JP2738575B2 - ポリアミドシックアンドシンヤーン - Google Patents

ポリアミドシックアンドシンヤーン

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JP2738575B2 JP30655089A JP30655089A JP2738575B2 JP 2738575 B2 JP2738575 B2 JP 2738575B2 JP 30655089 A JP30655089 A JP 30655089A JP 30655089 A JP30655089 A JP 30655089A JP 2738575 B2 JP2738575 B2 JP 2738575B2
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清治 石井
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はマルチフィラメントを構成する各フィラメン
トの太さ斑がヤーンの一点に集中することなく、フィラ
メント間で太さ斑がランダムに分散されているポリアミ
ドのシックアンドシンヤーンに関するものである。
〈従来の技術〉 従来、合成繊維の未延伸糸をその自然延伸倍率近傍で
延伸すると、延伸糸中に太い繊維部分(シック部)と細
い繊維部分(シン部)が発生し、このようなヤーンは知
られている。そして、このシックアンドシンヤーンは、
その染色斑、あるいは太さ斑を利用して、雅趣のある紬
調布帛を得るために使用されている。
所で、このような自然延伸倍率近傍で延伸して得られ
たシックアンドシンヤーンには、延伸斑が局部的に集中
発生する傾向がある。そこで、ポリエステルにあっては
異繊度フィラメントの未延伸糸を特定の限定された条件
で延伸して、延伸斑を分散させる方法も提案されている
(特公昭63-36368号)。
一方、ポリアミドにあっては、太さ斑を発生させるこ
とさえはなはだ困難で、自然延伸倍率以下で延伸して得
たシックアンドシンヤーンは太さ斑を有しない部分でさ
えも繊維内部構造の分子鎖配向が不十分なため、低強度
・高伸度のヤーンとなる。従って、このようなヤーンは
織編工程での取り扱いが困難であるばかりでなく、特に
染色堅牢性が著しく劣悪となり、実用に耐え難いものと
なる。
〈本発明が解決しようとする問題点〉 本発明の目的は、従来のポリアミドフィラメントの特
性が何ら損なわれることなく、構成フィラメント間でラ
ンダムな太さ斑を有するポリアミドのシックアンドシン
ヤーンを提供することにある。
〈問題点を解決するための手段〉 本発明者らは、上記問題点を解決するため鋭意検討し
た結果、ポリアミドに微量の特殊な低融点ポリマーを添
加して通常の溶融紡糸・延伸をするとき、斑分散が実現
されることを究明し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、ポリアミドシックアンド
シンヤーンであって、 該ヤーンは不飽和カルボン酸を反応させたポリオレフ
ィンが偏在的に分散されたポリアミドで構成され、 シック部は該ヤーンの1点に集中することなく、構成
フィラメント間で分散されていることを特徴とするポリ
アミドシックアンドシンヤーンが提供される。
更に、これについて述べると、ポリアミドに微量の低
融点ポリマーを添加した溶融紡糸未延伸糸を延伸する際
に、該低融点ポリマーが偏在して多く混合されている部
分は少ない部分に比して相対的に延伸しやすくなるので
延伸太さ斑が生じる。
ここで、低融点物がポリアミドと相溶性が悪いと延伸
時糸切れが頻発するが、一方相溶性が良すぎるとほとん
ど完全混合状態になって不均一延伸ができなくなる。従
って、この低融点ポリマーとしてはポリアミドと混合し
て溶融紡糸する際、ポリアミドと適度に相溶して、適度
に偏在(つまり、事後の延伸により太さ斑を生じる程度
の相溶,偏在)するものでなければならない。そのよう
な作用を持つものとして、官能基として不飽和カルボン
酸を有するものが適し、またポリオレフィンが低融点ポ
リマーであることに着目した結果、本発明の目的に合致
した低融点ポリマーとして不飽和カルボン酸を反応させ
たポリオレフィン、いわゆる変性ポリオレフィンが適し
ていることを究明したものである。
本発明でいうポリアミドとはナイロン66,ナイロン6,
ナイロン12,あるいはそれらの共重合体等、通常の方法
により溶融紡糸一延伸してマルチフィラメントを形成し
得るもののことであり、これらポリマーは必要に応じて
艶消剤,耐熱安定剤,耐光安定剤,静電気防止剤等の添
加剤を含有していてもよいことは言うまでもない。
本発明でいうポリオレフィンとはポリプロピレン,ポ
リエチレン,および特公昭55-44108に例示されているよ
うにポリオレフィンをベースとした共重合物、更にはポ
リオクテネマーなどである。具体的にはアドマー(三井
石油化学),MODIC(三菱油化),ベステネマー(ヒュル
ス社製)などの商品名のものがあるが、その融点がナイ
ロンの融点よりも低ければ低いほど、より不均一延伸効
果が得られることからすれば、トランスポリオクテネマ
ー(融点55℃)がより好ましい。
本発明でいう不飽和カルボン酸としては、アクリル
酸,メタクリル酸,マレイン酸,フマル酸,あるいはそ
れらの無水酸、さらにはそれらの誘導体が挙げられる。
これら不飽和カルボン酸をポリオレフィンに反応させ
るためにはグラフト反応を利用する。この場合、所望の
ポリオレフィンに所望の不飽和カルボン酸を混合し、ベ
ンゾイルパーオキサイドなどのラジカル反応開始触媒を
添加し、溶融ブレンドする方法が簡便であるが、これに
制限されるものではない。ポリオレフィンがポリオクテ
ネマーの場合は特開昭62-62856号公報に示されているよ
うに、反応開始触媒が存在しなくとも該オクテネマーに
不飽和カルボン酸を混合して溶融ブレンドしただけでグ
ラフト反応する。
本発明において、ポリオレフィンの重合度、およびそ
の変性(グラフト)の度合は特に制限はないが、好まし
くは1万ないし10万の分子量で、重量100g当り0.01ない
し1.0モルの不飽和カルボン酸でもって変性すればよ
い。
本発明において、ポリアミドに対する変性ポリオレフ
ィンの混合量は0.5〜10重量%が好ましい。該量が0.5未
満ではポリオレフィンが不均一に分散され過ぎて延伸時
に不均一に延伸されず、従って太さ斑が生じ難くなる。
一方、該量が10重量%を越えるとポリオレフィンが混合
されていない部分がなくなり、やはり延伸時に不均一延
伸され難くなり、本発明の目的が達成できない。
本発明のシックアンドシンヤーンを得るに当っては、
不飽和カルボン酸で変性され、ポリアミドに対して相溶
性を持たせた低融点のポリオレフィンが構成フィラメン
ト毎にランダムに分散されつつ溶融紡糸されたポリアミ
ド未延伸糸を通常の方法で延伸すればよい。すなわち、
該未延伸糸にあって、変性ポリオレフィンの濃度(偏在
量)の高いところは伸長応力が低く、一方該濃度の低い
ところは伸長応力が高いという潜在特性を有し、しかも
その濃度分析は構成フィラメント間でランダムであるの
で、延伸によってランダムな太さ斑を有するシックアン
ドシンヤーンを得ることができる。
ここで、前記変性ポリオレフィンをポリアミド未延伸
糸の構成フィラメント間でランダムに分散させるために
は、変性ポリオレフィンのペレットをポリアミドのペレ
ットと混合して溶融紡糸する方法、ポリオレフィン,不
飽和カルボン酸,ポリアミドおよび場合によってはラジ
カル反応開始触媒を含む混合物を溶融混練し、その間に
ポリオレフィンを変性させて溶融紡糸する方法などが採
用され、その際ポリマーの溶融時間,吐出までの滞留時
間を実験的に適宜調節すればよい。
〈作用・効果〉 本発明のシックアンドシンヤーンにあっては、不飽和
カルボン酸を反応させた低融点のポリオレフィンがポリ
アミド中に不均一に分散された状態で、延伸されている
ので、該変性ポリオレフィンの偏在の程度の低い部分
は、偏在の程度の高い部分に比べて延伸比が小さく、従
って相対的に太くなってシック部を形成する。更に、こ
のシック部は染色された場合濃染性を呈するばかりでな
く、相対的に低収縮性となる。
これに対して、変性ポリオレフィンの偏在の程度の高
い部分は、淡染性でかつ収縮率が相対的に高いシン部と
なる。従って、このようなシックアンドシンヤーンから
なる生機をリラックスあるいは染色すると、シック部が
布帛の上に浮いたようになり、フィラメント毎にランダ
ムな濃淡かつ太さ斑を有するカスリ調の布帛を作ること
ができる。
本発明のシックアンドシンヤーンは他のフィラメント
糸条と引き揃えあるいは混繊して用いてもよく、あるい
は仮撚加工やエアー加工のような嵩高加工をして用いて
もシックアンドシン独特の風合を表現することができる
ことは言うまでもない。
また、本発明のシックアンドシンヤーンは変性ポリオ
レフィンが不均一に分散されているポリアミド未延伸糸
を通常の方法で延伸されて得られるのでポリアミドフィ
ラメントとしての特性も実質的に何ら損なわれることも
ない。
なお、不飽和カルボン酸を反応させたポリオレフィン
自体は、ポリアミドなどのプラスチックの耐衝撃性を改
良するために広く用いられている。しかし、本発明のよ
うに、同じ変性ポリオレフィンをポリアミドと不均一ブ
レンド紡糸するとき、事後の延伸によって延伸斑を与え
るような潜在特性を有する未延伸糸が得られること、お
よびこのような糸からシックアンドシンを得るという概
念は、上記の公知技術とは全く別の概念の発明である。
〈実施例〉 以下、実施例を掲げて、本発明を更に具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例 トランスポリオクテネマー樹脂(ヒュルス社製ベステ
ネマー8012)100(g)部に5重量部(約0.4モル)の無
水マレイン酸と0.5重量部(約0.02モル)のベンゾイル
パーオキサイドを加えてグラフト化して変性ポリオレフ
ィンを得た。次いで、該変性ポリオレフィンを相対粘度
3.1のナイロン6に1%混合してエクストルーダー型溶
融紡糸機に投入し、24ホールの口金から吐出し(滞留時
間30分)通常の方法で850m/分の速度で紡糸巻取りを行
った。巻取られた未延伸糸の自然延伸倍率は2.5倍であ
り、該糸を2.75倍で延伸したトータルデニール70de,破
断強度4.5g/de,破断伸度48%の力学特性を有し、かつ構
成フィラメント間にランダムな太さ斑を有するシックア
ンドシンヤーンが得られた。このヤーンのシック部の収
縮率がシン部のそれよりも低く、またシック部はシン部
に比べて濃染性であった。
このヤーンを経糸,緯糸に用いて製織した後、酸性染
料(シアニンG)で染色したところ、カスリ調の染色の
斑のあるまた、ナイロンのヌメリ感が消えてシャリ感の
ある織物が得られた。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアミドのシックアンドシンヤーンであ
    って、 該ヤーンは不飽和カルボン酸を反応させたポリオレフ
    ィンが偏在的に分散されたポリアミドで構成され、 シック部がヤーンの1点に集中することなく、構成フ
    ィラメント間で分散されていることを特徴とするポリア
    ミドシックアンドシンヤーン。
  2. 【請求項2】不飽和カルボン酸を反応させたポリオレフ
    ィンが、ポリオレフィン100g当り0.01〜1.0モルの不飽
    和カルボン酸を反応させたものである請求項1記載のポ
    リアミドシックアンドシンヤーン。
  3. 【請求項3】ポリオレフィンが、分子量が1万〜10万
    の、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエチレンおよ
    び/またはポリプロピレンを主体とする共重合体、およ
    びポリオクテネマーからなる群から選ばれたものである
    請求項1または2記載のポリアミドシックアンドシンヤ
    ーン。
  4. 【請求項4】ポリオクテネマーがトランスポリオクテネ
    マーである請求項1または2記載のポリアミドシックア
    ンドシンヤーン。
  5. 【請求項5】不飽和カルボン酸が、アクリル酸,メタク
    リル酸,マレイン酸,およびフマル酸からなる群から選
    ばれたものである請求項1または2記載のポリアミドシ
    ックアンドシンヤーン。
  6. 【請求項6】不飽和カルボン酸を反応させたポリオレフ
    ィンが、シック部に比べてシン部に、より多く偏在して
    いる請求項1記載のポリアミドシックアンドシンヤー
    ン。
  7. 【請求項7】シン部の沸水収縮率がシック部のそれより
    大である請求項1記載のポリアミドシックアンドシンヤ
    ーン。
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