糸法により作製したナ
イロン6・6繊維(1500dtex/250f)をバ
ック糸に用いてラッシェル網を製網した。
【0026】(比較例1)公知の溶融紡糸法により作製
したナイロン6・6繊維(1500dtex/250
f)を用いて実施例1と同様にしてナイロン6・6繊維
のみからなるラッシェル網を製網した。該、網地の強力
はポリケトン繊維のそれに比べて大きく劣っており、特
に湿熱処理によって強力が大幅に低下した。 (比較例2)常法により調製した重合度7000のポリ
ビニルアルコールを濃度7重量%となるようDMSOに
溶解し、冷メタノールを凝固浴として常法に従い紡糸、
乾燥、延伸を行い、繊度355dtex/250fの延
伸糸を得た。この延伸糸を用いて4子撚りを行い合撚糸
を得た。この合撚糸を用いて実施例1と同様の処方でラ
ッシェル網を製網した。網地の機械的特性はポリケトン
繊維を用いたものと同等であったが、湿熱処理により強
力が大きく低下した。
【0027】上記実施例および比較例にて用いた繊維の
性質を表1にまとめて示す。また、上記実施例および比
較例にて作製した漁網の性能を表2にまとめて示す。
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】(注)・ECO =エチレン/一酸化炭素
交互共重合ポリマー(融点258℃) ・EPCO=エチレン/プロペン/一酸化炭素ターポ
リマー(重量基準でエチレン/CO:プロペン/CO=
97:3、融点241℃) ・EPCO=エチレン/プロペン/一酸化炭素ターポ
リマー(重量基準でエチレン/CO:プロペン/CO=
94:6、融点222℃) ・PA =ナイロン6・6(標品名レオナ6・6、
旭化成工業(株)製) ・PVA =ポリビニルアルコール(重合度=700
0、ケン化度=100%)
【0030】
【発明の効果】本発明の漁網は、高強度・高弾性率の優
れた機械的特性を有するとともに熱や湿熱に対して安定
であるポリケトン繊維を含有するため機械的特性、耐熱
性の優れる。特に、高強度・高弾性率、高耐熱性の1−
オキソトリメチレンのみからなるポリケトン繊維からな
る漁網は、高い網糸強力・弾性率と耐熱性、耐湿熱性を
有しており、従来の繊維素材からなる漁網では得ること
のできなかった高い機械的特性、安定した漁獲性能を発
揮できる。また、該漁網では従来の漁網に比べて同等の
強力とすることで軽量化、低容量化が可能となり、取り
扱い性の向上、流水抵抗の低減が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B106 AA08 4J005 AB01 4L035 AA09 BB04 BB06 BB10 BB22 BB66 BB69 BB77 BB81 BB89 BB91 BB94 EE01 EE08 FF02 FF10 HH10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 漁獲用網地において、網糸を構成する繊
    維の少なくとも一部に、オレフィンと一酸化炭素の共重
    合してなるポリケトンポリマーから構成されたポリケト
    ン繊維を用いることを特徴とする漁網。
  2. 【請求項2】 ポリケトン繊維の強度が5cN/dte
    x以上、弾性率が100cN/dtex以上であること
    を特徴とする請求項1記載の漁網。
  3. 【請求項3】 ポリケトン繊維の強度が10cN/dt
    ex以上、弾性率が200cN/dtex以上であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の漁網。
  4. 【請求項4】 ポリケトンポリマーを構成する繰返単位
    の97重量%以上が1−オキソトリメチレンであること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の漁網。
  5. 【請求項5】 ポリケトンポリマーを構成する繰返単位
    が1−オキソトリメチレンのみからなることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の漁網。
  6. 【請求項6】 網糸を構成する繊維の50重量%以上が
    ポリケトン繊維であることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載の漁網。
  7. 【請求項7】 網糸を構成する繊維がポリケトン繊維の
    みからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに
    記載の漁網。
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