JPS6343485B2 - - Google Patents
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- JPS6343485B2 JPS6343485B2 JP6427581A JP6427581A JPS6343485B2 JP S6343485 B2 JPS6343485 B2 JP S6343485B2 JP 6427581 A JP6427581 A JP 6427581A JP 6427581 A JP6427581 A JP 6427581A JP S6343485 B2 JPS6343485 B2 JP S6343485B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は水産資材用ポリブチレンテレフタレー
ト系繊維に関するものである。 従来漁網、ロープ、釣糸などの水産用繊維資材
にはナイロン−6などのポリアミド、ポリプロピ
レンなどのポリオレフイン、ポリエチレンテレフ
タレートなどのポリエステル、ビニロン、ポリ塩
化ビニリデンなどが使われているが耐疲労性、ふ
かれなどの性能の点で十分であるとはいえない。
例えば漁網に多く使われているナイロン−6の場
合、強力も大きく耐疲労性も良いがふかれやすい
ためふかれにくさを要求される旋網、定置網に使
用すると漁獲性が十分でない。ロープに多く使わ
れているポリプロピレンの場合、耐疲労性が十分
でなく切断しやすいきらいがある。また釣糸に多
く使われているナイロン−6は深海用釣糸に使用
する場合、ふかれやすいため釣人がねらつた位置
に釣糸をおろすことが出来にくいなどの問題があ
る。さらにポリエチレンテレフタレートはふかれ
の点では良いが耐疲労性が十分でなく旋網に使用
した場合、破網し易いといつた問題がある。また
ポリ塩化ビニリデンなどは強力面で弱く、その機
能を活かした特殊な分野で使用されているにすぎ
ない。 本発明者らは、かかる従来技術の欠点を改善す
るため、先に耐疲労性が良く、ふかれにくい繊維
素材として特殊なスペツクのポリブチレンテレフ
タレートが良いことを提案した。 本発明は、かかるポリブチレンテレフタレート
系繊維の改良に係るもので、ポリブチレンテレフ
タレート系繊維中に特定のブレンド成分を混合せ
しめた場合には、耐疲労性向上の目安となる結節
強度が大巾に向上することを知見し本発明に到達
したのである。 すなわち、本発明は、 (1) ポリブチレンテレフタレートを主成分とする
極限粘度1.0〜2.4の重合体と、下記(a)、(b)群か
ら選ばれた少なくとも一種との混合物から形成
されてなる水産資材用ポリブチレンテレフタレ
ート系繊維。 (a) ポリテトラメチレングリコールおよび/ま
たはイソフタル酸を共重合比率10〜60重量%
の範囲で共重合してなるポリブチレンテレフ
タレート、混合比率が1〜16重量%である。 (b) タルク、混合比率が0.01〜1.0重量%であ
る。 (2) 前記水産資材が、漁網、釣糸、ロープから選
ばれたものである特許請求の範囲第1項記載の
水産資材用ポリブチレンテレフタレート系繊維
である。 以下本発明を詳細に説明する。 本発明で使用するポリブチレンテレフタレート
を主成分とする重合体はポリブチレンテレフタレ
ートに限定されるものではなく、イソフタル酸、
アジピン酸などを20モル%以内で共重合させたポ
リブチレンテレフタレートでもよい。イソフタル
酸、アジピン酸などを20モル%より多く共重合さ
せたポリブチレンテレフタレート共重合体を使用
した場合は、本発明の目的とする結節強度の大き
い、すなわち耐疲労性の良い繊維を得にくいので
好ましくない。ここで耐疲労性とは実用時に繰り
返し負荷される荷重で繊維資材の強力、靭性が低
下して破壊されるのを抑制する度合いをいう。漁
網、ロープ、釣糸などの水産用繊維資材は撚糸形
態で使用されるものが多く、またこれらは漁網の
蛙又結節のように結合部を形成して使用されるも
のが多い。したがつて水産用繊維資材の耐疲労性
は繊維資材の原糸の結節強度と一義的な相関があ
る。原糸の結節強度が大きいほど耐疲労性は良く
なり実用時の破断トラブルも少なくすることがで
きる。ポリブチレンテレフタレートを主成分とす
る重合体から得られる原糸の結節強度を上げるに
は本発明のごとくポリテトラメチレングリコール
および/またはイソフタル酸を共重合成分とする
ポリブチレンテレフタレートないしタルクのうち
少なくとも一種を混合することが重要であり、こ
れにより原糸結節強度を約10%向上させることが
できる。この場合、原糸結節強度が向上する理由
は定かでないが、恐らくこれらのブレンド成分が
結晶核剤の役割りをはたし、球晶の大きさを微細
にするためと思われる。 本発明において、ポリブチレンテレフタレート
を主成分とする重合体に混合するポリテトラメチ
レングリコールおよび/またはイソフタル酸を共
重合成分とするポリブチレンテレフタレートとは
次の3種類の共重合体をいう。 (a‐1) ポリテトラメチレングリコール共重合ポリ
ブチレンテレフタレート、 (a‐2) イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタ
レート、 (a‐3) ポリテトラメチレングリコールとイソフタ
ル酸とを共重合したポリブチレンテレフタレー
ト共重合体。 (a−1)のポリテトラメチレングリコール共
重合ポリブチレンテレフタレートとしてはポリテ
トラメチレングリコールの共重合比率が10〜60重
量%のものが良く、共重合比率が10重量%より少
ないか60重量%より多いと該成分を混合してもポ
リブチレンテレフタレートの原糸の結節強度はほ
とんど向上しない。(a−2)のイソフタル酸共
重合ポリブチレンテレフタレートとしてはイソフ
タル酸の共重合比率が20〜60重量%の範囲内のも
のが良い。イソフタル酸の共重合比率が20重量%
より少ないか60重量%より多いとこのものを混合
しても原糸の結節強度がほとんど向上しない。
(a−3)のポリテトラメチレングリコールとイ
ソフタル酸とを共重合しポリブチレンテレフタレ
ートとしはこれを混合した原糸の結節強度の向上
効果を得るためにはポリテトラメチレングリコー
ルの共重合比率が15〜50重量%、イソフタル酸の
共重合比率が10〜25重量%の範囲内である三元共
重合体が好ましい。 ポリブチレンテレフタレートに混合するこれら
ブレンド成分の混合比率としては原糸の結節強度
の向上の効果を上げるため1重量%〜16重量%が
良く、特に2重量%〜10重量%の範囲で混合する
のがより好ましい。上記(a−1)、(a−2)、
(a−3)のポリマーのうち、ポリテトラメチレ
ングリコールを重合成分とする(a−1)と(a
−3)が特に結節強度の向上効果が大きいので好
ましい。 ポリブチレンテレフタレートの原糸の結節強度
を上げるには本発明のようにタルクを混合するの
も良い。タルクの混合比率としては0.01%〜1.0
%が良い。タルクは単独でブレンドしてもよい
が、上記3種の共重合体、特に(a−1)、(a−
3)とタルクとを混合して使用するのが原糸の結
節強度を向上させるのに好ましい。ブレンド物質
をブレンドするポリブチレンテレフタレートの重
合度は原糸の結節強度向上のためオルソクロロフ
エノールで測定した極限粘度が1.4〜3.0が良く、
紡糸・延伸した原糸の極限粘度は1.0〜2.4の範囲
のものが本発明に適用される。 ポリブチレンテレフタレートの原糸と本発明の
ようなポリテトラメチレングリコールおよび/ま
たはイソフタル酸を共重合成分とするポリブチレ
ンテレフタレートないしタルクのうち少なくとも
一種をブレンドしたポリブチレンテレフタレート
の原糸とを結節強度について比較した場合、本発
明の原糸の方が約10%大きいが、この原糸を多数
本引揃えて撚糸してつくつたトワインについて結
節部をつくり、その結節トワインについて定荷重
および定伸長で繰り返し負荷をかけて試験した結
果、本発明のような原糸を使用したトワインは従
来のポリブチレンテレフタレートの原糸によるト
ワインと比べ著しく破断しにくいものとなすこと
ができる。本発明の原糸は旋網、定置網、養殖網
などの漁網、釣糸、ロープなどに、本発明のポリ
マーからなるモノフイラメントは刺網、曳網など
の漁網、釣糸、ロープなどの用途に優れた性能を
発揮させることができる。 以下実施例により本発明を説明する。 比較例 極限粘度2.0のポリブチレンテレフタレートを
紡糸温度270℃、口金孔径0.5mmφ、口金孔数50孔
の口金を用いて900m/minで紡糸した。この紡
出糸を100℃の熱板を用いて延伸速度200m/min
で3.8倍に延伸し、引続き160℃の熱板を用いて弛
緩率5%で処理し500D−50fの原糸を巻取つた。
この原糸の結節強伸度をJIS、L1070の湿潤時の
試験方法で測定した所結節強度は3.60g/dであ
り、結節伸度は約16%であつた。 実施例 1 極限粘度2.0のポリブチレンテレフタレートに
平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール
を40重量%共重合させた極限粘度1.8の共重合ポ
リブチレンテレフタレートを5重量%ブレンド
し、このブレンドポリマーを紡糸温度27℃、口金
孔径0.5mmφ、口金孔数50孔の口金を用いて900
m/minで紡糸した。この紡出糸を100℃の熱板
を用いて延伸速度200m/minで3.8倍に延伸し、
引続き160℃の熱板を用いて弛緩率5%で処理し
500D−50fの原糸を巻取つた。この原糸の結節強
伸度をJIS、L1070の湿潤時の試験方法で測定し
た所、結節強度4.10g/dであり、結節伸度は18
%であつた。 上記の比較例の原糸と実施例1の原糸とを2本
引揃え撚係数1600で下撚りをかける。下撚りした
撚糸3本を引揃え下撚数の1/2の撚数(上撚)を
かけてトワインをつくつた。このトワインに結節
をつくり24時間水に浸漬しておいたトワインにつ
いて6Kgの荷重を繰り返しかけて切断するまでの
回数を測定した所、比較例の原糸のトワインは20
回で切断したが、実施例1の原糸のトワインは
100回でも切断せず311回で切断した。 実施例 2〜17 極限粘度2.0のポリブチレンテレフタレートに
ブレンドする物質およびそのブレンド物質の混合
比率を変更し、実施例1と同様な製法で原糸をつ
くつた。ただし原糸をつくる時の延伸倍率は原糸
結節強度が最も高くなるような延伸倍率にした。
このようにしてつくつた原糸を実施例1と同様な
条件でトワインをつくり耐疲労性の目安の一つで
ある定荷重方式による繰り返し疲労テスト(実施
例1と同条件)を行なつた。各々の特性値を下表
に示す。本発明によるものは原糸の結節強度を向
上でき、そのトワインの耐疲労性も優れたもので
あつた。 【表】
ト系繊維に関するものである。 従来漁網、ロープ、釣糸などの水産用繊維資材
にはナイロン−6などのポリアミド、ポリプロピ
レンなどのポリオレフイン、ポリエチレンテレフ
タレートなどのポリエステル、ビニロン、ポリ塩
化ビニリデンなどが使われているが耐疲労性、ふ
かれなどの性能の点で十分であるとはいえない。
例えば漁網に多く使われているナイロン−6の場
合、強力も大きく耐疲労性も良いがふかれやすい
ためふかれにくさを要求される旋網、定置網に使
用すると漁獲性が十分でない。ロープに多く使わ
れているポリプロピレンの場合、耐疲労性が十分
でなく切断しやすいきらいがある。また釣糸に多
く使われているナイロン−6は深海用釣糸に使用
する場合、ふかれやすいため釣人がねらつた位置
に釣糸をおろすことが出来にくいなどの問題があ
る。さらにポリエチレンテレフタレートはふかれ
の点では良いが耐疲労性が十分でなく旋網に使用
した場合、破網し易いといつた問題がある。また
ポリ塩化ビニリデンなどは強力面で弱く、その機
能を活かした特殊な分野で使用されているにすぎ
ない。 本発明者らは、かかる従来技術の欠点を改善す
るため、先に耐疲労性が良く、ふかれにくい繊維
素材として特殊なスペツクのポリブチレンテレフ
タレートが良いことを提案した。 本発明は、かかるポリブチレンテレフタレート
系繊維の改良に係るもので、ポリブチレンテレフ
タレート系繊維中に特定のブレンド成分を混合せ
しめた場合には、耐疲労性向上の目安となる結節
強度が大巾に向上することを知見し本発明に到達
したのである。 すなわち、本発明は、 (1) ポリブチレンテレフタレートを主成分とする
極限粘度1.0〜2.4の重合体と、下記(a)、(b)群か
ら選ばれた少なくとも一種との混合物から形成
されてなる水産資材用ポリブチレンテレフタレ
ート系繊維。 (a) ポリテトラメチレングリコールおよび/ま
たはイソフタル酸を共重合比率10〜60重量%
の範囲で共重合してなるポリブチレンテレフ
タレート、混合比率が1〜16重量%である。 (b) タルク、混合比率が0.01〜1.0重量%であ
る。 (2) 前記水産資材が、漁網、釣糸、ロープから選
ばれたものである特許請求の範囲第1項記載の
水産資材用ポリブチレンテレフタレート系繊維
である。 以下本発明を詳細に説明する。 本発明で使用するポリブチレンテレフタレート
を主成分とする重合体はポリブチレンテレフタレ
ートに限定されるものではなく、イソフタル酸、
アジピン酸などを20モル%以内で共重合させたポ
リブチレンテレフタレートでもよい。イソフタル
酸、アジピン酸などを20モル%より多く共重合さ
せたポリブチレンテレフタレート共重合体を使用
した場合は、本発明の目的とする結節強度の大き
い、すなわち耐疲労性の良い繊維を得にくいので
好ましくない。ここで耐疲労性とは実用時に繰り
返し負荷される荷重で繊維資材の強力、靭性が低
下して破壊されるのを抑制する度合いをいう。漁
網、ロープ、釣糸などの水産用繊維資材は撚糸形
態で使用されるものが多く、またこれらは漁網の
蛙又結節のように結合部を形成して使用されるも
のが多い。したがつて水産用繊維資材の耐疲労性
は繊維資材の原糸の結節強度と一義的な相関があ
る。原糸の結節強度が大きいほど耐疲労性は良く
なり実用時の破断トラブルも少なくすることがで
きる。ポリブチレンテレフタレートを主成分とす
る重合体から得られる原糸の結節強度を上げるに
は本発明のごとくポリテトラメチレングリコール
および/またはイソフタル酸を共重合成分とする
ポリブチレンテレフタレートないしタルクのうち
少なくとも一種を混合することが重要であり、こ
れにより原糸結節強度を約10%向上させることが
できる。この場合、原糸結節強度が向上する理由
は定かでないが、恐らくこれらのブレンド成分が
結晶核剤の役割りをはたし、球晶の大きさを微細
にするためと思われる。 本発明において、ポリブチレンテレフタレート
を主成分とする重合体に混合するポリテトラメチ
レングリコールおよび/またはイソフタル酸を共
重合成分とするポリブチレンテレフタレートとは
次の3種類の共重合体をいう。 (a‐1) ポリテトラメチレングリコール共重合ポリ
ブチレンテレフタレート、 (a‐2) イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタ
レート、 (a‐3) ポリテトラメチレングリコールとイソフタ
ル酸とを共重合したポリブチレンテレフタレー
ト共重合体。 (a−1)のポリテトラメチレングリコール共
重合ポリブチレンテレフタレートとしてはポリテ
トラメチレングリコールの共重合比率が10〜60重
量%のものが良く、共重合比率が10重量%より少
ないか60重量%より多いと該成分を混合してもポ
リブチレンテレフタレートの原糸の結節強度はほ
とんど向上しない。(a−2)のイソフタル酸共
重合ポリブチレンテレフタレートとしてはイソフ
タル酸の共重合比率が20〜60重量%の範囲内のも
のが良い。イソフタル酸の共重合比率が20重量%
より少ないか60重量%より多いとこのものを混合
しても原糸の結節強度がほとんど向上しない。
(a−3)のポリテトラメチレングリコールとイ
ソフタル酸とを共重合しポリブチレンテレフタレ
ートとしはこれを混合した原糸の結節強度の向上
効果を得るためにはポリテトラメチレングリコー
ルの共重合比率が15〜50重量%、イソフタル酸の
共重合比率が10〜25重量%の範囲内である三元共
重合体が好ましい。 ポリブチレンテレフタレートに混合するこれら
ブレンド成分の混合比率としては原糸の結節強度
の向上の効果を上げるため1重量%〜16重量%が
良く、特に2重量%〜10重量%の範囲で混合する
のがより好ましい。上記(a−1)、(a−2)、
(a−3)のポリマーのうち、ポリテトラメチレ
ングリコールを重合成分とする(a−1)と(a
−3)が特に結節強度の向上効果が大きいので好
ましい。 ポリブチレンテレフタレートの原糸の結節強度
を上げるには本発明のようにタルクを混合するの
も良い。タルクの混合比率としては0.01%〜1.0
%が良い。タルクは単独でブレンドしてもよい
が、上記3種の共重合体、特に(a−1)、(a−
3)とタルクとを混合して使用するのが原糸の結
節強度を向上させるのに好ましい。ブレンド物質
をブレンドするポリブチレンテレフタレートの重
合度は原糸の結節強度向上のためオルソクロロフ
エノールで測定した極限粘度が1.4〜3.0が良く、
紡糸・延伸した原糸の極限粘度は1.0〜2.4の範囲
のものが本発明に適用される。 ポリブチレンテレフタレートの原糸と本発明の
ようなポリテトラメチレングリコールおよび/ま
たはイソフタル酸を共重合成分とするポリブチレ
ンテレフタレートないしタルクのうち少なくとも
一種をブレンドしたポリブチレンテレフタレート
の原糸とを結節強度について比較した場合、本発
明の原糸の方が約10%大きいが、この原糸を多数
本引揃えて撚糸してつくつたトワインについて結
節部をつくり、その結節トワインについて定荷重
および定伸長で繰り返し負荷をかけて試験した結
果、本発明のような原糸を使用したトワインは従
来のポリブチレンテレフタレートの原糸によるト
ワインと比べ著しく破断しにくいものとなすこと
ができる。本発明の原糸は旋網、定置網、養殖網
などの漁網、釣糸、ロープなどに、本発明のポリ
マーからなるモノフイラメントは刺網、曳網など
の漁網、釣糸、ロープなどの用途に優れた性能を
発揮させることができる。 以下実施例により本発明を説明する。 比較例 極限粘度2.0のポリブチレンテレフタレートを
紡糸温度270℃、口金孔径0.5mmφ、口金孔数50孔
の口金を用いて900m/minで紡糸した。この紡
出糸を100℃の熱板を用いて延伸速度200m/min
で3.8倍に延伸し、引続き160℃の熱板を用いて弛
緩率5%で処理し500D−50fの原糸を巻取つた。
この原糸の結節強伸度をJIS、L1070の湿潤時の
試験方法で測定した所結節強度は3.60g/dであ
り、結節伸度は約16%であつた。 実施例 1 極限粘度2.0のポリブチレンテレフタレートに
平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール
を40重量%共重合させた極限粘度1.8の共重合ポ
リブチレンテレフタレートを5重量%ブレンド
し、このブレンドポリマーを紡糸温度27℃、口金
孔径0.5mmφ、口金孔数50孔の口金を用いて900
m/minで紡糸した。この紡出糸を100℃の熱板
を用いて延伸速度200m/minで3.8倍に延伸し、
引続き160℃の熱板を用いて弛緩率5%で処理し
500D−50fの原糸を巻取つた。この原糸の結節強
伸度をJIS、L1070の湿潤時の試験方法で測定し
た所、結節強度4.10g/dであり、結節伸度は18
%であつた。 上記の比較例の原糸と実施例1の原糸とを2本
引揃え撚係数1600で下撚りをかける。下撚りした
撚糸3本を引揃え下撚数の1/2の撚数(上撚)を
かけてトワインをつくつた。このトワインに結節
をつくり24時間水に浸漬しておいたトワインにつ
いて6Kgの荷重を繰り返しかけて切断するまでの
回数を測定した所、比較例の原糸のトワインは20
回で切断したが、実施例1の原糸のトワインは
100回でも切断せず311回で切断した。 実施例 2〜17 極限粘度2.0のポリブチレンテレフタレートに
ブレンドする物質およびそのブレンド物質の混合
比率を変更し、実施例1と同様な製法で原糸をつ
くつた。ただし原糸をつくる時の延伸倍率は原糸
結節強度が最も高くなるような延伸倍率にした。
このようにしてつくつた原糸を実施例1と同様な
条件でトワインをつくり耐疲労性の目安の一つで
ある定荷重方式による繰り返し疲労テスト(実施
例1と同条件)を行なつた。各々の特性値を下表
に示す。本発明によるものは原糸の結節強度を向
上でき、そのトワインの耐疲労性も優れたもので
あつた。 【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ポリブチレンテレフタレートを主成分とする
極限粘度1.0〜2.4の重合体と、下記(a)、(b)群から
選ばれた少なくとも一種との混合物から形成され
てなる水産資材用ポリブチレンテレフタレート系
繊維。 (a) ポリテトラメチレングリコールおよび/また
はイソフタル酸を共重合比率10〜60重量%の範
囲で共重合してなるポリブチレンテレフタレー
ト、混合比率が1〜16重量%である。 (b) タルク、混合比率が0.01〜1.0重量%である。 2 前記水産資材が、漁網、釣糸、ロープから選
ばれたものである特許請求の範囲第1項記載の水
産資材用ポリブチレンテレフタレート系繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6427581A JPS57183419A (en) | 1981-04-30 | 1981-04-30 | Polybutylene terephthalate fiber and fishery material therefrom |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6427581A JPS57183419A (en) | 1981-04-30 | 1981-04-30 | Polybutylene terephthalate fiber and fishery material therefrom |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57183419A JPS57183419A (en) | 1982-11-11 |
JPS6343485B2 true JPS6343485B2 (ja) | 1988-08-31 |
Family
ID=13253497
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6427581A Granted JPS57183419A (en) | 1981-04-30 | 1981-04-30 | Polybutylene terephthalate fiber and fishery material therefrom |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57183419A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5462798A (en) * | 1992-01-08 | 1995-10-31 | L'oreal | Brush for applying a liquid product as a layer on a substrate |
JP3649303B2 (ja) * | 1996-07-05 | 2005-05-18 | 東洋紡績株式会社 | 釣糸 |
-
1981
- 1981-04-30 JP JP6427581A patent/JPS57183419A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57183419A (en) | 1982-11-11 |
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