JP3130145B2 - 変性されたエチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維、糸または繊維製品の染色方法 - Google Patents
変性されたエチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維、糸または繊維製品の染色方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱水性に優れ、且つ
深みのある良好な色調や光沢、優れた風合や外観等を有
するエチレン−ビニルアルコール系共重合体の繊維や繊
維製品の染色物を得るための染色方法に関する。詳細に
は、本発明は、特定のキレート化合物で変性処理するこ
とによって耐熱水性の改良された変性エチレン−ビニル
アルコール系共重合体繊維、糸またはそれからなる繊維
製品を、所定の化合物を含む染色浴を使用して染色する
ことによって、染色時の収縮や劣化を防止しながら、耐
熱水性、色調、光沢、風合、外観等に一層優れた染色物
を得るための染色方法に関する。
深みのある良好な色調や光沢、優れた風合や外観等を有
するエチレン−ビニルアルコール系共重合体の繊維や繊
維製品の染色物を得るための染色方法に関する。詳細に
は、本発明は、特定のキレート化合物で変性処理するこ
とによって耐熱水性の改良された変性エチレン−ビニル
アルコール系共重合体繊維、糸またはそれからなる繊維
製品を、所定の化合物を含む染色浴を使用して染色する
ことによって、染色時の収縮や劣化を防止しながら、耐
熱水性、色調、光沢、風合、外観等に一層優れた染色物
を得るための染色方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成繊維としては、ポリエステルやポリ
アミドからなる合成繊維が汎用されているが、それらの
合成繊維からなる布帛は、綿や麻等の天然繊維からなる
布帛に比較して親水性、防汚性、制電性等に劣ってお
り、風合や光沢等が単調で冷たい感じを有している。ま
た、染色した場合も羊毛、絹などの天然繊維に比べて色
調の鮮明性に劣り、色の深みが得られにくいなどの欠点
がある。
アミドからなる合成繊維が汎用されているが、それらの
合成繊維からなる布帛は、綿や麻等の天然繊維からなる
布帛に比較して親水性、防汚性、制電性等に劣ってお
り、風合や光沢等が単調で冷たい感じを有している。ま
た、染色した場合も羊毛、絹などの天然繊維に比べて色
調の鮮明性に劣り、色の深みが得られにくいなどの欠点
がある。
【0003】そのような従来の合成繊維の欠点をカバー
するものとして、エチレン−ビニルアルコール系共重合
体からなる繊維が開発されている。エチレン−ビニルア
ルコール系共重合体繊維は、分子中に水酸基をもつこと
により親水性、防汚性、制電性、染色性等がポリエステ
ル繊維やポリアミド繊維等に比べて優れているという特
長を有している。
するものとして、エチレン−ビニルアルコール系共重合
体からなる繊維が開発されている。エチレン−ビニルア
ルコール系共重合体繊維は、分子中に水酸基をもつこと
により親水性、防汚性、制電性、染色性等がポリエステ
ル繊維やポリアミド繊維等に比べて優れているという特
長を有している。
【0004】しかしながら、エチレン−ビニルアルコー
ル系共重合体繊維は、融点や軟化点が低いため、耐熱性
および耐熱水性に劣り、特に高温の熱水やスチームを用
いる処理に弱いという欠点を有する。例えば、エチレン
−ビニルアルコール系共重合体繊維からなる布帛を10
0℃以上の温度で染色したり、スチームアイロンを使用
して縫製プレスや通常のアイロンがけを行うと、エチレ
ン−ビニルアルコール系共重合体の軟化や膠着を生じ
て、布帛の風合が硬くなったり、外観が悪化するという
欠点を有する。
ル系共重合体繊維は、融点や軟化点が低いため、耐熱性
および耐熱水性に劣り、特に高温の熱水やスチームを用
いる処理に弱いという欠点を有する。例えば、エチレン
−ビニルアルコール系共重合体繊維からなる布帛を10
0℃以上の温度で染色したり、スチームアイロンを使用
して縫製プレスや通常のアイロンがけを行うと、エチレ
ン−ビニルアルコール系共重合体の軟化や膠着を生じ
て、布帛の風合が硬くなったり、外観が悪化するという
欠点を有する。
【0005】エチレン−ビニルアルコール系共重合体繊
維の上記のような欠点を改良するために、エチレン−ビ
ニルアルコール系共重合体を、エチレン−ビニルアルコ
ール系共重合体よりも耐熱性の良いポリエステル、ポリ
アミド、ポリプロピレン等の他の熱可塑性樹脂と複合し
て複合繊維を製造することが提案されている(特公昭5
6−5846号公報、特公昭55−1327号公報
等)。しかしながら、この場合にも、高温の染色浴や高
温のスチームアイロン等で処理すると、複合繊維の表面
に露出しているエチレン−ビニルアルコール系共重合体
が部分的に軟化したり膠着して、風合が硬くなる、光沢
が失われる、外観が悪化する等の品質の低下を生ずる。
維の上記のような欠点を改良するために、エチレン−ビ
ニルアルコール系共重合体を、エチレン−ビニルアルコ
ール系共重合体よりも耐熱性の良いポリエステル、ポリ
アミド、ポリプロピレン等の他の熱可塑性樹脂と複合し
て複合繊維を製造することが提案されている(特公昭5
6−5846号公報、特公昭55−1327号公報
等)。しかしながら、この場合にも、高温の染色浴や高
温のスチームアイロン等で処理すると、複合繊維の表面
に露出しているエチレン−ビニルアルコール系共重合体
が部分的に軟化したり膠着して、風合が硬くなる、光沢
が失われる、外観が悪化する等の品質の低下を生ずる。
【0006】エチレン−ビニルアルコール系共重合体成
分を含む複合繊維からなる布帛の染色を上記のような問
題が生じないようにして行うには、染色温度をエチレン
−ビニルアルコール系共重合体の軟化や膠着の生じない
90℃以下の低温にする必要があるが、複合に使用した
ポリエステル、ポリアミド等の他の熱可塑性樹脂は90
℃以下の温度では充分に染着されず、複合繊維に染色む
らを生じ、良好な染色物を得ることができない。
分を含む複合繊維からなる布帛の染色を上記のような問
題が生じないようにして行うには、染色温度をエチレン
−ビニルアルコール系共重合体の軟化や膠着の生じない
90℃以下の低温にする必要があるが、複合に使用した
ポリエステル、ポリアミド等の他の熱可塑性樹脂は90
℃以下の温度では充分に染着されず、複合繊維に染色む
らを生じ、良好な染色物を得ることができない。
【0007】
【発明の内容】上記のような状況下に、本発明者らは、
高温染色や高温のスチームアイロン処理等を行った場合
にも、エチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維の膠
着や接着、それに伴う風合の硬化、外観の悪化、光沢の
消失等のない、耐熱水安定性に優れ、ふくらみ感、ハ
リ、コシのある良好な風合を保つことができるエチレン
−ビニルアルコール系共重合体からなる繊維、複合繊
維、糸およびそれからなる布帛を得ることを目的として
研究を行ってきた。更に、本発明者らは、そのような良
好な品質を保ちつつ、鮮明で深みのある良好な色調に染
色されたエチレン−ビニルアルコール系共重合体の繊維
や繊維製品の染色物を得ることをも目的として長年研究
開発を行ってきた。
高温染色や高温のスチームアイロン処理等を行った場合
にも、エチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維の膠
着や接着、それに伴う風合の硬化、外観の悪化、光沢の
消失等のない、耐熱水安定性に優れ、ふくらみ感、ハ
リ、コシのある良好な風合を保つことができるエチレン
−ビニルアルコール系共重合体からなる繊維、複合繊
維、糸およびそれからなる布帛を得ることを目的として
研究を行ってきた。更に、本発明者らは、そのような良
好な品質を保ちつつ、鮮明で深みのある良好な色調に染
色されたエチレン−ビニルアルコール系共重合体の繊維
や繊維製品の染色物を得ることをも目的として長年研究
開発を行ってきた。
【0008】その結果、エチレン−ビニルアルコール系
共重合体からなる繊維や糸または繊維製品を、下記の式
(I);
共重合体からなる繊維や糸または繊維製品を、下記の式
(I);
【0009】
【化2】 (式中、Mはキレート形成能を有する金属原子、R1は
アルキル基、そしてXはハロゲン原子を示す)で表され
る特定のキレート化合物を用いて変性処理すると、エチ
レン−ビニルアルコール系共重合体の耐熱水性が改良さ
れること、更にそれによって得られた変性エチレン−ビ
ニルアルコール系共重合体の繊維、糸または繊維製品
を、硼酸または硼酸と強酸・強塩基の塩を含有する染色
浴を使用して染色すると、風合の硬化や光沢の消失がな
く、ふくらみ、柔軟性、ハリ、コシ等があり、鮮明で深
みのある色調を有する良好な染色物が得られることを見
出して、先に出願した(特願平4−60919号)。
アルキル基、そしてXはハロゲン原子を示す)で表され
る特定のキレート化合物を用いて変性処理すると、エチ
レン−ビニルアルコール系共重合体の耐熱水性が改良さ
れること、更にそれによって得られた変性エチレン−ビ
ニルアルコール系共重合体の繊維、糸または繊維製品
を、硼酸または硼酸と強酸・強塩基の塩を含有する染色
浴を使用して染色すると、風合の硬化や光沢の消失がな
く、ふくらみ、柔軟性、ハリ、コシ等があり、鮮明で深
みのある色調を有する良好な染色物が得られることを見
出して、先に出願した(特願平4−60919号)。
【0010】そして、本発明者らが更に研究を続けたと
ころ、上記式(I)の化合物で変性されたエチレン−ビニ
ルアルコール系共重合体の繊維、糸または繊維製品を、
硼酸または硼酸と強酸・強塩基の塩を含有する染色浴を
使用して染色するに当たって、染色浴中に更に特定のス
ルホン酸塩または硫酸エステル塩系の化合物を含有さ
せ、且つ染色浴のpHを5以下にして染色すると、高温
で染色を行っても繊維や繊維製品等の染色時の膠着、接
着、収縮、劣化などを防止でき、しかも色調、光沢、風
合、外観等に一層優れた染色物が迅速に効率よく得られ
ることを見出して本発明を完成した。
ころ、上記式(I)の化合物で変性されたエチレン−ビニ
ルアルコール系共重合体の繊維、糸または繊維製品を、
硼酸または硼酸と強酸・強塩基の塩を含有する染色浴を
使用して染色するに当たって、染色浴中に更に特定のス
ルホン酸塩または硫酸エステル塩系の化合物を含有さ
せ、且つ染色浴のpHを5以下にして染色すると、高温
で染色を行っても繊維や繊維製品等の染色時の膠着、接
着、収縮、劣化などを防止でき、しかも色調、光沢、風
合、外観等に一層優れた染色物が迅速に効率よく得られ
ることを見出して本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明は、基本骨格がエチレン
−ビニルアルコール系共重合体からなっており、共重合
体中のアルコール性水酸基が、下記の式(I);
−ビニルアルコール系共重合体からなっており、共重合
体中のアルコール性水酸基が、下記の式(I);
【0012】
【化3】 (式中、Mはキレート形成能を有する金属原子、R1は
アルキル基、そしてXはハロゲン原子を示す)で表され
る化合物の少なくとも1種によって変性されている変性
エチレン−ビニルアルコール系共重合体からなる繊維、
複合繊維、或いはそれらの繊維の少なくとも一方を構成
成分とする糸または繊維製品を、 (i) 硼酸、または硼酸と強酸・強塩基の塩;並びに (ii) (a)ナフタリンスルホン酸塩またはそのホルマリ
ン縮合物、(b)アルキル(ポリ)オキシアルキレン硫酸
エステル塩系化合物、および(c)リグニンスルホン酸塩
系化合物から選ばれる化合物の少なくとも1種;を含有
する染色浴中で、pH5以下の酸性領域で染色すること
を特徴とする、変性エチレン−ビニルアルコール系共重
合体からなる繊維、複合繊維、糸または繊維製品の染色
方法である。
アルキル基、そしてXはハロゲン原子を示す)で表され
る化合物の少なくとも1種によって変性されている変性
エチレン−ビニルアルコール系共重合体からなる繊維、
複合繊維、或いはそれらの繊維の少なくとも一方を構成
成分とする糸または繊維製品を、 (i) 硼酸、または硼酸と強酸・強塩基の塩;並びに (ii) (a)ナフタリンスルホン酸塩またはそのホルマリ
ン縮合物、(b)アルキル(ポリ)オキシアルキレン硫酸
エステル塩系化合物、および(c)リグニンスルホン酸塩
系化合物から選ばれる化合物の少なくとも1種;を含有
する染色浴中で、pH5以下の酸性領域で染色すること
を特徴とする、変性エチレン−ビニルアルコール系共重
合体からなる繊維、複合繊維、糸または繊維製品の染色
方法である。
【0013】そして、上記の染色処理は、染色浴中に更
にジルコニウム系化合物を含有させておくことによって
一層良好な結果を得ることができること、また上記した
染色処理を行う前に、変性エチレン−ビニルアルコール
系共重合体からなる繊維、複合繊維、糸または繊維製品
をその融点未満の高温下で熱処理するしておくと、一層
良好な結果が得られること、更に該変性エチレン−ビニ
ルアルコール系共重合体からなる繊維、複合繊維、糸ま
たは繊維製品を得るに当たっては、上記の式(I)で表さ
れる化合物と共に中和剤;および/またはグリセリン、
エチレングリコール、ポリエチレングリコールおよびイ
ソプロピルアルコールのうちの少なくとも1種の水酸基
含有化合物を更に含む処理剤を用いて製造するのが一層
望ましいことが判明した。
にジルコニウム系化合物を含有させておくことによって
一層良好な結果を得ることができること、また上記した
染色処理を行う前に、変性エチレン−ビニルアルコール
系共重合体からなる繊維、複合繊維、糸または繊維製品
をその融点未満の高温下で熱処理するしておくと、一層
良好な結果が得られること、更に該変性エチレン−ビニ
ルアルコール系共重合体からなる繊維、複合繊維、糸ま
たは繊維製品を得るに当たっては、上記の式(I)で表さ
れる化合物と共に中和剤;および/またはグリセリン、
エチレングリコール、ポリエチレングリコールおよびイ
ソプロピルアルコールのうちの少なくとも1種の水酸基
含有化合物を更に含む処理剤を用いて製造するのが一層
望ましいことが判明した。
【0014】したがって、本発明は、更に ○ 上記の染色処理を、硼酸、または硼酸と強酸・強塩
基の塩;上記の化合物(a)〜(c)のうちの少なくとも1
種;およびジルコニウム化合物を含有するpHが5以下
の染色浴を用いて行う方法、 ○ 変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体の繊
維、複合繊維、糸または繊維製品を融点未満の高温下で
熱処理した後に上記の染色処理を行う染色方法;並びに ○ 変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体の繊
維、複合繊維、糸または繊維製品として、式(I)の化合
物の他に、中和剤;および/またはグリセリン、エチレ
ングリコール、ポリエチレングリコールおよびイソプロ
ピルアルコールのうちの少なくとも1種の水酸基含有化
合物を更に含む処理剤を用いて処理されたものを使用す
る上記の染色方法、をも包含する。
基の塩;上記の化合物(a)〜(c)のうちの少なくとも1
種;およびジルコニウム化合物を含有するpHが5以下
の染色浴を用いて行う方法、 ○ 変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体の繊
維、複合繊維、糸または繊維製品を融点未満の高温下で
熱処理した後に上記の染色処理を行う染色方法;並びに ○ 変性エチレン−ビニルアルコール系共重合体の繊
維、複合繊維、糸または繊維製品として、式(I)の化合
物の他に、中和剤;および/またはグリセリン、エチレ
ングリコール、ポリエチレングリコールおよびイソプロ
ピルアルコールのうちの少なくとも1種の水酸基含有化
合物を更に含む処理剤を用いて処理されたものを使用す
る上記の染色方法、をも包含する。
【0015】本発明で対象としている繊維の基本骨格を
なすエチレン−ビニルアルコール系共重合体(以後「E
t/VA系共重合体」という)は、エチレンからなる繰
り返し単位の割合が30〜70モル%であり、残余がビ
ニルアルコール単独、またはビニルアルコールとその他
のビニル系モノマーの繰り返し単位からなるものが好ま
しい。
なすエチレン−ビニルアルコール系共重合体(以後「E
t/VA系共重合体」という)は、エチレンからなる繰
り返し単位の割合が30〜70モル%であり、残余がビ
ニルアルコール単独、またはビニルアルコールとその他
のビニル系モノマーの繰り返し単位からなるものが好ま
しい。
【0016】共重合体におけるエチレン単位の割合が3
0モル%よりも少ない、すなわちビニルアルコール単位
の割合が70モル%よりも多いと、繊維化する際の曳糸
性が不良となって紡糸または延伸時の単糸切れ、断糸が
多くなり、しかも柔軟性の欠けたものとなる。また、E
t/VA系共重合体と他の熱可塑性重合体とからなる複
合繊維において、他の熱可塑性重合体としてポリエチレ
ンテレフタレートのような高融点重合体を使用した場合
には通常250℃以上の高い紡糸温度を使用するが、そ
の場合にエチレン単位の割合が30モル%よりも少ない
とEt/VA系共重合体の耐熱性が不充分になり、良好
な複合繊維が得られなくなるので不都合である。
0モル%よりも少ない、すなわちビニルアルコール単位
の割合が70モル%よりも多いと、繊維化する際の曳糸
性が不良となって紡糸または延伸時の単糸切れ、断糸が
多くなり、しかも柔軟性の欠けたものとなる。また、E
t/VA系共重合体と他の熱可塑性重合体とからなる複
合繊維において、他の熱可塑性重合体としてポリエチレ
ンテレフタレートのような高融点重合体を使用した場合
には通常250℃以上の高い紡糸温度を使用するが、そ
の場合にエチレン単位の割合が30モル%よりも少ない
とEt/VA系共重合体の耐熱性が不充分になり、良好
な複合繊維が得られなくなるので不都合である。
【0017】一方、エチレン単位の割合が70モル%を
超えると、ビニルアルコール単位、すなわち水酸基の割
合が必然的に少なくなり、繊維の親水性が低下して天然
繊維様の風合が得られなくなる。それと共に、上記の式
(I)で表される化合物[以後「キレート化合物(I)」と
いう]による変性割合が減少して、目的とする耐熱水性
に優れ且つふくらみのある良好な風合を有する繊維や繊
維製品が得られなくなる。耐熱水性およびふくらみのあ
る良好な風合を有する繊維を得るという点から、Et/
VA系共重合体におけるビニルアルコール単位の割合
は、40〜70モル%であるのが特に望ましい。
超えると、ビニルアルコール単位、すなわち水酸基の割
合が必然的に少なくなり、繊維の親水性が低下して天然
繊維様の風合が得られなくなる。それと共に、上記の式
(I)で表される化合物[以後「キレート化合物(I)」と
いう]による変性割合が減少して、目的とする耐熱水性
に優れ且つふくらみのある良好な風合を有する繊維や繊
維製品が得られなくなる。耐熱水性およびふくらみのあ
る良好な風合を有する繊維を得るという点から、Et/
VA系共重合体におけるビニルアルコール単位の割合
は、40〜70モル%であるのが特に望ましい。
【0018】ここで、基本骨格をなすEt/VA系共重
合体は、架橋されていない鎖状のものであっても、また
は適当な方法によって架橋されたものであってもよい。
このEt/VA系共重合体は、エチレン/酢酸ビニル系
共重合体の酢酸ビニル部分をケン化することにより得る
ことができ、その場合のケン化度は約95%以上である
のがよい。ケン化度が低くなると共重合体の結晶性が低
下して強度等の物性が低下するだけでなく、共重合体が
軟化し易くなり、繊維化工程でトラブルが発生し、しか
も得られる繊維の風合が劣ったものになり好ましくな
い。
合体は、架橋されていない鎖状のものであっても、また
は適当な方法によって架橋されたものであってもよい。
このEt/VA系共重合体は、エチレン/酢酸ビニル系
共重合体の酢酸ビニル部分をケン化することにより得る
ことができ、その場合のケン化度は約95%以上である
のがよい。ケン化度が低くなると共重合体の結晶性が低
下して強度等の物性が低下するだけでなく、共重合体が
軟化し易くなり、繊維化工程でトラブルが発生し、しか
も得られる繊維の風合が劣ったものになり好ましくな
い。
【0019】Et/VA系共重合体としては、通常、数
平均分子量が5000〜25000、特に8000〜2
0000のものを使用するのがよい。Et/VA系共重
合体は、例えば(株)クラレよりエバールRの商品名
で、また日本合成化学工業(株)よりソアノールRの商
品名で市販されており、容易に入手可能である。しかし
ながら、市販されているエチレンと酢酸ビニルとの共重
合体を購入しそれをケン化して、またはエチレンと酢酸
ビニルからラジカル重合等によってエチレン/酢酸ビニ
ル共重合体を製造しそれをケン化して使用してもよい。
平均分子量が5000〜25000、特に8000〜2
0000のものを使用するのがよい。Et/VA系共重
合体は、例えば(株)クラレよりエバールRの商品名
で、また日本合成化学工業(株)よりソアノールRの商
品名で市販されており、容易に入手可能である。しかし
ながら、市販されているエチレンと酢酸ビニルとの共重
合体を購入しそれをケン化して、またはエチレンと酢酸
ビニルからラジカル重合等によってエチレン/酢酸ビニ
ル共重合体を製造しそれをケン化して使用してもよい。
【0020】いずれの場合も、Et/VA系共重合体中
にナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属
イオンやカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金
属イオンが存在すると、共重合体中に主鎖切断、側鎖脱
離、過度の架橋等が生じて、共重合体の熱安定性の低
下、共重合体のゲル化による紡糸時の断糸、紡糸フィル
ターの目詰まり、それに伴う紡糸パックの圧力の急上
昇、ノズル寿命の短期化等を招くので、それらのイオン
の含有量を極力少なくする(通常、約100ppm以
下、好ましくは約50ppm以下)のがよい。
にナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属
イオンやカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金
属イオンが存在すると、共重合体中に主鎖切断、側鎖脱
離、過度の架橋等が生じて、共重合体の熱安定性の低
下、共重合体のゲル化による紡糸時の断糸、紡糸フィル
ターの目詰まり、それに伴う紡糸パックの圧力の急上
昇、ノズル寿命の短期化等を招くので、それらのイオン
の含有量を極力少なくする(通常、約100ppm以
下、好ましくは約50ppm以下)のがよい。
【0021】そして、本発明で対象としている繊維、糸
および繊維製品は、Et/VA系共重合体中のアルコー
ル性水酸基が、上記キレート化合物(I)の少なくとも1
種により変性されている必要がある。Et/VA系共重
合体は、1種類のキレート化合物(I)のみによって変
性されていても、または2種類以上のキレート化合物
(I)よって変性されていてもよい。
および繊維製品は、Et/VA系共重合体中のアルコー
ル性水酸基が、上記キレート化合物(I)の少なくとも1
種により変性されている必要がある。Et/VA系共重
合体は、1種類のキレート化合物(I)のみによって変
性されていても、または2種類以上のキレート化合物
(I)よって変性されていてもよい。
【0022】キレート化合物(I)において、基R1によ
り示されるアルキル基は、炭素原子数10〜20の高級
アルキル基であるのが好ましく、特にステアリル基が好
ましい。また、キレート形成能を有する金属原子Mとし
ては、クロム、鉄、ジルコニウム、コバルト、ニッケ
ル、チタン、アルミニウム、錫等の金属原子を挙げるこ
とができ、クロムの場合はキレート化合物(I)の熱安定
性が優れたものとなる。ハロゲン原子Xは塩素、ヨウ
素、臭素またはフッ素であるが、塩素が好ましい。キレ
ート化合物(I)の好ましい具体例としては、下記の式(I
a);
り示されるアルキル基は、炭素原子数10〜20の高級
アルキル基であるのが好ましく、特にステアリル基が好
ましい。また、キレート形成能を有する金属原子Mとし
ては、クロム、鉄、ジルコニウム、コバルト、ニッケ
ル、チタン、アルミニウム、錫等の金属原子を挙げるこ
とができ、クロムの場合はキレート化合物(I)の熱安定
性が優れたものとなる。ハロゲン原子Xは塩素、ヨウ
素、臭素またはフッ素であるが、塩素が好ましい。キレ
ート化合物(I)の好ましい具体例としては、下記の式(I
a);
【0023】
【化4】 で表される化合物[以後「化合物(Ia)」という]を挙げ
ることができ、この化合物(Ia)は、一方社油脂製の「ゼ
ブランCR−N」(商品名)等として入手可能である。
ることができ、この化合物(Ia)は、一方社油脂製の「ゼ
ブランCR−N」(商品名)等として入手可能である。
【0024】キレート化合物(I)によってEt/VA系
共重合体繊維の変性処理を行った場合には、脱塩酸反応
が生ずることから、変性後の繊維、糸および繊維製品で
は、Et/VA系共重合体中のアルコール性水酸基とキ
レート化合物(I)中の金属原子に結合している4個のハ
ロゲン原子Xのうちの少なくとも1個との間に結合が生
じて、該アルコール性水酸基の酸素原子を介して、下記
の式(II);
共重合体繊維の変性処理を行った場合には、脱塩酸反応
が生ずることから、変性後の繊維、糸および繊維製品で
は、Et/VA系共重合体中のアルコール性水酸基とキ
レート化合物(I)中の金属原子に結合している4個のハ
ロゲン原子Xのうちの少なくとも1個との間に結合が生
じて、該アルコール性水酸基の酸素原子を介して、下記
の式(II);
【0025】
【化5】 (式中、R1およびMは上記と同じであり、〜は残
りの結合手を示す)で表れる基によってEt/VA系共
重合体が変性されているものと判断される。
りの結合手を示す)で表れる基によってEt/VA系共
重合体が変性されているものと判断される。
【0026】上記の式(II)で表される基において、残り
の結合手〜については、Et/VA系共重合体中の
別のアルコール性水酸基と酸素原子を介して結合してい
る場合、水酸基である場合、もう一つの隣のキレート化
合物(I)の結合手〜のいずれかと結合してキレート
化合物(I)の重合物状となっている場合、またはそれら
が混在している場合が考えられる。いずれの場合も、キ
レート化合物(I)はEt/VA系共重合体と化学結合し
てEt/VA系共重合体中に強固に結合含有されてお
り、洗濯や染色等の処理を行ってもEt/VA系共重合
体から簡単に離脱しない。そして、キレート化合物(I)
がEt/VA系共重合体中のアルコール性水酸基と結合
すると同時に該残りの結合手〜によりキレート化合
物(I)の重合物を形成している場合には、Et/VA
系共重合体の繊維の表面にキレート化合物(I)の被膜
が形成されることになる。
の結合手〜については、Et/VA系共重合体中の
別のアルコール性水酸基と酸素原子を介して結合してい
る場合、水酸基である場合、もう一つの隣のキレート化
合物(I)の結合手〜のいずれかと結合してキレート
化合物(I)の重合物状となっている場合、またはそれら
が混在している場合が考えられる。いずれの場合も、キ
レート化合物(I)はEt/VA系共重合体と化学結合し
てEt/VA系共重合体中に強固に結合含有されてお
り、洗濯や染色等の処理を行ってもEt/VA系共重合
体から簡単に離脱しない。そして、キレート化合物(I)
がEt/VA系共重合体中のアルコール性水酸基と結合
すると同時に該残りの結合手〜によりキレート化合
物(I)の重合物を形成している場合には、Et/VA
系共重合体の繊維の表面にキレート化合物(I)の被膜
が形成されることになる。
【0027】キレート化合物(I)によるEt/VA系共
重合体繊維の変性割合は、共重合体中のビニルアルコー
ル単位のモル数に基づいて、0.05〜2モル%とする
のがよく、特に0.2〜0.8モル%とするのがよい。
ここでいうビニルアルコール単位のモル数とは、ケン化
したビニルアルコール単位、未ケン化の酢酸ビニル単
位、およびビニルアルコールの水酸基がアセタール化等
によってエーテル基等になっている場合はそのような基
の合計モル数をいう。
重合体繊維の変性割合は、共重合体中のビニルアルコー
ル単位のモル数に基づいて、0.05〜2モル%とする
のがよく、特に0.2〜0.8モル%とするのがよい。
ここでいうビニルアルコール単位のモル数とは、ケン化
したビニルアルコール単位、未ケン化の酢酸ビニル単
位、およびビニルアルコールの水酸基がアセタール化等
によってエーテル基等になっている場合はそのような基
の合計モル数をいう。
【0028】キレート化合物(I)による変性割合が0.
05モル%未満であると、Et/VA系共重合体からな
る繊維に良好な耐熱水性を付与することができず、例え
ば染色時の温度を95℃以上とした場合に、繊維の収縮
や膠着が大きくなり、良好な風合、光沢、外観等を得ら
れにくい。一方、キレート化合物(I)による変性割合が
2モル%を超えると、Et/VA系共重合体からなる繊
維が粗硬となり、染色性も低下して風合および外観が悪
くなる。
05モル%未満であると、Et/VA系共重合体からな
る繊維に良好な耐熱水性を付与することができず、例え
ば染色時の温度を95℃以上とした場合に、繊維の収縮
や膠着が大きくなり、良好な風合、光沢、外観等を得ら
れにくい。一方、キレート化合物(I)による変性割合が
2モル%を超えると、Et/VA系共重合体からなる繊
維が粗硬となり、染色性も低下して風合および外観が悪
くなる。
【0029】キレート化合物(I)による変性は、Et/
VA系共重合体から溶融紡糸によって繊維または複合繊
維を製造し、必要に応じてそれらの繊維から更に糸また
は布帛等の繊維製品を形成した後、または市販のEt/
VA系共重合体繊維、糸、繊維製品等を使用して、それ
らをキレート化合物(I)を含有する処理剤で処理するこ
とにより行う。通常、該処理剤は水溶液の形態にしてお
くのがよく、水溶液にして用いる場合は、キレート化合
物(I)の濃度が約0.3〜5%の範囲になるようにする
のが風合および外観の点から好ましい。
VA系共重合体から溶融紡糸によって繊維または複合繊
維を製造し、必要に応じてそれらの繊維から更に糸また
は布帛等の繊維製品を形成した後、または市販のEt/
VA系共重合体繊維、糸、繊維製品等を使用して、それ
らをキレート化合物(I)を含有する処理剤で処理するこ
とにより行う。通常、該処理剤は水溶液の形態にしてお
くのがよく、水溶液にして用いる場合は、キレート化合
物(I)の濃度が約0.3〜5%の範囲になるようにする
のが風合および外観の点から好ましい。
【0030】その場合に、処理剤中に、キレート化合物
(I)や、該キレート化合物(I)と水との反応により生成
した塩酸等を中和するため、または生成した塩酸により
金属製の処理容器が腐食するのを防ぐために中和剤を含
有させておくと、処理剤の安定性が増し望ましい。中和
剤としては、ヘキサメチレンテトラミン、水酸化ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム等を挙げることができ、加熱安定
性の点からヘキサメチレンテトラミンが好ましい。中和
剤の使用量は、キレート化合物(I)の重量に基づいて
2〜10重量%、特に4〜6重量%とするのがよい。
(I)や、該キレート化合物(I)と水との反応により生成
した塩酸等を中和するため、または生成した塩酸により
金属製の処理容器が腐食するのを防ぐために中和剤を含
有させておくと、処理剤の安定性が増し望ましい。中和
剤としては、ヘキサメチレンテトラミン、水酸化ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム等を挙げることができ、加熱安定
性の点からヘキサメチレンテトラミンが好ましい。中和
剤の使用量は、キレート化合物(I)の重量に基づいて
2〜10重量%、特に4〜6重量%とするのがよい。
【0031】Et/VA系共重合体からなる繊維、複合
繊維、糸または繊維製品をキレート化合物(I)で変性処
理する際の処理操作は限定されず、Et/VA系共重合
体の変性が円滑に行われる方法であればいずれも使用で
きる。そのうちでも、パッドマングル絞り法またはコー
ルドバッチ法で行うのがよい。パッドマングル絞り法に
よる場合は、Et/VA系共重合体からなる繊維、複合
繊維、糸または繊維製品を、キレート化合物(I)を含む
処理剤(処理浴)中に40℃以下の温度で所定時間振動
を与えながら予め浸漬処理してEt/VA系共重合体を
膨潤させて処理剤を繊維中に均一に拡散させ、ついでパ
ッドマングル絞りを行うと、ふくらみ感を与えることが
できる。また、コールドバッチ法による場合は、上記の
浸漬液を用いてパッドマングル絞りを行って絞られた繊
維、複合繊維、糸または繊維製品を、そこに残留付着し
ている処理液が蒸発しないような密閉雰囲気中で40℃
以下の温度で放置すると、同様にふくらみ感を与えるこ
とができる。
繊維、糸または繊維製品をキレート化合物(I)で変性処
理する際の処理操作は限定されず、Et/VA系共重合
体の変性が円滑に行われる方法であればいずれも使用で
きる。そのうちでも、パッドマングル絞り法またはコー
ルドバッチ法で行うのがよい。パッドマングル絞り法に
よる場合は、Et/VA系共重合体からなる繊維、複合
繊維、糸または繊維製品を、キレート化合物(I)を含む
処理剤(処理浴)中に40℃以下の温度で所定時間振動
を与えながら予め浸漬処理してEt/VA系共重合体を
膨潤させて処理剤を繊維中に均一に拡散させ、ついでパ
ッドマングル絞りを行うと、ふくらみ感を与えることが
できる。また、コールドバッチ法による場合は、上記の
浸漬液を用いてパッドマングル絞りを行って絞られた繊
維、複合繊維、糸または繊維製品を、そこに残留付着し
ている処理液が蒸発しないような密閉雰囲気中で40℃
以下の温度で放置すると、同様にふくらみ感を与えるこ
とができる。
【0032】上記の40℃以下の温度での浸漬処理時
に、処理浴中に、グリセリン、エチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、イソプロピルアルコールから選
ばれる少なくとも1種の水酸基含有化合物を、キレート
化合物(I)の10重量%以下の量で添加しておくと、E
t/VA系共重合体の膨潤、Et/VA系共重合体中へ
のキレート化合物(I)の拡散・浸透を促進させることが
でき、その結果処理時間の短縮およびキレート化合物
(I)による変性割合の向上を図ることができ、ふくらみ
感のある良好な繊維や繊維製品を短時間で得ることがで
きる。上記の水酸基含有化合物の使用割合が10重量%
を超えると、得られる繊維や繊維製品の耐熱水性が逆に
低下するので好ましくない。
に、処理浴中に、グリセリン、エチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、イソプロピルアルコールから選
ばれる少なくとも1種の水酸基含有化合物を、キレート
化合物(I)の10重量%以下の量で添加しておくと、E
t/VA系共重合体の膨潤、Et/VA系共重合体中へ
のキレート化合物(I)の拡散・浸透を促進させることが
でき、その結果処理時間の短縮およびキレート化合物
(I)による変性割合の向上を図ることができ、ふくらみ
感のある良好な繊維や繊維製品を短時間で得ることがで
きる。上記の水酸基含有化合物の使用割合が10重量%
を超えると、得られる繊維や繊維製品の耐熱水性が逆に
低下するので好ましくない。
【0033】キレート化合物(I)で変性処理を行ったE
t/VA系共重合体からなる繊維、複合繊維、糸および
繊維製品は、次に通常100℃以下の温度で乾燥して水
分等を蒸発させる。次いで、100℃以上で且つEt/
VA系共重合体の融点未満の温度で熱処理を行い、変性
処理を完了せしめる。
t/VA系共重合体からなる繊維、複合繊維、糸および
繊維製品は、次に通常100℃以下の温度で乾燥して水
分等を蒸発させる。次いで、100℃以上で且つEt/
VA系共重合体の融点未満の温度で熱処理を行い、変性
処理を完了せしめる。
【0034】その場合に、キレート化合物(I)による変
性処理の前に、Et/VA系共重合体の繊維、複合繊
維、糸または繊維製品を、Et/VA系共重合体の融点
未満の高温下、好ましくは100℃以上で且つEt/V
A系共重合体の融点よりも5〜10℃低い温度以下の温
度で更に熱処理すると、その耐熱水性が一層向上するの
で好ましい。熱処理温度が100℃未満であると、熱処
理による耐熱水性の向上効果が小さい。その際の熱処理
は、乾熱処理(赤外線加熱、湿分を含まない熱風加熱
等)、加熱蒸気処理、高圧スチーマ処理、水蒸気の存在
下における高周波加熱等により行うことができ、そのう
ちでも乾熱処理が熱処理による耐熱水性向上効果および
キレート化合物(I)とEt/VA系共重合体との反応性
を良好に保つことができる点で望ましい。
性処理の前に、Et/VA系共重合体の繊維、複合繊
維、糸または繊維製品を、Et/VA系共重合体の融点
未満の高温下、好ましくは100℃以上で且つEt/V
A系共重合体の融点よりも5〜10℃低い温度以下の温
度で更に熱処理すると、その耐熱水性が一層向上するの
で好ましい。熱処理温度が100℃未満であると、熱処
理による耐熱水性の向上効果が小さい。その際の熱処理
は、乾熱処理(赤外線加熱、湿分を含まない熱風加熱
等)、加熱蒸気処理、高圧スチーマ処理、水蒸気の存在
下における高周波加熱等により行うことができ、そのう
ちでも乾熱処理が熱処理による耐熱水性向上効果および
キレート化合物(I)とEt/VA系共重合体との反応性
を良好に保つことができる点で望ましい。
【0035】Et/VA系共重合体からなる繊維、複合
繊維、糸および布帛に対して熱処理を施す場合は、無緊
張状態で行うと、繊維や糸条における捲縮の発現や布帛
を構成する糸条のバルク化をもたらすことができ、また
織ウエーブを高めることができて、ふくらみのある製品
を得ることができる。
繊維、糸および布帛に対して熱処理を施す場合は、無緊
張状態で行うと、繊維や糸条における捲縮の発現や布帛
を構成する糸条のバルク化をもたらすことができ、また
織ウエーブを高めることができて、ふくらみのある製品
を得ることができる。
【0036】そして、本発明では、キレート化合物(I)
により変性され、必要に応じて更に高温下で熱処理した
変性Et/VA系共重合体の繊維、複合繊維、糸または
繊維製品を、(i)硼酸、または硼酸と強酸・強塩基の
塩;並びに(ii)(a)ナフタリンスルホン酸塩またはそ
のホルマリン縮合物[以後「化合物(a)」という]、
(b)アルキル(ポリ)オキシアルキレン硫酸エステル塩
系化合物[以後「化合物(b)」という]、および(c)リ
グニンスルホン酸塩系化合物[以後「化合物(c)」とい
う]から選ばれる化合物の少なくとも1種;を含有する
染色浴中で、pH5以下の酸性領域で染色する。
により変性され、必要に応じて更に高温下で熱処理した
変性Et/VA系共重合体の繊維、複合繊維、糸または
繊維製品を、(i)硼酸、または硼酸と強酸・強塩基の
塩;並びに(ii)(a)ナフタリンスルホン酸塩またはそ
のホルマリン縮合物[以後「化合物(a)」という]、
(b)アルキル(ポリ)オキシアルキレン硫酸エステル塩
系化合物[以後「化合物(b)」という]、および(c)リ
グニンスルホン酸塩系化合物[以後「化合物(c)」とい
う]から選ばれる化合物の少なくとも1種;を含有する
染色浴中で、pH5以下の酸性領域で染色する。
【0037】上記の特定の染色浴を用いることによっ
て、例えば浴温度95℃以上で染色処理を行っても、繊
維の膠着や接着、過大な収縮、劣化などを一層良好に防
止することができ、しかも深みのある良好な色調および
光沢を有する、風合、外観などに極めて優れた染色物を
得ることができる。特に、撚数の大きい糸、またはそれ
を用いた布帛などの繊維製品の場合は、撚数が多いこと
に起因して繊維の収束が大きく、そのために染色時の高
温により繊維間に過度の接着や膠着を生じ易いが、上記
特定の染色浴を用いる本発明の場合は、そのような繊維
間の過度の接着や膠着が防止されて、解撚力を発現させ
ることが可能になり、ふくらみ感のある良好な風合と共
に染料の染着率の一層の向上を図ることができ、色調、
風合、外観などの全てに一層優れた染色物を得ることが
できる。
て、例えば浴温度95℃以上で染色処理を行っても、繊
維の膠着や接着、過大な収縮、劣化などを一層良好に防
止することができ、しかも深みのある良好な色調および
光沢を有する、風合、外観などに極めて優れた染色物を
得ることができる。特に、撚数の大きい糸、またはそれ
を用いた布帛などの繊維製品の場合は、撚数が多いこと
に起因して繊維の収束が大きく、そのために染色時の高
温により繊維間に過度の接着や膠着を生じ易いが、上記
特定の染色浴を用いる本発明の場合は、そのような繊維
間の過度の接着や膠着が防止されて、解撚力を発現させ
ることが可能になり、ふくらみ感のある良好な風合と共
に染料の染着率の一層の向上を図ることができ、色調、
風合、外観などの全てに一層優れた染色物を得ることが
できる。
【0038】その際に、染色浴に硼酸を単独で加える場
合は硼酸の濃度を2g/リットル以上とするのがよく、
5g/リットル以上がより好ましい。また硼酸と強酸・
強塩基の塩の両方を加える場合は、硼酸の濃度を1g/
リットル以上、強酸・強塩基の塩の濃度を1g/リット
ル以上とするのが好ましい。上記の濃度よりも低いと、
Et/VA系共重合体繊維を110℃以上の温度で高温
高圧染色した場合に該繊維の膠着、収縮、劣化等が生じ
易い。硼酸と組み合わせて使用し得る強酸・強塩基の塩
としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリ
ウム、塩化カリウム等を挙げることができ、硫酸ナトリ
ウムが好ましい。
合は硼酸の濃度を2g/リットル以上とするのがよく、
5g/リットル以上がより好ましい。また硼酸と強酸・
強塩基の塩の両方を加える場合は、硼酸の濃度を1g/
リットル以上、強酸・強塩基の塩の濃度を1g/リット
ル以上とするのが好ましい。上記の濃度よりも低いと、
Et/VA系共重合体繊維を110℃以上の温度で高温
高圧染色した場合に該繊維の膠着、収縮、劣化等が生じ
易い。硼酸と組み合わせて使用し得る強酸・強塩基の塩
としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリ
ウム、塩化カリウム等を挙げることができ、硫酸ナトリ
ウムが好ましい。
【0039】更に、硼酸または硼酸と強酸・強塩基の塩
と共存させる化合物(a)の好ましい例としては、下記の
式(III);
と共存させる化合物(a)の好ましい例としては、下記の
式(III);
【0040】
【化6】 (式中、R2は水素またはアルキル基、Zはアルカリ金
属、mは0または1以上の数を示す)で表されるナフタ
リンスルホン酸塩またはそのホルマリン縮合物を挙げる
ことができる。
属、mは0または1以上の数を示す)で表されるナフタ
リンスルホン酸塩またはそのホルマリン縮合物を挙げる
ことができる。
【0041】式(III)で表される化合物(a)において、
R2は水素または炭素数1〜5のアルキル基、Zはナト
リウムまたはカリウム、mは1〜10、特に1〜5であ
るのが好ましい。式(III)で表される化合物(a)の具体
例としては、β−ナフタリンスルホン酸ナトリウムのホ
ルマリン縮合物、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリ
ウムのホルマリン縮合物などを挙げることができる。
R2は水素または炭素数1〜5のアルキル基、Zはナト
リウムまたはカリウム、mは1〜10、特に1〜5であ
るのが好ましい。式(III)で表される化合物(a)の具体
例としては、β−ナフタリンスルホン酸ナトリウムのホ
ルマリン縮合物、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリ
ウムのホルマリン縮合物などを挙げることができる。
【0042】化合物(b)の好ましい例としては、下記の
式(IV);
式(IV);
【0043】
【化7】 (式中、R3はアルキル基またはアルコキシル基、Zはア
ルカリ金属、pは0または1以上の数、qは1以上の数
を示す)で表されるアルキル(ポリ)オキシアルキレン
硫酸エステル塩系化合物が好ましい。
ルカリ金属、pは0または1以上の数、qは1以上の数
を示す)で表されるアルキル(ポリ)オキシアルキレン
硫酸エステル塩系化合物が好ましい。
【0044】式(IV)で表される化合物(c)において、R
3は炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシル
基、Zはナトリウムまたはカリウム、pは1〜25、q
は10〜30の数であるのが好ましい。式(IV)で表され
る化合物(c)の具体例としては、メチルポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレン硫酸エステルナトリウム、メ
トキシポリオキシエチレンポリオキシプロピレン硫酸エ
ステルナトリウム、ドデシルポリオキシエチレン硫酸エ
ステルナトリウムなどを挙げることができる。
3は炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシル
基、Zはナトリウムまたはカリウム、pは1〜25、q
は10〜30の数であるのが好ましい。式(IV)で表され
る化合物(c)の具体例としては、メチルポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレン硫酸エステルナトリウム、メ
トキシポリオキシエチレンポリオキシプロピレン硫酸エ
ステルナトリウム、ドデシルポリオキシエチレン硫酸エ
ステルナトリウムなどを挙げることができる。
【0045】化合物(c)(リグニンスルホン酸塩)は界
面活性剤や分散剤として従来から知られており、主にパ
ルプ製造廃液を原料として製造されるが、本発明では化
合物(c)として、そのようなリグニンスルホン酸塩のい
ずれもが使用できる。
面活性剤や分散剤として従来から知られており、主にパ
ルプ製造廃液を原料として製造されるが、本発明では化
合物(c)として、そのようなリグニンスルホン酸塩のい
ずれもが使用できる。
【0046】染色浴は、化合物(a)〜化合物(c)のうち
の1種類のみを含有していても、または2種以上を含有
していてもよい。染色浴における化合物(a)〜化合物
(c)の濃度は、染色浴中に導入される被染色繊維、糸ま
たは繊維製品の重量に基づいて、約0.1重量%以上に
なるような濃度にするのがよく、特に0.5重量%以上
にするのがよい。また、その際に染色浴のpHを5以下
にすることが必要であり、pHを4.5以下にするのが
より好ましい。
の1種類のみを含有していても、または2種以上を含有
していてもよい。染色浴における化合物(a)〜化合物
(c)の濃度は、染色浴中に導入される被染色繊維、糸ま
たは繊維製品の重量に基づいて、約0.1重量%以上に
なるような濃度にするのがよく、特に0.5重量%以上
にするのがよい。また、その際に染色浴のpHを5以下
にすることが必要であり、pHを4.5以下にするのが
より好ましい。
【0047】染色浴における化合物(a)、化合物(b)、
化合物(c)の濃度が上記した0.1重量%よりも低く、
そして染色浴のpHが5よりも高いと、キレート化合物
(I)で変性されたEt/VA系共重合体の繊維、糸また
は繊維製品を特に130℃以上の高温高圧で染色する場
合に繊維の膠着、収縮、劣化などが生じ易くなり、良好
な風合や外観を有する染色物が得られにくくなる。
化合物(c)の濃度が上記した0.1重量%よりも低く、
そして染色浴のpHが5よりも高いと、キレート化合物
(I)で変性されたEt/VA系共重合体の繊維、糸また
は繊維製品を特に130℃以上の高温高圧で染色する場
合に繊維の膠着、収縮、劣化などが生じ易くなり、良好
な風合や外観を有する染色物が得られにくくなる。
【0048】そして、Et/VA系共重合体の繊維、糸
または繊維製品におけるキレート化合物(I)による変性
割合が、例えば約0.2〜0.5モル%というように低
い場合には、上記した化合物(a)〜化合物(c)と共に、
更にジルコニウム化合物を染色浴中に含有させておく
と、120℃以上の高温で染色を行った場合にも、繊維
の膠着、収縮、劣化などが防止されて、風合、色調およ
び外観の極めて良好な染色物を得ることができる。その
場合のジルコニウム化合物としては、オキシ塩化ジルコ
ニウムなどの無機ジルコニウム化合物;酢酸ジルコニウ
ムなどの有機酸のジルコニウム塩が好ましい。染色浴に
おけるジルコニウム化合物の濃度は、染色浴中に導入さ
れる被染色繊維、糸または繊維製品の重量に基づいて、
約1重量%以上するのがよく、5重量%以上が一層望ま
しい。
または繊維製品におけるキレート化合物(I)による変性
割合が、例えば約0.2〜0.5モル%というように低
い場合には、上記した化合物(a)〜化合物(c)と共に、
更にジルコニウム化合物を染色浴中に含有させておく
と、120℃以上の高温で染色を行った場合にも、繊維
の膠着、収縮、劣化などが防止されて、風合、色調およ
び外観の極めて良好な染色物を得ることができる。その
場合のジルコニウム化合物としては、オキシ塩化ジルコ
ニウムなどの無機ジルコニウム化合物;酢酸ジルコニウ
ムなどの有機酸のジルコニウム塩が好ましい。染色浴に
おけるジルコニウム化合物の濃度は、染色浴中に導入さ
れる被染色繊維、糸または繊維製品の重量に基づいて、
約1重量%以上するのがよく、5重量%以上が一層望ま
しい。
【0049】また、本発明の染色方法では、限定される
ものではないが、染色浴の温度を90℃以上で行うの
が、染色を短時間で行うことができ、しかも繊維への染
料の染着率が高くなって、深みのある良好な色調を有す
る染色物が得られるので好ましく、染色浴の温度を11
0〜110℃程度にしておくのが特に好ましい。
ものではないが、染色浴の温度を90℃以上で行うの
が、染色を短時間で行うことができ、しかも繊維への染
料の染着率が高くなって、深みのある良好な色調を有す
る染色物が得られるので好ましく、染色浴の温度を11
0〜110℃程度にしておくのが特に好ましい。
【0050】更に、上記の染色処理を行う前に、式(I)
の化合物で変性されたエチレン−ビニルアルコール系共
重合体からなる繊維、複合繊維、糸または繊維製品を、
その融点未満の高温下で熱処理しておくと、染色時の繊
維、糸または繊維製品の膠着、収縮、劣化を一層防止す
ることができ、より望ましい。
の化合物で変性されたエチレン−ビニルアルコール系共
重合体からなる繊維、複合繊維、糸または繊維製品を、
その融点未満の高温下で熱処理しておくと、染色時の繊
維、糸または繊維製品の膠着、収縮、劣化を一層防止す
ることができ、より望ましい。
【0051】本発明の染色方法は、Et/VA系共重合
体と高温染色が必要なポリエステル等の他の熱可塑性樹
脂とからなる複合繊維に対しても極めて有効である。例
えば、通常のポリエステル単独繊維では高温の染色温度
が採用されており、Et/VA系共重合体とポリエステ
ルとからなる複合繊維においても、ポリエステル側の染
色を良好に行うためには、染色浴の温度を110℃以
上、好ましくは120℃以上とするのがよいとされてい
る。
体と高温染色が必要なポリエステル等の他の熱可塑性樹
脂とからなる複合繊維に対しても極めて有効である。例
えば、通常のポリエステル単独繊維では高温の染色温度
が採用されており、Et/VA系共重合体とポリエステ
ルとからなる複合繊維においても、ポリエステル側の染
色を良好に行うためには、染色浴の温度を110℃以
上、好ましくは120℃以上とするのがよいとされてい
る。
【0052】キレート化合物(I)で変性処理し、場合に
より上記の高温熱処理を施したEt/VA系共重合体と
ポリエステルとからなる本発明の複合繊維またはそれか
らなる布帛等を、硼酸または硼酸と強酸・強塩基の塩、
化合物(a)〜化合物(c)のうちの少なくとも1種の化合
物、および場合により更にジルコニウム化合物を含有す
るpH5以下の染色浴を使用して110℃以上の高温下
で染色を行うことにより、Et/VA系共重合体および
ポリエステルへの染料の染着が一層良好になり、鮮明な
色調に仕上げることができる。それと共に、複合繊維を
構成するEt/VA系共重合体部分での膠着、収縮、劣
化等が生じないことにより、染色時の白化現象、硬化等
がなくなり、光沢、風合および外観の良好な染色物を得
ることができる。
より上記の高温熱処理を施したEt/VA系共重合体と
ポリエステルとからなる本発明の複合繊維またはそれか
らなる布帛等を、硼酸または硼酸と強酸・強塩基の塩、
化合物(a)〜化合物(c)のうちの少なくとも1種の化合
物、および場合により更にジルコニウム化合物を含有す
るpH5以下の染色浴を使用して110℃以上の高温下
で染色を行うことにより、Et/VA系共重合体および
ポリエステルへの染料の染着が一層良好になり、鮮明な
色調に仕上げることができる。それと共に、複合繊維を
構成するEt/VA系共重合体部分での膠着、収縮、劣
化等が生じないことにより、染色時の白化現象、硬化等
がなくなり、光沢、風合および外観の良好な染色物を得
ることができる。
【0053】本発明において変性Et/VA系共重合体
と他の熱可塑性樹脂との複合繊維を使用する場合は、変
性Et/VA系共重合体:他の熱可塑性重合体の複合割
合が、重量比率で、10:90〜90:10のものを使
用するのが望ましい。この範囲外であると、複合比率が
アンバランスになり紡糸性が不良になり易い。複合繊維
に使用する他の熱可塑性重合体としては、耐熱性、寸法
安定性の点から、融点が150℃以上の結晶性の熱可塑
性重合体を用いるのが好ましく、その代表例として繊維
形成性のポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、
ポリ塩化ビニル等を挙げることができる。
と他の熱可塑性樹脂との複合繊維を使用する場合は、変
性Et/VA系共重合体:他の熱可塑性重合体の複合割
合が、重量比率で、10:90〜90:10のものを使
用するのが望ましい。この範囲外であると、複合比率が
アンバランスになり紡糸性が不良になり易い。複合繊維
に使用する他の熱可塑性重合体としては、耐熱性、寸法
安定性の点から、融点が150℃以上の結晶性の熱可塑
性重合体を用いるのが好ましく、その代表例として繊維
形成性のポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、
ポリ塩化ビニル等を挙げることができる。
【0054】ポリエステルとしては、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸、フタ
ル酸、α,β−(4−カルボキシフェノキシ)エタン、
4,4’−ジカルボキシジフェニ−ル、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、またはこれら
のエステル類と、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、1,4−ブタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジ
オ−ル、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−
1,4−ジメタノ−ル、ポリエチレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコール等のジオール化合物とから合
成される繊維形成性のポリエステルを使用することがで
き、構成単位の80モル%以上、特に90モル%以上が
エチレンテレフタレート単位および/またはブチレンテ
レフタレート単位からなるポリエステルが好ましい。ま
た、ポリアミドとしては、ナイロン4、ナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン12等を使用することができ、更
にポリオレフィンとしてはポリプロピレン、エチレン/
プロピレン共重合体等を使用することができる。
ソフタル酸、ナフタリン−2,6−ジカルボン酸、フタ
ル酸、α,β−(4−カルボキシフェノキシ)エタン、
4,4’−ジカルボキシジフェニ−ル、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、またはこれら
のエステル類と、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、1,4−ブタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジ
オ−ル、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−
1,4−ジメタノ−ル、ポリエチレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコール等のジオール化合物とから合
成される繊維形成性のポリエステルを使用することがで
き、構成単位の80モル%以上、特に90モル%以上が
エチレンテレフタレート単位および/またはブチレンテ
レフタレート単位からなるポリエステルが好ましい。ま
た、ポリアミドとしては、ナイロン4、ナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン12等を使用することができ、更
にポリオレフィンとしてはポリプロピレン、エチレン/
プロピレン共重合体等を使用することができる。
【0055】複合繊維における複合形態は、芯鞘型、海
島型、貼合型、それらの混在型等の任意の形態にするこ
とができる。芯鞘型の場合は2層芯鞘型および3層以上
の多層芯鞘型のいずれでもよい。また海島型の場合は、
島の形状、数、分散状態を任意に選ぶことができ、島の
一部が繊維表面に露出していてもよい。更に、貼合型の
場合は、繊維の長さ方向に直角な繊維断面において、貼
合面が直線状、円弧状またはその他任意のランダムな曲
線状のいずれの状態になっていてもよく、更に複数の貼
合部分が互いに平行になっていても、放射状になってい
ても、その他任意の形状であってもよい。
島型、貼合型、それらの混在型等の任意の形態にするこ
とができる。芯鞘型の場合は2層芯鞘型および3層以上
の多層芯鞘型のいずれでもよい。また海島型の場合は、
島の形状、数、分散状態を任意に選ぶことができ、島の
一部が繊維表面に露出していてもよい。更に、貼合型の
場合は、繊維の長さ方向に直角な繊維断面において、貼
合面が直線状、円弧状またはその他任意のランダムな曲
線状のいずれの状態になっていてもよく、更に複数の貼
合部分が互いに平行になっていても、放射状になってい
ても、その他任意の形状であってもよい。
【0056】また、上記した複合繊維では、変性Et/
VA系共重合体と複合させる他の熱可塑性重合体は、1
種類であってもまたは2種以上であってもよい。そし
て、本発明の染色方法は、繊維表面の一部または全部に
Et/VA系共重合体が露出して存在し、その耐熱水性
が低下している複合繊維に対して特に有効である。
VA系共重合体と複合させる他の熱可塑性重合体は、1
種類であってもまたは2種以上であってもよい。そし
て、本発明の染色方法は、繊維表面の一部または全部に
Et/VA系共重合体が露出して存在し、その耐熱水性
が低下している複合繊維に対して特に有効である。
【0057】そして、本発明で対象としている繊維およ
び複合繊維の断面形状はどのようなものであってもよ
く、円形または異形の形状とすることができる。異形断
面の場合は、例えば偏平形、楕円形、三角形〜八角形等
の角形、T字形、3〜8葉形等の多葉形等の任意の形状
とすることができる。更に、それらの繊維および複合繊
維は、繊維形成性重合体において通常使用されている蛍
光増白剤、安定剤、難燃剤、着色剤等の任意の添加剤を
必要に応じて含有することができる。
び複合繊維の断面形状はどのようなものであってもよ
く、円形または異形の形状とすることができる。異形断
面の場合は、例えば偏平形、楕円形、三角形〜八角形等
の角形、T字形、3〜8葉形等の多葉形等の任意の形状
とすることができる。更に、それらの繊維および複合繊
維は、繊維形成性重合体において通常使用されている蛍
光増白剤、安定剤、難燃剤、着色剤等の任意の添加剤を
必要に応じて含有することができる。
【0058】また、本発明の染色方法は、変性Et/V
A系共重合体からなるモノフィラメント等の長繊維、ス
テープル等の短繊維、フィラメント糸、紡績糸、それら
の繊維と天然繊維、半合成繊維、他の合成繊維との混繊
糸や混紡糸、合撚糸等のいずれに対しても施すことがで
き、その場合にそれらの繊維は、仮撚捲縮加工、交絡処
理等の任意の処理を施してあってもよい。更に本発明の
染色方法は、上記した繊維や糸から作製された編織物、
不織布、最終的な衣類、タオル等の繊維製品のいずれに
対しても施すことができる。
A系共重合体からなるモノフィラメント等の長繊維、ス
テープル等の短繊維、フィラメント糸、紡績糸、それら
の繊維と天然繊維、半合成繊維、他の合成繊維との混繊
糸や混紡糸、合撚糸等のいずれに対しても施すことがで
き、その場合にそれらの繊維は、仮撚捲縮加工、交絡処
理等の任意の処理を施してあってもよい。更に本発明の
染色方法は、上記した繊維や糸から作製された編織物、
不織布、最終的な衣類、タオル等の繊維製品のいずれに
対しても施すことができる。
【0059】キレート化合物(I)により変性されてEt
/VA系共重合体繊維および複合繊維を、綿、絹、麻、
羊毛等の天然繊維と混紡または交編織した場合には、そ
れらの天然繊維が存在することにより、キレート化合物
(I)によるEt/VA系共重合体の変性が阻害されて耐
熱水性の向上効果が発揮されにくいことがある。その場
合には、天然繊維と混紡または交編織する前に、Et/
VA系共重合体からなる繊維または複合繊維を綛、糸、
チーズ等の糸条形態でまずキレート化合物(I)により
変性し熱処理し、その後に天然繊維と混紡または交編織
すると耐熱水性の向上を図ることができる。
/VA系共重合体繊維および複合繊維を、綿、絹、麻、
羊毛等の天然繊維と混紡または交編織した場合には、そ
れらの天然繊維が存在することにより、キレート化合物
(I)によるEt/VA系共重合体の変性が阻害されて耐
熱水性の向上効果が発揮されにくいことがある。その場
合には、天然繊維と混紡または交編織する前に、Et/
VA系共重合体からなる繊維または複合繊維を綛、糸、
チーズ等の糸条形態でまずキレート化合物(I)により
変性し熱処理し、その後に天然繊維と混紡または交編織
すると耐熱水性の向上を図ることができる。
【0060】Et/VA系共重合体繊維または複合繊維
を丸編形態にした状態でキレート化合物(I)により変性
処理し、更に高温熱処理して捲縮を付与し、その後に丸
編を解舒して捲縮糸を得、この捲縮糸を単独で製編織す
るか、または天然繊維と製編織した後に、本発明の染色
処理を施すと、ソフト感に一層優れた良好な風合を有す
る極めて良好な色調に染色された伸縮性布帛を得ること
ができる。
を丸編形態にした状態でキレート化合物(I)により変性
処理し、更に高温熱処理して捲縮を付与し、その後に丸
編を解舒して捲縮糸を得、この捲縮糸を単独で製編織す
るか、または天然繊維と製編織した後に、本発明の染色
処理を施すと、ソフト感に一層優れた良好な風合を有す
る極めて良好な色調に染色された伸縮性布帛を得ること
ができる。
【0061】
【実施例】以下に、実施例等により本発明を具体的に説
明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の実
施例および比較例では、キレート化合物(I)として、先
の式(Ia)で示した化合物(Ia)を使用した。以下の実施例
および比較例において、Et/VA系共重合体における
アルコール性水酸基の化合物(Ia)による変性割合および
染色物の濃色性の度合を下記の方法により測定した。ま
た、染色後の布帛における糸間の接着度合は、染色後の
布帛をヨコの方向に切断し、その切断面を顕微鏡で観察
して、下記の表1に示した評価基準により評価すること
により行い、更に耐熱水性の評価は、各例で得られた布
帛の染色前後での光沢の有無および風合を下記表1に示
す評価基準に従って調べることにより行った。
明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の実
施例および比較例では、キレート化合物(I)として、先
の式(Ia)で示した化合物(Ia)を使用した。以下の実施例
および比較例において、Et/VA系共重合体における
アルコール性水酸基の化合物(Ia)による変性割合および
染色物の濃色性の度合を下記の方法により測定した。ま
た、染色後の布帛における糸間の接着度合は、染色後の
布帛をヨコの方向に切断し、その切断面を顕微鏡で観察
して、下記の表1に示した評価基準により評価すること
により行い、更に耐熱水性の評価は、各例で得られた布
帛の染色前後での光沢の有無および風合を下記表1に示
す評価基準に従って調べることにより行った。
【0062】アルコール性水酸基の化合物(Ia)による変
性割合の測定:Et/VA共重合体からエチレン単位の
重合割合(モル%)を差し引いた値をビニルアルコール
単位と見なし、そのビニルアルコール単位のうちで上記
化合物化合物(Ia)によって変性された割合[すなわちビ
ニルアルコール100モル%に対する変性割合(モル
%)]を、変性処理後のEt/VA共重合体中のクロム
含有量を原子吸光分析法により検出した値から算出し
た。
性割合の測定:Et/VA共重合体からエチレン単位の
重合割合(モル%)を差し引いた値をビニルアルコール
単位と見なし、そのビニルアルコール単位のうちで上記
化合物化合物(Ia)によって変性された割合[すなわちビ
ニルアルコール100モル%に対する変性割合(モル
%)]を、変性処理後のEt/VA共重合体中のクロム
含有量を原子吸光分析法により検出した値から算出し
た。
【0063】染色物の濃色性の度合測定:染色物の反射
率を分光光度計(日立307型カラーアナライザー;日
立製作所製)を用いて測定し、分光反射率曲線での最大
波長における反射率(R)から、下記数式1で示される
Kubelka-Munk の式を用いて濃色性の度合を表すK/S
値を求めた。下記の数式1において、K/S値が大きい
ほど、染色物の濃色性が高いことを示す。
率を分光光度計(日立307型カラーアナライザー;日
立製作所製)を用いて測定し、分光反射率曲線での最大
波長における反射率(R)から、下記数式1で示される
Kubelka-Munk の式を用いて濃色性の度合を表すK/S
値を求めた。下記の数式1において、K/S値が大きい
ほど、染色物の濃色性が高いことを示す。
【0064】
【数1】K/S=(1−R)2/2R
【0065】
【表1】 染色後の布帛の評価 布帛の糸間の接着度合の評価基準 : ◎・・糸間の接着が全く認められない ○・・糸間の接着が認められるものの10%以下である △・・約10〜80%の割合で糸間の接着が認められる ×・・約80%以上で糸間の接着が認められる 布帛の光沢の評価基準 : ◎・・深みのある極めて良好な光沢 ○・・深みのある良好な光沢 △・・やや深みに欠けるやや不良な光沢 ×・・白っぽく、深みが全くない 布帛の風合の評価基準 : ◎・・ソフトでふくらみがあり風合が極めて良好 ○・・ソフトで風合良好 △・・やや膠着を生じ、ソフトさにやや欠ける ×・・膠着の度合いが大きく、硬くて風合不良
【0066】《実施例 1》重合溶媒としてメタノール
を使用し、重合開始剤としてアゾビス−4−メチロキシ
−2,4−ジメチルバレロニトリルを使用して、60
℃、加圧下でエチレンと酢酸ビニルをラジカル重合させ
て、エチレン含量が44モル%のエチレン/酢酸ビニル
ランダム共重合体(数平均重合度約350)を製造し
た。次に、このエチレン/酢酸ビニルランダム共重合体
(以後「Et/VAc共重合体」という)を苛性ソーダ
含有メタノール液中でケン化処理して、共重合体中の酢
酸ビニル単位の99モル%以上がケン化した湿潤状態の
Et/VA共重合体を製造した。このEt/VA系共重
合体を酢酸を少量添加した純水の大過剰量を使用して洗
浄を繰り返した後、さらに大過剰の純水で洗浄を繰り返
して、共重合体中のアルカリ金属イオンおよびアルカリ
土類金属イオンの含有量を各々約10ppm以下にし、
その後、脱水機により共重合体から水を分離した後、1
00℃以下の温度で真空乾燥により充分乾燥して、Et
/VA共重合体(85%含水フェノール溶剤中、30℃
で測定したときの固有粘度[η]=1.05dl/g)
を得た。
を使用し、重合開始剤としてアゾビス−4−メチロキシ
−2,4−ジメチルバレロニトリルを使用して、60
℃、加圧下でエチレンと酢酸ビニルをラジカル重合させ
て、エチレン含量が44モル%のエチレン/酢酸ビニル
ランダム共重合体(数平均重合度約350)を製造し
た。次に、このエチレン/酢酸ビニルランダム共重合体
(以後「Et/VAc共重合体」という)を苛性ソーダ
含有メタノール液中でケン化処理して、共重合体中の酢
酸ビニル単位の99モル%以上がケン化した湿潤状態の
Et/VA共重合体を製造した。このEt/VA系共重
合体を酢酸を少量添加した純水の大過剰量を使用して洗
浄を繰り返した後、さらに大過剰の純水で洗浄を繰り返
して、共重合体中のアルカリ金属イオンおよびアルカリ
土類金属イオンの含有量を各々約10ppm以下にし、
その後、脱水機により共重合体から水を分離した後、1
00℃以下の温度で真空乾燥により充分乾燥して、Et
/VA共重合体(85%含水フェノール溶剤中、30℃
で測定したときの固有粘度[η]=1.05dl/g)
を得た。
【0067】上記で得たEt/VA共重合体を、口金温
度260℃で溶融紡糸し、紡糸速度1000m/分で巻
き取り、50デニール/24フィラメントのEt/VA
共重合体マルチフィラメントを得た。上記における繊維
化工程は良好でトラブルが発生しなかった。このマルチ
フィラメントを経糸および緯糸として用いてサテン織物
を製造した。上記の生機サテン織物を、水酸化ナトリウ
ムを1g/リットル、そしてアクチノールR−100
(界面活性剤:松本油脂社製)を0.5g/リットルの割
合で含有する水溶液で80℃で30分間処理して糊抜し
た後、化合物(Ia)を含有する下記の処理浴組成を有する
処理浴に入れて、常温下で10秒間含浸処理を行った。
度260℃で溶融紡糸し、紡糸速度1000m/分で巻
き取り、50デニール/24フィラメントのEt/VA
共重合体マルチフィラメントを得た。上記における繊維
化工程は良好でトラブルが発生しなかった。このマルチ
フィラメントを経糸および緯糸として用いてサテン織物
を製造した。上記の生機サテン織物を、水酸化ナトリウ
ムを1g/リットル、そしてアクチノールR−100
(界面活性剤:松本油脂社製)を0.5g/リットルの割
合で含有する水溶液で80℃で30分間処理して糊抜し
た後、化合物(Ia)を含有する下記の処理浴組成を有する
処理浴に入れて、常温下で10秒間含浸処理を行った。
【0068】処理浴組成 化合物(Ia)(セブランCR−N:純度25%) 4% ヘキサメチレンテトラミン 0.2% (ゼブランCR−Nに対し1/20濃度)
【0069】次いでサテン織物を処理浴から取り出し
て、マングルで含浸率60%に絞った。これをビームに
巻取り、この巻いた反物をポリエチレン製の袋に入れて
24時間回転させた後、袋より取り出して70℃で予備
乾燥し、150℃で1分間乾熱処理した。この時点で布
帛を構成するEt/VA系共重合体繊維中のアルコール
性水酸基の化合物(Ia)による変性割合を上記の方法で測
定したところ0.5モル%であった。
て、マングルで含浸率60%に絞った。これをビームに
巻取り、この巻いた反物をポリエチレン製の袋に入れて
24時間回転させた後、袋より取り出して70℃で予備
乾燥し、150℃で1分間乾熱処理した。この時点で布
帛を構成するEt/VA系共重合体繊維中のアルコール
性水酸基の化合物(Ia)による変性割合を上記の方法で測
定したところ0.5モル%であった。
【0070】上記で得られた化合物(Ia)で変性されたサ
テン織物を、下記の表2に示した染液組成の染色液中に
浸漬して115℃で40分間染色処理した。
テン織物を、下記の表2に示した染液組成の染色液中に
浸漬して115℃で40分間染色処理した。
【0071】
【表2】 染 液 組 成 染料:Sumikaron Blue SE-RPD(住友化学社製) 2%owf 添加剤: 化合物(a)1)(花王社製デモールSNB) 表3のとおり 化合物(b)2)(日華化学工業社製ニッカサンソルト7000) 表3のとおり 化合物(c)3)(山陽国策パルプ社製バニレックスN) 表3のとおり pH調節 表3のとおり 硼酸濃度 表3のとおり 硫酸ナトリウム濃度 表3のとおり 1)ナフタリンスルホン酸ナトリウム及びブチルナフタリ
ンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物(ナフタリ
ンスルホン酸ナトリウム基約3個含有) 2)主成分;ポリオキシプロピレンオキシエチレンドデシ
ルエーテル硫酸ナトリウム(オキシプロピレン単位約2
個、オキシエチレン単位約14個含有) 3)リグニンスルホン酸ナトリウム
ンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物(ナフタリ
ンスルホン酸ナトリウム基約3個含有) 2)主成分;ポリオキシプロピレンオキシエチレンドデシ
ルエーテル硫酸ナトリウム(オキシプロピレン単位約2
個、オキシエチレン単位約14個含有) 3)リグニンスルホン酸ナトリウム
【0072】次いで、布帛を染色浴から取り出して、7
0℃で通常の還元洗浄を行った。115℃の高温染色の
結果得られた染色織物を構成する糸間の接着度合、染色
織物の風合および光沢の度合いを上記した方法により評
価して、耐熱水性を調べた。その結果を下記の表3に示
す。
0℃で通常の還元洗浄を行った。115℃の高温染色の
結果得られた染色織物を構成する糸間の接着度合、染色
織物の風合および光沢の度合いを上記した方法により評
価して、耐熱水性を調べた。その結果を下記の表3に示
す。
【0073】
【表3】
【0074】上記表3の結果から、硼酸、並びに化合物
(a)〜化合物(c)の少なくとも1種を含有するpH5以
下の染色浴を用いて、化合物(Ia)で変性したEt/VA
系共重合体からなる織物を染色している実験番号7〜1
0および13では、織物を構成糸間の接着が生じず、ふ
くらみ感、ドレープ性およびしなやかさに優れ、且つ深
みのある色調を有する染色織物が得られるのがわかる。
これに対して、硼酸を含まないか、または化合物(a)〜
化合物(c)のいずれかを含まない染色浴、あるいはpH
が5よりも高い染色浴を使用している実験番号1〜6お
よび11〜12の場合には、織物を構成する糸間の接着
が生じていて、染色織物の風合および感触が低下すると
ともに、白化し深みのない色調に染まっていることがわ
かる。
(a)〜化合物(c)の少なくとも1種を含有するpH5以
下の染色浴を用いて、化合物(Ia)で変性したEt/VA
系共重合体からなる織物を染色している実験番号7〜1
0および13では、織物を構成糸間の接着が生じず、ふ
くらみ感、ドレープ性およびしなやかさに優れ、且つ深
みのある色調を有する染色織物が得られるのがわかる。
これに対して、硼酸を含まないか、または化合物(a)〜
化合物(c)のいずれかを含まない染色浴、あるいはpH
が5よりも高い染色浴を使用している実験番号1〜6お
よび11〜12の場合には、織物を構成する糸間の接着
が生じていて、染色織物の風合および感触が低下すると
ともに、白化し深みのない色調に染まっていることがわ
かる。
【0075】《実施例 2》ケン化度が99%でエチレ
ン含量が44モル%のEt/VA共重合体(固有粘度
[η]=1.10dl/g)と、イソフタル酸を8モル
%共重合したポリエチレンテレフタレート(以後「PE
T共重合体」という)(紡糸時の固有粘度[η]=0.
65dl/g)とを、1:1の重量割合で複合紡糸し
て、その断面形状が真円形で且つEt/VA共重合体が
鞘部を構成しPET共重合体が芯部を構成する2層同心
芯鞘型の複合繊維を紡糸温度265℃、紡糸速度100
0m/分で溶融紡糸して複合フィラメント糸を製造し
た。
ン含量が44モル%のEt/VA共重合体(固有粘度
[η]=1.10dl/g)と、イソフタル酸を8モル
%共重合したポリエチレンテレフタレート(以後「PE
T共重合体」という)(紡糸時の固有粘度[η]=0.
65dl/g)とを、1:1の重量割合で複合紡糸し
て、その断面形状が真円形で且つEt/VA共重合体が
鞘部を構成しPET共重合体が芯部を構成する2層同心
芯鞘型の複合繊維を紡糸温度265℃、紡糸速度100
0m/分で溶融紡糸して複合フィラメント糸を製造し
た。
【0076】上記で得た複合糸を通常のローラプレート
延伸機により、75℃の熱ローラ、および120℃の熱
プレートに接触させて延伸倍率4.1倍に延伸して50
デニール/24フィラメントの複合延伸糸を製造した。
この複合延伸糸を経糸および緯糸として、経糸にはZ撚
300T/Mの撚糸を、また緯糸にはZ撚2500T/
M、S撚2500T/Mの強撚糸を2本ずつ交互に緯入
れを行ってサテンクレープを製織した。その生機密度は
経糸164本/寸、緯糸97本/寸であった。
延伸機により、75℃の熱ローラ、および120℃の熱
プレートに接触させて延伸倍率4.1倍に延伸して50
デニール/24フィラメントの複合延伸糸を製造した。
この複合延伸糸を経糸および緯糸として、経糸にはZ撚
300T/Mの撚糸を、また緯糸にはZ撚2500T/
M、S撚2500T/Mの強撚糸を2本ずつ交互に緯入
れを行ってサテンクレープを製織した。その生機密度は
経糸164本/寸、緯糸97本/寸であった。
【0077】上記で得た生機サテンクレープをシュリン
ク・サファ(Shrink Suffer)機により無緊張状態で1
50℃の乾熱処理を行った。次いで、水酸化ナトリウム
を1g/リットル、アクチノールR−100(界面活性
剤:松本油脂社製)を0.5g/リットル含有する液を
使用して80℃で30分間精錬糊抜処理を行った後、化
合物(Ia)を含有する下記の処理浴組成を有する処理浴に
入れて常温下で10秒間含浸処理を行った。
ク・サファ(Shrink Suffer)機により無緊張状態で1
50℃の乾熱処理を行った。次いで、水酸化ナトリウム
を1g/リットル、アクチノールR−100(界面活性
剤:松本油脂社製)を0.5g/リットル含有する液を
使用して80℃で30分間精錬糊抜処理を行った後、化
合物(Ia)を含有する下記の処理浴組成を有する処理浴に
入れて常温下で10秒間含浸処理を行った。
【0078】処理浴組成 化合物(Ia)(ゼブランCR−N;純度25%) 5 % グリセリン 2 % ヘキサメチレンテトラミン 0.2%
【0079】次いで織物を処理浴から取り出して、マン
グルで含浸率60%に絞った。これをビームに巻取り、
この巻いた反物をポリエチレン製の袋に入れて24時間
回転させた後、袋より取り出して70℃で予備乾燥した
後、150℃で1分間乾熱処理した。この時点で布帛を
構成するEt/VA系共重合体繊維中のアルコール性水
酸基の化合物(Ia)による変性割合を上記の方法で測定
したところ、0.6モル%であった。上記で得られた化
合物(Ia)で変性された織物を、下記の表4に示した染液
組成の染色液中に浸漬して135℃で40分間染色処理
した。
グルで含浸率60%に絞った。これをビームに巻取り、
この巻いた反物をポリエチレン製の袋に入れて24時間
回転させた後、袋より取り出して70℃で予備乾燥した
後、150℃で1分間乾熱処理した。この時点で布帛を
構成するEt/VA系共重合体繊維中のアルコール性水
酸基の化合物(Ia)による変性割合を上記の方法で測定
したところ、0.6モル%であった。上記で得られた化
合物(Ia)で変性された織物を、下記の表4に示した染液
組成の染色液中に浸漬して135℃で40分間染色処理
した。
【0080】
【表4】 染 液 組 成 染料:Kayalon Polyester Black G-SF(日本化薬製) 12%owf 添加剤: 化合物(a)1)(山陽国策パルプ社製パフレックスN) 2%owf pH調節 3.5 硼酸濃度 20g/リットル 硫酸ナトリウム濃度 20g/リットル 酢酸ジルコニウム濃度 表5に示すとおり 浴 比 50:1
【0081】次いで、布帛を染色浴から取り出して、ハ
イドロサルファイト1g/リットルおよび炭酸ナトリウ
ム1g/リットルを含む溶液を用いて、70℃で30分
間還元洗浄を行った。135℃の高温染色の結果得られ
た染色織物を構成する糸間の接着度合、染色織物の風合
および光沢の度合いを上記した方法により評価して、耐
熱水性を調べた。その結果を下記の表5に示す。
イドロサルファイト1g/リットルおよび炭酸ナトリウ
ム1g/リットルを含む溶液を用いて、70℃で30分
間還元洗浄を行った。135℃の高温染色の結果得られ
た染色織物を構成する糸間の接着度合、染色織物の風合
および光沢の度合いを上記した方法により評価して、耐
熱水性を調べた。その結果を下記の表5に示す。
【0082】《実施例 3》糊抜き前の無緊張状態、1
50℃での乾熱処理を行わなかった以外は実施例2と同
様にして、サテンクレープの製造、染色処理および最終
熱処理を行った。得られた染色織物を構成する糸間の接
着度合、染色織物の風合および光沢の度合いを上記した
方法により評価して、耐熱水性を調べた。その結果を下
記の表5に示す。
50℃での乾熱処理を行わなかった以外は実施例2と同
様にして、サテンクレープの製造、染色処理および最終
熱処理を行った。得られた染色織物を構成する糸間の接
着度合、染色織物の風合および光沢の度合いを上記した
方法により評価して、耐熱水性を調べた。その結果を下
記の表5に示す。
【0083】《比較例 1》化合物(Ia)による変性処理
を行わず、染色処理を135℃の液流高温染色により行
った他は実施例2と同様にして、サテンクレープを製造
して染色処理を行った。得られた染色織物を構成する糸
間の接着度合、染色織物の風合および光沢の度合いを上
記した方法により評価して、耐熱水性を調べた。その結
果を下記の表5に示す。
を行わず、染色処理を135℃の液流高温染色により行
った他は実施例2と同様にして、サテンクレープを製造
して染色処理を行った。得られた染色織物を構成する糸
間の接着度合、染色織物の風合および光沢の度合いを上
記した方法により評価して、耐熱水性を調べた。その結
果を下記の表5に示す。
【0084】
【表5】
【0085】上記表5の結果から、硼酸および化合物
(a)を含有するpH5以下の染色浴を用いて、化合物(I
a)で変性したEt/VA系共重合体からなる織物を染色
するにあたって、染色処理の前に織物を熱処理を施して
おくと、また染色浴にジルコニウム化合物を添加する
と、織物を構成糸間の接着を一層良好に防止することが
でき、しかもふくらみ感、ドレープ性およびしなやか
さ、且つ深みのある色調の点で一層優れた染色物が得ら
れることがわかる。また、表5の結果から、化合物(Ia)
で変性していないEt/VA系共重合体からなる織物の
場合は、硼酸および化合物(a)を含有するpH5以下の
染色浴を用いて染色した場合、さらにその染色処理の前
に織物を熱処理を施しておいた場合、そして染色浴にジ
ルコニウム化合物を添加した場合のいずれの場合にも、
織物を構成する糸間に接着が生じていて、染色織物の風
合および感触が著しく低下するとともに、白化し深みの
ない色調の染色物になることがわかる。
(a)を含有するpH5以下の染色浴を用いて、化合物(I
a)で変性したEt/VA系共重合体からなる織物を染色
するにあたって、染色処理の前に織物を熱処理を施して
おくと、また染色浴にジルコニウム化合物を添加する
と、織物を構成糸間の接着を一層良好に防止することが
でき、しかもふくらみ感、ドレープ性およびしなやか
さ、且つ深みのある色調の点で一層優れた染色物が得ら
れることがわかる。また、表5の結果から、化合物(Ia)
で変性していないEt/VA系共重合体からなる織物の
場合は、硼酸および化合物(a)を含有するpH5以下の
染色浴を用いて染色した場合、さらにその染色処理の前
に織物を熱処理を施しておいた場合、そして染色浴にジ
ルコニウム化合物を添加した場合のいずれの場合にも、
織物を構成する糸間に接着が生じていて、染色織物の風
合および感触が著しく低下するとともに、白化し深みの
ない色調の染色物になることがわかる。
【0086】
【発明の効果】キレート化合物(I)で変性されたEt/
VA系共重合体からなる繊維、糸または布帛等の繊維製
品を、硼酸または硼酸と強酸・強塩基の塩、および化合
物(a)〜化合物(c)のうちの少なくとも1種を含有する
pH5以下の染色浴を用いて染色する本発明の染色方法
による場合は、高温染色が可能になり、染色時の加熱に
よっても繊維や糸間の膠着や接着が生じないため、風合
の硬化、外観の悪化、光沢の消失等がなく、ふくらみ
感、ドレープ性、ハリ、コシのある良好な風合を有する
染色物を得ることができる。しかも、化合物(a)、化合
物(b)および/または化合物(c)の使用によって、染色
物の濃色化が一層向上することにより、白っぽくない、
深みのある極めて良好な色調を有する染色物を得ること
ができる。そして、本発明の上記した効果は、染色処理
の前に織物を熱処理を施しておくことにより、また染色
浴に更にジルコニウム化合物を含有させることによっ
て、一層高めることができる。
VA系共重合体からなる繊維、糸または布帛等の繊維製
品を、硼酸または硼酸と強酸・強塩基の塩、および化合
物(a)〜化合物(c)のうちの少なくとも1種を含有する
pH5以下の染色浴を用いて染色する本発明の染色方法
による場合は、高温染色が可能になり、染色時の加熱に
よっても繊維や糸間の膠着や接着が生じないため、風合
の硬化、外観の悪化、光沢の消失等がなく、ふくらみ
感、ドレープ性、ハリ、コシのある良好な風合を有する
染色物を得ることができる。しかも、化合物(a)、化合
物(b)および/または化合物(c)の使用によって、染色
物の濃色化が一層向上することにより、白っぽくない、
深みのある極めて良好な色調を有する染色物を得ること
ができる。そして、本発明の上記した効果は、染色処理
の前に織物を熱処理を施しておくことにより、また染色
浴に更にジルコニウム化合物を含有させることによっ
て、一層高めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D06P 3/82 D06P 3/82 5/20 5/20 (72)発明者 田中 和彦 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社ク ラレ内 (72)発明者 河本 正夫 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社ク ラレ内 (56)参考文献 特開 平1−266287(JP,A) 特開 昭51−38591(JP,A) 特開 昭64−14382(JP,A) 特開 昭61−152879(JP,A) 特開 昭60−134078(JP,A) 特開 昭55−148287(JP,A) 特公 昭41−14630(JP,B1) 特公 昭40−8758(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06P 3/79 D06P 1/56 D06P 1/60 D06P 1/62 D06P 1/673 D06P 3/82 D06P 5/20
Claims (5)
- 【請求項1】 基本骨格がエチレン−ビニルアルコール
系共重合体からなっており、共重合体中のアルコール性
水酸基が、下記の式(I); 【化1】 (式中、Mはキレート形成能を有する金属原子、R1は
アルキル基、そしてXはハロゲン原子を示す)で表され
る化合物の少なくとも1種によって変性されている変性
エチレン−ビニルアルコール系共重合体からなる繊維、
複合繊維、或いはそれらの繊維の少なくとも一方を構成
成分とする糸または繊維製品を、 (i) 硼酸、または硼酸と強酸・強塩基の塩;並びに (ii) (a)ナフタリンスルホン酸塩またはそのホルマリ
ン縮合物、(b)アルキル(ポリ)オキシアルキレン硫酸
エステル塩系化合物、および(c)リグニンスルホン酸塩
系化合物から選ばれる化合物の少なくとも1種;を含有
する染色浴中で、pH5以下の酸性領域で染色すること
を特徴とする、変性エチレン−ビニルアルコール系共重
合体からなる繊維、複合繊維、糸または繊維製品の染色
方法。 - 【請求項2】 染色浴が更にジルコニウム系化合物を含
有する請求項1の染色方法。 - 【請求項3】 染色処理を行う前に、式(I)の化合物で
変性されたエチレン−ビニルアルコール系共重合体から
なる繊維、複合繊維、糸または繊維製品を、その融点未
満の高温下で熱処理する請求項1または2の染色方法。 - 【請求項4】 式(I)の化合物で変性されたエチレン−
ビニルアルコール系共重合体からなる繊維、複合繊維、
糸または繊維製品が、式(I)の化合物の他に、中和剤;
および/またはグリセリン、エチレングリコール、ポリ
エチレングリコールおよびイソプロピルアルコールのう
ちの少なくとも1種の水酸基含有化合物を更に含む処理
剤を用いてエチレン−ビニルアルコール系共重合体から
なる繊維、複合繊維、糸または繊維製品を変性処理した
ものである、請求項1〜3のいずれか1項の染色方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項の方法によ
り得られた染色物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04273395A JP3130145B2 (ja) | 1992-09-18 | 1992-09-18 | 変性されたエチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維、糸または繊維製品の染色方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04273395A JP3130145B2 (ja) | 1992-09-18 | 1992-09-18 | 変性されたエチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維、糸または繊維製品の染色方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06101177A JPH06101177A (ja) | 1994-04-12 |
JP3130145B2 true JP3130145B2 (ja) | 2001-01-31 |
Family
ID=17527305
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04273395A Expired - Fee Related JP3130145B2 (ja) | 1992-09-18 | 1992-09-18 | 変性されたエチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維、糸または繊維製品の染色方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3130145B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100394325C (zh) * | 2003-09-03 | 2008-06-11 | 日东电工株式会社 | 复合管 |
CN105603784A (zh) * | 2016-02-26 | 2016-05-25 | 苏州三和开泰花线织造有限公司 | 一种高效纤维染色增深剂及其制备方法 |
-
1992
- 1992-09-18 JP JP04273395A patent/JP3130145B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100394325C (zh) * | 2003-09-03 | 2008-06-11 | 日东电工株式会社 | 复合管 |
CN105603784A (zh) * | 2016-02-26 | 2016-05-25 | 苏州三和开泰花线织造有限公司 | 一种高效纤维染色增深剂及其制备方法 |
CN105603784B (zh) * | 2016-02-26 | 2018-01-16 | 苏州三和开泰花线织造有限公司 | 一种高效纤维染色增深剂及其制备方法 |
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JPH06101177A (ja) | 1994-04-12 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |